JPH05321862A - 冷媒圧縮機 - Google Patents

冷媒圧縮機

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JPH05321862A
JPH05321862A JP12186292A JP12186292A JPH05321862A JP H05321862 A JPH05321862 A JP H05321862A JP 12186292 A JP12186292 A JP 12186292A JP 12186292 A JP12186292 A JP 12186292A JP H05321862 A JPH05321862 A JP H05321862A
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JP
Japan
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refrigerant
refrigerant compressor
freon
shaft
sliding
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JP12186292A
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Yutaka Abe
豊 阿部
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、密閉された容器内にモータ機構およ
び圧縮機構が収容され、かつ冷媒として1,1,1,2
−テトラフルオロエタンまたは1,1,2,2−テトラ
フルオロエタンを、冷凍機油として前記冷媒と相溶性を
有する油を使用し、前記冷媒が前記容器内を循環する冷
媒圧縮機において、前記圧縮機構における摺動部品の少
なくとも一部がセラミックス部材からなることを特徴と
する冷媒圧縮機であり、また前記圧縮機構における摺動
部品は、鉄系金属からなる第1の部材と、セラミックス
からなる第2の部材とを使用し、前記第1の部材と前記
第2の部材とが摺動するように組合せたことを特徴とす
る冷媒圧縮機である。 【効果】セラミックス部材を摺動部品の少なくとも一部
に使用することにより、フロン134aまたはフロン1
34およびこれと相溶性を有する冷凍機油の使用に際し
て、耐摩耗性を大きく向上させることができ、冷媒圧縮
機の圧縮機構の耐摩耗性が長時間安定して保たれ、フロ
ン134aまたはフロン134に適した長寿命の冷媒圧
縮機を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷媒圧縮機に関し、特に
冷媒として1,1,1,2−テトラフルオロエタンまた
は1,1,2,2−テトラフルオロエタンを使用するに
際して好適な冷媒圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、室内あるいは車内の空気調和
機、あるいは冷蔵庫などには冷風あるいは温風を送り出
すために、フロン冷媒を密閉サイクル中に封入した冷凍
サイクルが使用されている。この冷凍サイクルには冷媒
を圧縮して循環させる冷媒圧縮機が設けられている。こ
の冷媒圧縮機は、例えば図1に示すロータリー式の密閉
型圧縮機や、カーエアコン用の半密閉型冷媒圧縮機(図
示省略)などがある。図1の、縦断面図として示した密
閉型の冷媒圧縮機を例として説明する。この図におい
て、密閉されたケーシング1内にはステータ2とロータ
3とで構成されるモータ機構4が設置されている。モー
タ機構4の下部には圧縮機構5が配設され、上記モータ
機構4によって圧縮機構5が駆動される。
【0003】これによって、図示しないアキュムレータ
を介して供給管6から導入された冷媒が圧縮され、ケー
シング1内に一旦吐出させた後、ケーシング1の上部に
設けられた吐出管7から冷凍機側に冷媒が供給される。
このような密閉型圧縮機における圧縮機構5について、
図2を加えて詳しく説明する。
【0004】これらの図において、ケーシング1内には
