JPH05321178A - 通電硬化用材料、通電硬化用ロープ、それから得られる部材及び該部材の施工方法 - Google Patents

通電硬化用材料、通電硬化用ロープ、それから得られる部材及び該部材の施工方法

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JPH05321178A
JPH05321178A JP5007647A JP764793A JPH05321178A JP H05321178 A JPH05321178 A JP H05321178A JP 5007647 A JP5007647 A JP 5007647A JP 764793 A JP764793 A JP 764793A JP H05321178 A JPH05321178 A JP H05321178A
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rope
carbon fiber
resin
curing
thermosetting resin
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JP5007647A
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English (en)
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Hiroshi Nakamura
宏 中村
Koji Yamatsuta
浩治 山蔦
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】未硬化の熱硬化性エポキシ樹脂を含浸した炭素
繊維束に撚りをかけてロープ状とし、該ロープの表面に
電気絶縁性材料を被覆することにより通電硬化用ロープ
を提供する。得られた通電硬化用ロープを工事現場にお
いて所望の形態に配置して、通電させ、土木建築用部材
として施工する方法を提供する。 【効果】本発明の通電硬化用ロープを用いて、土木、建
築分野で使用されるコンクリート補強用鉄筋の代替物を
土木、建築の作業現場、あるいはその近くで所望形態に
容易に施工することができる。また、吊橋等に用いる鋼
製のケーブルの代替材として使用することも可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主として土木分野及び建
築分野において用いられる未硬化の熱硬化性樹脂が含浸
された炭素繊維束からなる通電硬化用材料、通電硬化用
ロープ、該ロープを通電硬化してえられる部材及び該部
材の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる繊維強化樹脂(以下FRPとい
うことがある)製複合材料は、金属材料と比較して比強
度や比剛性が高いこと、あるいは耐食性に優れることか
ら、スポーツ、レジャー分野および航空機分野をはじめ
として、様々な産業分野においても使用されるようにな
ってきている。
【0003】特に炭素繊維を強化用繊維として用いたF
RP(以下CFRPということがある)は、その他のF
RPに比べて強度、弾性率が高く、しかも軽量であるこ
とから種々の分野において積極的に使用されている。そ
の中でもCFRP製の棒状体は土木や建設分野等に用い
られるコンクリ−トの強化用材料(以下コンクリート補
強筋材ということがある)の代替物用途などの各種分野
で注目されている。
【0004】そしてこれらのCFRP製の棒状体の製造
方法としては、強化用の炭素繊維に未硬化の熱硬化性樹
脂を含浸せしめて炭素繊維と樹脂の複合体を形成し、つ
いでいわゆるプルトル−ジョン法によって所望の断面形
状を有する金型内に該複合体を引き込み、金型内で加熱
硬化させた後、金型から引き抜くという方法等が一般的
に採用されている。
【0005】一方、炭素繊維に通電した場合、ジュール
熱が発生することは従来より知られており、例えば、特
開昭58−155926号公報には、このジュール熱を
利用した複合材料成形物の製造方法が記されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た一般的方法を含めて、従来のFRP製の棒状体の製造
技術は、熱プレス、オートクレーブ、加熱硬化炉やプル
トルージョン装置など、大がかりな成形装置を必要と
し、したがって製造場所が成形装置の設置場所に制限さ
れるという点や、高価な設備を導入する必要があるなど
の問題点がある。
【0007】また、従来のFRP製の棒状体はその形状
やサイズに制約がある点でも問題であった。すなわち、
長尺物や大形状の製品が必要とされる場合には、FRP
製の棒状体(以下FRP棒状体ということがある)の製
造、輸送及び現場での施工などに際して、重大な問題が
あった。
【0008】例えば、FRP棒状体をコンクリート強化
