JPH05311459A - 亜鉛系めっき鋼板の塗布クロメート処理方法 - Google Patents

亜鉛系めっき鋼板の塗布クロメート処理方法

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JPH05311459A
JPH05311459A JP11568092A JP11568092A JPH05311459A JP H05311459 A JPH05311459 A JP H05311459A JP 11568092 A JP11568092 A JP 11568092A JP 11568092 A JP11568092 A JP 11568092A JP H05311459 A JPH05311459 A JP H05311459A
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chromate
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coating
zinc
plated steel
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Yoshio Shindo
芳雄 新藤
Koji Tanimura
宏治 谷村
Yoshimi Kada
好実 加田
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C22/05Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions
    • C23C22/06Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6
    • C23C22/34Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6 containing fluorides or complex fluorides
    • C23C22/37Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6 containing fluorides or complex fluorides containing also hexavalent chromium compounds
    • C23C22/38Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6 containing fluorides or complex fluorides containing also hexavalent chromium compounds containing also phosphates

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、塗布クロメート皮膜の難溶化と無
機インヒビターの添加によって、耐クロム溶出性と耐食
性の向上を図った亜鉛系めっき鋼板を市場に提供するこ
とにある。 【構成】 亜鉛系めっき鋼板の表面に総クロム濃度5〜
30g/lクロム還元率40〜80g/l、フッ酸濃度
0.1〜1.0g/l、リン酸濃度10〜200g/
l、アルカリ土類金属酸化物1〜10%からなるクロム
化合物を総クロム付着量で5〜150mg/m2形成
し、直ちに炉出側最高板温で50〜200℃にて乾燥す
ることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板のクロメート処理
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛めっき鋼板の塗布
クロメート処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車や家電など亜鉛系めっき鋼
板の高防錆性をはじめとする高機能化並びに低コスト化
に対する市場ニーズがますます高まり、これに呼応した
新製品の開発研究も最近盛んに行なわれている。このよ
うな中で、亜鉛系めっき鋼板のクロメート処理に対し、
他の性能を低下させることなく、より一層の防錆機能付
与と無公害化のために耐クロム溶出性を高めたクロメー
ト処理鋼板の開発要求が強い。クロメート処理液は従来
クロム酸または重クロム酸水溶液からなるものであっ
て、その耐食性確保のため、クロメート皮膜形成後、酸
またはアルカリで処理された場合に難溶性である皮膜を
形成する方法が種々提案されている。以下、これらの従
