JP3248255B2 - 極低温成形加工用Al−Mg−Si系合金材 - Google Patents

極低温成形加工用Al−Mg−Si系合金材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、AlやAl合金の新し
い成形加工方法として注目されている極低温成形加工法
を適用するに際し、優れた成形加工性を有するAl−M
g−Si系合金材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】AlやAl合金は、家庭用品を始めとし
て、自動車,航空機,鉄道車両,船舶,建築等の様々な
分野での部品材料として広範囲に使用されている。Al
やAl合金は、金属材料として優れた性質を有している
ものの、通常のプレス成形を適用するには、その成形性
に限界があり、従ってプレス成形によって複雑な形状に
成形を行うことは困難であるという欠点があった。
【0003】こうしたことから、プレス成形性の優れた
Al合金材料の開発と共に、成形加工技術の改良も進め
られている。まず材料開発面では、従来のAl合金材料
が、強度30kgf/cm2 ,伸び30%であったのが、最近
では強度30kgf/cm2 ,伸び35%強のAl合金材料が
開発されており、成形性の向上が認められている。一
方、成形加工技術に関しても、液圧対向成形や温間成形
等の技術が開発されており、成形能の向上が認められて
いる。
【0004】本出願人は、かねてより成形加工技術の研
究を進めており、その研究の一環として、極低温成形加
工法を開発した。この極低温成形加工法は、AlやAl
合金が極低温において引張強度および伸び等に優れた機
械的性質を示すという、新しい知見が得られたことによ
り開発された加工方法であり、その技術的意義が認めら
れたので先に出願している(特願平2−416279
号)。即ち、上記極低温成形加工法は、AlやAl合金
板にプレス潤滑油を塗布した後、液体窒素中に浸漬し、
極低温においてプレス成形加工を行うものであり、従来
において成形が不可能であった複雑な形状の部品の成形
ができるようになった。これは、−40℃以下の極低温
に冷却されると潤滑油が劣化して、潤滑性が損なわれる
とされてきたのが、実際には潤滑油が極低温下ではワッ
クス状となり、潤滑性が却って向上することを知見した
ことによるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記極
低温加工法に使用するAl合金材料として、従来のもの
をそのまま使用したのでは、複雑な形状への成形ができ
るとはいっても未だ充分とはいえず、極低温成形加工に
適したAl合金材料の開発が望まれていた。本発明はこ
うした状況の下になされたものであって、その目的は、
極低温において優れた成形加工性を示すAl合金材を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決する為の手段】上記目的を達成し得た本発
明とは、プレス潤滑油を塗布した後に−40℃以下の極
低温でプレス成形加工されるAl−Mg−Si系合金材
であって、Mg:0.2〜1.5重量%,Si:0.2
〜1.7重量%を夫々含有し、残部Alおよび不可避不
純物からなり、且つ平均結晶粒径が100μm以下であ
る点に要旨を有する極低温成形加工用Al−Mg−Si
系合金材である。
【0007】
【作用】本発明者らは、極低温成形加工法を適用するに
際し、最適なAl合金材について様々な角度から検討し
てきた。そしてまず極低温において粒界破壊を起こしに
くい材料が、極低温における加工性を著しく向上させる
ことを見出し、Al合金の含有成分および成分割合並び
に結晶粒を厳密に調整したAl−Mg系合金圧延材につ
いて提案した(特願平3−98291号)。しかしなが
らこのAl合金圧延材は、Al−2.5〜8.5重量%
Mg系をベースとした高Mg含有Al合金であり、将来
的にAl合金が溶解用スクラップとしてリサイクルされ
る場合、Mgが高いため他の合金に転用しにくく、リサ
イクル性において不利になるという課題を有していた。
【0008】そこで本発明者らは、リサイクル性をも考
慮し、極低温成形加工法に適したAl合金材について更
に検討を進めてきた。その結果、MgおよびSiを所定
量含有したAl−Mg−Si系では、リサイクル性も良
好であり、且つ該Al合金圧延板の含有成分および成分
割合並びに結晶粒を厳密に調整することによって、極低
温において優れた成形加工性が得られるAl合金が実現
できることを見出し、本発明を完成した。まず本発明の
極低温成形加工用Al−Mg−Si合金材の成分範囲限
定理由は下記の通りである。
【0009】Mg:0.2〜1.5重量%,Si:0.
2〜1.7重量% これらの元素は、含有量の増加と共に、強度および延性
を向上させる効果を有する。これはAl合金の加工硬化
能が増加するためである。またMgとSiの共存によっ
て、時効でMg2 Siを形成し、強度の一層の向上が図
れる。これらの含有量が0.2重量%未満では上記効果
が得られず、一方Mgが1.5重量%およびSiが1.
