JPH05315618A - 絶縁ゲート型半導体装置 - Google Patents

絶縁ゲート型半導体装置

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JPH05315618A
JPH05315618A JP11276292A JP11276292A JPH05315618A JP H05315618 A JPH05315618 A JP H05315618A JP 11276292 A JP11276292 A JP 11276292A JP 11276292 A JP11276292 A JP 11276292A JP H05315618 A JPH05315618 A JP H05315618A
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JP
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gate
electrode
source
semiconductor device
current
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JP11276292A
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English (en)
Inventor
Naoki Kumagai
直樹 熊谷
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 絶縁ゲート型半導体装置において、スイッチ
ング損失に大きく関与するゲート・ドレイン間容量を低
減することにより、低オン電圧で低駆動エネルギーおよ
び低スイッチング損失の絶縁ゲート型半導体装置を実現
すること。 【構成】 縦型MOSFET50は、ゲート酸化膜5を
介してエピタキシャル層2に設置され、ゲート駆動回路
電源18の正電位側に接続された第2ゲート電極7を有
しており、スイッチング時に生じる変位電流を第2ゲー
ト電極7において、吸収,バイパス制御可能なためゲー
ト電極6に流れる変位電流を抑制でき、ゲート電位の変
化が妨げられることがないので、スイッチング特性が向
上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力変換機器などに用
いられる絶縁ゲート型半導体装置に関し、特に、そのス
イッチング損失を低減するための技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】インバータなどの電力変換機器に用いら
れる絶縁ゲート型トランジスタの一例を図7に示す。図
7(a)は、縦型MOSFETの構成を示す断面図、図
7(b)は、同縦型MOSFETの等価回路図である。
これらの図において、縦型MOSFET100は、ドレ
イン電極110が接続されたn+ 型の半導体基板101
の表面にn- 型のエピタキシャル層102が形成されて
いる。エピタキシャル層102の表面には、ゲート酸化
膜105を介してゲート電極106が形成されており、
また、このゲート電極106をマスクに用いてエピタキ
シャル層102の表面に不純物が導入され、p型のベー
ス層103が形成されている。同様に、ベース層103
の上に形成されたソース電極109を用いてベース層1
03の表面にn型のソース層104が形成される。ここ
で、ゲート電極106にはゲート端子112が、ソース
電極109にはソース端子111が、そして、ドレイン
電極110にはドレイン端子113が、それぞれ接続し
ている。
【0003】絶縁ゲート型トランジスタにおいては、そ
の高速性の向上および駆動エネルギーの低減などが要求
されているが、それらの事項にトランジスタの入力容量
は大きく関与しており、このことにつき以下に説明す
る。
【0004】上記構成の縦型MOSFET100の入力
容量は、その構造において構成される3つの電極間容
量、すなわち、ゲート・ソース間容量CGS10,ゲート・
ドレイン間容量CDG10,ソース・ドレイン間容量CDS10
からなる。縦型MOSFET100などの絶縁ゲート型
トランジスタは、ゲート電界効果を利用したものであ