用材料(以下FRP補強筋材ということがある)として
使用する場合、工場で製造された材料をそのまま建設現
場まで輸送して施工することになるが、長尺物の輸送が
難しく、また作業性も悪いといった問題があった。加工
性・施工性については、現場で自由に曲げ加工等の加工
が施せない点が使用上の大きな制約となっていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した課題を
解決するものであり、次に記す発明からなる。 (1)表面が電気絶縁性材料によって被覆された、未硬
化の熱硬化性樹脂が含浸された炭素繊維束からなること
を特徴とする通電硬化用材料。 (2)表面が電気絶縁性材料によって被覆された、未硬
化の熱硬化性樹脂が含浸された炭素繊維束からなること
を特徴とする通電硬化用ロープ。 (3)該未硬化の熱硬化性樹脂が含浸された炭素繊維束
が、撚りをかけられているかまたは編み組みされること
により一体化されている前項2記載の通電硬化用ロー
プ。 (4)該電気絶縁性材料による被覆が、取り外し可能で
ある前項2記載の通電硬化用ロープ。
【0010】(5)前項2、3または4記載の通電硬化
用ロープを所望の形態に配置して、ついで通電して熱硬
化性樹脂を硬化させて得ることを特徴とする炭素繊維強
化樹脂製の部材。 (6)該部材が土木建築用部材である前項5記載の炭素
繊維強化樹脂製の部材。 (7)該土木建築用部材がコンクリート補強筋材である
前項6記載の炭素繊維強化樹脂製の部材。 (8)該土木建築用部材がケーブルである前項6記載の
炭素繊維強化樹脂製の部材。
【0011】(9)前項2、3または4記載の通電硬化
用ロープを所望の形態に配置して、ついで通電して熱硬
化性樹脂を硬化させることを特徴とする炭素繊維強化樹
脂製の部材の施工方法。 (10)該部材が土木建築用部材である前項9記載の炭
素繊維強化樹脂製の部材の施工方法。 (11)該土木建築用部材がコンクリート補強筋材であ
る前項10記載の炭素繊維強化樹脂製の部材の施工方
法。 (12)該土木建築用部材がケーブルである前項10記
載の炭素繊維強化樹脂製の部材の施工方法。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。まず本発
明に用いられる強化繊維材料について説明する。本発明
に用いられる強化繊維は炭素繊維であり、その性能及び
性状は特に限定されないが、通電条件と発熱との関係か
ら体積電気抵抗が10-4乃至10-1Ω・cmの範囲にあ
るものが好ましい。
【0013】このような特性を有する炭素繊維として
は、ポリアクリロニトリル系プリカ−サ−やピッチ系プ
リカ−サ−を焼成して作られたグラファイト構造が形成
された炭素繊維があり、本発明に好ましいものである。
【0014】本発明において、これらの炭素繊維はマト
リックスである熱硬化性樹脂中に体積含有率として30
乃至80%となることが、通電硬化用ロープの取扱い性
や、通電加熱により製造された棒状体の性能からみて好
ましい。
【0015】また、上述した炭素繊維に加えて他の強化
繊維を併用することも可能である。他の強化繊維として
はガラス繊維、炭化珪素繊維、アルミナ質繊維、チタニ
ア繊維、芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊
維などの無機質や有機質の繊維を例示できるが、本発明
はこれらに限定されるものではない。また、使用目的に
よっては2種類以上の繊維、形状の異なった繊維を併用
することもできる。
【0016】上記の強化繊維の他に、タルク、マイカ、
シリカ等の無機質粒状物や、鉄粉やアルミニウム粉など
の金属粉を添加してもよい。さらに必要に応じて、鋼線
や銅線などを併用することもできる。また、発熱体とし
てニクロム線などを併用することも可能である。
【0017】本発明に使用する未硬化の熱硬化性樹脂
は、特に限定はなく、フェノ−ル樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹
脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ジアリルフタレ−ト樹脂やエポキシ樹脂などが
例示される。これらのうちの1種類、必要に応じて2種
類以上が用いられる。
【0018】なかでも、炭素繊維束に未硬化の熱硬化性
樹脂が含浸された本発明の通電硬化用ロープの取扱い性
および該通電硬化用ロープに通電して熱硬化性樹脂を硬
化して得る成形物の特性面からエポキシ樹脂が好適であ
る。
【0019】用いるエポキシ樹脂に特に限定はないが、
ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルAD
型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルF型エポキシ樹脂、フ
