JPH05311163A - 有機薄膜el素子 - Google Patents

有機薄膜el素子

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JPH05311163A
JPH05311163A JP4114692A JP11469292A JPH05311163A JP H05311163 A JPH05311163 A JP H05311163A JP 4114692 A JP4114692 A JP 4114692A JP 11469292 A JP11469292 A JP 11469292A JP H05311163 A JPH05311163 A JP H05311163A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】一般式(1)で示されるポリアミドを有機正孔
注入輸送層に含む有機薄膜EL素子。 (式中Rはジカルボン酸成分由来の2価の基、Aはア
リール基、Aは芳香族ジアミン成分由来の2価の基、
nは重合度を表す整数) 【効果】耐熱性が高く、かつ塗布法による多層膜形成も
可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機薄膜のエレクトロ
ルミネセンス(以下単にELという)現象を利用した有
機薄膜EL素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イーストマン・コダック社のC.W.T
angらに開発された有機薄膜EL素子は、特開昭59
−194393号公報、特開昭63−264692号公
報、特開昭63−295695号公報、アプライド・フ
ィジックス・レター第51巻第12号第913頁(19
87年)、およびジャーナル・オブ・アプライドフィジ
ックス第65巻第9号第3610頁(1989年)等に
よれば、一般的には陽極、有機正孔注入輸送層、電子輸
送発光層、陰極の順に構成され、以下のように作られて
いる。
【0003】図1に示すように、まず、ガラスや樹脂フ
ィルム等の透明絶縁性の基板(1)上に、蒸着又はスパ
ッタリング法等でインジウムとスズの複合酸化物(以下
ITOという)の透明導電性被膜の陽極(2)が形成さ
れる。次に有機正孔注入輸送層(3)として銅フタロシ
アニン、あるいは(化3)で示される化合物:
【0004】
【化3】
【0005】1,1−ビス(4−ジーpートリルアミノ
フェニル)シクロヘキサン(融点181.4℃〜18
2.4℃)、あるいは(化4)で示される化合物:
【0006】
【化4】
【0007】N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル
−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(融点1
20℃)等のテトラアリールジアミンを、0.1μm程
度以下の厚さに単層または積層して蒸着して形成する。
【0008】次に有機正孔注入輸送層(3)上にトリス
(8−キノリノール)アルミニウム等の有機蛍光体を
0.1μm程度以下の厚さで蒸着し、有機電子輸送発光
層(4)を形成する。最後に、その上に陰極(5)とし
てMg:Ag,Ag:Eu,Mg:Cu,Mg:In,
Mg:Sn等の合金を共蒸着法により2000Å程度蒸
着している。
【0009】また、安達らは有機電子輸送発光層を、2
種類の材料を積層することにより有機発光層(6)と有
機電子注入輸送層(7)とに分け、図3に示した素子を
作製した。アプライド・フィズィックス・レター第57
巻第6号第531頁(1990年)によると、その素子
は、ITOの陽極上に有機正孔注入輸送層(3)として
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフ
ェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン
(融点159〜163℃;以下TPDと略す)有機発光
層(6)として1−〔4−N,N−ビス(p−メトキシ
フェニル)アミノスチリル〕ナフタレン、有機電子注入
輸送層(7)として2−(4−ビフェニリル)−5−
(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジア
ゾール(以下、単にBPBDという)、陰極(5)とし
てMgとAgの合金を順に積層している。
【0010】しかし、上記で示した有機正孔注入輸送材
料は、銅フタロシアニンは耐熱性ではあるが可視光線波
長領域の吸収が大きく、また結晶性であるために蒸着膜
が凸凹になり、素子がショートし易くなる問題があっ
た。(化3)(化4)で示した化合物は、非晶質で平滑
な蒸着膜が得られ、可視光線波長領域での吸収もない
が、融点が低く、素子作製プロセスや素子駆動時の発熱
により、融解し発光層と混合してしまう問題があった。
例えばTPDは、500Å程度の薄膜にし(8−キノリ
ノール)アルミニウムと積層した場合には、ガラス転移
温度が約52℃と低いため95℃程度の温度で混合して
しまう問題があった。
【0011】また、川上らは、GaAs基板上にエピタ
キシャル成長指せたn型ZnSe膜を発光層とし、その
上にTPD等を有機正孔注入輸送層とし、陽極として金
を蒸着して青色発光素子を得る試みを行っている(日本
化学会第63春季年会 3B1u32(1992)参
照)が、TPDの融点が低いために金蒸着時の熱でTP
D層が溶融し金がTPD層内部に入り込み素子がショー
トし易くなる問題があった。また、スピンコート法等の
有機溶剤を用いた塗布法で正孔注入輸送層を積層した
り、正孔注入輸送層上に発光層を形成しようとする場
合、従来の低分子からなる正孔注入輸送層では発光層材
料の溶剤により溶けてしまう場合が多かった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記で述べたように、
有機薄膜EL素子の正孔注入輸送層として、求められて
いる項目は次の3点があげられる。 1.透明で平滑な0.1μm以下の厚さに成膜できるこ
と。 2.陽極から発光層への正孔注入輸送能力が高いこと。 3.200℃以上の耐熱性と有機溶媒に対し難溶化でき
ること。 本発明では以上の課題を解決した正孔注入輸送層を備え
た有機薄膜EL素子を提供することを目的としてなされ
たものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題に
鑑みてなされたものであって、少なくとも陽極、有機正
孔注入輸送層、発光層、陰極から構成される有機薄膜E
L素子において、有機正孔注入輸送層が下記の一般式
(化1)で表される繰り返し単位から成るポリアミドを
含むことを特徴とする有機薄膜EL素子である。
【0014】以下に本発明の有機薄膜EL素子を模式的
に示す図1から図3までに基いて説明する。図1は、本
発明における有機薄膜EL素子を、基板(1)上に陽極
(2)、有機正孔注入輸送層(3)、有機電子輸送発光
層(4)、陰極(5)、封止層(8)の順に構成し、ガ
ラス板(9)を接着剤(10)にて接着して密封した場
合である。
【0015】また図2に示すように、正孔注入輸送層
(3)を正孔注入能力を増すために本発明による正孔注
入輸送材料を含む複数の材料を用いて第1正孔注入輸送
層(11)、第2正孔注入輸送層(12)のように積層
して形成しても良い。
【0016】さらに図3に示すように有機電子輸送発光
層(4)を有機発光層(6)と有機電子注入輸送層
(7)とに機能を分離し、基板(1)上に陽極(2)、
正孔注入輸送層(3)、有機発光層(6)、有機電子注
入輸送層(7)、陰極(5)封止層(8)の順に構成す
ることもできるし、同様の構成を基板上に陰極から逆の
順に構成してもよい。
【0017】陽極(2)は、ガラス等の透明絶縁性の基
板(1)上にITOや酸化亜鉛アルミニウムのような透
明導電性物質を真空蒸着やスパッタリング法等で被覆し
た表面抵抗10〜50Ω/平方、可視光線透過率80%
以上の透明電極、又は金やプラチナを薄く蒸着した半透
明電極が望ましい。
【0018】しかし、別の場合には、陽極(2)は不透
明で、正孔注入輸送層(3)を通して有機電子輸送発光
層(4)または有機発光層(6)へ正孔注入し易い仕事
関数の大きい金、プラチナ、ニッケル等の金属板、シリ
コン、ガリウムリン、アモルファス炭化シリコン等の仕
事関数が4.8eV以上の半導体基板、もしくはそれら
の金属や半導体を、絶縁性の基板(1)上に被覆した陽
極(2)に用い、陰極(5)を透明電極もしくは半透明