り、その入力容量は印加されるゲート電圧によって変化
するゲート電圧依存性を示す。このため縦型MOSFE
T100において、その入力容量は、ゲート・ソース間
容量CGS10とゲート・ドレイン間容量CDG10に依存し、
特に、ゲート・ドレイン間容量CDG10に大きく依存す
る。ここで、ゲート・ドレイン間容量CDG10は、ゲート
酸化膜容量と半導体装置内の空乏層容量との直列接続で
表される容量である。従って、ドレイン電圧に対して正
の電位がゲート電極106に印加されている場合には、
エピタキシャル層102の表面には多数キャリアである
電子が存在し蓄積状態にあるため、空乏層はなく、ゲー
ト・ドレイン間容量CDG10の全容量はゲート酸化膜容量
に等しい。そして、ゲート電圧がドレイン電圧に対し負
の電位となると、空乏層が伸長して空乏状態となり、ゲ
ート酸化膜容量に空乏層容量が直列に加わり全容量は低
下する。この際、ドレイン電圧が増加すると空乏層幅が
増し、空乏層容量が減少するため、全容量も減少する。
【0005】図8は、図7に示す縦型MOSFET10
0の誘導負荷におけるターンオフ過程を模式的に示すグ
ラフ図である。ここで、実線131は縦型MOSFET
100のゲート・ソース間電圧VGS10を、実線132は
縦型MOSFET100のソース・ドレイン間電圧V
DS10を、実線133は縦型MOSFET100のソース
・ドレイン間を流れるドレイン電流ID10 を、それぞれ
示す。
【0006】本図において、期間T1 は通常のオン期間
で、縦型MOSFET100においては、ドレイン層で
ある半導体基板101にソース層104からエピタキシ
ャル層102を介して多くのキャリアが注入されてお
り、低抵抗の素子となっている。ここで、時刻t1 にお
いて、ゲート電極106に印加されている電圧を遮断す
ると、ゲート・ソース間電圧VGS10は、主にゲート・ソ
ース間容量CGS10とゲート抵抗117との積で決定され
る時定数で低下する。時刻t2 において、ゲート・ソー
ス間電圧VGS10の低下に伴いドレイン電流ID10 の低下
が起こり始めようとすると、インダクタンス成分によ
り、すなわち、ソース・ドレイン間電圧VDS 10の上昇に
より空乏層が伸長し、エピタキシャル層102に蓄積さ
れた過剰キャリアが掃き出されるので、この掃き出し電
流によりドレイン電流ID10 が維持される。ここで、ソ
ース・ドレイン間電圧VDS10が上昇すると、ゲート・ソ
ース間容量CGS10とゲート・ドレイン間容量CDG10に分
割された変位電流が流れ、ゲート・ドレイン間容量C
DG10への変位電流は、ゲート抵抗117を通して電圧降
下を生じる。このため、ゲート・ソース間電圧VGS10
低下が妨げられ、期間T10において、ゲート・ソース間
電圧VGS10はほぼ一定の値となる。ここで、期間T3
期間T4 におけるソース・ドレイン間電圧VDS10のdv
/dtの違いは、前述のようにゲート・ドレイン間容量
DG10がゲート電圧依存性を有し、ソース・ドレイン間
電圧VDS10が増大して空乏層が伸長すると、L負荷のド
レイン電流ID10 を維持するために大きなdv/dtが
必要となることに起因している。そして、時刻t4 にお
いて、ソース・ドレイン間電圧VDS10が一定電圧に到達
し、その値でクランプされると(FWDがある場合)、
変位電流を流すことが不可能になり、ゲート・ソース間
電圧VGS10が再度低下し始めると共にドレイン電流ID1
0 が減少する。そして、時刻t5 でドレイン電流ID10
は遮断され、縦型MOSFET100はオフ状態へ移行
する。ここで、ゲート・ソース間容量CGS10は、ゲート
・ソース間電圧VGS10の低下にかかわる時定数を決定す
るものであり、このターンオフ過程においては期間T2
と期間T11の特性に関係し、主にゲート駆動エネルギー
に関与している。そして、ゲート・ドレイン間容量C
DG10は、期間T10の特性に関係し、ゲート駆動エネルギ
ーと共にスイッチング損失に関与している。
【0007】上記のように、ゲート・ソース間容量C
GS10およびゲート・ドレイン間容量CDG10は、縦型MO
SFET100のスイッチング特性に大きく関与してい
る。特に、ゲート・ドレイン間容量CDG10は、素子のス
