JPH0532529U - デツキプレート用天井吊り金具 - Google Patents
デツキプレート用天井吊り金具Info
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- JPH0532529U JPH0532529U JP8801791U JP8801791U JPH0532529U JP H0532529 U JPH0532529 U JP H0532529U JP 8801791 U JP8801791 U JP 8801791U JP 8801791 U JP8801791 U JP 8801791U JP H0532529 U JPH0532529 U JP H0532529U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 デッキプレート蟻溝部8に対し、吊りボルト
2を使用しないで仮止めし得る天井吊り金具1を提案す
る。 【構成】 ネジ孔3を螺合貫通する吊りボルト2で両屈
曲側板部5を押し開くようにした天井吊り金具1に於い
て、両屈曲側板部5の上端を取り囲む仮想平面形状が、
当該屈曲側板部上端5aが吊りボルト2のねじ込み方向
側に傾斜する斜めの短辺SHとなる平行四辺形であっ
て、その対向長辺LH間の巾Aはデッキプレート蟻溝部
8入口の巾W1より小さくて、その対向短辺SH間の巾
Bは蟻溝部入口の巾W1より大きいが当該蟻溝部8の内
奥巾W2よりも小さく、そして短い方の対角線L2が蟻
溝部の内奥巾W2より若干大きくなるように形成されて
いる。
2を使用しないで仮止めし得る天井吊り金具1を提案す
る。 【構成】 ネジ孔3を螺合貫通する吊りボルト2で両屈
曲側板部5を押し開くようにした天井吊り金具1に於い
て、両屈曲側板部5の上端を取り囲む仮想平面形状が、
当該屈曲側板部上端5aが吊りボルト2のねじ込み方向
側に傾斜する斜めの短辺SHとなる平行四辺形であっ
て、その対向長辺LH間の巾Aはデッキプレート蟻溝部
8入口の巾W1より小さくて、その対向短辺SH間の巾
Bは蟻溝部入口の巾W1より大きいが当該蟻溝部8の内
奥巾W2よりも小さく、そして短い方の対角線L2が蟻
溝部の内奥巾W2より若干大きくなるように形成されて
いる。
Description
【0001】
本考案は、コンクリートスラブに添装される蟻溝付き天井デッキプレート(一 般にスーパーEデッキと称される)の蟻溝に取付けて、吊りボルトによりダクト や電気配線等を吊るすのに使用される天井吊り金具に関するもので、特に、吊り ボルトが螺合貫通するネジ孔を有する底板部の左右両端から、中間部が互いに接 近するように対称くの字形に折曲し且つ上端がそれぞれ内側に折曲された左右一 対の側板部を連設したデッキプレート用天井吊り金具に関する。
【0002】
この種の天井吊り金具は、前記対称くの字形両側板のそれぞれ上半部が前記デ ッキプレートの蟻溝部に嵌合可能な嵌合部を形成しており、しかして前記底板部 のネジ穴より吊りボルトの上端部をねじ込んで、そのねじ込み端部により前記対 称くの字形両側板の互いに接近した中間折曲部を左右両側方へ押し広げることに より、前記両嵌合部を前記デッキプレート蟻溝部に嵌合させて、取付けるように したものである。
【0003】 ところで、従来の天井吊り金具は、前記両嵌合部を囲む平面形状が方形を成し て、その左右方向幅及び前後方向幅がそれぞれデッキプレートの蟻溝部入口幅よ りも小さく形成してあり、しかしてデッキプレートへの取付けにあたっては、こ の吊り金具の上半部を、その左右方向がデッキプレート蟻溝部の幅方向と一致す るようにデッキプレート蟻溝部の所定位置に挿入し、その位置にこの吊り金具を 手で保持した状態で、吊りボルトをねじ込んで両側板を左右方向へ押し広げて、 両嵌合部を蟻溝部に嵌合するようにしている。