ェノ−ルノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ−ルノボラ
ック型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェ
ニルメタンやトリグリシジル−P−アミノフェノ−ルな
どのグリシジルアミン型のエポキシ樹脂が例示され、こ
れらのうちの1種または2種以上を使用できる。さら
に、用途によっては、臭素などを含有している難燃性の
エポキシ樹脂を用いることもできる。
【0020】本発明に使用する未硬化の熱硬化性樹脂は
一般的に硬化剤を配合して用いられる。例えば、該未硬
化の熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合、硬化剤として
従来公知のエポキシ樹脂硬化剤を使用することができ
る。
【0021】例えば、エチレンジアミンなどの脂肪族ア
ミン、ジエチレントリアミンなどの脂肪族ポリアミン、
メタフェニレンジアミンやジアミノジフェニルスルフォ
ンなどの芳香族アミン、ピペリジンやジアザビシクロウ
ンデカンのような第一級、第三級アミン、メチルテトラ
ヒドロ無水フタル酸などの酸無水物硬化剤、2−メチル
イミダゾールや2−エチル−4−メチルイミダゾールな
どのイミダゾール化合物およびその誘導体、ルイス酸や
ブレンステッド酸塩、さらには、ジシアンジアミドやア
ミンイミドなどの潜在性硬化剤など各種のものを例示す
ることができ、これらのものを1種類または2種類以上
を併用することができる。
【0022】本発明の通電硬化用ロープに長期の保存寿
命が望まれる場合には、特に潜在硬化性のエポキシ樹脂
硬化剤を使用することで目的を達することができる。こ
のようなエポキシ樹脂硬化剤としてジシアンジアミド、
有機酸ヒドラジド、アミンイミド、第三級アミン塩、イ
ミダゾ−ル塩やルイス酸、ブレンステッド酸などを用い
ることができる。その他にマトリクッス樹脂の性能を改
良するためにに必要に応じて、カルボキシル基末端アク
リロニトリル−ブタジエンブロックコポリマ−などの変
性剤を添加することも可能である。
【0023】本発明の通電硬化用材料とは、以下に述べ
る通電硬化用ロープを含み、さらに通電硬化性において
通電硬化用ロープと同等の機能を有し、かつ形状におい
て平面状の広がりを有する材料をも包含する概念であ
る。次に、本発明の通電硬化用ロープの形態及びその製
法について説明する。ここでロープとは、一般的に用い
られる用語としてのロープに必ずしも限定されるもので
はない。本発明の通電硬化用ロープとは、炭素繊維フィ
ラメントが複数本合わされ、撚りがかけていないか、或
いは撚りがかけてある炭素繊維束(以下ストランドとい
う)に、未硬化の熱硬化性樹脂が含浸され、その表面が
電気絶縁性材料によって被覆されているものをいう。
【0024】さらには、本発明のより好ましい態様とし
て、未硬化の熱硬化性樹脂が含浸された該ストランドを
さらに複数本撚り合わせたり、編み組みすることによっ
て一体化したものである。このようにして得られるもの
は一種の長い繊維索であって、一般に綱、縄、紐などと
呼称されるものであり、複数のストランドが一体化され
た材料を広義にストランドと称することもある。
【0025】複数のストランドが一体化された材料につ
いてさらに説明すると、いわゆるロープ状、或いはワイ
ヤーロープ状のものなどがある。複数のストランドを二
次元に編み組みして用いることもできる。
【0026】ロープ状の場合、例えば、ロ−プの撚り方
向と反対方向の撚りを有するストランド3本からなり、
その撚りが変わらないような方法で撚り合わされたよう
な三つ打ちロ−プや4本のストランドからなり、それら
の中心に芯ロ−プを入れ形崩れしないように撚り合わさ
れた四つ打ちロ−プや、その他バラ打ちロ−プ、六つ打
ちロ−プ、八つ打ちロ−プ、トエルロ−プやタフレロ−
プなど、あるいは八打ち組紐、12打ち組紐などの組
紐、また、太さの異なるストランドを2本ないし3本撚
り合わされたものをさらに3本ないし4本撚り合わされ
た岩糸や延縄などの構造のものでも良い。
【0027】本発明でいうロープとは、土木、建設、船
舶、鉱業や漁業などの産業分野、あるいは具体的にエレ
ベ−タ−などに使われているようないわゆるワイヤロ−
プの形態のものでも良い。これは例えば、心線のまわり
に何層かの繊維束を撚り合わせたストランドをさらに心
綱のまわりに複数本撚り合わせたストランドロ−プや、
ストランドを所要の断面積になるように平行に束ねて撚
りをかけたスパイラルロ−プなどがある。また、撚り方
について特に限定はなく、普通Z撚り、普通S撚り、ラ
ングZ撚り、ラングS撚りなど何れでも良い。
【0028】さらにその形態については、電気絶縁性材
料によって被覆された熱硬化性樹脂が含浸された炭素繊
維束を複数本組み合わせて一体化したものでもよく、ロ
ープ状に一体化されたり、網状の形態にしたものが使用
