JPH05313059A - 自動焦点調節装置 - Google Patents

自動焦点調節装置

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JPH05313059A
JPH05313059A JP4117651A JP11765192A JPH05313059A JP H05313059 A JPH05313059 A JP H05313059A JP 4117651 A JP4117651 A JP 4117651A JP 11765192 A JP11765192 A JP 11765192A JP H05313059 A JPH05313059 A JP H05313059A
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    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/28Systems for automatic generation of focusing signals

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  • Optics & Photonics (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)
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  • Focusing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 撮影レンズを滑らかに駆動して移動被写体に
追尾させる自動焦点調節装置を提供する。 【構成】 撮影レンズ100の被写体像面と予定焦点面
との距離、すなわちデフォーカス量と撮影レンズ100
の移動量とに基づいて撮影レンズ100の被写体像面の
移動速度を算出し、さらに算出された移動速度、デフォ
ーカス量および撮影レンズ100の移動量に基づいて被
写体像面を予定焦点面に一致させる撮影レンズ100の
合焦位置を算出する。そして、撮影レンズ100の合焦
位置と現在位置との位置偏差に基づいて撮影レンズ10
0の位置を制御するとともに、位置制御出力と被写体像
面の移動速度とに基づいて撮影レンズ100の移動速度
を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撮影レンズを移動被写
体に追尾駆動する自動焦点調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】先に出願人は、電荷蓄積型イメージセン
サ(以下、AFセンサと呼ぶ)を用いた自動焦点調節装
置の制御方法として、AFセンサの電荷蓄積と撮影レン
ズ駆動(以下、サ−ボと呼ぶ)とを時間的に並行して行
うことにより、サ−ボ時間や焦点調節精度を向上させ
る、いわゆるオ−バラップサーボの制御方法を特開平2
−146010号で開示し、引き続いて、オ−バラップ
サーボを行いながら被写体の運動を検出し、被写体の位
置を予測して撮影レンズを駆動する、いわゆるオ−バラ
ップ予測駆動の制御方法を特願平3−178780号で
提案した。
【0003】図11は、撮影レンズをモ−タにより駆動
して合焦状態にサ−ボする自動焦点調節(以下、オ−ト
フォ−カスまたは単にAFと呼ぶ)装置を備えたカメラ
のブロック図である。図において、撮影レンズ1を透過
した被写体からの焦点検出光束は、カメラ本体内に設け
たCCDなどのAFセンサ2上に結像し、AFセンサ2
からの光像信号はインタフェース3を介してシステム全
体の制御を行うマイクロコンピュータ(以下、CPUと
呼ぶ)4へ送られる。
【0004】AFセンサ2上に投影される焦点検出光束
の光像パタ−ンは、インタフェース3でA/D変換され
てCPU4へ出力されるか、またはインタフェース3で
適当な信号レベルに増幅され、CPU4に内蔵されたA
/D変換器により直接A/D変換される。CPU4は、
ディジタル信号に変換された光像パタ−ンを所定のアル
ゴリズムで処理してデフォ−カス量を算出し、このデフ
ォーカス量に基づいて撮影レンズ1を合焦させるための
レンズ駆動量を算出する。ここでは、具体的なデフォ−
カス量検出のための光学的な原理や、アルゴリズムにつ
いては既に周知であるため、説明を省略する。
【0005】撮影レンズ1には、その移動量をモニタす
るためのエンコ−ダ6が設けられており、撮影レンズ1
が光軸に沿って所定量移動するごとにエンコ−ダ6はパ
ルスを発生する。CPU4は、算出されたレンズ駆動量
をドライバ5へ出力してサーボモータ7を駆動し、撮影
レンズ1を合焦方向に駆動する。さらにCPU4は、エ
ンコ−ダ6からのフィ−ドバックパルスをカウントし、
レンズ駆動量に相当するパルス数だけフィードバックパ
ルスをカウントすると、サーボモ−タ7の駆動を停止す
る。通常、エンコ−ダ6は、サーボモ−タ7の回転軸や
減速ギアの一部に付設したフォトインタラプタなどで構
成され、撮影レンズ駆動用モ−タ7の回転を検出する。
【0006】ここで、デフォ−カス量とは、図12に示
すように撮影レンズ1を透過した焦点検出光束が結像す
る面(結像面)と、フィルム面と等価な予定焦点面との
相対的な像面ズレ量△Zであり、撮影レンズ1を合焦さ
