JPH05320190A - ペプチド誘導体 - Google Patents
ペプチド誘導体Info
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- JPH05320190A JPH05320190A JP14276791A JP14276791A JPH05320190A JP H05320190 A JPH05320190 A JP H05320190A JP 14276791 A JP14276791 A JP 14276791A JP 14276791 A JP14276791 A JP 14276791A JP H05320190 A JPH05320190 A JP H05320190A
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- A61K9/10—Dispersions; Emulsions
- A61K9/127—Liposomes
- A61K9/1271—Non-conventional liposomes, e.g. PEGylated liposomes, liposomes coated with polymers
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Abstract
ことができるArg-Gly-Asp 単位を有するペプチド誘導体
を提供する。 【構成】下式で表わされるペプチド誘導体またはその
塩。なお式中、Arg 、Gly 、Asp はそれぞれアルギニ
ン、グリシン、アスパラギン酸残基を示す。〔X〕、
〔Y〕は、存在するかあるいは存在しないアミノ酸また
はペプチド残基を示す。mは1から5までの整数を示
す。nは1から5までの整数を示す。R1 およびR
2 は、水素あるいは炭素数8〜24の直鎖または分岐の
アシル基またはアルキル基であり、置換基、不飽和基を
有していても良い。また、分子内に存在する不斉炭素に
関しては、ラセミ体でも光学活性体のいずれでもよい。 【化1】
Description
−アスパラギン酸のトリペプチド単位を有する、リポソ
ームあるいはミセル等の分子集合体を形成するのに最適
なペプチド誘導体に関する。
接着に関与するタンパク質であり、血小板凝集やガン転
移にも関与していると考えられている。これらの相互作
用は一連の細胞表面のレセプターにより仲介され、フィ
ブロネクチンは分子量約25万の巨大分子であるにもか
かわらず、これらのレセプターがそのアルギニン−グリ
シン−アスパラギン酸(以下、Arg-Gly-Asp と略す)配
列を特異的に認識することが明らかにされ、レセプター
との相互作用に重要なものであることが報告されている
(Nature、第309巻、30頁、1984年)。以来、
Arg-Gly-Asp 配列を有するオリゴあるいはポリペプチド
を用いる研究が成されている。例えば、Arg-Gly-Asp 配
列を有する種々の鎖状および環状のオリゴペプチドを用
いて血小板凝集を阻害する方法(高分子学会予稿集(Po
lymer Preprints, Japan)、第38巻、3149頁、1
989年、特開平2−174797号)、Arg-Gly-Asp
配列を有するペプチドを細胞移動抑制剤として用いる方
法(特開平2−4716号)、Arg-Gly-Asp を固定化し
たPMMA膜を細胞接着膜として用いる方法(高分子学会予
稿集(Polymer Preprints, Japan)、第37巻、705
頁、1988年)が報告されている。さらに、ポリマー
にArg-Gly-Asp を必須構成単位とするペプチドを共有結
合させ動物細胞培養基体、生体複合人工臓器用基体とし
て用いる方法(特開平1−309682号、特開平1−
305960号)、Arg-Gly-Asp-Ser 配列を有するポリ
ペプチドを体外血液用血小板保護剤として用いる方法が
開示されている(特開昭64−6217号)。また、Ar
g-Gly-Asp 配列を有するオリゴペプチドあるいはその繰
り返し構造を有するポリペプチドを用いて、ガン転移を
抑制する方法が知られている(Int. J. Biol. Macromo
l.、第11巻、23頁、1989年、同誌、第11巻、
226頁、1989年、Jpn. J. Cancer Res.,第60
巻、722頁、1989年)。