【0004】
上記のように従来の天井吊り金具では、取付けにあたって、吊りボルトをねじ 込んで両側板部を十分に押し広げておかないと、吊り金具が蟻溝部から落下して しまう。つまり、従来の吊り金具では蟻溝部に対し仮止めを行うことができない 。したがって、取付け位置を最初から正確に設定しておく必要があり、そのため 位置決め作業に手間がかかり、しかも吊りボルトのねじ込みを行う間当該吊り金 具を定位置に保持しておかねばならず、取付け作業に困難を来していた。
【0005】 本考案は、上記の事情に鑑み、デッキプレート蟻溝への仮止めが行えて、取付 け作業が非常に簡単容易な天井吊り金具を提供することを目的とする。
【0006】
本考案の天井吊り金具は、両側板部のデッキプレート蟻溝部内への嵌合部を囲 む平面形状を斜交平行四辺形に形成し、この斜交平行四辺形の前記両嵌合部を結 ぶ左右方向幅をデッキプレートの蟻溝部入口の幅より大ならしめると共に、前記 斜交平行四辺形の前後方向幅を前記蟻溝部入口の幅より小ならしめ、前記両嵌合 部の基部両角部どうしを結ぶ対角線のうち短い方の対角線を前記蟻溝部の内奥幅 より若干大ならしめてなることを特徴とする。
【0007】
本考案の実施例について図面を参照して説明すると、図1〜図6において、1 は鋼板製の天井吊り金具で、吊りボルト2が螺合貫通するネジ孔3を有する底板 4と、この底板4の左右両端から上向きに連設されて、中間部が互いに接近する ように対称くの字形に折曲され且つ上端がそれぞれ内側に折曲された左右一対の 側板部5,5とからなり、各側板部5はその中間折曲部6から上方部分が、コン クリートスラブSの下面に添装されたデッキプレート7の蟻溝部8に嵌合する断 面略横向きV字形の嵌合部9を形成している。
【0008】 上記構造について更に詳細に説明すると、天井吊り金具1は、特に図3及び図 5から明らかなように、前記両側板5,5のデッキプレート蟻溝部8への両嵌合 部9,9を囲む平面形状が斜交平行四辺形に形成され、この斜交平行四辺形の前 記両嵌合部9,9を結ぶ左右方向幅Aがデッキプレート7の蟻溝部8入口の幅W 1より大きく、且つ前記斜交平行四辺形の前後方向幅Bが前記蟻溝部8入口の幅 Wより小さくなるように、尚且つ前記両嵌合部9,9の基部両角部どうしを結ぶ 対角線L1,L2のうち短い方の対角線L2が前記蟻溝部8の内奥幅W2より若 干大きくなるように形成されている。尚、前記底板4の平面形状も前記両嵌合部 9,9を囲む平面形状と同じような斜交平行四辺形であるが、左右方向幅が両嵌 合部9,9の斜交平行四辺形より狭くなるように形成されている(図4及び図5 参照)。
【0009】 また図4及び図6に示すように、前記両側板5、5は、これらの中間折曲部6 ,6間の間隔幅Hは吊りボルト2のネジ部2aの外径より小さくなるように構成 され、また両側板5,5の上端部間の間隔は前記中間折曲部6,6間の間隔幅と 同じHとされている。各側板5には、当該側板5内側面の中間折曲部6付近に縦 方向に延びるガイド溝10を形成する隆起部11が突設され、また各中間折曲部 6の両端部には三角形状の補強部12が形成されている。尚、前記隆起部11も 補強機能を有する。
【0010】 以上説明したような構成の天井吊り金具1をデッキプレート7に取付けるにあ たっては、図7に示すように、天井吊り金具1を手で持って、両側板5,5の向 き合う左右方向がデッキプレート7の蟻溝部8の長さ方向に一致する状態で両嵌 合部9,9を蟻溝部8内に嵌め入れ、その位置で吊り金具1を右回りに約90度 回転させることにより、この吊り金具1は図8に示すように両側板5,5の嵌合 部9,9が蟻溝部8に嵌合してデッキプレート7に仮止めされた状態となり、手 を離しても落下することがない。