できる。また、ロープの直径は特に限定されるものでは
ないが、例えば、コンクリート補強筋材に用いる場合
は、直径約2mmから約50mm程度のものが好まし
い。
【0029】電気絶縁性材料による被覆は、取り外しが
容易に可能なものを用いることができる。該被覆の取り
外しの可否は必要に応じて判断される。
【0030】電気絶縁性材料及びそれによって被覆され
た形態について説明する。ここでいう電気絶縁性材料と
は、従来公知の非導電性の素材よりなるものを指し、合
成樹脂や天然樹脂、セラミックスなどを例示できる。ま
た通電硬化用ロープの取り扱い性や性能から必要に応じ
てそれらを組合せて用いることができる。
【0031】また、これらの素材は使用目的或いは被覆
工程を容易にするためフィルム状、繊維状或いは織物状
にして用いることができる。
【0032】被覆に用いられる樹脂としては、上記で例
示した熱硬化性樹脂の他に、紫外線硬化型樹脂、湿気硬
化型樹脂などの架橋性樹脂や、各種熱可塑性樹脂を挙げ
ることができる。ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
スチレン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、
ナイロン42、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリフェ
ニレンオキサイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリサルフォン、ポリエーテ
ルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアリレートな
どの熱可塑性樹脂を例示できる。
【0033】また被覆用の材料として繊維を用いる場合
は、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維などの合成繊維
や、ガラス繊維やアルミナ繊維などの非導電性のセラミ
ック繊維、麻、木綿、絹などの天然繊維を用いることが
できる。これらの繊維はそれぞれ単独或いは組み合わせ
て使用できる。これらの繊維を織物状にしたものも製造
作業上有用な材料である。
【0034】特に、被覆の取り外しを要しない場合、上
記の繊維状物や織物状物に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸
させたものを電気絶縁性材料として用いることは、当該
通電硬化用ロープの取り扱い性や性能から好ましい。例
えば、炭素繊維束に含浸せしめた未硬化の熱硬化性樹脂
と同一の樹脂を含浸させた非導電性の繊維状物や織物状
物によって被覆する場合、炭素繊維強化樹脂の硬化時に
被覆材を同時に硬化させることができ、しかも被覆材が
強固に炭素繊維強化樹脂芯材に接着することから有用な
方法である。このように炭素繊維と熱硬化性樹脂からな
る複合体を電気絶縁性材料で被覆することは、複合体の
取り扱い性を向上させ、通電硬化時の感電防止に役立
つ。
【0035】但し、該通電硬化用ロープを土木建築用の
コンクリート補強筋材として使用する場合には、コンク
リートの付着を確保するためにロープ状或いはワイヤー
ロープ状に撚りあわされた複合体の表面の凹凸が被覆層
の表面に残るように被覆するか、或いは被覆層の表面を
凹凸加工や非導電性の粉粒体を付着せしめる等によりコ
ンクリートとの付着を確保することができる。
【0036】被覆の方法は従来公知の種々の方法を用い
ることができる。例えば、溶融熱可塑性樹脂中に熱硬化
性樹脂を含浸させた炭素繊維束やそれらを編み組みした
ものを潜らせ、熱可塑性樹脂で表面を被覆するいわゆる
電線被覆の手法や、非導電性繊維を炭素繊維と熱硬化性
樹脂からなる複合体に巻き付けたり、いわゆる袋編みに
して被覆することができる。また、織物状物について
は、それをリボン状に裁断して巻き付けることも可能で
ある。
【0037】尚、被覆の取り外しを必要とする場合に
は、通電硬化後に、該被覆がCFRP製の棒状体と接着
して一体化し容易に取り外せなくならないために、炭素
繊維束に含浸せしめた熱硬化性樹脂と接着しにくい素材
を選択したり、該被覆に用いる素材に離型材を塗布する
などの処理を施すことは有用な技術である。
【0038】ここでいう容易に取り外せる電気絶縁材料
による被覆とは、本発明の通電硬化用ロープを通電硬化
後、何ら特殊な設備や装置を必要とせず、日常的に使用
する工具などを用いて通電硬化の現場で該被覆が外せる
ことをいう。その製造方法や形態は特に限定されない
が、つぎのような方法を例示することができる。
【0039】例えば、炭素繊維と未硬化の熱硬化性樹脂
からなる複合体に、非導電性の強靱な糸条を添わせた状
態で、熱可塑性樹脂製のチューブの中に通した図1
(a)に記したような形態のものを挙げることができ