をドラッグキャリアーとして用いる方法が多数検討され
ている(例えば、リポソーム、245頁〜271頁、南
江堂、1988年、Cancer Res. 第43巻、5328
頁、1983年、J. Controlled Release 269頁、1
990年)。
酸を導入した化合物がWO90/11297号明細書に
開示されている。しかしこの化合物の分子集合体形成能
は未知であり、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸
配列を有するオリゴペプチドあるいはその繰り返し構造
を有する、リポソームあるいはシセル等の分子集合体を
形成するのに適当なペプチド誘導体は知られていない。
Gly-Asp のトリペプチド単位を有する、リポソームある
いはミセル等の分子集合体を形成するのに最適なペプチ
ド脂質誘導体及びその合成法を提供することである。
一般式(I)で示されるペプチド誘導体またはその塩か
ら成るペプチド誘導体である。
ニン、グリシン、アスパラギン酸残基を示す。〔X〕、
〔Y〕は存在するかあるいは存在しないアミノ酸残基ま
たはペプチド残基を示す。存在する場合には、〔X〕、
〔Y〕がセリン、グリシン、バリン、アスパラギン、プ
ロリン、システイン、トレオニン残基から選択されるア
ミノ酸残基またはペプチド残基であることが好ましい。
特に、〔Y〕がセリン残基であることが好ましい。ま
た、〔X〕、〔Y〕がともに存在しない場合も特に好ま
しい。mは1から5までの整数を表し、mが1から3ま
での整数が好ましい。nは1から5までの整数を表し、
nが1から3までの整数が好ましい。R1およびR
2 は、水素あるいは炭素数8〜24の直鎖または分岐の
アシル基またはアルキル基であり、置換基、不飽和基を
有していても良い。好ましい炭素数としては、12から
18まである。アシル基としては、ミリストイル基、パ
ルミトイル基、ステアロイル基が好ましい例として示さ
れる。アルキル基としては、ミリスチル基、パルミチル
基、ステアリル基、フィタニル基が好ましい例として示
される。R1 、R2 は同じであっても異なってもよい。
また、分子内に存在する不斉炭素に関しては、ラセミ体
でも光学活性体のいずれでもよい。本発明の化合物の好
ましい塩の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、ア
ンモニウム塩、マグネシウム塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸
塩、酢酸塩等が挙げられる。
本発明はこれに限定されるものではない。
する。本発明の化合物は基本的に以下の方法により合成
することができる。 ジアルキル(ジアシル)グリセロール(II)の合成
ミノ酸の逐次延長による保護ペプチドの合成 保護ペプチドのN末端アミノ基の選択的脱保護とそれ
に続くマロニル化、スクシニル化、またはグルチリル化
反応。 側鎖保護基の除去および精製
ロールは、公知の方法(例えば Biochemistry 第2巻3
94頁1963年)により合成することができ、また市
販品を購入することもできる。 保護アミノ酸を逐次伸長する方法は、既知の方法、す
なわち、泉屋ら著「ペプチド合成の基礎と実験」(丸
善)や Bodanszky著 "PRINCIPLES OF PEPTIDE SYNTHESI
S"、"THE PRACTICE OF PEPTIDE SYNTHESIS" (Springer
Verlag, New York)に記載されている方法がいずれも有
効である。縮合反応の段階では、DCC-additive法、アジ
ド法、混酸無水物法、活性エステル法のいずれを採用し
てもよいが、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールとジシ
クロヘキシルカルボジイミドを併用するDCC-additive法
が最も良好な結果を与えた。またグリセロール誘導体
(II)に最初の保護アミノ酸を導入する工程では、ジシ
クロヘキシルカルボジイミドと触媒量のN,N−ジメチ
ルアミノピリジンを用いる方法が有効である。 アミンのマロニル化、スクシニル化、またはグルタリ
ル化反応には、それぞれ対応する環状酸無水物または酸
二塩化物を用いることが好ましい。 保護基を脱保護するのに用いられる条件は、用いた保
