JPH0532496B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は梳綿機フラツト用の改良針布に関す
る。より詳しくは本発明は互いにその側面を当接
して並んで配置され、且つ歯列部、底部、前記歯
列部の直ぐ下方に設けられた受台部、該受台部と
底部との間に延びる板状部とを夫々具備する複数
のワイヤセクシヨンと、細長い形状の支持部材
と、該支持部材上に互いに押付けられた状態で一
列に並べられる複数の前記ワイヤセクシヨンを移
動しないように保持するために用いられる固定部
材を含んで構成された梳綿機のフラツト用改良針
布に関する。

梳綿機の主要な作動機素は高速で回転するドラ
ムとそのドラムの円周の一部分に沿つて移動する
複数のフラツトである。針布う具備した前記複数
のフラツトはドラムの回転する方向と同じ方向に
移動する。しかしフラツトの移動速度はドラムの
円周速度に比べて相当に遅い。その先端を揃えて
設けられた歯を有する金属ワイヤがドラムの周囲
に巻かれる。前記複数のフラツトにも支持体を貫
通して設けられたフツク状の針を有する針布（い
わゆる普通針布）か、あるいはドラムの周囲に巻
かれたワイヤに類似した外形と構成を有する歯か
ら成る複数のワイヤセクシヨンが設けられる。梳
綿機に供給された繊維はドラムの周囲から延びる
歯と複数のフラツトの針布の歯によつて梳られ、
開繊され、來雑物が落され、互いにほぼ平行にな
るように配列され、ウエブの形状になり最終的に
は圧縮されてカードスライバになる。

独逸特許公開公報第2145459号明細書には、ワ
イヤセクシヨンとその支持部材間の連結と支持部
材のフラツトへの取付とが溶着又は接着剤を用い
て行われる梳綿機のフラツト用針布が開示されて
いる。しかしながらこのような溶着あるいは接着
による方法は夫々その取付に時間を要し、したが
つてこの方法を実施する際の生産コストはかえつ
て高くつく。

又特公昭54−8774号公報及び実開昭56−19577
号公報には金属針布の底部にありみぞ又はあり様
の未広状の溝あるいは凸起を設け、上記溝あるい
は凸起に嵌合する凸起又は溝を有するライナーに
上記金属針布を嵌め込み固着してトツプバーと一
体にした固定フラツトが開示されている。この固
定フラツトは溶着あるいは接着を行うことなく固
定フラツトを組立て且つ分解することができる。
しかし複数の金属針布、すなわち本願でいうワイ
ヤーセクシヨンのライナー上の固定はライナーの
端部に端止めプレートをねじによつて固定するこ
とによつて行われる。したがつて固定と表現され
てはいるが隣接する金属針布が常に押付けられる
状態には保たれているとは限らない。そのために
特公昭54−8774号公報及び実開昭56−19577号公
報に開示された固定フラツトでは金属針布がずれ
たり、隣接する金属針布の間に間隙が生じて繊維
がはさまるという危険性があるという問題点を有
する。

本発明は従来公知のフラツト用針布の有する問
題点を解決して、溶着又は接着剤を用いること無
く組立てることができ、形状と構成において非常
に簡単であり、作動時における信頼性高く、経済
的に製造することができ、そして安心して使用す
ることができるフラツト用改良針布を提供するこ
とを目的とする。

本発明による梳綿機のフラツト用改良針布は、
複数のワイヤセクシヨンのそれぞれの板状部に、
支持部材を挿入するための貫通開口部が設けられ
ており、前記支持部材の少くとも片方の端部には
固定部材の固定用バーを受入れるための貫通スロ
ツトが設けられており、該貫通スロツトが支持部
材の端部表面に平行に延びる細長形状の貫通開口
部であり、前記固定部材が前記複数のワイヤセク
シヨンの前記板状部に設けられた貫通開口部の寸
法に対応する寸法を有する貫通開口を有し、且つ
該貫通開口部の下側を構成する壁部は固定部材の
長手方向に沿つて少くとも２分割されており、分
割された複数の部分の中の少くともワイヤセクシ
ヨン側の部分が前記支持部材の貫通スロツトに挿
入可能な幅を有するバーとして形成されており、
さらに前記固定部材の高さが、前記固定部材が前
記最も外側のワイヤセクシヨンの前記底部と前記
受台部とに接触するように、前記ワイヤセクシヨ
ンの受台部から底部への高さに実質的に等しく定
められており、前記固定部材を前記支持部材に嵌
めて複数のワイヤセクシヨンが互に押付け合状態
で接触するようにワイヤセクシヨンに向けて押付
けた状態で前記固定部材のバーを前記支持部材の
貫通スロツトに向けて押込んだ時に、前記バーが
前記貫通スロツトに湾曲挿入されて前記固定部材
が前記支持部材に位置固定されるように、前記固
定部材が塑性的に変形可能な材料で形成されてい
ることを特徴とする。

前述のように構成された本発明の改良針布で
は、隣接するワイヤーセクシヨンが互いに押付け
られた状態で支持部材上に固定されているので、
使用時に外力によつてワイヤーセクシヨンがずれ
ることがなく、又隣接するワイヤセクシヨン間に
間隙が生ぜず、その結果使用中に繊維がこれら間
隙にはさまり、やがてはワイヤーセクシヨンに繊
維が堆積してカーデイング作用が不良になること
がない。したがつて作動時において信頼性の高い
針布が得られる。

なお本発明の改良針布は溶着あるいは接着を行
うことなく組立てることができるので、経済的に
製造することができる。

以下本発明の改良針布の一実施例を示す添付図
面を参照して本発明を詳述する。

第１図にいわゆる金属製針布すなわちメタリツ
ク針布のワイヤセクシヨン１５を示す。公知のよ
うに、梳綿機の全てのフラツトには前記ワイヤセ
クシヨン１５が複数設けられている。第１図に示
したワイヤセクシヨン１５は特にいわゆるダブル
脚部型の外形を有する。前記ワイヤセクシヨン１
５には一列の歯５が設けられている。この歯列部
５は受台部８に沿つて延びる。受台部８の下方か
ら板状部６が延びその下方端は底部７になつてい
る。板状部６の両側端部には底部７に向つて傾斜
して延びた溝４が設けられ、この溝４がフラツト
本体１０（第４図参照）に針布を取付けるための
把持具１１の突出部９を受入れることになる。

長方形の貫通開口部１がワイヤセクシヨン１５
の板状部６を貫通して設けられる。支持部材２０
を個々のワイヤセクシヨン１５の貫通開口部１に
貫通させることによつて、複数のワイヤセクシヨ
ンが支持部材２０上に一列に並べられる。第１図
に示した支持部材２０の好ましい実施例では支持
部材２０は長方形の断面形状を有し、それによつ
て貫通開口部１の断面形状を支持部材２０の断面
形状に明かに対応させている。しかしながらこの
支持部材２０の断面形状は任意の形状であつてよ
く、例えば前記支持部材２０が楕円形の断面形
状、角が丸く削られた断面形状さらにＵ形状ある
いはダブルＴ字形状に作られていてもよい。貫通
スロツト１６が前記支持部材２０の端部に設けら
れる。支持部材２０上に並べられた一組のワイヤ
セクシヨン１５の一番外側のワイヤセクシヨン１
５に隣接して、ブロツク形状の固定部材１７が支
持部材２０に滑り込むように嵌められる。ブロツ
ク形状の固定部材には前記ワイヤセクシヨン１５
の対応する部分と類似した傾斜した溝４と貫通開
口部３が設けられる。

第２図に示すように、固定部材１７の貫通開口
部３の下側を構成する壁部は固定部材１７の長手
方向に沿つて２本のバー１８，２１に分割されて
平行に延びる。固定部材は塑性的に変形可能な材
料によつて形成されている。組立てるときにはこ
の固定部材１７はワイヤセクシヨン１５との関係
で第２図に示した配置で支持部材２０に滑込ませ
て嵌められる。固定するために、１番外側のワイ
ヤセクシヨン１５に隣接して配置されるバー１８
が外側から加えられる力によつて塑性的に上方に
変形されて第３図に示すように曲線を描くように
なり、この変形したバー１８が支持部材２０の端
部に設けられた貫通スロツト１６の中に係合す
る。ワイヤセクシヨン１５が嵌められている支持
部材１５の端部における固定部材１７の固定位置
は第１図に示される。すなわち第１図に断面とし
て示されるように固定部材１７のバー１８は変形
して支持部材２０の貫通スロツト１６の中に入つ
ている。

前記個々のワイヤセクシヨン１５が支持部材２
０の長手方向で互に押付け合う状態であることを
明かにしておく必要がある。すなわち複数のワイ
ヤセクシヨン１５は、互いに押付け合う状態で互
いに接触し、前記固定部材１７が複数のワイヤセ
クシヨン１５を押付けた状態で支持部材２０に取
付けられ、且つ１組のワイヤセクシヨン１５の押
付けられた状態を保つように、固定部材１７がバ
ー１８によつて支持部材２０に固定される。

この好ましい実施例における支持部材２０はそ
の両端部に貫通スロツト１６を有し、両端部に固
定部材１７が固定される。しかしながらこの細長
い支持部材２０の一端をＴ形状にし、支持部材２
０の他端だけに固定部材１７が取付けられるよう
に構成してもよい。

