JPH0531615A - スローアウエイ式ボールエンドミル - Google Patents
スローアウエイ式ボールエンドミルInfo
- Publication number
- JPH0531615A JPH0531615A JP3306173A JP30617391A JPH0531615A JP H0531615 A JPH0531615 A JP H0531615A JP 3306173 A JP3306173 A JP 3306173A JP 30617391 A JP30617391 A JP 30617391A JP H0531615 A JPH0531615 A JP H0531615A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tip
- cutting edge
- cutting
- chip
- edge
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23C—MILLING
- B23C5/00—Milling-cutters
- B23C5/02—Milling-cutters characterised by the shape of the cutter
- B23C5/10—Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft
- B23C5/1009—Ball nose end mills
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23C—MILLING
- B23C5/00—Milling-cutters
- B23C5/02—Milling-cutters characterised by the shape of the cutter
- B23C5/10—Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft
- B23C5/1009—Ball nose end mills
- B23C5/1027—Ball nose end mills with one or more removable cutting inserts
Abstract
(57)【要約】
【目的】 正面視刃型を切削抵抗の低減面で理想とされ
るＳ字刃型にし、かつ、本体の剛性低下を少なくして高
速重切削と加工精度の向上を可能ならしめたスローアウ
ェイ式ボールエンドミルを提供する。 【構成】 本体１の先端半球部にスローアウェイチップ
ａ〜ｄを回転軌跡が半球面を画くように、かつ、アキシ
ャルレーキに差をつけて正面視刃型が略Ｓ字になるよう
に取付け、切刃の保護と喰い付き点の円滑な移行を可能
ならしめる。また、このａ〜ｄのチップ及びストレート
外周刃を構成するスローアウェイチップｆ、ｇ、ｈ等の
数と切刃軌跡のラップ量を増加させて１刃当りの切削負
荷の軽減、切屑の小サイズ化を計り、切刃全体の形状精
度も高める。このときのラップ量は切刃長さの１／４以
上とする。さらに、上記チップｆ、ｇ、ｈ等を設置する
切屑ポケット（例えば６、７）を１刃毎に独立させて本
体の剛性低下を抑える。これにより、性能寿命が向上
し、加工も安定して高精度、高能率加工が可能になる。
るＳ字刃型にし、かつ、本体の剛性低下を少なくして高
速重切削と加工精度の向上を可能ならしめたスローアウ
ェイ式ボールエンドミルを提供する。 【構成】 本体１の先端半球部にスローアウェイチップ
ａ〜ｄを回転軌跡が半球面を画くように、かつ、アキシ
ャルレーキに差をつけて正面視刃型が略Ｓ字になるよう
に取付け、切刃の保護と喰い付き点の円滑な移行を可能
ならしめる。また、このａ〜ｄのチップ及びストレート
外周刃を構成するスローアウェイチップｆ、ｇ、ｈ等の
数と切刃軌跡のラップ量を増加させて１刃当りの切削負
荷の軽減、切屑の小サイズ化を計り、切刃全体の形状精
度も高める。このときのラップ量は切刃長さの１／４以
上とする。さらに、上記チップｆ、ｇ、ｈ等を設置する
切屑ポケット（例えば６、７）を１刃毎に独立させて本
体の剛性低下を抑える。これにより、性能寿命が向上