護基の種類に大きく依存する。通常使用される脱保護条
件は、接触水素添加、トリフルオロ酢酸、無水フッ化水
素、トリフルオロメタンスルホン酸−チオアニソール混
合系、トリフルオロ酢酸−チオアニソール混合系等であ
るが、保護基の種類によってはさらに多様な手段が可能
である。
(1)を以下の合成経路で合成した。なお、アミノ酸、
各種保護基および脱保護試薬等は通常用いられて略号を
使って表した。また、化合物例(2)〜(4)もここに
例示した方法で合成できる。 Bzl:ベンジル基 TFA:トリフルオロ酢酸 t-Boc:t−ブトキシカルボニル基 HOBt: 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール Z:ベンジルオキシカルボニル基 DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド
載の方法により調製した(1a)12.0gをトルエン
300mlに溶かし、この溶液に粉末水酸化カリウム1
6.0gと1−ブロモヘキサデカン82gを加え、反応
混合物を8時間加熱還流した。反応液を室温になるまで
放冷したのちヘキサン400mlで希釈した。水200ml
で2回洗浄後無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。硫酸ナ
トリウムを濾過して除き、濾液を減圧濃縮して無色油状
物を得た。このものをシリカゲルクロマトグラフィー
(溶出液 ヘキサン/酢酸エチル=40/1)で精製
し、(1b)を41.2g(収率95.5%)得た。物
性値は文献(Biochemistry第2巻,394頁1963
年)記載のそれと一致した。得られた(1b)を酢酸エ
チル250mlに溶解し、10%パラジウム−炭素1.5
gを加えて、反応混合物を水素雰囲気下8時間反応し
た。不溶性物質をセライト濾過して除き、セライト層を
酢酸エチルで洗浄した。濾液、洗液をあわせて減圧濃縮
した。残渣を酢酸エチルから再結晶して(1c)を無色
結晶(34.4g)として得た。物性値は文献(Bioche
mistry第2巻,394頁1963年)記載のそれと一致
した。
r(Bzl)2.05g(7mmol)、ジメチルアミノピリジン
73mgを塩化メチレン50mlに溶解し、氷冷しながらDC
C 1.5gを加えた。氷冷下で2時間、室温で終夜かく
はんした後生成したDCC 尿素を濾別し、濾液を濃縮後残
留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製(n−ヘキ
サン/酢酸エチル=6/1)して、無色油状の(1d)
4.7g(5.74mmol)を得た。収率97%。(1
d)4.7g(5.74mmol)を塩化メチレン20mlに
溶解し、トリフルオロ酢酸(TFA)10mlを加え、室温で
30分かくはんした。溶媒を減圧で留去後、残留物に酢
酸エチルと4%炭酸ナトリウム水溶液を加えて抽出、分
液した。(この時、水層のpHがアルカリ性であることを
確認した。)酢酸エチル層を食塩水で洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥した後に減圧留去した。得られた(1
d)の脱保護体を塩化メチレン30mlとDMF 15mlの混
合溶媒に溶解し、t-Boc-Asp(OBzl)2.2g(6.8mm
ol)とHOBt/H2O 1g(6.5mmol)を加えて氷冷かく
はんした。ここに、DCC 1.4g(6.8mmol)を加え
氷冷下で2時間、室温で終夜かくはんした。生成したDC
C 尿素を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物に酢酸エ
チルと4%炭酸ナトリウム水溶液を加えて抽出、分液し
た。酢酸エチル層を水および食塩水で洗浄した後減圧濃
縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し
て(n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1−2/1)、白
色固体の(1e)5.36g(5.24mmol)を得た。
収率91%。
化メチレン20mlに溶解し、TFA 10mlを加えて室温で
1時間かくはんした。溶媒を減圧濃縮し、残留物を酢酸
