JP3064031B2 - 新規オリゴ糖およびその製造法 - Google Patents
新規オリゴ糖およびその製造法Info
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Saccharide Compounds (AREA)
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
- Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
Description
製造法に関し、詳しくはマルトオリゴ糖の非還元末端の
グルコシル残基にβ−1,4結合でガラクトシル基が結
合した新規オリゴ糖およびその製造法に関する。
リゴ糖、特にマルトテトラオース,マルトペンタオー
ス,マルトヘキサオースおよびマルトヘプタオースは、
血中のα−アミラーゼ活性測定用基質として利用されて
いる。しかし、この基質は試薬中に含まれているα−グ
ルコシダーゼにより、非常に微弱ではあるが分解される
ため、基質とα−グルコシダーゼを混合させた基質液は
長期間安定に保つことはできない。そのため、α−アミ
ラーゼ活性を測定するたびごとに基質液を調製する必要
がある。最近、α−グルコシダーゼによる分解を抑える
目的でマルトペンタオースの非還元末端のグルコシル残
基を化学的に修飾した基質が一部使用されている。ま
た、糖質の細胞認識特性に着目してドラッグ・デリバリ
ー・システム(DDS)に糖質を利用しようとする試み
がなされている。
ダーゼにより全く分解されない血中α−アミラーゼ活性
測定用基質を酵素の糖転移作用を利用して合成すること
並びに生体内組織、特に肝臓に強い親和性を示すことが
知られているガラクトシル基を含む新規なオリゴ糖を酵
素の糖転移作用を利用して合成することを目的としてい
る。
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、β−ガラクトシダ
ーゼをマルトオリゴ糖〔マルトース(以下、G 2 と略記
することがある。) またはマルトトリオース(以下、G
3 と略記することがある。) 〕の存在下ラクトースに作
用させると、ラクトースが分解すると同時に、そのガラ
クトシル基をマルトオリゴ糖の非還元末端側のグルコシ
ル基C4位水酸基に転移させ、ガラクトシル−マルトオ
リゴ糖(例えばガラクトシル−マルトース)を生成する
ことを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
る新規オリゴ糖
ルコシル基を示し、nは0または1である。)並びにマ
ルトースまたはマルトトリオースとラクトースの混合溶
液にβ−ガラクトシダーゼを作用させることを特徴とす
る上記オリゴ糖の製造法を提供するものである。
またはG 3 の非還元末端側のグルコシル基にβ−1,4
結合でガラクトシル基が結合した構造の新規なオリゴ糖
である。具体的には、図1の(1)〜(2)に示した構
造式で表されるものである。
とラクトースの混合溶液にβ−ガラクトシダーゼを作用
させることにより合成される。マルトオリゴ糖としては
市販の精製品のほか、澱粉を部分加水分解または酵素分
解して得た反応液より種々のクロマトグラフィー等によ
り単離,精製したものなどが任意に使用できる。
トオリゴ糖とラクトースの混合溶液に作用させたとき、
ラクトースを分解してそのガラクトシル基をマルトオリ
ゴ糖の非還元末端側のグルコシル基にβ−1,4結合で
転移させ、β−ガラクトシル−マルトオリゴ糖を合成し
得る酵素であればよく、微生物起源のもの、特にバチル
ス・サーキュランス(Bacillus circulans) 起源の酵素
(例えば商品名、Biolacta、大和化成(株)製)が好適
である。
スの混合溶液は、通常水溶液または水懸濁液として用い
られ、マルトオリゴ糖濃度は1〜40%(w/w) 、好まし
くは20〜40%(w/w) が、ラクトース濃度は1〜50
%(w/w) 、好ましくは20〜50%(w/w) が適当であ
る。なお、マルトオリゴ糖に対するラクトースの比率は
0.1〜10倍、好ましくは1〜5倍の範囲とすべきで
ある。
β−ガラクトシダーゼを作用させるときの反応条件につ
いては、pH4〜8、好ましくは5〜7、温度30〜60
℃、好ましくは40〜60℃が適当である。また、反応
時間は使用する酵素の活性量と密接な関係にあり、通常
は5〜120時間、好ましくは5〜24時間で反応が終
了する酵素活性量を選定すべきである。
製するには既知の手法を適用すればよく、例えば反応液
から高速液体クロマトグラフィーにより転移反応生成物
を分取し調製できる。また、オリゴ糖の構造確認はβ−
ガラクトシダーゼおよびグルコアミラーゼ(例えばアス
ペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のもの)
処理および13C−NMRによる構造解析により行うこと
ができる。
