JPH0531926U - 射出成形機のエジエクタ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 取付けや交換を容易にし、かつ可動盤の強度
を強める。 【構成】 可動盤１の本体１ａに設けられたトグルブラ
ケット１ｂ，１ｂの間にリブ１ｅを架設する。リブ１ｅ
にボルト１２で取り付けられた軸受装置９に筒体８を支
承し、この筒体８内にボールナット７を固定する。ボー
ルナット７にはボールスクリュ６を螺入し、エジェクタ
ピン１８を備えたエジェクタプレート１７を固定ナット
１９で取り付ける。可動盤１にサーボモータ２１を取り
付け、該モータ２１のプーリ２４と、筒体８に取り付け
られたプーリ１４にベルト２５を巻き掛ける。モータ２
１を作動させると、筒体８と一緒にボールナット７が回
転し、ボールスクリュ６と一緒にエジェクタプレート１
７がガイドバー１６に沿って移動する。リブ１ｅは可動
盤１の強度を強める。可動盤１に対する装着穴の加工が
不要なので、エジェクタ装置の取付けや交換が容易であ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、射出成形機の可動盤に設けられるモータにより、スクリュにナット を螺合した直線移動機構を作動してエジェクタピンを駆動する電動式のエジェク タ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

射出成形機の電動式エジェクタ装置として、図３（特開昭６２−８００１６号 公報）と図４（実開昭６１−２８５１１号公報）に示すものが知られている。 すなわち、図３のエジェクタ装置においては、可動盤１に形成された装着穴１ ｋに軸受装置９がその端部を嵌め込んでボルト３０で固定されている。軸受装置 ９のボールベアリング１１には筒体８が回転自在に支承され、該筒体８内にはボ ールナット７が固定されている。そしてボールナット７にはボールスクリュ６が 螺入されている。筒体８にはプーリ１４が一体に取り付けられており、電動モー タ（図示せず）によりプーリ１４と筒体８を介してボールナット７を回転させる ことにより、ボールスクリュ６と一緒にエジェクタピン１８を進退させる。

【０００３】 また、図４のエジェクタ装置にあっては、可動盤１に形成された装着穴１ｍ， １ｎに軸受装置３１とブラケット３２が嵌め込まれ、ボルト３３，３４で個々に 固定されている。軸受装置３１にはスクリュ６が支承され、またブラケット３２ には電動モータ２１が取り付けられている。スクリュ６には、エジェクタピン１ ８を備えたエジェクタプレート１７が、ナット７をスクリュ６に螺合して取り付 けられており、電動モータ２１でプーリ２４、伝動ベルト２５、及びプーリ１４ を介してスクリュ６を回転させると、エジェクタピン１８がエジェクタプレート １７と一緒に進退する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の電動式エジェクタ装置においては、可動盤１に装着穴１ｋ，１ｍ， １ｎを穿設してこれに軸受装置９，３１やブラケット３２を嵌め込み、ボルト３ ０，３３，３４で固定しているが、このような構造であると、可動盤１の強度が 低下し、型締時の変形量が多くなるとともに、エジェクタ装置の取付け、交換等 が面倒であるという問題がある。

【０００５】 本考案は、可動盤の強度を高めて型締時の変形量を少なくすることができ、ま た、取付けや交換等が容易な、射出成形機のエジェクタ装置を提供することを目 的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案は、モータと、スクリュにナットを螺合 した直線移動機構と、上記モータによる上記直線移動機構の作動で動かされるエ ジェクタピンとを備え、可動盤本体に突設された一対のトグルブラケット部を該 一対のトグルブラケット部に個々に連結されたトグル機構の一対のトグルリンク で押されて固定盤との間で金型を型締めする射出成形機の可動盤に設けられるエ ジェクタ装置において、上記一対のトグルブラケット部の間にリブを架設し、該 リブに上記直線移動機構を取り付けるとともに、該直線移動機構にエジェクタピ ンを備えたエジェクタプレートを可動盤本体とリブの間において取り付けた構成 とした。

【０００７】

【作用】

一対のトグルブラケット部の間に架設されたリブは可動盤の強度を高め、型締 め時の可動盤の変形を防ぐ。また、上記のリブに直線移動機構を取り付けるので 、可動盤に装着穴を設ける必要がなく、可動盤の強度が弱められることがないと ともに、エジェクタ装置の取付けや交換が容易である。

【０００８】

【実施例】

図１と図２は本考案の一実施例を示すもので、図中符号１は可動盤である。可 動盤１の基本構造、すなわち、矩形状の可動盤本体１ａに上下一対のトグルブラ ケット部１ｂ，１ｂを一体に設け、また可動盤本体１ａの四隅のボス１ｃにタイ ロッド２が挿通される軸孔１ｄを設けた構造は従来と変わりがない。

【０００９】 上下一対のトグルブラケット部１ｂ，１ｂは、可動盤本体１ａの厚さ方向に突 き出して設けられており、それらの間に架設されたリブ１ｅによって相互に一体 に結合されている。トグルブラケット部１ｂには軸孔１ｆが設けられ、該軸孔１ ｆにピン３を差し込んでトグルブラケット部１ｂにトグルリンク４が取り付けら れる。トグルリンク４は左右一組のトグルブラケット部１ｂ，１ｂの間に挟み込 まれ、回動自在とされている。リブ１ｅは可動盤１の強度を強める。

