JPH06117383A - 密閉型冷媒圧縮機 - Google Patents

密閉型冷媒圧縮機

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JPH06117383A
JPH06117383A JP26600292A JP26600292A JPH06117383A JP H06117383 A JPH06117383 A JP H06117383A JP 26600292 A JP26600292 A JP 26600292A JP 26600292 A JP26600292 A JP 26600292A JP H06117383 A JPH06117383 A JP H06117383A
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JP
Japan
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refrigerant
slidable
hermetic
sliding
cylinder
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JP26600292A
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Shinobu Sato
佐藤  忍
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 HFC 系冷媒またはHCFC22冷媒を使用する密閉
型冷媒圧縮機の摺動部の耐摩耗性を向上させ、長寿命化
を図る。 【構成】 密閉された容器内に圧縮機構が収容され、 H
FC系冷媒またはHCFC系冷媒を使用し、この冷媒と相溶性
を有する冷凍機油を使用する密閉型冷媒圧縮機におい
て、圧縮機構における相対して摺動する少なくとも一方
の摺動部品は、エネルギー収束ビームにより形成されて
なる厚さ 0.02 mm以上で、かつビッカース硬度600 以
上の部分焼入硬化層を少なくとも荷重負荷側の摺動面に
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性に優れた摺動
部品を有する密閉型冷媒圧縮機に関し、とくに冷媒とし
て HFC系またはHCFC系冷媒を使用する密閉型冷媒圧縮機
に関する。
【0002】
【従来の技術】冷蔵庫や室内あるいは車内の空気調和機
などには、冷風や温風を送り出すために、たとえば図6
および図8に示す密閉型冷媒圧縮機や、カーエアコン用
の半密閉型冷媒圧縮機(図示省略)などの冷媒圧縮機が
使用されている。
【0003】一例として図6に縦断面図を、図7にロー
タリー部の横断面図を示した代表的な密閉型回転式冷媒
圧縮機を説明する。図6において、ケーシング1内には
駆動モータ2が収容され、このモータにより回転するシ
ャフト3がフレーム4の軸受に支持されたシリンダ5内
を貫通し、更にその下端部はサブベアリング6の軸受に
支持されている。前記シャフト3のシリンダ5内の部分
はクランク部(偏心部)となっており、このクランク部
とシリンダ5との間にローラ7が嵌合され、シャフト3
の回転によりローラ7は遊星運動する。また、シリンダ
5を貫通してブレード8が設けられ、スプリング9の付
勢力によりブレード8の一端側はローラ7の外周に接触
し、シリンダ5内を吸込室と吐出室に分割している。ロ
ーラ7の遊星運動に応じてブレード8は往復運動する。
冷媒ガスはシャフト3の回転に伴うローラ7の遊星運動
に応じて、吸込口から吸込まれ、圧縮され、吐出口から
吐出されるが、この摺動部の動作を円滑にするためケー
シング1内には冷凍機油10が収容されている。この冷
凍機油10はシャフト3の回転により、シャフト3の下
端に設けられているポンプ11に沿って吸い上げられ、
摺動部を潤滑する。
【0004】上記のような構成を有する密閉型冷媒圧縮
機内に発生する摩耗は、ブレード8とシャフト3を中心
とした2種類の原因により発生する。第1の原因は、ブ
レード8はシャフト3の回転に伴い往復運動するが、こ
の際分割されたシリンダ5内の2室の圧力差によりシリ
ンダ5の貫通溝内面にこすりつけられながら往復運動す
る点にある。すなわち、この往復運動においては、ブレ
ード8はシリンダ5の貫通溝とのクリアランス分だけ片
あたりしながら摺動するため、ブレード8とシリンダ5