せるために必要なレンズ駆動量とほぼ等しい。従って、
光像をフィルム面に結像させる(合焦させる)ため、前
ピン状態の時はデフォ−カス量△Zαだけ撮影レンズ1
を後に移動し、後ピン状態の時はデフォ−カス量△Zβ
だけ撮影レンズ1を前に移動する。なお、厳密にはデフ
ォ−カス量△Zとレンズ駆動量とは一致しないが、本明
細書では両者は等しいものとする。
【0007】次に図13により、オ−バラップ予測駆動
を説明する。図において、横軸は時間tであり、縦軸は
光軸上の距離Zである。図中にQで示す線図は、撮影レ
ンズ1と撮影レンズ1による被写体像面との光軸上の距
離Zの軌跡を示し、被写体の移動にともなってその距離
Zが時間とともに変化する様子を示す。またLで示す線
図は、撮影レンズ1とフィルム面と等価な予定焦点面と
の光軸上の距離Zの軌跡を示す。従って、撮影レンズ1
を基準に考えれば、線図Qは被写体像面位置を示し、線
図Lは予定焦点面位置を示す。そして、線図Qと線図L
との差は被写体像面と予定焦点面との距離、すなわちデ
フォ−カス量Dを示す。また、t(n-1),t(n),t(n+
1)で示す時刻は、AFセンサ2の各電荷蓄積期間のほぼ
中央時刻であり、これらの時刻の両側の上方の線図Qま
たは線図Lまで引いた2本の縦線で挟まれる期間が電荷
蓄積期間である。さらに、時刻t(n-1),t(n),t(n+
1)における各デフォ−カス量をD(n-1),D(n),D(n+
1)と表す。以下、本図と同様な図においても、上記の縦
軸Z,横軸t,線図Qおよび線図Lなどは同じ意味を持
つものとする。なお以下では、センサ蓄積時刻を時間軸
t上のある一点の時刻として表すが、実際には電荷蓄積
型AFセンサ2を用いる限り蓄積時間が必要である。ま
た本明細書では、AFセンサ2の電荷蓄積時間を測距時
間と呼ぶ。
【0008】図から明かなように、時刻t(n-1) から時
刻t(n) までの被写体像面の移動量P(n)は、時刻t(n)
の測距で得られるデフォ−カス量D(n)、時刻t(n-1)の
測距で得られる前回のデフォ−カス量D(n-1)、および
この間の撮影レンズ1の駆動量M(n)により次式で表さ
れる。 P(n)=D(n)+M(n)−D(n-1) ・・・(1) 従って、この間の被写体像面の移動速度S(n)は次式に
より求められる。 S(n)=P(n)/{t(n)−t(n-1)} ・・・(2)
【0009】ところが、連続した2回の測距により得ら
れるデフォーカス量の差{D(n)−D(n-1)}、およびそ
の間の撮影レンズ1の移動量M(n)はともに小さいの
で、これらに基づいて上記(1),(2)式により被写
体像面の移動速度S(n)を算出するとその精度が悪くな
る。そこで、算出精度を上げるために、最新のデフォー
カス量D(n)と何世代も前のデフォーカス量D(n-i)との
差{D(n)−D(n-i)}、およびその間の撮影レンズ1の
移動量Mi(n)に基づいて上記(1),(2)式の演算を
行なう。すなわち、被写体像面の移動量P(n)および移
動速度S(n)は次式で表される。 P(n)=D(n)+Mi(n)−D(n-i) ・・・(3) S(n)=P(n)/{t(n)−t(n-i)} ・・・(4) ここで、Mi(n)は時刻t(n-i)から時刻t(n)までの撮影
レンズ1の駆動量である。例えば、図14に示すよう
に、測距の2周期で被写体像面の移動量P(n)および移
動速度S(n)を算出する場合は、上記(3),(4)式
は次のようになる。 P(n)=D(n)+M2(n)−D(n-2) ・・・(5) S(n)=P(n)/{t(n)−t(n-2)} ・・・(6)
【0010】デフォーカス量D(n)と被写体像面移動速
度S(n)がわかれば、次回の電荷蓄積時に撮影レンズ1
をほぼ合焦状態とするためのレンズ駆動量が求められ
る。しかし、上述した特願平3−178780号では、
ある回の測距により得られたデフォ−カス量に基づくサ
ーボの目標駆動量の更新(以下では、サーボリフレッシ
ュと呼ぶ)を、デフォ−カス量の演算終了の直後、つま
り次回の電荷蓄積開始の直前に行うのを止め、次回の電
荷蓄積が終了した後に行うように提案した。この結果、
サーボのリフレッシュ時刻である次回の電荷蓄積終了時
刻から、さらにその次の電荷蓄積開始時刻までの期間
を、AFセンサ2の電荷蓄積に影響を与えないでレンズ
駆動を行うために使うことができ、この期間にほぼ撮影
レンズ1を目標位置に移動することができる。
【0011】図15により、この方法を説明する。時刻
t(n)における測距の結果は、電荷蓄積終了後に行なわ
れるデフォーカス量の演算が終了する時刻tm(n)に判明
する。その時刻tm(n)において、すぐに測距結果に基づ
くサーボリフレッシュを行なわず、演算結果のデフォ−
カス量D(n)を記憶するだけとする。またこのとき、前
回のサーボを実行中であればそのまま続行し、次回t(n
+1)での測距期間中も引き続いてサーボを行う。サーボ
のリフレッシュを行うのは、次回の時刻t(n+1)の測距
が終了した直後の時刻tr(n)である。つまり、ある測距
結果に基づくサーボ目標のリフレッシュを、その次の測
距が終了するまで待つことにする。
【0012】また、上記の特願平3−178780号で
は、撮影レンズ1の移動量を示すエンコ−ダ6からのモ
ニタパルスをカウンタで単純に積算して行く、いわゆる
リニアカウント方式とし、サ−ボのリフレッシュのたび
