JPH05311060A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物

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JPH05311060A
JPH05311060A JP11858192A JP11858192A JPH05311060A JP H05311060 A JPH05311060 A JP H05311060A JP 11858192 A JP11858192 A JP 11858192A JP 11858192 A JP11858192 A JP 11858192A JP H05311060 A JPH05311060 A JP H05311060A
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Takashi Umeda
尚 梅田
Seiichi Maeba
誠一 前場
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 難燃性,金型内滞留時の熱安定性,耐衝撃特
性及び寸法安定性,成形性(流動性)等に優れたポリカ
ーボネート樹脂組成物を開発すること。 【構成】 (A)ポリカーボネート樹脂,(B)繊維状
フィラー及び(C)板状フィラー又は球状フィラーから
なるとともに、(A),(B)及び(C)の100重量
部に対して、(D)耐熱性スチレン系エラストマー及び
(E)ハロゲン化ポリスチレンからなる難燃剤の所定量
が配合されてなるポリカーボネート樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリカーボネート樹脂組
成物に関し、さらに詳しくは難燃性,金型内滞留時の熱
安定性,耐衝撃特性及び寸法安定性,成形性(流動性)
等に優れたポリカーボネート樹脂組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリカ
ーボネート樹脂(PC)は機械的強度,電気的特性,透
明性に優れ、エンジニアリングプラスチックとして、電
気・電子機器分野,自動車分野等様々な分野において広
く使用されている。そして、耐熱性,剛性,寸法安定性
などが要求されるOA機器のシャーシー等の分野では、
ガラス繊維(GF)で強化したポリカーボネート樹脂
(以下、GF−PCと略す。)が、バルクモールディン
グコンパウンドやアルミダイキャストの代替として使用
されている。ところが、GFを配合することによって、
GF−PCは、PC単品に比較して耐衝撃強度が大きく
低下し、また成形性(流動性,離型性)が悪化するとい
った問題点がある。この耐衝撃特性,成形性を改良した
技術として、例えば、特開平3−273052号公報に
は、耐熱性に優れたスチレン系エラストマーを配合する
技術が開示されている。しかるに、ここに開示されてい
る技術では、寸法安定性における異方性の低減や難燃性
が未だ十分でない問題がある。一方、OA機器分野で
は、過熱による発火等の危険性があるために、外郭部品
を中心に難燃性の向上が要望されている。
【0003】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
前記の状況に鑑み、従来法の欠点を解消して、難燃性,
金型内滞留時の熱安定性,耐衝撃特性及び寸法安定性,
成形性(流動性)等に優れたポリカーボネート樹脂組成
物を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、GF−P
Cに、板状フィラーまたは球状フィラー,耐熱性スチレ
ン系エラストマー及びハロゲン化ポリスチレンを配合す
ることによって目的とする性状を備えたポリカーボネー
ト樹脂組成物が得られることを見出した。本発明はかか
る知見に基いて完成したものである。すなわち、本発明
は、(A)ポリカーボネート樹脂40〜90重量%,
(B)繊維状フィラー5〜55重量%及び(C)板状フ
ィラー又は球状フィラー5〜55重量%からなるととも
に、(A)成分,(B)成分及び(C)成分の100重
量部に対して、(D)耐熱性スチレン系エラストマー1
〜10重量部及び(E)ハロゲン化ポリスチレンからな
る難燃剤1〜8重量部を配合してなることを特徴とする
ポリカーボネート樹脂組成物を提供するものである。
【0004】先ず、本発明において、樹脂組成物を構成
する成分(A)として用いられるポリカーボネート樹脂