の貫通溝の摺動面部に極圧(大荷重)が発生し、また、
ブレード8の往復摺動は、摺動速度が 0になる 2か所の
停止点が発生する。この2つの要因により、摺動部品表
面の塑性的変形や潤滑油膜の破断が発生して、摺動部品
どうしは金属接触を起こし易くなる。従って、ブレード
8、シリンダ5はともに摩耗し易い。また、ブレード8
はスプリング9によりその端部がローラ7に押付けられ
ているためローラ7の外周も摩耗し易い。
【0005】第2の原因は、シャフト3は、ローラ7を
介してスプリング9やシリンダ5内の圧力を受け、フレ
ーム4とサブベアリング6に押付けられて若干湾曲した
形状となって高速回転する点にある。すなわち、このと
き潤滑油膜の破断が発生して、シャフト3の表面がフレ
ーム4やサブベアリング6と金属接触を起こし易くな
る。従って、シャフト3の外面、フレーム4およびサブ
ベアリング6の内面が同様に摩耗し易い。
【0006】ところで、このような密閉型冷媒圧縮機に
は従来から冷媒としてジクロロジフルオロメタン(以下
CFC12 と略称する。)やモノクロロジフルオロメタン
(以下HCFC22と略称する。)とモノクロロペンタフルオ
ロエタン(以下CFC115と略称する。)との共沸混合物で
ある R502 が主に用いられており、また封入される冷凍
機油としては、CFC12 などに相溶性を示すナフテン系や
パラフィン系鉱油が用いられている。冷媒として上述の
CFC12 や R502 などを用いた場合、これら冷媒中の塩素
(Cl)原子は金属基材の鉄(Fe)原子と反応して塩
化鉄からなる潤滑膜を形成する。この塩化鉄からなる潤
滑膜は、自己潤滑性を有し耐摩耗性に優れ、極圧(大荷
重)負荷時や摺動速度が 0となる時にも金属接触を防止
して摩耗防止に有効に作用する。加えて従来の冷媒 CFC
12等と従来の冷凍機油はともに無極性であるため、吸湿
性が低い。このため、鉄系金属基材上に形成される塩化
鉄層は加水分解を起こさずに安定した膜としての存在が
可能であった。
【0007】ところで、最近、上述した CFC系冷媒など
からのフロンの放出がオゾン層の破壊に繋がり人体や生
物系に深刻な影響を与えることが明らかになったため、
オゾン破壊係数(ODP)の高いCFC12 などは段階的に
使用が削減され、将来的には使用しない方針が決定して
いる。このような状況に対応するため、CFC12 の代替と
して 1,1,1,2- テトラフルオロエタン(以下 HFC134aと
略称する。)および 1,1- ジフルオロエタン(以下 HFC
152aと略称する。)やオゾン破壊係数(ODP)の小さ
いHCFC22等の冷媒が検討されている。さらに、HCFC22も
オゾン破壊能力を有するため、長期的にはジフルオロメ
タン(以下 HFC32と略称する。)への代替も検討されて
いる。したがって、これらの冷媒に適した圧縮機用摺動
部品とそれらを用いた密閉型冷媒圧縮機の開発が望まれ
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したHFC1
34a およびHFC152a のような HFC系冷媒と、この HFC系
冷媒との相溶性を有するポリエーテル系油やポリエステ
ル系油とを密閉型冷媒圧縮機に用いた場合、あるいは冷
媒としてHCFC22および冷凍機油として鉱油を密閉型冷媒
圧縮機に用いた場合、前述の圧縮機構の摺動部材として
使用されている鋳鉄、炭素鋼、合金鋼、焼結合金、ステ
ンレス鋼などの耐摩耗性が低下し、長期間安定して密閉
型冷媒圧縮機を運転することができないという問題が生
じている。
【0009】この原因として次のことが考えられる。ま
ず、HFC 系冷媒を使用する場合においては、2つの原因
が考えられる。第1に、冷媒としてCFC12 を用いた場
合、CFC12 中の塩素(Cl)原子が、金属基材の鉄(F
e)原子と反応して塩化鉄膜を形成する。この塩化鉄膜
は、自己潤滑性を有し、耐摩耗性に優れる。一方、HFC1
34a あるいはHFC152a を用いた場合には、塩素(Cl)
原子が存在しないために塩化鉄膜からなる潤滑膜が形成
されない。第2に、鉱油系冷凍機油には、環状化合物が
含まれており油膜形成能力が高い。一方、HFC134a また
はHFC152a と相溶性を有する冷凍機油は、環状化合物を
含まない鎖状化合物であるため油膜形成能力が低く、厳
しい摺動条件では油膜を保持できない。
【0010】次に、HCFC22冷媒を使用する場合において
