JPH05320841A - 高成形性アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents
高成形性アルミニウム合金板の製造方法Info
- Publication number
- JPH05320841A JPH05320841A JP15760092A JP15760092A JPH05320841A JP H05320841 A JPH05320841 A JP H05320841A JP 15760092 A JP15760092 A JP 15760092A JP 15760092 A JP15760092 A JP 15760092A JP H05320841 A JPH05320841 A JP H05320841A
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- JP
- Japan
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- alloy
- aluminum alloy
- formability
- subjected
- ductility
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- Pending
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- Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 自動車ボディーシート、耐圧容器、包装容器
等の成形用材に適した優れた強度、延性を持ち、特に深
絞り成形性に優れた高成形性アルミニウム合金板の製造
方法を提供する。 【構成】 Ｍｇ５．０〜８．０wt％、Ｃｕ０．１〜０．
５wt％を含有し、不可避的不純物のＦｅ、Ｓｉの量をそ
れぞれ０．３wt％以下、その他の不純物元素をいずれも
０．１wt％以下とし、残部Ａｌからなるアルミニウム合
金を４８０℃以上の温度に昇温する均質化処理を行った
後、通常の熱間圧延、冷間圧延を行って得た冷間圧延板
を２５０〜３５０℃の温度に加熱する最終焼鈍を施し
て、体積に占める再結晶粒の割合を５０〜９０％とする
製造方法。
等の成形用材に適した優れた強度、延性を持ち、特に深
絞り成形性に優れた高成形性アルミニウム合金板の製造
方法を提供する。 【構成】 Ｍｇ５．０〜８．０wt％、Ｃｕ０．１〜０．
５wt％を含有し、不可避的不純物のＦｅ、Ｓｉの量をそ
れぞれ０．３wt％以下、その他の不純物元素をいずれも
０．１wt％以下とし、残部Ａｌからなるアルミニウム合
金を４８０℃以上の温度に昇温する均質化処理を行った
後、通常の熱間圧延、冷間圧延を行って得た冷間圧延板
を２５０〜３５０℃の温度に加熱する最終焼鈍を施し
て、体積に占める再結晶粒の割合を５０〜９０％とする
製造方法。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は優れた強度と延性を持
ち、自動車ボディーシート、耐圧容器、包装容器等の成
形用材に最適な、特に深絞り成形性に優れた高成形性ア
ルミニウム合金板の製造方法に関するものである。
ち、自動車ボディーシート、耐圧容器、包装容器等の成
形用材に最適な、特に深絞り成形性に優れた高成形性ア
ルミニウム合金板の製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、自動車外板には冷延鋼板が主に用
いられていた。しかしながら、最近になり自動車車体の
軽量化要求からアルミニウム合金板を使用することが検
討されている。自動車外板用材料としては、プレス成形
性に優れていること、強度が高いことなどが求められて
いる。このような要求を満足する材料としてはＪＩＳ５
０５２合金（Ａｌ−２．５wt％Ｍｇ−０．２５wt％Ｃ
ｒ）、ＪＩＳ５１８２合金（Ａｌ−４．５wt％Ｍｇ−
０．３５wt％Ｍｎ）などＡｌ−Ｍｇ合金が多い。
いられていた。しかしながら、最近になり自動車車体の
軽量化要求からアルミニウム合金板を使用することが検
討されている。自動車外板用材料としては、プレス成形
性に優れていること、強度が高いことなどが求められて
いる。このような要求を満足する材料としてはＪＩＳ５
０５２合金（Ａｌ−２．５wt％Ｍｇ−０．２５wt％Ｃ
ｒ）、ＪＩＳ５１８２合金（Ａｌ−４．５wt％Ｍｇ−
０．３５wt％Ｍｎ）などＡｌ−Ｍｇ合金が多い。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】前記した５０００系合
