JPH05316992A - イソパノースを含む甘味料の製造方法 - Google Patents
イソパノースを含む甘味料の製造方法Info
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- JPH05316992A JPH05316992A JP3258575A JP25857591A JPH05316992A JP H05316992 A JPH05316992 A JP H05316992A JP 3258575 A JP3258575 A JP 3258575A JP 25857591 A JP25857591 A JP 25857591A JP H05316992 A JPH05316992 A JP H05316992A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ビフィズス菌の増殖因子であるイソパノース
(6−0−α−マルトシル−グルコース)及び62 −0
−αマルトシル−マルトースを含む甘味料を製造する。 【構成】 澱粉、プルラン、デキストリン、水飴、各種
マルトオリゴ糖などの基質に、ネオプルラナーゼ(たと
えばBucillus stearothermoph
ilus TRS40由来のネオプルラナーゼ)を常法
により作用させ、目的物を生成させる。 上記構成において基質濃度を5%以上にする。 上記構成においてα−アミラーゼとネオプルラナー
ゼを併用する。
(6−0−α−マルトシル−グルコース)及び62 −0
−αマルトシル−マルトースを含む甘味料を製造する。 【構成】 澱粉、プルラン、デキストリン、水飴、各種
マルトオリゴ糖などの基質に、ネオプルラナーゼ(たと
えばBucillus stearothermoph
ilus TRS40由来のネオプルラナーゼ)を常法
により作用させ、目的物を生成させる。 上記構成において基質濃度を5%以上にする。 上記構成においてα−アミラーゼとネオプルラナー
ゼを併用する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイソパノース(6−0−
α−マルトシル−グルコース)や62 −0−α−マルト
シル−マルトースで代表される分岐マルトトリオース及
び分岐マルトテトラオースを含む甘味料の製造方法に関
するものである。
α−マルトシル−グルコース)や62 −0−α−マルト
シル−マルトースで代表される分岐マルトトリオース及
び分岐マルトテトラオースを含む甘味料の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術と本発明が解決しようとする課題】近年マ
ルトオリゴ糖のうちα−1,6−グルコシド結合を含む
イソマルトース、パノース、イソパノース、イソマルト
トリオース、および62 −0−α−マルトシル−マルト
ースなど、いわゆる分岐オリゴ糖は、腸内有用細菌であ
るビフィズス菌の増殖因子であることが認められ、これ
らのいくつかを含む糖混合物が甘味料として使用されて
いる。
ルトオリゴ糖のうちα−1,6−グルコシド結合を含む
イソマルトース、パノース、イソパノース、イソマルト
トリオース、および62 −0−α−マルトシル−マルト
ースなど、いわゆる分岐オリゴ糖は、腸内有用細菌であ
るビフィズス菌の増殖因子であることが認められ、これ
らのいくつかを含む糖混合物が甘味料として使用されて
いる。
【0003】この製造方法としては、主として澱粉より
マルトースを多量に含む水飴をまず製造し、つづいてA
spergillus nigerなどのかび類の生産
するα−グルコシダーゼを作用させ、本酵素によるα−
1,6−グルコシル基転移反応により分岐オリゴ糖を生
成させるのが一般的である。この場合反応の初期にはパ
ノースが、後期ではイソマルトースおよびイソマルトト
リオースが集積する。しかし反応の性質上多量のグルコ
ースが副産物として生成し、目的とするイソマルトース
およびパノースの合計含量は40%程度にすぎない。一
方イソパノースは分岐オリゴ3糖であり、62 −0−α
−マルトシル−マルトースは分岐オリゴ4糖であるが、
これらもまた腸内でビフィズス菌の増殖を示す糖質であ
ることが知られている。しかしイソパノースの製造は、
これまでせいぜい高価な多糖類プルランをイソプルラナ