は、以下の原因が考えられる。HCFC22冷媒と、冷凍機油
として鉱油を密閉型冷媒圧縮機に用いた場合、前述した
R502 およびCFC12 とHCFC22との熱物性の差から、HCFC
22冷媒では吐出ガス温度が R502 を用いた場合よりも高
くなるため圧縮機構部の温度も上昇し、冷凍機油の粘度
低下がおこり摺動面の潤滑油膜を保持できない。
【0011】したがって、 HFC系冷媒と、この HFC系冷
媒との相溶性を有するポリエーテル系油やポリエステル
系油とを用いた密閉型冷媒圧縮機、あるいは冷媒として
HCFC22および冷凍機油として鉱油を用いた密閉型冷媒圧
縮機においては極圧(大荷重)負荷時や摺動速度が 0と
なった時に摺動部材間の摩耗を防止し、密閉型冷媒圧縮
機を長期間使用可能とすることが、早急に解決すべき課
題となっている。
【0012】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、HFC 系冷媒またはHCFC22冷媒の使用
に際して、摺動部の耐摩耗性を向上させ、長寿命化を図
ることのできる密閉型冷媒圧縮機を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の密閉型冷媒圧縮
機は、密閉された容器内に圧縮機構が収容され、かつ冷
媒として HFC系冷媒またはHCFC系冷媒を使用し、冷凍機
油としてこれら冷媒と相溶性を有する冷凍機油を使用す
る密閉型冷媒圧縮機において、圧縮機構における相対し
て摺動する少なくとも一方の摺動部品は、エネルギー収
束ビームにより形成されてなる厚さ 0.02 mm以上で、
かつビッカース硬度600 以上の部分焼入硬化層を少なく
とも荷重負荷側の摺動面に有することを特徴とする。
【0014】本発明の密閉型冷媒圧縮機には、 HFC系冷
媒またはHCFC系冷媒を使用する。 HFC系冷媒はオゾン破
壊係数(ODP)が 0であるため本発明に好適である。
このような HFC系冷媒としては、 HFC134a、 HFC152a、
HFC32、ペンタフルオロエタン等を挙げることができ
る。さらに、HCFC系冷媒はオゾン破壊係数(ODP)が
極めて小さいものが本発明に好適である。とくに、HCFC
22が好ましい。
【0015】また HFC系冷媒またはHCFC系冷媒と組合わ
せて使用する冷凍機油は、これらと相溶性を有する油で
ある。 HFC系冷媒の場合には、ポリエーテル系油、ポリ
エステル系油、フッ素系油またはこれらの混合油が、HC
FC系冷媒の場合には、ナフテン系またはパラフィン系の
鉱油が例示される。
【0016】本発明の密閉型冷媒圧縮機の摺動部品を構
成する部材は鉄系金属や鉄系合金を基材とすることがで
きる。ここで、鉄系金属とは鋳鉄や炭素鋼などの数パー
セントの炭素を含有する鉄である。ただし、通常の不純
物として含まれる少量の珪素、マンガン、燐、硫黄等を
含有する鋳鉄や炭素鋼なども鉄系金属に含まれる。ま
た、鉄系合金とは、上述の鉄系金属に特定の性質を付与
するために、珪素、マンガン、ニッケル、クロム、銅、
アルミニウム、タングステン、モリブデン、バナジウ
ム、コバルト、ジルコニウム等を添加したもので、たと
えば、合金鋼、ステンレス鋼、焼結合金などがある。
【0017】鉄系金属や鉄系合金の摺動面に形成される
部分焼入硬化層の形成法としては、高精度に加工された
摺動部品の熱変形を起こすことなく処理することがで
き、また処理範囲の自由度が高く、かつ比較的制御が容
易で無公害処理であるエネルギー収束ビームを用いた部
分焼入法が好適である。とくに、炭酸ガスレーザーなど
のレーザービームを用いる部分焼入法が好ましい。
【0018】部分焼入硬化層は、圧縮機構における相対
して摺動する少なくとも一方の摺動部品の少なくとも荷
重負荷側の摺動面に形成される。たとえば、密閉型回転
式冷媒圧縮機においては、シリンダの貫通溝をブレード
がローラの遊星運動に応じて往復運動するが、本発明に
係わる部分焼入硬化層はシリンダの貫通溝の少なくとも
荷重負荷側の摺動面に形成される。また、密閉型往復式
冷媒圧縮機においては、シリンダの貫通穴をピストンが
シャフトの回転に応じて往復運動するが、本発明に係わ
る部分焼入硬化層はシリンダの貫通穴の少なくとも下死
点側の貫通穴内面の摺動面に形成される。
【0019】このように形成される摺動面の断面を図1
に示す。図1の部材において12は鉄系金属基材であ
り、鉄系金属基材12の表面の一部に焼入硬化を行った
