JP2000017369A - 耐摩耗性焼結合金及びその製造方法 - Google Patents
耐摩耗性焼結合金及びその製造方法Info
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- JP2000017369A JP2000017369A JP10190802A JP19080298A JP2000017369A JP 2000017369 A JP2000017369 A JP 2000017369A JP 10190802 A JP10190802 A JP 10190802A JP 19080298 A JP19080298 A JP 19080298A JP 2000017369 A JP2000017369 A JP 2000017369A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐摩耗性焼結合金の摺動特性を改善し、摩耗
量を減少する。 【解決手段】 微細な銅相又は銅合金相と、硬質粒子
と、固体潤滑材とを焼結高速度工具鋼合金の基地中に分
散させた耐摩耗性焼結材料を得る。耐摩耗性焼結合金の
表面温度が上昇しても、硬質粒子、銅相及び固体潤滑材
が分散された高速度工具鋼の母材は軟化又は酸化しな
い。母材の基地中に過飽和の銅又は銅合金を微細な銅相
としてサブミクロン〜数ミクロンの微細粒子として析出
させることにより摺動特性を飛躍的に改善することがで
きる。
量を減少する。 【解決手段】 微細な銅相又は銅合金相と、硬質粒子
と、固体潤滑材とを焼結高速度工具鋼合金の基地中に分
散させた耐摩耗性焼結材料を得る。耐摩耗性焼結合金の
表面温度が上昇しても、硬質粒子、銅相及び固体潤滑材
が分散された高速度工具鋼の母材は軟化又は酸化しな
い。母材の基地中に過飽和の銅又は銅合金を微細な銅相
としてサブミクロン〜数ミクロンの微細粒子として析出
させることにより摺動特性を飛躍的に改善することがで
きる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、LPG等のガス
燃料を用いる内燃機関のバルブシート等の耐摩耗性焼結
合金及びその製造方法に属する。
燃料を用いる内燃機関のバルブシート等の耐摩耗性焼結
合金及びその製造方法に属する。
【0002】
【従来の技術】高速度工具鋼粉末成形体の焼結の際に、
適正な焼結温度が1200℃程度と高いことに加え、焼
結の適正温度範囲が10℃程度と狭く、量産化に適さな
いため、銅(Cu)の介在による焼結材料及び焼結後に
銅溶浸を行うことが提案されている。銅の溶浸によらず
に銅が介在する焼結高速度工具鋼を作り、高速度工具鋼
本来の耐摩耗性と銅による優れた耐焼付性を同時に達成
する焼結高速度工具鋼は、例えば特開平5−26320
0号公報に示されるように公知である。この焼結高速度
工具鋼は、重量基準で炭素(C)0.80〜1.6%、ク
ロム(Cr)3〜6%、タングステン+モリブデン(W
+2Mo)10〜20%、バナジウム(V)1〜5%、
残部鉄(Fe)からなる高速度工具鋼焼結合金からなる
基地に微細な銅(Cu)相が均一に分散され、焼結気孔
がクローズドポア状でありかつ銅(Cu)の含有量が1
〜8%である。この焼結高速度工具鋼では、一次炭化
物、二次炭化物、焼き戻し炭化物を十分に生成させ、焼
入れ及び焼戻しにより焼入れ及び焼戻しマルテンサイト
を十分に形成させ、更に高温焼結を行って焼結を促進
し、焼結材の強度を高めることができる。
適正な焼結温度が1200℃程度と高いことに加え、焼
結の適正温度範囲が10℃程度と狭く、量産化に適さな
いため、銅(Cu)の介在による焼結材料及び焼結後に
銅溶浸を行うことが提案されている。銅の溶浸によらず
に銅が介在する焼結高速度工具鋼を作り、高速度工具鋼
本来の耐摩耗性と銅による優れた耐焼付性を同時に達成
する焼結高速度工具鋼は、例えば特開平5−26320
0号公報に示されるように公知である。この焼結高速度
工具鋼は、重量基準で炭素(C)0.80〜1.6%、ク
ロム(Cr)3〜6%、タングステン+モリブデン(W
+2Mo)10〜20%、バナジウム(V)1〜5%、
残部鉄(Fe)からなる高速度工具鋼焼結合金からなる
基地に微細な銅(Cu)相が均一に分散され、焼結気孔
がクローズドポア状でありかつ銅(Cu)の含有量が1
〜8%である。この焼結高速度工具鋼では、一次炭化
物、二次炭化物、焼き戻し炭化物を十分に生成させ、焼
入れ及び焼戻しにより焼入れ及び焼戻しマルテンサイト
を十分に形成させ、更に高温焼結を行って焼結を促進
し、焼結材の強度を高めることができる。
【0003】また、特公平6−60370号公報は、耐
摩耗性、衝撃緩衝効果が向上しかつ相手アタック性が改
善された内燃機関のバルブシート用鉄基焼結合金を示
す。このバルブシート用鉄基焼結合金は、重量基準でモ
リブデン(Mo)3〜14%、銅(Cu)1〜8%、炭
素(C)0.3〜2.0%、残部鉄(Fe)及び不可避不
純物からなり、モリブデン(Mo)の大部分が鉄基地中
