JP2000073151A - 硬質粒子分散型鉄基焼結合金及びその製造方法 - Google Patents

硬質粒子分散型鉄基焼結合金及びその製造方法

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JP2000073151A
JP2000073151A JP10239892A JP23989298A JP2000073151A JP 2000073151 A JP2000073151 A JP 2000073151A JP 10239892 A JP10239892 A JP 10239892A JP 23989298 A JP23989298 A JP 23989298A JP 2000073151 A JP2000073151 A JP 2000073151A
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Akiyoshi Ishibashi
章義 石橋
Yuji Kawakami
雄士 川上
Yoichi Yamashita
洋市 山下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温高負荷での硬質粒子分散型鉄基焼結合金
の耐摩耗性及び耐酸化性を改善する。 【解決手段】 重量基準で、3〜15%ニッケル(N
i)、3〜9%モリブデン(Mo)、0.5〜5%クロ
ム(Cr)、0.5〜2%炭素(C)、残部鉄(Fe)
及び不可避化合物よりなり、3〜20%の硬質粒子が鉄
基地中に均一に分散された硬質粒子分散型鉄基焼結合金
において、0.5〜5%のバナジウム(V)を含み、ニ
ッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、クロム(C
r)、バナジウム(V)は鉄基地中に固溶され、クロム
(Cr)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)は微
細な炭化物又は金属間化合物として鉄基地中に分散さ
れ、強度及び硬度が高い特徴がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗焼結合金、
特に、LPG、CNG等のガスエンジン用のバルブシー
トの製造に適する硬質粒子分散型の鉄基焼結合金及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガスエンジン、たとえば空調用GHP
(Gas Heat Pomp)や乗用車用エンジンは、比較的無害
の排気ガスを発生するため、使用が増大している。しか
し、ガスエンジンでは、バルブとバルブシートを潤滑す
る排気ガス中のHC(ハイドロカーボン)量が少ないた
め、摩耗が増大する問題があった。そこで、高圧成形、
冷間鍛造、粉末鍛造等の製造プロセスにより鉄基地を強
化したり、固体潤滑材として鉛(Pb)を添加して摩耗
量の減少を図っている。また、HCの不足を補うため鉛
(Pb)をバルブシート中に溶浸して自己潤滑性を付与
し、バルブの回転やカッピング(コップ状の凹み)によ
るシート面での滑りに対する摩耗を低減することも行わ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のような高圧成
形、冷間鍛造、粉末鍛造などの物理的手段によって基地
の強度を高めても、ガスエンジンはその特徴上火炎の温
度が高く、効果はあまり期待できない。また、鉛(P
b)を溶浸する方法では、鉛(Pb)自身の毒性のため
使用を規制しなければならない。即ち、これらの課題に
対応するには成分設計による化学的な解決が必要であっ
た。特開平9−53158号公報では、ニッケル(N
i)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)が鉄基地中
に固溶され、高温高負荷でも耐摩耗性が高く、耐酸化性
