JPH05320751A - ステンレス鋼の熱処理方法 - Google Patents

ステンレス鋼の熱処理方法

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JPH05320751A
JPH05320751A JP12624192A JP12624192A JPH05320751A JP H05320751 A JPH05320751 A JP H05320751A JP 12624192 A JP12624192 A JP 12624192A JP 12624192 A JP12624192 A JP 12624192A JP H05320751 A JPH05320751 A JP H05320751A
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JP
Japan
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stainless steel
heat treatment
temperature
ferrite
duplex stainless
Prior art date
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Pending
Application number
JP12624192A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Oya
矢 耕 二 大
Tetsuya Shimizu
水 哲 也 清
Tomohito Iikubo
知 人 飯久保
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Publication date
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オーステナイト・フェライト系二相ステンレ
ス鋼の耐エロージョン性を改善する。 【構成】 オーステナイト・フェライト系二相ステンレ
ス鋼を1000〜1350℃もしくは1350超〜14
00℃の温度で溶体化処理した後、700〜900℃の
温度で時効処理することによりσ相が析出した組織とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーステナイト・フェ
ライト系二相ステンレス鋼の熱処理方法に係わり、例え
ば、排煙脱硫装置などの公害防止機器や各種化学工業用
装置などの産業機器等においてこれらの構成部材の素材
として用いた場合にそれらの耐エロージョン性を改善す
るのに好適なステンレス鋼の熱処理方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼の主要成分であるNiとC
rの含有量を調整することによって、オーステナイトと
フェライトが混合した組織を有する二相ステンレス鋼を
得ることができ、JIS G 4303においては、S
US 329 J1として規格化されている。
【0003】この二相ステンレス鋼は、オーステナイト
とフェライトの中間的性質を有し、熱膨張係数や熱伝導
度は両者の中間の値を示していて、海水を冷却水として
利用する復水器用配管、排煙脱硫装置などの公害防止機
器ならびに各種化学用装置,機器類などを構成する部品
等の素材に用いられる。
【0004】オーステナイト・フェライト系二相ステン
レス鋼においては、950〜1100℃加熱後急冷の固
溶化熱処理状態において最高の靭性,延性ならびに耐食
性を示すことから、JIS G 4303におけるオー
ステナイト・フェライト系ステンレス鋼の熱処理におい
ても固溶化熱処理として950〜1100℃急冷を制定
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなオーステナ
イト・フェライト系二相ステンレス鋼を素材として例え
ば排煙脱硫装置のポンプを製作する場合には、上述した
ように、950〜1100℃急冷の固溶化熱処理を施し
て使用していることがあったが、耐エロージョン性が不
十分であるという問題点があり、このような問題点を解
決することが課題となっていた。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記した従来の課題にかんが
みてなされたものであって、強度および耐食性が良好で
あると共に、耐エロージョン性にも優れたオーステナイ
ト・フェライト系二相ステンレス鋼を提供し、排煙脱硫
装置や各種化学工業用装置などの構成部材の素材として
使用した場合の耐エロージョン性を改善することを目的
としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1請求項に係
わるステンレス鋼の熱処理方法は、オーステナイト・フ
ェライト系二相ステンレス鋼を1000〜1350℃の
温度で溶体化処理した後、700〜900℃の温度で時
効処理することによりσ相析出組織にして耐エロージョ
ン性を改善する構成としており、かかる発明の構成をも
って従来の課題を解決するための手段としている。
【0008】また、本発明の第2請求項に係わるステン
レス鋼の熱処理方法は、オーステナイト・フェライト系
二相ステンレス鋼を1350超〜1400℃の温度で溶
体化処理した後、700〜900℃の温度で時効処理す
ることによりσ相析出組織にして耐エロージョン性を改
善する構成としており、このような発明の構成をもって
従来の課題を解決するための手段としている。
【0009】本発明に係わるステンレス鋼の熱処理方法
において適用される二相ステンレス鋼としては、例え
ば、C:0.1%以下、Si:2%以下、Mn:2%以
下、Ni:3〜10%、Cr:23〜28%、Mo:1
〜3%、その他必要に応じてCu:3%以下、Sn:
0.2%以下、N:0.2%以下、Nb:0.3%以
下、V:0.3%以下等を含み、残部実質的にFeより
なるものが使用される。
【0010】本発明の請求項1に係わるステンレス鋼の
熱処理方法では、オーステナイト・フェライト系二相ス
テンレス鋼を1000〜1350℃の温度で溶体化処理
を行い、この溶体化処理によって、オーステナイト・フ