【0011】 この場合の仮止め状態を、図3によって詳しく説明すると、実線図示のように 両側板5,5の向き合う左右方向(即ち、両嵌合部9,9を結ぶ左右方向)を蟻 溝部8の長さ方向と一致させてこの蟻溝部8に両嵌合部9,9を入れた状態から 、吊り金具1を右に回転させ(図3は平面図であるため回転方向が逆に図示され る)、両嵌合部9,9が同図の1点鎖線図示位置に来ると、両嵌合部9,9の基 部両角部を結ぶ対角線のうちの短い方の対角線L2上の両角部K,Kが、蟻溝部 8の内奥部8aに当たって、一時的に回転が制限された状態となるが、比較的強 い回転力を与えることにより、両側板5,5が弾性変形して、前記対角線L2上 の両角部K,Kは前記内奥部8aを越えることができ、しかして両嵌合部9,9 は2点鎖線図示位置に至ることになる。この2点鎖線図示位置から更に右に回転 させても、若干は回転するが、両嵌合部9,9の長い方の対角線L1の長さが蟻 溝部8の内奥幅より相当に長いため、それ以上の回転は完全に制限される。した がって、短い方の対角線L2上の両角部K,Kが前記内奥部8aを越えるまで回 転させてしまえば、強制的に逆回転させない限り両嵌合部9,9は、蟻溝部8か ら容易に外れることなく仮止め位置に保持され、しかもこの仮止め位置では蟻溝 部8内をその長さ方向に沿って自由にスライドさせることができ、そしてまたこ の仮止め位置から最初の回転方向と同一方向(右方向)にはそれ以上回転不能と なる。
【0012】 上記のようにして天井吊り金具1をデッキプレート7の蟻溝部8に仮止めした 後、吊りボルト2の上端部を底板部4のネジ孔3に螺合する。この場合、吊りボ ルト2は右ねじタイプのものが普通であり、しかも前記蟻溝部8に仮止めされて いる吊り金具1はその仮止め位置でそれ以上の右回転が制限されているため、吊 りボルト2のねじ込みにあたっては、吊り金具1を上記のように仮止めしておけ ば、何ら手で保持することなくそのままの状態で、ねじ込み作業を行うことがで きる。
【0013】 前記吊りボルト2をネジ孔3に螺合貫通させると、当該吊りボルト2の上端部 が天井吊り金具1の両側板5,5における中間折曲部6,6を通過しつつ両側板 5,5を左右方向に押し広げてゆき、そして吊りボルト2上端が蟻溝部8の底壁 面に当接した状態で吊りボルト2を更に回転させることにより、吊り金具1全体 が押し下げられ、それによって両嵌合部9,9が蟻溝部8に嵌合固定されること になる。この場合、各側板5の中間折曲部6内面にはガイド溝10が設けてある ため、吊りボルト2がネジ孔3を螺合貫通してゆく際に吊りボルト2のネジ部が このガイド溝10に係合し、それにより吊りボルト2がネジ孔3の軸芯からずれ るようなことがなくなり、吊りボルト2のねじ込みを正確且つ容易に行うことが できる。
【0014】 また、この天井吊り金具1は、吊りボルト2の上端が蟻溝部8の底壁面に当接 した状態で両嵌合部9,9の対向突出端9a,9aが図1に示すように吊りボル ト2の周面に圧接するように構成してあるため、当該吊り金具1に吊りボルト2 を通じて大きな荷重が負荷されても、各嵌合部9が蟻溝部8内において三角形を 構成して不動状態となり、したがって吊りボルト2がずれ下がるような不都合が ない。
【0015】
本考案の天井吊り金具は、当該吊り金具を手で持って、両側板の向き合う左右 方向がデッキプレートの蟻溝部の長さ方向に一致する状態で両嵌合部を蟻溝部内 に嵌め入れ、そのまま所定方向に約90度回転させることにより、両嵌合部が蟻 溝部に嵌合してデッキプレートに仮止めされた状態となり、手を離しても落下す ることがない。
