JPH05311208A - ローリングピストン材 - Google Patents

ローリングピストン材

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JPH05311208A
JPH05311208A JP13727791A JP13727791A JPH05311208A JP H05311208 A JPH05311208 A JP H05311208A JP 13727791 A JP13727791 A JP 13727791A JP 13727791 A JP13727791 A JP 13727791A JP H05311208 A JPH05311208 A JP H05311208A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sintered alloy
rolling piston
wear resistance
piston material
present
Prior art date
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Pending
Application number
JP13727791A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazutoshi Takemura
和俊 武村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロータリー式冷凍機のローリングピストン1
の耐摩耗性を高め、従来の鋳鉄に代え焼結材を使用す
る。 【構成】 C:1.0〜3.5%、Cr:3〜30%、
Mo:0.3〜3.0%を含有し、残部が実質的にFe
からなりかつMHV500以上を有するFe基焼結合金
からなり、かつ焼結により生じた空孔がスチーム封孔さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はロータリー式冷凍圧縮機
のローリングピストン材に関する。ロータリー式冷凍圧
縮機のローリングピストンは相手材であるベーンに対し
て摺動するために、耐摩耗性、耐焼付性などの摺動特性
及び冷媒ガスをシールする気密性が要求されている。図
1はロータリー式冷凍圧縮機の要部断面を示し、シャフ
ト1の回転によって、シャフト1に偏心して嵌着された
回転ピストン(ローリングピストン)2が偏心回転し、
これらを収容する鋳鉄製シリンダ4に設けられたベーン
溝に装入され、背後からベーンスプリング6によって押
圧力を与えられたベーン3が回転ピストン2の外周面と
摺動し、ベーン3はシリンダ4のベーン溝と摺動する。
ベーン3の左側空間9、右側空間10とシリンダ4に設
けられた吸気孔4a,吐出孔4bとをそれぞれ連通する
通気路(図示せず)がサイドハウジング8に設けられて
いる。冷媒ガスはこの通気路を経由してコンプレッサ内
に供給、吐出される。
【0002】
【従来の技術】従来ローリングピストン材としては、
0.3%程度のNi、0.5〜1.0%程度のCr、
0.3%程度のMoを基本成分として含有するNi−C
r−Mo鋳鉄を焼入れしたものが使用されてきた。また
相手材のベーンには合金鋼の焼結材あるいは鋳造材が使
用されてきた。しかしながら、近年冷凍機の出力が年々
向上しているために、ローリングピストンの摺動条件が
厳しくなっている。またフロンガス規制により冷却効率
の低い冷却媒体を使用しなければならなくなっているの
で、その分冷凍機の負荷を高めなければならず、この結
果ローリングピストンの摺動条件が厳しくなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来ローリングピスト
ン材として使用されてきたNi−Cr−Mo鋳鉄は厳し
い摺動条件では耐摩耗性が不足しており、今後のロータ
リー式冷凍機には使用できないおそれが出てきた。これ
に対処するためにNi−Cr−Mo鋳鉄の特殊炭化物形
成元素量を多くすることが考えれるが、加工コスト高を
招くので、本発明者は従来の鋳鉄に代えて合金元素量が
適量の焼結材で耐摩耗性を向上し、さらに焼結材にシー
ル性などの性能を付与することを目的として研究を行っ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係るローリング
ピストン材の第一は、C:1.0〜3.5%、Cr:3
〜30%、Mo:0.3〜3.0%を含有し、残部が実
質的にFeからなりかつMHV(マイクロビッカース硬
さ)500以上を有するFe基焼結合金からなり、かつ
焼結により生じた表面空孔がスチーム封孔されているこ