ェライトの二相組織にする。
【0011】この場合、溶体化処理温度を1000〜1
350℃とすることによって、オーステナイトとフェラ
イトの二相組織を得る。
【0012】また、本発明の請求項2に係わるステンレ
ス鋼の熱処理方法では、オーステナイト・フェライト系
二相ステンレス鋼を1350超〜1400℃の温度で溶
体化処理を行い、この溶体化処理によって、フェライト
の単相組織にする。
【0013】この場合、溶体化処理温度を1350超〜
1400℃とすることによって、フェライトの単相組織
を得ることとなり、1400℃を超えると融点近くに達
するので、1400℃以下とした。
【0014】そして、上記の溶体化処理によって、オー
ステナイト・フェライト二相組織もしくはフェライト単
相組織としたのち、700〜900℃の温度で時効処理
することにより、σ相析出組織とする。
【0015】
【発明の作用】本発明に係わるステンレス鋼の熱処理方
法では、オーステナイト・フェライト系二相ステンレス
鋼を1000〜1350℃もしくは1350超〜140
0℃の温度で溶体化処理することによって、オーステナ
イト・フェライト系二相組織もしくはフェライト単相組
織としたのち、700〜900℃の温度で時効処理する
ことによって、σ相が析出した組織となるようにしてい
るので、σ相が析出することによって硬さが上昇したも
のとなり、耐エロージョン性が改善されるものとなっ
て、例えば、排煙脱硫装置に使用されるポンプおよびそ
の付属品などの素材として用いることによって耐久性が
向上するものとなる。
【0016】
【実施例】この実施例では真空誘導溶解炉を用いて表1
に示す化学成分組成の鋼を溶製して50kgの鋼塊を得
たのち、それぞれ切断することによって本発明供試材お
よび比較供試材となし、これらについて溶体化処理およ
び時効処理を行った。
【0017】
【表1】
【0018】次いで、表1に示す各供試材に対して、表
2の溶体化処理温度の欄に示す温度にて溶体化処理し、
溶体化処理温度が1050℃および1080℃の場合に
1時間,溶体化処理温度が1370℃の場合に0.5時
間保持したのち各々水冷する溶体化処理を施した後、本
発明供試材の一部について同じく表2の時効処理温度の
欄に示す温度に同じく表2の保持時間の欄に示す時間保
持したのち空冷する時効処理を施した。
【0019】次に、各供試材のビッカース硬さを調べ、
また、耐エロージョン性を評価するための流動腐食試験
を行ったところ、同じく表2に示す結果となった。この
場合の流動腐食試験においては、表3に示す試験条件に
て実施した。
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】表2に示した結果より明らかなように、本
発明に係わる熱処理方法を採用した場合には、時効処理
によってσ相を析出させ、これにより硬さを上昇させる
ことによって耐エロージョン性を改善できることが認め
られた。しかし、時効処理の保持時間が長すぎるとσ相
の析出量が多くなりすぎ、硬さは増大するものの耐エロ
ージョン性はむしろ低下する傾向となるので、時効処理
の保持時間は適宜選定するのがよいことが認められた。
【0023】
【発明の効果】本発明に係わるステンレス鋼の熱処理方
法では、オーステナイト・フェライト系二相ステンレス
鋼を1000〜1350℃の温度で溶体化処理してオー
ステナイト・フェライトの二相組織とし、もしくは13
50超〜1400℃の温度で溶体化処理してフェライト
の単相組織としたのち、700〜900℃の温度で時効
処理することによってσ相析出組織としたから、σ相の
析出によって硬さが上昇し、従来の硬さ不足が改善され
ると共に、硬さの上昇によって耐エロージョン性が改善
され、排煙脱硫装置に使用されるポンプや化学工業用装
置に使用される各種部品の耐久性を向上させることが可
能になるという著しく優れた効果がもたらされる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オーステナイト・フェライト系二相ステ
    ンレス鋼を1000〜1350℃の温度で溶体化処理し
    た後、700〜900℃の温度で時効処理することによ
    りσ相析出組織にして耐エロージョン性を改善すること
    を特徴とするオーステナイト・フェライト系二相ステン
    レス鋼の熱処理方法。
  2. 【請求項2】 オーステナイト・フェライト系二相ステ
    ンレス鋼を1350超〜1400℃の温度で溶体化処理
    した後、700〜900℃の温度で時効処理することに
    よりσ相析出組織にして耐エロージョン性を改善するこ
    とを特徴とするオーステナイト・フェライト系二相ステ
    ンレス鋼の熱処理方法。
JP12624192A 1992-05-19 1992-05-19 ステンレス鋼の熱処理方法 Pending JPH05320751A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109487060A (zh) * 2019-01-10 2019-03-19 东北大学 一种高强塑性铁素体-奥氏体双相不锈钢的热处理工艺
JP2021095626A (ja) * 2019-12-13 2021-06-24 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 常磁性の硬質ステンレス鋼とその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109487060A (zh) * 2019-01-10 2019-03-19 东北大学 一种高强塑性铁素体-奥氏体双相不锈钢的热处理工艺
CN109487060B (zh) * 2019-01-10 2020-08-25 东北大学 一种高强塑性铁素体-奥氏体双相不锈钢的热处理工艺
JP2021095626A (ja) * 2019-12-13 2021-06-24 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 常磁性の硬質ステンレス鋼とその製造方法

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