モータ4が収容され、このモータ4により回転するシャ
フト8がフレーム9の軸受に軸支されてシリンダ10内
を貫通し、さらにその下端部はサブベアリング11の軸
受に軸支されている。
【0005】シャフト8のシリンダ10の内部は、クラ
ンク部12(偏心部)となっており、このクランク部1
2とシリンダ10との間にローラ13が嵌合され、シャ
フト8の回転によりローラ13が遊星運動する。
【0006】また、シリンダ10を貫通してブレード1
4が設けられ、スプリング15の付勢力によりブレード
14の一端側はローラ13の外周に接触し、シリンダ1
0内を吸込室16と吐出室17に分割している。上記ロ
ーラ13の遊星運動に応じてブレード14は往復運動す
る。
【0007】冷媒ガスはシャフト8の回転に伴うローラ
13の遊星運動に応じて、吸込口18から吸込まれ、圧
縮され、吐出口19から吐出されるが、この摺動部の動
作を円滑にするためにケーシング1内には冷凍機油20
が収容されている。この冷凍機油20は、シャフト8の
回転により、シャフト8下端に設けられている図示され
ないポンプに沿って吸い上げられ、摺動部を潤滑するよ
うになっている。このような冷媒圧縮機の摩耗は、ブレ
ード14とシャフト8を中心としたものに分けられる。
【0008】ブレード14はシャフト8の回転に伴い往
復運動するが、この際分割されたシリンダ10内の2室
の圧力差によりシリンダ10の貫通孔内面にこすりつけ
られブレード14、シリンダ10ともに摩耗する。ま
た、ブレード14はスプリング15によりその端部がロ
ーラ13におしつけられているため、ローラ13の外周
も摩耗する。
【0009】一方、シャフト8は、ローラ13を介して
スプリング15やシリンダ10内の圧力を受け、フレー
ム9とサブベアリング11におしつけられて若干湾曲し
た形状となって高速回転するため、シャフト8の外面、
フレーム9およびサブベアリング11の内面が同様に摩
耗する。
【0010】このような密閉型冷凍圧縮機の冷媒として
は、ジクロロジフロロメタン(以下フロン12と称す
る)やクロロジフロロメタンが主に用いられており、ま
た圧縮機構5に封入される冷凍機油としては、フロン1
2やクロロジフロロメタンに対して溶解性を示すナフテ
ン系やパラフィン系鉱油が用いられている。これら冷媒
や冷凍機油はケーシング1内を直接循環するため、圧縮
機構5においては耐摩耗性を有することが必要である。
【0011】ところで、最近上述した冷媒などからのフ
ロンの放出がオゾン層の破壊につながり、人体や生物系
に深刻な影響を与えることがはっきりしてきたため、オ
ゾン破壊係数の高いフロン12などは段階的に使用が削
減され、将来的には使用しない方向に決定している。
【0012】このような状況下にあって、フロン12の
代替冷媒として、1,1,1,2−テトラフルオロエタ
ン(以下フロン134aと称する)や、1,1,2,2
−テトラフルオロエタン(以下フロン134と称する)
が開発されており、この冷媒に適した圧縮機用の材料の
開発が望まれている。
【0013】たとえば、フロン134aやフロン134
は従来の冷凍機油である鉱油にはほとんど溶解しないた
め、溶解性を示すポリアルキレングリコール系油、ポリ
エーテル系油、ポリエステル系油、フッ素系油などの使
用が試みられている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、冷媒と
してフロン134aまたはフロン134を用い、このフ
ロンが溶解性を示す冷凍機油、たとえばポリアルキレン
グリコール系油やポリエステル系油を用いた場合、上述
したような圧縮機構5の摺動部材として使用されている
FC25、S−15C、S−12C、SWRCH10
A、SWCH15A、SCM435H、焼結合金、ステ
ンレス鋼などの耐摩耗性が低下し、長期間安定して冷媒
圧縮機を運転することができないという問題が生じてい
る。
【0015】これは、従来冷媒としてフロン12を用い
た場合、フロン12中のCl原子が金属基材のFe原子
と反応して耐摩耗性の良い塩化鉄膜を形成するのに対
し、フロン134aやフロン134を用いた場合には、
