JPH05318572A - 繊維強化シート状成形材料の成形方法 - Google Patents

繊維強化シート状成形材料の成形方法

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JPH05318572A
JPH05318572A JP12346392A JP12346392A JPH05318572A JP H05318572 A JPH05318572 A JP H05318572A JP 12346392 A JP12346392 A JP 12346392A JP 12346392 A JP12346392 A JP 12346392A JP H05318572 A JPH05318572 A JP H05318572A
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JP
Japan
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molding
molding material
sheet
fiber
mold
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JP12346392A
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English (en)
Inventor
Hidehiko Tomokuni
英彦 友國
Yoshichika Kawabata
善周 川端
Shigeru Motomiya
滋 本宮
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱硬化性樹脂組成物を繊維強化材に含浸して
得られるシート材1を、メス型金型7を内部に収納する
容器3及び容器4に固定し、次いで空隙部5と空隙部6
とを同時に減圧し、その後空隙部5を加圧する。 【効果】 成形品の表面状態が良好。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中温度で成形可能な繊
維強化シート状成形材料および成形方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、熱硬化性樹脂によるシート状成形
材料は、熱硬化性樹脂とガラス繊維、無機充填材の混合
物を酸化マグネシウム等で増粘したSMC(Sheet Moul
ding Compound)あるいは繊維強化材に熱硬化性樹脂を
含浸乾燥させたプリプレグがある。これらのシート状成
形材料は、100〜160℃の成形温度と30〜60kg/cm2の成形
圧力下で成形する必要があるため、高価なオス型、メス
型で一対となる合型と高圧力を供給する高価なプレス機
が必要となる。このため多大なイニシャルコストがかか
ることと、成形品の形状変更が容易にできない等の欠点
がある。
【0003】このため従来より、特開平3−11142
9号公報、特開平3−109434号公報、特開平3−
109433号公報には、熱硬化性樹脂組成物を含浸し
たシート状成形材料の真空成形法として、ポリエステル
樹脂含浸のシート状成形材料を成形型に固定し、空隙部
を減圧する事で型に密着、硬化させる技術が開示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の真
空成形法では、成形型に多数の減圧口を設けているた
め、得られた製品に減圧口跡が転写され良好な製品面が
得られない、また既存の成形法ではシート状成形材料の
型側のフィルムを剥離除去した後、成形すると減圧口が
樹脂等で詰まり成形型に密着硬化させることができない
という課題があった。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、成形品
に減圧口跡が転写されることがなく、しかも成形型への
密着性に優れた繊維強化シート状成形材料の成形方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、本発明を完成するに至
った。
【0007】即ち、本発明は、成形面を有する部分
(1)と有しない部分(2)とに分割することができ、
かつそれぞれの部分で成形面以外に減圧口・加圧口を有
する容器に、熱硬化性樹脂組成物を繊維強化材に含浸
し、両面もしくは片面にプラスチックフィルムを有する
シート状成形材料を設置し、かつ該成形材料によって上
記部分(1)と部分(2)とを分割するように固定した
後、上記各部分と該成形材料によって形成される2つの
空隙部を同時に減圧し、次いで部分(2)と該成形材料
とで形成される空隙部を加圧することを特徴とする繊維
強化シート状成形材料の成形方法に関するものである。
【0008】本発明で用いる容器は、成形面を有する部
分(1)と有しない部分(2)とに分割することがで
き、かつそれぞれの部分で成形面以外に減圧口・加圧口
を有するものであればよく、成形面が容器と一体に成っ