【0016】 この場合、両側板の向き合う左右方向(即ち、両嵌合部を結ぶ左右方向)を蟻 溝部の長さ方向と一致させてこの蟻溝部に両嵌合部を入れた状態から、吊り金具 1を所定方向に或る程度まで回転させると、両嵌合部の基部両角部を結ぶ対角線 のうちの短い方の対角線上の両角部が、蟻溝部の内奥部に当たって、一時的に回 転が制限された状態となるが、比較的強い回転力を与えることにより、両側板が 弾性変形して、前記短い対角線上の両角部は前記内奥部を越えることができ、し かして両嵌合部は蟻溝部に嵌合する位置に保持される。かかる位置から更に同じ 方向に回転させても、若干は回転するが、両嵌合部の長い方の対角線の長さが蟻 溝部の内奥幅より相当に長いため、それ以上の回転は完全に制限される。
【0017】 したがって、短い方の対角線上の両角部が前記内奥部を越えるまで回転させて しまえば、強制的に逆回転させない限り両嵌合部は、蟻溝部から容易に外れるこ となく仮止め位置に保持され、しかもこの仮止め位置では蟻溝部内をその長さ方 向に沿って自由にスライドさせることができるため、取付け位置を任意に調整、 変更することができる。また、蟻溝部に仮止めされている吊り金具はその仮止め 位置でそれ以上の同一方向回転が制限されることから、吊りボルトのねじ込みに あたっては、吊り金具を上記のように仮止めしておけば、何ら手で保持すること なくそのままの状態で、ねじ込み作業を行うことができる。
【0018】 このように本考案の天井吊り金具によれば、デッキプレート蟻溝への仮止めが 行えると共に、取付け位置の調整、変更が容易に行えて、取付け作業の能率向上 を図ることができる。
【提出日】平成4年11月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【0001】
本考案は、コンクリートスラブの下側コンクリート型枠板を兼用する場合など に使用されるデッキプレート、即ち、蟻溝部を適当間隔おきに備えたデッキプレ ート(一般にスーパーEデッキと称される)の蟻溝部に取付けて、吊りボルトに より各種配管やダクト、天井板取付け用枠材などを吊るすのに使用される天井吊 り金具に関するものである。
【0002】
この種の天井吊り金具として、吊りボルトが螺合貫通するネジ孔を有する底板 部の左右両端から、中間部が互いに接近するように対称くの字形に折曲した左右 一対の屈曲側板部を連設し、前記ネジ孔を螺合貫通する吊りボルトで両屈曲側板 部を押し開くようにしたデッキプレート用天井吊り金具が考えられている。
【0003】 ところで、従来のこの種の天井吊り金具は、前記両屈曲側板部の上端を取り囲 む仮想平面形状が略正方形であって、デッキプレートの蟻溝部内に両屈曲側板部 の上半部を嵌合させた状態で、底板部のネジ孔に螺合貫通させた吊りボルトをね じ込んで両屈曲側板部を押し開かなければ、当該蟻溝部に係止させることが出来 ないものであった。従って、吊りボルトを螺合させていない金具をデッキプレー トの蟻溝部に、落下しない状態で且つ溝長さ方向移動可能に仮止めしておくこと が出来ないばかりでなく、吊りボルトをねじ込むときも、金具の下端部を手で持 って回り止めしておく必要があり、作業性が悪かった。
【0004】
本考案は上記のような従来の問題点を解決するために成されたものであって、 その特徴を後述する実施例の参照符号を括弧付きで付して示すと、本考案のデッ キプレート用天井吊り金具は、吊りボルト(2) が螺合貫通するネジ孔(3) を有す る底板部(4) の左右両端から、中間部が互いに接近するように対称くの字形に折 曲した左右一対の屈曲側板部(5) を連設し、吊りボルト(2) で両屈曲側板部を押 し開くようにした天井吊り金具(1) であって、前記両屈曲側板部(5) の上端を取 り囲む仮想平面形状が、当該屈曲側板部上端(5a)が前記吊りボルト(2) のねじ込 み方向側に傾斜する斜めの短辺(SH)となる平行四辺形であって、その対向長辺(L H)間の巾(A) はデッキプレート(7) の蟻溝部(8) 入口の巾(W1)より小さくて、そ の対向短辺(SH)間の巾(B) は蟻溝部入口の巾(W1)より大きいが当該蟻溝部(8) の 内奥巾(W2)よりも小さく、そして短い方の対角線(L2)が蟻溝部の内奥巾(W2)より 若干大きくなるように形成されている点に特徴を有する。