電極とすることもできる。陰極(5)も不透明であれ
ば、有機電子輸送発光層(4)または有機発光層(6)
の少なくとも一端が透明である必要がある。
【0019】次に本発明における有機正孔注入輸送層
(3)を陽極(2)上に形成する。本発明に用いる正孔
注入輸送層は、一般式(化1)で示されるポリアミド化
合物をいて形成する。
【0020】本発明におけるポリアミド化合物は、ジカ
ルボン酸と芳香族ジアミンの重縮合反応によって得ら
れ、繰り返し単位中に正孔輸送単位となる芳香族第3級
アミンの窒素原子を2つ以上含むことを特徴としている
ために大きな正孔輸送能力と4.8〜6.0eVの仕事
関数を持ち、かつアミド結合の高い鋼直性と分子間の水
素結合により200℃以上の高いガラス転移温度を持つ
ポリマーを得ることができる。また、線状ポリマーであ
ることから適当な溶媒に溶かしてスピンコーティン法等
の塗布法により平滑な薄膜を得ることができる。
【0021】一般式(化1)中のR基は、本発明のポリ
アミド化合物を構成するジカルボン酸成分の2つのカル
ボキシ基に挟まれた2価の基である。ここで用いられる
ジカルボン酸およびジカルボン酸塩化物の例は井本稔等
編「合成高分子V」(朝倉書店、昭和46年発行)の第
3章ポリアミドおよび第4章ポリエステルの章にジカル
ボン酸または二塩基酸と記載されている化合物を用いる
ことができるが、特にその例に限定されるわけではな
く、以下のような(化5)に示すジカルボン酸およびそ
れらのジカルボン酸塩化物も利用できる。
【0022】
【化5】
【0023】一般式(化1)中のA1 はアリール基で、
フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基および、これら
の基に電子供与性のメチル基、メトキシ基、電子吸引性
のトリフルオロメチル基等を置換した基が含まれる。ま
た、縮合重合時に、重合度を調節するためにモノアミン
やモノカルボン酸の末端キャッピング剤を添加してポリ
アミドを得ることもできるし、末端キャッピング剤に架
橋性の基を導入しておくこともできる。
【0024】一般式(化1)中のA2 は、芳香族ジアミ
ン成分由来の芳香族環を含む2価の基であり、(化6)
で示した基、および、これらの基に電子供与性のメチル
基、メトキシ基、電子吸引性のトリフルオロメチル基を
置換した基を用いることもできるが、上記例に特に限定
されるわけではない。
【0025】
【化6】
【0026】一般式(化1)で表されるポリアミドのう
ち、イソフタル酸クロライドをジカルボン酸成分とし、
N,N’ージフェニルーN,N’ービス(4ーアミノフ
ェニル)ーpーフェニレンジアミンをジアミン成分とし
て低温溶液重縮合で得た(化7)で表されるポリアミド
化合物を例にとって以下説明する。
【0027】
【化7】
【0028】このポリマーは柿本・石田・今井により合
成され、第40回高分子学会年次大会予稿集第2911
頁(1991年)にその合成法およびその類似体を含め
た物性が述べられている。このポリマーは、ガラス移転
温度246℃(DSCで窒素下20℃/minの昇温)
仕事関数5.4ー5.5eVで、Nーメチルピロリド
ン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピ
リジン、メタークレゾール等の有機溶媒に良く溶ける。
そこで、これらの溶媒に溶かした溶液に陽極(2)を形
成した基板を浸漬、あるいは基板上に溶液をキャストま
たはスピンコートすることにより成膜できる。この際、
溶媒の蒸発速度を調節するために、基板や溶液の温度、
周囲の圧力の調節を行ってもよい。
【0029】スピンコーティング法で成膜する場合は、
蒸発しやすいジメチルアセトアミドやピリジンが溶媒と
して適している。また、このポリマーは真空または不活
性ガス気体中でジカルボン酸クロライドとジアミンを別
々の蒸発源から基板上に蒸着し、基板上で縮合させ成膜
することもできる。
【0030】本発明においては、図1に示したように一
般式(化1)で示されるポリアミド単層で正孔注入輸送
層(3)を形成することもできるが、図2に示したよう
に他の有機正孔注入輸送材料と積層し、本発明のポリア
ミドを第1正孔注入輸送層(11)または第2正孔注入