ーゼで加水分解する以外に手段はなく、また62 −0−
α−マルトシル−マルトースにしてもプルランを酸加水
分解した後、分画して得る他なく、とうてい食品用素材
として製造できなかった。
マルトースを多量に含む水飴をまず製造し、つづいてA
spergillus nigerなどのかび類の生産
するα−グルコシダーゼを作用させ、本酵素によるα−
1,6−グルコシル基転移反応により分岐オリゴ糖を生
成させるのが一般的である。この場合反応の初期にはパ
ノースが、後期ではイソマルトースおよびイソマルトト
リオースが集積する。しかし反応の性質上多量のグルコ
ースが副産物として生成し、目的とするイソマルトース
およびパノースの合計含量は40%程度にすぎない。一
方イソパノースは分岐オリゴ3糖であり、62 −0−α
−マルトシル−マルトースは分岐オリゴ4糖であるが、
これらもまた腸内でビフィズス菌の増殖を示す糖質であ
ることが知られている。しかしイソパノースの製造は、
これまでせいぜい高価な多糖類プルランをイソプルラナ
ーゼで加水分解する以外に手段はなく、また62 −0−
α−マルトシル−マルトースにしてもプルランを酸加水
分解した後、分画して得る他なく、とうてい食品用素材
として製造できなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】使用できる酵素はプルラ
ンに作用しそのα−1,4−グルコシド結合のみをある
いはそのα−1,4−及びα−1,6−グルコシド結合
の両方を切断し主としてパノースを生成する、いわゆる
ネオプルラナーゼに属するものならばどれでも良い。た
とえば、Bacillus stearothermo
philusTRS40(微工研菌寄託第9609号)
由来のネオプルラナーゼ(Journal of Ba
cteriology第170巻、第1554頁、19
88年刊行に記載あり)、Thermoactinom
yces vulgalis由来のα−アミラーゼ(A
gricultural and Biologica
l Chemistry、第42巻、第1681頁、1
978年刊行に記載あり)、Bacillus ste
arothermophilus KP1064のプル
ラン加水分解酵素(Applied Microbio
logy andBiotechnology、第21
巻、第20頁、1985年刊行に記載あり)、及びBa
cteroides thetaiotaomicro
n 95−1のネオプルラナーゼ(Journal o
f Bacteriology、第173巻、第296
2頁、1991年刊行に記載あり)、などもこれに当た
る。
ンに作用しそのα−1,4−グルコシド結合のみをある
いはそのα−1,4−及びα−1,6−グルコシド結合
の両方を切断し主としてパノースを生成する、いわゆる
ネオプルラナーゼに属するものならばどれでも良い。た
とえば、Bacillus stearothermo
philusTRS40(微工研菌寄託第9609号)
由来のネオプルラナーゼ(Journal of Ba
cteriology第170巻、第1554頁、19
88年刊行に記載あり)、Thermoactinom
yces vulgalis由来のα−アミラーゼ(A
gricultural and Biologica
l Chemistry、第42巻、第1681頁、1
978年刊行に記載あり)、Bacillus ste
arothermophilus KP1064のプル
ラン加水分解酵素(Applied Microbio
logy andBiotechnology、第21
巻、第20頁、1985年刊行に記載あり)、及びBa
cteroides thetaiotaomicro
n 95−1のネオプルラナーゼ(Journal o
f Bacteriology、第173巻、第296
2頁、1991年刊行に記載あり)、などもこれに当た
る。
【0005】基質としては澱粉、プルラン、デキストリ
ン、水飴、各種マルトオリゴ糖などα−1,4−のみあ
るいはα−1,4−およびα−1,6−グルコシド結合
を含む糖類であればいずれも使用できる。それ故澱粉を
細菌液化型α−アミラーゼで液化したもの、さらにこれ
に細菌糖化型(以下、BSAという)またはかび類のα
−アミラーゼで分解を行ったデキストリンも有効な基質
である。
ン、水飴、各種マルトオリゴ糖などα−1,4−のみあ
