JPH0531899B2

JPH0531899B2 -

Info

Publication number: JPH0531899B2
Application number: JP26139085A
Authority: JP
Inventors: Nobuo Ise; Hidehito Kanazawa; Hirosuke Ookura
Original assignee: Taiho Kogyo Co Ltd
Current assignee: Taiho Kogyo Co Ltd
Priority date: 1985-11-22
Filing date: 1985-11-22
Publication date: 1993-05-13
Also published as: JPS62121775A

Description

【発明の詳細な説明】

（産業上の利用分野）この発明は、インクジエツト記録用、筆記具
用、記録計用、スタンプ用などに適した水性記録
用インク、特にインクジエツト記録用インクとし
てノズルの目詰り等がなく、しかも印字後の速乾
性に優れ、記録用紙の選択範囲を拡大できる水性
記録用インクに関するものである。（従来の技術）インクジエツト記録方式による記録は、低騒音
であり、且つ記録の高速化及びカラー化が容易で
あり、また普通紙が使用できる可能性があるた
め、近年各種プリンター、フアクシミリ等への応
用、開発が盛んに行われている。インクジエツト記録方式としては、インク液滴
制御方式並びに吐出方式の各種組合せにより種々
の特徴ある記録方式が提案されており、またこれ
に使用するインクについても油性、水性があり、
水性記録用インクとしては水溶性染料、水溶性有
機溶剤及び水を必須成分とするものが使用されて
いる。（発明が解決しようとする問題点）しかし、上述のインクジエツト記録方式におい
ても微細なノズルオリフイスよりインクを均一な
液滴として連続的に安定して噴射させなければな
らず、したがつて上述の水性記録用インクについ
ても解決すべき問題点としてノズルの目詰りがあ
る。この解決方法として水溶性染料、水溶性有機溶
剤及び水を必須成分とする水性記録用インク組成
中にノズル内及びノズル先の乾燥抑制のための保
湿剤、染料等の析出防止のための染料溶解剤及び
かびの発生を抑制するための防黴剤等を配合する
ことが行われている。しかし、ノズルオリフイスより飛翔したインク
粒子は記録紙に付着した後、急速に乾燥させる必
要があり、これはノズル先で乾燥させないという
条件とは相反する条件であり、したがつて上記の
ようにノズル先で乾燥させない配合を採用すれ
ば、記録紙上での速乾性が損われる結果となる。また、記録紙上での速乾性を解決するために、
インクを急速に浸透乾燥させる記録紙を使用する
場合には使用する記録紙の選択範囲が限定されて
しまう。そこで、この発明は上述の水性記録用インク
に、インクジエツト用記録用紙は勿論、一般に市
般されている普通紙（筆記用紙、記録計用紙及び
複写用紙等）にも記録することができ、その上記
録後の速乾性に優れ、かつノズルにおける目詰り
等の生じないような特性を付与することを目的と
するものである。（問題点を解決するための手段）以上の目的を解決するために、この発明では水
溶性染料、水溶性有機溶剤及び水を必須成分とす
る水性記録用インクに下記一般式で表わされるア
ルキルグリシルエーテルスルホン酸塩（式中、Ｒは炭素原子数３〜12のアルキル基、Ｍ
はナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、アン
モニア基、アルコキシル基、アミン基を示す）を含有する水性記録用インクを提案するものであ
る。この発明に使用できる水溶性染料は、直接染料
及び酸性染料の中でも、水、水溶性有機溶剤に対
する溶解性が良く、記録された画像の耐水性、耐
候性を向上させる染料が望ましく、例えば C.I.Direct Black ＃17、＃19、＃38、＃108、
＃154 C.I.Acid Black ＃２、＃７、＃31、＃94、
＃155 C.I.Direct Blue ＃２、＃６、＃25、＃98、
＃194 C.I.Acid Blue ＃７、＃９、＃104、＃167、
＃234 C.I.Direct Red ＃１、＃９、＃17、＃28、