る。 これは、通電硬化後は該糸条を用いて被覆した樹
脂製のチューブを切断して、電気絶縁材を除去するもの
である。
【0040】あるいは通電硬化用ロープの外周より長い
幅を持つ樹脂フィルムや布などのリボン状の電気絶縁性
材料を、該リボン状材料の長手方向と、炭素繊維束と未
硬化の熱硬化性樹脂からなる複合体の長手方向を一致さ
せ、該リボン状材料で該複合体を包むように折り曲げ、
フィルムの重なり部分を縫い合わせた図1(b)に示し
た形態を例示することができる。
【0041】このように容易に取り外せる絶縁被覆され
た通電硬化用ロープは、施工時に所望の形態に配置さ
れ、通電硬化の後に被覆を取り外すことにより、従来使
用されているCFRP製の棒状体と何ら変わらない性能
を有するものとなる。絶縁被覆されているために、取扱
い時に、含浸した未硬化の熱硬化性樹脂が外部の物体に
付着する問題がないばかりか、通電硬化時に感電を防止
する意味から極めて有用である。
【0042】尚、本発明の通電硬化用ロープを土木建築
用のコンクリート補強筋材として使用する場合は、コン
クリートとの付着を確実にするため補強筋の表面に凹凸
をつけることが好ましい。取り外し可能な絶縁被覆を用
いる場合には、被覆を取り外した後に、得られたCFR
P製棒状体の表面に凹凸が残るようにする。この場合、
例えば、炭素繊維と未硬化の熱硬化性樹脂からなるロー
プ状の複合体の表面に凹凸を形成して、該凹凸が損なわ
れないように、被覆材の内径をロープ状の複合体の外径
(凹凸部を含めて)より大きくするなどの方法をとるこ
とができる。
【0043】本発明における通電硬化の方法は、表層を
電気絶縁性材料によって被覆された未硬化の熱硬化性樹
脂が含浸された炭素繊維束からなる通電硬化用ロープを
所望の形態に配置し、しかる後に、硬化させる部位の電
極の取り付け部の電気絶縁材を取り去り、電極を取り付
け、通電させる電力量を調整することにより、該通電硬
化用ロープの温度を制御しながら熱硬化樹脂を硬化する
方法があげられる。
【0044】この場合、電源については直流、交流どち
らとも用いることができるが、通常の工業用あるいは家
庭用電源を対象とした作業性や通電装置を考慮した場合
は、交流電源を用いることが好適である。なお,通電硬
化用ロープへの端子の取り付けに際しては、通電硬化後
のCFRP棒状体の性能上、該ロープを構成する炭素繊
維各フィラメントに均等に通電して、該ロープ全体を均
一に昇温させるようにすることが好ましい。そのため、
端子の取り付けに際して、取り付け端子の圧着によって
互いの炭素繊維フィラメントが接触させることが好まし
く、そのためには、端子の圧着時に端子圧着部位の炭素
繊維含有率が80体積%以上、好ましくは85体積%以
上にする。均一に各フィラメントに通電させるため、該
ロープに導電性の良好な金属粉などを熱硬化性樹脂と一
緒に含浸させておくことも有用な技術である。
【0045】また、通電硬化させる場合に、ロープに張
力をかけることは、未硬化の熱硬化性樹脂の含浸を良好
にし、しかも複合体を構成する繊維に緊張が与えられて
性能上好ましいCFRP製の棒状体を提供する。
【0046】本発明において炭素繊維強化樹脂製の部材
とは、本発明の通電硬化用ロープを通電硬化させて得ら
れる物品であって、構造物や設備の部品となる材をい
う。例えば、土木建築などの建造物や構造物、或いは設
備の部分をなす材をいい、構成材と言い換えることもで
きる。具体的には、橋梁、道路或いは建築物等に用いら
れる土木建築用部材が例示されるが、必ずしもこれらの
部材に限定されない。土木建築用部材をさらに具体的に
例示すれば、コンクリート補強筋材或いは鋼製ケーブル
の代替物としてのケーブル等を挙げることができる。本
発明でいうケーブルとは、形態や寸法によっては必ずし
も限定されず、索、鋼、またはロープを総称するもので
ある。
【0047】本発明の通電硬化用ロープは、いわゆる工
事現場において、所望の形態に配置し、通電硬化させる
ことによって長尺・大型の土木建築部材として施工する
ことができる。
【0048】
【実施例】本発明の特徴とするところは、以下の実施例
を説明することによってさらに明らかになるが、本発明
はこれらの実施例によって何ら限定されるものではな
い。
【0049】実施例1 炭素繊維束として、住化ハーキュレス社製マグナマイト
(登録商標)AS4−12kf(弾性率24ton/m
2 、強度390kg/mm2 、フィラメント数12,
000本)を用いた。
【0050】含浸する熱硬化性樹脂としては、住友化学
工業(株)製スミエポキシ(登録商標)ELA128
(ビスフェノールAのジグリシジルエーテル)を100
重量部に対して、東京化成工業(株)製ジシアンジアミ
ドを7重量部、四国化成工業(株)製キュアゾール(登
録商標)2MZ−AZINE(2,4ジアミノ−6−
(2−メチルイミダゾール)−エチルS−トリアジン)
を2重量部の割合で混合して、3本ロール混練をして得
