JPH05311296A - 防汚性に優れた銅合金 - Google Patents

防汚性に優れた銅合金

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JPH05311296A
JPH05311296A JP11636792A JP11636792A JPH05311296A JP H05311296 A JPH05311296 A JP H05311296A JP 11636792 A JP11636792 A JP 11636792A JP 11636792 A JP11636792 A JP 11636792A JP H05311296 A JPH05311296 A JP H05311296A
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JP
Japan
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copper alloy
seawater
resistance
contamination resistance
antifouling property
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Pending
Application number
JP11636792A
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English (en)
Inventor
Hideaki Yuki
英昭 幸
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】防汚性および耐食性の両者において優れたもの
とする。 【構成】重量割合で、Ni:3.0 〜11.0%、As:0.00
3 〜0.08%を含有し、残部が実質的にCuからなる銅合
金材料とする。また、さらにFe:0.5 〜6.0%、M
n:0.2 〜2.0 %、Sb:0.01〜0.5 %、Al:0.2 〜
3.0 %、Sn:0.2 〜1.5 %のうちいずれか1種以上を
含有させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発電所の海水導入管、
鋼管杭、浮桟橋、ブイ、船舶外板等の海生生物の付着が
嫌われる海洋構造物材料として好適な海生生物の付着防
止性(防汚性)に優れた銅合金に関する。
【0002】
【従来の技術】海水と接する上述のような設備あるいは
船舶等においては、海生生物(微生物およびフジツボあ
るいはムラサキガイ等の大型生物を含む)の付着によっ
て管路の閉塞、海水の送水抵抗の増大あるいは腐食の促
進等の問題が生じやすい。
【0003】従来、その対策として、それらの設備装置
類には海生生物の付着を防止する防汚対策が採られてき
た。その方法としては、主に材質的な面からキュプロニ
ッケル(90%Cu−10%Ni)等の銅合金の使用、あるいは
有機スズあるいは亜酸化銅を含む防汚塗料の使用の2通
りの方法があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記銅
合金に関しては、構造物素材の鋼材に比して一般に高価
であり、その割には防汚性の面で必ずしも満足できるも
のではなかった。また、亜酸化銅を含む防汚塗料は海生
生物の付着防止性能は十分とは言えなかった。一方、有
機スズを含む防汚塗料は非常に良好な防汚性を示すが、
近年、その毒性が問題となり、海域の公害防止の観点か
らその使用が禁止されつつある。
【0005】他方で、特公平3−21614 号公報には、キ
ュプロニッケル(90%Cu−10%Ni)に対して主に防汚性
を改善したものが提案されているが、これでも防汚性お
よび特に耐食性に満足できるものでなかった。
【0006】以上のような背景のもとに、近年、海洋開
発ならびにウォーターフロント開発が益々活発に展開し
ており、これらを推進する上でも長期防汚性に優れかつ
低コストの安価でかつ耐海水性材料の開発が望まれてい
た。
【0007】そこで本発明の課題は、防汚性に優れると
ともに、耐食性(耐海水性)も充分な材料を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、重量割合
で、Ni:3.0 〜11.0%、As:0.003 〜0.08%を含有
し、残部が実質的にCuからなることで解決できる。
【0009】また、重量割合で、Ni:3.0 〜11.0%、
As:0.003 〜0.08%を含有するとともに;Fe:0.5
〜6.0 %、Mn:0.2 〜2.0 %、Sb:0.01〜0.5 %、
Al:0.2 〜3.0 %、Sn:0.2 〜1.5 %のうちいずれ
か1種以上を含み、残部が実質的にCuからなるものが
好適である。
【0010】また、実際の適用に当たっては、前述の銅
合金を、ライニング、クラッド、溶射あるいは溶射後圧
延することにより銅合金材料として使用に供することも
できる。
【0011】
【作用】本発明者は、従来の高価なキュプロニッケルに
代わる安価でかつ耐海水性にも優れた防汚性の良好な材
料を見出すべく鋭意研究を行った結果、Ni量を低減す
れば防汚性が向上すること、耐海水性が必要な場合には
さらにFe、Mn、Al、Snを複合添加させた銅合金
が優れた防汚性を示すとの知見を得た。また、さらにA
sを複合添加することで防汚性能がより改善されること
を見出した。本発明はこれらの新しく得られた知見に基
づいてなされたものである。
【0012】すなわち、本発明の銅合金は含有するC
u、Asを徐々に溶解させて、海生生物の付着を抑制す
る作用をなすものであり、さらに一層の耐海水性が要求
される場合には、Fe、Mn、Al、Sb、Sn等を複
合添加することで、キュプロニッケルよりもNi量を低
減させることによる耐食性がわずかに低下するのを補償
するものである。
【0013】また、本合金をライニング、クラッド、溶
射あるいは溶射した鋼材においても全く同様の海生生物
付着防止性能を有する。
【0014】次に、本発明にかかる合金の各構成成分の