来技術について説明する。
【0003】亜鉛系めっき鋼板の表面に難溶性クロメー
ト皮膜を形成させる方法として特開昭50−15853
5号公報の発明は無水クロム酸−リン酸−水溶性または
水分散性高分子化合物系のクロメート液であって、その
処理液中の6価クロムイオンはエチレングリコールなど
の還元剤で70%以上3価クロムイオンに還元されたも
のを使用する。しかしながら、この発明の実施によって
形成されるクロメート皮膜は高分子を含有するので、難
溶性、耐食性、塗装性において優れているが、溶接性が
劣るといった弱点を有している。また、特公昭61−5
8522号公報に明示されているクロメート液はクロム
酸−クロム酸還元生成物−シリカゾル系に成分を特定し
た物である。しかしながら、この発明の方法でクロメー
ト皮膜が形成された表面処理鋼板を加工して塗装するに
際し、塗装前のアルカリ洗浄によりクロメート皮膜中の
主として6価クロムが溶出し易い、すなわち、耐アルカ
リ性が悪いので皮膜の耐食性が低下するといった問題も
有する。また、皮膜がシリカを含有するので連続スポッ
ト溶接性が悪いといった問題を有している。
【0004】次に、クロメート処理液中の6価クロムイ
オンを還元するためにシランカップリング剤を使用する
ことを開示した特開昭58−32383号公報および特
開昭62−83478号公報が挙げられる。これらの方
法で形成されるクロメート皮膜は、何れも塗料密着性に
優れるものの、皮膜にリン酸を含まないので耐アルカリ
性が良くない。更に、水分散性樹脂に防錆力の高いクロ
ム酸またはクロム化合物を混合した水溶液を亜鉛系めっ
き鋼板の表面に塗布して高防錆化を図ったものとして、
特公昭55−51032号、特開昭59−162278
号、特開昭61−584号公報などが提案されている
が、これらは何れも防錆力は高いものの結露や水系処理
液にクロムが溶出し実用上問題がある。
【0005】また、水分散性樹脂に有機複合シリケート
(シリカゾル、シランカップリング剤)をブレンドし薄
膜塗装してなるものに、特開昭60−149786号、
特開昭61−50181号公報などがある。これらは上
述したクロム溶出による問題が少ないものの、シリカを
安定したコロイド状に含有せしめるためのアルカリ、ア
ンモニウムイオンなどが存在し、結果として塗膜物性、
耐食性の低下があって問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、亜鉛系めっ
き鋼板の塗布クロメート処理において、上記従来技術に
実現されなかった、均一塗装性・耐アルカリ性・連続ス
ポット溶接性・加工性・塗装性のバランスを有する高耐
食性クロメート皮膜を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明においては、亜鉛
系めっき鋼板の塗布クロメート処理方法における上記従
来技術の抱える問題点を解決するために、次のような検
討を行なった。すなわち、 クロメート皮膜中の6価クロムイオンの溶出を防止す
るための、適正総クロム濃度とクロム還元率の明確化。 クロメート皮膜難溶化のため、6価クロムイオンを3
価クロムイオンとする。そのために、下地めっき金属と
の均一反応性を上げ、下地めっき金属の溶解電流による
還元を起こさせるためのエッチング剤の検討。 耐食性向上のため、腐食因子に対しバリアー効果を有
し、なおかつ、鋼素地に防食作用を持たせるための無機
系インヒビターの検討。 以上の検討の結果、フッ酸によるめっき界面反応の活性
化によって、密着性の優れたクロメート皮膜の均一生成
と、アルカリ土類金属の酸化物による腐食因子に対する
バリアー効果によってこれまでに例のないクロメート皮
膜の形成が可能になったことを見出し、本発明を提案す
るに至ったものである。さらには、高生産性ライン化に
あたり、クロメート処理後の乾燥条件を特定し、本発明
に至ったものである。
【0008】本発明におけるクロメート処理方法の構成
についてまず説明する。亜鉛系めっき鋼板の表面に、下
記[A]の浴組成物からなる塗布型クロメート皮膜を固
形皮膜として、金属クロム量換算で5〜150mg/m
2になるように塗布し、その後、直ちに炉の出側板温が
最高温度として50〜200℃になるよう乾燥してなる
ことを特徴とする亜鉛系めっき鋼板のクロメート処理方
法である。 [A]クロメート組成物 総クロム濃度(g/l) ; 5〜30 クロム還元率(%) ; 40〜80 リン酸濃度(g/l) ; 10〜200 フッ酸濃度(g/l) ;0.1〜1.0 アルカリ土類金属酸化物(%); 1〜16