【0005】 また、請求項2に係る本考案の吊り金具に於いては、両屈曲側板部(5) の内側 面に、その屈曲部(5b)から底板部(4) 側に延びる吊りボルト案内用凹溝(9) が形 成される。
【0006】 更に、請求項3に係る本考案によれば、前記両屈曲側板部(5) の上端(5a)から 夫々内側に延出する上端板部(6) が連設され、吊りボルト(2) の先端が両屈曲側 板部(5) を押し広げて両上端板部(6) 間に達したとき、当該両上端板部(6) の対 向内側縁(6a)が吊りボルト(2) の周面に隣接するように構成される。
【0007】
以下、本考案の一実施例を添付の例示図に基づいて説明すると、図1及び図2 に於いて、1は本考案に係る鋼板製の天井吊り金具で、吊りボルト2が螺合貫通 するネジ孔3を有する底板部4と、この底板部4の左右両端から上向きに折曲連 設されて、中間部が互いに接近するように対称くの字形に折曲された内側面を有 する左右一対の屈曲側板部5と、両屈曲側板部5の上端から夫々内側に折曲連設 された上端板部6から構成されている。7はデッキプレートであって、コンクリ ートスラブSの下側型枠板を兼用しており、コンクリートスラブS側に凹入する 蟻溝部8が適当間隔おきに形成されている。
【0008】 前記天井吊り金具1を詳細に説明すると、図1Bに示されるように、前記両屈 曲側板部5の上端5aを囲む仮想平面形状が、当該屈曲側板部5の上端5aがネ ジ孔3に対する吊りボルト2のねじ込み方向(矢印R方向)側に傾斜する斜めの 短辺SHとなる平行四辺形であって、その対向長辺LH間の巾Aはデッキプレー ト蟻溝部8の入口の巾W1より小さくて、その対向短辺SH間の巾Bは蟻溝部8 の入口の巾W1より大きいが当該蟻溝部8の内奥巾W2よりも小さく、そして長 短2つの対角線L1,L2の内、短い方の対角線L2が蟻溝部8の内奥巾W2よ り若干大きくなるように形成されている。
【0009】 なお、図4に示されるように、両屈曲側板部5の屈曲部5b間の間隔d1はネ ジ孔3の直径よりも小さい。従って、ネジ孔3に螺合させた吊りボルト2をねじ 込んで両屈曲側板部5の屈曲部5b間に割り込ませることにより、両屈曲側板部 5が互いに押し開かれるが、このまま吊りボルト2を螺進させたとき、両上端板 部6の対向内側縁6aに吊りボルト2の周面が隣接する状態で、当該対向内側縁 6a間に吊りボルト2を入り込ませることが出来るように構成されている。
【0010】 また、両屈曲側板部5の内側面には、その屈曲部5bから底板部4の側へ延び る吊りボルト案内用凹溝9が、屈曲側板部5のリブ加工により形成されている。 10は両屈曲側板部5の両側辺屈曲部を外側へ折曲して形成した補強用折曲部で あり、前記凹溝9を形成するリブと共に、屈曲側板部5を補強している。
【0011】 以上のように構成された天井吊り金具1をデッキプレート7の蟻溝部8に取付 けるにあたっては、天井吊り金具1の下端部(底板部4側の端部)を手で持って 、図1B及び図3に示されるように両上端板部6が蟻溝部8の長さ方向に並ぶ向 きで両屈曲側板部5の上広がり傾斜部5cを蟻溝部8内に嵌め入れ、その位置で 吊り金具1を、そのネジ孔3の軸心の周りで吊りボルト2のねじ込み方向(矢印 R方向)に回転させる。
【0012】 この結果、図1Bに示す短い方の対角線L2の両端に相当する両屈曲側板部5 の上端5aの回転方向側角部5aa(図5参照)が、図5に示されるように蟻溝 部8の両側内奥部8aに当接して、回転が制限される。しかしながら両屈曲側板 部5は、底板部4につながる下端を支点にして互いに接近する方向に弾性変形可 能であるから、前記のように回転を制限された時点から回転操作力を強めること により、両屈曲側板部5を互いに接近する方向に弾性変形させながら更に回転さ せることが出来る。