とを特徴とする。
【0005】また、本発明に係るローリングピストン材
の第二は、C:1.0〜3.5%、Cr:3〜30%、
Mo:0.3〜3.0%に加えて、10%以下のVおよ
びWの1種又は2種を含有し、残部が実質的にFeから
なりかつMHV(マイクロビッカース硬さ)500以上
を有するFe基焼結合金からなり、かつ焼結により生じ
た表面空孔がスチーム封孔されていることを特徴とす
る。本発明の骨子は、Fe−Cr系焼結材の組成及び硬
度を特定し、かつ焼結孔を封孔することによってローリ
ングピストン材の摺動特性を向上するところにある。以
下、本発明の構成を詳しく説明する。
【0006】本発明においてローリングピストンに焼結
材を使用したのは、適量の合金元素量により鋳鉄よりも
摺動特性を高め且つ加工取り代を削減でき得るからであ
る。本発明において、Fe基焼結合金のCはCr,M
o,V、Feと炭化物を形成することにより耐摩耗性を
付与する。C含有量が1.0%(本願において百分率は
特記しない限り、重量%を意味する)以下では炭化物量
が不足して耐摩耗性が不充分になる他に、焼結時の気孔
発生量が多くなり封孔処理の効果が不足し、これによっ
ても耐摩耗性が不充分になる。一方C含有量が3.5%
以上では焼結時の寸法変形が大きくなって製品の形状確
保が困難になり、またCが偏析しやすくなる。したがっ
てC含有量は1.0〜3.5%とする。
【0007】CrはCと結合して炭化物を形成し、耐摩
耗性向上に寄与する。Crの含有量が3%以下では炭化
物量が不足して耐摩耗性が不充分になる。一方Crの含
有量が30%以上ではFe基焼結合金が脆化する。した
がってCr含有量は3〜30%とする。
【0008】Moはオーステナイトマトリックスに固溶
してその焼入れ性を高める。Moの含有量が0.3%以
下ではその効果が少なく、耐摩耗性が不充分になる。一
方Moの含有量が3.0%以上になると、粉末の圧縮性
が損なわれるために焼結体の気孔が多くなる。すると封
孔処理の効果が不足して耐摩耗性が不充分になる。した
がってMo含有量は0.3〜3%とする。
【0009】本発明の第二においては、上記成分に加え
て10%以下のVおよびWの1種又は2種を含有する。
V,WはCと結合し炭化物を生成して耐摩耗性を高める
が、10%を超える含有量ではFe基焼結合金が脆化す
る。上記Fe基焼結合金は、所定の組成を有する母合金
をアトマイズ法で粉末化し、ふるいで分級し、−100
メッシュにアトマイズ粉末を調整した後かかる粉末に適
量の潤滑剤を混合し、金型成形で圧粉し、そして焼結す
る粉末冶金工程により製造される。
【0010】上記組成を有するFe基焼結合金はマイク
ロビッカース硬さ(MHV)が500以上あることが必
要である。焼結合金が上記した組成を有すると炭化物な
どの生成量は確保されるが、硬さが500未満であると
Fe基地の耐摩耗性が不足するために、焼結合金全体と
しての耐摩耗性が不充分になる。この硬さを得るために
は毎分約100℃以上の急冷をオーステナイト化温度よ
り行うことが好ましい。かかる急冷法は焼結後窒素ガス
を焼結体に吹き付けることによって実施できる。硬さの
上限は特に制限がないが、このような急冷法ではMHV
600〜700程度である。
【0011】上記組成のFe基焼結合金は通常15〜2
5体積%の空孔を有する。かかる空孔が存在すると焼結
体の強度が低くなり、摩耗が進行しやすくなるのみなら
ず、冷却媒体が空孔から洩れやすくなる。したがってス
チーム封孔処理によって空孔を封孔すると、空孔に面す
る焼結合金が酸化されて、焼結体の表面で空孔が塞がれ
る。スチーム封孔処理方法は焼結体を例えば550〜5
80℃の水蒸気に1〜2時間さらすことにより実施可能
である。
【0012】
【作用】Fe基焼結合金の硬度と耐摩耗性を高める方法
として、TiN粉末を焼結合金に分散させる方法があ
る。本発明の合金組成はかかるセラミック粒子の分散強
化によらずに、金属組成の調整によりそれなりの耐摩耗
性を実現するものである。また本発明においては、Cr
などの炭化物の量とFe基地の組織の両方により所望の
耐摩耗性を達成する。以下、実施例により本発明を詳し
く説明する。
【0013】
【実施例】表1及び表2に示す組成を有する粒度−80
メッシュの原料粉末を用意し、これに0.7%のステア
リン酸亜鉛を潤滑剤として添加し、混合機で40分混合
して成形用混合粉を得た。混合粉を金型で6t/cm2
の圧力で成形し、次いで真空炉中で1100〜1180
℃の温度で30分間保持して焼結した。焼結体に炉内
で、好ましくは燃焼室とは別室で窒素ガスを吹き付けて
約100℃/分の冷却速度で冷却した。その後焼結体を