【0009】すなわち、本発明の骨子としては、 形成される塗布クロメートの皮膜形態が基本的にフッ
酸によって、可溶性の6価クロム主体のクロミッククロ
メートから難溶性のフッ化物系クロム化合物支配型に構
造変化していることを特徴とし、加えて、フッ酸による
めっき界面の均一反応性の向上、さらには無機系インヒ
ビター使用による鋼素地の防食作用から、該クロメート
皮膜の耐クロム溶出性並びに耐食性、上塗塗装後の耐食
性を上げた点にある。 また、該クロメートの仕上げ外観を含めた品質を高位
に安定して製造するにあたり、該クロメート処理後の乾
燥板温を特定した点にある。なお、本発明に適用される
亜鉛系めっきとしては、電気めっき系において、Znめ
っき、ZnにNi、Cr、Feからなる合成元素群のう
ち少なくとも1種を含むめっきが用いられる。また、溶
融めっき系においては、Zn、Zn−Al系合金、ある
いは、それらの合金化処理めっきが用いられる。
【0010】
【作用】以下に本発明の構成因子に対する作用限界につ
いて述べる。 (1)塗布クロメート組成物について 本発明に用いる塗布クロメート皮膜は、めっき鋼板の表
面にあって、耐クロム溶出性が高く、上塗塗装との密着
性を向上させることにより、亜鉛系めっき鋼板の高耐食
性化をもたらす上で非常に重要な皮膜である。特に、水
や耐アルカリ性、耐酸性水溶液に対する耐膨潤難溶化が
必須であり、そのためにはクロメート皮膜を高いレベル
で難溶化させる必要があり、浴組成として以下のように
限定する必要がある。
【0011】 クロメート組成物中の総クロム濃度とクロム還元率 本クロメート組成物は水を溶媒とし、亜鉛系めっき鋼板
の耐食性等諸性能を安定して維持するために、総クロム
濃度が5〜30g/l、クロム還元率は40〜80%が
必要である。総クロム濃度が5g/l未満およびクロム
還元率が40%未満では、可溶性の6価クロムが主体の
クロメート皮膜となるため、高耐食性に必要なクロムが
水に抽出され易くなり、亜鉛系めっき鋼板としての裸耐
食性および電着塗装後の耐食性寿命の低下を招くととも
に、溶出クロムによる排水処理が必要など品質向上およ
び生産性の上で効果は小さい。また、総クロム濃度が3
0g/lおよびクロム還元率が80%を超えては、クロ
メート処理液の粘性が高くなり、かつ、処理液としての
安定性が低下するため、高生産性のライン下では安定し
たクロメート付着量の制御が難しくなる。したがって、
総クロム濃度は5〜30g/lの範囲内にあって、好ま
しくは10〜20g/lがよい。またクロム還元率は4
0〜80%の範囲内にあって、好ましくは45〜60%
がよい。なお、クロムの還元剤については、アルコール
や過酸化水素等による方法など公知の方法のいずれであ
ってもよいが、処理浴の安定性から還元剤の未分解がな
いようにした方がよい。
【0012】クロメート組成物中のフッ酸濃度 本発明にあってフッ酸濃度は0.1〜1.0g/lであ
る。このフッ酸の機能は、下地めっき鋼板のめっき表面
に生成してクロメート処理液の均一濡れ性を阻害する酸
化亜鉛や水酸化亜鉛を過不足なく除去して、めっき表面
とクロメート処理液との界面反応を適宜に促進し、これ
によって、密着性に富む塗布クロメート皮膜を安定して
得ることにある。フッ酸濃度が0.1g/l未満では、
めっき表面の酸化亜鉛や水酸化亜鉛を除去することが難
しく、クロメート皮膜としての密着性低下を招いたり、
液はじきが生じてクロメート皮膜の均一形成が難しいな
ど、安定した性能のクロメート処理は難しくなる。ま
た、フッ酸が1.0g/lを超えては、過剰なエッチン
グによって下地めっき表面が劣化するのに加え、溶出し
た下地めっき成分が該クロメート処理液へ混入し、これ
が亜鉛系めっき鋼板としての耐食性低下を招いたり、さ
らには、クロメート処理液の寿命を早めるため、処理液
の更新を余儀なくされる等、高生産性ライン下で安定し
た性能を得るためには、コストの高騰を招き余り好まし
くない。したがって、本発明におけるフッ酸濃度は0.
1〜1.0g/lであって、好ましくは0.2〜0.7
g/lがよい。
【0013】クロメート組成物中のリン酸濃度 本発明のクロメート皮膜にあってリン酸は10〜200
g/lである。リン酸が10g/l未満ではクロメート
皮膜の耐食性、耐アルカリ性が低下する。また、200
g/lを超えるクロメート皮膜の乾燥性が低下するた
め、吸湿しやすくなり裸の耐食性が低下する。したがっ
て、本発明におけるリン酸濃度は10〜200g/lで
あって、好ましくは50〜150g/lがよい。