第４図は支持部材２０に一列に並べられたワイ
ヤセクシヨン１５の断面を示す斜視図であつて、
梳綿機のフラツト本体１０に取付けられた針布組
立体を示す。針布のフラツト本体１０への取付け
には把持具１１が用いられ、把持具１１には固定
部材１７およびワイヤセクシヨン１５の傾斜した
溝４の中に挿入されて針布とフラツト本体１０を
係合させる突出部９が設けられている。したがつ
て本発明の針布をフラツト１０に確実に固定する
ために先行技術において共通して用いられていた
溶着や接着剤のどちらをも用いる必要が明らかに
ない。

ここに図示され且つ説明された実施例は本発明
の実施例として優れたものであるが、本発明はこ
れらの実施例によつて限定されるものでなく、特
許請求の範囲内で広く他の態様を用いることがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の一部断面斜視図であ
り、第２図は中央部分で切断した固定部材の斜視
図であり、第３図は固定状態におかれていて固定
機素が塑性的に変形している状態を示す第２図の
固定部材の斜視図であり、第４図は第１図の針布
をフラツトに取付けた状態を示す斜視図である。 １……長方形貫通開口部、２……端部表面、３
……貫通開口、４……溝、５……歯列部、６……
板状部、７……底部、８……受台部、９……突出
部、１０……フラツト本体、１１……把持具、１
２……平板部分、１３，１４……脚部、１５……
ワイヤセクシヨン、１６……貫通スロツト、１７
……固定部材、１８，２１……バー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 互いにその側面を当接して並んで配置され、
   且つ歯列部５、底部７、前記歯列部５の直ぐ下方
   に設けられた受台部８、該受台部８と底部７との
   間に延びる板状部６とを夫々具備する複数のワイ
   ヤセクシヨン１５と、細長い形状の支持部材２０
   と、該支持部材２０上に互いに押付けられた状態
   で一列に並べられる複数の前記ワイヤセクシヨン
   １５を移動しないように保持するために用いられ
   る固定部材１７を含んで構成された梳綿機のフラ
   ツト用改良針布であつて、 前記複数のワイヤセクシヨン１５のそれぞれの
   板状部６に、前記支持部材２０を挿入するための
   貫通開口部１が設けられており、前記支持部材２
   ０の少くとも片方の端部に前記固定部材１７の固
   定用バー１８を受入れるための貫通スロツト１６
   が設けられており、該貫通スロツト１６が支持部
   材２０の端部表面に平行に延びる細長形状の貫通
   開口部であり、前記固定部材１７が前記複数のワ
   イヤセクシヨン１５の前記板状部６に設けられた
   貫通開口部１の寸法に対応する寸法を有する貫通
   開口部３を有し、且つ該貫通開口部３の下側を構
   成する壁部が固定部材１７の長手方向に沿つて少
   くとも２分割されており、分割された複数の部分
   の中の少くともワイヤセクシヨン１５側の部分が
   前記支持部材２０の貫通スロツト１６に挿入可能
   な幅を有するバー１８として形成されており、さ
   らに前記固定部材１７の高さが、前記固定部材１
   ７が前記最も外側のワイヤセクシヨン１５の前記
   底部７と前記受台部８とに接触するように、前記
   ワイヤセクシヨン１５の受台部８から底部７への
   高さに実質的に等しく定められており、前記固定
   部材１７を前記支持部材２０に嵌めて複数のワイ
   ヤセクシヨン１５が互に押付け合う状態で接触す
   るようにワイヤセクシヨン１５に向けて押付けた
   状態で前記固定部材１７のバー１８を前記支持部
   材２０の貫通スロツト１６に向けて押込んだ時
   に、前記バー１８が前記貫通スロツト１６に湾曲
   挿入されて前記固定部材１７が前記支持部材２０
   に位置固定されるように、前記固定部材１７が塑
   性的に変形可能な材料で形成されていることを特
   徴とする梳綿機のフラツト用改良針布。 ２ 前記固定部材１７の貫通開口部１３の下側を
   構成する壁部が２本のバー１８，２１に分割され
   ており、前記ワイヤセクシヨン１５より遠い方の
   バー２１の外側表面が前記支持部材２０の端部表
   面と同一表面になるように前記バー２１の幅が定
   められていることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載のフラツト用改良針布。 ３ 全ての前記ワイヤセクシヨン１５の両側端部
   域と前記固定部材１７の両側端部域に溝４が設け
   られ、該溝４は全ての前記ワイヤセクシヨン１５
   および前記固定部材１７の長手方向に対して夫々
   傾斜して延びており、前記傾斜した溝４が前記針
   布を針布のフラツト本体１０に取付けるために用
   いられる把持具１１の突出部９を受入れる特許請
   求の範囲第２項記載のフラツト用改良針布。