JPH05320848A - 平滑で光沢のあるスパングル模様を有し、かつ耐粒界腐食性に優れた溶融Znめっき鋼板 - Google Patents
平滑で光沢のあるスパングル模様を有し、かつ耐粒界腐食性に優れた溶融Znめっき鋼板Info
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- JPH05320848A JPH05320848A JP12880892A JP12880892A JPH05320848A JP H05320848 A JPH05320848 A JP H05320848A JP 12880892 A JP12880892 A JP 12880892A JP 12880892 A JP12880892 A JP 12880892A JP H05320848 A JPH05320848 A JP H05320848A
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Abstract
関するものである。 【構成】 鋼板の表面にNi 0.01〜1%、Al
0.1〜1%、PbあるいはSbの単独あるいは複合で
0.01〜0.5%よりなる溶融Zn合金めっき層を有
するか、あるいは同溶融Zn合金めっき層の下層として
Niめっき層を有することを特徴とする平滑で光沢のあ
るスパングルを有し、かつ耐粒界腐食性に優れた溶融Z
nめっき鋼板。
Description
関するものである。
っき表面外観を有する溶融Znめっき鋼板へのニーズが
高まっている。従来より、特公昭56−47946号公
報等のようにスパングル模様を有する溶融Znめっき鋼
板が装飾用途の一つとして使用されてきた。
%、Pb 0.02%以下、Al 0.2〜17%の溶
融Znめっき浴を用い、適量のSb添加によりスパング
ル(溶融Znめっき鋼板めっき面特有の花模様の結晶)
形成が促進され、また、適量のAl添加により、耐食性
を向上させ、Pb量を微量にして耐粒界腐食性を高めた
ことを特徴とする溶融Znめっき鋼板が開示されてい
る。
を含めて、通常のスパングル表面は凹凸が大きすぎ、光
が照射されても乱反射してしまい、光沢が少なく高級感
のある美麗さには劣る欠点を有しており、平滑で光沢の
あるスパングルの開発が要望されていた。また、特に、
Pbを含有するスパングルめっき面においては、結晶粒
界にPbが偏析しやすく、粒界腐食が起こりやすく、め
っき層の経時剥離に至りやすいことも知られており、同
公報のようにSb添加浴においてもPb添加浴よりは改
善されたものの未だ完全ではなく、改良が望まれてい
た。そこで、本発明者らが上記のPbあるいはSb添加
浴によるスパングルを有する溶融Znめっき鋼板の特徴
を生かしつつ、スパングルの平滑さ、光沢を増加させ、
かつ粒界腐食を起こしにくいめっき層を種々検討した。
iを含有させるか、さらには地鉄界面にNiめっき層を
施した場合に平滑で光沢のあるスパングルを有するめっ
き面が得られ、粒界腐食も起こりにくいことを見いだし
た。本発明は上記のように平滑で光沢のあるスパングル
を有し、かつ耐粒界腐食性にも優れた溶融Zn合金めっ
き鋼板を提供するものである。
のスパングル形成浴であるPb添加溶融Zn−Al浴に
種々の微量金属を添加することにより溶融めっきを行
い、空冷によりスパングルを形成させその外観の変化を
調べた。その結果、浴中にNiを微量に添加することに
より得られためっき層において光沢のある平滑なスパン
グルが得られることを見いだした。Ni微量添加による
結晶構造の変化に起因したものと考えられる。また、粒
界腐食が起こりにくくなることも確認した。さらに検討
したところ、めっき層の地鉄界面にNiめっき層が存在
