JP2000297343A - 海浜耐候性に優れた鋼材 - Google Patents

海浜耐候性に優れた鋼材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】飛来塩分量が多い環境下で優れた耐候性を有
し、しかも、低コストで、十分な溶接性を備えた鋼材を
提供する。 【解決手段】重量%で、C:0.10%以下、Si: 1.0%以
下、Mn: 2.0%以下、P:0.04%以下、Cu:0.05〜 1.0
%、Ni: 0.2〜 5.0%およびCr: 0.4〜 2.0%を含有す
るとともに、下記式を満たし、更に、Mo:0.01〜 1.0
%、W:0.01〜 1.0%およびV:0.01〜 1.0%のうちの
1種以上を含有し、かつ下記式で表される Pcmが 0.2
%以下であり、残部がFeおよび不純物(そのうちのSが
0.005%以下)からなる鋼材。 1.5%≦Cu(%)+Ni
(%)+Cr(%)≦ 6.0% … Pcm=C(%)+( 1/30)Si(%)+( 1/20)Mn(%) +( 1/20)Cu(%)+( 1/60)Ni(%)+( 1/20)Cr(%) +( 1/15)Mo(%)+( 1/10)V(%) …

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海浜地域や融雪塩
が散布される地域等の飛来塩分量が多い環境下でもメン
テナンスフリー材料として使用し得る耐候性に優れた鋼
材(以下、この鋼材を「海浜耐候性に優れた鋼材」とい
う)に関する。
【0002】
【従来の技術】耐候性鋼材を大気腐食環境中に暴露する
と、その表面に保護性のあるさび層が形成され、それ以
降の鋼材の腐食が著しく抑制される。そのため、耐候性
鋼材は、塗装せずに裸のまま使用できるメンテナンスフ
リー鋼材として橋梁等の構造物に用いられている。
【0003】しかし、海浜地域や、内陸部でも融雪塩が
散布される地域などの飛来塩分量が多い地域において
は、鋼表面に保護性のあるさび層が形成されず、腐食の
抑制効果はみられない。そのため、海浜部では、塗装な
しの裸のままの耐候性鋼材は用いられず、普通鋼に塗装
を施して使用する普通鋼の塗装使用が一般的である。し
かしながら、塗装使用の場合、約10年毎に再塗装をす
る必要があり、メンテナンス費用は莫大なものとなる。
【0004】一方、海浜地域における耐候性に優れた鋼
材の開発が進められており、クロム(Cr)の含有量を増
加させた材料(特開平6−99372号公報、特開平9
−176790号公報)、ニッケル(Ni)含有量を増加
させた材料(特開平5−51668号公報)や、りん
(P)の含有量を高めた材料(特開平10−25179
7号公報)等が提案されている。
【0005】しかし、CrやPの含有量を増加させると、
塩分が飛来する環境下における耐候性は向上するが、溶
接性が劣化する。鋼材を橋梁等の構造物として使用する
場合、溶接施工が必要であり、十分な溶接性を確保する
ためには、CrやPの含有量をあまり高くすることは望ま
しくない。
【0006】また、Ni含有量を増加させた場合、耐候性
はある程度改善されるが、鋼材自体のコストが高くな
り、橋梁等の用途に使用される材料としては高価なもの
にならざるを得ない。これを避けるため、Ni含有量を少
なくすると、耐候性はさほど改善されず、飛来塩分量が
多い場合には、鋼材の表面に層状の剥離さびが生成し、
長期間の使用に耐えられないという問題が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑みなされたもので、その課題は、海浜地域等の飛
来塩分量が多い環境下で優れた耐候性を有し、しかも、
低コストで、十分な溶接性を備えた鋼材を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記の