イッチング損失に関与するものであり、ゲート電極に印
加される電圧によって容量が変化し、このために大きな
dv/dtが必要となり、また、ゲート・ドレイン間容
量CDG10が大きいと、dv/dtが低下するため、スイ
ッチング損失はより増大することになる。なお、以上タ
ーンオフ過程について述べたが、ターンオン過程でも同
様であり、ゲート・ドレイン間容量CDG10が大きいと、
ゲート駆動エネルギーおよびスイッチング損失の増大を
招来する。
【0008】ゲート駆動エネルギーおよびスイッチング
損失を低減させるには、ゲート・ドレイン間容量CDG
小さな素子とする必要があり、縦型MOSFET100
においてゲート・ドレイン間容量CDG10を小さくする1
つの手段としては、ベース層103の相互の間隔を小さ
くし、狭チャネル化してゲート酸化膜容量と空乏層容量
とを共に小さくして全容量の低減を図ることは可能であ
るが、このことにより、オン電圧の上昇を招来する。こ
のことは、特に高耐圧用素子において顕著であり実用に
適さない。
【0009】図9は、ゲート・ドレイン間容量CDGの低
減を図るために提案されている絶縁ゲート型半導体装置
の構成を示す断面図である。なお、図9において、図7
に示す部分と同一部分には同一参照符号を付し、その説
明は省略する。この縦型MOSFET200において、
図7に示す縦型MOSFET100と異なる点は、ゲー
ト電極116と、このゲート電極116の直下のエピタ
キシャル層102とで挟まれた部分のゲート酸化膜11
5が他の領域のゲート酸化膜105に比して厚く形成さ
れている点である。ゲート酸化膜容量は、ゲート酸化膜
115の膜厚さに逆比例して低下するので、縦型MOS
FET200においては、そのゲート・ドレイン間容量
DGを小さくすることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9に
示す構成の縦型MOSFET200においても、そのス
イッチング損失を大幅に低減させることは困難である。
すなわち、縦型MOSFET200は、そのゲート・ド
レイン間容量CDGの内のゲート酸化膜容量を低減してい
るため、空乏層の伸長が小さな期間T3 においては、d
v/dtが増加するので、期間T3 を短縮することがで
き、ゲートの駆動エネルギーを軽減することができる。
しかし、空乏層が大きく伸長し、ソース・ドレイン間電
圧VDSが急激に上昇する期間T4 においては、ゲート酸
化膜容量よりも空乏層容量の方が小さくなるため、ゲー
ト・ドレイン間容量CDGの全容量としては大きく低下し
ないので、dv/dtの大幅な増加はなく、ドレイン電
流ID および高いソース・ドレイン間電圧VDSが生じて
いる期間T4 は短縮されない。このことは、特に、エピ
タキシャル層102の厚い高耐圧用素子において顕著と
なり、実用に適さないという問題がある。
【0011】また一方で、図10に示す構成のゲート・
ドレイン間容量CDGの小さな絶縁ゲート型半導体装置が
提案されている。なお、図10において、図7に示す部
分と同一部分には同一参照符号を付し、その説明は省略
する。この縦型MOSFET300において、図7に示
す縦型MOSFET100と異なる点は、そのゲート電
極126がエピタキシャル層102とソース層104と
に挟まれたベース層103の表面側のみに設置されてい
る点である。従って、縦型MOSFET300において
は、ゲート電極126とエピタキシャル層102とで挟
まれるゲート酸化膜105の面積が狭いため、そのゲー
ト酸化膜容量を低減することができるので、ゲート・ド
レイン間容量CDGを小さくすることができる。しかしな
がら、この縦型MOSFET300においても、ゲート
電極126とエピタキシャル層102とのオーバーラッ
プ領域を通して変位電流が流れるため、ゲート・ソース
間電圧VGSの低下が妨げられるので、スイッチング損失
に関与する期間T10を大幅に短縮させることは困難であ
るという問題がある。
【0012】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
低オン電圧でゲート駆動エネルギーおよびスイッチング
損失の両者を大幅に低減可能な絶縁ゲート型半導体装置