にリセットやプリセットをしないようにした。そして、
制御システムはカウンタの積算値をいつでも読み出せる
ようにした。つまり、カウンタの積算値は撮影レンズ1
の光軸上のある位置に対応するが、これは撮影レンズ1
とフィルム面との距離も表しており、ある時間間隔にお
けるカウンタの積算値の差はその間の撮影レンズ1の移
動量を示す。
【0013】これまで、図13,14の縦軸は撮影レン
ズとその結像面との距離[mm]または撮影レンズとフィ
ルム面との距離[mm]としてきたが、リニアカウント方式
では、相対的ではあるがカウンタの積算値としても縦軸
をスケ−ルすることができる。1パルス当たりの光軸方
向の像面移動量[mm]は、そのレンズ固有の比例係数をパ
ルス数に掛ければ得られる。図15の右側の縦軸は、撮
影レンズ1とその結像面の位置をエンコ−ダ6からのパ
ルス数でスケ−リングしたものである。
【0014】また、本出願人は特開平2−146010
号において、AFセンサ2の電荷蓄積期間中に駆動され
ている撮影レンズ1の平均的位置の算出方法の開示を行
ったが、このレンズ位置はカウント値に対する相対値で
計算される。これは、時刻t(n)における測距中の平均
的レンズ位置がパルスカウント値C(t(n))として計算さ
れることを示したものであり、リニアカウント方式との
整合性がよい。これより(1)式中の二つの測距時刻t
(n),t(n-1)の間のレンズの移動量M(n)は、 M(n)=f(C(t(n))−C(t(n-1))) ・・・(7) と表せる。ここで、f()は、パルス数を距離[mm]に変
換する関数で、上述したようにC(t(n))−C(t(n-1))に
撮影レンズ固有の係数を掛けて近似できる。また、これ
から(2)式で与えられる被写体像面移動速度S(n)は
常に簡単に求められる。
【0015】図15において、時刻t(n)の測距値D(n)
に基づくサーボリフレッシュを時刻t(n+1)の測距終了
後に行なうようにしても、通常、その間も撮影レンズ1
は前回のサーボリフレッシュ時のサ−ボ目標に対して移
動している。サ−ボリフレッシュ時刻tr(n)におけるカ
ウンタ値がC(tr(n))で、時刻t(n)の測距中の平均測距
位置がカウンタ値でC(t(n))であったとすれば、この間
のレンズ移動量EC(n)は、 EC(n)=C(tr(n))−C(t(n)) ・・・(8) と表せる。ただし、これはパルスカウント値換算でのレ
ンズ移動量であり、[mm]単位における光軸方向の移
動量E(n)は変換関数f()を用いて、 E(n)=f(EC(n)) ・・・(9) と表せる。
【0016】このように、リニアカウント方式は、各時
刻のレンズ位置をすべてカウント値として同じスケ−ル
で表現でき、極めて都合がよい。もちろん、毎回のサ−
ボリフレッシュのたびにカウント値をゼロクリアするこ
れまでの方法でも、マイクロコンピュータ4で毎回のレ
ンズ駆動量をソフトウェア的に加算して行くことにより
原理的には可能であるが、繁雑であるため、デ−タ処理
技術上は明らかにリニアカウント方式が優れている。た
だし、サ−ボリフレッシュ時のサ−ボ目標の設定に際し
ては、そのときのカウント値をいったん読み出し、この
カウント値に必要とするレンズ駆動量に相当するパルス
数を加算して求める必要がある。これがカウント値で表
した新しい撮影レンズ1の目標駆動位置となる。
【0017】時刻tr(n)のサ−ボリフレッシュ時のサ−
ボ目標位置は、さらにその次の時刻t(n+2)の測距時刻
における被写体像面の予想位置Q(t(n+2))である。
これは、測距時刻t(n)における被写体像面位置Q(t
(n))から、時刻t(n)から時刻t(n+2)までの被写体像
面の移動予想量P(n)だけ先である。P(n)は、時間{t
(n+2)−t(n)}に相当する測距周期の2回分の時間と被
写体像面の移動速度S(n)を掛けて得られるから、 P(n)={t(n+2)−t(n)}×S(n) ・・・(10) である。ここで、{t(n+2)−t(n)}は、過去の測距時
間から推定するのが適切であり、例えば、t(n+2)−t
(n)=t(n)−t(n-2)と仮定して求めればよい。時刻t
(n)でレンズ位置がQ(t(n))よりデフォ−カス量D
(n)だけ遅れていたことと、時刻t(n)から時刻tr(n)ま
での撮影レンズ1の移動量が(7)式より得られるか
ら、時刻tr(n)で駆動すべき量X(n)は、図15より明
かに、 X(n)=D(n)+P(n)−E(n) =D(n)+{t(n+2)−t(n)}×S(n)−E(n) ・・・(11) となる。
【0018】以上のように、サ−ボリフレッシュを次回
の時刻t(n+1)の測距が終了するまで遅らせると、それ
から次次回の時刻t(n+2)の測距開始までの時間をレン
ズ駆動のために最大限に使うことができる。この期間内
に目標とするレンズ駆動量を駆動してしまうことができ
れば、図15中の線図U1で示すように、時刻t(n+2)
での測距結果となるデフォーカス量D(n+2)はほぼゼロ
となる。また、線図U2で示すように、レンズ駆動が時
刻t(n+2)の測距開始までに終っていない場合は、撮影
レンズ1が被写体にやや遅れていることになる。この場
合は、時刻t(n+2)における測距はレンズ駆動とオ−バ
ラップして行われる。時刻t(n+2)の測距期間中にサ−
ボが終る場合もあるが、いずれにせよ、この測距終了時