し、加工も安定して高精度、高能率加工が可能になる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、高速重切削を可能な
らしめると同時に加工精度も充分に高めたスローアウェ
イ式ボールエンドミルに関するものである。
らしめると同時に加工精度も充分に高めたスローアウェ
イ式ボールエンドミルに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】スローアウェイ式ボールエンドミルの従
来技術としては、図８に示すように、円弧刃とストレー
ト刃を併せ持つスローアウェイチップ２１、２１′を各
１個、本体２０の先端部に周方向に１８０°位置を変え
て取付けるもの、図９に示すように、外周の３辺が円弧
刃となる略正三角形のスローアウェイチップ２２を、本
体２０の先端半球部に２個以上、回転軌跡が半球面を画
くように取付け、なおかつ、本体の外周ストレート部に
ストレート刃をもつスローアウェイチップ２３を取付け
るもの、図９のストレート外周切刃を設けないもの（特
公昭５６−２０１２５号）、先端半球部の円弧刃を有す
るチップに正のアキシャルレーキを付与するもの、実開
昭６１−８１８１４号に示されるように、先端半球部の
切刃を、回転方向にステップ配置したスローアウェイチ
ップの複数個で構成するものなどがある。
来技術としては、図８に示すように、円弧刃とストレー
ト刃を併せ持つスローアウェイチップ２１、２１′を各
１個、本体２０の先端部に周方向に１８０°位置を変え
て取付けるもの、図９に示すように、外周の３辺が円弧
刃となる略正三角形のスローアウェイチップ２２を、本
体２０の先端半球部に２個以上、回転軌跡が半球面を画
くように取付け、なおかつ、本体の外周ストレート部に
ストレート刃をもつスローアウェイチップ２３を取付け
るもの、図９のストレート外周切刃を設けないもの（特
公昭５６−２０１２５号）、先端半球部の円弧刃を有す
るチップに正のアキシャルレーキを付与するもの、実開
昭６１−８１８１４号に示されるように、先端半球部の
切刃を、回転方向にステップ配置したスローアウェイチ
ップの複数個で構成するものなどがある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】図８のボールエンドミ
ルは、個々のスローアウェイチップの切刃長が長いため
切削抵抗が大きく、切削中に振動（いわゆるビビリ）を
生じ易くて高速、重切削が望めない。
ルは、個々のスローアウェイチップの切刃長が長いため
切削抵抗が大きく、切削中に振動（いわゆるビビリ）を
生じ易くて高速、重切削が望めない。
【０００４】また、図９のものは、チップの使用数が増
加した分、各チップの切刃長が短縮されてはいるが、先
端半球部の切刃が２個のチップで構成され、しかも、各
チップの切刃のオーバーラップ量が少ないため、１刃当
たりの切削負荷が大きく切屑幅も広くなるなど、切刃の
保護効果、切削抵抗の軽減効果が不充分である。加え
て、図のように、先端半球部とストレート外周部の切屑
ポケット２４が一連に形成されていると本体の剛性低下
が著しく、従って、この場合にも前者同様重切削が望め
ない。
加した分、各チップの切刃長が短縮されてはいるが、先
端半球部の切刃が２個のチップで構成され、しかも、各
チップの切刃のオーバーラップ量が少ないため、１刃当
たりの切削負荷が大きく切屑幅も広くなるなど、切刃の
保護効果、切削抵抗の軽減効果が不充分である。加え
て、図のように、先端半球部とストレート外周部の切屑
ポケット２４が一連に形成されていると本体の剛性低下
が著しく、従って、この場合にも前者同様重切削が望め
ない。
【０００５】一方、円弧刃をもつスローアウェイチップ
にアキシャルレーキを付したものは、切刃が回転中心側
から徐々に喰い付いていくため、喰い付き初期の衝撃が
緩和されると云う利点があるが、この場合、アキシャル
レーキの付与による切刃の変位があるため、良好な切削
精度の確保のためには、いかにして切刃の軌跡を正確な
１／４円に近づけるかが問題となる。
にアキシャルレーキを付したものは、切刃が回転中心側
から徐々に喰い付いていくため、喰い付き初期の衝撃が
緩和されると云う利点があるが、この場合、アキシャル
レーキの付与による切刃の変位があるため、良好な切削
精度の確保のためには、いかにして切刃の軌跡を正確な
１／４円に近づけるかが問題となる。
【０００６】また、有効切刃数或いは切刃のラップ量が
少ないと、先の工具と同様に１刃当たりの切削負荷や切
屑幅が大きくなる。
少ないと、先の工具と同様に１刃当たりの切削負荷や切
屑幅が大きくなる。
【０００７】なお、実開昭６１−８１８１４号に示され
るものは、チップをステップ配置することによって半径
方向すくい角を容易に等しくし得るようにし、このこと
によって切削性能を向上させているが、正面視の刃型形
状が真に理想的な形状になっておらず、また、外周スト
レート刃用のチップを同一切屑ポケットに複数個装着し
ているため本体の剛性低下もある。発明者等は、チップ
配置やチップ形状の更なる工夫によって、当該公報に示
されるものよりも更に高性能で安定性も高いボールエン
ドミルを実現できることを見い出した。
るものは、チップをステップ配置することによって半径
方向すくい角を容易に等しくし得るようにし、このこと
によって切削性能を向上させているが、正面視の刃型形
状が真に理想的な形状になっておらず、また、外周スト
レート刃用のチップを同一切屑ポケットに複数個装着し
ているため本体の剛性低下もある。発明者等は、チップ
配置やチップ形状の更なる工夫によって、当該公報に示
されるものよりも更に高性能で安定性も高いボールエン
ドミルを実現できることを見い出した。
【０００８】この発明は、かかる高性能ボールエンドミ
ル提供することを目的としている。
ル提供することを目的としている。
【０００９】
【課題を解決するための手段】この発明のボールエンド
ミルは、高性能化のために、本体の先端半球部のほぼ回
転対称位置に２つの切屑ポケットを設けて各切屑ポケッ
トにチップ座を各々複数個形成し、それぞれのチップ座
に円弧刃を有するスローアウェイチップを切刃の回転軌
跡が半球面を画くように取付け、この状態下での各切刃
の軌跡のラップ代を切刃長さの１／４以上、各切屑ポケ
ットの先端側チップのアキシャルレーキを０〜５°、後
退側チップのアキシャルレーキを４〜８°の範囲で先端
側チップのそれよりも大に設定し、かつ、後退側チップ
の切刃始端を同一切屑ポケット内にある先端側チップの
切刃の延長線上に位置せしめてエンドミルの正面視にお
ける刃型形状が略Ｓ字になるようにする。
ミルは、高性能化のために、本体の先端半球部のほぼ回
転対称位置に２つの切屑ポケットを設けて各切屑ポケッ
トにチップ座を各々複数個形成し、それぞれのチップ座
に円弧刃を有するスローアウェイチップを切刃の回転軌
跡が半球面を画くように取付け、この状態下での各切刃
の軌跡のラップ代を切刃長さの１／４以上、各切屑ポケ
ットの先端側チップのアキシャルレーキを０〜５°、後
退側チップのアキシャルレーキを４〜８°の範囲で先端
側チップのそれよりも大に設定し、かつ、後退側チップ
の切刃始端を同一切屑ポケット内にある先端側チップの
切刃の延長線上に位置せしめてエンドミルの正面視にお
ける刃型形状が略Ｓ字になるようにする。
【００１０】また、ストレート外周刃については、本体
の先端半球部に連なるストレート外周部に、軸方向後方
に向かって拡開する切屑ポケットを周方向及び軸方向に
変位して複数個設置し、その切屑ポケットにチップ座を
各１個設けてそれぞれのチップ座上にストレートな切刃
陵を有するスローアウェイチップを切刃長さの１／４以
上の等ラップ代で軌跡が軸方向に連なる状態に取付け
る。
の先端半球部に連なるストレート外周部に、軸方向後方
に向かって拡開する切屑ポケットを周方向及び軸方向に
変位して複数個設置し、その切屑ポケットにチップ座を
各１個設けてそれぞれのチップ座上にストレートな切刃
陵を有するスローアウェイチップを切刃長さの１／４以
上の等ラップ代で軌跡が軸方向に連なる状態に取付け
る。
【００１１】なお、本体の先端半球部に取付けるスロー
アウェイチップとして、平面視形状がほぼ正多角形をな
し、ノーズ間を結ぶ各切刃陵は全てのノーズを通る外接
円の半径よりも大きく、かつ互いに等しい曲率半径で円
弧状に外側に膨らんでいるポジティブ型のチップを用い
ること、また、そのチップの各側面に、側面の逃げ角よ
りも大きな逃げ角で傾斜する平坦面を設け、この平坦面
をチップ座に対応して設けた平坦面に密着させてチップ
を位置決めすることは、後述する理由から極めて好まし
いことと云える。
アウェイチップとして、平面視形状がほぼ正多角形をな
し、ノーズ間を結ぶ各切刃陵は全てのノーズを通る外接
円の半径よりも大きく、かつ互いに等しい曲率半径で円
弧状に外側に膨らんでいるポジティブ型のチップを用い
ること、また、そのチップの各側面に、側面の逃げ角よ
りも大きな逃げ角で傾斜する平坦面を設け、この平坦面
をチップ座に対応して設けた平坦面に密着させてチップ
を位置決めすることは、後述する理由から極めて好まし
いことと云える。
【００１２】また、本体の先端半球部に取付けるスロー
アウェイチップのすくい面に、当該チップの切刃の少な
くとも始端側を回転方向後方に後退させるチャンファ面
を設けることも、高性能化の面で効果がある。
アウェイチップのすくい面に、当該チップの切刃の少な
くとも始端側を回転方向後方に後退させるチャンファ面
を設けることも、高性能化の面で効果がある。
【００１３】
【作用】先端半球部、ストレート外周部とも、有効刃数
を増やして切刃のラップ量を大きくすると、１刃当りの
切削負荷が軽減され、切屑も小さくなる。
を増やして切刃のラップ量を大きくすると、１刃当りの
切削負荷が軽減され、切屑も小さくなる。
【００１４】また、アキシャルレーキを付すと、先に述
べた喰い付きの時の衝撃緩和効果が得られ、さらに、同
一幅の領域を切削する切刃の刃長がストレート刃形のと
きよりも長くなって切刃の保護効果も高まるが、正面視
の刃型形状をＳ字状にしておくと、喰い付き点の移行が
チップ間でも円滑に行なわれ、切刃の刃長もより長くな
って、先の効果がより一層増強される。
べた喰い付きの時の衝撃緩和効果が得られ、さらに、同
一幅の領域を切削する切刃の刃長がストレート刃形のと
きよりも長くなって切刃の保護効果も高まるが、正面視
の刃型形状をＳ字状にしておくと、喰い付き点の移行が
チップ間でも円滑に行なわれ、切刃の刃長もより長くな
って、先の効果がより一層増強される。
【００１５】さらに、アキシャルレーキが大きくなるに
従って、円弧刃は回転方向前方視形状が直線に近づいて
くるが、１／４円をカバーする有効刃数が多ければ、角
数の多い正多角形ほど真円に近づいていくのと同一理由
で、切刃の形状は１／４円に近づいていくため、切刃全
体の形状精度も高まる。
従って、円弧刃は回転方向前方視形状が直線に近づいて
くるが、１／４円をカバーする有効刃数が多ければ、角
数の多い正多角形ほど真円に近づいていくのと同一理由
で、切刃の形状は１／４円に近づいていくため、切刃全
体の形状精度も高まる。
【００１６】また、有効刃数が多くなるほど、使用チッ
プが小さくて済むため、切屑ポケットを小さくして、本
体剛性を高め得る。ストレート外周刃の設置のための切
屑ポケットを１刃毎に独立させるのも、本体剛性の向上
とこれによるビビリの抑制につながる。
プが小さくて済むため、切屑ポケットを小さくして、本
体剛性を高め得る。ストレート外周刃の設置のための切
屑ポケットを１刃毎に独立させるのも、本体剛性の向上
とこれによるビビリの抑制につながる。
【００１７】なお、各切刃のラップ量が１刃の刃長の１
／４以下であると、１刃当りの切削付加の軽減効果が薄
れるだけでなく、切刃全体の形状精度も低下してくるの
で、好ましくない。
／４以下であると、１刃当りの切削付加の軽減効果が薄
れるだけでなく、切刃全体の形状精度も低下してくるの
で、好ましくない。
【００１８】また、先端半球部のチップに付すアキシャ
ルレーキを限定したのは、正面視の刃型形状をＳ字とな
すためであるが、先端側チップのアキシャルレーキが５
°以上、後退側チップのそれが８°以上では、切刃全体
の形状精度が不充分になる。
ルレーキを限定したのは、正面視の刃型形状をＳ字とな
すためであるが、先端側チップのアキシャルレーキが５
°以上、後退側チップのそれが８°以上では、切刃全体
の形状精度が不充分になる。
【００１９】
【実施例】第１図乃至第７図に、この発明の一実施例を
示す。
示す。
【００２０】図の１は工具本体、２、３は本体の先端半
球部にほぼ１８０°位置を変えて設けた切削ポケット、
４〜７は、本体のストレート外周部に、軸方向に９０°
ピッチで設けた切削ポケット、８はチップのクランプね
じ、９は、２、３のポケット部に各２個設けたチップ
座、１０は４〜７のポケット部に各１個設けたチップ座
である。
球部にほぼ１８０°位置を変えて設けた切削ポケット、
４〜７は、本体のストレート外周部に、軸方向に９０°
ピッチで設けた切削ポケット、８はチップのクランプね
じ、９は、２、３のポケット部に各２個設けたチップ
座、１０は４〜７のポケット部に各１個設けたチップ座
である。
【００２１】また、ａ〜ｄはチップ座９に、ｅ〜ｈはチ
ップ座１０に各々ねじ８で固定したスローアウェイチッ
プである。
ップ座１０に各々ねじ８で固定したスローアウェイチッ
プである。
【００２２】ａ〜ｄのスローアウェイチップは同じもの
である。このチップは、図６に示すように、側面１２と
上面１３とが鋭角に交わるポジティブタイプで、各切刃
１４が、互いに等しい円弧状の正三角形をなし、それら
切刃１４の曲率半径は、全てのノーズを通る外接円の半
径よりも大きく形成されている。
である。このチップは、図６に示すように、側面１２と
上面１３とが鋭角に交わるポジティブタイプで、各切刃
１４が、互いに等しい円弧状の正三角形をなし、それら
切刃１４の曲率半径は、全てのノーズを通る外接円の半
径よりも大きく形成されている。
【００２３】また、各側面１２には、それぞれ、側面の
逃げ角度αよりも大きな逃げ角度βで傾斜する平坦面１
５が形成されている。この平坦面１５の逃げ角度βは、
通常のポジティブチップの側面の逃げ角度が０〜１５°
であるのに対して、α＜βの関係において好ましくは１
０〜３０°に設定する。
逃げ角度αよりも大きな逃げ角度βで傾斜する平坦面１
５が形成されている。この平坦面１５の逃げ角度βは、
通常のポジティブチップの側面の逃げ角度が０〜１５°
であるのに対して、α＜βの関係において好ましくは１
０〜３０°に設定する。
【００２４】また、平坦面１５の上端は、各切刃１４に
対して適宜な間隔をあけて形成する。これは、切刃の強
度低下と円弧刃の刃形変化を防ぐのに必要である。
対して適宜な間隔をあけて形成する。これは、切刃の強
度低下と円弧刃の刃形変化を防ぐのに必要である。
【００２５】以上の如く構成したａ〜ｄのスローアウェ
イチップは、平坦面１５の２つを、チップ座９に対応し
て設けた傾斜平坦面１１に密着させて動かないように強
固に位置決めしてある。
イチップは、平坦面１５の２つを、チップ座９に対応し
て設けた傾斜平坦面１１に密着させて動かないように強
固に位置決めしてある。
【００２６】また、これ等のチップは、図５に示すよう
に、切刃１４の軌跡が１４の長さの１／４以上のラップ
代をもって１／４円を画くように、また、アキシャルレ
ーキは、ａが２°、同じ切削ポケット２内で後退した位
置にあるｃが５°、他方の切削ポケット３側でも同様に
先端側に位置するｂが２°、後退側のｄが５°の関係に
あってｃの切刃始端はａの切刃の延長線上に、ｄの切刃
始端はｂの切刃の延長線上に各々位置し、ａ〜ｄの各切
刃１４を連続した線で結ぶと、正面視図（図２）におけ
る刃型形状がＳ字刃型となるように配置してある。
に、切刃１４の軌跡が１４の長さの１／４以上のラップ
代をもって１／４円を画くように、また、アキシャルレ
ーキは、ａが２°、同じ切削ポケット２内で後退した位
置にあるｃが５°、他方の切削ポケット３側でも同様に
先端側に位置するｂが２°、後退側のｄが５°の関係に
あってｃの切刃始端はａの切刃の延長線上に、ｄの切刃
始端はｂの切刃の延長線上に各々位置し、ａ〜ｄの各切
刃１４を連続した線で結ぶと、正面視図（図２）におけ
る刃型形状がＳ字刃型となるように配置してある。
【００２７】このほか、ａ〜ｄのチップには、好ましい
態様として図７に判り易く示すように、すくい面（上面
１３）の各コーナ部にチャンファ面１６を付し、切刃１
４の始端と終端を回転方向後方に後退させてある。
態様として図７に判り易く示すように、すくい面（上面
１３）の各コーナ部にチャンファ面１６を付し、切刃１
４の始端と終端を回転方向後方に後退させてある。
【００２８】次に、ストレート外周刃として設けるａ〜
ｈのスローアウェイチップは、本体の剛性低下を少なく
するため、切削ポケット１０を独立させて各々のポケッ
トに１個ずつ取付け、なおかつ、１刃当りの切削負荷を
軽減するために、切刃の軌跡のラップ代が１／４以上と
なるようにしてある。
ｈのスローアウェイチップは、本体の剛性低下を少なく
するため、切削ポケット１０を独立させて各々のポケッ
トに１個ずつ取付け、なおかつ、１刃当りの切削負荷を
軽減するために、切刃の軌跡のラップ代が１／４以上と
なるようにしてある。
【００２９】また、各切屑ポケット１０は、好ましくは
θ（図１参照）＝３０〜６０°の角度で後方に向かって
拡開する形状にしてあり、切屑の排出性に優れる。
θ（図１参照）＝３０〜６０°の角度で後方に向かって
拡開する形状にしてあり、切屑の排出性に優れる。
【００３０】なお、使用チップは、一辺のみを切刃とし
たものでもよいが、先端半球部のチップは円弧の切刃陵
をもつ平面視がほぼ正多角形のチップ、ストレート外周
部のチップは通常の正多角形チップであると、辺の全て
を切刃として使用できるので経済的な無駄がない。
たものでもよいが、先端半球部のチップは円弧の切刃陵
をもつ平面視がほぼ正多角形のチップ、ストレート外周
部のチップは通常の正多角形チップであると、辺の全て
を切刃として使用できるので経済的な無駄がない。
【００３１】また、円弧刃のついたほぼ正多角形のポジ
ティブチップを使用する場合に、そのチップの各側面に
先に述べた傾斜平坦面を設けてこの面をチップ座の対応
した平坦面に密着させる方法を採ると、チップの支持安
定性が増し、チップのシフトによる加工精度の低下が起
こらない。
ティブチップを使用する場合に、そのチップの各側面に
先に述べた傾斜平坦面を設けてこの面をチップ座の対応
した平坦面に密着させる方法を採ると、チップの支持安
定性が増し、チップのシフトによる加工精度の低下が起
こらない。
【００３２】さらに、円弧刃をもつチップのすくい面に
前述のチャンファ面を設けると、喰い付き時の負荷が切
刃の始端に集中せず、始端の欠けが効果的に防止される
ほか、切削抵抗がより小さくなる。
前述のチャンファ面を設けると、喰い付き時の負荷が切
刃の始端に集中せず、始端の欠けが効果的に防止される
ほか、切削抵抗がより小さくなる。
【００３３】以下に、この発明のボールエンドミルの性
能評価試験結果を記す。
能評価試験結果を記す。
【００３４】〔試験１〕この試験に用いたボールエンド
ミルは、例示した構造の本発明品と図８に示す従来品
で、いずれも外径は３０mmである。試験は、図１０に示
す被削材Ｗを下記の条件で加工した。
ミルは、例示した構造の本発明品と図８に示す従来品
で、いずれも外径は３０mmである。試験は、図１０に示
す被削材Ｗを下記の条件で加工した。
【００３５】被削材：Ｓ５０Ｃ（ＨR Ｃ２２程度） 切削条件：切削速度Ｖ＝８０ｍ／ｍｉｎ 回転数Ｎ＝８５０ｒｐｍ 送り ｆ＝0.１mm／ｒｅｖ、0.２mm／ｒｅｖ、 0.３mm／ｒｅｖ、0.４mm／ｒｅｖ 切込み（第１０図のｄ）＝２５mm ピックフィード（第１０図のＰｆ）＝１．０ｍｍ この条件での切削３分力及び切削動力の比較結果を図１
１に示す。
１に示す。
【００３６】〔試験２〕例示の構造の本発明品と、図１
２に示す刃型の比較品（いずれも外径３０ｍｍ、全長１
４５mm）を用いて図１３に示す被削材Ｗ-1をＡ〜Ｄの送
り形態で加工した。加工条件は以下の通り。
２に示す刃型の比較品（いずれも外径３０ｍｍ、全長１
４５mm）を用いて図１３に示す被削材Ｗ-1をＡ〜Ｄの送
り形態で加工した。加工条件は以下の通り。
【００３７】 被削材：プレハードン鋼（Ｈ-1Ｃ４０〜４２） 切削条件：Ｖ＝６０ｍ／ｍｉｎ ｆ＝０.1５mm／ｒｅｖ 切込み Ａｄ＝３mm、Ｒｄ＝４mm この試験における切削３分力の測定結果を図１４に示
す。
す。
【００３８】なお、比較品は、図１３におけるＢの突込
み加工時に中心部切刃が欠損したが、本発明品はそのよ
うな欠損が起こらず、切削抵抗も小さかった。この結果
には、Ｓ字刃型にすること、或いはチャンファ面によっ
て切刃端を後退させることの有効性が如実に現われてい
る。
み加工時に中心部切刃が欠損したが、本発明品はそのよ
うな欠損が起こらず、切削抵抗も小さかった。この結果
には、Ｓ字刃型にすること、或いはチャンファ面によっ
て切刃端を後退させることの有効性が如実に現われてい
る。
【００３９】
【発明の効果】以上述べたように、この発明のボールエ
ンドミルは、有効刃数を増加させ、かつ、正面視の刃型