エチルとアセトニトリルの混合溶媒(1:2)で再結晶
して、白色固体の(1f)4.93g(4.75mmol)
を得た。収率93%。(1f)4.8g(4.62mmo
l)、t-Boc-Gly 0.96g(5.5mmol)、HOBt・H2O
842mg(5.5mmol)を塩化メチレン30mlとDMF
15mlの混合溶媒に溶解した。ここに、ジイソプロピル
エチルアミン630mg(4.9mmol)とDCC 1.1g
(5.3mmol)を加え、氷冷下で2時間、室温で終夜か
くはんした。以降(0815b)と同様の後処理を行
い、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して
(n−ヘキサン/酢酸エチル=3/2)、白色固体(1
g)3.95g(3.66mmol)を得た。収率79%。
(1g)2.0g(1.85mmol)を塩化メチレン10
mlに溶解し、TFA 5mlを加え、室温で30分かくはんし
た。溶媒を減圧で残留後、残留物に酢酸エチルと4%炭
酸ナトリウム水溶液を加えて抽出、分液した。(この
時、水層のpHがアルカリ性であることを確認した。)酢
酸エチル層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
した後、酢酸エチルを減圧留去した。得られた(1g)
の脱保護体を塩化メチレン20mlとDMF 5mlの混合溶媒
に溶解し、t-Boc-Arg(Z)2 1.2g(2.15mmol)と
HOBt/H2O 330mg(2.15mmol)を加えて氷冷かく
はんした。ここに、DCC 460mg(2.2mmol)を加え
氷冷下で2時間、室温で終夜かくはんした。以降(08
15b)と同様の後処理を行い、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製して(クロロホルム/酢酸エチル
=3/1)、白色固体の(1h)2.09g(1.48
mmol)を得た。収率80%。
化メチレン10mlに溶解し、TFA 5mlを加えて室温で1
時間かくはんした。溶媒を減圧で留去後、残留物にクロ
ロホルムと4%炭酸ナトリウム水溶液を加えて抽出、分
液した。(この時、水層のpHがアルカリ性であることを
確認した。)クロロホルム層を食塩水で洗浄し、硫酸マ
グネシウムで乾燥した後に減圧留去した。得られた(1
h)の脱t-Bco 体を塩化メチレン10mlに溶解し、無水
コハク酸120mgを加えて室温でかくはんした。反応進
行にともない白沈が生成した。1時間後溶媒を減圧濃縮
し、残留物をアセトニトリルとクロロホルムの混合溶媒
(5:1)より再結晶して、白色固体(1i)920mg
(0.61mmol)を得た。収率92%。(1i)800
mg(0.532mmol)を酢酸20mlに55℃で溶解し、
10%パラジウム炭素を100mg加えてこの温度で常圧
水素添加を4時間行った。触媒をセライトで濾別して濾
液を減圧濃縮し、残留物にアセトニトリルを加えるを白
色固体の(0815)が析出した。これを濾取すること
により、(0815)390mg(0.369mmol)を得
た。収率69%。 (M−H)- 1055(FAB ,NEGA) アミノ酸分析、:Arg (1.03)、Gly (1.0
1)、Asp (1.02)、Ser (0.91)
の代わりに1−ブロモテトラデカンを用い、以後同様の
操作を行って化合物(2)を合成した。 (M−H)- 999(FAB ,NEGA) アミノ酸分析、:Arg (1.10)、Gly (1.0
3)、Asp (0.98)、Ser (0.89)
りにグルタル酸無水物を用い、以後同様の操作を行って
化合物(3)を合成した。 (M−H)- 1069(FAB ,NEGA) アミノ酸分析、:Arg (1.02)、Gly (0.9
8)、Asp (1.00)、Ser (0.95)
販のジシリストイル−syn −グリセロールを用い、以後
同様の操作を行って化合物(4)を合成した。 (M−H)- 1027(FAB ,NEGA) アミノ酸分析、:Arg (0.96)、Gly (1.0
4)、Asp (0.92)、Ser (0.90)
の水溶液中で、二分子膜構造を基本構造とするベシクル
を形成することができる。このベシクルの表面に存在す
るArg-Gly-Asp ペプチドが、ガン細胞、血小板、あるい
はリンパ球等の表面に存在するフィブロネクチンレセプ