海浜耐候性に優れた鋼材にある。
【0009】重量%で、C:0.10%以下、Si: 1.0%以
下、Mn: 2.0%以下、P:0.04%以下、Cu:0.05%以上
1.0%以下、Ni: 0.2%以上 5.0%以下およびCr: 0.4
%以上 2.0%以下を含有するとともに、下記式を満た
し、さらに、Mo:0.01%以上1.0%以下、W:0.01%以
上 1.0%以下およびV:0.01%以上 1.0%以下のうちの
1種以上を含有し、かつ下記式で表される Pcmが 0.2
%以下であり、残部がFeおよび不可避不純物からなり、
不純物中のSが 0.005%以下であることを特徴とする海
浜耐候性に優れた鋼材。
【0010】 1.5%≦Cu(%)+Ni(%)+Cr(%)≦ 6.0% … Pcm=C(%)+( 1/30)Si(%)+( 1/20)Mn(%) +( 1/20)Cu(%)+( 1/60)Ni(%)+( 1/20)Cr(%) +( 1/15)Mo(%)+( 1/10)V(%) … なお、Cu(%)、Ni(%)等、元素記号の後に(%)を
付した表示は、それぞれの元素の含有量(重量%)を意
味する。
【0011】上記鋼材に、さらに、重量%で、カルシウ
ム(Ca):0.0001%以上 0.1%以下およびマグネシウム
(Mg):0.0001%以上 0.1%以下のうちの1種または2
種を含有させるか、または、アルミニウム(Al): 0.0
03%以上 2.0%以下、チタン(Ti):0.01%以上 0.3%
以下およびニオブ(Nb):0.01%以上 0.1%以下のうち
の1種以上を含有させてもよい。また、前記のAl、Tiお
よびNbのうちの1種以上と、前記のCaおよびMgのうちの
1種または2種を同時に含有させてもよい。
【0012】本発明者らは、上記の課題を解決するため
に、特にCrの耐候性に及ぼす影響に着目し、Cr含有量を
変化させた材料についての耐候性試験を行った。これ
は、本発明者らの一人が既に報告しているように(「材
料と環境」第43巻(1994)第1号26頁)、さび層が保護
性を有するのは、Feの一部がCrで置換された微細なα−
(Fe1-xCrx)OOH からなるさび層の生成によるものである
という知見に基づくもので、試験の結果、以下のことが
判明した。
【0013】(1)Cuを0.05〜 1.0重量%程度含有させたC
u添加鋼においては、Crの含有量が多いほど海浜耐候性
が改善される。
【0014】(2)その際、Crに加えNiを含有させると、
海浜耐候性がさらに改善される。また、このCu−Cr−Ni
系材料の海浜耐候性は、Cu、CrおよびNiの含有量の合計
値で評価することができ、この値が高いほど腐食量が少
なく、耐候性に優れている。
【0015】(3)前記のCu−Cr−Ni系材料に、さらにMo
や、Vや、Wを含有させると耐候性は一層向上する。
【0016】(4)また、CaやMg、または、Alや、Ti、Nb
を含有させても耐候性の改善に効果がある。
【0017】本発明は、このような知見に基づいてなさ
れたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の海浜耐候性に優れ
た鋼材に含まれる合金元素の作用効果とその含有量を上
記のように限定した理由について述べる。なお、合金元
素の含有量についての「%」はいずれも「重量%」を意
味する。
【0019】C:0.10%以下 Cは、鋼の強度を確保するために必要な合金元素である
が、多量に含有させると鋼材の溶接性が劣化する。した
がって、C含有量は0.10%以下とする。なお、Cは、Cr
の存在下ではクロム炭化物を形成し、大気腐食環境下で
このクロム炭化物がカソードとして作用して耐候性を劣
化させる。そのため、Cの含有量は少ない方がよく、0.