るいはα−1,4−およびα−1,6−グルコシド結合
を含む糖類であればいずれも使用できる。それ故澱粉を
細菌液化型α−アミラーゼで液化したもの、さらにこれ
に細菌糖化型(以下、BSAという)またはかび類のα
−アミラーゼで分解を行ったデキストリンも有効な基質
である。
【0006】本反応は転移反応と縮合反応を主体とする
ので高濃度の方が反応が進行する。表1に基質濃度を変
化させたときのイソパノースの生成割合を示した。この
ように濃度5重量%(本願においては、重量%を%と表
記する)以上、望ましくは20%以上の基質濃度で反応
させるのがよい。反応の条件であるpH、温度などは酵
素の作用範囲であれば良い。また本反応はオリゴ糖に対
する転移作用であるので、酵素を固定化しても不都合な
く進行する。このためキトサンなど各種固定化担体を使
用し固定化酵素を作成し作用させても効率よく使用でき
る。このようにして得られた糖化液は、必要に応じ活性
炭による脱色、イオン交換樹脂による精製を行って製品
とすることが出来る。
ので高濃度の方が反応が進行する。表1に基質濃度を変
化させたときのイソパノースの生成割合を示した。この
ように濃度5重量%(本願においては、重量%を%と表
記する)以上、望ましくは20%以上の基質濃度で反応
させるのがよい。反応の条件であるpH、温度などは酵
素の作用範囲であれば良い。また本反応はオリゴ糖に対
する転移作用であるので、酵素を固定化しても不都合な
く進行する。このためキトサンなど各種固定化担体を使
用し固定化酵素を作成し作用させても効率よく使用でき
る。このようにして得られた糖化液は、必要に応じ活性
炭による脱色、イオン交換樹脂による精製を行って製品
とすることが出来る。
【0007】 表1 基質濃度とイソパノースの生成割合 ────────────────────────────────── 基質濃度(%) 1 5 10 20 30 ────────────────────────────────── 生成オリゴ糖中の イソパノースの割合(%)<2 12.2 17.2 21.3 22.4 ────────────────────────────────── 基質:コーンスターチ液化液(D.E.10) 糖化条件:58℃、pH6.0、40時間、ネオプルラ
ナーゼ10u/g基質
ナーゼ10u/g基質
【0008】
【作用】本発明者らは、近年好熱菌Bacillus
stearothermophilus TRS40の
生産するネオプルラナーゼについて研究し、本酵素がプ
ルランを分解して主としてパノースを生成することとマ
ルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオ
ースなど各種マルトオリゴ糖、各種デキストリンのほか
澱粉にも作用する性質があることを明らかにした。更に
研究の結果、本酵素は高濃度の基質に作用させると著し
いα−1,4−およびα−1,6−糖転移作用と縮合作
用を示すことを発見した。
stearothermophilus TRS40の
生産するネオプルラナーゼについて研究し、本酵素がプ
ルランを分解して主としてパノースを生成することとマ
ルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオ
ースなど各種マルトオリゴ糖、各種デキストリンのほか
澱粉にも作用する性質があることを明らかにした。更に
研究の結果、本酵素は高濃度の基質に作用させると著し
いα−1,4−およびα−1,6−糖転移作用と縮合作
用を示すことを発見した。
【0009】一般にα−アミラーゼは高濃度基質に作用
させるとα−1,4−糖転移反応することが知られてい
る。またα−グルコシダーゼはα−1,4−およびα−
1,6−糖転移反応をすることが知られている。しかし
ながら、ネオプルラナーゼの糖転移反応および縮合反応
については全く知られておらず、その反応特異性は、こ
れらの酵素と全く異なっている。即ち、ネオプルラナー
ゼはα−1,6−糖転移反応をする点でα−アミラーゼ
の転移反応と異なる。また、ネオプルラナーゼの糖転移
反応が主にマルトシル基転移であるのに対し、α−グル
コシダーゼのそれはグルコシル基転移である点で明瞭に
異なる。以上の理由から、ネオプルラナーゼの糖転移反
応はきわめて新規なものと言える。
