JPH0531353Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は給水・給湯用配管並びに温泉引上げ用
配管等に適用される管継手構造に関し、詳細には
高い耐久性を有すると共に、漏水等がなく確実な
管接合性能を発揮し得る管継手構造に関するもの
である。

［従来の技術］ 給水・給湯用配管や温泉引上げ用配管として
は、断熱性及び耐食性・耐圧性を考慮して合成樹
脂ライニング鋼管が利用されることが多かつた。

第３図は３層構造の合成樹脂ライニング鋼管の
継手部分を示す断面説明図であり、該合成樹脂ラ
イニング鋼管は内周側より合成樹脂製管２、発泡
樹脂製断熱層３、及び鋼管４によつて形成され、
継手部は次に様に構成されていた。即ち合成樹脂
製管２の管端部２ａの内側には、部材の先端開口
方向に向かつて漸次縮径する様な先細外周面を形
成した金属製（例えばステンレス鋼製やアルミニ
ウム合金製）のフランジ付筒体５か嵌入され、該
先細状管端部２ａの外周側には円環状のフランジ
単体６が嵌装され、対面する上記筒体５，５同士
をパツキング７を介してボルト・ナツト８ａによ
り締結固定し、さらに対面する２つの上記フラン
ジ単体６，６同士もボルト・ナツト８ｂにより締
結する。これにより管端部２ａは筒体５とフラン
ジ単体６の間に挟持される様にして固定され、隣
接する２つの管端部２ａ，２ａ同士は２つの筒体
５，５及びパツキン７を介して接続されることに
なる。そして該継手部分を取り囲む様に縦割り形
状のカバー９を被覆し、該カバー９の外周をベル
ト１０によつて締付け固定すると共に、カバー９
内に断熱用の発泡樹脂製充填材１１を充満させ、
該継手部分における断熱効果を保つ様に構成され
る。

［考案が解決しようとする課題］ ところが上記の合成樹脂ライニング鋼管によつ
て配管を行なう場合、曲がり配管部の多い所では
施工法が非常に悪いという不都合があつた。これ
は合成樹脂ライニング鋼管は曲管形状に加工する
ことが非常に困難であり、まして配管施工現場に
おいて鋼管を曲げ加工するといつたことはまつた
くできなかつた。また管の最外周側に形成された
鋼管は腐食し易く、耐久性の面においても問題が
あつた。

一方第３図に示した管継手構造においては、機
械的な嵌合及び挟持手段によつて管が支持・結合
されているだけなので、内部流体の温度や外気温
度の変化による膨張及び収縮の繰返しが原因とな
つて部材同士の間で隙間を生じ、内部流体の漏出
事故を引き起こすという恐れもあつた。

そこで本考案者らは、施工性に優れ且つ高い断
熱性及び耐久性を発揮する管を採用し、この管の
接合に適した継手部構造を提供する目的で、種々
工夫を重ねた結果、本考案を完成した。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成し得た本考案によれば合成樹脂
製管の外周に繊維マツト層を被覆してなる複層管
の管継手構造であつて、前記合成樹脂製管は合成
樹脂製管継手部材を介して接合され、前記繊維マ
ツト層は前記管継手部材の外周に延出被覆し、さ
らに前記複層管と前記管継手部材の接合部外周は
軸方向に分割された外装押え管が取付けられてな
る管継手構造が提供される。

［作用及び実施例］ 第１図は本考案の代表的な実施例を示す一部破
断斜視図である。合成樹脂製管２（以下単に管２
という）はポリブテン樹脂によつて形成され、該
管２の外周にはガラス繊維製のマツト層２１が形
成される。該ガラス繊維はシームレスな筒体とし
て編成され、該編成加工と同時に合成樹脂製管２
を内装して製造する。上記繊維マツト層２１には
ガラス繊維の他、ナイロン繊維やビニール繊維等
の耐熱性・耐食性に優れた繊維が使用され、これ
らの繊維は編成加工や織り加工によつて筒形状に
形成される。上記の複層管であれば、耐圧性及び
耐食性等について何ら支障なしに曲げ配管を行な
うことができる。

