JPH0532239U - 四輪操舵装置 - Google Patents

四輪操舵装置

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JPH0532239U
JPH0532239U JP8951091U JP8951091U JPH0532239U JP H0532239 U JPH0532239 U JP H0532239U JP 8951091 U JP8951091 U JP 8951091U JP 8951091 U JP8951091 U JP 8951091U JP H0532239 U JPH0532239 U JP H0532239U
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JP
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wheel steering
sun gear
piston
ring gear
shaft
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JP8951091U
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啓隆 金沢
毅志 枝廣
龍也 秋田
勇 竹間
広 恵田
信康 安藤
慎 吉本
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NSK Ltd
Mazda Motor Corp
Original Assignee
NSK Ltd
Mazda Motor Corp
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  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】前輪操舵部材と後輪操舵装置とを機械的に連結
する連結機構を提供する。この連結機構により伝達可能
な力を大きくすると共に、信頼性を高める。 【構成】ステアリングホイールの動きと同期して回転す
る第一の回転軸30と第二の回転軸38との間にロータ
リ弁32を設ける。このロータリ弁32は、第一、第二
の回転軸30、38間の回転トルクの差が大きくなると
切り換わり、油圧シリンダ13への圧油の給排を行な
う。油圧シリンダ13内への圧油の給排により後ロッド
46が、軸方向に亙って変位させられ、後輪に舵角を付
与する。遊星歯車機構の太陽歯車を前記ロータリ弁32
に結合し、リング歯車40を電動モータ50により回転
駆動自在とする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案に係る四輪操舵装置は、自動車の操舵装置として利用する。
【0002】
【従来の技術】
狭い道での進路変更を容易に行なえる様に、自動車の回転半径を小さくする為 、或は、高速走行時に於ける進路変更でも車両の安定性が保たれる様にする為、 ステアリングホイールを操作した場合に、前輪だけでなく後輪も動かす四輪操舵 装置が、近年使用される様になって来た。
【0003】 又、高速走行時に後輪に大きな舵角が付与される危険性を避ける為に、後輪の 舵角を大きくする事は前輪の舵角との関連のみで行ない、後輪を小さく操舵する 事は前輪の操舵とは独立して行なえる様にする事で、高速走行時に於ける車両の 安定性確保と車庫入れ等の際に於ける旋回性能の向上との両立を図る四輪操舵装 置が、特開平2−237869号公報に記載されている様に、従来から知られて いる。
【0004】 この従来から知られた四輪操舵装置は、図6に示す様に、ステアリングホイー ル1の操作によって回転するステアリングシャフト17により図6の左右方向に 変位させられて、前輪に舵角を付与するラック2が、所定以上変位した場合に、 ボーデンワイヤ3を構成するケーブル4を押し引き自在としている。このケーブ ル4の他端は、後輪操舵装置5の入力ロッド6の一端に結合している。又、入力 ロッド6の中間部に中立位置保持装置7を設けて、外力が加わらない限り(ケー ブル4が押し引きされない限り)この入力ロッド6が、図示の中立位置に保持さ れる様にしている。