たエポキシ樹脂組成物を用いた。
【0051】該エポキシ樹脂組成物の炭素繊維束への含
浸は、炭素繊維束を加温した該エポキシ樹脂組成物中に
引き出し、樹脂浴中に設けた金属棒でしごいて行った。
その後に、間隙の調整できる2本の金属棒の間を通過さ
せ、過剰の樹脂を取り除きつつ引き取った。炭素繊維束
へのエポキシ樹脂組成物の付着量は、樹脂温度、引き取
り速度および2本の金属棒の間隙を適宜調整することに
より行った。
【0052】このようにして、炭素繊維束に熱硬化性エ
ポキシ樹脂組成物が含浸された複合体を約100m巻の
ボビンとして75本作成した。このとき、該複合体中に
占めるエポキシ樹脂組成物の割合はどのボビンも30重
量%であった。このようにして作成されたエポキシ樹脂
が含浸された炭素繊維束が巻かれたボビンを25本用い
て、それぞれのボビンから該複合体を引き出し、それら
をひとまとめにして撚りをかけたものを100m作成し
た。このとき撚りは、10回/mで行った。これをロー
プ用ストランドとした。同様にしてこのロープ用ストラ
ンド100mを3束用意した。
【0053】該ロープ用ストランドを3束用いて、スト
ランドの撚りと反対方向の撚りをかけて、三つ打ちロー
プ約100mを作成した。このときのロープの撚りは1
0回/mであった。以上の工程により炭素繊維束に未硬
化の熱硬化性樹脂が含浸されたロープ状に一体化された
複合体を得ることができた。
【0054】続いて、上記の炭素繊維束に未硬化の熱硬
化性樹脂が含浸されたロープ状に一体化された複合体を
作成するのに用いたエポキシ樹脂組成物と同じ樹脂を、
日本アラミド(有)製トワロン(登録商標)平織S/#
500(全芳香族ポリアミド繊維、織物目付183g/
2 )を5cm幅に裁断した織物テープに含浸して、電
気絶縁性の被覆材を作成した。このとき、樹脂の含有率
は30重量%になるように調整した。
【0055】しかる後に、前記のエポキシ樹脂組成物が
含浸された織物テープを、前記の炭素繊維束にエポキシ
樹脂組成物が含浸されたロープ状複合体に、巻きつけ被
覆することにより本発明の通電硬化用ロープを作成し
た。
【0056】該通電硬化用ロープを1m切り出し、両端
部の電気絶縁性被覆層を取り除き、銅製の電極を圧着し
た。また、該ロープに5kgの張力を加えた。その後
に、両端に圧着した電極を交流電源につなぎ10ボルト
の電圧をかけたところ、18Aの電流が流れ、該ロープ
状複合体は150℃まで発熱した。このとき、該ロープ
状複合体の長手方向の温度ムラは殆どなかった。この状
態で30分間維持して、含浸した熱硬化性エポキシ樹脂
を硬化させ、直径10mmのCFRP製棒状体を得た。
【0057】上記方法で作成したCFRP製棒状体の性
能評価を行った。該棒状体から短冊状の試験片を切り出
し、粘弾性の温度分散挙動を測定したところ、損失弾性
率がピークを持つ温度は約140℃であり、良好な耐熱
性を示すことが分かった。〔測定装置:レオメックス社
製RSA−II、昇温速度5℃毎分〕。続いて、上記直
径10mmのCFRP製棒状体の引張性能を評価したと
ころ、破断荷重は11.5ton、弾性率は12ton
/mm2 であった。破断荷重からもとめた該棒状体の引
張強度は146kg/mm2 であり、良好な機械的性能
を示すことが分かった。
【0058】実施例2 実施例1にて作成した電気絶縁性材料によって被覆され
た通電硬化用ロープを用いて、コンクリート補強筋材へ
の応用を検討した。該通電硬化用ロープ約100mの重
量は約11kgであった。このものは容易に直径50c
mのドラムに巻き取ることができ、持ち運びが極めて容
易であった。また、この未硬化の熱硬化性樹脂が含浸さ
れた通電硬化用ロープを3ヵ月間室温に放置したとこ
ろ、該ロープのしなやかさは製造直後のものと何ら変化
がなかった。また、そのものを用いて実施例1で示した
条件と全く同様にして通電させ、CFRP製棒状体を作
成した。これは、実施例1で製造したCFRP製棒状体
と同等の性能を示し、長期保存、保管が可能なことが分
かった。
【0059】上記のようにドラム巻きした通電硬化用ロ
ープを、土木現場に搬送しコンクリート補強筋として施
工するテストを行った。まず、ドラム巻きから該通電硬
化用ロープを引き出して、四角螺旋の形態に配置した。
このとき、該通電硬化用ロープを10m使用した。続い
て所定形態に配置した該通電硬化用ロープの両端に電極
を圧着し、交流電源を用いて100ボルトの電圧をか
け、該通電硬化用ロープを約150℃まで加熱した。こ
のとき、該通電硬化用ロープの長手方向の温度ムラは殆
どなかった。この状態で30分間維持し、含浸されたエ
ポキシ樹脂組成物を硬化させて、CFRP製コンクリー
ト補強筋を製造した。以上の工程から本発明の施工方法
を土木、建設用のコンクリート補強筋として使用する場
合に保存性、輸送性や施工性が極めて良好であることが
わかった。
【0060】また、実施例1で作成したCFRP製棒状