に均一に固溶し、かつ微細な銅(Cu)の相が均一に分
散した金属組織を有する。モリブデン(Mo)を鉄基地
中に均一に分布させて固溶させた材料粉末を使用するこ
とにより、モリブデン(Mo)を均一に分散させモリブ
デン(Mo)の持つ耐摩耗性向上効果を最大限に活用す
ることができる。また、同時に、微細な銅(Cu)の相
を析出させて、叩かれ摩耗時の衝撃緩衝効果と摺動摩耗
時の軟質相の介在効果により耐摩耗性と相手アタック性
を改善することができる。
摩耗性、衝撃緩衝効果が向上しかつ相手アタック性が改
善された内燃機関のバルブシート用鉄基焼結合金を示
す。このバルブシート用鉄基焼結合金は、重量基準でモ
リブデン(Mo)3〜14%、銅(Cu)1〜8%、炭
素(C)0.3〜2.0%、残部鉄(Fe)及び不可避不
純物からなり、モリブデン(Mo)の大部分が鉄基地中
に均一に固溶し、かつ微細な銅(Cu)の相が均一に分
散した金属組織を有する。モリブデン(Mo)を鉄基地
中に均一に分布させて固溶させた材料粉末を使用するこ
とにより、モリブデン(Mo)を均一に分散させモリブ
デン(Mo)の持つ耐摩耗性向上効果を最大限に活用す
ることができる。また、同時に、微細な銅(Cu)の相
を析出させて、叩かれ摩耗時の衝撃緩衝効果と摺動摩耗
時の軟質相の介在効果により耐摩耗性と相手アタック性
を改善することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、液化石油ガ
ス等のガス燃料を用いるLPG内燃機関では、外気と共
に吸気ポートから導入される燃料による潤滑作用がない
ため、ガソリンエンジンと比べてバルブシートの摩耗量
が10倍程度大きいことが知られている。またLPG内
燃機関は、ガソリン等の液体を燃料とするエンジンとは
異なり潤滑材又は緩衝材として作用する炭化水素(Cn
Hm)系の固体燃焼生成物(パティキュレート)が排気
ガス中に生成しないため、バルブシートの摩耗が促進さ
れると考えられる。潤滑上の問題に加え、発熱量が低い
LPG等のガス燃料を使用すると、高温の燃焼炎によっ
てバルブ及びバルブシートの表面層が加熱されて焼結材
の硬度、強度が低下し、一層摩耗が促進される。
ス等のガス燃料を用いるLPG内燃機関では、外気と共
に吸気ポートから導入される燃料による潤滑作用がない
ため、ガソリンエンジンと比べてバルブシートの摩耗量
が10倍程度大きいことが知られている。またLPG内
燃機関は、ガソリン等の液体を燃料とするエンジンとは
異なり潤滑材又は緩衝材として作用する炭化水素(Cn
Hm)系の固体燃焼生成物(パティキュレート)が排気
ガス中に生成しないため、バルブシートの摩耗が促進さ
れると考えられる。潤滑上の問題に加え、発熱量が低い
LPG等のガス燃料を使用すると、高温の燃焼炎によっ
てバルブ及びバルブシートの表面層が加熱されて焼結材
の硬度、強度が低下し、一層摩耗が促進される。
【0005】加熱に伴う摩耗を抑制するため、焼結材の
内部に固体潤滑材として鉛(Pb)を溶浸したり、フッ
化カルシウム(CaF2)、硫化マンガン(MnS)を
分散する材料が提案されている。また、摩耗量を減少す
るために、合金量を増やしたり、硬質粒子を多量に加え
た材料も提案されているが、固体潤滑材はコストが高
く、性能面でもまだまだ不十分である。そこで、この発
明は、摺動特性を飛躍的に改善できる耐摩耗性焼結合金
及びその製造方法を提供することを目的とする。また、
この発明は、摩耗量を減少できる耐摩耗性焼結合金及び
その製造方法を提供することを目的とする。
内部に固体潤滑材として鉛(Pb)を溶浸したり、フッ
化カルシウム(CaF2)、硫化マンガン(MnS)を
分散する材料が提案されている。また、摩耗量を減少す
るために、合金量を増やしたり、硬質粒子を多量に加え
た材料も提案されているが、固体潤滑材はコストが高
く、性能面でもまだまだ不十分である。そこで、この発
明は、摺動特性を飛躍的に改善できる耐摩耗性焼結合金
及びその製造方法を提供することを目的とする。また、
この発明は、摩耗量を減少できる耐摩耗性焼結合金及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明による耐摩耗性
焼結材料は、銅又は銅合金相と、硬質粒子と、微細な固
体潤滑材とが焼結高速度工具鋼合金の基地中に分散して
いる。耐摩耗性焼結合金の表面温度が上昇しても、硬質
粒子、銅相及び固体潤滑材が分散された高速度工具鋼の
母材は軟化又は酸化しない。母材の基地中に過飽和の銅
又は銅合金を微細な銅相としてサブミクロン〜数ミクロ
ンの微細粒子として析出させることにより摺動特性を飛
躍的に改善することができる。銅又は銅合金は優先的に
相手バルブの摺動面に移着し、保護被膜として作用す
る。硬質粒子は高温時の硬さを維持すると共に、塑性変
形を防止する。固体潤滑材は高温でも分解や母材との反
応を起こさずに、加熱に伴う摩耗を抑制する。この発明
では、銅相又は銅合金相と、硬質粒子と、固体潤滑材と