【0014】 クロメート組成物中のアルカリ土類金属酸化物量 本発明のクロメート皮膜にあって、該アルカリ土類金属
酸化物は成膜後に浸透してくる水と徐々に反応して水酸
化物となりアルカリ性を示す。これにより、下地めっき
が緻密な腐食生成物を形成するのに加え、めっき欠陥部
位でもアルカリ環境なので下地鋼板の腐食が起こらない
ため、耐食寿命を長期にわたって発揮させることができ
る。アルカリ土類金属の酸化物としては、CaO、Mg
O、SrO、BaOの中から少なくとも1種類選ばれた
ものでなければならない。また、その機能を十分に発揮
させるためには、処理液として適正値に制御する必要が
ある。アルカリ土類金属酸化物濃度が1%未満では下地
めっき、または下地鋼板に対するバリアー効果が不十分
である。また、16%を超えると吸湿量が多く成り過
ぎ、腐食生成物形成によるバリアー効果より下地めっき
の劣化によるダメージの方が大きくなり、耐食性が悪く
なる。したがって、アルカリ土類金属の酸化物量として
は1〜16%、好ましくは、5〜10%がよい。
【0015】クロメート処理後の乾燥板温 本発明の特徴の一つに塗布クロメート処理後のクロメー
ト皮膜の乾燥が、比較的広い範囲の板温で成膜する点が
挙げられる。該クロメート皮膜の耐クロム溶出性を上
げ、亜鉛系めっき鋼板としての耐食性、上塗塗装後の耐
食性を向上させるには、上述したクロメート組成物を所
定量塗布した後の、クロメート皮膜の乾燥条件、最高乾
燥板温を適正範囲に制御する必要がある。もちろん、こ
の乾燥条件の設定にあたっては、鋼板の機械的強度を考
慮することが必要で、特に加熱硬化によって抗張力を挙
げるようなBH(Baking Hardness)性
を要求される鋼板については、最高乾燥板温がより低温
で乾燥され成膜されることが好ましい。
【0016】本発明における塗布クロメート処理後の乾
燥板温は、乾燥炉の出側で板温が最高になるよう乾燥さ
れる必要がある。この最高板板温が50℃未満では、該
クロメート皮膜に含まれる過剰水分の蒸発乾燥にとどま
り、高耐食性化に必要な空気酸化によるクロメート皮膜
の酸化重合を促進して適宜な網目構造を持つクロメート
皮膜は得られ難く、そのため、密着性、耐クロム溶出性
に優れたクロメート皮膜の生成は難しい。また、最高板
温が200℃を超えては、該クロメート皮膜が持つ結晶
水の脱水反応から皮膜が脆化し、密着性が大きく阻害さ
れるため、耐食性の低下が著しい。したがって、本発明
における塗布クロメート処理後の乾燥板温は炉出側の最
高板温で50〜200℃であり、好ましくは、90℃〜
150℃がよい。なお、本発明にあって、塗布クロメー
トの乾燥時間について特に限定するものではないが、該
板温が100℃以下の低温乾燥であっても3〜5秒程度
の乾燥時間でも十分な性能を発揮するものである。ま
た、乾燥後の板温の冷却方法に関しても特に限定はしな
いが、該クロメート皮膜の均一仕上げ外観並びに品質の
高位安定化の観点から水冷よりは空冷の方が好ましい。
【0017】塗布クロメート付着量 本発明における該クロメート組成物[A]は、例えば、
ロールコーターなどで亜鉛系めっき鋼板の表面に塗布
し、クロメート皮膜として乾燥成膜されるが、亜鉛系め
っき鋼板としての性能を優れたレベルに安定して得るた
めには、塗布クロメート皮膜の付着量制御が必要であ
る。該塗布クロメート皮膜の付着量が金属クロム換算で
5mg/m2以下未満では亜鉛系めっき鋼板としての裸
および塗装後の耐食性が不十分であり、また150mg
/m2を超えては、クロメート皮膜の均一塗布制御が難
しくなり、耐食性の面でも飽和状態であって、かつ、過
剰クロムの溶出など性能面および製造技術の面であまり
得策でない。したがって、本発明における塗布クロメー
ト付着量としては、金属クロム換算で5〜150mg/
2であって、好ましくは10〜80mg/m2がよい。
【0018】
【実施例】高生産性連続めっきラインにおいて、ライン
速度120m/minにて板厚0.8mmの低炭素鋼に
対し、公知のめっき方法を用いて、表1〜表4に示す亜
鉛系めっきを施した後、直ちにリバースロールコータ−
にて所定の塗布クロメート処理を行ない、10秒間で特
定する最高板温になるよう乾燥する。続いて、直ちに空
冷により板温40℃以下にしてコイル状に巻き取る。こ
のようにしてなる本発明の塗布クロメート処理亜鉛めっ
き系鋼板の性能について、表1〜表4にまとめて示す。
【0019】塗布クロメート皮膜の耐クロム溶出性およ
び下地めっきとの接着力の向上を目的としたクロメート
処理液中の総クロム濃度とそのクロム還元率の適正範囲
について本発明の実施例をNo.1〜No.3とNo.