体について、コンクリートへの付着強度を評価した。評
価方法は「コンクリート工学」23巻No.3,P.1
0(1985)に記載の方法に準拠した。その結果、コ
ンクリートへの付着強度は約70kg/cm2 であり、
コンクリートへの付着特性が良好であることが分かっ
た。以上の結果から、本発明による通電硬化用ロープ
は、コンクリート補強筋として施工、使用する際に極め
て有望な材料を提供することが明らかとなった。
【0061】実施例3 実施例1で作成した通電硬化用ロープを土木建築用ケー
ブルへ応用する検討を行った。実施例1と全く同様にし
て作成した通電硬化用ロープ50mを用いて両端に電極
を圧着した。また、該通電硬化用ロープの両端を引張
り、50kgの張力を加えた。しかる後に、交流電源を
用いて500ボルトの電圧を加えて、該通電硬化用ロー
プに通電させて約150℃に発熱させた。このとき、該
通電硬化用ロープの長手方向の温度ムラは殆どなかっ
た。この状態で30分間維持して、長さ50mのCFR
P製ケーブルを得た。以上の結果から、本発明の通電硬
化用ロープは、吊橋等に使用する鋼製ケーブルの代替材
として施工、使用する際に極めて有望な材料を提供する
ことが明らかとなった。
【0062】実施例4 実施例1と同様の方法で、実施例1で得られたものと同
様の三つ打ちロープを約100mを作成した。このとき
のロープの撚りは10回/mであった。厚さ約100μ
m、幅5cmのナイロン66製のリボン状フィルムを準
備し、その表面にフッ素系の離型剤(ダイキン株式会社
製、商品名ダイフリー)を塗布した。長手方向を揃え、
離型剤を塗布した側を内側にして、このリボン状フィル
ムで上記の三つ打ちロープを包み、該フィルムをチュー
ブ状に縫い合わせた。縫い付けは通常の木綿糸を用い
た。このようにして、表面が容易に取り外せる電気絶縁
性材料で被覆された通電硬化用ロープを約100m作成
した。
【0063】該通電硬化用ロープを1m切り出し、両端
部の電気絶縁性被覆材層を取り除いて、銅製の電極を圧
着した。この際、電極端子の圧着部の炭素繊維含有量率
が約85体積%となるように端子を締めつけた。また、
該通電硬化用ロープに5kgの張力を加えた。しかる後
に、両端に圧着した電極を交流電源につなぎ10ボルト
の電圧をかけたところ、18Aの電流が流れ、ロープ状
複合体は150℃まで発熱した。このとき、該ロープ状
複合体の長手方向および周方向での温度ムラは殆どなか
った。この状態で30分間維持して、含浸した熱硬化性
エポキシ樹脂を硬化した。その後に表面を被覆したナイ
ロンフィルムをその縫い目を利用して取り外した。取り
外しの作業は何ら特別の装置や道具を必要とせず、極め
て容易に行えた。このようにして直径約10mmのCF
RP製棒状体を得た。該棒状体の表面は通常の三つ打ち
ロープと同様の凹凸を有していた。
【0064】上記方法で作成したCFRP製棒状体の性
能評価を行った。該棒状体から短冊状の試験片を切り出
し、粘弾性の温度分散挙動を測定したところ、損失弾性
率がピークを持つ温度は約140℃であり、良好な耐熱
性を示すことが分かった。〔測定装置:レオメックス社
製RSA−II、昇温速度5℃毎分〕。続いて、上記直
径10mmのCFRP製棒状体の引張性能を評価したと
ころ、破断荷重は11.5ton、弾性率は12ton
/mm2 であった。破断荷重からもとめた該棒状体の引
張強度は146kg/mm2 であり、良好な機械的性能
を示すことが分かった。
【0065】実施例5 実施例4にて作成した容易に取り外せる電気絶縁材層に
よって被覆された通電硬化用ロープを用いて、コンクリ
ート補強筋への応用を検討した。該通電硬化用ロープ約
100mの重量は約12kgであった。これは容易に直
径50cmのドラムに巻き取ることができ、持ち運びが
極めて容易であった。また、該未硬化の熱硬化性樹脂が
含浸された通電硬化用ロープを3ヵ月間室温に放置した
ところ、ロープのしなやかさは製造直後のものと何ら変
化がなかった。また、このように放置した該通電硬化用
ロープを、実施例4で示した条件と全く同様にして通電
させ、CFRP製棒状体を作成した。これは、実施例4
で製造したCFRP製棒状体と同等の性能を示し、長期
保存、保管が可能なことが分かった。
【0066】上記のようにドラム巻きした通電硬化用ロ
ープを、土木現場に搬送しコンクリート補強筋として施
工するテストを行った。まず、ドラム巻きから該通電硬
化用ロープを引き出して、曲げ部を含む所定の形態に配
置した。このとき、該通電硬化用ロープを10m使用し
た。続いて所定形態に配置した該通電硬化用ロープの両
端に実施例4と同様にして電極を圧着し、交流電源を用
いて100ボルトの電圧をかけ、該通電硬化用ロープを
約150℃まで加熱した。このとき、該通電硬化用ロー
プの長手方向の温度ムラは殆どなかった。この状態で3
0分間維持し、含浸されたエポキシ樹脂組成物を硬化さ