が焼結高速度工具鋼合金の基地中に分散することにより
耐摩耗性焼結合金の摩耗量を減少できる。ガスエンジン
ではバルブとバルブシートとの摺動面に潤滑物質が介在
しないので、固体潤滑材の分散は必須である。更に、バ
ルブとバルブシートの表面温度が上昇しても、材料が軟
化・酸化しない母材を選定する必要がある。このため、
この発明では、硬質粒子、銅相及び固体潤滑材を母材の
高速度工具鋼中に分散させることが重要である。
焼結材料は、銅又は銅合金相と、硬質粒子と、微細な固
体潤滑材とが焼結高速度工具鋼合金の基地中に分散して
いる。耐摩耗性焼結合金の表面温度が上昇しても、硬質
粒子、銅相及び固体潤滑材が分散された高速度工具鋼の
母材は軟化又は酸化しない。母材の基地中に過飽和の銅
又は銅合金を微細な銅相としてサブミクロン〜数ミクロ
ンの微細粒子として析出させることにより摺動特性を飛
躍的に改善することができる。銅又は銅合金は優先的に
相手バルブの摺動面に移着し、保護被膜として作用す
る。硬質粒子は高温時の硬さを維持すると共に、塑性変
形を防止する。固体潤滑材は高温でも分解や母材との反
応を起こさずに、加熱に伴う摩耗を抑制する。この発明
では、銅相又は銅合金相と、硬質粒子と、固体潤滑材と
が焼結高速度工具鋼合金の基地中に分散することにより
耐摩耗性焼結合金の摩耗量を減少できる。ガスエンジン
ではバルブとバルブシートとの摺動面に潤滑物質が介在
しないので、固体潤滑材の分散は必須である。更に、バ
ルブとバルブシートの表面温度が上昇しても、材料が軟
化・酸化しない母材を選定する必要がある。このため、
この発明では、硬質粒子、銅相及び固体潤滑材を母材の
高速度工具鋼中に分散させることが重要である。
【0007】この発明の実施の形態では、銅は1〜8重
量%、硬質粒子は、5〜20重量%、固体潤滑材は1〜
15重量%である。銅又は銅合金相の平均粒度は50μ
m以下である。硬質粒子は、HMV500以上の硬度を
持つフェロモリブデン(Fe−63%Mo)等の金属間
化合物、ステライト、コルモノイ、トリバロイ等のハー
ドフェーシング用の高合金粉末材料又は窒化チタン(T
iN)等のセラミックである。固体潤滑材はアルカリ金
属又はアルカリ土類金属のフッ化物で、フッ化カルシウ
ム(CaF2)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化
ナトリウム(NaF)、フッ化リチウム(LiF)から
選択される。
量%、硬質粒子は、5〜20重量%、固体潤滑材は1〜
15重量%である。銅又は銅合金相の平均粒度は50μ
m以下である。硬質粒子は、HMV500以上の硬度を
持つフェロモリブデン(Fe−63%Mo)等の金属間
化合物、ステライト、コルモノイ、トリバロイ等のハー
ドフェーシング用の高合金粉末材料又は窒化チタン(T
iN)等のセラミックである。固体潤滑材はアルカリ金
属又はアルカリ土類金属のフッ化物で、フッ化カルシウ
ム(CaF2)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化
ナトリウム(NaF)、フッ化リチウム(LiF)から
選択される。
【0008】この発明による耐摩耗性焼結材料の製造方
法は、高速度工具鋼粉末に銅粉と、硬質粒子と、固体潤
滑材とを混合し、成形して成形体を形成する工程と、成
形体を銅の液相発生温度以上の温度で焼結する工程と、
焼結体をガス冷却程度以上の冷却速度で急冷する工程
と、更に、焼結体を焼き戻した後冷却する工程とを含
む。銅の液相発生温度以上の温度で焼結することによ
り、銅の液相を介在させ焼結を促進すると共に、銅(C
u)を母材基地中に固溶させる。後の熱処理により銅
(Cu)を微細に析出させる必要上から、冷却時の銅
(Cu)の粗大化を防ぐため、焼結後は、ガス冷却程度
以上の冷却速度で焼結体を急冷する必要がある。例え
ば、焼結温度は温度1250℃で、焼き戻し温度は40
0〜700℃である。焼き戻しを行うことにより、母材
の基地中に過飽和の銅を微細な銅相として析出させて摺
動特性が改善される。高速度工具鋼粉末は150〜20
0メッシュの粒度にピークを持ち、硬質粒子は600℃
でビッカース硬度Hv300以上の硬度を持つ。
法は、高速度工具鋼粉末に銅粉と、硬質粒子と、固体潤
滑材とを混合し、成形して成形体を形成する工程と、成
形体を銅の液相発生温度以上の温度で焼結する工程と、
焼結体をガス冷却程度以上の冷却速度で急冷する工程
と、更に、焼結体を焼き戻した後冷却する工程とを含
む。銅の液相発生温度以上の温度で焼結することによ
り、銅の液相を介在させ焼結を促進すると共に、銅(C
u)を母材基地中に固溶させる。後の熱処理により銅
(Cu)を微細に析出させる必要上から、冷却時の銅
(Cu)の粗大化を防ぐため、焼結後は、ガス冷却程度
以上の冷却速度で焼結体を急冷する必要がある。例え
ば、焼結温度は温度1250℃で、焼き戻し温度は40
0〜700℃である。焼き戻しを行うことにより、母材
の基地中に過飽和の銅を微細な銅相として析出させて摺