ていても或いは、オス型またはメス型の成形面を有する
成形型がその内部に収納されていてもよいが、イニシャ
ルコストが低くできる点からオス型またはメス型の成形
面を有する成形型がその内部に収納されているものが好
ましい。
【0009】特に、オス型またはメス型の成形面を有す
る成形型がその内部に収納されている容器を用いる場合
には、型の材質は、木材、プラスチックス、金属ガラ
ス、セラミックス等から選択され、特に高温に耐え得る
様な型は必要としないものである。
【0010】本発明の成形方法は、具体的には例えば次
のようにして行なう事ができる。例えば、第1図(a)
のようにメス型の成形型を内部に収納した容器を用いる
場合は、繊維強化シート状成形材料1の周囲を所定の大
きさに裁断しシートクランプ2にて固定後、メス型7を
収納した減圧・加圧ボックス3、4間に導入、さらに減
圧・加圧ボックス3、4を閉じることにより空隙部5、
6を確保する。次いで100℃以下で全体を加熱し、空
隙部5、6を同時に減圧した後、空隙部6は真空のま
ま、空隙部5を加圧もしくは常圧にし該成形材料1と該
型7とを密着させて硬化させる(第1図(b))。
【0011】また、第3図(a)のようにオス型の成形
型を内部に収納した容器を用いる場合は繊維強化シート
状成形材料1の周囲を所定の大きさに裁断しシートクラ
ンプ2にて固定後、100℃以下で全体を加熱し、オス
型7を収納した減圧・加圧ボックス3、4間に導入、さ
らに減圧・加圧ボックス3、4を閉じることにより空隙
部5、6を確保する。次に空隙部5、6を同時に真空と
した後、空隙部6は真空のまま、空隙部5を加圧もしく
は常圧にし該成形材料1と該型7とを密着させて硬化さ
せる(第3図(b))。
【0012】本発明の成形法は上述したようにこれらの
具体例に限定されるものではない。
【0013】本発明で用いる熱硬化性樹脂組成物を繊維
強化材に含浸したシート状成形材料は、成形時における
樹脂粘度が10000poise以下であることがその成形
性及び成形型への密着性に優れる点から好ましく、中で
も10〜5000poiseであることが更に好ましい。
【0014】また、繊維強化シート状材料の厚さとして
は、成形性及び成形品の強度に優れる点から1〜10m
mであることが好ましく、なかでも3〜9mmであるこ
とがこの効果が顕著となる点から好ましい。
【0015】本発明において、繊維強化シート状成形材
料が上述した程度に低粘性であれば特に成形前に該材料
を加熱する必要はないが、100℃以下に加熱し上記の
粘度にした後クランプに固定するか、若しくはクランプ
2に固定後100℃以下に加熱して上記の粘度にした後
減圧する方が成形型との密着性に優れる点から好まし
い。
【0016】また、繊維強化シート上成形材料と容器に
よって作られる2つの空隙部を減圧する際の減圧度は限
りなく真空に近い程好ましいが、実質上真空ゲージで7
60〜600mmHgの範囲であることが好ましい。
【0017】更に、ゲルコートあるいは他の表面材との
一体成形をする場合、あらかじめゲルコートあるいは他
の表面材が施された成形型を用い、該成形材料の成形型
側のプラスチックフィルムを剥離除去した後、前記成形
法と同様の方法で成形することができる。
【0018】本発明で用いられる熱硬化性樹脂組成物
は、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ウレタ
ン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を主
成分として含む組成物である。熱硬化性樹脂としては、
光硬化と熱硬化との双方に用いることができる点から不
飽和ポリエステル樹脂及びビニルエステル樹脂が好まし
い。
【0019】不飽和ポリエステル樹脂としては、特に限
定されるものではないが、エチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル等より選ばれるグリコール成分と、マレイン酸、無水
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等より選ばれる不飽
和酸成分、更に必要に応じてオルソフタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバチン酸、無水フ
タル酸、ヒドロ無水フタル酸、クロロ無水フタル酸等よ
り選ばれる飽和酸成分とを反応させて得られるものが挙
げられる。
【0020】この不飽和ポリエステル樹脂を用いて熱硬
化性樹脂とする場合、更にスチレンモノマー、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ク
ロロスチレン、2,5−ジクロロスチレン、ジビニルベ
ンゼン、ジアリルエーテル、ジアリルフタレート、ジア
リルフマレート、メタクリル酸メチル、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ア