輸送層(12)とし用いることもできるし、3層以上積
層して有機正孔注入輸送層として用いることができる。
例えば(化7)で示されるポリアミドはトルエン、クロ
ロホルム、エチルアルコール等には不溶であるため、ポ
リアミドの層上にさらに、ポリアミドを溶かさない溶媒
を用いて他の材料をスピンコート等の塗布法により形成
することも可能である。
【0031】一般式(化1)で示されるポリアミドから
なる正孔注入輸送層と、真空蒸着、スピンコーティン
グ、電界重合、CVD(化学的気相蒸着)法等で積層で
きる他の有機正孔注入輸送材料(これらは単独で正孔注
入輸送材料として用いることもできる)の例としては、
ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリチ
エニレンビニレン、ポリフェニレンビニレン、およびこ
れらにアルキル基やアルコキキシ基を導入し溶媒可溶性
とした導電性ポリマー、バックミンスターフラレン(C
60)等の球状炭素クラスター、銅フタロシアニン、無
金属フタロシアニン等のフタロシアニン類、銅ナフタロ
シアニン、バナジルナフタロシアニン、モノクロロガリ
ウムナフタロシアニン等のナフタロシアニン類、もしく
は、1、1−ビス(4−ジ−パラ−トリルアミノフェニ
ル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’
−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル
−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,
N’−ビス(p−トリル)−1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(p
−トリル)−4,4’−ジアミノビフェニルN,N’ー
ジ(pートリル)−N,N’ージー(2ーナフチル)−
1.1’−ビフェニル−4.4’−ジアミン等のトリフ
ェニルアミン、およびテトラアリールベンジジン誘導体
さらに、これらの分子にビニル基、アリル基、メタクリ
ロイルオキシメチル基、メタクリロイルオキシ基、メタ
クリロイルオキシエチル基、アクリロイル基、アクリロ
イルオキシメチル基、アクリロイルオキシエチル基、シ
ンナモイル基、スチレンメチルオキシ基、プロピオロイ
ル基、プロパルギル基等の重合性、架橋性の置換基を付
与し、積層後に光、熱、放射線等で重合させることがで
きる耐熱性正孔注入輸送材料、およびテトラアリールベ
ンジジン誘導体等の低分子正孔注入輸送材料のジヒドロ
キシ体とフェニルホスホリルジクロライドを反応させて
得られる(化8)で表されるような繰り返し単位を持つ
リン酸エステル結合ポリマーや、1.4−ビス(クロロ
メチル)ベンゼンと反応させて得られる(化9)で表さ
れるような繰り返し単位を持つエーテル結合ポリマー
も、トルエン等の有機溶媒可溶でスピンコート法で積層
可能な正孔輸送材料の例としてあげられるが、上記例に
特に限定されるわけではない。
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】本発明における有機正孔注入輸送層の厚さ
は、単層または積層により形成される場合において1μ
m以下であり、好ましくは0.01〜0.1μmであ
る。
【0035】次に有機正孔注入輸送層(3)上に、有機
電子輸送発光層(4)を形成するが、有機電子輸送発光
層(4)に用いる蛍光体は、可視領域に蛍光を有し、適
当な方法で成膜できる任意の蛍光体が可能である。例え
ば、アントラセン、サリチル酸塩、ピレン、コロネン、
ペリレン、テトラフェニルブタジエン、9,10−ビス
(フェニルエチニル)アントラセン、8−キノリノール
リチウム、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、
トリス(5,7−ジクロロ,8−キノリノール)アルミ
ニウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノール)アル
ミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛、トリス(5
−フルオロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス
(8−キノリノール)スカンジウムビス〔8−(パラー
トシル)アミノキノリン〕亜鉛錯体およびカドミウム錯
体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエ
ン、ペンタフェニルシクロペンタジエン等があげられ、
さらに、これらの蛍光性分子にビニル基、アクリル基、
メタクリロイルオキシメチル基、メタクリロイルオキシ
基、メタクリロイルオキシエチル基、アクリロイル基、
アクリロイルオキシメチル基、アクリロイルオキシエチ
ル基、シンナモイル基、スチレンメチルオキシ基、プロ
ピオロイル基、プロパルギル基等の重合性、架橋性の基
を置換した材料を用いて成膜後に熱、光、放射線で重
合、架橋することもできる。また、(化10)で示され
るパラークウォーターフェニル誘導体も近紫外〜青色の
発光層材料に用いることができる。
【0036】
【化10】
【0037】有機電子輸送発光層(4)中の蛍光体は、
発光波長変換、発光効率向上のために、米国ラムダフィ
ズィック社またはイーストマンコダック社のレーザーダ
イカタログに記載されているクマリン系やキナクリドン
系、ペリレン系、ピラン系等の、2種類以上の蛍光体を
混合するか、多種類の蛍光体の発光層を2層以上積層し
てもよく、そのうちの一方は赤外域または紫外域に蛍光
を示すものであってもよい。
【0038】有機電子輸送発光層(4)の成膜方法は、
真空蒸着法、累積膜法、または適当な樹脂バインダー中
に分散させてスピンコートなどの方法でコーティングす
ることにより行なわれる。有機電子輸送発光層(4)の
膜厚は、単層または積層により形成する場合においても
1μm以下であり、好ましくは0.01〜0.1μmで
ある。
【0039】次に有機電子輸送発光層(4)を有機発光
層(7)と電子注入輸送層(8)とに機能分離して配す
る場合、電子注入輸送材料の好ましい条件は、電子移動
度が大きく、LUMOのエネルギーレベルが有機発光層
材料のLUMOのエネルギーレベルと同程度から陰極材
料のフェルミレベルの間にあり、仕事関数が有機発光層
材料より大きく、成膜性が良いことである。さらに陽極
(2)が不透明で、透明もしくは半透明の陰極(5)か
ら光を取り出す構成の素子においては少なくとも有機発
光層材料の蛍光波長領域において実質的に透明である必
要がある。例としては、BPBD、3,4,9,10−
ペリレンテトラカルボキシル−ビス−ベンズイミダゾー
ルなどがあげられるが、上記例に特に限定されるもので
はない。
【0040】有機電子注入輸送層(7)の成膜方法は、
真空蒸着法、累積膜法、または適当な樹脂バインダー中
に分散させてスピンコートなどの方法でコーティングす
ることにより行なわれる。また、有機電子輸送発光層は
n型のZnSe,ZnS,ダイヤモンド等無機の発光層
に代えることも可能である。次に陰極(5)を有機電子
輸送発光層(4)または有機電子注入輸送層(7)上に
形成する。陰極は、電子注入を効果的に行なうために有
機電子輸送発光層(4)または電子注入輸送層(7)と
接する面に低仕事関数の物質が使われ、Li,Na,M
g,Ca,Sr,Al,Ag,In,Sn,Zn,Zr
等の金属元素単体、または安定性を向上させるためにそ
れらを含む2成分、3成分の合金系が用いられる。
【0041】仕事関数の例としてはMg単体で約3.6
eVであり、MgにLi等アルカリ金属を添加した場合
は3.1〜3.2eVに低下する。アルカリ金属を含む
低仕事関数陰極を用いた場合には、さらにその上にアル
カリ金属を含まないMg.Al.Ag等の金属層を積層
し保護層としてもよい。陰極(5)の形成方法は、抵抗
加熱方法により10-5Torrオーダー以下の真空度の
下で成分ごとに別々の蒸着源から水晶振動子式膜厚計で
モニターしながら共蒸着する。このとき、0.01〜
0.3μm程度の膜厚で形成されるが、電子ビーム蒸着
法、イオンプレーティング法やスパッタリング法により
共蒸着ではなく、合金ターゲットを用いて成膜すること
もできる。
【0042】次に素子の有機層や電極の酸化を防ぐため
に素子上に封止層(8)を形成する。封止層(8)は、
陰極(5)の形成後直ちに形成する。封止層材料の例と
しては、SiO2 ,SiO,GeO,MoO3 等の酸化