金は、冷延鋼板と比べると、延性が低く、成形時に割れ
易い欠点があった。そこで、延性を改善した新しいアル
ミニウム合金が開発されて来たが、実際の工業的な生産
に用いるプレス成形では必ずしも良い結果がえられてい
ないことが多かった。
金は、冷延鋼板と比べると、延性が低く、成形時に割れ
易い欠点があった。そこで、延性を改善した新しいアル
ミニウム合金が開発されて来たが、実際の工業的な生産
に用いるプレス成形では必ずしも良い結果がえられてい
ないことが多かった。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明はこれに鑑み種々
検討の結果、実機プレスでの成形性を改善するには、高
Ｍｇでかつ部分再結晶状態とした高強度材が有効である
ことを知見し、更に検討の結果、優れた強度、延性を持
ち、特に深絞り成形性に優れた高成形性アルミニウム合
金板の製造方法を開発したものである。
検討の結果、実機プレスでの成形性を改善するには、高
Ｍｇでかつ部分再結晶状態とした高強度材が有効である
ことを知見し、更に検討の結果、優れた強度、延性を持
ち、特に深絞り成形性に優れた高成形性アルミニウム合
金板の製造方法を開発したものである。
【０００５】即ち本発明は、Ｍｇ５．０〜８．０wt％、
Ｃｕ０．１〜０．５wt％を含有し、不可避的不純物のＦ
ｅ、Ｓｉの量をそれぞれ０．３wt％以下、その他の不純
物元素をいずれも０．１wt％以下とし、残部Ａｌからな
るアルミニウム合金を４８０℃以上の温度に昇温する均
質化処理を行った後、通常の熱間圧延、冷間圧延を行っ
て得た冷間圧延板を２５０〜３５０℃の温度に加熱する
最終焼鈍を施して、体積に占める再結晶粒の割合を５０
〜９０％とすることを特徴するものである。
Ｃｕ０．１〜０．５wt％を含有し、不可避的不純物のＦ
ｅ、Ｓｉの量をそれぞれ０．３wt％以下、その他の不純
物元素をいずれも０．１wt％以下とし、残部Ａｌからな
るアルミニウム合金を４８０℃以上の温度に昇温する均
質化処理を行った後、通常の熱間圧延、冷間圧延を行っ
て得た冷間圧延板を２５０〜３５０℃の温度に加熱する
最終焼鈍を施して、体積に占める再結晶粒の割合を５０
〜９０％とすることを特徴するものである。
【０００６】
【作用】本発明において、合金組成を上記の如く限定し
たのは次の理由によるものである。Ｍｇは大部分マトリ
ックス中に固溶しており、強度を増大させると共に、加
工硬化性を増やすことによって延性を増大させ、成形性
の向上に寄与する。しかしてその添加量を５．０〜８．
０wt％と限定したのは、５．０wt％未満ではその効果が
小さく、８．０wt％を越えると耐ＳＣＣ（応力腐食割
れ）性を悪化させると共に、熱間加工性を悪化させ、製
造が困難となるためである。
たのは次の理由によるものである。Ｍｇは大部分マトリ
ックス中に固溶しており、強度を増大させると共に、加
工硬化性を増やすことによって延性を増大させ、成形性
の向上に寄与する。しかしてその添加量を５．０〜８．
０wt％と限定したのは、５．０wt％未満ではその効果が
小さく、８．０wt％を越えると耐ＳＣＣ（応力腐食割
れ）性を悪化させると共に、熱間加工性を悪化させ、製
造が困難となるためである。
【０００７】Ｃｕは焼付け塗装時にＧＰゾーン、θ´、
Ｓ相などを析出し強度を向上させるので、塗装後の強度
を確保するのに有効である。しかしてその添加量を０．
１〜０．５wt％と限定したのは、０．１wt％未満では強
度向上が小さく、０．５wt％を越えると耐食性が低下す
るためである。
Ｓ相などを析出し強度を向上させるので、塗装後の強度
を確保するのに有効である。しかしてその添加量を０．
１〜０．５wt％と限定したのは、０．１wt％未満では強
度向上が小さく、０．５wt％を越えると耐食性が低下す
るためである。
【０００８】Ｆｅ、Ｓｉは通常Ａｌの不純物として含ま
れるものである。しかしＦｅはＳｉと化合物を作りやす
く、その化合物が成形時のクラックの起点となるため延
性を低下させる。そのため両者のいずれかが０．３wt％
を越えると延性が低下する。したがってその含有量を両
者とも０．３wt％以下に限定したものである。
れるものである。しかしＦｅはＳｉと化合物を作りやす
く、その化合物が成形時のクラックの起点となるため延
性を低下させる。そのため両者のいずれかが０．３wt％
を越えると延性が低下する。したがってその含有量を両
者とも０．３wt％以下に限定したものである。
【０００９】Ｍｎ、Ｃｒ、Ｚｒ、Ｔｉ、Ｎｉ等その他の
不純物元素は、それぞれ結晶粒の微細化あるいはマトリ
ックス強度を向上させる効果があるが、延性を低下させ
るため、いずれも０．１０wt％以下に限定した。