リルメタクリレート、メタクリル酸エチル等の重合性単
量体を組成物中30〜50重量%となる範囲で上記不飽
和ポリエステルと混合することによって熱硬化性樹脂組
成物とすることができる。
【0021】また、ビニルエステル樹脂としては例えば
「ディックライトUE−7016」、「ディックライト
UE−5210」、「ディックライトUE−5101−
L」、「ディックライトUE−3505」等が挙げられ
る。
【0022】これらの樹脂は常温で非粘着性である事
が、成形時における切断部からの樹脂流出防止効果に優
れ、フィルム剥離が容易である点から好ましく、その方
法として、結晶化、無機充填剤の添加、チキソ付与剤の
添加、増粘材等があり、特に方法を限定するものではな
い。例えば増粘材によるものとしては、MgO,Mg(OH)2,Ca
O,Ca(OH)2,等を添加して錯塩を形成するものや、イソシ
アネート結合によるものがある。また、無機充填剤とし
ては、炭酸カルシウム、シリカ、チャイナクレイ、ドロ
マイト、タルク、バライト、水酸化アルミニウム等が挙
げられ、2種以上を併用してもよい。
【0023】本発明で用いられる繊維強化材としては、
例えばガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、有機
繊維等が挙げられ特に限定するものではない。成形型へ
の賦形性を重視する場合の繊維強化材の形態は、チョッ
プドストランド、あるいはスパンボンドが望ましい。こ
れらの繊維強化剤は通常熱硬化性樹脂組成物中20〜4
0重量%以下で使用できる。
【0024】また、フィルムとしては、合成樹脂フィル
ムであれば特に限定されるものではなく、その材質とし
ては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、EVA、
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニリデ
ン、ナイロンポリエステル等が挙げられるが、中でもポ
リビニルアルコール、ナイロンポリエステルが好まし
い。また、これらのフィルムは必要に応じて多層フィル
ムを用いてもよい。
【0025】硬化方法は特に限定するものではなく、一
般公知の有機過酸化物、アゾ化合物を組成物中に混合し
熱硬化させる方法、或いはベンゾインアルキルエーテル
類、ベンゾインチオエーテル類、フェノン類、アシルホ
スフィンオキシド類等を組成物中に混合し光硬化させる
方法等が挙げられる。また、電子線による 硬化方法を
用いても良い。
【0026】また、本発明の繊維強化シート状成形材料
に必要に応じて充填材、顔料、低収縮化剤、滑材等を配
合しても良い。低収縮剤としては、熱可塑性樹脂で、具
体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、
エチルクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸の
低級アルキルエステル類、スチレン、塩化ビニル、酢酸
ビニル等の単量体の単独重合体又は共重合体類、前記ビ
ニル単量体の少なくとも1種と、ラウリルメタクリレー
ト、イソビニルメタクリレート、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、ヒドロキシルアルキルアクリレート又は
メタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アクリル酸、メタクリル酸、セチルステアリルメタ
クリレートよりなる単量体の少なくとも1種の共重合体
などの他、セルロースアセテートブチレート及びセルロ
ースアセテートプロピオネート、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等が挙げられる。
【0027】本発明で用いる繊維強化シート状成形材料
は、上述した熱硬化性樹脂組成物を繊維強化材に含浸し
て得られるものであるが、具体的には該組成物を上述し
たフィルムに塗布し、繊維強化材を任意の長さに切断し
て散布し、その上を別途該樹脂を塗布したフィルムで覆
いローラー等で含浸脱泡せしめることにより製造され
る。
【0028】
【実施例】以下に合成例、実施例、比較例をもって、本
発明を詳細にするが、「部」、「%」は、重量基準であ
るものとする。
【0029】合成例1(不飽和ポリエステル樹脂UP−
1の合成) 攪拌機、還流冷却塔、窒素ガス導入管、温度計を備えた
反応容器に1,4-ブタンジオール1734g、エチレングリコ
ール512g、アジピン酸365g、テレフタール酸1661gを仕
込み215℃まで昇温し、酸価2 まで反応させた。140℃に
冷却後、フマル酸1451g、ハイドロキノン0.76gを仕込み
205℃で酸価18まで反応させた後、スチレンモノマーで
希釈し不揮発分66%とし、不飽和ポリエステル樹脂UP
−1を得た。 不飽和ポリエステル樹脂UP−1は、B
M型粘度計で80℃における溶融粘度を測定した結果、1.