物、MgF2 ,LiF,BaF2 ,AlF3 ,FeF3
等の沸化物、GeS,SnS等の硫化物等のガスおよび
水蒸気バリアー性の高い無機化合物があげられるが、上
記例に限定されるものではない。これらを単体または複
合して蒸着、スパッタリング法、イオンプレーティング
法等により成膜する。抵抗加熱方式で蒸着する場合に
は、低温で蒸着できるGeOが優れている。陰極保護の
ために、封止層中、または封止層に接する面上に封止用
無機化合物とLi等のアルカリ金属やCa等のアルカリ
土類金属との混合層を設けてもよい。
【0043】さらに湿気の浸入を防ぐ為に市販の低吸湿
性の光硬化性接着剤、エポキシ系接着剤等の接着性樹脂
層(10)を用いて、ガラス板等の封止板(9)を接着
し密封する。ガラス板以外にも金属板、プラスチック板
等を用いることもできる。
【0044】
【作用】以上のように構成した有機薄膜EL素子は、有
機正孔注入輸送層(3)側を正として電源(13)にリ
ード線(14)で接続し直流電圧を印加することにより
発光するが、交流電圧を印加した場合にも有機正孔注入
輸送層(3)側の電極が正に電圧印加されている間は発
光する。
【0045】
【実施例】以下、本発明のEL素子の実施例を図1に従
って、説明する。まず、透明絶縁性の基板(1)とし
て、厚さ1.1mmのガラス板を用い、この上に240
0ÅのITOを被覆して陽極(2)とした。この透明導
電性ガラス基板を十分に洗浄後、(化7)で示されるポ
リアミドのジメチルアセトアミド溶液(40mg/5m
l)を1000rpmでスピンコーティングを行ない、
厚さ300Åの正孔注入輸送層を形成した。
【0046】次に有機電子輸送発光層(4)としてトリ
ス(8−キノリノール)アルミニウムを600Å蒸着
し、その上面に陰極としてMgとAgを蒸着比度比1
0:1で2200Å蒸着した。最後に封止層(8)とし
てGeOを2μm蒸着後ガラス板(9)を光硬化性樹脂
(10)で接着し密封した。この素子は5V以上の直流
印加電圧により黄緑色に発光し、13Vにおいて737
cd/m2 の輝度が得られた。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、有機薄膜EL素子の
正孔注入輸送層として一般式(化1)で示されるポリア
ミドを用いることにより、耐熱性が200℃以上で、か
つ塗布法による多層膜形成も可能な正孔注入輸送層を得
ることが可能で、基板温度が100℃以上になるプロセ
スやスピンコーティング法など多様な有機薄膜EL素子
作製プロセスを可能とする効果がある。
【0048】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機薄膜EL素子の一実施例を示す説
明図である。
【図2】本発明の有機薄膜EL素子の他の実施例を示す
説明図である。
【図3】本発明の有機薄膜EL素子の他の実施例を示す
説明図である。
【符号の説明】
(1)基板 (2)陽極 (3)有機正孔注入輸送層 (4)有機電子輸送発光層 (5)陰極 (6)有機発光層 (7)有機電子注入輸送層 (8)封止層 (9)ガラス板 (10)接着性樹脂層 (11)第1正孔注入輸送層 (12)第2正孔注入輸送層 (13)電源 (14)リード線 (15)陰極取り出し口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも陽極、有機正孔注入輸送層、発
    光層、陰極から構成される有機薄膜EL素子において、
    有機正孔注入輸送層が下記の一般式(化1)で表される
    繰り返し単位から成るポリアミドを含むことを特徴とす
    る有機薄膜EL素子。 【化1】
  2. 【請求項2】有機正孔注入輸送層が、一般式(化1)で
    示されるポリアミドを含む塗布液を塗布して形成された
    ことを特徴とする請求項1記載の有機薄膜EL素子。
  3. 【請求項3】有機正孔注入輸送層が、一般式(化2)で
    表される繰り返し単位から成るポリアミドを正孔注入輸
    送層中に含むことを特徴とする請求項1記載の有機薄膜
    EL素子。 【化2】
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