に優れた硬質粒子分散型焼結合金及びその製造方法が開
示されている。しかしながら、この硬質粒子分散型焼結
合金でも耐摩耗性、高温強度、耐摩耗性は十分とはいえ
ず、更に高性能な材料が要求されている。本発明は、高
温火炎下で酸化及び凝着を発生せずかつ耐摩耗性の高い
硬質粒子分散型鉄基焼結合金及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明による硬質粒子
分散型鉄基焼結合金は、重量基準で、3〜15%ニッケ
ル(Ni)、3〜9%モリブデン(Mo)、0.5〜5
%クロム(Cr)、0.5〜2%炭素(C)、残部鉄
(Fe)及び不可避化合物よりなり、3〜20%の硬質
粒子が鉄基地中に均一に分散されている。この硬質粒子
分散型鉄基焼結合金では、0.5〜5%のバナジウム
(V)を含み、ニッケル(Ni)、モリブデン(M
o)、クロム(Cr)、バナジウム(V)は鉄基地中に
固溶され、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、バナ
ジウム(V)は微細な炭化物又は金属間化合物として鉄
基地中に分散されている。ニッケル(Ni)、モリブデ
ン(Mo)、クロム(Cr)、バナジウム(V)は鉄基
地中に固溶されるが、固溶体は、単なる分散とは異なり
強度及び硬度が高い特徴がある。硬質粒子の分散による
効果だけでなく、ニッケル(Ni)、モリブデン(M
o)、クロム(Cr)、バナジウム(V)が鉄基地中に
固溶されることにより、強度、硬度に優れた焼結合金が
実現され、また、バナジウム(V)を加えることにより
高温域での耐摩耗性を向上することが可能となる。
【0005】この発明の実施の形態では、硬質粒子は、
(1)50〜57%クロム(Cr)、18〜22%モリ
ブデン(Mo)、8〜12%コバルト(Co)、0.1
〜1.4%炭素(C)、0.8〜1.3%珪素(Si)、
残部鉄(Fe)を含む硬質粒子、(2)27〜33%ク
ロム(Cr)、22〜28%タングステン(W)、8〜
12%コバルト(Co)、1.7〜2.3%炭素(C)、
1.0〜2.0%珪素(Si)、残部鉄(Fe)を含む硬
質粒子、(3)60〜70%モリブデン(Mo)、0.0
1%以下の炭素(C)、残部鉄(Fe)を含む硬質粒
子、(4)窒化チタン(TiN)等のセラミック粒子、
(5)タングステンカーバイド(WC)等の炭化物、
(6)ステライト合金からなる6種の硬質粒子を単体で
又は少なくとも2つを混合してなる。弗化物系の固体潤
滑材1〜10%を潤滑材として鉄基地中に均一に分散し
てもよく、固体潤滑材はアルカリ金属又はアルカリ土類
金属の弗化物である。
【0006】この発明による硬質粒子分散型鉄基焼結合
金の製造方法は、予め合金化されたモリブデン(M
o)、バナジウム(V)、クロム(Cr)を含む鉄粉
に、カルボニルニッケル(Ni)粉、金属モリブデン
(Mo)粉及び黒鉛粉、モリブデン鉄(FeMo)を配
合して原料粉を作る工程と、3〜20重量%の硬質粒子
及び粉末潤滑剤を原料粉に添加して混合粉を作る工程
と、得られた混合粉をプレスにて成形し、加熱して脱蝋
を行った後、焼結し冷却する工程と、その後、焼鈍する
工程とを含む。この発明の実施の形態では、モリブデン
(Mo)、クロム(Cr)、バナジウム(V)を含む鉄
粉は、粒度150〜200メッシュにピークを持ち、カ
ルボニルニッケル(Ni)粉は、325メッシュアンダ
ーに粒度を有し、モリブデン鉄(FeMo)の粒子分布
は150〜200メッシュにピークを持つ。加熱して脱
蝋を行った後、焼結し900℃まで炉冷する工程と、そ
の後、ガス冷却し、更に焼鈍する工程とを含んでもよ
い。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明による硬質粒子分散型鉄
基焼結合金は、重量基準で、3〜15%ニッケル(N
i)、3〜9%モリブデン(Mo)、0.5〜5%クロ