作用および数値限定理由について詳説する。
【0015】Cu:Cuは生物が忌避する銅イオンを海
水中に溶出し、生物の付着を防止する作用を有する。こ
の場合、その量が90%未満では、メタル近傍の海水中で
の銅イオン濃度が低く所望の防汚性が得られないため、
90.0%以上が好ましい。なお、生物付着防止の観点のみ
からすれば、耐食性が著しく劣り溶出銅イオンの量が多
いほど効果的であるが、余り耐食性が悪いと、構造部材
としての利用価値が低くなる。そのため、例えば純銅は
使えない。
【0016】Ni:Niは3.0 %以上で銅イオンの溶出
をコントロールする効果があり、耐エロージョン性にも
寄与する。しかし、11.0%を超えると耐食性が改善さ
れ、Cuの溶出が低減され、防汚性が劣化するため、N
i量は3.0 〜11.0%に限定した。
【0017】As:Asは有毒元素であり、アルミ黄銅
にも微量添加され防汚性に寄与している。Cu−Ni系
合金においては0.003 %以上添加しないとその効果が発
揮されず、また0.08%を超えて添加すると、海水への溶
出量が増大し、環境汚染を招くので0.003 %〜0.08%の
添加とした。
【0018】Fe:Feは耐海水性、特に耐エロージョ
ン性を高める元素であり、0.5 %未満ではその効果は少
なく、6.0 %を超えて添加すると、防汚性を損ねるの
で、0.5 〜6.0 %とした。
【0019】Mn:Mnは防汚性に寄与する元素であ
り、0.2 %以上の添加が防汚性に有効であるが、6.0 %
を超えて添加すると耐食性が劣化するので、0.2 〜6.0
%とした。
【0020】Sb:Sbも防汚性を高める元素である
が、その効果は0.01%以上で顕著であるが、0.5 %を超
えて添加してもその効果が飽和してしまう。そのため、
0.01〜0.5 %とした。
【0021】Al:Alは耐海水性の向上に有効な元素
であり、0.2 %以上で顕著であるが、3.0 %以上の添加
は効果が飽和する。このため0.2 〜3.0 %とした。
【0022】Sn:Snは防汚性および耐海水性の両者
に寄与する元素であるが、その効果は0.2 %以上で顕著
であり、1.5 %を超えても効果が飽和するため、0.2 〜
1.5%とした。
【0023】
【実施例】次に実施例により、本発明の効果を明らかに
する。表1に示した化学組成の本発明の銅合金および比
較材について、1年間の自然海水浸漬試験を行い、生物
付着の抑制効果を調査した。比較材のキュプロニッケ
ル、純銅、SUS329J2L 鋼は市販品を使用し、他は50kg高
周波真空溶製炉にて溶解し、熱間圧延したものから試験
片を切り出し、浸漬試験に供した。試験片の寸法は、10
0W×200L×4t(mm)とし、表面は600 番エメリー紙にて研
磨した。
【0024】1年間の試験後、試験片を取り出し、付着
物質を測定した。また、同時に耐食性も評価するため、
腐食重量減を測定し、腐食速度を求めた。この調査結果
を表1に併せて記す。また炭素鋼板にライニング、クラ
ッド、溶射、および溶射後に圧延したものも含めた。な
お、溶射材は封孔処理を行ったものを用いた。結果を表
1に記載する。なお表中、*印は合金板のままのもの、
※1は溶射+圧延したもの、※2はライニングしたもの
をそれぞれ示す。また、比較材のNo24は前記キュプロニ
ッケルを、同No25は純銅を用いたものである。
【0025】
【表1】
【0026】表1から明らかなように、本発明の銅合金
はいずれも生物付着量が、0.20g以下と、比較材よりも
少なく、かつ海水中での耐食性も良好である。一方、比
較材の純銅は防汚性はかなり良好であるが、耐食性が劣
る。耐海水ステンレス鋼のSUS329J2L 鋼は耐食性は良い
が、生物付着量が非常に多い。
【0027】以上の結果から、本発明の銅合金はNiと
微量のAsを複合添加することで生物付着量を少なくか
つ耐食性も良好なことが判った。
【0028】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、防汚性お
よび耐食性の双方において優れた銅合金を得ることがで
きる。
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】また、重量割合で、Ni:3.0 〜11.0%、
As:0.003 〜0.08%を含有するとともに;Fe:0.5
〜6.0 %、Mn:0.2 〜6.0 %、Sb:0.01〜0.5 %、
Al:0.2 〜3.0 %、Sn:0.2 〜1.5 %のうちいずれ
か1種以上を含み、残部が実質的にCuからなるものが
好適である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量割合で、Ni:3.0 〜11.0%、As:
    0.003 〜0.08%を含有し、残部が実質的にCuからなる
    ことを特徴とする防汚性銅合金。
  2. 【請求項2】重量割合で、Ni:3.0 〜11.0%、As:
    0.003 〜0.08%を含有するとともに;Fe:0.5 〜6.0
    %、Mn:0.2 〜2.0 %、Sb:0.01〜0.5 %、Al:
    0.2 〜3.0 %、Sn:0.2 〜1.5 %のうちいずれか1種
    以上を含み、残部が実質的にCuからなることを特徴と
    する防汚性に優れた銅合金。
JP11636792A 1992-05-08 1992-05-08 防汚性に優れた銅合金 Pending JPH05311296A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101948966A (zh) * 2010-10-27 2011-01-19 东南大学 一种耐海水腐蚀的含钛低镍铜合金
CN114480913A (zh) * 2022-02-16 2022-05-13 上海理工大学 一种多元合金化铜合金及其制备方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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