【0005】 前記入力ロッド6と共に後輪操舵装置5を構成する出力ロッド8は、軸方向( 図6の左右方向)に亙る移動により、後輪を操舵する。又、入力ロッド6と出力 ロッド8とに、両端部をそれぞれ枢支した第一の連結ロッド9の中間部には、第 二の連結ロッド10の中間部を枢支し、この第二の連結ロッド10の一端を、油 圧切換弁11のスプール12の端部に枢支している。
【0006】 前記出力ロッド8を囲む位置には油圧シリンダ13を設け、この油圧シリンダ 13に、出力ロッド8の中間部外周面に固定したピストン14を、油密に且つ軸 方向に亙る移動自在に嵌装している。そして、この油圧シリンダ13内でピスト ン14の両側に位置する室と、前記油圧切換弁11のポートとを、油圧通路によ り互いに接続する事で、この油圧切換弁11の切り換えに基づき前記出力ロッド 8を、その軸方向に亙って変位自在としている。
【0007】 一方、前記第二の連結ロッド10の他端は、電動モータ15により図6の左右 方向に亙って変位自在とする事で、前記第二の連結ロッド10を、その中間部を 中心として揺動自在とし、揺動に伴なって前記スプール12を軸方向に移動自在 としている。
【0008】 上述の様に構成される従来の四輪操舵装置に於いては、車両が低速で走行して いる場合等で、回転半径を小さくする為、ステアリングホイール1の操作に応じ て後輪に舵角付与を行なう場合には、前記入力ロッド6の変位に基づいて前記油 圧切換弁11が切り換えられ、前記油圧シリンダ13への圧油の給排が行なわれ て、後輪への舵角付与が行なわれる。
【0009】 又、車両が高速走行している場合等、走行安定性を確保する為に、後輪に対し てステアリングホイール1の動きとは直接は関係しない状態で舵角付与を行なう 場合には、車両の状態を検出するセンサからの信号に基づいて制御器16が、前 記電動モータ15への通電を行ない、前記第二の連結ロッド10を介して油圧切 換弁11を切り換えて、前記油圧シリンダ13への圧油の給排を行ない、後輪に 所定の舵角を付与する。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上述の様に構成され作用する従来の四輪操舵装置を実用化する場合 に於いて、車両の運行状態をより安定させる為に、次の様な点を改良する事が望 まれる。
【0011】 即ち、油圧切換弁11のスプール12の外面とこのスプール12を遊嵌したシ リンダの内面との間にごみ等の異物が詰まり、このスプール12を移動させる為 に要する力が大きくなった場合には、スプール12を動かせなくなり、油圧切換 弁11の切り換えが行なわれなくなって、後輪に対して必要な舵角付与を行なえ なくなったり、或は後輪に対して不要な舵角が付与されたままとなる恐れがある 。
【0012】 即ち、前記スプール12の動きが固くなった場合には、電動モータ15により 第二の連結ロッド10を動かそうとしても、中立位置保持装置7の弾性に抗して 入力ロッド8を変位させつつ、第一の連結ロッド9を揺動させる事で、前記第二 の連結ロッド10の揺動が吸収され、前記スプール12を動かせなくなる恐れが ある。
【0013】 前記中立位置保持装置7の弾性を大きくすれば、前記スプール12の動きが多 少固くなった場合でも、これを動かす事が出来るが、代わりに前輪に大きな舵角 を付与する際、ラック2を動かすのに必要な力の大きさが途中から急激に大きく なる為、好ましくない。
【0014】 本考案の四輪操舵装置は、上述の様な事情に鑑みて考案されたものである。
【0015】
【課題を解決する為の手段】