7重量%を超えると、不溶性の化合物が存在することに
よって、逆に延性が低下する。
【0010】本発明のAl合金材は、MgおよびSiを
基本成分とし、残部Alおよび不可避不純物よりなるも
のであるが、必要によってCu,Zn,Mn,Cr,Z
r等の元素を所定量含有させても良い。これらの元素を
含有させるときの成分範囲限定理由は下記の通りであ
る。
【0011】Cu:1.5重量%以下および/またはZ
n:2重量%以下 これらの元素は、いずれも強度向上に有効である。また
Cuは延性を向上させると共に、時効によっても微細析
出物の生成を助長して強度を向上させる。一方Znは時
効硬化を促進させるのにも有効である。しかしながらC
uの含有量が1.5重量%を超えるとAl−Mg−Cu
系の粗大化合物が不可避的に生成し、極低温成形加工性
を極端に劣化させる。またZnの含有量が2重量%を超
えると極低温において粒界破壊を起こし易くなる。
【0012】Mn:1.5重量%以下,Cr:0.5重
量%以下および Zr:0.5重量%以下よりなる群から選ばれる1種以
上 これらの元素は結晶粒を微細化して粒界破壊を阻止し、
極低温成形加工性を向上させる元素である。しかしなが
ら含有量が過剰になると、Al−Mn系,Al−Cr
系,Al−Zr系の化合物が多量に生成し、成形時の破
壊の起点となり、極低温成形加工性を低下させる。よっ
てMnの含有量は1.5重量%以下、Crの含有量は
0.5重量%以下、Zrの含有量は0.5重量%以下と
する必要がある。
【0013】尚本発明のAl合金材には、鋳造組織を微
細化するという観点から、TiやBを0.2重量%以下
の範囲で添加することが有効である。次に、本発明に係
る極低温成形加工用Al−Mg系合金材の平均結晶粒径
について説明する。平均結晶粒径が100μmを越える
と、粒界破壊が発生し、極低温における成形加工性を極
端に劣化させる。よって平均結晶粒径は100μm以下
とする必要がある。
【0014】ところで本発明のAl合金材を製造するに
当たっては、通常の鋳造、均質化処理した後、熱間圧延
するだけでも良いが、通常の製造方法では結晶粒が粗大
化する恐れがある。例えば、発明協会公開技報89−1
5623号に開示された、極低温加工用のJIS110
0合金やJIS5182合金では、通常の製造方法によ
り製造されており、このため、1100合金、5182
合金とも平均結晶粒径が100μmを超えている可能性
があり、この場合極低温における成形加工性向上効果を
十分達成できない。通常の成形加工性は6000系合金
よりも、5000系合金の方が優れているが、本発明の
6000系合金のエリクセン値は前記公開技報の518
2合金のそれよりも大幅に向上している。従って、本発
明合金材を製造するに際しては、鋳造、均質化処理およ
び熱間圧延の各段階で、結晶粒を細かくする(粗大化さ
せない)様に注意する必要がある。また圧延後にMgや
Si(およびCu)の固溶硬化による強度・延性の向上
効果を一層発揮させる為には、前記均質化処理後熱間圧
延および/または冷間圧延し、引き続き焼鈍によってこ
れらの元素を充分に固溶させることが有効である。焼鈍
によるこうした効果を発揮させる為には、その温度は3
00℃以上とするのが良く、300℃未満では前記各元
素が充分に固溶されない。
【0015】
【実施例】表1に示す化学成分組成のAl−Mg−Si
系合金を通常の溶製法により溶解した後、造塊、均熱処
理、熱間圧延および冷間圧延を行って、厚さ1mmの板
材を製作した。これらの板材を連続焼鈍炉またはバッチ
式炉を使用して焼鈍を行ない、結晶粒度を調整した。表
1にその結果(平均結晶粒径)を併記する。
【0016】
【表1】
【0017】これらの板材を用い、液体窒素中(−19
6℃)において、引張試験を行なうと共に、液体窒素中
で冷却したものから、順次−196℃および−100℃
でエリクセン試験を行った。これらの試験結果を表2に
示す。
【0018】
【表2】
【0019】No.1〜No.9は、本発明の要件を満
足する実施例であり、いずれも優れた極低温成形加工性
を示していることがわかる。これに対し、No.10〜
19のものは、本発明で規定する要件のいずれかを欠く
比較例であり、実施例に比べて劣っている。即ち、比較
例のNo.10は粒界破壊が起こり特性が悪く、比較例
No.11および12は、いずれかの元素の含有量が少
なく充分な特性得られず、また比較例No.13〜19
は、いずれかの元素の含有量が多いので、成形性が低下
している。
【0020】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、極
低温成形加工性に優れたAl−Mg−Si系合金材が得
られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−224141(JP,A) 特開 平4−300032(JP,A) 特開 平4−308055(JP,A) 特開 平5−339668(JP,A) 発明協会公開技報公枝89−15623号 柳川ら”AI−Mg合金の延性を支配 する因子”神戸製鋼技報,Vol.42, No.1,P.28−33,(1992) 宮木ら”極低温におけるアルミニウム 合金の諸特性と応用”神戸製鋼技報,V ol.34,No.3,P.67−71, (1984) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22F 21/00 - 21/18 C22F 1/04 - 1/057

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレス潤滑油を塗布した後に−40℃以
    下の極低温でプレス成形加工されるAl−Mg−Si系
    合金材であって、Mg:0.2〜1.5重量%,Si:
    0.2〜1.7重量%を夫々含有し、残部Alおよび不
    可避不純物からなり、且つ平均結晶粒径が100μm以
    下であることを特徴とする極低温成形加工用Al−Mg
    −Si系合金材。
  2. 【請求項2】 更に、Cu:1.5重量%以下および/
    またはZn:2重量%以下を含有するものである請求項
    1に記載の極低温成形加工用Al−Mg−Si系合金
    材。
  3. 【請求項3】 更に、Mn:1.5重量%以下、Cr:
    0.5重量%以下およびZr:0.5重量%以下よりな
    る群から選択される1種以上を含有するものである請求
    項1または2に記載の極低温成形加工用Al−Mg−S
    i系合金材。
  4. 【請求項4】 鋳造および均質化処理した後、(a)熱
    間圧延したものであるか、または(b)熱間圧延および
    /または冷間圧延後300℃以上の温度で焼鈍したもの
    である請求項1〜3のいずれかに記載の極低温成形加工
    用Al−Mg−Si系合金材。
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EP3279350B1 (en) * 2016-08-05 2020-01-08 LKR Leichtmetallkompetenzzentrum Ranshofen GmbH Method for producing an object made from a hardenable aluminium alloy
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柳川ら"AI−Mg合金の延性を支配する因子"神戸製鋼技報,Vol.42,No.1,P.28−33,(1992)
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