することにより、特に耐粒界腐食性が一段と向上するこ
とも見いだし、下記の本発明を完成したものである。
%、Al 0.1〜1%を含有し、残部がPbあるいは
Sbの単独あるいは複合で0.01〜0.5%よりなる
溶融Zn合金めっき層を有することを特徴とする平滑な
スパングルを有し、かつ耐粒界腐食性に優れた溶融Zn
めっき鋼板、および同Zn合金めっき層の下層としてN
iめっき層を有することを特徴とする平滑なスパングル
を有し、かつ耐粒界腐食性に優れた溶融Znめっき鋼
板。
説明する。図1は、めっき層中のNi%(重量%)とス
パングル外観との関係を示した図である。
0.15%、Al 0.25%が一定でNi含有率を
変化させた溶融Znめっき浴中で3秒間めっきを行っ
た。溶融Znめっき層付着量は135g/m2 とした。
あらかじめ鋼板にプレNiめっき層0.5g/m2 を施
した場合、施さない場合共に示した。スパングル外観と
して、平滑度および光沢度の大きさの順に4段階で評価
した。
ベル ×…不鮮明あるいはスパングル小さすぎる場合 この図より、本発明範囲であるめっき層中Ni0.01
〜1%の範囲でスパングルが平滑化し、光沢のある美麗
な様相を呈する。めっき層中Niが0.01%未満で
は、通常の凹凸のあるスパングルで光沢が少なく、Ni
が1%を越えるとスパングルの形状がくずれ、鮮明なス
パングルは得られない。また、下層にプレNiめっき層
を有する場合も、平滑なスパングルを有する領域はプレ
Niめっき層無しの場合とほとんど同等である。
層中のNi%と耐粒界腐食性との関係を示した図であ
る。腐食試験としては、恒温恒湿試験(60℃、相対湿
度RH90%)7日間を行い、めっき層の断面観察によ
り、粒界腐食の状況を調べ、腐食の程度を5段階で評価
した。
は次の通りである。 評点 粒界腐食状況 経時剥離 5… 無し なし 4… ほとんど無い。極微少 極微少 3… 局部的に発生(通常Sb添加浴レベル) 微少 2… 大部分発生(通常Pb添加浴レベル) 大部分発生 1… 全面発生 本発明範囲であるめっき層中Ni 0.01〜1%の範
囲では粒界腐食がほとんど認められない。そのため経時
剥離にも至りにくい。また、プレNiめっき層を有する
場合には、耐粒界腐食性がさらに向上することがわか
る。
外観との関係を示した図である。Ni 0.03%、A
l 0.25%一定の浴を用い、プレNiめっき有り無
しの場合ともに調べた。本発明範囲であるPb 0.0
1〜0.5%の範囲で平滑で美麗なスパングルが得られ
る。Pb 0.01%未満では、スパングルが形成され
ず、0.5%を越える凹凸が激しくなり、微細な形状と
なる。Sb添加浴の場合もほぼ同様であった。
0.1%未満の場合には、加工部のめっき密着性が不十
分となるためである。また1%以下としたのは、浴中A
lが1%を超えるとめっき層中に偏析したAlが局部電
池を構成し、耐食性が劣化するためである。
プレNiめっき量については2g/m2 以下が好まし
い。2g/m2 を超えるとめっき密着性が劣化するため
である。
けないが、耐食性の観点から10g/m2 以上、加工性
の観点からすると350g/m2 以下であることが望ま
しい。
に使用でき、Alキルド鋼板、Al−Siキルド鋼板、
Ti添加、P−Ti添加およびCu添加極低炭素鋼板、
高Si、Mn系の高張力鋼板など種々のものが適用でき
る。
れず、通常の無酸化炉方式の溶融めっき法、Niプレめ
っき、フラックス等の前処理を行う溶融Znめっき方法
など種々の方法が適用でき、微量Ni、Pb(あるいは
Sb)、Alを含有した溶融Znめっき浴に鋼板を浸漬
すれば良い。特に、請求項2のめっき鋼板の製法として
は、本発明者らが提案した鋼板にプレNiめっきを0.