不純物元素は、それぞれ結晶粒の微細化あるいはマトリ
ックス強度を向上させる効果があるが、延性を低下させ
るため、いずれも０．１０wt％以下に限定した。
【００１０】次に製造工程について説明する。均質化処
理は、Ｍｇ、Ｆｅ、Ｓｉ等の鋳造時に形成された化合物
をマトリックス中に固溶させて減少させるため充分実施
する必要がある。しかして均質化処理での最高到達温度
が４８０℃未満では、充分化合物を固溶できないが、４
８０℃以上であれば、実用上の目的を達することが可能
である。この際保持時間はあってもなくてもよい。尚組
成によっては５３０℃を越えると粗大な再結晶粒とな
り、熱延性を著しく損なうものもあるため、４８０〜５
３０℃の温度範囲が望ましい。
理は、Ｍｇ、Ｆｅ、Ｓｉ等の鋳造時に形成された化合物
をマトリックス中に固溶させて減少させるため充分実施
する必要がある。しかして均質化処理での最高到達温度
が４８０℃未満では、充分化合物を固溶できないが、４
８０℃以上であれば、実用上の目的を達することが可能
である。この際保持時間はあってもなくてもよい。尚組
成によっては５３０℃を越えると粗大な再結晶粒とな
り、熱延性を著しく損なうものもあるため、４８０〜５
３０℃の温度範囲が望ましい。
【００１１】上記の均質化処理を実施後、通常の熱延、
冷延を実施し、最終板厚となった冷延板に最終焼鈍を加
えるが、その際再結晶の占める体積率を５０〜９０％と
する必要がある。従来ＪＩＳ５０００系合金では完全焼
鈍材が張出し性、深絞り性ともに優れていると言われて
いたが、低潤滑の実機プレスにおいては、完全再結晶す
る前の状態で、強度を高めた方が、成形性、特に深絞り
性に優れることを見出した。即ち再結晶粒の体積率が５
０％未満では延性が不足し、９０％を越えると強度が不
足し、いずれも実機プレスの成形性を満足しない。そこ
で再結晶粒の体積率を５０〜９０％と規定した。
冷延を実施し、最終板厚となった冷延板に最終焼鈍を加
えるが、その際再結晶の占める体積率を５０〜９０％と
する必要がある。従来ＪＩＳ５０００系合金では完全焼
鈍材が張出し性、深絞り性ともに優れていると言われて
いたが、低潤滑の実機プレスにおいては、完全再結晶す
る前の状態で、強度を高めた方が、成形性、特に深絞り
性に優れることを見出した。即ち再結晶粒の体積率が５
０％未満では延性が不足し、９０％を越えると強度が不
足し、いずれも実機プレスの成形性を満足しない。そこ
で再結晶粒の体積率を５０〜９０％と規定した。
【００１２】この再結晶状態を得るための条件は、各成
分によってことなるが、上記冷間圧延板を２５０〜３５
０℃に加熱する必要がある。これは加熱温度が２５０℃
未満では５０％を越える再結晶率が得られず、３５０℃
を越えると９０％未満の再結晶率が得られない。なおこ
の条件は冷延板を上記温度範囲まで加熱すれば十分であ
って特にその温度で保持する必要はない。しかし保持時
間が６時間を越えると操業上のコストアップとなる。こ
のため最終焼鈍条件は２５０〜３５０℃で６時間以下の
保持が良好である。
分によってことなるが、上記冷間圧延板を２５０〜３５
０℃に加熱する必要がある。これは加熱温度が２５０℃
未満では５０％を越える再結晶率が得られず、３５０℃
を越えると９０％未満の再結晶率が得られない。なおこ
の条件は冷延板を上記温度範囲まで加熱すれば十分であ
って特にその温度で保持する必要はない。しかし保持時
間が６時間を越えると操業上のコストアップとなる。こ
のため最終焼鈍条件は２５０〜３５０℃で６時間以下の
保持が良好である。
【００１３】
【実施例】以下本発明を実施例について説明する。表１
に示す組成のアルミニウム合金を通常の常法により溶
解、鋳造し、これを表２に示す製造条件で厚さ１mmの板
材とした。この板材について再結晶率測定、引張試験、
深絞り試験（実機プレス成形をシュミレートするために
低潤滑条件で実施した試験）を行った。その結果を表３
に示す。尚表３中絞り高さは、ブランク径７６mm、パン
チ径３３mm、しわ押さえ１０００kg、潤滑油３cst での
破断時の成形高さである。
に示す組成のアルミニウム合金を通常の常法により溶
解、鋳造し、これを表２に示す製造条件で厚さ１mmの板
材とした。この板材について再結晶率測定、引張試験、
深絞り試験（実機プレス成形をシュミレートするために
低潤滑条件で実施した試験）を行った。その結果を表３
に示す。尚表３中絞り高さは、ブランク径７６mm、パン
チ径３３mm、しわ押さえ１０００kg、潤滑油３cst での
破断時の成形高さである。
【００１４】
【表１】
【００１５】
【表２】
【００１６】
【表３】