には前回同様、時刻t(n+1)の測距結果に基づき時刻tr
(n+1)でサ−ボがリフレッシュされる。従って、この方
法により基本的には撮影レンズ1を被写体にほぼ安定し
て追従させることが可能で、被写体が一様に運動してい
て測距が正確に行なわれるならば、撮影レンズ1が被写
体像面に大きく遅れたり、あるいは被写体像面を追い越
すことはない。
【0019】しかし、実際には被写体の不規則な運動
や、測距誤差や、レンズ駆動制御上の問題などにより撮
影レンズ1が被写体像面を追い越すことがある。この量
が大きいと、サ−ボリフレッシュ時に(9)式で算出さ
れるレンズ駆動量が負になる。つまり、時刻t(n+2)に
おける被写体像面の予想位置を、時刻tr(n)で撮影レン
ズ1がすでに追い越してしまうことも希にはあり得る。
このときは、レンズ駆動の一様性やレンズ駆動機構の機
械的なバックラッシュの悪影響を考慮して、撮影レンズ
1を逆方向に駆動するのは避け、とりあえずレンズ駆動
を停止するか、その時点のサ−ボ目標を維持するのがよ
い。被写体が同一方向に移動している限り、その後の測
距で再び被写体像面が撮影レンズ1を追い越した正常な
状態が検出され、通常のオ−バラップ予測駆動に戻るは
ずである。
【0020】式(5),(6)を式(11)へ代入する
と、 X(n)=D(n)+{t(n+2)−t(n)}×{D(n)+M2(n)−D(n-2)} /{t(n)−t(n-2)}−E(n) ・・・(12) さらに、t(n+2)−t(n)=t(n)−t(n-2)と仮定すれ
ば、 X(n)=2D(n)−D(n-2)+M2(n)−E(n) ・・・(13) が得られる。
【0021】(13)式には測距時刻t(n)が入ってい
ないため計算が簡単になる。しかし、これは、毎回の測
距でデフォ−カス量の検出に失敗しないことを前提にし
ており、実際には被写体の測距部分がカメラの手振れや
被写体自信の動きで毎回異なり、測距失敗が往々にして
発生することを考慮すると、一般には測距時刻を考慮し
た(11)式や(12)式による方法で毎回サ−ボ量X
(n)を算出する方が賢明である。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の自動焦点調節装置では、測距結果に基づいてデ
フォーカス量を算出するたびに、次回の測距開始直前あ
るいは次回の測距終了後にサーボをリフレッシュしてい
るので、例えば被写体の移動速度が遅い場合にはサーボ
リフレッシュごとに撮影レンズが断続的に駆動され、撮
影レンズがぎくしゃくとした動きをするという問題があ
る。
【0023】本発明の目的は、撮影レンズを滑らかに駆
動して移動被写体に追尾させる自動焦点調節装置を提供
することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】クレーム対応図である図
1に対応づけて本発明を説明すると、本発明は、所定の
時間間隔で撮影レンズ100の被写体像面と予定焦点面
との光軸上の距離を検出する焦点検出手段101と、撮
影レンズ100の移動量を検出する移動量検出手段10
2と、焦点検出手段101で検出された距離と移動量検
出手段102で検出された移動量とに基づいて、被写体
像面の移動速度を算出する像面速度算出手段103と、
焦点検出手段101で検出された距離、移動量検出手段
102で検出された移動量、および像面速度算出手段1
03で算出された移動速度とに基づいて、被写体像面を
予定焦点面に一致させる撮影レンズ100の合焦位置を
算出する合焦位置算出手段104と、撮影レンズ100
の現在位置を検出する位置検出手段105と、合焦位置
算出手段104で算出された合焦位置と位置検出手段1
05で検出された現在位置との位置偏差に基づいて撮影
レンズ100の位置を制御する位置制御手段106と、
この位置制御手段106の制御出力と像面速度算出手段
103で算出された被写体像面の移動速度とに基づい
て、撮影レンズ100の移動速度を制御する速度制御手
段107と、この速度制御手段107の制御出力に従っ
て撮影レンズ100を駆動する駆動手段108とを備
え、これにより、上記目的を達成する。
【0025】
【作用】本発明の自動焦点調節装置では、撮影レンズ1
00の被写体像面と予定焦点面との距離、すなわちデフ
ォーカス量と撮影レンズ100の移動量とに基づいて撮
影レンズ100の被写体像面の移動速度を算出し、さら
に算出された移動速度、デフォーカス量および撮影レン
ズ100の移動量に基づいて被写体像面を予定焦点面に
一致させる撮影レンズ100の合焦位置を算出する。そ
して、撮影レンズ100の合焦位置と現在位置との位置
偏差に基づいて撮影レンズ100の位置を制御するとと
もに、位置制御出力と被写体像面の移動速度とに基づい
て撮影レンズ100の移動速度を制御する。
【0026】
【実施例】次に、本発明の一実施例を説明する。なお、
この実施例の基本的な構成は図11に示す従来の自動焦
点調節装置の構成と同様であり、図示とその説明を省略
する。図2は、撮影レンズ1とその被写体像面との光軸
上の距離Zの軌跡、すなわち被写体像面位置Qを示す。
上述した従来の自動焦点調節装置と同様に、この実施例
でもAFセンサ2の電荷蓄積およびデフォーカス量の演
算が繰り返し行なわれる。今、時刻t(n)における測距
結果のデフォーカス量D(n)が算出されると、前回のデ