動特性が改善される。高速度工具鋼粉末は150〜20
0メッシュの粒度にピークを持ち、硬質粒子は600℃
でビッカース硬度Hv300以上の硬度を持つ。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、内燃機関のバルブシートに
適用したこの発明による耐摩耗性焼結合金及びその製造
方法の実施の形態について説明する。この発明による耐
摩耗性焼結材料は、微細な銅相又は銅合金相と、硬質粒
子と、固体潤滑材とが焼結高速度工具鋼合金の基地中に
分散している。この発明による耐摩耗性焼結合金で製造
したバルブシートの表面温度が上昇しても、硬質粒子、
銅相及び固体潤滑材が分散された高速度工具鋼の母材は
軟化・酸化しない。母材はJIS G 4403に規定
される高速度工具鋼であれば同様の効果が得られるが、
熱負荷の低い条件で使用する内燃機関のバルブシート
は、酸化により自己潤滑性を増し、特に低温域での摩耗
改善に効果があるモリブデン(Mo)を含有する高速度
工具鋼材料が好ましい。バルブシートとして使用する焼
結高速度工具鋼はそれ自体耐摩耗性が高いが、焼結時に
厳密に温度を制御する必要があり、金属組織中に微細な
炭化物が分散するため相手攻撃性が高い問題がある。こ
れらの問題を解決するため、銅(Cu)を添加するとよ
い。銅(Cu)は融点が1083℃と比較的低く、鉄系
焼結材料の焼結温度と同等かやや低いため、銅(Cu)
を配合した鉄系粉末成形体を1083℃以上の温度で焼
結すると、粉体中に銅(Cu)の液相が生成し、焼結が
促進される。更に、銅(Cu)を含む鉄系焼結材料に特
定の熱処理を行うと、サブミクロン〜数ミクロンの微細
粒子として銅又は銅合金を析出させて、摺動特性を飛躍
的に向上することができる。即ち、銅(Cu)は摺動部
で優先的に相手バルブの摺動面に移着し、保護被膜とし
て作用する。母材の基地中に過飽和の銅又は銅合金を微
細な銅相としてサブミクロン〜数ミクロンの微細粒子と
して析出させることにより摺動特性を飛躍的に改善する
ことができる。銅又は銅合金が優先的に相手バルブの摺
動面に移着し、保護被膜として作用する。硬質粒子は高
温時の硬さを維持すると共に、塑性変形を防止する。固
体潤滑材は高温でも分解や母材との反応を起こさずに、
加熱に伴う摩耗を抑制する。この発明では、銅相又は銅
合金相と、硬質粒子と、固体潤滑材とが焼結高速度工具
鋼合金の基地中に分散することにより耐摩耗性焼結合金
の摩耗量を減少できる。ガスエンジンではバルブとバル
ブシートとの摺動面に潤滑物質が介在しないので、固体
潤滑材の分散は必須である。
適用したこの発明による耐摩耗性焼結合金及びその製造
方法の実施の形態について説明する。この発明による耐
摩耗性焼結材料は、微細な銅相又は銅合金相と、硬質粒
子と、固体潤滑材とが焼結高速度工具鋼合金の基地中に
分散している。この発明による耐摩耗性焼結合金で製造
したバルブシートの表面温度が上昇しても、硬質粒子、
銅相及び固体潤滑材が分散された高速度工具鋼の母材は
軟化・酸化しない。母材はJIS G 4403に規定
される高速度工具鋼であれば同様の効果が得られるが、
熱負荷の低い条件で使用する内燃機関のバルブシート
は、酸化により自己潤滑性を増し、特に低温域での摩耗
改善に効果があるモリブデン(Mo)を含有する高速度
工具鋼材料が好ましい。バルブシートとして使用する焼
結高速度工具鋼はそれ自体耐摩耗性が高いが、焼結時に
厳密に温度を制御する必要があり、金属組織中に微細な
炭化物が分散するため相手攻撃性が高い問題がある。こ
れらの問題を解決するため、銅(Cu)を添加するとよ
い。銅(Cu)は融点が1083℃と比較的低く、鉄系
焼結材料の焼結温度と同等かやや低いため、銅(Cu)
を配合した鉄系粉末成形体を1083℃以上の温度で焼
結すると、粉体中に銅(Cu)の液相が生成し、焼結が
促進される。更に、銅(Cu)を含む鉄系焼結材料に特
定の熱処理を行うと、サブミクロン〜数ミクロンの微細
粒子として銅又は銅合金を析出させて、摺動特性を飛躍
的に向上することができる。即ち、銅(Cu)は摺動部
で優先的に相手バルブの摺動面に移着し、保護被膜とし
て作用する。母材の基地中に過飽和の銅又は銅合金を微
細な銅相としてサブミクロン〜数ミクロンの微細粒子と
して析出させることにより摺動特性を飛躍的に改善する
ことができる。銅又は銅合金が優先的に相手バルブの摺
動面に移着し、保護被膜として作用する。硬質粒子は高
温時の硬さを維持すると共に、塑性変形を防止する。固
体潤滑材は高温でも分解や母材との反応を起こさずに、
加熱に伴う摩耗を抑制する。この発明では、銅相又は銅
合金相と、硬質粒子と、固体潤滑材とが焼結高速度工具
鋼合金の基地中に分散することにより耐摩耗性焼結合金
の摩耗量を減少できる。ガスエンジンではバルブとバル
ブシートとの摺動面に潤滑物質が介在しないので、固体
潤滑材の分散は必須である。
【0010】この発明の実施の形態では、銅は1〜8重
量%、硬質粒子は、5〜20重量%、固体潤滑材は1〜