05%以下とするのが望ましい。
【0020】Si: 1.0%以下 Siは製鋼時の脱酸に必要な合金元素であるが、 1.0%を
超えて含有させると鋼の靱性が損なわれる。したがっ
て、その含有量は 1.0%以下とする。下限は特に定めな
いが、含有量が少なすぎると脱酸が十分に行われないの
で、Alを含有しない場合には、 0.1%以上含有させるの
が望ましい。
【0021】Mn: 2.0%以下 Mnは低コストで鋼の強度を高める作用効果を有する元素
であるが、Sと結合してMnSを形成し、このMnSが腐食
の起点となって耐食性、ひいては耐候性を劣化させる。
したがって、その含有量は 2.0%以下とする。
【0022】P:0.04%以下 Pは耐候性を著しく向上させる元素である。しかし、そ
の反面、過度に含有させると溶接性を劣化させる。した
がって、その含有量は0.04%以下とする。下限は特に定
めないが、耐候性向上効果を発揮させるために、0.01%
以上含有させるのが望ましい。
【0023】Cu:0.05%以上 1.0%以下 Cuは耐候性を向上させる基本元素であり、0.05%以上含
有させると耐候性が向上する。しかし、 1.0%を超えて
含有させても、その効果が飽和するだけでなく、脆化を
起こす原因となる。したがって、その含有量は0.05%以
上 1.0%以下とする。
【0024】Ni: 0.2%以上 5.0%以下 Niを含有する非晶質さびまたはα−FeOOH は、微細で、
さび層の緻密性を向上させることにより物質の透過を抑
制する性質を有しているので、飛来塩分量の多い環境で
使用される鋼材の合金元素として有効な元素である。こ
の効果は、 0.2%以上含有させることにより得られる
が、 5.0を超えると効果が飽和するばかりではなく、鋼
材のコストが上昇する。したがって、その含有量は 0.2
%以上 5.0%以下とする。
【0025】Cr: 0.4%以上 2.0%以下 Crはα−FeOOH のFeの一部を置換してさびを微細化し、
鋼表面に緻密なさび層を形成し、塩化物イオンの透過を
抑制する作用効果を有する元素である。しかし、含有量
が 0.4%未満ではその効果が不十分であり、 2.0%を超
えると効果が飽和するばかりでなく、溶接性を劣化させ
る。したがって、その含有量は 0.4%以上 2.0%以下と
する。
【0026】本発明の鋼材は、上記の合金元素の他に、
さらにMo、WおよびVのうちの1種以上を含有してい
る。これらの元素の含有量を前記のように限定した理由
は以下のとおりである。
【0027】Mo:0.01%以上 1.0%以下 Moは酸素酸イオンMoO4 2-の形でさびに吸着し、塩化物イ
オンの透過を抑制する作用効果を有する元素である。鋼
中における含有量が0.01%以上でこの効果が得られる
が、 1.0%を超えると効果が飽和するだけでなく、鋼材
のコストが上昇する。したがって、Moを含有させる場
合、その含有量は0.01%以上 1.0%以下とする。
【0028】W:0.01%以上 1.0%以下 Wは、Moと同様に、酸素酸イオンの形で存在し、塩化物
イオンの透過を抑制する。この効果は、含有量が0.01%
以上で現れ、 1.0%を超えると飽和する。したがって、
Wを含有させる場合、その含有量は0.01%以上 1.0%以
下とする。
【0029】V:0.01%以上 1.0%以下 Vは、MoやWと同様、酸素酸イオンの形で存在し、塩化
物イオンの透過を抑制する。この効果は、0.01%以上含
有させると現れ、 1.0%を超えると飽和する。したがっ
て、Vを含有させる場合、その含有量は0.01%以上 1.0
%以下とする。
【0030】本発明の鋼材においては、以上の個々の合
金元素の含有量の他に、下記式を満たし、かつ下記
式で表される Pcmを 0.2%以下とすることが必要であ
る。
【0031】 1.5%≦Cu(%)+Ni(%)+Cr(%)≦ 6.0% … Pcm=C(%)+( 1/30)Si(%)+( 1/20)Mn(%) +( 1/20)Cu(%)+( 1/60)Ni(%)+( 1/20)Cr(%) +( 1/15)Mo(%)+( 1/10)V(%) … 式を満たすこととしたのは、以下の理由による。すな
わち、鋼材の海浜地域における耐候性を高めるために