2poiseであった。
【0030】合成例2(不飽和ポリエステル樹脂UP−
2の合成) 攪拌機、還流冷却塔、窒素ガス導入管、温度計を備えた
反応容器に1,2-プロピレングリコール799g、フマル
酸1161gを仕込み210 ℃まで昇温し、酸価17まで反
応させた後、スチレモノマーで希釈し不揮発分67%と
し、不飽和ポリエステル樹脂UP−2を得た。 不飽和
ポリエステル樹脂UP−2は、BM型粘度計で25℃にお
ける溶融粘度を測定した結果、28poiseであった。
【0031】合成例3(不飽和ポリエステル樹脂UP−
3の合成) 攪拌機、還流冷却塔、窒素ガス導入管、温度計を備えた
反応容器に1,4-ブタンジオール1081g、1,6-ヘキサンジ
オール1416g、アジピン酸290g、テレフタール酸1328gを
仕込み215℃まで昇温し、酸価2 まで反応させた。140℃
に冷却後、フマル酸1160g、ハイドロキノン0.76gを仕込
み205℃で酸価18まで反応させた後、スチレンモノマー
で希釈し不揮発分66%とし、不飽和ポリエステル樹脂U
P−3を得た。
【0032】不飽和ポリエステル樹脂UP−3は、BM
型粘度計で80℃における溶融粘度を測定した結果、2.0p
oiseであった。 製造例1(繊維強化シート成形材料A−1の製造) UP−1を80℃に昇温、溶融し、光重合開始剤LUCIRIN
TPO(BASF社製)を1.0重量%を配合し、30ミクロン
の厚さのポリビニルアルコールフィルムの上に塗布し2
インチのチョップドストランドを散布した後、更に本配
合物が塗布された30ミクロンの厚さのポリビニルアルコ
ールフィルムを本配合物がチョップドストランド側にく
るように覆いかぶせローラー等で含浸脱泡した後常温ま
で冷却し繊維強化シート状成形材料A−1を得た。A−
1は厚みが3.0mmでありチョップドストランドの含有率
は約30重量%であった。
【0033】繊維強化シート状成形材料A−1は、常温
で非粘着性でプラスチックフィルムの剥離除去が容易に
可能なものであった。 製造例2(繊維強化シート成形材料A−2の製造) UP−2に過酸化物触媒TX-21LS50を2.0重量%(化薬ア
クゾ社製)、酸化マグネシウム1.5重量%、パラベンゾ
キノン50ppmを配合し、30ミクロンの厚さのポリビニル
アルコールフィルムの上に塗布し2インチのチョップド
ストランドを散布した後、更に本配合物が塗布された30
ミクロンの厚さのポリビニルアルコールフィルムを本配
合物がチョップドストランド側にくるように覆いかぶせ
ローラー等で含浸脱泡した後45℃で24時間熟成し繊維強
化シート状成形材料A−2を得た。A−2は厚みが3.0m
mでありチョップドストランドの含有率は約30重量%で
あった。
【0034】繊維強化シート状成形材料A−2は、常温
で非粘着性でプラスチックフィルムの剥離除去が容易に
可能なものであった。 製造例3(繊維強化シート状成形材料A−3の製造) UP−3を溶融し、パーブチルo(日本油脂社製t−ブ
チル−2−エチルヘキサノエート)2.0重量部を配合し
実施例1と同様、30ミクロンの厚さのポリビニルアルコ
ールフィルムの上に塗布し2インチのチョップドストラ
ンドを散布した後、更に本配合物が塗布された30ミクロ
ンの厚さのポリビニルアルコールフィルムを本配合物が
チョップドストランド側にくるように覆いかぶせローラ
ー等で含浸脱泡した後、常温まで冷却し繊維強化シート
状成形材料A−3を得た。A−3は厚みが3.0mmであり
チョップドストランドの含有率は約30重量%であった。
【0035】繊維強化シート状成形材料A−3は、常温
で非粘着性でプラスチックフィルムの剥離除去が容易に
可能なものであった。 実施例1 成形型面のプラスチックフィルムを剥離除去した繊維強