摺動面13が形成されている。
【0020】焼入硬化層は、少なくとも一方の荷重負荷
側に形成されていることが必要であるが、摺動面全体に
形成されていてもよい。焼入硬化層は、鉄系金属基材表
面の耐力を向上させるためには厚さ 0.02 mm以上が必
要であり、さらに好ましくは厚さ 0.10 mm以上が必要
である。
【0021】また、焼入硬化層はビッカース硬度でHv
600 以上の硬度が必要である。ビッカース硬度がHv60
0 未満であると、耐焼付性が低下するため好ましくな
い。
【0022】
【作用】上述したような摺動面に部分焼入硬化層を有す
る摺動部材は、圧縮機構部摺動面において下記のような
作用を発揮する。第1に、摺動面、とくに摺動部品のエ
ッジ部への極圧(大荷重)負荷時は焼入硬化層の高圧縮
強度特性による部品表面の耐力向上により相対する双方
の摺動部材の塑性的変形が防止される。とくに焼入硬化
層の厚さが 0.02 mm以上のときに塑性的変形が防止さ
れる。第2に、摺動速度が 0時に潤滑油膜が破断して、
焼入硬化層が相手材の鉄系金属と金属接触を起こした場
合でも、焼入硬化層は容易に凝着せず、相対する双方の
摺動部材との凝着に基因するアブレーシブな摩耗の発生
を防止することができる。
【0023】また、この焼入硬化層はシリンダー基材そ
のものを改質するため、焼入硬化層と基材との間に明確
な境界がなく、表面改質層のハクリに基因する摩耗・破
壊を起こすことがなく、密閉型冷媒圧縮機の効率を低下
させることがない。
【0024】このような摺動部材を、HFC134a およびHF
C152a のような HFC系冷媒と、このHFC系冷媒との相溶
性を有するポリエーテル系油やポリエステル系油とを使
用する密閉型冷媒圧縮機、あるいは冷媒としてHCFC22お
よび冷凍機油として鉱油とを使用するを密閉型冷媒圧縮
機に用いることにより、密閉型冷媒圧縮機の効率を低下
させることがなく摺動部材の耐摩耗性を向上することが
できる。したがって前述の密閉型冷媒圧縮機の耐摩耗性
を長期に亘って保持することができる。
【0025】
【実施例】
実施例1 本発明に係わる摺動部材を図7に示す密閉型回転式圧縮
機のシリンダー5に適用した例について図2を基に説明
する。シリンダー5は、FC250基材を所定形状に切
出し研磨により最終部品寸法まで仕上げた。次いでブレ
ードが摺動するシリンダの貫通溝に炭酸ガスレーザ(波
長 10.6 μm)を照射して、ブレードが摺動する貫通溝
表面に焼入硬化層14を 0.10 mmの厚さに形成した。
この焼入硬化層のビッカース硬度はHv 650であった。
【0026】一方、実施例1の比較例として、摺動面を
焼入硬化しないFC250基材のみで実施例1と同一の
シリンダーを作製した。
【0027】さらに図3に示すような摩擦摩耗試験機装
置を用いて、本実施例および比較例で用いた摺動部材の
耐焼付性と耐摩耗性を評価した。この装置における耐焼
付性評価は、ブレード材の高速度鋼(SKH51)で作
製したシャフト15をシリンダ材で作製したベアリング
16、16でブレードとシリンダの摺動状態と同様の線
接触状態で挟み込み、ブレード材で作製したシャフト1
5を回転数 290rpm で回転させながらシリンダ材で作製
したベアリング16、16の締め付けによる荷重を、2
2.5kgf/3min. の速度で最大 360kgf まで変化させ、そ
のトルク変化を調べることによって評価できる。また耐
摩耗性は、ブレード材で作製したシャフト15をシリン
ダ材で作製したベアリング16、16で挟み込み、ベア
リング16、16の締め付けによる荷重を 135kgf の一
定値に設定し、シャフト15の回転時間の増加に伴うベ
アリング16、16の摩耗減量を調べることによって評
価できる。この耐焼付性評価結果を図4に、耐摩耗性評
価結果を図5に示す。
【0028】図4から、比較例のシリンダ材は 180kgf
で焼付を発生し、耐焼付性に劣ることが認められた。一
方、実施例1では比較例に比して殆ど焼付傾向を示さ
ず、最大値の 340kgf まで焼付かない。さらに図5か
ら、同装置を用いた 135kgf の一定荷重条件下での摩耗
試験においても実施例1は比較例に比較して摩耗量が1/
10程度と大幅に良好な耐摩耗性を示し、実施例1の摺動
部材が耐摩耗性向上に寄与することが明らかになった。
【0029】さらに前述の貫通溝表面に焼入硬化層を有