2〜2g/m2 施したのち無酸化あるいは還元雰囲気中
で急速低温加熱を行ったのち溶融めっきを行う方法等が
好ましい。
冷却速度により変化する。望ましくは1〜20℃/sで
の空冷あるいは放冷が適当である。冷却速度が1℃/s
よりも小だとスパングルが大きくなりすぎ不鮮明とな
る。また、20℃/sよりも大だとスパングルが微少に
なりすぎる。
り、スパングルが平滑化し、光沢が増加する理由につい
ては、未だ明確ではないが、次のように推定される。ス
パングルの形成機構としてはZnが凝固し、過冷により
結晶核が生成し、成長する過程においてPbあるいはS
bが存在すると、Zn−Pb、あるいはZn−SbはZ
nの凝固点よりも低い共晶点を有するから、結晶核のま
わりに融液が存在するためデンドライト結晶が結晶方位
性をもって成長する。またその際にPbあるいはSbが
結晶核の周囲の融液中にはきだされて濃縮し、デンドラ
イト結晶粒界部あるいは粒内に偏析する。微量Niの存
在によりスパングルが平滑化し、光沢が増加するのは、
このデンドライと結晶の結晶方位に影響を及ぼしている
ものと推定される。
すく経時剥離に至りやすい理由は、凝固時の結晶粒界へ
のPbの偏析により、Znとの局部電池を構成しやす
く、腐食が地鉄界面まで到達しやすいことに起因してい
る。微量Ni添加により耐粒界腐食性が向上するのは、
Niの均一な存在により、粒界でのPb−Zn間の局部
電池作用が緩和されるのではないかと考えられる。ま
た、デンドライト結晶構造の変化も耐食性に影響してい
る可能性もある。地鉄界面のNiめっき層の存在により
粒界腐食および経時剥離がさらに抑制される理由につい
ては、Ni層とZn層間の電位差によるマクロ回路によ
り、粒界におけるミクロ回路による局部電池作用が緩和
されることあるいは、Ni層が一種のバリヤー層となり
粒界腐食が地鉄まで到達しにくいことなどに起因してい
るものと思われる。
印は本発明以外の鋼板である。下地に酸洗した熱延Al
キルド鋼板(1.6mm)を用いた。前処理としては、
プレNiめっき無しの場合には15%H2 +N2 雰囲気
中で600℃で30s還元したのち450℃まで冷却し
た。また、プレNiめっき有りの場合には、あらかじめ
電気めっきでNiめっき層を、0.5g/m2 施した
後、通電加熱により450℃まで40℃/sで加熱し
た。これらをNi,Pb,Sb,Al量の変化した45
0℃のZnめっき浴で3s溶融めっきを行い、N2 ワイ
ピングで付着量を135g/m2 に調整したのち、エア
ーにより約2℃/sで冷却し、スパングルを形成させ
た。スパングルの外観を前述の評価基準にもとずいて評
価した。腐食試験としては、恒温恒湿試験(60℃、相
対湿度RH90%)7日間を行い、前述の評価基準にも
とずいて評価した。
〜14およびNo.16〜21に示す通り、Ni 0.
01〜1%、Al0.1〜1%、を含有し、Pbあるい
はSbの単独あるいは複合で0.01〜0.5%よりな
る溶融Zn合金めっき層およびその下層としてNiめっ
き層を有するめっき層構成よりなる本発明のめっき鋼板
は、平滑で光沢のあるスパングルが得られ、かつ耐粒界
腐食性に優れる。Niめっき層を下層として有する場合
の方が耐粒界腐食性が一段と向上することも明らかであ
る。
囲を逸脱する場合(No.1,6,10,15)および
従来材(No.22およびNo.23)は、本発明鋼板
に比較して平滑で光沢のあるスパングルは得られず、耐
粒界腐食性も劣る。
滑で光沢のあるスパングルを有し、かつ耐粒界腐食性に
優れた溶融Znめっき鋼板であり、建材、家電用途など
に有用であることからその工業的意義は極めて大きい。
観との関係を示した図。
粒界腐食性との関係を示した図。
を示した図。
Claims (2)
- 【請求項1】 鋼板の表面にNi 0.01〜1%、A
l 0.1〜1%、PbあるいはSbの単独あるいは複
合で0.01〜0.5%含有する溶融Zn合金めっき層
を有することを特徴とする平滑で光沢のあるスパングル
を有し、かつ耐粒界腐食性に優れた溶融Znめっき鋼
板。 - 【請求項2】 請求項1記載のZn合金めっき層の下層
にNiめっき層を有することにより性能がさらに優れる
ことを特徴とする平滑で光沢のあるスパングルを有し、
かつ耐粒界腐食性に優れた溶融Znめっき鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12880892A JP2599535B2 (ja) | 1992-05-21 | 1992-05-21 | 平滑で光沢のあるスパングル模様を有し、かつ耐粒界腐食性に優れた溶融Znめっき鋼板 |
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Publications (2)
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---|---|
JPH05320848A true JPH05320848A (ja) | 1993-12-07 |
JP2599535B2 JP2599535B2 (ja) | 1997-04-09 |
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2599535B2 (ja) |
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1992
- 1992-05-21 JP JP12880892A patent/JP2599535B2/ja not_active Expired - Fee Related
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