水蒸気流に550℃で90分間晒してスチーム封孔処理
した。
【0014】現在ロータリー式冷凍圧縮機に使用されて
いるNi−Cr−Mo鋳鉄を比較例材として用意し、上
記方法で得られた焼結材とともに、5×5mm角×20
mm長さの試験片寸法になるように加工した。また現用
ベーン焼結材をφ36mmの軸形状になるように加工し
た。比較材のNi−Cr−Mo鋳鉄は、C:3.3%,
Si:2.0%,Mn:0.7%,Mo:0.32%,
Ni:0.28%,Cr:0.8%,残部Feの組成を
有し、焼入後の硬さはHRC55であった。ベーン焼結
材は、C:2.0%,P:0.7%,Cr:12%,M
o:1%,V:1%,残部Feであり、真空焼結され、
硬さはHRC53であった。図2に示すピン−ドラム試
験機で、ベーン焼結材をドラム12、実施例、比較例の
材料をピン11とし、ウェイト13により試験面圧:ヘ
ルツ応力−60kg/cm2 をドラム及びピンに掛け、
ドラム12を2m/secの速度で回転させ、温度70
℃の潤滑油6(スニソ5GS)を300ml/minの
油流量で摺動面に供給し、5kmの摩擦距離について摺
動を継続する試験を各材料につき2回行った。なお図3
に示すように、ピン1はR1 =10mmになるように先
端を曲面加工した。R2 =18mmである。試験の後ピ
ン11の摩耗体積を測定し、2点の平均値を求めた。結
果を表1及び表2に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】 表中1〜6が本発明の実施例である。11〜15が比較
例であり、11は焼結後空冷を行い、その後900℃に
2時間保持した後油冷を行い、硬さを本発明の下限値よ
り低くしたもの、12は炭素含有量を本発明の下限値よ
り低くしたもの、13は炭素含有量を本発明の上限値よ
り高くしたもの、14はCr含有量を本発明の下限値よ
り低くしたもの、15はCr含有量を本発明の上限値よ
り高くしたものである。表1、表2に示された結果から
本発明の焼結材料は比較例及び従来例の材料よりも優れ
た耐摩耗性を示すことは明らかである。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るローリ
ングピストン材は従来使用されていたNi−Cr−Mo
鋳鉄材よりも耐摩耗性に優れているために、高性能ロー
タリー式コンプレッサに使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ローリングピストンを示す図である。
【図2】ピン−ドラム式試験機を示す図である。
【図3】ピンとドラムの拡大図である。
【符号の説明】
1 シャフト 2 ローリングピストン 3 ベーン 4 シリンダ 6 ベーンスプリング 11 ピン 12 ドラム 13 ウェイト 14 支点 15 バランサー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:1.0〜3.5%、Cr:3〜30
    %、Mo:0.3〜3.0%を含有し、残部が実質的に
    FeからなりかつMHV(マイクロビッカース硬さ)5
    00以上を有するFe基焼結合金からなり、かつ焼結に
    より生じた表面空孔がスチーム封孔されていることを特
    徴とするローリングピストン材。
  2. 【請求項2】 C:1.0〜3.5%、Cr:3〜30
    %、Mo:0.3〜3.0%に加えて、10%以下のV
    およびWの1種又は2種を含有し、残部が実質的にFe
    からなりかつMHV(マイクロビッカース硬さ)500
    以上を有するFe基焼結合金からなり、かつ焼結により
    生じた表面空孔がスチーム封孔されていることを特徴と
    するローリングピストン材。
JP13727791A 1991-05-13 1991-05-13 ローリングピストン材 Pending JPH05311208A (ja)

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JP (1) JPH05311208A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014194262A (ja) * 2013-03-29 2014-10-09 Riken Corp 鉄基焼結合金製回転軸シールリング及びその製造方法
WO2024070987A1 (ja) * 2022-09-26 2024-04-04 株式会社プロテリアル Fe基合金、合金部材、製造物及び合金部材の製造方法

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