本考案の四輪操舵装置は、ステアリングホイールの動きに応じ変位して前輪を 操舵する前輪操舵部材と、この前輪操舵部材の変位に伴なって回転する第一の回 転軸と、この第一の回転軸と同軸上に設けられた第二の回転軸と、この第二の回 転軸の一端と前記第一の回転軸の端部との間に設けられ、第一、第二の両回転軸 同士の間に捩り方向の力が作用した場合に、この力の方向に応じて流路の切り換 えを行なうロータリ弁と、前記第二の回転軸の他端に固定された太陽歯車と、こ の太陽歯車の周囲に、この太陽歯車と同心に、且つ、回転自在に支持されたリン グ歯車と、このリング歯車の回転を制限する制限手段と、前記リング歯車と前記 太陽歯車とに噛合した複数の遊星歯車と、この複数の遊星歯車を回転自在に支持 した支持枠と、この支持枠の一部に、前記太陽歯車と同心に支持されたピニオン と、このピニオンと噛合するラックを一部側面に形成し、軸方向に亙る変位に伴 なって後輪に舵角を付与する後輪操舵部材と、この後輪操舵部材の中間部に固定 されたピストンと、この後輪操舵部材の中間部でこのピストンを固定した部分を 囲む状態で設けられ、その内周面に前記ピストンを油密に摺接させたシリンダと 、前記ピストンにより仕切られたシリンダ両側の油圧室と前記ロータリ弁の圧油 給排ポートとを結ぶ圧油給排管と、通電に基づいて前記リング歯車を、所定方向 に回転駆動する電動駆動装置とから構成される。
【0016】
【作用】
上述の様に構成される本考案の四輪操舵装置は、次の様に作用して、後輪に対 し必要な舵角を付与する。
【0017】 先ず、車両の回転半径を小さくする場合等の様に、後輪に対し前輪と関連させ た状態で舵角付与を行なう場合には、前輪操舵部材の変位に伴なって第一の回転 軸が回転する。この第一の回転軸の回転は、ロータリ弁を介して第二の回転軸に 伝達され、この第二の回転軸の他端に固定された太陽歯車が回転する。そして、 この太陽歯車の回転力が、複数の遊星歯車を介してリング歯車に伝達される。
【0018】 このリング歯車の回転は、制限手段により所定の範囲に制限されている為、こ のリング歯車の回転制限範囲を越え、更に太陽歯車を回転させようとすると、こ の太陽歯車を固定した第二の回転軸に働く捩り方向の力と、ステアリングホイー ルの操作に基づき、前輪操舵部材の変位に伴なって回転する第一の回転軸に働く 捩り方向の力との間に、大きな差が生じる。
【0019】 この力の差に基づいて、前記第一の回転軸と第二の回転軸との間に設けたロー タリ弁が切り換わり、圧油給排管を通じてピストン両側の油圧室への圧油の給排 が行なわれる。この結果、前記ピストンが何れかの方向に押され、このピストン をその中間部に固定した後輪操舵部材が軸方向に亙り変位し、後輪に対して所定 の舵角付与が行なわれる。
【0020】 次に、高速走行時に車両の走行安定性を確保する場合等、後輪に対して前輪の 操舵とは独立した状態で舵角を付与する場合は、電動駆動装置により前記リング 歯車を回転させる。
【0021】 前記リング歯車の回転は、複数の遊星歯車を介して、太陽歯車並びにこの太陽 歯車を固定した第二の回転軸に伝達される。この結果、この第二の回転軸に働く 捩り方向の力と、前記第一の回転軸に働く捩り方向の力との間に、大きな差が生 じ、この力の差に基づいて、前記第一の回転軸と第二の回転軸との間に設けたロ ータリ弁が切り換わり、圧油給排管を通じてピストン両側の油圧室への圧油の給 排が行なわれて、前記ピストンが何れかの方向に押され、このピストンをその中 間部に固定した後輪操舵部材が軸方向に亙り変位し、後輪に対して所定の舵角付 与が行なわれる。
【0022】
【実施例】
図1〜4は本考案の実施例を示している。油圧により前輪21、21を操舵す る為の前シリンダ18の入力軸19は、ステアリングホイール1(図6)により 回転させられる。そして、前記前シリンダ18を挿通された、前輪操舵部材であ る前ロッド20が、前記入力軸19の動きに応じ、その軸方向(図1の左右方向 )に変位して、前輪21、21を操舵する。
【0023】 前記前シリンダ18の下部側面から突出した出力軸22は、前記前ロッド20 との係合(例えばラックとピニオン)により、この前ロッド20の変位に伴なっ て回転する。そして、この出力軸22には、自在継手23、24を介して、連結 軸25、26を結合している。この内、出力軸2から遠い側の連結軸26は、次 述する後輪操舵装置27の入力軸として機能する。
【0024】 後輪28、28に舵角を付与する為の後輪操舵装置27は、図2〜3に示す様 に構成されている。前記連結軸26の端部は減速機29の入力部に連結し、この 減速機29の出力部に連結した第一の回転軸30を、回転駆動自在としている。 支持壁45には、この第一の回転軸30と同軸で円筒状のシリンダ部31を形成 し、このシリンダ部31内に、ロータリ弁32を嵌装している。前記減速機29 の回転力の伝達方向は不可逆的にしている。