させるとα−1,4−糖転移反応することが知られてい
る。またα−グルコシダーゼはα−1,4−およびα−
1,6−糖転移反応をすることが知られている。しかし
ながら、ネオプルラナーゼの糖転移反応および縮合反応
については全く知られておらず、その反応特異性は、こ
れらの酵素と全く異なっている。即ち、ネオプルラナー
ゼはα−1,6−糖転移反応をする点でα−アミラーゼ
の転移反応と異なる。また、ネオプルラナーゼの糖転移
反応が主にマルトシル基転移であるのに対し、α−グル
コシダーゼのそれはグルコシル基転移である点で明瞭に
異なる。以上の理由から、ネオプルラナーゼの糖転移反
応はきわめて新規なものと言える。
【0010】1%程度以下の濃度のマルトトリオースに
ネオプルラナーゼを作用させると、グルコースおよびマ
ルトースのみが生成するのに対して、例えば実験1のご
とく10%マルトトリオースに微量の14Cグルコースを
添加してネオプルラナーゼを反応させると、反応初期に
は還元性末端に放射性を示すマルトトリオース、イソパ
ノース、6−0−α−マルトトリオシル−グルコースを
生じる。このうちマルトトリオースは基質のマルトトリ
オースが分解されそのマルトース部分が放射性グルコー
スにα−1,4−結合で転移したもの(α−1,4−マ
ルトシル基転移)、イソパノースはマルトース部分が放
射性グルコースにα−1,6−結合で転移したものであ
る(α−1,6−マルトシル基転移)。また6−0−α
−マルトトリオシル−グルコースはマルトトリオースが
放射性グルコースとα−1,6−結合で縮合したもので
ある(縮合反応)。すなわち本酵素は単なる加水分解酵
素ではなく、高濃度の基質に作用させると転移反応と縮
合反応を起こす。そして生成糖としてα−1,4−結合
及びα−1,6−結合を含むオリゴ糖を生成する。更に
本酵素はα−1,6−結合よりもα−1,4−結合を切
断する能力が高いので反応の後期でα−1,6−結合を
含む分岐オリゴ糖が集積する。
ネオプルラナーゼを作用させると、グルコースおよびマ
ルトースのみが生成するのに対して、例えば実験1のご
とく10%マルトトリオースに微量の14Cグルコースを
添加してネオプルラナーゼを反応させると、反応初期に
は還元性末端に放射性を示すマルトトリオース、イソパ
ノース、6−0−α−マルトトリオシル−グルコースを
生じる。このうちマルトトリオースは基質のマルトトリ
オースが分解されそのマルトース部分が放射性グルコー
スにα−1,4−結合で転移したもの(α−1,4−マ
ルトシル基転移)、イソパノースはマルトース部分が放
射性グルコースにα−1,6−結合で転移したものであ
る(α−1,6−マルトシル基転移)。また6−0−α
−マルトトリオシル−グルコースはマルトトリオースが
放射性グルコースとα−1,6−結合で縮合したもので
ある(縮合反応)。すなわち本酵素は単なる加水分解酵
素ではなく、高濃度の基質に作用させると転移反応と縮
合反応を起こす。そして生成糖としてα−1,4−結合
及びα−1,6−結合を含むオリゴ糖を生成する。更に
本酵素はα−1,6−結合よりもα−1,4−結合を切
断する能力が高いので反応の後期でα−1,6−結合を
含む分岐オリゴ糖が集積する。
【0011】実験1 10%マルトトリオース溶液0.1mlに14Cグルコー
ス2.5μgを溶解した後ネオプルラナーゼ(1U/m
l)0.1mlを加え40℃、pH6.0で反応し経時
的にろ紙にスポットしブタノール/ピリジン/水(6/
4/3)を溶媒として4回展開、X線フィルムと密着し
てオートラジオグラムを作成すると図1のようになっ
た。生成した放射性オリゴ糖はRf値及び各種酵素の消
化実験により構造を確認した。ネオプルラナーゼの活性
測定法は次のとおりである。2%プルランの200mM
リン酸ナトリウム緩衝液に等量の酵素液を加え、50℃
で30分間反応させる。生じた還元糖の量をジニトロサ
リチル酸法で定量する。この条件で、1分間に1μmo
lのグルコースに相当する還元糖を生じる酵素量を1U
とした。
ス2.5μgを溶解した後ネオプルラナーゼ(1U/m
l)0.1mlを加え40℃、pH6.0で反応し経時
的にろ紙にスポットしブタノール/ピリジン/水(6/
4/3)を溶媒として4回展開、X線フィルムと密着し
てオートラジオグラムを作成すると図1のようになっ
た。生成した放射性オリゴ糖はRf値及び各種酵素の消