形状をＳ字形にして１刃当りの切削負荷、切削抵抗、喰
い付き時の衝撃を大巾に低減すると同時にストレート外
周刃用の切屑ポケットを個々に独立させることにより本
体の剛性低下をより少なくし、さらに、切刃全体の形状
精度も不足無く確保したものであるから、性能、寿命が
大きく向上し、安定した高能率加工が可能になると云う
効果がある。
ンドミルは、有効刃数を増加させ、かつ、正面視の刃型
形状をＳ字形にして１刃当りの切削負荷、切削抵抗、喰
い付き時の衝撃を大巾に低減すると同時にストレート外
周刃用の切屑ポケットを個々に独立させることにより本
体の剛性低下をより少なくし、さらに、切刃全体の形状
精度も不足無く確保したものであるから、性能、寿命が
大きく向上し、安定した高能率加工が可能になると云う
効果がある。
【００４０】なお、円弧刃をもつほぼ正多角形のポジテ
ィブチップを、その側面に平坦面を設けてチップ座の対
応した平坦面で位置決めしたものは、チップの支持安定
性が増し、チップのシフトによる加工精度の低下、加工
の中断が効果的に防止される。
ィブチップを、その側面に平坦面を設けてチップ座の対
応した平坦面で位置決めしたものは、チップの支持安定
性が増し、チップのシフトによる加工精度の低下、加工
の中断が効果的に防止される。
【００４１】また、先端半球部のチップのすくい面にチ
ャンファ面を付して切刃の端部を回転方向後方に後退さ
せたものは、切刃端近傍の欠損が起こり難く、切削抵抗
もより一層低減され、性能、寿命がより一層向上すると
云う効果がある。
ャンファ面を付して切刃の端部を回転方向後方に後退さ
せたものは、切刃端近傍の欠損が起こり難く、切削抵抗
もより一層低減され、性能、寿命がより一層向上すると
云う効果がある。
【図１】この発明のボールエンドミルの一例を示す側面
図
図
【図２】図１のエンドミルの正面図
【図３】図１のエンドミルの平面図
【図４】図１のエンドミルの底面図
【図５】切刃の軌跡を示す線図
【図６】（Ｉ）は先端半球部のスローアウェイチップを
座面から外した状態にして示す図、（II）はそのチップ
を切刃の中央付近で切断したときの一部分の拡大断面図
座面から外した状態にして示す図、（II）はそのチップ
を切刃の中央付近で切断したときの一部分の拡大断面図
【図７】先端半球部のチップの斜視図
【図８】従来のボールエンドミルの側面図
【図９】従来の他のボールエンドミルの側面図
【図１０】性能評価試験における被削材の加工形態を示
す図
す図
【図１１】試験結果を示すグラフ
【図１２】他の性能評価試験に用いた比較品の刃型を示
す正面図
す正面図
【図１３】その試験に於ける被削材の加工形態を示す図
【図１４】試験結果を示すグラフ
１ 本体 ２、３、４、５、６、７ 切削ポケット ８ クランプねじ ９、１０ チップ座 １１ ９のチップ座の平坦面 １２ ａ〜ｄのチップの側面 １３ そのチップの上面（すくい面） １４ 円弧切刃 １５ チップの側面に設けた平坦面 １６ チャンファ面
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項１】 本体の先端半球部のほぼ回転対称位置に
２つの切屑ポケットを設けて各切屑ポケットにチップ座
を各々複数個形成し、それぞれのチップ座に円弧刃を有
するスローアウェイチップを切り刃の回転軌跡が半球面
を画くように取付け、この状態下での画切り刃の軌跡の
ラップ代を切刃長さの１／４以上、各切屑ポケットの先
端側チップのアキシャルレーキを０〜５°、後退側チッ
プのアキシャルレーキを４〜８°の範囲で先端側チップ
のそれよりも大に設定し、かつ、後退側チップの切刃始
端を同一切屑ポケット内にある先端側チップの切刃の延
長線上に位置せしめてエンドミルの正面視における刃型
形状を略Ｓ字にし、さらに、本体の先端半球部に連なる
ストレート外周部に、軸方向後方に向かって拡開する切
屑ポケットを周方向及び軸方向に変位して複数個設置
し、その切屑ポケットにチップ座を各１個設けてそれぞ
れのチップ座上にストレートな切刃陵を有するスローア
ウェイチップを切刃長さの１／４以上の等ラップ代で軌
跡が軸方向に連なる状態に取付け、このチップの切刃で
ストレート外周刃を構成したことを特徴とするスローア