(PC)は、一般式(I)
【0005】
【化1】
【0006】〔式中、Xは、それぞれ水素原子,ハロゲ
ン原子(例えば塩素,臭素,フッ素,沃素)又は炭素数
1〜8のアルキル基であり、このXが複数の場合、それ
らは同一であってもよいし、異なっていてもよく、a及
びbは、それぞれ1〜4の整数である。そして、Yは、
単結合,炭素数1〜8のアルキレン基,炭素数2〜8の
アルキリデン基,炭素数5〜15のシクロアルキレン
基,炭素数5〜15のシクロアルキリデン基又は−S
−,−SO−,−SO2 −,−O−,−CO−結合もし
くは一般式(II)
【0007】
【化2】
【0008】で表わされる結合を示す。〕で表わされる
二価フェノールとホスゲンまたは炭酸エステル化合物と
を反応させることによって容易に製造することができる
ものである。すなわち、例えば、塩化メチレンなどの溶
媒中において、公知の酸受容体や分子量調節剤の存在
下、二価フェノールとホスゲンのようなカーボネート前
駆体との反応により、あるいは二価フェノールとジフェ
ニルカーボネートのようなカーボネート前駆体とのエス
テル交換反応などによって製造される。ここで、上記一
般式(I)で表わされる二価フェノールとしては、様々
なものがあるが、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕が好ましい。ビ
スフェノールA以外の二価フェノールとしては、ビスフ
ェノールA以外のビス(4−ヒドロキシフェニル)アル
カンとして1,1−(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン;1,1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン;ハイ
ドロキノン;4,4’−ジヒドロキシジフェニル;ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン;ビス(4
−ヒドロキシフェニル)スルフィド;ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)スルホン;ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホキシド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ
ーテル;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトンのよう
な化合物又はビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン;ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンのようなハロゲン化ビスフ
ェノール類等を挙げることができる。そして、これらの
二価フェノールはそれぞれ単独で用いてもよいし、二種
以上を混合して用いてもよい。また、炭酸エステル化合
物としては、ジフェニルカーボネート等のジアリールカ
ーボネートやジメチルカーボネート,ジエチルカーボネ
ート等のジアルキルカーボネートが挙げられる。
【0009】次に、本発明において、樹脂組成物を構成
する成分(B)の繊維状フィラーとしては、含アルカリ
ガラス,低アルカリガラス,無アルカリガラス等を原料
としたガラス繊維のいずれをも好適に用いることができ
る。このガラス繊維の長さは、好ましくは0.01〜2m
m、より好ましくは0.05〜1mmの範囲にあるもので
ある。これらのガラス繊維は、前記のポリカーボネート
樹脂との混練に際して、破断することがあるので、混練
に強する際のサイズとしては、一般に、長さが1〜6m
mの範囲にあるものが好ましい。また、その直径は、通
常1〜20μmで十分である。そして、これらのガラス
繊維の形態は、特に制限はなく、例えばロービング,ミ
ルドファイバー,チョップドストランドなど、いずれの
形態のものも用いることができる。また、これらのガラ
ス繊維は単独でも二種以上を組み合わせて用いることが
できる。さらに、これらのガラス繊維は、ポリカーボネ
ート系樹脂との接着性をよくする目的で、表面処理剤で
表面処理したのち、適当な集束剤で集束処理したものを
用いることが望ましい。ここで、表面処理剤としては、
例えば、アミノシラン系,エポキシシラン系,ビニルシ
ラン系,アクリルシラン系等のシラン系、チタネート
系、アルミニウム系、クロム系、ジルコニウム系、ホウ