【0013】 図5に仮想線で示されるように、前記両屈曲側板部5の上端5aの回転方向側 角部5aaが蟻溝部8の両側内奥部8aに圧接する領域を過ぎたとき、両屈曲側 板部5は元の姿勢まで弾性復帰しており、当該天井吊り金具1は、図4に示され るように、両屈曲側板部5の上端5aが蟻溝部8の両側内奥部8aに対し平行に 沿う状態で、両屈曲側板部5の上広がり傾斜部5cが蟻溝部8の両側内奥部8a 内に嵌合する係止姿勢となる。この係止姿勢を越えて更に天井吊り金具1を同一 方向(矢印R方向)に回転させることは、図1Bに示される長い方向の対角線L 1の両端に相当する両屈曲側板部5の上端5aの反回転方向側角部5ab(図5 参照)が蟻溝部8の両側内奥部8aに当接することにより、強力確実に阻止され るので、手で天井吊り金具1を反ねじ込み方向(矢印Rとは逆方向)に強く回転 させない限り、天井吊り金具1が振動などで不測に逆回転して、蟻溝部8から脱 落することはない。
【0014】 上記のようにして天井吊り金具1をデッキプレート7の蟻溝部8に仮止めした 状態では、当該天井吊り金具1を蟻溝部8の長さ方向に自由に移動させて、その 位置を調整することが出来る。位置調整された天井吊り金具1に対し、その底板 部4のネジ孔3に吊りボルト2を上向きに螺入させる。このとき、仮止め状態の 天井吊り金具1は前記のように吊りボルト2のねじ込み方向(矢印R方向)には 回転することが出来ないので、天井吊り金具1を手で持って共回りを阻止しなく とも、吊りボルト2を天井吊り金具1のネジ孔3に対し確実に螺合貫通させるこ とが出来る。
【0015】 而して、ネジ孔3を上向きに螺合貫通する吊りボルト2は、両屈曲側板部5の 屈曲部5bに当接して、両屈曲側板部5を互いに離間する方向に押し開く。この とき、両上端板部6の対向内側縁6a間は、吊りボルト2の直径より若干広い程 度まで広がるので、更に吊りボルト2を螺進させて、その上端を蟻溝部8の天井 部8cに当接させることが出来る。係る状態で更に吊りボルト2をねじ込むこと により天井吊り金具1を下向きに移動させて、図1A及び図6に示されるように 、吊りボルト2で広げられた両屈曲側板部5の上広がり傾斜部5cを蟻溝部8の 両側傾斜部8bに圧接させることが出来る。これにより、天井吊り金具1を介し て吊りボルト2がデッキプレート7の蟻溝部8に略垂直に固定されるので、当該 吊りボルト2の下端部側に被吊り下げ部材を取付けることが出来る。
【0016】 なお、吊りボルト2が両屈曲側板部5を押し開くとき、当該吊りボルト2の周 面が、図1A及び図6に示されるように、両屈曲側板部5に形成されている吊り ボルト案内用凹溝9に嵌合するので、天井吊り金具1は、ネジ孔3と前記凹溝9 との上下2か所で吊りボルト2と係合することになり、当該天井吊り金具1と吊 りボルト2とが互いに平行な姿勢を確実に保持し合うことになる。また、図1A に示されるように、吊りボルト2の周面に上端板部6の対向内側縁6aが隣接し ているので、屈曲側板部5の上広がり傾斜部5cが内側に変形することが阻止さ れている。従って、吊りボルト2に下向きの大きな負荷が作用したときに、蟻溝 部8の両側傾斜部8cによって屈曲側板部5の上広がり傾斜部5cが内側に変形 して吊りボルト2が下がるというような恐れもない。
【0017】