ム(Cr)、0.5〜2%炭素(C)、残部鉄(Fe)
及び不可避化合物よりなり、3〜20%の硬質粒子が鉄
基地中に均一に分散されている。この硬質粒子分散型鉄
基焼結合金では、0.5〜5%のバナジウム(V)を含
み、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、クロム
(Cr)、バナジウム(V)は鉄基地中に固溶され、ク
ロム(Cr)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)
は微細な炭化物又は金属間化合物として鉄基地中に分散
されている。
【0008】ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、
クロム(Cr)、バナジウム(V)は鉄基地中に固溶さ
れるが、固溶体は、単なる分散とは異なり強度及び硬度
が高い特徴がある。3〜15%のニッケル(Ni)は焼
結の促進と、酸化被膜の密着性を向上すると共に、鉄基
地に固溶して焼結合金の強度を向上し間接的に耐摩耗性
を改善する。ニッケル(Ni)が3%未満では耐摩耗性
の改善効果が充分でなく、15%を超えるとオーステナ
イトが増大し、加工が困難になると共に、熱膨張率が大
きくなり、エンジン内での熱サイクルによりヘタリを起
こし、脱落しやすくなる。3〜9%のモリブデン(M
o)は自己潤滑性のある酸化被膜を生成して特に低温側
での耐摩耗性を向上させる。モリブデン(Mo)が3%
未満ではその効果が不十分であり、9%を超えると炭化
物の生成が多くなり、加工性が悪くなると共に、耐酸化
性が劣化するので好ましくない。0.5〜5%のバナジ
ウム(V)は高温域での硬さと強度を向上させて特に高
温側での耐摩耗性を向上させる。バナジウム(V)が
0.5%未満ではその効果が不十分であり、5%を超え
ると炭化物の生成が多くなり、加工性が悪くなると共
に、耐酸化性が劣化するので好ましくない。原子径が大
きく拡散しにくい元素であるモリブデン(Mo)及びバ
ナジウム(V)を十分な量で鉄基地中に固溶すると共に
微細な炭化物又は金属間化合物を形成する効果を充分に
発揮させるため、予めモリブデン(Mo)及びバナジウ
ム(V)を合金化した原料粉を使用する必要がある。
0.5〜5%のクロム(Cr)は緻密な酸化被膜を作り
耐酸化性を向上させる。クロム(Cr)が0.5%未満
ではその効果が不十分であり、5%を超えると炭化物の
生成が多くなり、加工性が悪くなるので好ましくない。
また、クロム(Cr)は炭化物を生成しやすく金属クロ
ム(Cr)及び鉄クロム化合物(FeCr)の形で
添加すると、ほとんど拡散せずに炭化物を生成するた
め、クロム(Cr)の効果を充分に発揮させるために
は、予めクロム(Cr)を合金化した原料粉を使用する
必要がある。0.5〜2%の炭素(C)はモリブデン
(Mo)、バナジウム(V)、クロム(Cr)と結合し
て炭化物を生成し、耐摩耗性を向上させる。炭素(C)
の最適添加量は、モリブデン(Mo)、クロム(C
r)、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)の添加量に
より必然的に決まるが、これらの元素の添加量を前記の
ように限定すると、炭素(C)が0.5%未満では十分
な量の炭化物を生成できず、2%を超えると生成される
炭化物の量が多くなり、加工性が低下する。
【0009】鉄基地に比べてマイクロビッカース硬度H
MV500以上の硬さが高い材料であれば、硬質粒子は
どのような材料でも同様に効果があり、耐摩耗性を向上
させる。硬質粒子が3%未満では耐摩耗性向上の効果が
不十分であり、20%を超えると、加工性が悪くなると
共に相手攻撃性が強くなるので好ましくない。この発明
の実施の形態では、硬質粒子は、(1)50〜57%ク
ロム(Cr)、18〜22%モリブデン(Mo)、8〜
12%コバルト(Co)、0.1〜1.4%炭素(C)、
0.8〜1.3%珪素(Si)、残部鉄(Fe)を含む硬