6〜No.8に示す。このうち、比較例として、本発明
の請求範囲を外れた場合の総クロム濃度の作用について
No.4〜No.5に、また、クロム還元率については
No.9〜No.10に示す。これより明らかなよう
に、総クロム濃度およびクロム還元率は本発明の塗布ク
ロメート処理にあって基本組成であって、これを外れる
とクロメート皮膜外観の均一性あるいは、耐食性や塗膜
の密着性の低下を招き、余り好ましくない。したがっ
て、高生産性ライン下で安定した品質の塗布クロメート
処理を行なうには、該基本組成を本発明の請求範囲に制
御することが好ましい。
【0020】次に、下地めっき鋼板との界面反応を促進
し、密着性に優れた塗布クロメート皮膜を得るためには
界面エッチング剤としてのフッ酸の作用が必要である。
この本発明における実施例をNo.11〜No.14に
示す。このうち比較例として、本発明の請求範囲を外れ
た場合のフッ酸濃度の作用についてNo.15〜No.
16に示す。これより明らかなように、素地に対する優
れた密着性の確保は、亜鉛系めっき鋼板の高耐食性化を
図る上で必要条件であり、そのためには、フッ酸を本発
明の濃度範囲に制御することが好ましいことがわかる。
【0021】また、本発明のクロメート皮膜を難溶化
し、耐食性、耐アルカリ性を向上させるためには、リン
酸が必要となる。本発明のリン酸の作用効果について実
施例をNo.17〜No.20に示す。このうち、比較
例として本発明の請求範囲を外れた場合のリン酸の作用
についてNo.21〜No.22に示す。これより明ら
かなように、リン酸の添加量を本発明の範囲に制御する
ことによって、これによる皮膜の難溶化効果で亜鉛系め
っき鋼板としての長期耐食性をもちらしていることがわ
かる。また、本発明の塗布クロメート皮膜を更に難溶化
させ、かつ、腐食環境からの遮断効果を発揮させて亜鉛
系めっき鋼板の長期耐食性を確保するには、アルカリ土
類金属の酸化物を併用することが必要である。
【0022】本発明の該アルカリ土類金属酸化物の作用
効果について実施例をNo.23〜No.25とNo.
28〜No.30に示す。このうち、比較例として本発
明の請求範囲を外れた場合のアルカリ土類金属酸化物の
作用についてNo.26〜No.27に示す。これより
明らかなように、アルカリ土類金属酸化物の添加量を本
発明の範囲に制御することによって、これによる防食効
果で亜鉛系めっき鋼板としての長期耐食性をもたらして
いることがわかる。もちろん、本発明の適正を外れた場
合には、その耐食性の向上効果は小さくなるか逆に悪く
なる。
【0023】次に、亜鉛系めっき鋼板の高耐食性化に対
し、塗布クロメート付着量も当然関与するが、金属クロ
ム換算の総クロム量(T.Cr)で本発明のT.Cr付
着量範囲の5〜150mg/m2であれば、優れたレベ
ルで耐クロム溶出性、密着性が安定して得られ、ひいて
は、これが長期耐食性をもたらすことがわかる(実施例
No.31〜No.33)。もちろん、比較例No.3
4〜No.35に示すように、本発明の範囲を外れた場
合には、その効果を安定して得ることは難しく、生産性
の面でも期待は小さい。
【0024】また、塗布クロメート処理後の乾燥板温
は、本発明におけるクロメート皮膜の効果を大きく左右
する因子の一であり、乾燥炉の出側で最高板温となるよ
うなヒートパターンで乾燥する(実施例No.36〜N
o.39)。比較例No.40に示すように、最高板温
が50℃未満では、該塗布クロメート皮膜の付着水の乾
燥に留まり、クロメート皮膜の酸化重合反応を完了させ
る程の乾燥性を得ることは難しいため、比較的ルーズな
クロメート皮膜しか得られず、したがって、耐クロム溶
出性、密着性および高耐食性化への期待は薄い。一方、
比較例No.41板温が200℃超えては、該クロメー
ト皮膜が皮膜として存在するのに必要な結晶水までが脱
水されるため、クロメート皮膜としての密着性が損なわ
れ、商品としての価値を失い、好ましくない。この結果
より、該塗布クロメート処理後の乾燥最高板温として
は、本発明の板温範囲に制御することが好ましい。
【0025】なお、本発明に適用される亜鉛系めっきと
しては、電気めっき系において、Znめっき、ZnにN
i、Cr、Feからなる合金元素群のうち少なくとも1
種を含むめっきが用いられる。また、溶融めっき系にお
いては、Zn、Zn−Al系合金、あるいは、それらの
合金化処理めっきが用いられる。その実施例についてN
o.42〜No.47に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】*1)ZN:電気Zn−Ni合金めっき
(Ni=11.5%) EZ:電気Znめっき EC:電気Zn−Cr−Ni合金めっき(Cr=10.