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
に、本発明においては、エピタキシャル層に絶縁膜を介
して設置した電流吸収手段を用いて、低ゲート駆動エネ
ルギーおよび低スイッチング損失を実現可能な構造とし
ている。すなわち、本発明において講じた手段は、第2
導電型で低濃度のエピタキシャル層の表面に、ドレイン
電極が接続された第2導電型で高濃度のドレイン層と対
峙して、離散的に形成された第1導電型のベース層と第
2導電型のソース層を備え、ベース層にゲート酸化膜を
介して設置されたゲート電極と、ソース層に接続された
ソース電極と、を有するMOS部からなる絶縁ゲート型
半導体装置においては、エピタキシャル層に絶縁膜を介
して設置した電流吸収手段を有することである。
【0014】この電流吸収手段は、ソース電極または外
部端子と接続する電流吸収電極とすることが好ましい。
ここで、この電流吸収電極は、ソース電極をエピタキシ
ャル層の表面上にまで延設することにより形成すること
ができる。また、外部端子は、電流吸収電極に導通電圧
を印加可能な駆動回路電源端子とすることが望ましい。
【0015】また、電流吸収手段は、ゲート電極に高比
抵抗領域を介して隣接して形成された電流吸収電極であ
って、この電流吸収電極は電極間絶縁膜を介してソース
電極と交流的に接続されたものであっても良い。
【0016】
【作用】斯かる手段を講じた本発明に係る絶縁ゲート型
半導体装置においては、エピタキシャル層に絶縁膜を介
して設置した電流吸収手段を有しているため、素子のス
イッチング時にゲート・ドレイン間容量を通じて流れる
変位電流を電流吸収手段において吸収し、ゲート電極以
外へバイパス制御することができる。従って、変位電流
によりゲート・ソース間電圧の変化が妨げられることが
なく、ゲート電位の増減が短期間で行われるので、低ゲ
ート駆動エネルギーおよび低スイッチング損失を実現す
ることができる。また、ゲート電位の増減がスムーズで
あるため、空乏層の伸長も速く、ゲート・ドレイン間容
量を低減することができるので、スイッチング損失をよ
り小さくすることが可能となる。
【0017】ここで、電流吸収手段として電流吸収電極
を用い、この電流吸収電極に導通電圧を印加可能な駆動
回路電源端子に接続した場合には、素子のオン状態にお
いて、エピタキシャル層の表面に多数キャリアの蓄積層
を形成することができるため、オン電圧が上昇すること
がない。
【0018】
【実施例】つぎに、本発明に係る実施例を添付図面を参
照して説明する。
【0019】〔実施例1〕図1は、本発明の実施例1に
係る縦型MOSFETの構成を示す断面図である。本図
において、縦型MOSFET40の構成は、従来の縦型
MOSFETと同様に、ドレイン電極10が接続された
+ 型(第2導電型)の半導体基板(ドレイン層)1の
上に、エピタキシャル成長によりn- 型のエピタキシャ
ル層2が形成されている。そして、このエピタキシャル
層2の表面には、離散的にp型(第1導電型)のベース
層3が拡散形成され、さらに、ベース層3の表面には、
+型のソース層4が形成されている。そして、ソース
層4には、ソース電極9が接続されており、このソース
電極9は、所定の距離をおいて形成されたソース層4の
間のベース層3の表面を短絡するように設置されてい
る。
【0020】本例の縦型MOSFET40において着目
すべき点は、ダブルゲート構造を有している点であり、
特に、第2ゲート電極(電流吸収電極)7がソース電極
9と接続していることである。すなわち、ベース層3の
表面側には、エピタキシャル層2の端部からソース層4
の端部にかけて、ゲート酸化膜5を介して第1ゲート電
極6が設置されており、また、エピタキシャル層2の表
面側には、ゲート酸化膜5を介して第2ゲート電極7が
設置されている。この第1ゲート電極6と第2ゲート電
極7とは、層間絶縁膜8により分離されており、また、
第2ゲート電極7は、ソース電極9に接続されている。
このように本装置は、ソース層4,半導体基板1および
第1ゲート電極6によりnチャネル型の縦型MOSFE
T40を構成している。なお、本装置において各電極に
は外部端子が接続されており、第1ゲート電極6にはゲ
ート端子12が、第2ゲート電極7およびソース電極9