化シート状成形材料A−1を第1図(a)に示す装置を
用い、第1図(a)の様にシートクランプ2により固定
した後、60℃に加熱した。次に、予めゲルコート層を有
するメス型7を収納した透明プラスチック製減圧・加圧
ボックス3、4間にシートクランプされた該成形材料を
導入、さらに減圧・加圧ボックス3、4を閉じることに
より空隙部5、6を確保した。次に空隙部5、6を同時
に真空とした後、空隙部6は真空のまま、空隙部5を2k
g/cm2に加圧し、該成形材料A−1とゲルコート層を有
する該型7とを密着させて(第1図(b)参照)紫外線
照射により、第2図に示すようなゲルコート付きFRP
一体成形物B−1を得た。
【0036】ゲルコート付きFRP一体成形物B−1の
製品面は良好で、FRPとゲルコートの層間密着も良好
なものであった。 実施例2 成形型面のプラスチックフィルムを剥離除去した繊維強
化シート状成形材料A−2を第3図(a)に示す装置を
用い、第3図(a)の様にシートクランプ2により固定
した後、80℃に加熱した。
【0037】次に、予めゲルコート層を有する温調可能
なオス型7を収納したアルミ製減圧・加圧ボックス3、
4間にシートクランプされた該成形材料を導入、さらに
減圧・加圧ボックス3、4を閉じることにより空隙部
5、6を確保した。次に空隙部5、6を同時に真空とし
た後、空隙部6は真空のまま、空隙部5を2kg/cm2に加
圧し、該成形材料A−2とゲルコート層を有する該型7
とを密着させて(第3図(b)参照)、90℃で加熱硬化
させ、第4図に示すようなゲルコート付きFRP一体成
形物B−2を得た。
【0038】ゲルコート付きFRP一体成形物B−2の
製品面は良好で、FRPとゲルコートの層間密着も良好
なものであった。 実施例3 成形型面のプラスチックフィルムを剥離除去した繊維強
化シート状成形材料A−3を第3図(a)に示す装置を
用い、第3図(a)の様にシートクランプ2により固定
した後、80℃に加熱した。次に、予めプリフォームされ
たトリコット表皮材を有する温調可能なオス型9を収納
したアルミ製減圧・加圧ボックス3、4間にシートクラ
ンプされた該成形材料を導入、さらに減圧・加圧ボック
ス3、4を閉じることにより空隙部5、6を確保した。
次に空隙部5、6を同時に真空とした後、空隙部6は真
空のまま、空隙部5を常圧にし、該成形材料A−3とト
リコット表皮材を有する該型7とを密着させて(第3図
(b)参照)、90℃で加熱硬化させ、第4図に示すよう
なトリコット表皮材付きFRP一体成形物B−3を得
た。
【0039】トリコット表皮材付きFRP一体成形物B
−3の製品面の質感は良好で、FRPとの密着も良好な
ものであった。 製造例4(繊維強化シート状成形材料A−4の製造) UP−1を80℃に昇温、溶融し、光重合開始剤Darocur-
1173(MERCK社製)を1.0重量%を配合し、30ミク
ロンの厚さのポリビニルアルコールフィルムの上に塗布
し2インチのチョップドストランドを散布した後、更に
本配合物が塗布された30ミクロンの厚さのポリビニルア
ルコールフィルムを本配合物がチョップドストランド側
にくるように覆いかぶせローラー等で含浸脱泡した後常
温まで冷却し繊維強化シート状成形材料A−4を得た。
A−4は厚みが3.0mmでありチョップドストランドの含
有率は約30重量%であった。
【0040】繊維強化シート状成形材料A−4は、常温
で非粘着性でプラスチックフィルムの剥離除去が容易に
可能なものであった。 実施例4 成形型面のプラスチックフィルムを剥離除去した繊維強
化シート状成形材料A−4を第1図(a)に示す装置を
用い、第1図(a)の様にシートクランプ2により固定
した後、60℃に加熱した。
【0041】次に、予めゲルコート層を有するメス型7