【0025】 このロータリ弁32は、前記シリンダ部31内に、油密に、且つ、回転自在に 嵌装された有底円筒状のスリーブ33と、このスリーブ33内に油密に、且つ、 回転自在に嵌装されたスプール34とから構成される。そして、このスプール3 4を前記スリーブ33の内側で回転方向に変位させる事により、前記スリーブ3 3内に設けた複数の油圧流路の連通状態を切り換える様に構成されている。
【0026】 即ち、前記スプール34の外周面には、円周方向に亙って複数の凹部35、3 5を、互いに独立させた状態で設け、前記スリーブ33の内周面には、前記複数 の油圧流路の端部を、円周方向に互いにずらせた状態で開口させている。又、前 記複数の凹部35、35同士も、前記スプール34内に形成された油圧流路によ り、所定の関係で互いに連通されている。従って、前記スリーブ33の内側で前 記スプール34を回転させれば、前記スリーブ33内に設けた複数の油圧流路の 連通状態が切り換わる。又、スリーブ33の外周面に、それぞれ円周方向に亙っ て設けた複数の凹溝37、37は、それぞれ前記シリンダ部31の内周面に開口 した通油路(図示せず)を介して、圧油ポンプ等の圧油供給手段、或は貯油槽に 通じている。
【0027】 尚、この様なスリーブ33とスプール34とは、トーションバー36により互 いに結合している。そして、このトーションバー36の弾力により、外力が作用 しない限り、前記ロータリ弁32が中立位置に保持され、後述する圧油給排管の 何れにも、圧油が送り込まれない様にしている。そして、捩り方向の力が作用し た場合に、この力の方向に応じて前記スリーブ33とスプール34とが相対的に 回転し、流路の切り換えを行なって、何れかの圧油給排管に圧油を送り込み、他 の圧油給排管を前記貯油槽に通じさせる様にしている。
【0028】 前記第一の回転軸30の端部は、上述の様に構成されるロータリ弁32のスリ ーブ33の端面中心部に結合固定されている。又、前記ロータリ弁32のスプー ル34の端面中心部には、第二の回転軸38の一端を連結固定している。即ち、 この第二の回転軸38と前記第一の回転軸30とは、前記ロータリ弁32を介し て、互いに同軸上に連結されている。
【0029】 又、前記第二の回転軸38の他端には太陽歯車39を固定し、この太陽歯車3 9の周囲にリング歯車40を、この太陽歯車39と同心に、且つ、回転自在に支 持している。そして、前記リング歯車40と前記太陽歯車39との間で、直径方 向反対位置に2個の遊星歯車41、41を設け、両遊星歯車41、41を前記リ ング歯車40と太陽歯車39とに噛合させている。
【0030】 前記2個の遊星歯車41、41は、それぞれ支持枠42の両端部に、回転自在 に支持されている。そして、この支持枠42の側面中間部にピニオン43を、ト ーションバー44を介して、前記太陽歯車39と同心に支持している。
【0031】 後輪操舵部材であり、軸方向に変位するのに伴なって、後輪28、28に舵角 を付与する後ロッド46の一部側面には、前記ピニオン43と噛合するラック4 7を形成している。又、前記後ロッド46の中間部にはピストン14を固定し、 このピストン14を車体に支持した油圧シリンダ13の内側に、油密に嵌合させ る事で、前記後ロッド46をその軸方向に亙って押し引き自在としている。
【0032】 即ち、前記油圧シリンダ13の内側に、前記ピストン14により互いに仕切ら れた油圧室48a、48bを設けると共に、図示しない圧油給排管によって、各 油圧室48a、48bと前記ロータリ弁32の圧油給排ポートとを結んでいる。 この結果、ロータリ弁32の切り換えに伴なって何れかの油圧室48a(又は4 8b)に圧油を送り込むと共に、他の油圧室48b(又は48a)を貯油槽に通 じさせれば、前記ピストン14を固定した後ロッド46をその軸方向に亙って変 位させ、前記後輪28、28に舵角を付与出来る。