15重量%である。銅(Cu)の配合量は1%以下では
効果が無く、8%を超えると母材の高速度工具鋼中への
銅(Cu)の固溶限を越えるため、過剰な液相の銅(C
u)がネット状に分布して、高速度工具鋼粒子間の焼結
が阻害されるので好ましくない。したがって銅(Cu)
の添加量は、1〜8%とする必要がある。また、銅(C
u)粉は純銅である必要はなく、銅亜鉛(Cu−Z
n)、銅錫(Cu−Sn)等の合金でも良い。銅(C
u)を一旦基地中に固溶させるため、銅(Cu)粉の粒
度が大きいと、銅(Cu)を固溶させた際に、銅(C
u)粉のあった部分が空孔として残るため、銅(Cu)
粉又は銅合金粉の平均粒度は50μm以下が特に好まし
い。
量%、硬質粒子は、5〜20重量%、固体潤滑材は1〜
15重量%である。銅(Cu)の配合量は1%以下では
効果が無く、8%を超えると母材の高速度工具鋼中への
銅(Cu)の固溶限を越えるため、過剰な液相の銅(C
u)がネット状に分布して、高速度工具鋼粒子間の焼結
が阻害されるので好ましくない。したがって銅(Cu)
の添加量は、1〜8%とする必要がある。また、銅(C
u)粉は純銅である必要はなく、銅亜鉛(Cu−Z
n)、銅錫(Cu−Sn)等の合金でも良い。銅(C
u)を一旦基地中に固溶させるため、銅(Cu)粉の粒
度が大きいと、銅(Cu)を固溶させた際に、銅(C
u)粉のあった部分が空孔として残るため、銅(Cu)
粉又は銅合金粉の平均粒度は50μm以下が特に好まし
い。
【0011】瞬間的に千数百度の燃焼炎に暴露される
と、高速度工具鋼も軟化を起こすので、高温時の塑性変
形を防止するため配合される硬質粒子は、具体的には、
600℃でHv300以上の硬度を高温硬さを維持する
種類でよく、強度の高い高速度工具鋼の母材中に分散さ
れるため、焼結時の硬質粒子からの元素拡散による基地
強化を考慮する必要はない。硬質粒子は、例えば、硬質
粒子は、HMV(室温でのマイクロビッカース硬度)5
00以上の硬度を持つフェロモリブデン(Fe−63%
Mo)等の金属間化合物、ステライト、コルモノイ(N
i−Cr−B−Si系)、トリバロイ等のハードフェー
シング(hardfacing)用の高合金粉末材料又は窒化チタ
ン(TiN)等のセラミック等がある。母材又は基地と
の結合強度が高い硬質粒子は、摩耗時に脱落して摩耗を
促進させる懸念が少ないので、耐摩耗性材質の表面層を
形成するハードフェーシング用の自溶性材料を硬質粒子
として使用することが好ましい。これらの硬質粒子は、
いずれも高温時の塑性変形を防止できるため、単独又は
複合で用いることができる。ステライトは、クロム(C
r)18〜32%、タングステン(W)3%以上、炭素
(C)3%以下、鉄(Fe)3%以下からなるコバルト
合金で必要に応じてニッケル(Ni)を8〜12%含有
してもよい。
と、高速度工具鋼も軟化を起こすので、高温時の塑性変
形を防止するため配合される硬質粒子は、具体的には、
600℃でHv300以上の硬度を高温硬さを維持する
種類でよく、強度の高い高速度工具鋼の母材中に分散さ
れるため、焼結時の硬質粒子からの元素拡散による基地
強化を考慮する必要はない。硬質粒子は、例えば、硬質
粒子は、HMV(室温でのマイクロビッカース硬度)5
00以上の硬度を持つフェロモリブデン(Fe−63%
Mo)等の金属間化合物、ステライト、コルモノイ(N
i−Cr−B−Si系)、トリバロイ等のハードフェー
シング(hardfacing)用の高合金粉末材料又は窒化チタ
ン(TiN)等のセラミック等がある。母材又は基地と
の結合強度が高い硬質粒子は、摩耗時に脱落して摩耗を
促進させる懸念が少ないので、耐摩耗性材質の表面層を
形成するハードフェーシング用の自溶性材料を硬質粒子
として使用することが好ましい。これらの硬質粒子は、
いずれも高温時の塑性変形を防止できるため、単独又は
複合で用いることができる。ステライトは、クロム(C
r)18〜32%、タングステン(W)3%以上、炭素
(C)3%以下、鉄(Fe)3%以下からなるコバルト
合金で必要に応じてニッケル(Ni)を8〜12%含有
してもよい。
【0012】硬質粒子の添加量は5%未満ではその効果
が少なく、20%を越えると焼結体が脆くなると共に加
工がし難くなり、また相手攻撃性も増すため好ましくな
い。したがって、硬質粒子は金属間化合物、高合金材料
(高硬度材料)、セラミックのいずれか1種類以上を5
〜20%分散させる。
が少なく、20%を越えると焼結体が脆くなると共に加
工がし難くなり、また相手攻撃性も増すため好ましくな
い。したがって、硬質粒子は金属間化合物、高合金材料
(高硬度材料)、セラミックのいずれか1種類以上を5
〜20%分散させる。
【0013】成形体を千数百度で焼結するため、高温で
も分解や母材との反応を起こさずかつ内燃機関の使用中
に経時劣化をしない固体潤滑材を使用することが必要で
ある。この条件に適合する固体潤滑材は、アルカリ金属
又はアルカリ土類金属のフッ化物で、例えばフッ化カル
シウム(CaF2)、フッ化バリウム(BaF2)、フ