フォーカス量D(n-1)および前回と今回との間の撮影レ
ンズ1の移動量M(n)に基づいて、(1),(2)式に
より被写体像面の移動速度S(n)が算出される。なお、
上述したように、移動速度S(n)の算出精度を上げるた
めに、今回の測距結果と何世代か前の測距結果とに基づ
いて被写体像面の移動速度S(n)を算出してもよい。
【0027】ここで、被写体像面位置Qの変化を時間の
1次関数として表すことにすると、時刻t(n)以後の被
写体像面の予想位置Qは時刻t(n)における接線Q’と
なる。厳密には、接線Q’とわずかに異なる。それは、
(2)式による時刻t(n)の被写体像面の移動速度S(n)
が、時刻t(n)と時刻t(n-1)との被写体像面位置Qの傾
きに基づいて算出されるので、時刻t(n)以前の時刻に
おける速度であり、そのような移動速度S(n)に基づい
て算出された予想位置Q’にはわずかな誤差が含まれ
る。実際の被写体像面位置Qが図2に示すように加速的
に変化すると、1次関数と仮定して算出した被写体像面
の予想位置Q’は時間が経過するにつれて実際の被写体
像面位置Qとの誤差が大きくなる。しかし、所定の時間
間隔で測距が行なわれるので、少なくとも測距間隔にお
ける被写体像面位置Qの動きが1次関数と見なせるなら
ば、被写体像面位置Qの変化を1次関数Q’に近似する
ことができる。なお、より正確に被写体像面位置Qを予
想するために、被写体像面位置Qの変化を2次関数とし
て扱ってもよい。
【0028】上述したように、光軸上の距離Zはエンコ
ーダ6から発っせられるモニタパルスのカウント値とほ
ぼ等価であり、これまで説明した線図Q,L,およびデ
フォーカス量D[mm]は、パルスカウント値に換算する
とそれぞれQ(t),L(t)およびD(n)[パルス]と表す
ことができ、さらに被写体像面の移動速度S(n)[mm/
S]は、時間当りのパルス数としてS(n)[パルス/S]と
表すことができる。そして、(4)式で算出される時刻
t(n)における被写体像面の移動速度S(n)とデフォーカ
ス量D(n)により、時刻t(n)以降の被写体像面の移動速
度S(n)が一定であるとすれば、任意の時刻tにおける
被写体像面の予想位置Q(t)はパルス換算で次のように
表せる。 Q(t)=P(n)+D(n)+S(n)×{t−t(n)} ・・・(14) ここで、P(n)は測距時刻t(n)におけるエンコーダ6の
パルスカウント値であり、撮影レンズ1の位置を示す。
毎回の測距後にデフォーカス量が算出される度にD
(n),S(n)が更新され、被写体像面の予想位置Q(t)も
更新される。これは、従来のオーバーラップサーボによ
る追尾と同じである。
【0029】この実施例では、図2に示す被写体像面の
予想位置を示す線図Q’に撮影レンズ1の予定焦点面L
を一致させるため、時刻tにおける撮影レンズ1の位置
L(t)と(14)式で算出された被写体像面の予想位置
Q(t)との位置偏差、すなわち時刻tにおけるデフォー
カス量D(t)に基づいて撮影レンズ1の位置制御を行な
うとともに、この位置制御出力に撮影レンズ1の速度V
(t)[パルス/S]を加算してレンズ速度の目標値を設定
し、撮影レンズ1の移動速度を制御する。レンズ速度V
(t)をレンズ位置制御出力に加算するのは、移動被写体
に対して位置偏差Q(t)−L(t)(=デフォーカス量D
(t))だけで制御を行なうと、被写体像面の予想位置Q
(t)が時間が経過するにつれて変化し、移動被写体に対
する追従精度が低下するからである。
【0030】焦点調節装置における制御目標は、できる
限り速く、しかも安定に撮影レンズ1をその目標位置ま
で駆動することである。言い換えれば、被写体像面の予
想位置Q(t)と予定焦点面の位置L(t)との偏差{Q(t)
−L(t)}、すなわちデフォーカス量D(t)を速やかに0
にすることである。従って、焦点調節装置の制御システ
ムとして、位置偏差{Q(t)−L(t)}に対してPID制
御を行なうことが考えられる。すなわち、位置偏差{Q
(t)−L(t)}に比例する量,位置偏差{Q(t)−L(t)}
の積分量に比例する量、および位置偏差{Q(t)−L
(t)}の微分量に比例する量をそれぞれ設定して加算
し、加算された制御量に基づいてレンズ駆動モータを制
御する。
【0031】図3は、PID制御によりレンズ位置を制
御する制御システムの制御ブロック図である。この図は
制御理論の表記法に従って複素周波数sにより微分は
s、積分は1/sで表す。なお実際には、上述したCP
U4により不図示の制御プログラムを実行してソフトウ
エア形態でPID制御によりレンズ位置を制御する。加
算器11は、撮影レンズ1の被写体像面の予想位置Q
(t)と予定焦点面位置のフィードバック量L(t)との位置
偏差{Q(t)−L(t)}、すなわちデフォーカス量D(t)
を求め、比例制御部12,微分制御部13および積分制
御部14へそれぞれ供給する。比例制御部12ではデフ
ォーカス量D(t)に比例ゲインGpを乗じて、 Gp×D(t) ・・・(15) を算出し、微分制御部13ではデフォーカス量D(t)を
微分し、微分ゲインGdを乗じて、 Gd×dD(t)/dt=Gd×s×D(t) ・・・(16) を算出し、さらに積分制御部14ではデフォーカス量D
(t)を積分し、積分ゲインGiを乗じて、 Gi×∫D(t)dt=Gi×D(t)/s ・・・(17) を算出する。
【0032】次に、加算器15によって各制御部12〜