を収納した透明プラスチック製減圧・加圧ボックス3、
4間にシートクランプされた該成形材料を導入、さらに
減圧・加圧ボックス3、4を閉じることにより空隙部
5、6を確保した。次に空隙部5、6を同時に真空とし
た後、空隙部6は真空のまま、空隙部5を2kg/cm2に加
圧し、該成形材料A−4とゲルコート層を有する該型7
とを密着させ(第1図(b)参照)て紫外線照射によ
り、第2図に示すようなゲルコート付きFRP一体成形
物B−4を得た。
【0042】ゲルコート付きFRP一体成形物B−4の
製品面は良好で、FRPとゲルコートの層間密着も良好
なものであった。 製造例5(繊維強化シート状成形材料A−5の製造) ディックライトUE-3505(大日本インキ化学工業社製ビ
ニルエステル樹脂)に、光重合開始剤Darocur-1173(M
ERCK社製)を1.0重量%を配合し、30ミクロンの厚
さのポリビニルアルコールフィルムの上に塗布し2イン
チのチョップドストランドを散布した後、更に本配合物
が塗布された30ミクロンの厚さのポリビニルアルコール
フィルムを本配合物がチョップドストランド側にくるよ
うに覆いかぶせローラー等で含浸脱泡し繊維強化シート
状成形材料A−5を得た。A−5は厚みが3.0mmであり
チョップドストランドの含有率は約30重量%であった。
【0043】実施例5 シート状成形材料A−5を第1図に示す装置を用い、第
1図の様にシートクランプ2により固定した後、40℃に
加熱した。メス型7を収納した透明プラスチック製減圧
・加圧ボックス3、4間にシートクランプされた該成形
材料を導入、さらに減圧・加圧ボックス3、4を閉じる
ことにより空隙部5、6を確保した。次に空隙部5、6
を同時に真空とした後、空隙部6は真空のまま、空隙部
5を常圧にし、該成形材料A−5と該型7とを密着させ
て紫外線照射により、成形物B−5を得た。
【0044】成形物B−5の製品面は良好なものであっ
た。 比較例1 熱可塑性プラスチックシート、カイダック#3000(筒中
プラスチック工業社製)を第1図(a)に示す装置を用
い、第1図(a)の様にシートクランプ2により固定し
た後、100℃に加熱した。次に、予めゲルコート層を有
するメス型7を収納した透明プラスチック製減圧・加圧
ボックス3、4間にシートクランプされた該成形材料を
導入、さらに減圧・加圧ボックス3、4を閉じることに
より空隙部5、6を確保した。次に空隙部5、6を同時
に真空とした後、空隙部6は真空のまま、空隙部5を3k
g/cm2に加圧したが、該成形材料カイダック#3000は成形
可能な温度に達しておらず、ゲルコート層を有する該型
7とを密着させて、ゲルコート付きFRP一体成形物を
得る事はできなかった。これ以上材料温度を上げる事
は、型及び減圧加圧ボックスの耐久性を越えるため危険
を伴うため、成形を断念した。
【0045】比較例2 成形型面のプラスチックフィルムを剥離除去した繊維強
化シート状成形材料A−1を第5図に示す装置を用い、
第5図の様にシートクランプ2により固定した後、60℃
に加熱した。次に、予めゲルコート層を有するメス型7
を収納した減圧ボックス3にシートクランプされた該成
形材料を固定し、さらに減圧ボックス3を真空とし、該
成形材料A−1とゲルコート層を有する該型7とを密着
させて紫外線照射により、ゲルコート付きFRP一体成
形物B−6を得た。
【0046】ゲルコート付きFRP一体成形物B−6の
製品面は減圧口跡が転写され、またFRPとゲルコート
の層間には気泡が残り密着性の良いものとはならなかっ
た。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、成形品に減圧口跡が転
写されることがなく、しかも成形型への密着性に優れた
繊維強化シート状成形材料の成形方法を提供できる。