化実験により構造を確認した。ネオプルラナーゼの活性
測定法は次のとおりである。2%プルランの200mM
リン酸ナトリウム緩衝液に等量の酵素液を加え、50℃
で30分間反応させる。生じた還元糖の量をジニトロサ
リチル酸法で定量する。この条件で、1分間に1μmo
lのグルコースに相当する還元糖を生じる酵素量を1U
とした。
【0012】
【図1】
【0013】また10%マルトトリオースにネオプルラ
ナーゼを作用させると生成糖としてマルトペンタオース
のほか、分岐オリゴ糖であるB5(以下、分岐糖をBで
示すこととし、そのペンタオースをB5で示す)、おそ
らく63 −0−α−マルトシル−マルトトリオースが生
成する。さらに反応後期では糖転移反応、総合反応およ
び加水分解を繰り返し最終的にイソパノース(6−0−
α−マルトシル−グルコース)および62 −0−α−マ
ルトシル−マルトースを主とする分岐オリゴ糖を生成す
る。
ナーゼを作用させると生成糖としてマルトペンタオース
のほか、分岐オリゴ糖であるB5(以下、分岐糖をBで
示すこととし、そのペンタオースをB5で示す)、おそ
らく63 −0−α−マルトシル−マルトトリオースが生
成する。さらに反応後期では糖転移反応、総合反応およ
び加水分解を繰り返し最終的にイソパノース(6−0−
α−マルトシル−グルコース)および62 −0−α−マ
ルトシル−マルトースを主とする分岐オリゴ糖を生成す
る。
【0014】このうちイソパノースの構造は、ペーパー
クロマト法によるRf値およびグルコアミラーゼ及びネ
オプルラナーゼによる消化実験、及びメチル化分析によ
り確かめられた。一方62 −0−α−マルトシル−マル
トースは標準物質とともにプルラナーゼ、グルコアミラ
ーゼによる消化実験を行い、その結果から同定する事が
出来た。
クロマト法によるRf値およびグルコアミラーゼ及びネ
オプルラナーゼによる消化実験、及びメチル化分析によ
り確かめられた。一方62 −0−α−マルトシル−マル
トースは標準物質とともにプルラナーゼ、グルコアミラ
ーゼによる消化実験を行い、その結果から同定する事が
出来た。
【0015】
【効果】本願発明ではマルトオリゴ糖やデキストリン、
澱粉などにネオプルラナーゼを作用させることにより、
これまで健康上有効性が期待されながら量産できなかっ
たイソパノース(6−0−α−マルトシル−グルコー
ス)および62 −0−α−マルトシルマルトースを多量
に含む甘味料を容易に製造できることになった。
澱粉などにネオプルラナーゼを作用させることにより、
これまで健康上有効性が期待されながら量産できなかっ
たイソパノース(6−0−α−マルトシル−グルコー
ス)および62 −0−α−マルトシルマルトースを多量
に含む甘味料を容易に製造できることになった。
【0016】
【実施例】 実施例1 コーンスターチの液化液(DE10)30%溶液に、ネ
オプルラナーゼとBSA(細菌糖化型α−アミラーゼ)
とを加えた系とBSAのみを加えた系を、夫々58℃、
pH6.0において48時間反応させた。反応生成物は
高速液体クロマトグラフィーで分析し、生成物中の各種
オリゴ糖の割合を定量したところ、表2のようになっ
た。このうちG1、G2、G3、および≧G4はそれぞ
れグルコース、マルトース、マルトトリオース、および
マルトテトラオース以上の重合度の直鎖オリゴ糖を、B
2、B3、およびB4はそれぞれイソマルトース、イソ
パノース、および62 −0−α−マルトシル−マルトー
スを示す。 表2 反応生成物中の各オリゴ糖の割合(%) ────────────────────────────────── G1 G2 G3 ≧G4 B2 B3 B4 ────────────────────────────────── ネオプルラナーゼ+BSA 25.7 13.4 0 0 6.7 30.4 23.8 BSA 29.8 26.0 14.1 30.1 0 0 0 ────────────────────────────────── すなわちBSAのみを作用させるとG1、G2、G3、
および重合度4以上の直鎖オリゴ糖が生ずるがこれにネ
オプルラナーゼを共存させるとG3の全部およびG2と
重合度4以上の直鎖オリゴ糖の一部が消失し目的とする
B2、B3、およびB4を与える。
オプルラナーゼとBSA(細菌糖化型α−アミラーゼ)
とを加えた系とBSAのみを加えた系を、夫々58℃、
pH6.0において48時間反応させた。反応生成物は
高速液体クロマトグラフィーで分析し、生成物中の各種
オリゴ糖の割合を定量したところ、表2のようになっ
た。このうちG1、G2、G3、および≧G4はそれぞ
れグルコース、マルトース、マルトトリオース、および
マルトテトラオース以上の重合度の直鎖オリゴ糖を、B
2、B3、およびB4はそれぞれイソマルトース、イソ
パノース、および62 −0−α−マルトシル−マルトー
スを示す。 表2 反応生成物中の各オリゴ糖の割合(%) ────────────────────────────────── G1 G2 G3 ≧G4 B2 B3 B4 ────────────────────────────────── ネオプルラナーゼ+BSA 25.7 13.4 0 0 6.7 30.4 23.8 BSA 29.8 26.0 14.1 30.1 0 0 0 ────────────────────────────────── すなわちBSAのみを作用させるとG1、G2、G3、
および重合度4以上の直鎖オリゴ糖が生ずるがこれにネ
オプルラナーゼを共存させるとG3の全部およびG2と
重合度4以上の直鎖オリゴ糖の一部が消失し目的とする
B2、B3、およびB4を与える。
【0017】実施例2 30%デキストリン(パインデックス#1、松谷化学
(株)製)溶液に、BSA(細菌糖化型α−アミラー
ゼ)を加えて、58℃、pH6.0において24時間反
応させた。次に、この系にネオプルラナーゼを加え、同
条件で24時間さらに反応させた。反応生成物は高速液
体クロマトグラフィーで分析し、生成物中の各種オリゴ
糖の割合を定量すると表3のようになった。 表3 反応生成物中の各オリゴ糖の割合(%) ────────────────── G1 G2 G3 B2 B3 B4 ────────────────── 24.3 15.0 1.4 15.5 30.3 13.4 ──────────────────
(株)製)溶液に、BSA(細菌糖化型α−アミラー
ゼ)を加えて、58℃、pH6.0において24時間反
応させた。次に、この系にネオプルラナーゼを加え、同
条件で24時間さらに反応させた。反応生成物は高速液
体クロマトグラフィーで分析し、生成物中の各種オリゴ
糖の割合を定量すると表3のようになった。 表3 反応生成物中の各オリゴ糖の割合(%) ────────────────── G1 G2 G3 B2 B3 B4 ────────────────── 24.3 15.0 1.4 15.5 30.3 13.4 ──────────────────
【0018】実施例3 30%デキストリン(パインデックス#1、松谷化学
(株)製)溶液100mlにネオプルラナーゼ750U
を加え、50℃で24時間反応を行った。反応生成物中
の各オリゴ糖の割合は表4のようになった。 表4 反応生成物中の各オリゴ糖の割合(%) ────────────────── G1 G2 G3 B2 B3 B4 ────────────────── 22.0 27.9 2.6 5.6 25.4 16.5 ──────────────────
(株)製)溶液100mlにネオプルラナーゼ750U
を加え、50℃で24時間反応を行った。反応生成物中
の各オリゴ糖の割合は表4のようになった。 表4 反応生成物中の各オリゴ糖の割合(%) ────────────────── G1 G2 G3 B2 B3 B4 ────────────────── 22.0 27.9 2.6 5.6 25.4 16.5 ──────────────────
【0019】実施例4 ネオプルラナーゼ(50U/ml)1mlをキトパール
(富士紡績(株)製)1gに加え、1.5時間ゆるやか
に攪拌して固定化酵素を作成する。これに100mlの
マルトトリオースを主とするマルトオリゴ糖溶液(10
%)を加え、50℃で16時間振盪反応後、生成糖を高
速液体クロマトグラフィーで分析すると表5のような糖
組成を示した。 表5 反応生成物中の各オリゴ糖の割合(%) ────────────────── G1 G2 G3 B2 B3 B4 ────────────────── 21.0 19.8 1.4 9.4 25.8 22.6 ──────────────────
(富士紡績(株)製)1gに加え、1.5時間ゆるやか