＃99 C.I.Acid Red ＃18、＃52、＃94、＃143、
＃259 C.I.Direct Yellow ＃８、＃27、＃58、＃86、
＃142 C.I.Acid Yellow ＃７、＃17、＃42、＃65、
＃155 等を挙げることができ、その添加量は添加後の染
料の溶解、析出等を考慮して9wt％以下にするこ
とが望ましい。また水溶性有機溶剤としては、例えばエチレン
グリコール、ジ又はトリ又はポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ヘキシレング
リコール、グリセリン、ポリグリセリン等の多価
アルコール類、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルグリコール、ジエ
チレングリコールモノブチルグリコール、ジエチ
レングリコール、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、トリエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、エチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、グリセリンモノアセテート等の多
価アルコールのアルキルエーテル類及びそのアセ
テート類、又はアミノアルコール類の一種又は二
種以上を組合せて用いることができ、その添加量
は添加後のインクの吐出安定性及び低温安定性等
を考慮して８〜40wt％の範囲が望ましい。上記水溶性染料、水溶性有機溶剤と水を必須成
分とする水性記録用インク中に添加されるアルキ
ルグリシルエーテルスルホン酸塩は上記構造式で
表わされるアニオン系界面活性剤で、耐アルカリ
性、耐酸化性に優れ、特に本願発明者等の研究に
よれば優れた浸透力を有し、かつ染料の溶解性を
助長する等の特徴を有しており、この発明におい
ては水性記録用インク中に浸透剤、染料溶解助剤
として上記アルキルグリシルエーテルスルホン酸
塩を加えるものである。その添加量は浸透剤及び
染料溶解助剤としては0.1〜5wt％が望ましく、こ
の範囲における粘度は25℃で1.5〜16センチポイ
ズの範囲に調整され、吐出安定性が得られる。しかし、添加量が0.1wt％以下であると紙に対
する浸透力が劣り、記録後の速乾性が得られな
い。また、添加量が例えば5wt％以上になると、速
乾性能は優れているが、インクが高粘度化し、イ
ンクの吐出安定性に悪影響を与える。なお、この発明に係るインク中にはその特性を
損わない程度に、長期保存のためにジオキサン、
デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等
の防黴剤を配合することができる。（作用）この発明に係る水性記録用インクは、インクジ
エツト用記録用紙は勿論のこと、一般に市販され
ている普通紙にも記録することができ、その上記
録後の速乾性に優れ、更にノズルにおける目詰り
等も生じない。即ち、インクジエツト記録用紙は、インクジエ
ツト記録装置のノズルオリフイスからインク液滴
が紙面に衝突付着し、浸透吸収された時点の見掛
け乾燥を高めるため、特別に工夫されたものであ
るが、普通紙においてはそのサイズ度、吸水度、
空隙率、透気度、平滑度等の諸物性によつて浸透
吸収性が変化する。このような紙の性質の変化に
対応できる速乾性インクとしては、インク自体が
優れた浸透力を有することが必要であるが、本願
発明者等の研究によれば上述のアルキルグリシル
エーテルスルホン酸塩は優れた浸透剤であつて、
これを加えることによつてインクに浸透力を付与
することができ、しかも染料の溶解性が促進さ
れ、ノズルの目詰り等の問題も解消されるのであ
る。即ち、このアルキルグリシルエーテルスルホン
酸塩を、水溶性染料、水溶性有機溶剤及び水を必
須成分とする水性記録用インク中に少量添加して
各種の紙面上に2μ程度滴下したところ、どの
紙面上でも乾燥時間が５秒以下という充分な乾燥
性を示し、かつインクジエツトプリンターによる
印字も良好であり、したがつてこの発明に係るイ
ンクを使用する場合には記録紙の選択範囲を拡大
することができる。（実施例）以下、この発明の実施例を示すが、この発明は
勿論これ等の実施例に限定されるものではない。