【００１０】 また、符号５は直線移動機構である。直線移動機構５は、ボールスクリュ６と 、該ボールスクリュ６に螺合されたボールナット７とから成る。ボールナット７ は筒体８内に固定されるとともに、筒体８は軸受装置９のボールベアリング１１ で支承され、ボールナット７と一緒に周方向に回転する。軸受装置９は複数のボ ルト１２でリブ１ｅに固定され、また、筒体８は、リブ１ｅに形成された透孔１ ｈにその一端を挿入して２個の締付けナット１３，１３でボールベアリング１１ のインナーケースに固定されている。

【００１１】 筒体８の他端（開口端）には環状のタイミングプーリ１４が、その中心をボー ルスクリュ６及びボールナット７の、可動盤１に垂直な中心に一致させて複数の ボルト１５で固定されている。ボールスクリュ６は筒体８の開口端及びタイミン グプーリ１４から出没自在である。

【００１２】 可動盤１のリブ１ｅの左右には、一対のガイドバー１６，１６が可動盤１に垂 直に突設されている。一対のガイドバー１６，１６には、エジェクタプレート１ ７が、可動盤１とリブ１ｅとの間において移動自在に支持されている。エジェク タプレート１７はエジェクタピン１８を備え、ボールスクリュ６に固定ナット１ ９で固定されている。なお、エジェクタプレート１７は図１で省略されている。

【００１３】 また、可動盤１の側面には、サーボモータ２１がブラケット２２を介して取り 付けられている。サーボモータ２１の出力軸２３にはタイミングプーリ２４が取 り付けられ、サーボモータ２１の回転をタイミングベルト２５を介してタイミン グプーリ１４に伝える。

【００１４】 次に上記のように構成された本考案に係る射出成形機のエジェクタ装置の作用 を説明する。 金型を型締めする場合には、周知のようにトグル機構のトグルリンク４，４で トグルブラケット部１ｂ，１ｂを押圧し、可動盤１をタイロッド２に沿って移動 させる。型締め状態においてトグルブラケット１ｂ，１ｂはトグルリンク４，４ で外方に開くように強く押されるが、トグルブラケット部１ｂ，１ｂの間に架設 されているリブ１ｅが可動盤本体１ａの変形を可及的に小さく抑える。このため 成形精度の高い製品を得ることができる。

【００１５】 また、型締時におけるトグルブラケット部１ｂのずれ量が微小となるため、ト グル機構の各リンクに設計通りの力がかかるようになり、所定の型締力が効率的 に得られるとともに、過大な力で型締めを行う必要がないため、寿命を低下させ ることもない。

【００１６】 型締めが終了したら、直ちに金型のキャビティにノズルから溶融樹脂を射出し て成形し、金型を開いた後、サーボモータ２１を正転させる。これによりボール ナット７が筒体８と一緒に回転してボールスクリュ６を図２で右に動かす。した がってエジェクタプレート１７が右に押し動かされてエジェクタピン１８を突き 出し、製品を金型から離脱させる。エジェクタピン１８の後退はサーボモータ２ １を逆転させて行うことは言うまでもない。なお、場合によってはサーボモータ ２１に代えて油圧モータを用いることができる。また、モータ２１でボールスク リュ６を回転させてボールナット７と一緒にエジェクタプレート１７を移動させ る構成とすることもできる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る射出成形機のエジェクタ装置は、モータと 、スクリュにナットを螺合した直線移動機構と、上記モータによる上記直線移動 機構の作動で動かされるエジェクタピンとを備え、可動盤本体に突設された一対 のトグルブラケット部を該一対のトグルブラケット部に個々に連結されたトグル 機構の一対のトグルリンクで押されて固定盤との間で金型を型締めする射出成形 機の可動盤に設けられるエジェクタ装置であって、上記一対のトグルブラケット 部の間にリブが架設され、該リブに上記直線移動機構が取り付けられるとともに 、該直線移動機構にエジェクタピンを備えたエジェクタプレートが可動盤本体と リブの間において取り付けられた構成とされているので、可動盤の強度が強く、 型締め時の変形量が少ない。また可動盤に装着穴を設け、これを利用して直線移 動機構を可動盤に取り付ける従来方式に比較して、エジェクタ装置の取付けや交 換が容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例を示すもので、本考案に係
る射出成形機のエジェクタ装置の正面図である。

【図２】 図１の（II−II）線に沿う断面図である。

【図３】 従来のエジェクタ装置の断面図である。

【図４】 従来の他のエジェクタ装置の断面図である。

【符号の説明】

１ 可動盤 １ａ 可動盤本体 １ｂ トグルブラケット部 １ｅ リブ ４ トグルリンク ５ 直線移動機構 ６ ボールスクリュ ７ ボールナット １７ エジェクタプレート １８ エジェクタピン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 モータと、スクリュにナットを螺合した
   直線移動機構と、上記モータによる上記直線移動機構の
   作動で動かされるエジェクタピンとを備え、可動盤本体
   に突設された一対のトグルブラケット部を該一対のトグ
   ルブラケット部に個々に連結されたトグル機構の一対の
   トグルリンクで押されて固定盤との間で金型を型締めす
   る射出成形機の可動盤に設けられるエジェクタ装置であ
   って、上記一対のトグルブラケット部の間にリブが架設
   され、該リブに上記直線移動機構が取り付けられるとと
   もに、該直線移動機構にエジェクタピンを備えたエジェ
   クタプレートが可動盤本体とリブの間において取り付け
   られたことを特徴とする射出成形機のエジェクタ装置。