にはソース端子11が、そして、ドレイン電極10には
ドレイン端子13が、それぞれ接続されている。
【0021】本例の縦型MOSFET40におけるオン
状態およびオフ状態の動作は、先に説明した従来の縦型
MOSFETとほぼ同様であるため、詳細な説明は省略
する。ここで、本例の縦型MOSFET40の特徴であ
るソース電極9に接続された第2ゲート電極7に着目す
ると、縦型MOSFET40のオフ状態において、ゲー
ト電圧が遮断されると、ゲート・ソース間電圧VGSが低
下し、ソース層4からエピタキシャル層2へ注入される
多数キャリアの数が減少する。このために、空乏層が伸
長してエピタキシャル層2に蓄積された過剰キャリアを
掃き出すため、空乏層の伸長に伴ってソース・ドレイン
間電圧VDSが上昇する。そして、ソース・ドレイン間電
圧VDSの上昇に伴いゲート・ドレイン間容量CDGが低下
するため、このゲート・ドレイン間容量CDGを通じて変
位電流が第1,第2ゲート電極6,7へ流れる。ここ
で、変位電流は、ゲート・ドレイン間容量CDGのゲート
酸化膜容量の領域を通じて流れるため、その多くはエピ
タキシャル層2にゲート酸化膜5を介して設置されてい
る第2ゲート電極7を介してソース電極9へ流される。
従って、本例の縦型MOSFET40においては、第1
ゲート電極6に流れる変位電流が抑制されるため、従来
の装置のように変位電流によってゲート・ソース間電圧
の変化が妨げられることがない。よって、ゲート電位の
変化が短期間で行われるため、素子の低駆動エネルギー
および低スイッチング損失を達成することができる。ま
た、ゲート電位の変化が短期間でスムーズに行われるた
め、ゲート・ドレイン間容量CDGを低減させることがで
き、帰還容量が小さくなるのでよりスイッチング損失を
低減させることができる。
【0022】〔実施例2〕図2は、本発明の実施例2に
係る縦型MOSFETの構成を示す断面図であり、図3
は、図2に示す縦型MOSFETの駆動回路を示す回路
図である。なお、図2において、図1に示す部分と同一
部分には同一参照符号を付し、その説明は省略する。こ
の縦型MOSFET50において、図1に示す縦型MO
SFET40と異なる点は、その第2ゲート電極7が第
2ゲート端子14と接続されている点である。すなわ
ち、本例の縦型MOSFET50は、その第2ゲート電
極7が第1ゲート用ゲートパッドとは異なるゲートパッ
ドにより外部電極として取り出すことができるようにな
っている。
【0023】このような構成の縦型MOSFET50
は、第1ゲート電極6と接続しているゲート端子12
は、通常のゲート駆動回路19の出力端子に接続されて
いる。この一方で、第2ゲート電極7に接続している第
2ゲート端子14は、駆動回路電源18の正電位側に接
続されている。従って、第2ゲート電極7は、交流的に
はソース電極9に接続されていることになり、スイッチ
ング時に生じる変位電流の多くをソース電極9にバイパ
ス制御して、ゲート電極6に流れる変位電流を抑制する
ことが可能なので、実施例1と同様な効果を得ることが
できる。ここで、本例の縦型MOSFET50において
は、第2ゲート電極7が駆動回路電源18の正電位側に
接続されているため、オン状態において、第2ゲート電
極7の直下のエピタキシャル層2の表面側には電子の蓄
積層が形成されるので、オン電圧が上昇することもな
い。
【0024】〔実施例3〕図4は、本発明の実施例3に
係る縦型MOSFETの構成を示す断面図である。な
お、図4において、図1に示す部分と同一部分には同一
参照符号を付し、その説明は省略する。この縦型MOS
FET60において、図1に示す縦型MOSFET40
と異なる点は、その第1ゲート電極6と第2ゲート電極
7との構造である。すなわち、本例の縦型MOSFET
60においては、一体に形成された第1,2ゲート電極
6,7が、高比抵抗領域により、それぞれの領域に分離
された構造となっている。
【0025】このような構成の縦型MOSFET60に
おいては、その第2ゲート電極7を実施例1または実施
例2のように直接ソース電極9などに接続するのではな
く、第1,第2ゲート電極6,7の上部に形成される層
間絶縁膜8の膜厚さを薄く形成して第2ゲート電極7と
ソース電極9とを交流的に短絡する構造としている。