14の出力を加算し、増幅器16によって制御ゲインG
cを乗じて制御量を算出する。なお、増幅器16は図1
1に示すドライバー5に相当し、制御量はモータ7に印
加する駆動電圧Eである。なお、一般にカメラでは、電
圧パルスをモータに印加し、電圧パルスのデューティー
を変えてモータの回転速度を調節している。電圧パルス
のデューティーを変えることは駆動電圧自体を変化する
のと等価であり、説明を簡単にするためにここではモー
タに印加する駆動電圧Eを変化させてモータの回転速度
を調節するものとする。駆動電圧Eを印加されたモータ
7は回転速度ωで回転し、撮影レンズ1を移動させる。
なお、図3のモータ7の制御ブロックにはモータ7の伝
達関数が示される。Tmはモータ7の機械的時定数であ
り、Kmは定格回転速度における駆動電圧Eと出力回転
数との関係を示す比例係数である。また、モータ7は不
図示の駆動系を介して撮影レンズ1と連結されているの
で、モータ7の回転速度ωは撮影レンズ1の移動速度に
比例する。
【0033】撮影レンズ1がモータ7により駆動される
と、撮影レンズ1の移動量をモニタするエンコーダ6か
らパルス信号が出力され、CPU4の不図示のカウンタ
によってカウントされる。上述したように、エンコーダ
6は撮影レンズ1の所定の移動量ごとにパルスを発生す
るので、このパルス信号をカウントしたカウント値は撮
影レンズ1とフィルム面と等価な予定焦点面との距離、
すなわち撮影レンズ1を基準に考えれば予定焦点面の位
置L(t)を示す。図3の制御ブロック17,18はエン
コーダ6およびそのパルス信号をカウントするカウンタ
に相当するものであり、モータ7の速度ωを積分してそ
の回転量θに変換し、さらにモータ7の回転量θと撮影
レンズ1の移動量との比例係数G1を乗じて予定焦点面
の位置L(t)に変換する。この予定焦点面の位置L(t)は
位置のフィードバック信号として加算器11へ供給され
る。
【0034】なお、デフォーカス量D(t)を積分すると
位相遅れが生じるので、モータ7の機械的時定数Tm
(自動焦点調節装置に用いる小形モータでは、例えば1
0ms)と干渉して制御システムを不安定することがあ
る。従って、積分ゲインGiの設定には細心の注意を払
わなければならない。このような問題を避けるため、図
4に示すように積分制御部14を削除した制御システム
を構成することも考えられる。
【0035】図5は図3に示すPID制御によるレンズ
位置の制御結果を示し、図6は図4に示すPD制御によ
るレンズ位置の制御結果を示す。いずれも時刻toにお
いてモータ7を起動し、被写体像面の予想位置を示す線
図Qに予定焦点面位置を示す線図Lが重なるように、す
なわちデフォーカス量Dが0になるように撮影レンズ1
を駆動した場合を示す。これらの図5,6を比較する
と、PID制御によりレンズ位置を制御した場合は、P
D制御の場合に比べて予想位置Qと予定焦点面位置Lと
の定常偏差が小さいことがわかる。すなわち、PID制
御の場合の方が移動被写体に対する追従性がよい。
【0036】しかし、いずれの制御方式でも、被写体像
面の予想位置Q(t)と予定焦点面位置L(t)との位置偏差
{Q(t)−L(t)}、すなわちデフォーカス量D(t)に基
づいて撮影レンズ1の位置制御を行なうと、図5,6に
示すように定常偏差が解消されず、撮影レンズ1が移動
被写体に追い付けない。これは、位置偏差{Q(t)−L
(t)}すなわちデフォーカス量D(t)には、被写体の運動
に関するデータが含まれないためである。そこで、この
実施例では被写体像面の予想位置の微分値、すなわち被
写体像面の移動速度S(n)によりフィードフォワード補
償を行なう。つまり、デフォーカス量D(t)にこのフィ
ードフォワード量を加算して撮影レンズ1の目標速度と
し、実際の撮影レンズ1の移動速度がこの目標速度にな
るようにモータ7を駆動制御する速度制御ループを構成
する。
【0037】図7は一実施例の制御システムを示す制御
ブロック図である。なお、上述した図3,4と同様な機
能を有する制御ブロックに対しては同一の符号を付し
て、説明を省略する。この制御システムは、撮影レンズ
1の被写体像面の予想位置Q(t)と予定焦点面位置L(t)
との位置偏差に基づいてレンズ位置を制御する位置制御
ループと、撮影レンズ1の目標速度と実際の速度との速
度偏差に基づいてレンズ速度を制御する速度制御ループ
とを有する。さらに、これらの基本的な制御ループに加
え、被写体像面の予想移動速度S(n)に基づいて速度制
御ループを補償するフィードフォワードループを設け
る。位置制御ループでは、上述した図3,4に示す制御
システムと同様に、加算器21により被写体像面の予想
位置Q(t)と予定焦点面位置のフィートバック量L(t)と
の位置偏差{Q(t)−L(t)}、すなわちデフォーカス量
D(t)を求め、比例制御部22によりその位置偏差に比
例ゲインGpを乗じて目標速度U(t)を算出する。な
お、上述した制御システムと同様に微分制御部または積
分制御部を設け、位置偏差を微分または積分した値を目
標速度U(t)に加算してもよい。
【0038】フィードフォワードループでは、制御ブロ
ック23で被写体像面の予想位置Q(t)に基づいて被写
体像面の予想移動速度S(t)を次式により算出する。 S(t)=Gf×dQ(t)/dt=Gf×s×Q(t) ・・・(18) ここで、Gfはフィードフォワードゲインであり、通