Cl原子が存在しないために塩化鉄のような潤滑膜が形
成されないことに原因の一つがある。
【0016】さらに、フロン134aやフロン134を
使用するに際して、この冷媒と相溶性を有する冷凍機油
は、環状化合物が含まれない鎖状化合物であるため、厳
しい摺動条件下では十分な油膜厚さを保つことが難しい
ことも耐摩耗性を低下させる原因となっている。
【0017】また特開平3−281991号公報には圧
縮機構における摺動部品の一部に球状黒鉛鋳鉄を用いる
ものが提案されているが、従来のフロン12を冷媒とし
て用いたものと比較して耐摩耗性が低く、信頼性が十分
ではないなど更なる改良が望まれていた。
【0018】本発明はこのような課題を解決するために
なされたものであり、フロン134aまたはフロン13
4の使用に際して、摺動部での耐摩耗性を向上させ、長
寿命化を達成した冷媒圧縮機を提供することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のフロン134a
またはフロン134用冷媒圧縮機は、密閉された容器内
にモータ機構および圧縮機構が収容され、かつ冷媒とし
て1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,
1,2,2−テトラフルオロエタンを、冷凍機油として
前記冷媒と相溶性を有する油を使用し、前記冷媒が前記
容器内を循環する冷媒圧縮機において、前記圧縮機構に
おける摺動部品の少なくとも一部がセラミックス部材か
らなることを特徴とするものであり、また前記圧縮機構
における摺動部品は、鉄系金属からなる第1の部材と、
セラミックスからなる第2の部材とを使用し、前記第1
の部材と前記第2の部材とが摺動するように組合せたこ
とを特徴とする。
【0020】本発明者は、摺動部品の一部に球状黒鉛鋳
鉄を用いた場合に、従来のフロン12を冷媒として用い
た場合に比して摺動部品の耐摩耗性が劣化することに着
目し、本発明を成すに至った。すなわちフロン12を冷
媒として用いる場合と同等以上の耐摩耗性を摺動部品に
与えるために種々検討した結果、摺動部品の少なくとも
一部にセラミックス部材を用いることにより従来に比し
て耐摩耗性の向上した摺動部品を有する冷媒圧縮機を得
られたものである。
【0021】本発明において用いられるセラミックス
は、Si3 4 ,SIALON,SiC,ZrO2 ,A
2 3 ,AlN,TiC,TiO2 などである。これ
らは1種類のセラミックスで構成して用いてもよく、ま
た2種類以上を組み合わせて構成して用いてもよい。こ
の際、部品全体をセラミックス部材で構成してもよく、
また部品の一部だけをセラミックス部材で構成し、その
他の部分は従来より用いられているような金属材料で構
成してもよい。ここでいうセラミックス部材で構成する
とは焼結体などのセラミックス単独で用いるのはもちろ
んのこと、セラミックスを金属部材の表面にコーティン
グしたもの、セラミックスと金属を接合したもの、金属
部材中にセラミックスの粒子,ファイバー,ウィスカ
ー,プレートレットなどを分散したものを用いることも
含んでいる。
【0022】セラミックス部材は、そのセラミックスの
持つ特性を考慮して選択することが有用である。すなわ
ち、大きな応力が作用する場合には、Si3 4 やZr
2などが最適である。また金属部材と組合せて用いる
場合には、金属との熱膨張係数の差を考慮して、ZrO
2 やAl2 3 、またはAl2 3 をZrO2 中に分散
させたものが最適である。なお、本発明において、Fe
系金属を用いる場合には、鋳鉄,鋼,焼結合金などを用
いることが好ましい。
【0023】焼結合金を用いる場合には、焼結合金は多
孔性であるため、摺動部品表面に存在する多数の空孔に
油が溜まり、潤滑油の不足した不利な運転条件となった
場合、潤滑油の自己供給が可能で、金属摺動部の材料と
して利点を有している。
【0024】さらに水蒸気処理などの封孔処理を行うこ
とにより、焼結合金の内部組織に介在する微小空隙から
の圧力流体の漏洩を防止し、耐圧力部品として使用する