【0026】従って、第2ゲート電極7とソース電極9
との電極間容量を増加させることができ、ゲート・ソー
ス間容量CGSを通じて流れる変位電流に対してのインピ
ーダンスを低下させ、その結果として第1ゲート電極6
に流れる変位電流を減少させることができる。よって、
実施例1または実施例2と同様な効果を得ることができ
る。
【0027】〔実施例4〕図5は、本発明の実施例4に
係る縦型MOSFETの構成を示す断面図である。な
お、図5において、図4に示す部分と同一部分には同一
参照符号を付し、その説明は省略する。この縦型MOS
FET70において、図4に示す縦型MOSFET60
と異なる点は、その第1,第2ゲート電極6,7の上部
にSi窒化膜21が形成され、このSi窒化膜21を介
して第2ゲート電極7にソース電極9が接続されている
点である。
【0028】このような構成の縦型MOSFET70に
おいては、実施例3の縦型MOSFET60と同様に、
第2ゲート電極7とソース電極9との電極間容量を増加
させることができるため、その結果として第1ゲート電
極6に流れる変位電流を減少させることができ、低駆動
エネルギーおよび低スイッチング損失を実現することが
できる。さらに、本例の縦型MOSFET70において
は、第1ゲート電極6とソース電極9とを分離する層間
絶縁膜8の膜厚さを厚くすることができる。従って、ゲ
ート駆動エネルギーの増減に関与するゲート・ソース間
容量CGSの増加を招来することもない。
【0029】〔実施例5〕図6は、本発明の実施例5に
係る縦型MOSFETの構成を示す断面図である。な
お、図6において、図1に示す部分と同一部分には同一
参照符号を付し、その説明は省略する。この縦型MOS
FET80において、図1に示す縦型MOSFET40
と異なる点は、第2ゲート電極7に替わり、エピタキシ
ャル層2にSi窒化膜21を介して延設されたソース電
極9が設置されている点である。
【0030】このような構成の縦型MOSFET80に
おいては、変位電流がSi窒化膜21を介して直接ソー
ス電極9に流れる構造となっているため、実施例1と同
様な効果を得ることができる。
【0031】以上のとおり、本発明に係る絶縁ゲート型
半導体装置においては、素子のスイッチング時に生じる
変位電流をゲート電極以外にバイパス制御可能な構造と
なっているため、ゲート・ソース間電圧の変化を妨げる
ことがないので、低駆動エネルギーおよび低スイッチン
グ損失を実現したものである。そして、本発明の変位電
流バイパス手段によれば、エピタキシャル層の厚い高耐
圧用素子のスイッチング時においても、同等な効果を得
ることができるため、高耐圧で低スイッチング損失の素
子とすることができる。
【0032】なお、実施例1ないし実施例5において
は、半導体基板などに対し、ソース電極とドレイン電極
が表面,裏面の関係で形成された、いわゆる縦型の半導
体装置について説明したが、これに限らず、ソース電極
とドレイン電極が半導体基板などの同じ面に形成され
た、いわゆる横型の半導体装置でも良いことは勿論であ
る。また、上記実施例においては、nチャネル型の半導
体装置について説明したが、それらの各領域が逆の導電
型であっても良い。そして、本発明に係る変位電流バイ
パス手段は、他の絶縁ゲート型半導体装置、たとえば、
伝導度変調型MOSFET(IGBT)やMOSゲート
サイリスタなどにも適用できる。
【0033】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係る絶縁ゲート
型半導体装置においては、エピタキシャル層に絶縁膜を
介して設置した電流吸収手段を有していることに特徴が
ある。
【0034】このことにより、本装置においては、その
スイッチング時にゲート・ドレイン間容量を通じて流れ
る変位電流を電流吸収手段において吸収し、ゲート電極
以外へバイパス制御することができる。従って、ゲート
電極に流れる変位電流が抑制されるため、ゲート・ソー
ス間電圧の変化が妨げられることがなく、ゲート電位の
変化が短期間で行われるので、素子の低駆動エネルギー
および低スイッチング損失を達成することができる。ま
た、ゲート電位の変化が短期間でスムーズに行われるた
め、ゲート・ドレイン間容量を低減させることができ、