ターと結合できることを利用して、ガン転移抑制、血小
板凝集抑制あるいはリンパ球活性化の目的に使用するこ
とができる。また、内水相あるいは脂質二重膜層に各種
抗ガン剤を保持させて、言わゆるガン細胞へのターゲッ
ティグ療法に用いることができる。
調整例、及びそのベシクル分散液が強い細胞接着能力を
有していることを示す実験例を示す。
10mlの混合溶媒に60℃で溶解し、ロータリーエバポ
レーターを用いて60℃で溶媒を減圧留去した。さらに
真空ポンプを用いて室温で30分乾燥させた。形成され
た化合物(1)の薄膜にpH7.0のリン酸緩衝液3mlを
加え、80℃に加温した後ボルテックスミキシングを行
って膜はがしを行った。次いでプローグ型超音波を用い
て30W5分の処理を行ったところ、均一の白乳色分散
液が得られた。NICOMPを用いて粒径分布を調べた結果、
平均が約80nmの単分散分布を示した。またプリバロフ
型DSC を用いて相転位点を調べた結果、53℃であるこ
とがわかった。化合物(2)を用いて同様の操作を行っ
ても、やはり均一分散液が得られた。この場合相転移点
は38.5℃であった。
対する接着を阻害する。その活性測定方法は、基本的に
生化学の分野で広く用いられている競争法であり、例え
ば特開平1−309682、特開平2−174797、
Methods in Enzymology 第82巻、803(1981)
に開示されている。
(株)から購入)をPBS (リン酸緩衝液)で10μg/
mlに溶解し、その溶液50μリットルを96wellのポリ
スチレンプレートに入れ、4℃で一晩保温してコーティ
ングした。次に非特異吸着を防ぐ目的で牛血清アルブミ
ン(BSA)1%を加え、37℃、1時間保温し、その後洗
浄操作(PBS)を行い充分に水切りして吸着プレートを作
製した。
ン酸緩衝液の代わりにDulbecos Modified Eagles Mediu
n (以下DMEMと略記する)を用いる以外は同様の操作を
行って、化合物(1)のベシクル分散液を得た。この分
散液を0.2〜5mg/mlの濃度になるように希釈し、5
0μリットルを上記の方法で作製したプレートに入れ、
そこへNRK 49F (1×106 cells /ml)懸濁液を5
0μリットル加え、37℃で1時間保温し細胞を接着さ
せた。PBS で3回洗浄し、未接着の細胞を除去した後、
0.05%トリプシン・0.02%EDTA溶液で接着した
細胞を剥離し、0.2%トリパンブルーで染色して細胞
数を計測した。結果を表1に示す。表1中のGRGDS はGl
y-Arg-Gly-Asp-Ser をあらわす。なお別途実験により、
化合物(1)の分散液が細胞溶解性をもたないことを確
認した。
状に分散し、強い細胞接着阻害活性を有することが明ら
かとなった。
グリシン、アスパラギン酸残基を示す。〔X〕、〔Y〕
は、存在するかあるいは存在しないアミノ酸またはペプ
チド残基を示す。mは1から5までの整数を示す。nは
1から5までの整数を示す。R1およびR2は、水素あ
るいは炭素数8〜24の直鎖または分岐のアシル基また
はアルキル基であり、置換基、不飽和基を有していても
良い。また、分子内に存在する不斉炭素に関しては、ラ
セミ体でも光学活性体のいずれでもよい。
アミノ酸の逐次延長による保護ペプチド の合成 保護ペプチドのN末端アミノ基の選択的脱保護とそれ
に続くマロニル化、スクシニル化、またはグルタリル化
反応。 側鎖保護基の除去および精製
を塩化メチレン20mlに溶解し、TFA10mlを加
えて室温で1時間かくはんした。溶媒を減圧濃縮し、残
留物を酢酸エチルとアセトニトリルの混合溶媒(1:
2)で再結晶して、白色固体の(1f)4.93g
(4.75mmol)を得た。収率93%。(1f)
4.8g(4.62mmol)、t−Boc−Gly
0.96g(5.5mmol)、HoBt・Hz084
2mg(5.5mmol)を塩化メチレン30mlとD
MF15mlの混合溶媒に溶解した。ここに、ジイソプ
ロピルエチルアミン630mg(4.9mmol)とD
CC1.1g(5.3mmol)を加え、氷冷下で2時
間、室温で終夜かくはんした。以降(1d)と同様の後
処理を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製して(n−へキサン/酢酸エチル=3/2)、白色固
体(1g)3.95g(3.66mmol)を得た。収
率79%。(1g)2.0g(1.85mmol)を塩
化メチレン10mlに溶解し、TFA5mlを加え、室
温で30分かくはんした。溶媒を減圧で残留後、残留物
に酢酸エチルと4%炭酸ナトリウム水溶液を加えて抽
出、分液した。(この時、水層のpHがアルカリ性であ
ることを確認した。)酢酸エチル層を食塩水で洗浄し、
硫酸マグネシウムで乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去
した。得られた(1g)の脱保護体を塩化メチレン20
mlとDMF5mlの混合溶媒に溶解し、t−Boc−
Arg(Z)Z1.2g(2.15mmo1)とHoB
t/Hz0330mg(2.15mmol)を加えて氷
冷かくはんした。ここに、DCC460mg(2.2m
mol)を加え氷冷下で2時間、室温で終夜かくはんし
た。以降(1f)と同様の後処理を行い、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーで精製して(クロロホルム/酢
酸エチル=3/1)、白色固体の(1h)2.09g
(1.48mmol)を得た。収率80%。
l)を塩化メチレン10mlに溶解し、TFA5mlを
加えて室温で1時間かくはんした。溶媒を減圧で留去
後、残留物にクロロホルムと4%炭酸ナトリウム水溶液
を加えて抽出、分液した。(この時、水層のpHがアル
カリ性であることを確認した。)クロロホルム層を食塩
水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後に減圧留去
した。得られた(1h)の脱t−Bco体を塩化メチレ
ン10mlに溶解し、無水コハク酸120mgを加えて
室温でかくはんした。反応進行にともない白沈が生成し
た。1時間後溶媒を減圧濃縮し、残留物をアセトニトリ
ルとクロロホルムの混合溶媒(5:1)より再結晶し
て、白色固体(1i)920mg(0.61mmol)
を得た。収率92%。(1i)800mg(0.532
mmol)を酢酸20mlに55℃で溶解し、10%パ
ラジウム炭素を100mg加えてこの温度で常圧水素添
加を4時間行った。触媒をセライトで濾別して濾液を減
圧濃縮し、残留物にアセトニトリルを加えるを白色固体
が析出した。これを濾取することにより、化合物(1)
390mg(0.369mmol)を得た。収率69
%。 (M−H)− 1055(FAB,NEGA) アミノ酸分析、:Arg(1.03)、Gly(1.0
1)、Asp(1.02)、 ser
(0.91)
販のジミリストイルーsyn−グリセロールを用い、以
後同様の操作を行って化合物(4)を合成した。 (MーH)− 1027(FAB,NEGA) アミノ酸分析、:Arg(0.96)、Gly(1.0
4)、Asp(0.92)、 ser
(0.90)
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるペプチド誘
導体またはその塩。 一般式(I) 【化1】 式中、Arg 、Gly 、Asp はそれぞれアルギニン、グリシ
ン、アスパラギン酸残基を示す。〔X〕、〔Y〕は、存
在するかあるいは存在しないアミノ酸またはペプチド残
基を示す。mは1から5までの整数を示す。nは1から
5までの整数を示す。R1 およびR2 は、水素あるいは
炭素数8〜24の直鎖または分岐のアシル基またはアル
キル基であり、置換基、不飽和基を有していても良い。
また、分子内に存在する不斉炭素に関しては、ラセミ体
でも光学活性体のいずれでもよい。 - 【請求項2】 一般式(I)において、〔X〕、〔Y〕
が存在するアミノ酸残基またはペプチド残基を表し、
〔X〕、〔Y〕がセリン、グリシン、バリン、アスパラ
ギン、プロリン、システイン、トレオニン残基から選択
されるアミノ酸残基またはペプチド残基である請求項1
記載のペプチド誘導体またはその塩。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14276791A JP2694399B2 (ja) | 1991-05-20 | 1991-05-20 | ペプチド誘導体 |
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