質粒子、(2)27〜33%クロム(Cr)、22〜2
8%タングステン(W)、8〜12%コバルト(C
o)、1.7〜2.3%炭素(C)、1.0〜2.0%珪素
(Si)、残部鉄(Fe)を含む硬質粒子、(3)60
〜70%モリブデン(Mo)、0.01%以下の炭素
(C)、残部鉄(Fe)を含む硬質粒子、(4)窒化チ
タン(TiN)等のセラミック粒子、(5)タングステ
ンカーバイド(WC)等の炭化物、(6)ステライト合
金からなる6種の硬質粒子を単体で又は少なくとも2つ
を混合してなる。弗化物系の固体潤滑材1〜10%を潤
滑材として鉄基地中に均一に分散してもよく、固体潤滑
材はアルカリ金属又はアルカリ土類金属の弗化物であ
る。
【0010】この発明による硬質粒子分散型鉄基焼結合
金の製造方法は、予め合金化されたモリブデン(M
o)、バナジウム(V)、クロム(Cr)を含む鉄粉
に、カルボニルニッケル(Ni)粉、金属モリブデン
(Mo)粉及び黒鉛粉、モリブデン鉄(FeMo)を配
合して原料粉を作る工程と、3〜20重量%の硬質粒子
及び粉末潤滑剤を原料粉に添加して混合粉を作る工程
と、得られた混合粉をプレスにて成形し、加熱して脱蝋
を行った後、焼結し冷却する工程と、その後、焼鈍する
工程とを含む。この発明の実施の形態では、モリブデン
(Mo)、クロム(Cr)、バナジウム(V)を含む鉄
粉は、粒度150〜200メッシュにピークを持ち、カ
ルボニルニッケル(Ni)粉は、325メッシュアンダ
ーに粒度を有し、モリブデン鉄(FeMo)の粒子分布
は150〜200メッシュにピークを持つ。加熱して脱
蝋を行った後、焼結し900℃まで炉冷する工程と、そ
の後、ガス冷却し、更に焼鈍する工程とを含んでもよ
い。
【0011】
【実施例】この発明による硬質粒子分散型鉄基焼結合金
及びその製造方法の実施例を以下説明する。粒度150
〜200メッシュにピークを持つ2%モリブデン(M
o)、2%バナジウム(V)、1%クロム(Cr)を含
む鉄粉に、325メッシュアンダーのカルボニルニッケ
ル粉、モリブデン(Mo)粉、黒鉛粉、固体潤滑材とし
てのフッ化カルシウム(CaF)粉、粒度150〜2
00メッシュにピークを持つフェロモリブデン(FeM
o)粉を配合し、さらに、粉末成型時の型抜けを良くす
る0.5%のステアリン酸亜鉛を加えた混合粉を用意し
た。この混合粉を6.5トン/cmの圧力で成形した
後、連続真空炉を用いて650℃で1時間加熱保持して
ステアリン酸亜鉛を除去した。その後、1150℃まで
加熱し1時間保持した。その後、そのまま炉冷し、11
00℃より窒素ガスを導入して、ファンで強制冷却を行
い空気焼入れした。更に、真空炉で500℃に再加熱
し、1時間保持後、窒素ガスを導入して、ファンで強制
冷却しながら焼戻しを行った。
【0012】このようにして得られた試験片を試験片A
とし、これに加えて同様の方法でバナジウム(V)を添
加しない比較材(試験片C)、固体潤滑材としてのフッ
化カルシウム(CaF)粉を配合しない比較材(試験
片D)を作成した。機械加工により試験片及び比較材を
バルブシートの形状に形成し、評価試験を行った。評価
試験は、LPGエンジンの排気バルブシートとしての使
用を前提に、バルブ材質:CoCr12(JASO)、
カム回転数:3000rpm、バルブ傘温度:650℃
とした。250、300、350℃での各バルブシート
温度で試験を行った。特に、フッ化カルシウム(CaF
)粉による滑りに対する効果を見る試験では、インス
トロン型万能試験機(島津製作所製オートグラフ)によ
る往復摺動試験機を用いて行った。試験片は、外径3
7.2mm、内径21.2mm、長さ8.3mmであっ
た。この発明による試験片はバナジウム(V)を添加し
た材料を使用し、比較材はバナジウム(V)を添加しな
い材料を使用した。発明材の単体叩き摩耗試験評価結果
を示す表1では、バナジウム(V)を含まない同一成分