0%,Ni=2.0%) EF:電気Zn−Fe合金めっき(Fe=15.0%) GZ:溶融Znめっき GA:溶融Zn−Al合金めっき(Al=5%) GF:溶融合金化Znめっき(合金化率=8〜11%) なお、めっき付着量は蛍光X線測定による。
【0031】*2)クロム酸(日本電工製)をベースに
メタノールによりクロム還元を実施。 *3)塗布クロメート処理外観(目視) ◎…平滑で欠陥なし、○…やや無光沢気味だが欠陥な
し、△…軽い線状模様発生、×…雲状または線状ムラ発
生 *4)耐クロム溶出性 FC4410アルカリ脱脂薬剤(日本パーカライジング
製)およびPB3020化成処理薬剤(日本パーカライ
ジング製)の標準処理下での板上溶出クロム量より評
価。 ◎…クロム溶出全くなし、○…極僅かに溶出 、△
…僅かに溶出、×…かなり溶出
【0032】*5)裸板の耐食性 塩水噴霧試験(JISZ−2371)1000時間の錆
発生状況にて評価。 ◎…白錆5%以下、○…白錆10%以下、△…赤錆5%
以下、 ×…赤錆10%以下 *6)上塗塗装性 1次密着性:メラミンアルキッド系塗料を20μm塗
り、120℃で30分焼付けた後、1mm口×100口
の碁盤目テーピング試験にて評価。 2次密着性:1次密着と同様の上塗塗装後、50℃、R
H≧98%、の条件で湿潤試験を行ない、同様の碁盤日
テーピング試験にて評価。 ◎…塗膜剥離なし、○…塗膜剥離5%以下、△…塗膜剥
離10%以下、×…塗膜10%超
【0033】*7)プレス加工性 日本工作油#620塗油、80φ×50mm円筒絞り→
フロン脱脂→ダイス面側をテープ剥離→テープへの塗布
クロメート皮膜の剥離状況と鋼板側の残存状況を目視判
定 ◎…剥離なし、○…極軽微な剥離、△…部分的な剥離、
×…全面剥離 *8)スポット溶接性 ドーム式アルミナ複合銅電極(16mmφ)、チップ先
端径6mmφ、圧下緑200kgf、電流値9KA、溶
接時間10サイクルによる連続打点を評価。 ◎…1000打点超、○…800打点以上、△…500
打点以上、×…500打点未満
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明の塗布クロメート
処理を施すことによって、亜鉛系めっき鋼板の耐クロム
溶出性およびクロメート皮膜の密着性が上がり、これが
耐食性の飛躍的な向上をもたらしめるもので、従来の塗
布クロメート技術が課題としていた、他の性能を劣さず
に塗布クロメート皮膜の難溶化と高耐食性化を同時に解
決した画期的な塗布クロメート技術を市場に提供するも
のである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛系めっき鋼板の表面に下記[A]の
    クロメート組成物を固形皮膜として、片面当り総クロム
    量で5〜150mg/m2形成してなることを特徴とす
    る亜鉛系めっき鋼板の塗布クロメート処理方法。 [A]クロメート組成物 総クロム濃度(g/l) ; 5〜30 クロム還元率(%) ; 40〜80 リン酸濃度(g/l) ; 10〜200 フッ酸濃度(g/l) ;0.1〜1.0 アルカリ土類金属酸化物(%); 1〜16
  2. 【請求項2】 該水系クロメート液に含有するアルカリ
    土類金属の酸化物は、CaO、MgO、SrO、BaO
    の中から少なくとも1種類選ばれたものである請求項1
    記載の亜鉛系めっき鋼板の塗布クロメート処理方法。
  3. 【請求項3】 塗布クロメート処理後の乾燥温度が、炉
    の出側最高板温として50〜200℃になるよう乾燥す
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の亜鉛
    系めっき鋼板の塗布クロメート処理方法。
JP11568092A 1992-05-08 1992-05-08 亜鉛系めっき鋼板の塗布クロメート処理方法 Withdrawn JPH05311459A (ja)

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