せた。しかる後に、実施例4と同様にナイロンフィルム
製の電気絶縁材層を取り外すことにより、CFRP製コ
ンクリート補強筋を施工した。以上の工程から本発明の
施工方法を土木、建設用のコンクリート補強筋として使
用する場合に保存性、輸送性や施工性が極めて良好であ
ることがわかった。
【0067】また、実施例4で作成したCFRP製棒状
体について、実施例2と同様の方法でコンクリートへの
付着強度を評価した。その結果、コンクリートへの付着
強度は約70kg/cm2 であり、コンクリートへの付
着特性が良好であることが分かった。以上の結果から、
本発明による取り外しの可能な電気絶縁材層で被覆され
た通電硬化用ロープは、コンクリート補強筋として施
工、使用する際に極めて有望な材料を提供することが明
らかとなった。
【0068】
【発明の効果】本発明は、柔軟で、持ち運び、取扱い性
に優れる中間素材としての、電気絶縁性材料で被覆した
熱硬化性樹脂が含浸された炭素繊維束からなる通電硬化
用材料および通電硬化用ロープ、該通電硬化用ロープに
通電して熱硬化性樹脂を硬化させて得られる高強度の炭
素繊維強化樹脂製部材、および該通電硬化用ロープを用
いて、簡便かつ安全に、高強度の炭素繊維強化樹脂製部
材を施工する方法を提供する。
【0069】本発明の通電硬化用ロープを用いて、土
木、建築分野で使用されるコンクリート補強用鉄筋の代
替物を土木、建築の作業現場、あるいはその近くで所望
形態に容易に施工することができる。また、吊橋等に用
いる鋼製のケーブルの代替材として使用することも可能
である。また、本発明の通電硬化用ロープ、それから得
られる部材及び該部材の施工方法は、上記の特徴を生か
すことができる様々な用途分野に応用することができ
る。
【0070】本発明の通電硬化用ロープは、従来のロー
プ材と同様の取扱いができ、適度なしなやかさがあるの
でドラム巻きも容易にでき、長尺のものでも輸送が簡単
である。また、撚りや編み組みによりロープ状に一体化
されているので、硬化された後の棒状体はその表面に適
度な凹凸を有し、特にCFRP補強筋材として使用する
場合にコンクリートへの付着特性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通電硬化用ロープの断面図を表す。
【符号の説明】
1.電気絶縁性材料 2.切断用糸条 3.未硬化の熱硬化性樹脂が含浸された炭素繊維束が編
み組みされたロープ状の複合体 4.電気絶縁性材料の縫合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 11/14 D07B 1/02 E04C 5/07 8504−2E

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面が電気絶縁性材料によって被覆され
    た、未硬化の熱硬化性樹脂が含浸された炭素繊維束から
    なることを特徴とする通電硬化用材料。
  2. 【請求項2】表面が電気絶縁性材料によって被覆され
    た、未硬化の熱硬化性樹脂が含浸された炭素繊維束から
    なることを特徴とする通電硬化用ロープ。
  3. 【請求項3】該未硬化の熱硬化性樹脂が含浸された炭素
    繊維束が、撚りをかけられているかまたは編み組みされ
    ることにより一体化されている請求項2記載の通電硬化
    用ロープ。
  4. 【請求項4】該電気絶縁性材料による被覆が、取り外し
    可能である請求項2記載の通電硬化用ロープ。
  5. 【請求項5】請求項2、3または4記載の通電硬化用ロ
    ープを所望の形態に配置して、ついで通電して熱硬化性
    樹脂を硬化させて得ることを特徴とする炭素繊維強化樹
    脂製の部材。
  6. 【請求項6】該部材が土木建築用部材である請求項5記
    載の炭素繊維強化樹脂製の部材。
  7. 【請求項7】該土木建築用部材がコンクリート補強筋材
    である請求項6記載の炭素繊維強化樹脂製の部材。
  8. 【請求項8】該土木建築用部材がケーブルである請求項
    6記載の炭素繊維強化樹脂製の部材。
  9. 【請求項9】請求項2、3または4記載の通電硬化用ロ
    ープを所望の形態に配置して、ついで通電して熱硬化性
    樹脂を硬化させることを特徴とする炭素繊維強化樹脂製
    の部材の施工方法。
  10. 【請求項10】該部材が土木建築用部材である請求項9
    記載の炭素繊維強化樹脂製の部材の施工方法。
  11. 【請求項11】該土木建築用部材がコンクリート補強筋
    材である請求項10記載の炭素繊維強化樹脂製の部材の
    施工方法。
  12. 【請求項12】該土木建築用部材がケーブルである請求
    項10記載の炭素繊維強化樹脂製の部材の施工方法。
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