ウェイ式ボールエンドミル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3306173A JPH0531615A (ja) | 1991-11-21 | 1991-11-21 | スローアウエイ式ボールエンドミル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3306173A JPH0531615A (ja) | 1991-11-21 | 1991-11-21 | スローアウエイ式ボールエンドミル |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21788988A Division JPH0265911A (ja) | 1988-08-30 | 1988-08-30 | スローアウェイ式ボールエンドミル |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0531615A true JPH0531615A (ja) | 1993-02-09 |
Family
ID=17953921
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3306173A Pending JPH0531615A (ja) | 1991-11-21 | 1991-11-21 | スローアウエイ式ボールエンドミル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0531615A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006192530A (ja) * | 2005-01-13 | 2006-07-27 | Osg Corp | スローアウェイ式切削工具及びスローアウェイチップ |
| WO2007125613A1 (ja) * | 2006-04-28 | 2007-11-08 | Union Tool Co. | 回転切削工具 |
| US20120076596A1 (en) * | 2009-06-02 | 2012-03-29 | Taegutec, Ltd. | Reversible Cutting Insert and Tool Assembly Having the Same |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5973216A (ja) * | 1982-10-19 | 1984-04-25 | Toshiba Tungaloy Co Ltd | ボ−ルエンドミル |
-
1991
- 1991-11-21 JP JP3306173A patent/JPH0531615A/ja active Pending
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5973216A (ja) * | 1982-10-19 | 1984-04-25 | Toshiba Tungaloy Co Ltd | ボ−ルエンドミル |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006192530A (ja) * | 2005-01-13 | 2006-07-27 | Osg Corp | スローアウェイ式切削工具及びスローアウェイチップ |
| JP4628113B2 (ja) * | 2005-01-13 | 2011-02-09 | オーエスジー株式会社 | スローアウェイ式切削工具及びスローアウェイチップ |
| WO2007125613A1 (ja) * | 2006-04-28 | 2007-11-08 | Union Tool Co. | 回転切削工具 |
| US20120076596A1 (en) * | 2009-06-02 | 2012-03-29 | Taegutec, Ltd. | Reversible Cutting Insert and Tool Assembly Having the Same |
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