ことができる。この処理は、部材を水蒸気雰囲気中で5
00〜600℃に加熱保持することにより、部材表面に
Fe3 4 の被膜を形成する。
【0025】また、鋼を用いる場合には、たとえば亜共
析炭素鋼、共析炭素鋼、過共析炭素鋼などを用いるのが
よい。なお強度の点から、鋼の炭素含有量は0.05〜
1.0重量%であることが好ましい。
【0026】摺動部材料を組合せて使用する場合には、
摺動部同士が同じ材料であると容易に相手材と凝着を起
こし、逆に硬度の差の大きなものを組合せると、硬度の
低い一方の材料が摩耗してしまい好ましくない。これら
の組合せとしては、たとえばFe系金属を軸受やピスト
ンに使用し、セラミックス部材をシャフトやシリンダに
使用する。これらの材料は熱処理をしたり、炭素含有量
を変化させることにより、硬度をある程度調整すること
ができる。
【0027】したがってフロン134aやフロン134
と、これと相溶性を有するたとえばポリアルキレングリ
コール系油とを使用する冷媒圧縮機において、圧縮機構
の摺動部品としてセラミックス部材を少なくとも一部に
使用するか、または一方に使用し、この相手材として鋳
鉄,鋼,あるいは焼結合金を使用するように組合せるこ
とにより、摺動部の耐摩耗性を長期間にわたって維持す
ることができる。
【0028】さらに本発明において使用する冷凍機油と
しては、フロン134aまたはフロン134と相溶性を
有するポリエーテル系化合物、エステル系化合物、フッ
素系油などが使用できる。相溶性を有するということ
は、冷凍サイクルの配管中に冷凍機油が残留することを
防止し、かつ確実に圧縮機に冷凍機油を戻すためには必
須の要件である。
【0029】上述した冷凍機油のなかでも特にポリエー
テル系化合物の1種であるポリグリコール系油は、吸湿
性を有するものの、粘度指数が高く、低温流動性に優れ
ているので、実用上適しているといえる。
【0030】
【作用】セラミックス部材を摺動部品の少なくとも一部
に用いたことにより、従来のフロン12を用いることな
く従来と比しても耐摩耗性に優れ、かつ気密性、潤滑性
に優れた圧縮機構を有する冷媒圧縮機を得ることができ
る。
【0031】そして冷媒圧縮機の摺動部位に用いる材料
として一方に鉄系金属部材を使用し、他方にセラミック
ス部材を組合せて使用することにより、冷凍機油中での
運転に際して、良好な耐摩耗性を得ることができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 ・実施例1
【0033】Si3 4 の原料粉末に焼結助剤としてY
2 3 を5wt%、Al2 3 を2wt%添加し、溶媒
中で粉砕、混合し、スプレードライヤーを用いて造粒し
た。造粒粉を所定の形状に成形した後、N2 雰囲気中4
00℃で脱脂した。さらにこの脱脂体をN2 雰囲気中1
750℃で焼結し、焼結体を得た。これを表面研磨を施
して所定形状のSi3 4 焼結体からなるセラミックス
部材を得た。一方、これらの摺動相手部材である軸受お
よびピストンとして、JIS規格によるS−15C材を
用い、所定形状に切り出した。
【0034】これらをアセトンにて脱脂した後、図1と
同一構成の冷媒圧縮機を組立てた。すなわち、図1にお
けるシャフト8およびシリンダ10がSi3 4 焼結体
からなるセラミックス部材からなり、軸受9およびロー
ラ13がS−15C材からなっている。また、図1の冷
媒圧縮機はロータリー式であるため、ピストンに相当す
るローラ13がシリンダ10の内部で遊星運動しつつ回
転するようになっている。この冷媒圧縮機に、ポリアル
キレングリコール系油の冷凍機油を供給し、冷媒にフロ
ン134aを用いて、上記冷媒圧縮機を500時間運転
した。運転終了後、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて
シャフトの表面観察を行ったところ、摩耗痕はほとんど
認められなかった。
【0035】さらに図3に示すような摩耗試験機を用い
てシャフトの耐摩耗性を評価した。この装置は、シャフ
ト31をV−ブロック32・32で挟み込み、V−ブロ
ック31の締め付けによる荷重を一定の値に設定し、シ