系の比較材に比べて、発明材では特に高温側で耐摩耗性
が向上することが明白である。
【0013】
【表1】 また、高温強度についても比較を行ったが、高温圧環強
度試験結果を示す表2では、バナジウム(V)を含む発
明材が優れ、耐摩耗性の向上を裏付けている。発明材の
試験片Aは、実施例の原材料として2%モリブデン(M
o)-2%バナジウム(V)-1%クロム(Cr)を使用
した焼結体で、発明材の試験片Bは、同3%モリブデン
(Mo)-1%バナジウム(V)-1%クロム(Cr)を
使用した焼結体である。比較材の試験片Cは同様に、3
%モリブデン(Mo)−1%クロム(Cr)を使用した
焼結体である。高温圧環強度の単位はメガパスカル(MP
a)である。
【0014】
【表2】 耐酸化性の比較でも、耐酸化特性試験を示す表3から明
らかなように、バナジウム(V)を含むこの発明の材料
が優れていることがわかる。耐酸化特性試験では、毎分
300mlの空気流中に試験片を800℃で15時間保
持した。密度の値は寸法測定値から算出した。試験炉は
デンケン製マッフル炉KDF-S-80を使用し、試験片
は、外径36.6mm、内径21.6mm、長さ8.1〜
8.6mmで、切削加工面で形成した。発明材の試験片
Aは、3%モリブデン(Mo)-1%バナジウム(V)-
1%クロム(Cr)、試験片Bは、2%モリブデン(M
o)-2%バナジウム(V)-1%クロム(Cr)であ
る。
【0015】
【表3】 発明材の往復摺動試験結果を示す表4では、固体潤滑材
を含まない同一成分系の比較材に比べ、耐摩耗性が向上
することがわかる。発明材の試験片Aは、3%モリブデ
ン(Mo)-1%バナジウム(V)-1%クロム(C
r)、比較材Dは本発明材Aに対し、CaFを加えず
に作成した焼結体である。プレートはバルブシート材に
相当し、ピン材はバルブ材に相当する。
【0016】
【表4】
【0017】
【発明の効果】前記のように、この発明では、高温高負
荷で使用しても耐摩耗性が高く、耐酸化性にも優れた硬
質粒子分散型鉄基焼結合金を得ることができ、製品の信
頼性を向上することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 洋市 埼玉県熊谷市末広四丁目14番1号 株式会 社リケン熊谷事業所内 Fターム(参考) 4K018 AA30 AA34 AB02 AB03 AB10 AC01 BA04 BA09 BA16 BA20 BB04 BC12 CA11 DA03 DA21 DA29 DA30 DA32 KA10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量基準で、3〜15%ニッケル(N
    i)、3〜9%モリブデン(Mo)、0.5〜5%クロ
    ム(Cr)、0.5〜2%炭素(C)、残部鉄(Fe)
    及び不可避化合物よりなり、3〜20%の硬質粒子が鉄
    基地中に均一に分散された硬質粒子分散型鉄基焼結合金
    において、 0.5〜5%のバナジウム(V)を含み、 ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、クロム(C
    r)、バナジウム(V)は鉄基地中に固溶され、 クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、バナジウム
    (V)は微細な炭化物又は金属間化合物として鉄基地中
    に分散されることを特徴とする硬質粒子分散型鉄基焼結
    合金。
  2. 【請求項2】 硬質粒子は、 (1) 50〜57%クロム(Cr)、18〜22%モ
    リブデン(Mo)、8〜12%コバルト(Co)、0.
    1〜1.4%炭素(C)、0.8〜1.3%珪素(S
    i)、残部鉄(Fe)を含む硬質粒子、 (2) 27〜33%クロム(Cr)、22〜28%タ
    ングステン(W)、8〜12%コバルト(Co)、1.