以上のように本考案の天井吊り金具は、デッキプレート蟻溝部の入口の巾より 狭い巾の方を利用して、当該蟻溝部内に両屈曲側板部の上半部を嵌合させた後、 吊りボルトのねじ込み方向に強く回転させるだけで、両屈曲側板部の弾性変形を 利用して当該両屈曲側板部の上広がり傾斜部を前記蟻溝部の両側内奥部に嵌合係 止させることが出来る。そして係る嵌合係止状態では、正逆何れの方向に回転し ようとしても、両屈曲側板部上端の両角部が蟻溝部の内奥部に当接してその回転 を阻止するので、振動などで天井吊り金具が不測に回転して蟻溝部内から脱落す ることはない。特に、吊りボルトのねじ込み方向の回転は、長い方の対角線の両 端に相当する屈曲側板部上端の角部と蟻溝部の内奥部との当接により、強力に阻 止し得るかまたは、完全に回転不能とすることが出来るので、天井吊り金具の共 回りを手で阻止しておかなくとも、当該天井吊り金具のネジ孔に吊りボルトを螺 入させることが出来る。
【0018】 即ち、本考案の天井吊り金具によれば、デッキプレートの蟻溝部に必要な個数 の天井吊り金具を先に嵌合させて仮止めしておき、吊りボルトを装着する際に天 井吊り金具の位置を蟻溝部の長さ方向に調整し、吊りボルトの回転操作のみで、 仮止めしている天井吊り金具に対し当該吊りボルトを確実に螺入させ、当該天井 吊り金具を介して吊りボルトを蟻溝部の長さ方向任意の位置に固定することが出 来る。従って、デッキプレートの蟻溝部に対する吊りボルトの取付け作業を簡単 容易且つ能率的に行うことが出来るのである。
【0019】 特に実施例にも示したように、両屈曲側板部の内側面に、その屈曲部から底板 部側に延びる吊りボルト案内用凹溝を形成したり、或いは、前記両屈曲側板部の 上端から夫々内側に延出する上端板部を連設すると共に、吊りボルトの先端が両 屈曲側板部を押し開いて両上端板部間に達したとき、当該両上端板部の対向内側 縁が吊りボルトの周面に隣接するように構成することにより、安全性をも高める ことが出来る。
【図1】天井吊り金具の取付状態を示す一部断面正面図
である。
である。
【図2】天井吊り金具を示す斜視図である。
【図3】デッキプレート蟻溝部への天井吊り金具の嵌合
状態を説明する説明図で、図7のY−Y線拡大断面図で
ある。
状態を説明する説明図で、図7のY−Y線拡大断面図で
ある。
【図4】天井吊り金具の正面図である。
【図5】同上の平面図である。
【図6】図4のX−X線断面図である。
【図7】天井吊り金具の取付方法を示す説明図である。
【図8】図7と同様な説明図である。
1 天井吊り金具 2 吊りボルト 3 ネジ孔 4 底板部 5 側板部 6 中間折曲部 7 デッキプレート 8 蟻溝部 9 嵌合部 L1 長い方の対角線 L2 短い方の対角線 W1 蟻溝部入口部の幅 W2 蟻溝部の内奥幅
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 デッキプレート用天井吊り金具
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】 A図は天井吊り金具の取付状態を示す一部断
面正面図であり、B図はデッキプレート蟻溝部と天井吊
り金具の平面形状との寸法関係を説明する概略横断平面
図である。
面正面図であり、B図はデッキプレート蟻溝部と天井吊
り金具の平面形状との寸法関係を説明する概略横断平面
図である。
【図2】 天井吊り金具を示す斜視図である。
【図3】 デッキプレート蟻溝部へ天井吊り金具を下か
ら嵌合させる様子を示す一部縦断正面図である。
ら嵌合させる様子を示す一部縦断正面図である。
【図4】 デッキプレート蟻溝部に嵌合させた天井吊り
金具を回転させて仮止めした様子を示す一部縦断正面図
である。
金具を回転させて仮止めした様子を示す一部縦断正面図
である。
【図5】 天井吊り金具を仮止めのために回転させると
きの様子を示す一部横断平面図である。
きの様子を示す一部横断平面図である。
【図6】 図1Aと同一状態を示す横断平面図である。