【表】

【表】上記配合例１〜４および比較配合例１、２の組
成を混合し、孔径0.45μのメンブランフイルター
で吸引過後、減圧で脱気処理してインクを調整
した。得られたインクをドロツプオンデマンド型イン
クジエツト記録装置を用い、周波数2KHz、パル
ス電圧80V、ノズルの直径60μの条件で、各種の
記録試験を行い、下記(1)〜(3)の性状について試験
した。 (1) 連続吐出安定性恒温環境室で、５℃、20℃、40℃の雰囲気中
で各々48時間の連続吐出試験を行なつたが、い
ずれの条件においても安定した鮮明な記録が得
られた。 (2) 吐出応答性 15分毎の間欠吐出と４週間放置後の吐出につ
いて行なつたが、いずれの場合もノズルの目詰
り等の異常はなく、初期の記録状態と全く変わ
らない安定した鮮明な記録が得られた。 (3) 記録乾燥性インクジエツト用記録紙（シリカコート紙）、
筆記用紙Ａ（JIS・P3201の規格に準じを便せん
用紙）、筆記用紙Ｂ（JIS・P3202の規格に準じ
る事務用紙）、筆記用紙Ｃ（JIS・P3203の規格
に準じるノート用紙）の４種類の記録用紙を用
いて下記の試験により乾燥性を比較した。 (a) 転写試験法上記の用紙にインクジエツトプリンターに
よつて１行５秒間隔で印字するようにセツト
して１分間（12行）印字した。この印字した
用紙をガラス板上に載せ、10秒後に同質の用
紙を印字面に合せてその上にガラス板とおも
りを合せて重量500ｇを載せて両紙を圧着さ
せ、１分間静止し、両紙を離した時、重ねた
用紙に印字が転写した印字時間を調べた。そ
の試験結果を表１に示す。

【表】

【表】なお、表１中、印字時間10秒以内の転写
は、実用上は印字が全く転写されないことを
意味し、印字時間１分以上の転写は印字が全
て転写されたことを意味する。 (b) 摩擦試験法上記用紙にインクジエツトプリンターによ
つて記録直後（記録印字後１〜２秒）の印字
面を指で摩擦した後、印次状態を観察した。
その結果を表２に示す。

【表】表１及び２より明らかなように、市販の水
性インクではインクジエツト用記録用紙を使
用した場合にのみ速乾性を呈し、使用できる
記録用紙の範囲が限られているのに対し、上
記アルキルグリシルエーテルスルホン酸塩を
含有したこの発明に係る水性記録用インクは
インクジエツト用記録用紙のみならず、筆記
用紙Ａ、Ｂ、Ｃに対しても優れた速乾性を有
していることが認められた。（発明の効果）以上より明らかなように、この発明に係る水性
記録用インクはインクジエツト記録用インクとし
ての諸特性を満足し、特に鮮明な記録が得られる
とともに、従来インクジエツト記録用インクの多
くに見られるノズルの目詰りを生じない良好な水
性記録インクであり、しかもこの水性インクの特
徴である優れた速乾性により一般に市販されてい
る筆記具用紙等にも記録できるなど使用できる記
録用紙の選択範囲が広くなり、さらにインクジエ
ツト記録装置の高速化が可能となる。なお、この発明に係る水性記録用インクはイン
クジエツト記録用に限らず、筆記具用、記録計
用、スタンプ用等各種の水溶性記録インクとして
使用できる。

Claims

【特許請求の範囲】１水溶性染料、水溶性有機溶剤及び水を必須成
分とする水性記録用インクにおいて、下記一般式で表わされる化合物（式中、Ｒは炭素原子数３〜12のアルキル基、Ｍ
はアルカリ金属、アンモニア基、アルコキシル
基、アミン基を示す）を含有することを特徴とする水性記録用インク。