ャフト31を回転させて冷媒を吹込みながら、一定時間
の摩耗量を調べるものである。
【0036】ここでは、冷媒フロン134aを吹込みつ
つ、シャフトの回転を290rpmとして、シャフト3
1をSi3 4 焼結体からなるセラミックス部材とし、
V−ブロック32を鋼材として試験を行った。その結
果、摩耗量は4.5mgであった。 ・実施例2
【0037】摺動部材の組合せとして、シャフトおよび
シリンダにSi3 4 焼結体からなるセラミックス部材
を用い、軸受およびローラにねずみ鋳鉄を用いた以外は
実施例1と同一構成の冷媒圧縮機を組立て、500時間
運転させた。
【0038】運転後のSEM観察の結果、シャフトの表
面に摩耗痕はほとんど認められず、さらに実施例1と同
様な耐摩耗性試験においても、摩耗量は4.0mgであ
った。 ・実施例3
【0039】摺動部材の組合せとして、シャフトおよび
シリンダにSi3 4 焼結体からなるセラミックス部材
を用い、軸受およびローラにFe系焼結合金を用いた以
外は実施例1と同一構成の冷媒圧縮機を組立て、500
時間運転させた。
【0040】運転後のSEM観察の結果、シャフトの表
面に摩耗痕はほとんど認められず、さらに実施例1と同
様な耐摩耗性試験においても、摩耗量は4.6mgであ
った。 ・実施例4
【0041】ZrO2 の原料粉末に焼結助剤としてY2
3 を3wt%、分散粒子としてAl2 3 を20wt
%添加し、溶媒中で粉砕、混合し、スプレードライヤー
を用いて造粒した。造粒粉を所定の形状に成形した後、
2 雰囲気中400℃で脱脂した。さらにこの脱脂体を
大気中1550℃で焼結し、焼結体を得た。これを表面
研磨を施して所定形状のAl2 3 分散ZrO2 焼結体
からなるセラミックス部材を得た。一方、これらの摺動
相手部材である軸受およびピストンとして、JIS規格
によるS−15C材を用い、所定形状に切り出した。こ
れ以外は、実施例1と同一構成の冷媒圧縮機を組立て、
500時間運転させた。
【0042】運転後のSEM観察の結果、シャフトの表
面に摩耗痕はほとんど認められず、さらに実施例1と同
様な耐摩耗性試験においても、摩耗量は4.8mgであ
った。
【0043】なお、ここではロータリー式の冷媒圧縮機
について説明したが、往復式の冷媒圧縮機の場合は上記
ローラが、シリンダ内を往復運動するピストンとなり、
このピストンとシリンダとの材料の組合せをFe系金属
とセラミックスとが摺動するように構成する。 ・比較例1 シャフトおよびシリンダにFC25材を用い、軸受およ
びローラにS−15C材を用いて、実施例1と同一構成
の冷媒圧縮機を組立てた。すなわち、図1におけるシャ
フト8およびシリンダ10がFC25材からなり、軸受
9およびローラ13がS−15C材からなっている。こ
の冷媒圧縮機にポリアルキレングリコール系油の冷凍機
油を供給し、冷媒にフロン134aを用いて、上記冷媒
圧縮機を500時間運転した。運転終了後、走査電子顕
微鏡(SEM)を用いてシャフトの表面観察を行ったと
ころ、摺動によって生じた摩耗痕がはっきりと認められ
た。さらに図3に示す摩耗試験機を用いて実施例と同一
条件でシャフトの耐摩耗性を評価した。
【0044】その結果、フロン134aの使用におい
て、FC25材S−15C材とを組合せた摺動部品は、
摩耗量が50mgと著しく、長時間の使用に耐え得ない
ものであった。 ・比較例2 黒鉛の球状化率をほぼ100%として、JIS規格によ
るFCD60材を用い、シャフトおよびシリンダとして
所定形状に切り出した。一方、これらの摺動相手部材で
ある軸受およびピストンとして、JIS規格によるS−
15C材を用い、所定形状に切り出した。これ以外は、
実施例1と同一構成の冷媒圧縮機を組立て、500時間
運転させた。
【0045】運転後のSEM観察の結果、シャフトの表
面に摩耗痕はほとんど認めらなかったが、実施例1と同
様な耐摩耗性試験において、摩耗量は8mgと本発明に
比し多かった。 ・参考例 比較例と同様に、シャフトおよびシリンダにFC25材
を用い、軸受およびローラにS−15C材を用いて実施