素系カップリング剤などが挙げられる。これらの中で
は、シラン系カップリング剤及びチタネート系カップリ
ング剤、特にシラン系カップリング剤が好適である。ガ
ラス繊維を上記表面処理剤で処理する方法については特
に制限はなく、従来用いられている方法、例えば、水溶
液法,有機溶媒法,スプレ法など任意の方法を用いるこ
とができる。また、集束剤としては、例えば、ウレタン
系、アクリル系、アクリロニトリル−スチレン系共重合
体系、エポキシ系などがあり、いずれも用いることがで
きる。これらの集束剤を用いてガラス繊維を集束処理す
る方法については、特に制限はなく、従来慣用されてい
る方法例えば、浸漬塗り、ローラ塗り、吹き付け塗り、
流し塗り、スプレー塗りなど任意の方法を用いることが
できる。上記ガラス繊維以外の繊維状フィラーとして
は、炭素繊維,チタン酸カリウム,ホウ酸アルミニウ
ム,ボロン繊維,窒化ケイ素などのウイスカー,鉱物繊
維などが挙げられる。
【0010】そして、本発明においては、樹脂組成物を
構成する成分(C)として、板状フィラー又は球状フィ
ラーを用いる。ここで、板状フィラーとしては、具体的
には例えば、ガラスフレーク,マイカ,タルクなどを挙
げることができる。この板状フィラーとしては、長径が
2,000μm以下、好ましくは0.5〜1,000μmであ
り、かつアスペクト比(フィラーの長径と厚みの比)が
5以上、好ましくは10以上のものが用いられる。板状
フィラーの長径が2,000μmを超えると、樹脂に配合
したときに分級が生じ、樹脂と均一に混合することが困
難となるとともに、得られた成形品に斑点を生じさせる
おそれがあるため、好ましくない。また、板状フィラー
のアスペクト比が5未満のものでは、得られる成形品の
寸法安定性における異方性の低減や熱変形温度の向上が
不十分であるとともに、耐衝撃強度が低下しがちになる
ために好ましくない。
【0011】一方、球状フィラーとしては、具体的には
例えば、ガラスビーズ,ガラスバルーン,炭酸カルシウ
ムなどを挙げることができる。この球状フィラーとして
は、通常、球状のものを指称するが、本発明において
は、真球状だけでなく、ある程度楕円形状のものであっ
ても差し支えない。このような球状フィラーとしては、
粒径が0.5〜200μm、好ましくは1〜100μmの
ものが用いられる。なお、ここで言うガラスビーズは、
上記の如き微小な径を有するガラスの球状物である。
【0012】本発明において、樹脂組成物を構成する前
記(A)、(B)及び(C)成分のそれぞれの配合割合
は、(A)ポリカーボネート樹脂40〜90重量%、
(B)繊維状フィラー5〜55重量%、好ましくは10
〜50重量%及び(C)板状フィラー又は球状フィラー
5〜55重量%、好ましくは10〜50重量%である。
ここで、(B)成分の繊維状フィラーの配合割合が5重
量%未満では、強度や剛性などの機械的性質が不十分で
ある。また、55重量%を超えると、強度や剛性などの
機械的性質は、配合量のわりに向上効果が小さく、耐衝
撃強度については、むしろ低下する。そして、混練時の
ストランドの引き取り安定性が不安定になって好ましく
ない。一方、(C)成分の板状フィラー又は球状フィラ
ーの配合割合が5重量%未満では、強度,剛性は高い
が、寸法安定性における異方性が大きくなる。また、5
5重量%を超えると、流動性等の成形性が悪化するとと
もに、衝撃強度も低下して好ましくない。
【0013】本発明の樹脂組成物は、前記(A),
(B)及び(C)成分が、それぞれの割合で配合された
100重量部に対して、(D)耐熱性スチレン系エラス
トマー1〜10重量部、好ましくは2〜6重量部及び
(E)ハロゲン化ポリスチレン1〜8重量部、好ましく
は2〜6重量部を配合してなるものである。先ず、
(D)成分の耐熱性スチレン系エラストマーとしては、
様々なものを用いることができるが、例えば、一般式(I
II) Q−(R−Q)n ・・・(III) 又は、一般式 (IV) (Q−R)n ・・・(IV) 〔式中、Qはスチレン系重合ブロックで、式(III) にお
いては、分子鎖両末端で重合度が同じであってもよい
し、異なっていてもよい。Rはイソプレン重合ブロッ
ク,水添されたブタジエン重合ブロック及び水添された
イソプレン重合ブロックの中から選ばれた少なくとも一
種のブロックである。nは1以上の整数である。〕で表
わされるブロック共重合体が用いられる。上記ブロック
共重合体におけるQ成分の含有量は、20〜80重量%
の範囲にあることが必要である。ここで、含有量が20
重量%未満では、強度や剛性に劣り、80重量%を超え
ると、成形加工性及び耐衝撃強度が低下し好ましくな
い。そして、該Q成分の単一ブロック当りの数平均分子
量は、5,000〜200,000の範囲にあり、かつR成
分のブロック当りの数平均分子量は、5,000〜200,
000の範囲にあることが必要である。ここで、該Q成
分の単一ブロック当りの数平均分子量が5,000未満の
場合やR成分のブロック当りの数平均分子量が5,000
未満の場合は機械的性質が不十分である。また、Q成分
の単一ブロック当りの数平均分子量が200,000を超
える場合や,R成分のブロック当りの数平均分子量が2
00,000を超えると、成形加工性が低下する。さら
に、該ブロック共重合体全体の数平均分子量は10,00
0〜400,000の範囲にあることが必要であり、この
数平均分子量が10,000未満では、機械的物性が劣る
し、400,000を超えると、成形加工性が低下する。
【0014】前記(D)の耐熱性スチレン系エラストマ
ーとしては、主として、ジブロック型,トリブロック
型,テトラブロック型が用いられる。前記一般式(III)
及び(IV)におけるQのスチレン系重合ブロックとして
は、例えば、スチレン,α−メチルスチレン,ビニルト
ルエン,ビニルキシレン,ビニルナフタレンなどのブロ
ックが挙げられる。前記(D)成分の耐熱性スチレン系
エラストマーとしては、具体的には例えば、スチレン−
水添ブタジエン−スチレントリブロックポリマー(SE
BS),スチレン−イソプレン−スチレントリブロック
ポリマー,スチレン−水添イソプレン−スチレントリブ
ロックポリマー(SEPS),スチレン−水添イソプレ
ンジブロックポリマー(SEP),スチレン−イソプレ
ンジブロックポリマー,スチレン−水添ブタジエンジブ
ロックポリマーなどが挙げられる。これらの(D)成分
は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。前記の通り、この(D)成分は、成分
(A),(B)及び(C)からなる100重量部に対し
て、1〜10重量部、好ましくは2〜6重量部の範囲で
配合される。ここで、配合量が1重量部未満では、耐衝
撃特性及び成形性(流動性,離型性)に効果が発揮され
ない。また、10重量部を超えると、強度,剛性の低下
が大きく、難燃性において、UL941/16インチV
−Oに合格するのに難燃剤の添加量を増量しなければな
らない。それにともなって、滞留熱安定性が大きく悪化
する。また、配合量の割りには耐衝撃特性の向上効果が
認められず好ましくない。このエラストマーの配合量が
多くて耐衝撃特性の向上が認められないサンプルのモル
ホロジー観察を行うと、エラストマーが網目状につなが
って、相互網目侵入構造(Inter Penetrating Network
s)のような形態になっている。これに対して、耐衝撃
特性の向上しているサンプルは、エラストマーが微分散
している。このモルホロジーの相違が耐衝撃特性に影響
を及ぼしていると考えられる。
【0015】次に、(E)成分のハロゲン化ポリスチレ
ンからなる難燃剤としては、様々なものを用いることが
できるが、具体的には例えば、ポリクロロスチレン,ポ
リジブロモスチレン,ポリトリブロモスチレンなどの高
分子型芳香族ハロゲン系難燃剤が好ましく用いられる。
これらの分子量は、10,000〜500,000のものが
好ましい。そして、ハロゲンの含有量は、50〜80%
のものが好適である。さらに、その平均粒径は、1〜3
0μmである。前記の通り、この(E)成分は、成分
(A),(B)及び(C)からなる100重量部に対し
て、1〜8重量部、好ましくは2〜6重量部の範囲で配
合される。ここで、配合量が1重量部未満では、難燃効
果が小さい。また、8重量部を超えると、耐衝撃性が低
下し、さらに、滞留熱安定性が悪化し好ましくない。
【0016】本発明は、前記の通り、前記各成分
(A),(B),(C),(D)及び(E)からなるポ
リカーボネート樹脂組成物であり、かつ(A),(B)
及び(C)の各成分は、それぞれ(A)が40〜90重
量%、(B)が5〜55重量%、好ましくは10〜50
重量%及び(C)が5〜55重量%、好ましくは10〜
50重量%の割合で配合される。そして、上記配合割合
からなる(A),(B)及び(C)の100重量部に対
して、(D)が1〜10重量部及び(E)が1〜8重量
部からなる樹脂組成物である。そして、本発明の樹脂組
成物には、必要に応じて、本発明の目的を阻害しない範
囲で、前記(A),(B),(C),(D)及び(E)
以外に、各種の添加剤,他の合成樹脂,エラストマー等
を配合することができる。例えば、各種の添加剤とし
て、硫酸カルシウム,硫酸バリウム,水酸化アルミニウ
ム,クレー,シリカ,ケイ藻土,モンモリロナイト,ベ
ントナイト,ホウ酸亜鉛,メタホウ酸バリウム,三酸化
アンチモン等の無機フィラー、あるいは、ヒンダードフ
ェノール系,亜リン酸エステル系,リン酸エステル系,
アミン系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系やベン
ゾフェノン系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系な
どの光安定剤、脂肪族カルボン酸エステル,シリコーン
オイル,ポリエチレンワックス,パラフィン等の内部滑
剤、ポリテトラフルオロエチレン等の摺動性向上剤、常
用の難燃化剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤等を配合す
ることができる。そして、本発明のポリカーボネート樹
脂組成物を用いて各種成形にあたって、上記各成分の配
合,混練する混練方法についてはとくに制限はなく、通
常用いられている方法、例えば、リボンブレンダー,ヘ
ンシェルミキサー,バンバリーミキサー,ドラムタンブ
ラー,単軸スクリュー押出機,二軸スクリュー押出機,
コニーダ,多軸スクリュー押出機等を用いる方法により
行うことができる。混練に際しての加熱温度は、通常2
50〜300℃の範囲で選ばれる。かくして得られたポ
リカーボネート樹脂組成物は、既知の種々の成形方法、
例えば、射出成形,中空成形,押出成形,圧縮成形,カ
レンダー成形,回転成形等を適用して、OA分野,電子
・電気分野あるいは自動車分野等の各種の成形品を製造
することができる。
【0017】
〔出光石油化学(株)製,粘度平均分子量 22,000〕
(B)GF:ガラス繊維「ECS03T−509」 〔日本電気硝子(株)製,長さ3ミリ,径13μm、ウ
レタン收束剤,アミノシラン表面処理剤で処理されたチ
ョップドストランド〕 (C)ガラスフレーク:「REFG−101」 〔日本板硝子(株)製,平均粒径 600μm,厚さ
2〜3μm、エポキシ樹脂で凝集させたもの〕 (C)ガラスビーズ:「EGB731A」 〔東芝バロティーニ(株)製,平均粒径 30〜40μ
m、アミノシラン表面処理剤で処理されたもの〕 (D)スチレン系エラストマー 1)「H1051」〔旭化成(株)製,タフテックH10
51(スチレン含有率40%のSEBS)〕 2)「H1041」〔旭化成(株)製,タフテックH10
41(スチレン含有率30%のSEBS)〕 3)「KL1050」〔(株)クラレ製,SEP セプト
ンKL1050(スチレン含有率50%のSEP)〕 4)「KL2006」〔(株)クラレ製,SEPS セプ
トンKL2006(スチレン含有率35%のSEP
S)〕 (E)難燃剤 1)「68PB」〔日産フェロ有機化学(株)製,パイロ
チェック68PB(ポリトリブロモスチレン,臭素含有
率68%,Mw270,000)〕 2)「BC52」〔Great Lakes 社製,グレトレークスB
C52(臭素化ビスフェノールAオリゴマータイプ,臭
素含有率52%)〕 3)「EP200」〔大日本インキ化学(株)製,プラサ
ームEP100(エポキシ臭素化ビスフェノールAオリ
ゴマータイプ,臭素含有率52%)〕 4)「PDBS」〔Great Lakes 社製,グレトレークスP
DBS(ポリジブロモスチレン,臭素含有率58〜60
%,Mw80,000)〕
【0018】また、性能評価としては、次の試験項目に
ついて測定した。 1)難燃性 UL94規格 垂直燃焼試験(肉厚 1/16イン
チ),V−0目標 2)プロセス安定性 東芝IS25EP射出成形機で、300℃,40秒の標
準成形サイクル品(平板)と、10分,20分滞留後の
成形品(平板)との色差(色目の変化)を光学計(スガ
試験機製SM−3型)で測定した。測定値が小さいほど
優れている。 3)アイゾット衝撃強度 JIS K−7110に準拠 1/8インチ厚さ 測定
23℃ ノッチ付 4)曲げ弾性率 JIS K−7203に準拠 5)成形収縮率 成形温度300℃、金型温度80℃で140mm×14
0mm×3mmの平板を射出成形し、万能投影機〔日本
光学(株)製,Nikonプロフィールプロジェクター
V−24B〕で20倍の倍率で測定した。MD/TDの
値が、1に近づくほど異方性が低減していることを示
す。
【0019】実施例1〜12及び比較例1〜12 第1表に示す配合組成に従い、各成分の所定量をドライ
ブレンドした後、二軸押出機〔TEM−35,東芝機械
(株)製〕のトップより、また繊維状,板状あるいは球
状フィラーを振動フィーダー及びスクリューフィーダー
を用いてサイドより投入して混練し、ペレット化した。
得られたペレットを成形温度300℃、金型温度80℃
で射出成形し、試験片を作製した。各実施例及び比較例
で得られた試験片については、性能評価として、前記試
験項目について測定した。実施例の測定結果を第2表
に、また比較例の測定結果を第3表に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】
【表6】
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、本来の
ポリカーボネートの機械的特性を有しながら、難燃性,
金型内滞留時の熱安定性,耐衝撃特性及び寸法安定性,
成形性(流動性)等に優れたポリカーボネート樹脂組成
物であることが判る。それ故、本発明のポリカーボネー
ト樹脂組成物は、OA機器分野,電気・電子機器分野あ
るいは自動車分野等において幅広く使用されている各種
の成形品の素材として有効に利用される。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により、さ
らに詳しく説明する。なお、実施例及び比較例で用いた
各成分は次の通りである。 (A)PC:ポリカーボネート樹脂「タフロンA220
0」 〔出光石油化学(株)製,粘度平均分子量 22,00
0〕 (B)GF:ガラス繊維「ECS03T−509」 〔日本電気硝子(株)製,長さ3ミリ,径13μm、ウ
レタン收束剤,アミノシラン表面処理剤で処理されたチ
ョップドストランド〕 (C)ガラスフレーク:「REFG−101」 〔日本板硝子(株)製,平均粒径 600μm,厚さ
4〜6μm、エポキシ樹脂で凝集させたもの〕 (C)ガラスビーズ:「EGB731A」 〔東芝バロティーニ(株)製,平均粒径 30〜40μ
m、アミノシラン表面処理剤で処理されたもの〕 (D)スチレン系エラストマー 1)「H1051」〔旭化成(株)製,タフテックH10
51(スチレン含有率40%のSEBS)〕 2)「H1041」〔旭化成(株)製,タフテックH10
41(スチレン含有率30%のSEBS)〕 3)「KL1050」〔(株)クラレ製,SEP セプト
ンKL1050(スチレン含有率50%のSEP)〕 4)「KL2006」〔(株)クラレ製,SEPS セプ
トンKL2006(スチレン含有率35%のSEP
S)〕 (E)難燃剤 1)「68PB」〔日産フェロ有機化学(株)製,パイロ
チェック68PB(ポリトリブロモスチレン,臭素含有
率68%,Mw270,000)〕 2)「BC52」〔Great Lakes 社製,グレトレークスB
C52(臭素化ビスフェノールAオリゴマータイプ,臭
素含有率52%)〕 3)「EP100」〔大日本インキ化学(株)製,プラサ
ームEP100(エポキシ臭素化ビスフェノールAオリ
ゴマータイプ,臭素含有率52%)〕 4)「PDBS」〔Great Lakes 社製,グレトレークスP
DBS(ポリジブロモスチレン,臭素含有率58〜60
%,Mw80,000)〕
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】
【表1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 25:10 53:02 25:18) 9166−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリカーボネート樹脂40〜90
    重量%,(B)繊維状フィラー5〜55重量%及び
    (C)板状フィラー又は球状フィラー5〜55重量%か
    らなるとともに、(A)成分,(B)成分及び(C)成
    分の100重量部に対して、(D)耐熱性スチレン系エ
    ラストマー1〜10重量部及び(E)ハロゲン化ポリス
    チレンからなる難燃剤1〜8重量部を配合してなること
    を特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
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