に攪拌して固定化酵素を作成する。これに100mlの
マルトトリオースを主とするマルトオリゴ糖溶液(10
%)を加え、50℃で16時間振盪反応後、生成糖を高
速液体クロマトグラフィーで分析すると表5のような糖
組成を示した。 表5 反応生成物中の各オリゴ糖の割合(%) ────────────────── G1 G2 G3 B2 B3 B4 ────────────────── 21.0 19.8 1.4 9.4 25.8 22.6 ──────────────────
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年11月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年11月6日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 反応生成物のペーパークロマトグラフィーと
オートラジオグラムによる分析の図である。
オートラジオグラムによる分析の図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 基質にネオプルラナーゼを作用させるこ
とを特徴とするイソパノースを含む甘味料の製造方法。 - 【請求項2】 糖質濃度5%以上の基質にネオプルラナ
ーゼを作用させることを特徴とするイソパノースを含む
甘味料の製造方法。 - 【請求項3】 基質にα−アミラーゼとネオプルラナー
ゼとを併用して作用させることを特徴とするイソパノー
スを含む甘味料の製造方法。 - 【請求項4】 基質にα−アミラーゼを作用させたのち
ネオプルラナーゼを作用させることを特徴とするイソパ
ノースを含む甘味料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03258575A JP3089503B2 (ja) | 1991-09-09 | 1991-09-09 | イソパノースを含む甘味料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03258575A JP3089503B2 (ja) | 1991-09-09 | 1991-09-09 | イソパノースを含む甘味料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05316992A true JPH05316992A (ja) | 1993-12-03 |
JP3089503B2 JP3089503B2 (ja) | 2000-09-18 |
Family
ID=17322158
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03258575A Expired - Fee Related JP3089503B2 (ja) | 1991-09-09 | 1991-09-09 | イソパノースを含む甘味料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3089503B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104120117A (zh) * | 2013-04-23 | 2014-10-29 | 甘肃省商业科技研究所 | 一种新普鲁兰酶的制备和分离方法 |
-
1991
- 1991-09-09 JP JP03258575A patent/JP3089503B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104120117A (zh) * | 2013-04-23 | 2014-10-29 | 甘肃省商业科技研究所 | 一种新普鲁兰酶的制备和分离方法 |
CN104120117B (zh) * | 2013-04-23 | 2016-09-21 | 甘肃省商业科技研究所 | 一种新普鲁兰酶的制备和分离方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3089503B2 (ja) | 2000-09-18 |
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