【0048】本発明に従って成形した成形品は、成形型
面に減圧口を持たない真空・圧空成形法で賦形、硬化さ
せるため、減圧口跡の転写等が無い優れた製品面で仕上
がり、また、ゲルコート等表面材付きFRP一体成形物
の作成においてもハンドレイアップ、スプレイアップ法
より、作業者の熟練を要さず容易にかつ清潔に実施でき
る。
【0049】また、装置面では、オス型又はメス型の成
形面を有する成形型がその内部に収納されている容器を
用いる場合には、成形型が非常に安価なため型形状変更
が容易にでき、小、中量、多品種の製造に適している。
更に減圧、加圧ボックス、真空ポンプ、硬化設備も比較
適安価で装置全体に対するイニシャルコストを低く抑え
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図はメス型の成形型が内部に収納された容
器の断面図によって示される本発明の成形法の工程図で
ある。
【図2】第2図は第1図で示された工程によって得られ
た成形品の断面図である。
【図3】第3図はオス型の成形型が内部に収納された容
器の断面図によって示される本発明の成形法の工程図で
ある。
【図4】第4図は第3図で示された工程によって得られ
た成形品の断面図である。
【図5】第5図は比較例2で用いた成形面に減圧・加圧
口を有する装置の断面図である。
【図6】第6図は第5図に示された装置を用いて成形を
行って得られた成形品の断面図である。 1:繊維強化シート材料 2:クランプ 3:減圧・加圧口を有する容器 4:減圧・加圧口を有する容器 5:空隙部 6:空隙部 7:メス型成形型 8:オス型成形型 9:減圧・加圧口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形面を有する部分(1)と有しない部
    分(2)とに分割することができ、かつそれぞれの部分
    で成形面以外に減圧口・加圧口を有する容器に、熱硬化
    性樹脂組成物を繊維強化材に含浸し、両面もしくは片面
    にプラスチックフィルムを有する繊維強化シート状成形
    材料を設置し、かつ該成形材料によって上記部分(1)
    と部分(2)とを分割するように固定した後、上記各部
    分と該成形材料によって形成される2つの空隙部を同時
    に減圧し、次いで部分(2)と該成形材料とで形成され
    る空隙部を加圧することを特徴とする繊維強化シート状
    成形材料の成形方法。
  2. 【請求項2】 容器が、オス若しくはメスどちらか一方
    の成形面を有する成形型が収納されているものである請
    求項1記載の成形方法。
  3. 【請求項3】 シート状成形材料を、容器に固定した後
    加熱するか、或いはシート状成形材料を加熱した後容器
    に固定し、次いで2つの空隙部を同時に減圧し、更に部
    分(2)と該成形材料とで形成される空隙部を加圧する
    請求項1または2記載の成形方法。
  4. 【請求項4】 シート状成形材料を、容器に固定した後
    100℃以下に加熱するか、或いはシート状成形材料を
    100℃以下に加熱した後容器に固定し、次いで2つの
    空隙部を同時に減圧し、更に部分(2)と該成形材料と
    で形成される空隙部を加圧する請求項3記載の成形方
    法。
  5. 【請求項5】 シート状成形材料が成形型面側にプラス
    チックフィルムを有さないものを用い、また成形面の表
    面を表面材で被覆させてシート状成形材料と該表面材と
    を一体成形する請求項1、2、3又は4記載の成形方
    法。
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