するシリンダーを用いて、図6に示す密閉型回転式圧縮
機を組み立て、冷媒として HFC134aおよび冷凍機油とし
て HFC134aと相溶性のあるポリエステル系冷凍機油を用
いて実機試験を行ったところ、4000時間の長時間運転を
行った後でも摩耗傾向は認められず、良好な耐摩耗性を
示した。
【0030】実施例2 貫通溝表面に焼入硬化層を有する実施例1と同一のシリ
ンダーを用いて、図6に示す密閉型回転式圧縮機を組み
立て、冷媒として HCFC22 を冷凍機油として鉱油を用い
て実施例1と同一の実機試験を行った。その結果、4000
時間の長時間運転を行った後でも摩耗傾向は認められ
ず、良好な耐摩耗性を示した。
【0031】実施例3 本発明に係わる摺動部材を図8に示す密閉型往復式圧縮
機のシリンダー17に適用した実施例について説明す
る。シリンダー17は、FC250基材を所定形状に切
出し研磨により最終部品寸法まで仕上げた。次いでピス
トン18が摺動するシリンダの貫通穴の下死点側端部の
円周状に炭酸ガスレーザ(波長 10.6 μm)を照射し
て、ピストン18が強摺動する端部表面に焼入硬化層1
9を 0.10 mmの厚さに形成した。この焼入硬化層のビ
ッカース硬度はHv 650であった。
【0032】この摺動部材を用いて、図8に示す密閉型
往復式圧縮機を組み立て、冷媒として HFC134aおよび冷
凍機油として HFC134aと相溶性のあるポリエステル系冷
凍機油、または冷媒として HCFC22 を冷凍機油として鉱
油を用いて実機試験を行ったところ、いずれも4000時間
の長時間運転を行った後でも摩耗傾向は認められず、良
好な耐摩耗性を示した。
【0033】
【発明の効果】本発明の密閉型冷媒圧縮機は、、冷媒と
して HFC系冷媒またはHCFC系冷媒を使用し、冷凍機油と
してこれらの冷媒と相溶性を有する冷凍機油を使用する
密閉型冷媒圧縮機において、圧縮機構における相対して
摺動する少なくとも一方の摺動部品は、エネルギー収束
ビームにより形成されてなる厚さ 0.02 mm以上で、か
つビッカース硬度600 以上の部分焼入硬化層を少なくと
も荷重負荷側の摺動面に有するので、密閉型冷媒圧縮機
の圧縮機構の耐摩耗性が長期間に亘って安定して保た
れ、耐久性に優れた密閉型冷媒圧縮機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる摺動部材の断面図である。
【図2】実施例1のシリンダ貫通溝表面に形成されたに
焼入硬化層を示す図である。
【図3】摩擦摩耗試験機を示す図である。
【図4】耐焼付性試験の結果を示す特性図である。
【図5】耐摩耗性評価結果を示す特性図である。
【図6】密閉型回転式冷媒圧縮機の縦断面図である。
【図7】密閉型回転式冷媒圧縮機のロータリー部の横断
面図である。
【図8】密閉型往復式回転式冷媒圧縮機の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1………ケーシング、2………駆動モータ、3………シ
ャフト、4………フレーム、5………シリンダ、6……
…サブベアリング、7………ローラ、8………ブレー
ド、9………スプリング、10………冷凍機油、11…
……ポンプ、12………鉄系金属基材、13………焼入
硬化層、14………実施例1の焼入硬化層、15………
評価用シャフト、16………評価用ベアリング、17…
……密閉型往復式圧縮機のシリンダー、18………ピス
トン、19………実施例2の焼入硬化層。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉された容器内に圧縮機構が収容さ
    れ、かつ冷媒として HFC系冷媒またはHCFC系冷媒を使用
    し、冷凍機油として前記冷媒と相溶性を有する冷凍機油
    を使用する密閉型冷媒圧縮機において、 前記圧縮機構における相対して摺動する少なくとも一方
    の摺動部品は、エネルギー収束ビームにより形成されて
    なる厚さ 0.02 mm以上で、かつビッカース硬度600 以
    上の部分焼入硬化層を少なくとも荷重負荷側の摺動面に
    有することを特徴とする密閉型冷媒圧縮機。
JP26600292A 1992-10-05 1992-10-05 密閉型冷媒圧縮機 Withdrawn JPH06117383A (ja)

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