JPH053222B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は例えば同期電動機のダンパ、誘導電動
機のロータ、リニア、誘導電動機の二次導体など
に使用するのに適した磁気異方性材料の製造方法
に係り、特に構造的欠陥がなく、磁性材料の占積
率が向上された磁気異方性材料を得ることができ
る磁気異方性材料の製造方法に関する。

［従来の技術］ 銅、アルミ等の導電性材料中に鋼線等の磁性材
料を一定方向に整列させて均一に分散した複合材
からなる磁気異方性材料がある。これは、磁束の
流れやすさと誘導電流の流れやすさを兼ね備えた
ものとして、同期電動機のダンパ、誘導電動機の
ロータ、リニア誘導電動機の二次導体などに使用
するのに適している。そして、この場合、導電性
材料中の磁性材料の占積率が40％以上であれば、
電流と磁力の両方を任意にコントロールできるの
で効率が非常に良く、例えば誘導電動機のロータ
として適用すると、小型化騒音化に大きな効果の
あることが実験的に確認されている。

しかしながら、誘電性材料中に均一に分散した
状態で磁性材料の占積率を40％以上にすることは
技術的に非常に困難であつた。

すなわち、従来前述した磁性材料の占積率を向
上させるための磁気異方性材料の製造方法は磁性
材料の鋼線を一定方向に整列させて密に配置した
鋼線束を導電性材料の溶融した銅やアルミ等で鋳
込む方法であり、各鋼線の間隙および周囲に溶融
した銅やアルミ等を流し込んで接合し一体化する
ものであつた。

［発明が解決しようとする問題点］ このような従来の磁気異方性材料においては、
磁性材料の鋼線を一定方向に整列させて密に配置
した鋼線束を導電性材料の溶融した銅やアルミ等
で鋳込むようにしていたため、溶融した銅やアル
ミ等が鋼線束の奥に入らず巣ができて導電性材料
と磁性材料の接合が悪く、さらに、各鋼線の均一
な分散が難しいという問題点があつた。そして、
各鋼線が均一に分散されず鋼線同志が接触した状
態にあると、磁気異方性材料としての特性が低下
するかまたは発揮されなくなる問題点があつた。
これに対し鋼線を粗く配置した鋼線束を溶融した
銅やアルミ等で鋳込むと、巣はできないが鋼線の
磁性材料の占積率が悪くなり、鋼線の磁性材料の
占積率は20〜30％迄が限度であつて、磁気異方性
材料としての性能も悪くなる。また、上記のよう
な鋳込み方法では鋼線の表面が酸化される問題点
があつた。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、前述した従来のものにおける問題点
を解消するため、磁性材料の周上を導電性材料で
被覆した複合線の多数本を一定方向に整列させて
金属パイプ中に配置し、この多数本の複合線を配
置した金属パイプをダイスを通して液圧押圧しま
たは熱間押出しすることにより、上記金属パイプ
中の複合線を圧接して治金学的に一体化するよう
にしたものである。

［作用］ 前述した本発明の手段によれば、磁性材料の周
上を導電性材料で被覆した複合線の多数本を配置
した金属パイプをダイスを通して液圧押出し、ま
たは、熱間押圧しすると、複合線同志が圧接さ
れ、しかも減面加工される結果押出材においては
各磁性材料が導電性材料中に均一に分散された状
態となる。この方法によれば磁性材料の占積率が
向上し、また、この場合、磁性材料の表面を酸化
させることもない。

［実施例］ 以下、本発明を図面に示す実施例により説明す
る。図面は本発明の磁性異方性材料の製造方法の
一実施例を示すものであり、第２図に断面を示す
ように直径0.5mmの鋼線の磁性材料１の周上に銅
の導電性材料２を被覆した外径0.6mmの銅被覆鋼
線からなる複合線３を、第３図に断面を示すよう
に直径75mmの銅の金属パイプ４の中に1300本一定
方向に整列させて密に配置し、押出し用材料５を
形成させる。

この場合、複合線３同志および銅の金属パイプ
４との接合を良くするため複合線３の外面および
銅の金属パイプ４の内面を溶剤により洗浄し脱脂
する。

次に第１図に断面を示すように上記押出し用材
料５を液圧押出し機６の加圧室７の中にセツト
し、この状態のプランジヤー８の押圧力を加えて
上記押出し用材料５の周囲の圧力媒体の液体９の
加圧しダイス１０を通して押出す。それによつ
て、上記押出し用材料５は減面加工される。

そして、第４図に断面を示すように銅の導電性
材料２の中に鋼細線の磁性材料１が圧接されて規
則的に分散配置、接合され治金学的に一体化した
磁気異方性材料１１が得られるものである。

このような磁気異方性材料１１の製造方法によ
れば、各磁性材料１は均一に分散され、導電性材
料２に巣ができることなく上記複合線３同志が完
全に接合され磁性材料１の占積率が向上し、磁性
材料１の表面を配化させることもない。そして、
複合線３は治金学的に一体化される。

なお、この磁気異方性材料１１の鋼線の磁性材
料１の占積率は73％である。そして、磁性材料１
の占積率は上記複合線３の寸法によつて調整が可
能であり、相対的に銅の導電性材料２の厚さを薄
くした鋼線の磁性材料１を使用して占積率を向上
できる。

また、熱間押出しでも上記液圧押し出しと同様
の結果が得られる。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明に係る磁気異方性
材料の製造方法は、磁性材料の周上を導電性材料
で被覆した複合線の多数本を一定方向に整列させ
て金属パイプ中に配置し、この多数本の複合線を
配置した金属パイプをダイスを通して液圧押出し
または熱間押出しすることにより、上記金属パイ
プ中の複合線を圧接して治金学的に一体化するよ
うにしたので、複合線の使用により導電性材料と
磁性材料の接着はもとより良好であり、しかも導
電性材料同志の接着は良好なので各磁性材料は導
電性材料中に均一に分散される。又、製造に際し
ては磁性材料の表面を酸化させることもない。し
たがつて本方法によれば導電性材料中に巣等欠陥
のない健全な磁性異方性材料が得られる。又、本
方法によれば磁性材料の占積率は40％以上に向上
させ、その結果、同期電動機、誘導電動機、リニ
ア誘導電動機等の効率を向上することができて小
型抵騒音化される等の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の磁気異方性材料の製造方法の一
実施例を示すものであり、第１図は多数本の複合
線を配置した金属パイプを冷間液押出しする状態
の縦断面部分図、第２図は磁性材料の周上を導電
性材料で被覆した複合線の横断面図、第３図は複
合線の多数本を方向性を持たせて金属パイプ中に
配置した横断面図、第４図は冷間液圧押出しされ
た磁気異方性材料の横断面図である。 １……磁性材料、２……導電性材料、３……複
合線、４……金属パイプ、５………押出し用材
料、６……液圧押出し機、７……加圧室、８……
プランジヤー、９……圧力媒体の液体、１０……
ダイス、１１……磁気異方性材料。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 磁性材料の周上を導電性材料で被覆した複合
   線の多数本を一定方向に整列させて金属パイプ中
   に配置し、この多数本の複合線を配置した金属パ
   イプをダイスを通して液圧押出しまたは熱間押出
   しすることにより、上記金属パイプ中の複合線を
   圧接して治金学的に一体化することを特徴とする
   磁気異方性材料の製造方法。