【符号の説明】 1 天井吊り金具 2 吊りボルト 3 ネジ孔 4 底板部 5 屈曲側板部 5a 屈曲側板部上端 5aa 屈曲側板部上端の回転方向側角部 5ab 屈曲側板部上端の反回転方向側角部 5b 内側面屈曲部 5c 上広がり傾斜部 6 上端板部 6a 対向内側縁 7 デッキプレート 8 蟻溝部 8a 蟻溝部の内奥部 8b 蟻溝部の傾斜部 9 吊りボルト案内用凹溝 10 補強用折曲部 L1 長い方の対角線 L2 短い方の対角線 W1 蟻溝部入口部の巾 W2 蟻溝部の内奥巾
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
Claims (1)
- 【請求項1】 吊りボルトが螺合貫通するネジ孔を有す
る底板部の左右両端から、中間部が互いに接近するよう
に対称くの字形に折曲し且つ上端がそれぞれ内側に折曲
された左右一対の側板部を連設したデッキプレート用天
井吊り金具において、前記両側板部のデッキプレート蟻
溝部内への嵌合部を囲む平面形状を斜交平行四辺形に形
成し、この斜交平行四辺形の前記両嵌合部を結ぶ左右方
向幅をデッキプレートの蟻溝部入口の幅より大ならしめ
ると共に、前記斜交平行四辺形の前後方向幅を前記蟻溝
部入口の幅より小ならしめ、前記両嵌合部の基部両角部
どうしを結ぶ対角線のうち短い方の対角線を前記蟻溝部
の内奥幅より若干大ならしめてなることを特徴とするデ
ッキプレート用天井吊り金具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8801791U JP2545703Y2 (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | デッキプレート用天井吊り金具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8801791U JP2545703Y2 (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | デッキプレート用天井吊り金具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0532529U true JPH0532529U (ja) | 1993-04-27 |
JP2545703Y2 JP2545703Y2 (ja) | 1997-08-27 |
Family
ID=13931074
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8801791U Expired - Fee Related JP2545703Y2 (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | デッキプレート用天井吊り金具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2545703Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016080154A (ja) * | 2014-10-22 | 2016-05-16 | 特許機器株式会社 | 天吊り機器の減震構造 |
-
1991
- 1991-09-30 JP JP8801791U patent/JP2545703Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016080154A (ja) * | 2014-10-22 | 2016-05-16 | 特許機器株式会社 | 天吊り機器の減震構造 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2545703Y2 (ja) | 1997-08-27 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |