JPH11293532A - 電磁遮蔽用のカバリング糸と、それを使用する電磁遮蔽材 - Google Patents

電磁遮蔽用のカバリング糸と、それを使用する電磁遮蔽材

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JPH11293532A
JPH11293532A JP9587298A JP9587298A JPH11293532A JP H11293532 A JPH11293532 A JP H11293532A JP 9587298 A JP9587298 A JP 9587298A JP 9587298 A JP9587298 A JP 9587298A JP H11293532 A JPH11293532 A JP H11293532A
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JP
Japan
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electromagnetic shielding
carbon fiber
covering yarn
yarn
covering
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JP9587298A
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Tatsutaro Demura
達太郎 出村
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ICHINOMIYA ORIMONO KK
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大形構造物を電磁遮蔽するとともに、その表
面補強材を兼用する。 【解決手段】 無撚りのマルチフィラメント炭素繊維に
強磁性体を巻き付けて電磁遮蔽用のカバリング糸を形成
し、経糸21、21…、緯糸31、31…として織物組
織に製織する。経糸21、21…、緯糸31、31…
は、応力負担要素としてのみならず、良好な電磁遮蔽要
素として作用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、構造物の表面補
強材を兼ねる電磁遮蔽材を作ることができる電磁遮蔽用
のカバリング糸と、それを使用する電磁遮蔽材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】強磁界を発生する装置、設備には、適切
な電磁遮蔽を施すことが必要である。
【0003】従来の電磁遮蔽材としては、鉄板が最も普
通に使用されている。鉄板は、低コストである上、透磁
率が高く、必要な電磁遮蔽性能を簡単に実現することが
できるからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術による
ときは、鉄板は、可撓性に乏しいから、平面的な電磁遮
蔽構造物を作るときはよいとしても、複雑な曲面形状を
含む構造物を作るときは、加工が厄介であり、却ってコ
ストが高くなるという問題があった。また、建築物のよ
うな大形構造物に対して電磁遮蔽を施す場合は、全体重
量が過大となり、また、大電力施設に対して施す場合
は、極厚の鉄板が必要となるために、建築コストがかさ
む原因になりかねないという問題もあった。なお、かか
る大形構造物に対して電磁遮蔽を施す例としては、たと
えば発電所や放送局のような大電力施設の他、電磁波暗
室、医療用のMRI装置やX線装置、工業用の誘導加熱
炉や電磁加熱炉、コンピュータルーム等の設備などが挙
げられる。
【0005】そこで、この発明の目的は、かかる従来技
術の問題に鑑み、強磁性体をマルチフィラメント炭素繊
維に巻き付けることによって、曲面を含む構造物に対し
ても好適に適用することができ、大形構造物の表面補強
材をも兼ねる電磁遮蔽材を作ることができる電磁遮蔽用
のカバリング糸と、それを使用する電磁遮蔽材を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めのこの出願に係る第1発明の構成は、マルチフィラメ
ント炭素繊維に対し、強磁性体を螺旋状に巻き付けるこ
とをその要旨とする。
【0007】なお、強磁性体は、複数本を巻き付けても
よく、強磁性体に重ねて添加糸を巻き付けてもよい。
【0008】第2発明の構成は、第1発明に係る電磁遮
蔽用のカバリング糸からなる経糸と、同様のカバリング
糸からなる緯糸とを織物組織に製織することをその要旨
とする。
【0009】第3発明の構成は、炭素繊維織物に対し、
第1発明に係る電磁遮蔽用のカバリング糸を整列させて
付設することをその要旨とする。
【0010】なお、カバリング糸は、炭素繊維織物に対
し、多層に付設してもよく、プリプレグに形成してもよ
い。
【0011】
【作用】かかる第1発明の構成によるときは、マルチフ
ィラメント炭素繊維は、引張強度が強大であり、適度の
可撓性を有する。また、強磁性体は、電磁遮蔽性を有す
るとともに、マルチフィラメント炭素繊維の長手方向に
螺旋状に巻き付けることにより、雰囲気温度が大きく変
化しても、マルチフィラメント炭素繊維に対して良好な
一体性を保つことができる。
【0012】マルチフィラメント炭素繊維は、たとえば
ピッチ系またはPAN系の炭素繊維フィラメント(直径
5〜10μm程度)を3000〜36000本程度平行
に引き揃え、断面略長方形、略楕円形、略円形等のトウ
に形成して使用する。なお、マルチフィラメント炭素繊
維は、1000℃以上の高温熱処理を施すことにより、
炭素成分を十分に高め、機械的強度、電気伝導度の双方
を向上させることができる。
【0013】強磁性体は、たとえば純鉄、1%けい素鉄
や、パーマロイ、アモルファス磁性材料等の強磁性体材
料からなる線材、テープ(リボン)等を使用するのがよ
い。これらの材料は、直径10〜200μm程度の線材
とし、または厚さ数10μm、幅0.5〜数cm程度の
テープとしてその1本に撚りをかけ、または複数本を撚
り合わせることにより、カバリング可能な可撓性の糸状
に形成することができる。なお、テープは、このように
して撚りをかけ、または撚り合わせる際に、補強用の芯
糸を使用してもよく、このときの芯糸は、製織後の熱処
理に備え、マルチフィラメント炭素繊維または同等以上
の耐熱繊維とすることが好ましい。また、テープは、そ
のままマルチフィラメント炭素繊維に巻き付けてもよ
い。
【0014】パーマロイは、Ni 35〜85%を含むF
e −Ni 系合金であって、たとえばトーキン(株)製の
TM合金TMC−Vなどが好適である。また、アモルフ
ァス磁性材料は、Fe 、Ni 、Co などの強磁性材料に
B、P、Si などを添加し、遠心急冷法などによって製
造する非晶質磁性材料であり、たとえば日本非晶質金属
(株)製のMETGLAS2605S−2などが好適で
ある。また、強磁性体は、高純度のFe 、Co 、Ni 、
または、それらの合金を線状にして使用してもよい。
【0015】複数本(n本)の強磁性体を巻き付けると
きは、それぞれの強磁性体は、必要な巻付けピッチのn
倍のピッチに巻き付ければよく、カバリング糸の生産性
を向上させることができる。なお、強磁性体は、複数本
を互いに逆方向に巻き付けてもよく、マルチフィラメン
ト炭素繊維との一体性を強化するとともに、マルチフィ
ラメント炭素繊維に対する重量比を大きくして電磁遮蔽
性能を向上させることができる。
【0016】強磁性体に重ねて添加糸を巻き付けるとき
は、添加糸は、強磁性体とともにマルチフィラメント炭
素繊維のばらけを防ぎ、強磁性体とマルチフィラメント
炭素繊維との一体性を一層向上させることができる。ま
た、添加糸は、製織後、溶融させて溶融樹脂を生成させ
ることにより、織物組織の一体性を向上させることがで
きる。
【0017】第2発明の構成によるときは、第1発明に
係るカバリング糸の経糸、緯糸は、織物組織に製織され
ている。すなわち、各経糸、緯糸は、それぞれ強磁性体
を巻き付けたカバリング糸であるから、互いに交錯する
ことにより、電磁遮蔽要素として有効に作用することが
できる。また、経糸、緯糸は、織物組織を形成している
から、全体として可撓性に富むシート状の形態を維持す
ることができ、平面状のみならず、任意の曲面を含む構
造物に対し、簡単に接着することができる。ただし、織
物組織は、一般的な平織組織の他、斜子織組織や畝織組
織等であってもよい。なお、電磁遮蔽材は、殊に強磁性
体としてパーマロイを使用するときは、製織工程等にお
いて発生する強磁性体中の機械的応力を除去するため
に、製織後、たとえば1000〜1150℃の水素ガス
雰囲気中に数時間保持して徐冷することにより、十分な
焼鈍処理を施すことが好ましい。
【0018】第3発明の構成によるときは、炭素繊維織
物は、マルチフィラメント炭素繊維からなる経糸、緯糸
の方向に強度を発揮することができ、炭素繊維織物に付
設するカバリング糸は、電磁遮蔽性能を実現することが
できる。ただし、カバリング糸は、炭素繊維織物の経糸
に対し、必ずしも平行または直角にする必要はなく、任
意の角度に傾けて配列してもよい。また、炭素繊維織物
の緯糸は、カバリング糸を付設した後の焼鈍処理をしな
いときは、任意の材質の糸を使用してよく、焼鈍処理を
施すときは、経糸と同等のマルチフィラメント炭素繊
維、または焼鈍温度に耐える耐熱無機繊維等を使用する
ものとする。
【0019】カバリング糸を多層に付設するときは、カ
バリング糸の各層は、それぞれ電磁遮蔽性能を発揮し、
全体性能を一層向上させることができる。ただし、各層
は、炭素繊維織物の一方の面に付設してもよく、両面に
分けて付設してもよい。また、各層のカバリング糸は、
他層のカバリング糸の配列方向に対し、それぞれ平行ま
たは直角とし、あるいは、任意の角度に傾けてもよい。
【0020】カバリング糸をプリプレグに形成すれば、
プリプレグとしてのカバリング糸を炭素繊維織物に一挙
に付設することができ、全体の生産性を著るしく向上さ
せることができる。ただし、プリプレグとは、多数のカ
バリング糸を一方向に平面状に引き揃えて樹脂を含浸さ
せ、フィルム状またはシート状に仕上げるものである。
なお、プリプレグは、カバリング糸のばらけを防止する
ために、粗いネット状の支持材を裏面側に接着し、また
は、適当な離型紙によって裏打ちすることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を以って発明の実施の
形態を説明する。
【0022】電磁遮蔽用のカバリング糸10は、強磁性
体12をマルチフィラメント炭素繊維11に螺旋状に巻
き付けてなる(図1)。
【0023】強磁性体12は、パーマロイまたはアモル
ファス磁性材料などの強磁性体材料を可撓性の糸状に形
成し、無撚りのマルチフィラメント炭素繊維11の長手
方向に螺旋状に巻き付けられている。なお、強磁性体1
2は、たとええばカバリング機により、芯となるマルチ
フィラメント炭素繊維11に対して連続的に巻き付けれ
ばよい。
【0024】強磁性体12は、適当な線径の強磁性体材
料の線材をそのまま使用する他、単一の強磁性体材料の
テープ12aに撚りをかけて形成してもよく(図2
(A))、複数の強磁性体材料のテープ12a、12a
を撚り合わせて形成してもよい(同図(B))。ただ
し、図2(B)において、テープ12a、12aは、2
本以上の任意の本数を使用してもよい。また、テープ1
2aに補強用の芯糸12bを挿入してもよく(同図
(A)の二点鎖線)、複数のテープ12a、12a…に
共通の芯糸12bを挿入してもよい(同図(B)の二点
鎖線)。
【0025】電磁遮蔽材Wは、カバリング糸10からな
る経糸21、21…と、カバリング糸10からなる緯糸
31、31…とを織物組織に製織して形成する(図
3)。
【0026】かかる電磁遮蔽材Wは、コンクリート構造
物、木造構造物、プラスチック構造物などの任意の構造
物Kの表面に貼り付け(図4)、電磁遮蔽性能を有する
表面補強材として使用することができる。ただし、ここ
でいう表面補強とは、単に構造物Kの表面を補強するこ
とをいうのではなく、構造物Kの表面に貼り付けること
により、構造物Kの全体強度を補強することをいう。な
お、電磁遮蔽材Wは、構造物Kに貼り付けるに先き立
ち、所定の温度、所定の雰囲気により、経糸21、21
…、緯糸31、31…に巻き付けられている強磁性体1
2の内部の機械的応力を除去するために、必要に応じて
適当な焼鈍処理を施すことが好ましい。
【0027】電磁遮蔽材Wは、構造物Kの表面を下地処
理した後、適当なプライマPを均一に塗布し、エポキシ
樹脂系またはMMA樹脂系等の強力な接着剤を介して構
造物Kの表面に接着する。このとき、電磁遮蔽材Wの表
面にもさらに接着剤を塗布することにより、接着剤を電
磁遮蔽材Wの全体に十分に含浸させるものとする。ま
た、電磁遮蔽材Wは、構造物Kに負荷される引張荷重の
大きさ、方向に応じ、経糸21、21…の方向を違え
て、または、それを同一方向に揃えて、複数枚を重ねて
貼り付けてもよい。
【0028】最上層の電磁遮蔽材Wの上面には、保護材
Sを付設する。保護材Sは、金属質、木質、合成樹脂質
等の任意の材質の板材、シート材等を使用することがで
きる。なお、保護材Sは、用途に応じ、耐候性、難燃性
の保護塗料や、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂などの樹
脂材料、セメント材、モルタル材等であってもよい。
【0029】電磁遮蔽材Wは、全体として可撓性に富
み、極めて柔軟であるから、構造物Kの表面は、平面状
に限らず、凸状または凹状の曲面であってもよい。すな
わち、構造物Kは、円柱状、円筒状等であってもよい。
また、構造物Kは、任意の金属材料構造物であってもよ
く、中実材に限らず、ハニカム構造体のような中空材で
あってもよい。なお、電磁遮蔽材Wは、構造物Kの表面
に貼り付けるに代えて、接着剤とともに構造物Kの内部
に挾み込むようにして装着してもよい。
【0030】
【他の実施の形態】強磁性体12は、マルチフィラメン
ト炭素繊維11に対して複数本を巻き付けてもよい(図
5(A)、(B))。複数本の強磁性体12、12は、
同一仕様であってもよく、異なる仕様であってもよい。
また、強磁性体12、12の巻付け方向は、同一方向で
あってもよく(同図(A))、互いに逆方向であっても
よい(同図(B))。
【0031】強磁性体12は、テープ12aのままマル
チフィラメント炭素繊維11に巻き付けてもよい(同図
(C))。ただし、テープ12aは、図示に拘らず、複
数本を同方向または逆方向に巻き付けてもよい。
【0032】カバリング糸10は、マルチフィラメント
炭素繊維11に強磁性体12を巻き付けた上、添加糸1
5を重ねて巻き付けてもよい(同図(D))。添加糸1
5は、強磁性体12と同方向に異なる巻付けピッチによ
って巻き付け、または強磁性体12と逆方向に巻き付け
るものとする。
【0033】図5(D)のカバリング糸10は、経糸2
1、21…、緯糸31、31…として電磁遮蔽材Wを製
織後(図3)、添加糸15を溶融させて経糸21、21
…、緯糸31、31…を熱融着することにより、各経糸
21、緯糸31のばらけや相対移動を防止し、全体とし
て良好な一体性を保持することができる。すなわち、添
加糸15は、低温度領域において溶融して溶融樹脂を生
成する熱可塑性樹脂であって、たとえばナイロン6等の
ポリアミドや、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド等のエン
ジニアリングプラスチックの他、ポリエチレン、ポリス
チレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の一般用
プラスチック材料が広く使用可能である。なお、添加糸
15は、各経糸21、緯糸31の少なくとも一方に巻き
付ければよい。
【0034】また、添加糸15を溶融させる熱処理工程
は、製織工程に連続して配設する一対の加熱ローラを使
用し、製織工程後の電磁遮蔽材Wの上面、下面に対し、
同時に、または時系列的に前後して接触させることによ
り、添加糸15を連続的に溶融させればよい。このとき
の加熱ローラの表面温度は、添加糸15のみを溶融さ
せ、添加糸15が溶融して生成される溶融樹脂を熱的に
変質させないために、添加糸15の融点より約10℃程
度高く設定するのがよい。
【0035】電磁遮蔽材Wは、経糸21、21…と、マ
ルチフィラメント炭素繊維からなる副経糸22、22…
とを交互に配列して製織してもよい(図6)。経糸2
1、21…、副経糸22、22…は、混在比率を1:1
としてもよく、一方をm本配列するごとに他方をn本配
列することにより、混在比率をm:n(m、nは、1を
含む任意の整数)としてもよい。
【0036】また、電磁遮蔽材Wは、緯糸31、31…
の間に副緯糸32、32…を挟んで配列してもよい(図
7)。副緯糸32、32…は、マルチフィラメント炭素
繊維からなっており、緯糸31、31…と同等の繊度に
設定してもよく、緯糸31、31…より小さな繊度に設
定してもよい。なお、緯糸31、31…に対する副緯糸
32、32…の混在比率は、m:n(m、nは、1を含
む任意の整数)としてよい。
【0037】図7において、副緯糸32、32…は、製
織後の焼鈍処理をしない場合には、マルチフィラメント
炭素繊維以外の任意の材質であってもよい。また、副緯
糸32、32…は、焼鈍処理をする場合には、焼鈍温度
に耐える任意の耐熱無機繊維等を使用することができ
る。また、副経糸21、21…、副緯糸32、32…に
も、添加糸15を巻き付けることができる。
【0038】電磁遮蔽材Wは、炭素繊維織物41に対
し、カバリング糸10、10…を整列させて付設して形
成してもよい(図8)。
【0039】炭素繊維織物41は、マルチフィラメント
炭素繊維を経糸41a、41a…、緯糸41b、41b
…として製織されている。なお、緯糸41b、41b…
の繊度は、経糸41a、41a…のそれと同等とし、ま
たは、それより小さくしてもよい。また、各経糸41
a、緯糸41bは、マルチフィラメント炭素繊維以外の
高強度繊維としてもよい。
【0040】カバリング糸10、10…は、炭素繊維織
物41を製織した後、適当な接着剤を介し、炭素繊維織
物41の片面に整然と整列させて接着する。なお、カバ
リング糸10、10…は、一層であってもよく、多層に
してもよい。多層のカバリング糸10、10…は、炭素
繊維織物41の経糸41a、41a…に対し、それぞれ
平行または直角としてもよく、斜めに傾けてもよい。ま
た、カバリング糸10、10…は、炭素繊維織物41の
両面に付設してもよく、このとき、各面におけるカバリ
ング糸10、10…の配列方向は、それぞれ互いに一致
していてもよく、異なっていてもよい。
【0041】なお、図8のカバリング糸10、10…
は、各層ごとにプリプレグに形成してシート状とし、炭
素繊維織物41に付設してもよい。また、炭素繊維織物
41は、炭素繊維プリプレグに代えてもよい。
【0042】以上の説明において、副経糸22、副緯糸
32、炭素繊維織物41の経糸41a、緯糸41bとし
て使用するマルチフィラメント炭素繊維は、トウとして
の一体性を保つために、機械的強度を損わない程度に軽
く撚りをかけてもよい。また、カバリング糸10、10
…は、製織時において副経糸22、22…や副緯糸3
2、32…を構成するマルチフィラメント炭素繊維の表
面を機械的に損傷することがないように、外表面を適当
な糊材によって覆い、または、保護用の糸によってカバ
リングすることにより、断面形状の角部分を丸く整える
ことが好ましい。なお、このときの糊材は、水溶性樹脂
を使用することにより、製織後の水洗工程を介して簡単
に除去することができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、この出願に係る第
1発明によれば、マルチフィラメント炭素繊維に強磁性
体を巻き付けることにより、強磁性体は、マルチフィラ
メント炭素繊維に対して螺旋状に巻き付けられているか
ら、マルチフィラメント炭素繊維のばらけを防止し、大
きな引張応力が負荷されても、強力なマルチフィラメン
ト炭素繊維によって保護されて容易に切断することがな
く、安定な製織加工が可能であるという優れた効果があ
る。
【0044】第2発明によれば、第1発明に係る電磁遮
蔽用のカバリング糸からなる経糸、緯糸は、縦横に配列
されていることにより、応力負担要素としてのみなら
ず、良好な電磁遮蔽要素として作用することができる
上、全体として可撓性に富む織物組織に形成されている
から、曲面を含み、電磁遮蔽を必要とする任意の構造物
に対して好適に適用することができ、大形構造物の表面
補強材を兼ねることができるという優れた効果がある。
【0045】第3発明によれば、炭素繊維織物に対して
第1発明に係る電磁遮蔽用のカバリング糸を整列させて
付設するから、カバリング糸は、製織工程を経る必要が
なく、全体としての生産効率を大きく向上させることが
できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 カバリング糸の要部正面図
【図2】 カバリング糸の要部構成説明図
【図3】 電磁遮蔽材の全体平面構成図
【図4】 使用状態説明図
【図5】 他の実施の形態を示す図1相当図
【図6】 他の実施の形態を示す図3相当図(1)
【図7】 他の実施の形態を示す図3相当図(2)
【図8】 他の実施の形態を示す分解斜視図
【符号の説明】
W…電磁遮蔽材 10…カバリング糸 11…マルチフィラメント炭素繊維 12…強磁性体 15…添加糸 21…経糸 31…緯糸 41…炭素繊維織物

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マルチフィラメント炭素繊維に対し、強
    磁性体を螺旋状に巻き付けてなる電磁遮蔽用のカバリン
    グ糸。
  2. 【請求項2】 前記強磁性体は、複数本を巻き付けるこ
    とを特徴とする請求項1記載の電磁遮蔽用のカバリング
    糸。
  3. 【請求項3】 前記強磁性体に重ねて添加糸を巻き付け
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電磁
    遮蔽用のカバリング糸。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか記載
    の電磁遮蔽用のカバリング糸からなる経糸と、前記カバ
    リング糸からなる緯糸とを織物組織に製織してなる電磁
    遮蔽材。
  5. 【請求項5】 炭素繊維織物に対し、請求項1ないし請
    求項3のいずれか記載の電磁遮蔽用のカバリング糸を整
    列させて付設してなる電磁遮蔽材。
  6. 【請求項6】 前記カバリング糸は、前記炭素繊維織物
    に対し、多層に付設することを特徴とする請求項5記載
    の電磁遮蔽材。
  7. 【請求項7】 前記カバリング糸は、プリプレグに形成
    することを特徴とする請求項5または請求項6記載の電
    磁遮蔽材。
JP9587298A 1998-04-08 1998-04-08 電磁遮蔽用のカバリング糸と、それを使用する電磁遮蔽材 Pending JPH11293532A (ja)

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