常、1に設定される。なお、Gf>1としても位置制御
ループで補償されるので直ちに系が不安定になることは
ない。算出された被写体像面の予想移動速度S(t)は、
加算器24によって位置制御ループで算出された目標速
度U(t)に加算し、算出された目標速度U(t)を速度制御
ループへ出力する。 U(t)=Gp×{Q(t)−L(t)}+s×Gf×Q(t) ・・・(19)
【0039】速度制御ループでは、まず、加算器25で
目標速度U(t)と実際の撮影レンズ1の移動速度V(t)と
に基づいて速度偏差εを算出する。なお、撮影レンズ1
の移動速度V(t)は、制御ブロック26によって撮影レ
ンズ1と予定焦点面との距離、すなわち撮影レンズ1を
基準にした場合の予定焦点面の位置L(t)を微分して算
出される。 ε=Gp×{Q(t)−L(t)}+s×Gf×Q(t)−V(t) =Gp×{Q(t)−L(t)}+s×Gf×Q(t)−s×L(t)・・・(20) 制御ブロック27では、算出された速度偏差εに速度ゲ
インGvを乗じて制御量、すなわちモータ7の電圧パル
スのデューティーを算出する。なお、制御ブロック27
に積分制御部を加え、いわゆるPI制御として応答性を
改善することもできる。
【0040】上述した図7に示す制御システムでは、速
度制御ループにおいてモータ7の電圧パルスのデューテ
ィーを直接制御している。この方法では、測定誤差やノ
イズなどの外乱によってモータ7に印加される電圧パル
スのデューティーが急激に変化するおそれがある。一
方、実際の制御はCPU4のソフトウエアで実行され、
プログラムの実行時間間隔でモータ7の電圧パルスのデ
ューティーが更新される。その際、電圧パルスのデュー
ティーの変化量、すなわち駆動電圧の変化量を所定値以
下に制限するなど、駆動電圧レベルよりも駆動電圧の変
化量を制御した方が都合がよい場合が多い。このような
理由から、図8に示すように、速度制御ループの速度偏
差εに応じてモータ7の電圧パルスのデューティーの変
化量、すなわち駆動電圧の変化量を制御する。つまり、
制御ブロック28において、速度偏差εにゲインGvを
乗じてモータ7の駆動電圧Eの微分量sEを算出する。
そして、制御ブロック29で微分量sEを積分してモー
タ7の実際の駆動電圧Eに変換する。
【0041】図8に示す制御システムでは、モータ7の
駆動電圧の変化量を制御量としたため、速度制御ループ
が2次の遅れ系になる。さらにCPU4の制御では、撮
影レンズ1の速度検出に時間遅れをともなうため、図
7,8に示す制御システムにさらに遅れ要素が加わる。
これは、上述したように予定焦点面の位置L(t)を微分
して撮影レンズ1の速度を算出する際の微分の不完全性
にともなう問題であり、モータ7の機械的時定数Tmに
比べてレンズ速度検出のためのサンプリング周期が充分
短ければ無視できるが、実際には精度のよい速度検出に
はある程度の時間を要するのでこのような問題は避けら
れない。このため、サンプリング周期によって速度制御
ループが不安定になった場合は、ゲインGvにさらにP
ID制御のような微分、積分効果を付加することで補償
することも考えられるが、この実施例では制御ブロック
28は単なる増幅器とする。
【0042】図9は、CPU4で実行される制御プログ
ラムを示すフローチャートである。このフローチャート
により、実施例の動作を説明する。予め定められた時間
間隔TsでCPU4のタイマ割り込みが発生し、CPU
4はこの割り込みルーチンを実行する。まずステップS
1において、CPU4に内蔵される計時用タイマから割
り込み受け付け時刻tを読み出し、割り込み時間間隔T
sを補正する。なお、充分に精度が確保できれば割り込
み時間間隔Tsの補正の必要はない。続くステップS2
で、エンコーダ6からのモニタパルスをカウントするカ
ウンタから撮影レンズ1の予定焦点面の位置L(t)を読
み込み、L(k)とする。ここで、kは整数であり、図1
0に示すように時間軸を時間間隔Tsで離散的に取り扱
うために導入した。次にステップS3で、割り込み受け
付け時刻tの被写体像面の予想位置Q(k)を(14)式
により算出し、さらにステップS4で、被写体像面の予
想位置Q(k)および撮影レンズ1の予定焦点面の位置L
(t)によりデフォーカス量D(k)を算出する。 D(k)=Q(k)−L(k) ・・・(21)
【0043】次にステップS5において、上述した(1
9)式により割り込み受け付け時刻tにおける目標速度
U(k)を算出する。 U(k)=Gp×{Q(k)−L(k)}+s×Gf×Q(k) =Gp×D(k)+Gf×S(n) ・・・(22) ここで、S(n)は(1),(2)式で算出される被写体
像面の移動速度である。ステップS6では、今回と前回
の撮影レンズ1の位置L(k)と時間間隔Tsとに基づい
て、撮影レンズ1の移動速度V(k)を次式により算出す
る。 V(k)={L(k)−L(kー1)}/Ts ・・・(23) ステップS7で、撮影レンズ1の目標速度U(k)と実際
の移動速度V(k)との速度偏差を求め、その速度偏差に
応じてモータ7に印加する駆動電圧の変動分ΔEを決定
する。 ΔE=Gv×{U(k)−V(k)} ・・・(24) さらにステップS8で、最終的にモータ7に印加する駆
動電圧E+ΔEを決定してドライバ5へ出力する。
【0044】このように、撮影レンズ1の被写体像面の