例1と同一構成の冷媒圧縮機を組立てた。この冷媒圧縮
機にパラフィン系鉱油を供給し、冷媒にフロン12を用
いて、上記冷媒圧縮機を500時間運転した。この条件
は、従来のフロン12を使用した冷媒圧縮機の通常の状
態であり、摩耗量は6mgであった。すなわち、これま
で説明した実施例、比較例および参考例から以下のよう
なことがわかる。
【0046】冷媒圧縮機としてフロン12に代えて塩素
を含有しないフロン134aやフロン134を使用する
場合、冷凍機油もフロン134aやフロン134に適し
た油を使用することが必要となってくる。冷媒および冷
凍機油の種類が変わったとき、これまでの摺動部品では
耐摩耗性が大きく低下してしまい品質を保つことができ
なくなる。
【0047】そこで本発明によるセラミックス部材を摺
動部材の少なくとも一部に使用するという構成としたこ
とにより、フロン134aやフロン134を使用した際
の摺動部品の耐摩耗性が従来のフロン12を使用してい
た時よりも向上し、長期間の使用に耐え得る良好な冷媒
圧縮機が得られた。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明の冷媒圧縮機
は、セラミックス部材を摺動部品の少なくとも一部に使
用することにより、フロン134aまたはフロン134
およびこれと相溶性を有する冷凍機油の使用に際して、
従来のフロン12を使用していたときに比しても耐摩耗
性を大きく向上させることができる。
【0049】したがって、冷媒圧縮機の圧縮機構の耐摩
耗性が長期間にわたって安定して保たれ、フロン134
aまたはフロン134に適した長寿命の冷媒圧縮機を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロータリー式の密閉型冷媒圧縮機の縦断面図
【図2】ロータリー式の密閉型冷媒圧縮機の横断面図
【図3】摩耗試験機の断面図
【符号の説明】
1…ケーシング 2…ステータ 3…ロータ 4…モータ機構 5…圧縮機構 6…供給管 7…吐出管 8…シャフト 9…フレーム 10…シリンダ 11…サブベアリング 12…クランク 13…ローラ 14…ブレード 15…スプリング 16…吸込室 17…吐出室 18…吸込口 19…吐出口 20…冷凍機油

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉された容器内にモータ機構および圧縮
    機構が収容され、かつ冷媒として1,1,1,2−テト
    ラフルオロエタンまたは1,1,2,2−テトラフルオ
    ロエタンを、冷凍機油として前記冷媒と相溶性を有する
    油を使用し、前記冷媒が前記容器内を循環する冷媒圧縮
    機において、前記圧縮機構における摺動部品の少なくと
    も一部がセラミックス部材からなることを特徴とする冷
    媒圧縮機。
  2. 【請求項2】密閉された容器内にモータ機構および圧縮
    機構が収容され、かつ冷媒として1,1,1,2−テト
    ラフルオロエタンまたは1,1,2,2−テトラフルオ
    ロエタンを、冷凍機油として前記冷媒と相溶性を有する
    油を使用し、前記冷媒が前記容器内を循環する冷媒圧縮
    機において、前記圧縮機構における摺動部品は、鉄系金
    属からなる第1の部材と、セラミックスからなる第2の
    部材とを使用し、前記第1の部材と前記第2の部材とが
    摺動するように組合せたことを特徴とする冷媒圧縮機。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004124948A (ja) * 2003-12-10 2004-04-22 Daikin Ind Ltd スイング圧縮機

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JP2004124948A (ja) * 2003-12-10 2004-04-22 Daikin Ind Ltd スイング圧縮機

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