は、上記の合金元素のうち特にCu、NiおよびCrを含有さ
せることが有効であり、これらの元素の含有量の和が
1.5%以上で海浜耐候性の向上が認められ、一方、含有
量の和が 6.0%を超えると、その向上効果が飽和するだ
けでなく、鋼材のコストが上昇するからである。
【0032】また、式の Pcmは鋼材の溶接性を評価す
るための指標で、その値が 0.2%以下であれば、必要と
される溶接性が確保される。
【0033】本発明の鋼材は、上記の元素以外、残部が
Feと不可避不純物からなる鋼材である。不純物として
は、Sの上限を抑えることが必要である。
【0034】Sは、上記のように、Mnと結合して非金属
介在物のMnSを形成して腐食の起点となりやすく、耐候
性を劣化させるので、できるだけ少なくする必要があ
る。したがって、その上限は 0.005%とする。
【0035】上記本発明の鋼材において、前記のよう
に、さらに、CaおよびMgのうちの1種または2種を含有
させるか、または、Al、TiおよびNbのうちの1種以上を
含有させてもよい。また、前記のAl、TiおよびNbのうち
の1種以上と、前記のCaおよびMgのうちの1種または2
種を同時に含有させてもよい。
【0036】これらの元素の含有量を前記のように限定
した理由は以下のとおりである。
【0037】Ca:0.0001%以上 0.1%以下 Caは鋼中に酸化物の形で存在し、腐食反応時における界
面のpHの低下を抑制して、腐食の促進を抑える作用効果
を有している。この効果は0.0001%以上含有させること
により得られるが、 0.1%を超えると飽和する。したが
って、Caを含有させる場合、その含有量は0.0001%以上
0.1%以下とする。
【0038】Mg:0.0001%以上 0.1%以下 Mgは、Caと同様に、腐食反応時における界面のpHの低下
を抑制する。この効果は0.0001%以上含有させることに
より得られるが、 0.1%を超えると飽和する。したがっ
て、Mgを含有させる場合、その含有量は0.0001%以上
0.1%以下とする。
【0039】Al: 0.003%以上 2.0%以下 Alは 0.003%以上含有させると耐候性が向上するが、含
有量が 2.0%を超えるとその効果は飽和する。したがっ
て、Alを含有させる場合、その含有量は 0.003%以上
2.0%以下とする。なお、多量に添加すると鋼が脆化し
やすくなるので、含有量の上限は 1.0%とするのが望ま
しい。
【0040】Ti:0.01%以上 0.3%以下 TiはTiCを形成してCを固定し、クロム炭化物の形成を
抑制して耐候性を向上させるとともに、TiSの形成によ
り腐食の起点となるMnSの形成を抑える作用効果を有し
ている。この効果は、含有量が0.01%以上で現れ、 0.3
%を超えると、効果が飽和するだけでなく、鋼材のコス
トが上昇する。したがって、Tiを含有させる場合、その
含有量は0.01%以上 0.3%以下とする。
【0041】Nb:0.01%以上 0.1%以下 Nbには、Tiと同様に、NbCを形成してクロム炭化物の形
成を抑制して耐候性を向上させる効果がある。この効果
は、含有量が0.01%以上で現れ、 0.1%を超えると飽和
するので、Nbを含有させる場合、その含有量は、0.01%
以上 0.1%以下とする。
【0042】上記本発明の鋼材は、海浜耐候性に優れ、
しかも十分な溶接性を備えているので、海浜地域や融雪
塩が散布される地域における橋梁等の構造物に、塗装を
必要としないメンテナンスフリー材料として使用するこ
とができる。また、各合金元素の含有量の規定に加え、
Cu、CrおよびNiの含有量の合計値を規定することによっ
て海浜耐候性を確保するために十分な上限を定めている
ので、例えば、高価なNiの含有量を相対的に低める等の
方法により鋼材コストの上昇を抑えることができる。
【0043】
【実施例】表1に示した化学組成を有するNo.1〜No.29
の鋼について、寸法 100mm×60mm× 3mm(厚さ)の試験
片を作製し、海岸地帯(沖縄県)で、試験片を水平に保
持して2年間暴露した。
【0044】暴露試験終了後、各試験片の表面のさび層
を除去し、板厚減少量を測定した。なお、暴露地への飛