【0033】 一方、前記リング歯車40の一部外周面には歯49を形成して、このリング歯 車40がウォームホイールとしても機能する様にしている。そして、電動モータ 50により回転駆動されるウォーム51を、前記歯49と噛合させている。図示 の実施例の場合、これらウォーム51と歯49とを可逆的に係合させる事で、通 電に基づいて前記リング歯車40を所定方向に回転駆動する電動駆動装置を構成 している。
【0034】 又、前記リング歯車40の外周面に突設した係止ピン52を、ハウジングの一 部等、固定部分に形成した凹部53内に遊合させて、制限手段を構成している。 そして、四輪操舵装置が中立位置に存在する場合、即ち、前輪21、21と後輪 28、28との何れにも舵角が付与されていない状態に於いては、前記係止ピン 52が前記凹部53の中央に位置する様にしている。従って、前記リング歯車4 0は、前記係止ピン52が凹部53の内側で変位出来る範囲内で、回転自在であ る。
【0035】 上述の様に構成される本考案の四輪操舵装置により、後輪に対し必要な舵角を 付与する場合で、例えば車両の回転半径を小さくする為、後輪に対し前輪と関連 させた状態で舵角付与を行なう場合には、前ロッド20の変位に伴ない、出力軸 22、自在継手23、連結軸25、自在継手24、連結軸26、減速機29を介 して、第一の回転軸30が回転する。
【0036】 この第一の回転軸30の回転は、ロータリ弁32を構成するスリーブ33、ト ーションバー36、スプール34を介して第二の回転軸38に伝達され、この第 二の回転軸38に固定された太陽歯車39が回転する傾向となる。そして、この 太陽歯車39の回転力が、単一の支持枠42に回転自在に支持された2個の遊星 歯車41、41を介して、リング歯車40に伝達される。
【0037】 このリング歯車40は、前記ウォーム51と歯49とが可逆的に係合している ので、前記係止ピン52が前記凹部53の端部に衝合する迄回転する。そして、 係止ピン52と凹部53の端部との衝合に伴なって、前記リング歯車40が回転 不能になった後に、更に前記太陽歯車39を回転させようとすると、この太陽歯 車39を固定した第二の回転軸38に働く捩り回転力と、前記第一の回転軸30 に働く捩り回転力との間に、大きな差が生じる。
【0038】 そして、この捩り回転力の差に基づいて、前記第一の回転軸30と第二の回転 軸38との間に設けたロータリ弁32が、スリーブ33とスプール34とを結合 したトーションバー36を弾性変形させつつ切り換わる。この様にして行なわれ るロータリ弁32の切り換えに基づき、図示しない圧油給排管を通じて、前記1 対の油圧室48a、48bへの圧油の給排が行なわれる。この結果、前記1対の 油圧室48a、48bを仕切るピストン14が何れかの方向に押されて、このピ ストン14をその中間部に固定した後ロッド46が軸方向に亙り変位し、後輪2 8、28に対して所定の舵角付与が行なわれる。
【0039】 後輪28、28に所定の舵角を付与する為、後ロッド46が軸方向に変位する と、ラック47とピニオン43との噛合に基づき、前記1対の遊星歯車41、4 1が太陽歯車39の周囲を公転しつつ自転して、この太陽歯車39を回転させる 。この際の太陽歯車39の回転方向は、前記ロータリ弁32のスリーブ33とス プール34とを連結しているトーションバー36の捩りを解消する方向となる。 この結果、前記ロータリ弁32が中立位置に復帰し、前記1対の油圧室48a、 48bの何れにも圧油の給排が行なわれなくなって、前記後輪28、28に前記 所定の舵角が付与されたままの状態となる。
【0040】 前輪21、21に付与されていた舵角が解消されると、前記第一の回転軸30 が舵角付与の場合とは逆方向に回転し、各部が上述の舵角付与の場合とは逆方向 に変位して、後輪28、28に付与していた舵角を解消する。
【0041】 次に、高速走行時に車両の走行安定性を確保する場合等、後輪28、28に対 して前輪21、21の操舵とは独立した状態で舵角を付与する場合に就いて説明 する。車両の安定性を確保する必要が生じた場合には、図示しない制御器が、や はり図示しないセンサからの信号に基づき前記電動モータ50に通電し、前記ウ ォーム51と歯49との噛合に基づいて、前記リング歯車40を何れかの方向に 回転させる。