予想位置Q(t)を求め、この予想位置Q(t)と予定焦点面
位置L(t)との位置偏差{Q(t)−L(t)}に基づいて撮
影レンズ1の位置を制御するとともに、この位置制御出
力と実際の撮影レンズ1の移動速度との速度偏差εに基
づいて撮影レンズ1の移動速度を制御する。このような
基本的な制御システムの位置制御出力に被写体像面の移
動速度を加算して目標速度とし、撮影レンズ1の移動速
度を制御するようにしたので、測距結果に基づいてデフ
ォーカス量を算出するたびに、次回の測距開始直前また
は次回の測距終了後に行なっていたサーボリフレッシュ
を任意の時間間隔Tsで行なうことができ、撮影レンズ
1をスムーズに駆動することができる。また、このよう
なフィードフォワード補償を行なうことにより、被写体
像面の予想位置Qに撮影レンズ1の予定焦点面Lを正確
に一致させることができ、さらに位置制御の応答性を改
善することができる。
【0045】以上の実施例の構成において、AFセンサ
2,インタフェース3およびマイクロコンピュータ4が
焦点検出手段を、エンコーダ6およびマイクロコンピュ
ータ4が移動量検出手段および位置検出手段を、マイク
ロコンピュータ4が像面速度算出手段,合焦位置算出手
段,位置制御手段および速度制御手段を、ドライバー5
が駆動手段をそれぞれ構成する。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、撮
影レンズの被写体像面と予定焦点面との距離、すなわち
デフォーカス量と撮影レンズの移動量とに基づいて撮影
レンズの被写体像面の移動速度を算出し、さらに算出さ
れた移動速度、デフォーカス量および撮影レンズの移動
量に基づいて被写体像面を予定焦点面に一致させる撮影
レンズの合焦位置を算出する。そして、撮影レンズの合
焦位置と現在位置との位置偏差に基づいて撮影レンズの
位置を制御するとともに、位置制御出力と被写体像面の
移動速度とに基づいて撮影レンズの移動速度を制御する
ようにしたので、撮影レンズをスムーズに移動すること
ができる上に、位置制御の精度および応答性を改善する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーム対応図。
【図2】撮影レンズとその被写体像面との光軸上の距離
を示す図。
【図3】PID制御によりレンズ位置を制御する制御シ
ステムの制御ブロック図。
【図4】PD制御によりレンズ位置を制御する制御シス
テムの制御ブロック図。
【図5】PID制御によるレンズ位置の制御結果を示す
図。
【図6】PD制御によるレンズ位置の制御結果を示す
図。
【図7】一実施例の制御システムを示す制御ブロック
図。
【図8】他の実施例の制御システムを示す制御ブロック
図。
【図9】レンズ位置制御プログラムを示すフローチャー
ト。
【図10】マイクロコンピュータによるレンズ位置制御
を説明する図。
【図11】自動焦点調節装置の構成を示すブロック図。
【図12】デフォーカス量を説明する図。
【図13】オーバーラップ予測駆動を説明する図。
【図14】撮影レンズの被写体像面位置および予定焦点
面位置の軌跡を示す図。
【図15】撮影レンズの被写体像面位置および予定焦点
面位置の軌跡を示す図。
【符号の説明】
1,100 撮影レンズ 2 AFセンサ 3 インタフェース 4 マイクロコンピュータ(CPU) 5 ドライバー 6 エンコーダ 7 モータ 11,15,21,24,25 加算器 12,22 比例制御部 13 微分制御部 14 積分制御部 16,17,18,23,26,27,28,29 制
御ブロック 101 焦点検出手段 102 移動量検出手段 103 像面速度算出手段 104 合焦位置算出手段 105 位置検出手段 106 位置制御手段 107 速度制御手段 108 駆動手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の時間間隔で撮影レンズの被写体像
    面と予定焦点面との光軸上の距離を検出する焦点検出手
    段と、 前記撮影レンズの移動量を検出する移動量検出手段と、 前記焦点検出手段で検出された前記距離と前記移動量検
    出手段で検出された前記移動量とに基づいて、前記被写
    体像面の移動速度を算出する像面速度算出手段と、 前記焦点検出手段で検出された前記距離、前記移動量検
    出手段で検出された前記移動量、および前記像面速度算
    出手段で算出された前記移動速度とに基づいて、前記被
    写体像面を前記予定焦点面に一致させる前記撮影レンズ
    の合焦位置を算出する合焦位置算出手段と、 前記撮影レンズの現在位置を検出する位置検出手段と、 前記合焦位置算出手段で算出された前記合焦位置と前記
    位置検出手段で検出された前記現在位置との位置偏差に
    基づいて前記撮影レンズの位置を制御する位置制御手段
    と、 この位置制御手段の制御出力と前記像面速度算出手段で
    算出された前記被写体像面の前記移動速度とに基づい
    て、前記撮影レンズの移動速度を制御する速度制御手段
    と、 この速度制御手段の制御出力に従って前記撮影レンズを
    駆動する駆動手段とを備えることを特徴とする自動焦点
    調節装置。
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