来塩分量は、ガーゼ法(JIS Z 2381に規定される方法)
を用いて測定した結果、NaClに換算して 0.5mg/dm2
day で、大気腐食環境としては厳しい環境であった。
【0045】試験結果を表1に併せて示す。同表におい
て、「Cu+Cr+Ni」はこれらの元素の含有量(重量%)
の和を意味する。「板厚減少量」は、2年間における板
厚の減少量で、試験片の表裏両面の腐食深さをそれぞれ
求め、その平均値で表示した。また、「溶接性」は、入
熱 8kJ/cmで溶接した場合の溶接熱影響部の最高硬さを
ビッカース硬さ試験により測定し、 300以下であれば溶
接性が良好(○印で表示)、 300を超える場合は不良
(×印)とした。
【0046】表1の結果から明らかなように、本発明例
(No.1〜No.19 )では、板厚減少量が非常に少なく、し
かも溶接性が良好であった。
【0047】これに対し、比較例の No.20〜No.24 で
は、溶接性は確保されているものの、「Cu+Cr+Ni」が
小さく、本発明で規定する範囲から外れており、板厚減
少量が本発明例に比べて多かった。また、比較例の No.
25〜No.29 では、「Cu+Cr+Ni」が大きいので、板厚減
少量は本発明例の場合と同程度であったが、 Pcmが大き
く、本発明で規定する範囲から外れており、溶接性が不
良であった。「Cu+Cr+Ni」が大きいので、材料自体の
コストも高くなる。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明の鋼材は、飛来塩分量が多い環境
下において十分な耐候性を有しており、海浜地域や融雪
塩が散布される地域における橋梁等の構造物に使用する
メンテナンスフリー材料として用いることができる。こ
の鋼材は比較的低コストであり、また十分な溶接性を備
えているので、溶接施工を必要とする他の用途にも問題
なく適用することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.10%以下、Si: 1.0%以
    下、Mn: 2.0%以下、P:0.04%以下、Cu:0.05%以上
    1.0%以下、Ni: 0.2%以上 5.0%以下およびCr: 0.4
    %以上 2.0%以下を含有するとともに、下記式を満た
    し、さらに、Mo:0.01%以上1.0%以下、W:0.01%以
    上 1.0%以下およびV:0.01%以上 1.0%以下のうちの
    1種以上を含有し、かつ下記式で表される Pcmが 0.2
    %以下であり、残部がFeおよび不可避不純物からなり、
    不純物中のSが 0.005%以下であることを特徴とする海
    浜耐候性に優れた鋼材。 1.5%≦Cu(%)+Ni(%)+Cr(%)≦ 6.0% … Pcm=C(%)+( 1/30)Si(%)+( 1/20)Mn(%) +( 1/20)Cu(%)+( 1/60)Ni(%)+( 1/20)Cr(%) +( 1/15)Mo(%)+( 1/10)V(%) …
  2. 【請求項2】請求項1に記載の鋼材が、さらに、重量%
    で、Ca:0.0001%以上 0.1%以下およびMg:0.0001%以
    上 0.1%以下のうちの1種または2種を含有することを
    特徴とする海浜耐候性に優れた鋼材。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の鋼材が、さらに、重量%
    で、Al: 0.003%以上 2.0%以下、Ti:0.01%以上 0.3
    %以下およびNb:0.01%以上 0.1%以下のうちの1種以
    上を含有することを特徴とする海浜耐候性に優れた鋼
    材。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の鋼材が、さらに、重量%
    で、Ca:0.0001%以上 0.1%以下およびMg:0.0001%以
    上 0.1%以下のうちの1種または2種を含有することを
    特徴とする海浜耐候性に優れた鋼材。
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