【0042】 このリング歯車40の回転が、前記1対の遊星歯車41、41を介して、前記 太陽歯車39に伝達される結果、この太陽歯車39が回転する。そして、この太 陽歯車39の回転が、前記第二の回転軸38を介して前記スプール34に伝達さ れ、このスプール34と前記スリーブ33との位相が、両部材34、33同士を 連結しているトーションバー36を弾性変形させつつ変化して、この両部材34 、33により構成されるロータリ弁32が切り換わる。
【0043】 この様にして行なわれるロータリ弁32の切り換えに基づき、図示しない圧油 給排管を通じて前記1対の油圧室48a、48bへの圧油の給排が行なわれ、ピ ストン14をその中間部に固定した後ロッド46が軸方向に亙り変位して、後輪 28、28に対し所定の舵角付与が行なわれる。
【0044】 後輪28、28に所定の舵角を付与する為、後ロッド46が軸方向に変位する と、ラック47とピニオン43との噛合に基づき、前記1対の遊星歯車41、4 1が太陽歯車39の周囲を公転しつつ自転して、この太陽歯車39を回転させ、 前記ロータリ弁32のスリーブ33とスプール34とを連結しているトーション バー36の捩りを解消する。この結果、前記ロータリ弁32が中立位置に復帰し 、前記1対の油圧室48a、48bの何れにも圧油の給排が行なわれなくなって 、前記後輪28、28に前記所定の舵角が付与されたままの状態となる。
【0045】 この場合に於いて、電動モータ50への通電に基づいて後輪28、28に付与 される舵角の大きさは、前記凹部53の内側で係止ピン52が変位し得る範囲に 限定される。従って、制御器等の故障に基づき、前記後輪28、28に対して過 大な舵角が付与される事がなく、故障時に於ける安全性の確保を図れる。
【0046】 車両に加わっている外乱が解消されると、制御器が前記電動モータ50に通電 して、前記リング歯車40を中立位置に復帰させる。この結果、各部が上述の舵 角付与の場合とは逆方向に変位して、後輪28、28に付与していた舵角を解消 する。
【0047】 実際の走行状態に於いて後輪28、28への舵角付与は、前輪に付与される前 輪舵角θF と後輪に付与される後輪舵角θR との関係が、図4又は図5に示す様 になる。即ち、車両に対して横加速度等の外乱が加わらない場合には、前記前輪 舵角θF に対して後輪舵角θR が、各図に実線Aで示す様に変化するが、車両に 対して外乱が加わった場合には、前記後輪舵角θR が、各図に斜格子で示す様に 、前記実線Aを中心とした一定範囲内で変化して、車両の安定性確保を図る。
【0048】 尚、図4は、前記後輪操舵装置27の途中に遊び機構を設け、前記連結軸26 が或る程度以上回転した場合にのみ、前記後ロッド46を軸方向に変位させる様 に構成した場合に得られる特性を、図5は、連結軸26の回転が(減速はされる が)そのまま後ロッド46に伝達される様に構成した場合の特性を、それぞれ表 わしている。
【0049】 尚、前記支持枠42とピニオン43とを結合するのに、単なる回転軸でなく、 トーションバー44を使用したのは、構成各部に加わる衝撃力を緩和する為であ る。従って、このトーションバー44の弾力は、前記ロータリ弁32に組み込ま れたトーションバー36の弾力よりも十分に大きくして、ロータリ弁32の切り 換え前に、前記ピニオン43支持用のトーションバー44が弾性変形しない様に する。
【0050】
【考案の効果】
本考案の四輪操舵装置は、以上に述べた通り構成され作用する為、安全性を確 保しつつ車両の回転半径を小さく出来る様にしたまま、高速走行時に予期しない 外乱が加わった場合等に於いても、後輪を微妙に操舵し、車両の安定性を確保す る事が出来るだけでなく、後輪への舵角付与の応答性が優れ、しかも後輪への舵 角付与が行なわれなくなったり、或は後輪に舵角が付与されたままとなる事がな くなる等、信頼性も高い。更に、ステアリングホイールの操舵力が途中で急に変 化する事もなくなり、操舵感が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例の全体構成を示す斜視図。
【図2】要部横断平面図。