帰還容量が小さくなるのでスイッチング損失をより低減
させることができる。
【0035】また、このような構成の絶縁ゲート型半導
体装置において、その電流吸収電極を素子に導通電圧を
印加可能な駆動回路電源に接続した場合には、素子のオ
ン状態において、電流吸収電極の直下のエピタキシャル
層の表面側に電子の蓄積層が形成されるので、オン電圧
が上昇することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る半導体装置の構成を示
す断面図である。
【図2】本発明の実施例2に係る半導体装置の構成を示
す断面図である。
【図3】同半導体装置の駆動回路を示す回路図である。
【図4】本発明の実施例3に係る半導体装置の構成を示
す断面図である。
【図5】本発明の実施例4に係る半導体装置の構成を示
す断面図である。
【図6】本発明の実施例5に係る半導体装置の構成を示
す断面図である。
【図7】(a)は参考例の縦型MOSFETの構成を示
す断面図、(b)は同縦型MOSFETの等価回路図で
ある。
【図8】図7に示す縦型MOSFETの電流電圧特性を
示すグラフ図である。
【図9】参考例の縦型MOSFETの構成を示す断面図
である。
【図10】参考例の縦型MOSFETの構成を示す断面
図である。
【符号の説明】
1・・・半導体基板 2・・・エピタキシャル層 3・・・ベース層 4・・・ソース層 5・・・ゲート酸化膜 6・・・第1ゲート電極 7・・・第2ゲート電極 8・・・層間絶縁膜 9・・・ソース電極 10・・・ドレイン電極 11・・・ソース端子 12・・・ゲート端子 13・・・ドレイン端子 14・・・第2ゲート端子 18・・・駆動回路電源 19・・・ゲート駆動回路 21・・・Si窒化膜 40,50,60,70,80・・・縦型MOSFET

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第2導電型で低濃度のエピタキシャル層
    の表面に、ドレイン電極が接続された第2導電型で高濃
    度のドレイン層と対峙して、離散的に形成された第1導
    電型のベース層と第2導電型のソース層を備えたMOS
    部を有し、前記ベース層にゲート酸化膜を介して設置さ
    れたゲート電極と、前記ソース層に接続されたソース電
    極と、を有する半導体装置において、前記MOS部に
    は、前記エピタキシャル層に絶縁膜を介して設置された
    電流吸収手段を有することを特徴とする絶縁ゲート型半
    導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記電流吸収手段
    は、前記ソース電極と接続する電流吸収電極であること
    を特徴とする絶縁ゲート型半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記電流吸収手段
    は、外部端子と接続された電流吸収電極であることを特
    徴とする絶縁ゲート型半導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記電流吸収手段
    は、前記ゲート電極に高比抵抗領域を介して隣接して形
    成された電流吸収電極であって、この電流吸収電極は電
    極間絶縁膜を介して前記ソース電極と交流的に接続され
    ていることを特徴とする絶縁ゲート型半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項2において、前記電流吸収電極
    は、前記ソース電極が前記エピタキシャル層の表面上ま
    で延設されてなることを特徴とする絶縁ゲート型半導体
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項3において、前記外部端子は、前
    記電流吸収電極に導通電圧を印加可能な駆動回路電源端
    子であることを特徴とする絶縁ゲート型半導体装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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