    7〜2.3%炭素(C)、1.0〜2.0%珪素(S
    i)、残部鉄(Fe)を含む硬質粒子、 (3) 60〜70%モリブデン(Mo)、0.01%以
    下の炭素(C)、残部鉄(Fe)を含む硬質粒子、 (4) 窒化チタン(TiN)等のセラミック粒子、 (5) タングステンカーバイド(WC)等の炭化物、 (6) ステライト合金、 からなる6種の硬質粒子を単体で又は少なくとも2つを
    混合してなる請求項1に記載の硬質粒子分散型鉄基焼結
    合金。
  3. 【請求項3】 弗化物系の固体潤滑材1〜10%が鉄基
    地中に均一に分散される請求項1又は請求項2に記載の
    硬質粒子分散型鉄基焼結合金。
  4. 【請求項4】 固体潤滑材はアルカリ金属又はアルカリ
    土類金属の弗化物である請求項3に記載の硬質粒子分散
    型鉄基焼結合金。
  5. 【請求項5】 予め合金化されたモリブデン(Mo)、
    バナジウム(V)、クロム(Cr)を含む鉄粉に、カル
    ボニルニッケル(Ni)粉、金属モリブデン(Mo)粉
    及び黒鉛粉、モリブデン鉄(FeMo)を配合して原料
    粉を作る工程と、3〜20重量%の硬質粒子及び粉末潤
    滑剤を原料粉に添加して混合粉を作る工程と、 得られた混合粉をプレスにて成形し、加熱して脱蝋を行
    った後、焼結し冷却する工程と、 その後、焼鈍する工程とを含み、 重量基準で、3〜15%ニッケル(Ni)、3〜9%モ
    リブデン(Mo)、0.5〜5%クロム(Cr)、0.5
    〜5%バナジウム(V)、0.5〜2%炭素(C)、残
    部鉄(Fe)及び不可避不純物よりなり、 ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、クロム(C
    r)、バナジウム(V)は鉄基地中に固溶され、モリブ
    デン(Mo)クロム(Cr)及びバナジウム(V)は微
    細な炭化物又は金属間化合物として鉄基地中に分散さ
    れ、硬質粒子は、鉄基地中に均一に分散されることを特
    徴とする硬質粒子分散型鉄基焼結合金の製造方法。
  6. 【請求項6】 硬質粒子は、 (1) 50〜57%クロム(Cr)、18〜22%モ
    リブデン(Mo)、8〜12%コバルト(Co)、0.
    1〜1.4%炭素(C)、0.8〜1.3%ケイ素(S
    i)、残部鉄(Fe)を含む硬質粒子、 (2) 27〜33%クロム(Cr)、22〜28%タ
    ングステン(W)、8〜12%コバルト(Co)、1.
    7〜2.3%炭素(C)、1.0〜2.0%ケイ素(S
    i)、残部鉄(Fe)を含む硬質粒子、 (3) 60〜70%モリブデン(Mo)、0.01%以
    下の炭素(C)、残部鉄(Fe)を含む硬質粒子、 (4) 窒化チタン(TiN)等のセラミック粒子、 (5) タングステンカーバイド(WC)等の炭化物、 (6) ステライト合金、 からなる6種の硬質粒子を単体で又は少なくとも2つを
    混合してなる請求項5に記載の硬質粒子分散型鉄基焼結
    合金の製造方法。
  7. 【請求項7】 硬質粒子とともに弗化物系の固体潤滑材
    1〜10%を原料粉に添加する工程を含む請求項6に記
    載の硬質粒子分散型鉄基焼結合金の製造方法。
  8. 【請求項8】 固体潤滑材はアルカリ金属又はアルカリ
    土類金属の弗化物である請求項7に記載の硬質粒子分散
    型鉄基焼結合金の製造方法。
  9. 【請求項9】 モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、
    バナジウム(V)を含む鉄粉は、粒度150〜200メ
    ッシュにピークを持ち、カルボニルニッケル(Ni)粉
    は、325メッシュアンダーに粒度を有し、モリブデン
    鉄(FeMo)の粒度分布は150〜200メッシュに
    ピークを持つ請求項5に記載の硬質粒子分散型鉄基焼結
    合金の製造方法。
  10. 【請求項10】 加熱して脱蝋を行った後、焼結し90
    0℃まで炉冷する工程と、 その後、ガス冷却し、更に
    焼鈍する工程とを含む請求項5に記載の硬質粒子分散型
    鉄基焼結合金の製造方法。
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