【図3】図2のX矢視図。
【図4】前輪舵角と後輪舵角との関係の第1例を示す線
図。
【図5】同じく第2例を示す線図。
【図6】従来構造の1例を示す断面図。
【符合の説明】
1 ステアリングホイール 2 ラック 3 ボーデンワイヤ 4 ケーブル 5 後輪操舵装置 6 入力ロッド 7 中立位置保持装置 8 出力ロッド 9 第一の連結ロッド 10 第二の連結ロッド 11 油圧切換弁 12 スプール 13 油圧シリンダ 14 ピストン 15 電動モータ 16 制御器 17 ステアリングシャフト 18 前シリンダ 19 入力軸 20 前ロッド 21 前輪 22 出力軸 23 自在継手 24 自在継手 25 連結軸 26 連結軸 27 後輪操舵装置 28 後輪 29 減速機 30 第一の回転軸 31 シリンダ部 32 ロータリ弁 33 スリーブ 34 スプール 35 凹部 36 トーションバー 37 凹溝 38 第二の回転軸 39 太陽歯車 40 リング歯車 41 遊星歯車 42 支持枠 43 ピニオン 44 トーションバー 45 支持壁 46 後ロッド 47 ラック 48a 油圧室 48b 油圧室 49 歯 50 電動モータ 51 ウォーム 52 係止ピン 53 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 秋田 龍也 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)考案者 竹間 勇 群馬県前橋市高花台二丁目5番地の8 (72)考案者 恵田 広 群馬県前橋市駒形町1612の10 (72)考案者 安藤 信康 群馬県高崎市江木町504−1 (72)考案者 吉本 慎 群馬県前橋市平和町1−3−15

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイールの動きに応じ変位
    して前輪を操舵する前輪操舵部材と、この前輪操舵部材
    の変位に伴なって回転する第一の回転軸と、この第一の
    回転軸と同軸上に設けられた第二の回転軸と、この第二
    の回転軸の一端と前記第一の回転軸の端部との間に設け
    られ、第一、第二の両回転軸同士の間に捩り方向の力が
    作用した場合に、この力の方向に応じて流路の切り換え
    を行なうロータリ弁と、前記第二の回転軸の他端に固定
    された太陽歯車と、この太陽歯車の周囲に、この太陽歯
    車と同心に、且つ、回転自在に支持されたリング歯車
    と、このリング歯車の回転を制限する制限手段と、前記
    リング歯車と前記太陽歯車とに噛合した複数の遊星歯車
    と、この複数の遊星歯車を回転自在に支持した支持枠
    と、この支持枠の一部に、前記太陽歯車と同心に支持さ
    れたピニオンと、このピニオンと噛合するラックを一部
    側面に形成し、軸方向に亙る変位に伴なって後輪に舵角
    を付与する後輪操舵部材と、この後輪操舵部材の中間部
    に固定されたピストンと、この後輪操舵部材の中間部で
    このピストンを固定した部分を囲む状態で設けられ、そ
    の内周面に前記ピストンを油密に摺接させたシリンダ
    と、前記ピストンにより仕切られたシリンダ両側の油圧
    室と前記ロータリ弁の圧油給排ポートとを結ぶ圧油給排
    管と、通電に基づいて前記リング歯車を、所定方向に回
    転駆動する電動駆動装置とから成る四輪操舵装置。
JP8951091U 1991-10-07 1991-10-07 四輪操舵装置 Pending JPH0532239U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015504021A (ja) * 2012-01-10 2015-02-05 テッドライブ ステアリング システムズ ゲーエムベーハー 角度差センサを有するパワーステアリング装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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