に説明する。 実施例1 (1)転移反応マルトース(100mg)またはマルトトリオース(1
50mg) 〔いずれも日本食品化工(株)製〕とラクト
ース140mgをそれぞれ1mlの50mM,pH 6.0
の酢酸緩衝液に溶解させた後、β−ガラクトシダーゼ
(商品名、Biolacta、大和化成(株)製)2mgを加
え、40℃で1時間反応させた。次いで、反応液を10
0℃で10分間加熱した。それぞれの反応液のHPLCを図
2および図3に示す。
れぞれマルトースまたはマルトトリオースへの転移生成
物CおよびDを単離精製し、凍結乾燥して凍結乾燥標品
を得た。
トシダーゼを加え、40℃で30分間反応させた。次い
で、反応液をHPLCにより分析したところ、転移生成物
C,Dはそれぞれガラクトースとマルトース,マルトト
リオースに完全に分解され、そのモル比はいずれも1:
1であった。また、結晶グルコアミラーゼ(アスペルギ
ルス・ニガー起源のもの)およびα−グルコシダーゼ
(酵母起源のもの)によりいずれも全く分解されないこ
とが分かった。転移生成物C,Dの13C−NMRを測定
した結果、各転移生成物の非還元末端側のグルコシル基
の4位の炭素のケミカルシフトは各マルトオリゴ糖のも
のと比較すると、約9ppm低磁場側にシフトし、3位
および5位の炭素のケミカルシフトは1.4〜2.0p
pm高磁場シフトが観察され、ガラクトシル基はそれぞ
れマルトースおよびマルトトリオース分子の非還元末端
側のグルコシル基の4位に結合していることを確認し
た。
れも基質分子の非還元末端側のグルコシル基にβ−1,
4結合でガラクトシル基が結合した構造であることが確
認された(図1の1および2参照)。
糖転移作用を利用して効率よく製造される。しかも、こ
のマルトオリゴ糖はα−グルコシダーゼによる分解が著
しく抑制されるため、血中のα−アミラーゼ活性測定用
基質として極めて有用である。
ある。
ーゼを作用させたときの反応液のHPLCを示す。
トシダーゼを作用させたときの反応液のHPLCを示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記の構造式で表される新規オリゴ糖。 【化1】 (式中、Gal はガラクトシル基、Glc はグルコシル基を
示し、nは0または1である。) - 【請求項2】 マルトースまたはマルトトリオースとラ
クトースの混合溶液にβ−ガラクトシダーゼを作用させ
ることを特徴とする請求項1記載の新規オリゴ糖の製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3063817A JP3064031B2 (ja) | 1991-03-06 | 1991-03-06 | 新規オリゴ糖およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3063817A JP3064031B2 (ja) | 1991-03-06 | 1991-03-06 | 新規オリゴ糖およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04279596A JPH04279596A (ja) | 1992-10-05 |
JP3064031B2 true JP3064031B2 (ja) | 2000-07-12 |
Family
ID=13240303
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3063817A Expired - Lifetime JP3064031B2 (ja) | 1991-03-06 | 1991-03-06 | 新規オリゴ糖およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3064031B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6433161B1 (en) | 1997-04-29 | 2002-08-13 | Hercules Incorporated | Galactosylated hydroxyalkyl polysaccharides |
JP4493761B2 (ja) * | 1999-10-06 | 2010-06-30 | 株式会社横浜国際バイオ研究所 | 反芻動物用飼料 |
DE19954233A1 (de) * | 1999-11-11 | 2001-05-31 | Nutricia Nv | Diabetikernahrung |
-
1991
- 1991-03-06 JP JP3063817A patent/JP3064031B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04279596A (ja) | 1992-10-05 |
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