上記複層管用の管継手は次に詳述する様に構成
される。

ポリブテン樹脂性の片ソケツト片フランジ型管
継手部材２２が管端２ａに融着接合ささる。即ち
まず管端２ａ部の繊維マツト層２１を後方（第１
図の右上方）へ折返し、次いで管端２ａ外周面及
び管継手部材２２の受入部２２ａ内面を加熱軟化
し、管端２ａ先端面がストツパー２２ｂに突き当
たるまで管端２ａを受入れ部２２ａに嵌入し、両
部材を融着接合する。上記管継手部材２２の開口
端側（受入部２２ａを形成した反対側の端部）に
はフランジ状の当接部２２ｃが形成される。そし
て上記融着接合が完了した後、上記繊維マツト層
２１を戻して管２から、管継手部材２２外周面に
わたる様にこれを被覆する。さらにこの繊維マツ
ト層２１の外側には、縦割りされた外装押え管２
３（以下単に押え管という）を取付ける。該押え
管２３は管軸と平行な方向に２分割されており
（第１図においては上下に分割されている）、段付
の管体部２３ｅの一方端（管２の開口端側）には
有孔フランジ部２３ｂが形成され、該フランジ部
２３ｂは前記当接部２２ｃの後方側面に当接され
ると共に、適当数のボルト貫通用孔２３ｃが形成
される。また管体部２３ｅの上下方向開口部の両
脇には管軸と平行に座部２３ａが一体的に形成さ
れ、該座部２３ａにはボルト挿設用の貫通孔２３
ｄが形成される。従つて上下に半割形状の押え管
２３，２３は上記座部２３ａ，２３ａを対面し、
貫通孔２３ｄ，２３adにボルトを挿通して締付
固定する。

上記の様に構成された２つの隣接する管継手部
材２２同士を接続するに当たつては、当接部２２
ｃ同士を対面し、その間にゴム製パツキン又はガ
スケツトを挟み込んで当接し、そして当接部２２
ｃの外側にある有孔フランジ部２３ｂ同士をボル
ト・ナツトを介して締付固定する。

上記継手部構造であれば合成樹脂製管２と前記
管継手部材２２は融着接合によつて確実に密閉接
合され、さらに押え管２３のフランジ接合によつ
て隣接する管端同士を確実に接続する。尚該管継
手部における断熱性能を向上させるために、継手
部全体をカバー９によつて被覆し、その内部に発
泡樹脂等の断熱材１１を充填させる構造として良
い。

第２図は本考案の他の実施例を示す斜視説明図
である。管継手部材２２は両端に夫々受入れ部２
２ａ，２２ａが一体的に形成され、管２を両端で
接合する両受けソケツトとする。管端２ａと管継
手部材２２は前述の実施例と同様、融着接合によ
つて接合する。この融着接合の後、繊維マツト層
２１は管２から管継手部材２２に亘つて被覆され
る。一方押え管２３は管軸と平行方向に２分割さ
れ、管の押え部２３ｘ，２３ｘはこれより大径の
管継手部材の押え部２３ｙを挟んで一体的に形成
され、両端に管２を接合した管継手部材全体を外
周からすつぽり覆う様に座部２３ａ，２３ａを介
してボルト・ナツトにより締付固定される。

本考案は上記第１，２図の実施例に限定され
ず、その他管継手部材２２の一方側端部を融着接
合構造とし、他方側端部をユニオン継手やねじ嵌
合継手構造に形成したものであつても良く、また
これらの管継手部材をＴ字形分岐管や十字形分岐
管を使つて接合する型式のものであつても構わな
い。

また合成樹脂製管２はポリブテン樹脂の様に熱
融着加工を必要とする樹脂材によつて形成された
ものだけでなく、接着剤を使用して接合を行なう
塩化ビニル樹脂管やポリエチレン樹脂管等にも適
用できる。

［考案の効果］ 本考案により、耐久性及び断熱性に優れ且つ曲
げ配管施工が簡単な複層管を、簡単な継手構造に
よつて確実に接続できる様になり、接続部におい
て漏水等の不都合を引き起こすこともなくなつ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の代表的な実施例を示す一部破
断斜視図、第２図は本考案の他の実施例を示す斜
視説明図、第３図は従来の継手部構造を示す一部
破断説明図である。 １……継手部、２……合成樹脂製管、３……発
泡樹脂製断熱層、４……鋼管、５……筒体、６…
…フランジ単体、７……パツキン、８ａ，８ｂ…
…ボルト・ナツト、９……カバー、１０……ベル
ト、１１……充填材、２１……繊維マツト層、２
２……管継手部材、２３……押え管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 合成樹脂製管の外周に繊維マツト層を被覆し
   てなる複層管の管継手構造であつて、前記合成
   樹脂製管は合成樹脂製管継手部材を介して接合
   され、前記繊維マツト層は該合成樹脂製管継手
   部材の外周に延出被覆されると共に、前記複層
   管と合成樹脂製継手部材を含む接合部外周は、
   軸方向に分割された外装押え管により被装され
   てなることを特徴とする管継手構造。 (2) 請求項(1)において、合成樹脂製管継手部材の
   一方端がソケツトであり、他方端にフランジを
   有する構成とすると共に、外装押え管は一方端
   に有孔フランジ部を有する構成とされてなるこ
   とを特徴とする管継手構造。 (3) 請求項(1)において、合成樹脂製管継手部材を
   ソケツトに構成すると共に、外装押え管は接合
   される複層管にわたつて被装する構成とされて
   なることを特徴とする管継手構造。