ッ化ナトリウム(NaF)、フッ化リチウム(LiF)
から選択される。固体潤滑材の量は1%未満ではその効
果が少なく、15%を越えると焼結体の強度低下が著し
くなるため好ましくない。したがって固体潤滑材の添加
量は、1〜15%とする必要がある。
も分解や母材との反応を起こさずかつ内燃機関の使用中
に経時劣化をしない固体潤滑材を使用することが必要で
ある。この条件に適合する固体潤滑材は、アルカリ金属
又はアルカリ土類金属のフッ化物で、例えばフッ化カル
シウム(CaF2)、フッ化バリウム(BaF2)、フ
ッ化ナトリウム(NaF)、フッ化リチウム(LiF)
から選択される。固体潤滑材の量は1%未満ではその効
果が少なく、15%を越えると焼結体の強度低下が著し
くなるため好ましくない。したがって固体潤滑材の添加
量は、1〜15%とする必要がある。
【0014】この発明による耐摩耗性焼結材料を製造す
る際に、まず高速度工具鋼粉末に銅粉と、硬質粒子と、
固体潤滑材とを混合し、成形して成形体を形成する。高
速度工具鋼粉末は150〜200メッシュの粒度にピー
クを持ち、硬質粒子は600℃でHv300以上の硬度
を持つ。次に、成形体を銅の液相発生温度以上の温度1
250℃で焼結し、銅(Cu)の液相を介在させ焼結を
促進すると共に、銅(Cu)を母材基地中に固溶させ
る。その後、冷却時の銅(Cu)の粗大化を防ぎながら
銅(Cu)を微細に析出させるため、焼結体をガス冷却
程度以上の冷却速度で急冷する。続いて、母材への過飽
和の銅(Cu)を微細な銅(Cu)相として析出させる
ため400〜700℃で焼結体の焼き戻しを行った後冷
却するので、微細な銅(Cu)相を基地中に析出させて
摺動特性が改善される。
る際に、まず高速度工具鋼粉末に銅粉と、硬質粒子と、
固体潤滑材とを混合し、成形して成形体を形成する。高
速度工具鋼粉末は150〜200メッシュの粒度にピー
クを持ち、硬質粒子は600℃でHv300以上の硬度
を持つ。次に、成形体を銅の液相発生温度以上の温度1
250℃で焼結し、銅(Cu)の液相を介在させ焼結を
促進すると共に、銅(Cu)を母材基地中に固溶させ
る。その後、冷却時の銅(Cu)の粗大化を防ぎながら
銅(Cu)を微細に析出させるため、焼結体をガス冷却
程度以上の冷却速度で急冷する。続いて、母材への過飽
和の銅(Cu)を微細な銅(Cu)相として析出させる
ため400〜700℃で焼結体の焼き戻しを行った後冷
却するので、微細な銅(Cu)相を基地中に析出させて
摺動特性が改善される。
【0015】
【実施例】150〜200メッシュの粒度にピークを持
つJISG4403に規定される高速度工具鋼SKH9
相当の粉末、ステライト粉末、200メッシュアンダー
の銅粉、350メッシュアンダーのフッ化カルシウム
(CaF2)をそれぞれ82:10:3:5の比率で計
量して混合物を作成した。粉末成形の際に金型からの離
型性を良くする潤滑材としてステアリン酸亜鉛0.5%
を混合物に加えて混合した混合粉をプレスにて成形圧力
6.5t/cm2で成形体に成形した。
つJISG4403に規定される高速度工具鋼SKH9
相当の粉末、ステライト粉末、200メッシュアンダー
の銅粉、350メッシュアンダーのフッ化カルシウム
(CaF2)をそれぞれ82:10:3:5の比率で計
量して混合物を作成した。粉末成形の際に金型からの離
型性を良くする潤滑材としてステアリン酸亜鉛0.5%
を混合物に加えて混合した混合粉をプレスにて成形圧力
6.5t/cm2で成形体に成形した。
【0016】真空雰囲気下650℃で1時間成形体を脱
蝋した後、1200℃の温度に60分保持して焼結を行
った。焼結後は1100℃まで炉冷し、直ちにファンに
より窒素ガスを供給して強制冷却した。更に微細な銅
(Cu)を析出させるため、550℃で1時間の焼き戻
し処理を行った。
蝋した後、1200℃の温度に60分保持して焼結を行
った。焼結後は1100℃まで炉冷し、直ちにファンに
より窒素ガスを供給して強制冷却した。更に微細な銅
(Cu)を析出させるため、550℃で1時間の焼き戻
し処理を行った。
【0017】得られた素材を所定寸法に加工後、実体摩
耗試験機により評価を実施した。試験条件は、バルブシ
ート材料:表1に示す、バルブ材料:JISG4311
耐熱鋼SUH35+ステライト♯12盛り金、試験温
度:400℃(当たり面)、カム回転数:3000rp
m、試験時間:約5時間(叩き回数106回相当)、ヘ
ッド:AC6相当、ヘッド冷却方式:水冷(入口温度2
5℃)である。表1は、発明材は、従来のガスエンジン
用の材料、高速度工具鋼材料に較べて摩耗量が少なく、
優れていることを示す。表1では、高速度工具鋼粉「鋼
粉」はJISG4403に規定されるSKH9に相当す
る粉末成分で、炭素(C):0.85%、クロム(C
r):4.0%、モリブデン(Mo):5.0%、タング
ステン(W):2.0%、バナジウム(V):6.0%、
残部(Fe)である。比較材1の従来材料は、従来のガ
スエンジン用材料を使用し、母材成分中に硬質粒子(H
S)としてフェロモリブデン(Fe−63%Mo)を添
加し、母材成分は、炭素(C):0.8%、珪素(S
i):0.9%、モリブデン(Mo):5.1%、クロム
(Cr):0.9%、ニッケル(Ni):6.5%、残部
鉄(Fe)である。比較材3及び比較材4はそれぞれS
KH9相当材に銅(Cu)及びステライト♯6粉末の硬
質粒子(HS)を添加したもので、比較材4はSKH9
相当材にフッ化カルシウム(CaF2)を添加したもの
である。発明材は、SKH9相当材にステライト♯6粉
末の硬質粒子(HS)、銅(Cu)及びフッ化カルシウ
ム(CaF2)を添加したものである。 表1 供試材の化学成分と基礎物性 配合比% 密度 硬さ 摩耗量μm 鋼粉 銅 HS CaF2 g/cm3 HRC V/S V 合計 比較材1 従来材料 − 10 5 6.75 35.8 36 6 42 比較材2 100 − − − 7.24 27.3 32 18 50 比較材3 95 5 − − 7.41 28.8 30 12 42 比較材4 90 − 10 − 7.12 33.5 26 31 57 比較材5 95 − − 5 6.97 24.8 23 12 35 発明材 80 5 10 5 6.83 32.8 17 8 25
耗試験機により評価を実施した。試験条件は、バルブシ
ート材料:表1に示す、バルブ材料:JISG4311
耐熱鋼SUH35+ステライト♯12盛り金、試験温
度:400℃(当たり面)、カム回転数:3000rp
m、試験時間:約5時間(叩き回数106回相当)、ヘ
ッド:AC6相当、ヘッド冷却方式:水冷(入口温度2
5℃)である。表1は、発明材は、従来のガスエンジン
用の材料、高速度工具鋼材料に較べて摩耗量が少なく、
優れていることを示す。表1では、高速度工具鋼粉「鋼
粉」はJISG4403に規定されるSKH9に相当す
る粉末成分で、炭素(C):0.85%、クロム(C
r):4.0%、モリブデン(Mo):5.0%、タング
ステン(W):2.0%、バナジウム(V):6.0%、
残部(Fe)である。比較材1の従来材料は、従来のガ
スエンジン用材料を使用し、母材成分中に硬質粒子(H
S)としてフェロモリブデン(Fe−63%Mo)を添
加し、母材成分は、炭素(C):0.8%、珪素(S
i):0.9%、モリブデン(Mo):5.1%、クロム
(Cr):0.9%、ニッケル(Ni):6.5%、残部
鉄(Fe)である。比較材3及び比較材4はそれぞれS
KH9相当材に銅(Cu)及びステライト♯6粉末の硬
質粒子(HS)を添加したもので、比較材4はSKH9
相当材にフッ化カルシウム(CaF2)を添加したもの
である。発明材は、SKH9相当材にステライト♯6粉
末の硬質粒子(HS)、銅(Cu)及びフッ化カルシウ
ム(CaF2)を添加したものである。 表1 供試材の化学成分と基礎物性 配合比% 密度 硬さ 摩耗量μm 鋼粉 銅 HS CaF2 g/cm3 HRC V/S V 合計 比較材1 従来材料 − 10 5 6.75 35.8 36 6 42 比較材2 100 − − − 7.24 27.3 32 18 50 比較材3 95 5 − − 7.41 28.8 30 12 42 比較材4 90 − 10 − 7.12 33.5 26 31 57 比較材5 95 − − 5 6.97 24.8 23 12 35 発明材 80 5 10 5 6.83 32.8 17 8 25
【0018】
【発明の効果】前記のように、この発明では、耐摩耗性
焼結合金の摺動特性を飛躍的に改善できると共に、摩耗
量を減少できるため、バルブシート等の耐久性を向上す
ることができる。
焼結合金の摺動特性を飛躍的に改善できると共に、摩耗
量を減少できるため、バルブシート等の耐久性を向上す
ることができる。
Claims (12)
- 【請求項1】 銅又は銅合金相と、硬質粒子と、微細な
固体潤滑材とが焼結高速度工具鋼合金の基地中に分散し
ていることを特徴とする耐摩耗性焼結材料。 - 【請求項2】 銅は1〜8重量%である請求項1に記載
の耐摩耗性焼結材料。 - 【請求項3】 銅又は銅合金相の平均粒度は50μm以
下である請求項1又は2に記載の耐摩耗性焼結材料。 - 【請求項4】 硬質粒子は、HMV500以上の硬度を
持つフェロモリブデン(Fe−63%Mo)等の金属間
化合物、ステライト、コルモノイ、トリバロイ等のハー
ドフェーシング用の高合金粉末材料又は窒化チタン(T
iN)等のセラミックである請求項1記載の耐摩耗性焼
結材料。 - 【請求項5】 硬質粒子は、5〜20重量%である請求
項1又は4に記載の耐摩耗性焼結材料。 - 【請求項6】 固体潤滑材はアルカリ金属又はアルカリ
土類金属のフッ化物である請求項1に記載の耐摩耗性焼
結材料。 - 【請求項7】 固体潤滑材は1〜15重量%である請求
項1又は6に記載の耐摩耗性焼結材料。 - 【請求項8】 フッ化物は、フッ化カルシウム(CaF
2)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化ナトリウム
(NaF)、フッ化リチウム(LiF)から選択される
請求項6に記載の耐摩耗性焼結材料。 - 【請求項9】 高速度工具鋼粉末に銅粉と、硬質粒子
と、固体潤滑材とを混合し、成形して成形体を形成する
工程と、 成形体を銅の液相発生温度以上の温度で焼結する工程
と、 焼結体をガス冷却程度以上の冷却速度で急冷する工程
と、 更に、焼結体を焼き戻した後冷却する工程とを含むこと
を特徴とする耐摩耗性焼結材料の製造方法。 - 【請求項10】 液相発生温度は温度1250℃である
請求項9に記載の耐摩耗性焼結材料の製造方法。 - 【請求項11】 焼き戻し温度は400〜700℃であ
る請求項9に記載の耐摩耗性焼結材料の製造方法。 - 【請求項12】 高速度工具鋼粉末は150〜200メ
ッシュの粒度にピークを持ち、硬質粒子は600℃でH
v300以上の硬度を持つ請求項9〜11のいずれか1
項に記載の耐摩耗性焼結材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10190802A JP2000017369A (ja) | 1998-07-06 | 1998-07-06 | 耐摩耗性焼結合金及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10190802A JP2000017369A (ja) | 1998-07-06 | 1998-07-06 | 耐摩耗性焼結合金及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000017369A true JP2000017369A (ja) | 2000-01-18 |
Family
ID=16263995
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10190802A Pending JP2000017369A (ja) | 1998-07-06 | 1998-07-06 | 耐摩耗性焼結合金及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000017369A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6958084B2 (en) | 2001-07-03 | 2005-10-25 | Federal-Mogul Sintered Products Limited | Sintered cobalt-based alloys |
JPWO2022190574A1 (ja) * | 2021-03-12 | 2022-09-15 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03134139A (ja) * | 1989-10-18 | 1991-06-07 | Riken Corp | バルブシート用鉄基焼結合金 |
JPH03225008A (ja) * | 1990-01-31 | 1991-10-04 | Mitsubishi Materials Corp | 耐摩耗性に優れたFe基焼結合金製バルブシート |
JPH0559500A (ja) * | 1991-02-27 | 1993-03-09 | Honda Motor Co Ltd | 二次硬化型高温耐摩耗性焼結合金 |
JPH05263200A (ja) * | 1992-03-17 | 1993-10-12 | Riken Corp | 耐焼付性がすぐれた焼結高速度鋼及びその製造方法 |
JPH0633201A (ja) * | 1992-07-21 | 1994-02-08 | Toyota Motor Corp | バルブシート用鉄系焼結合金 |
-
1998
- 1998-07-06 JP JP10190802A patent/JP2000017369A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Cited By (4)
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JPWO2022190574A1 (ja) * | 2021-03-12 | 2022-09-15 | ||
WO2022190574A1 (ja) * | 2021-03-12 | 2022-09-15 | 住友電工焼結合金株式会社 | 高速度鋼焼結体、及び高速度鋼焼結体の製造方法 |
JP7330448B2 (ja) | 2021-03-12 | 2023-08-22 | 住友電工焼結合金株式会社 | 高速度鋼焼結体、及び高速度鋼焼結体の製造方法 |
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A977 | Report on retrieval |
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