【００１７】表１，２，３から明らかなように、本発明
例によるものは、高い強度をもち、深絞り成形性に優れ
ていることが判る。これに対し本発明製造方法から外れ
る比較例では強度又は深絞り性の何れかが劣ることが判
る。
例によるものは、高い強度をもち、深絞り成形性に優れ
ていることが判る。これに対し本発明製造方法から外れ
る比較例では強度又は深絞り性の何れかが劣ることが判
る。
【００１８】
【発明の効果】このように本発明によれば、高い強度を
もち、深絞り成形性の優れた成形用アルミニウム合金板
を得ることができるもので、工業上顕著な効果を奏する
ものである。
もち、深絞り成形性の優れた成形用アルミニウム合金板
を得ることができるもので、工業上顕著な効果を奏する
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 稔 東京都千代田区丸の内２丁目６番１号 古 河アルミニウム工業株式会社内 (72)発明者 東海林 了 東京都千代田区丸の内２丁目６番１号 古 河アルミニウム工業株式会社内 (72)発明者 坪田 孝弘 東京都千代田区丸の内２丁目６番１号 古 河アルミニウム工業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項１】 Ｍｇ５．０〜８．０wt％、Ｃｕ０．１〜
０．５wt％を含有し、不可避的不純物のＦｅ、Ｓｉの量
をそれぞれ０．３wt％以下、その他の不純物元素をいず
れも０．１０wt％以下とし、残部Ａｌからなるアルミニ
ウム合金を４８０℃以上の温度に昇温する均質化処理を
行った後、通常の熱間圧延、冷間圧延を行って得た冷間
圧延板を２５０〜３５０℃の温度に加熱する最終焼鈍を
施して、体積に占める再結晶粒の割合を５０〜９０％と
することを特徴とする高成形性アルミニウム合金板の製
造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15760092A JPH05320841A (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 高成形性アルミニウム合金板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15760092A JPH05320841A (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 高成形性アルミニウム合金板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05320841A true JPH05320841A (ja) | 1993-12-07 |
Family
ID=15653265
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15760092A Pending JPH05320841A (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 高成形性アルミニウム合金板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05320841A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016166389A (ja) * | 2015-03-09 | 2016-09-15 | 株式会社神戸製鋼所 | アルミニウム合金製自動車ルーフパネルおよび自動車ルーフパネル用アルミニウム合金板 |
| JP2016186125A (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-27 | 株式会社神戸製鋼所 | アルミニウム合金板 |
-
1992
- 1992-05-25 JP JP15760092A patent/JPH05320841A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016166389A (ja) * | 2015-03-09 | 2016-09-15 | 株式会社神戸製鋼所 | アルミニウム合金製自動車ルーフパネルおよび自動車ルーフパネル用アルミニウム合金板 |
| JP2016186125A (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-27 | 株式会社神戸製鋼所 | アルミニウム合金板 |
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