JPH05310543A

JPH05310543A - 染毛剤組成物

Info

Publication number: JPH05310543A
Application number: JP11510292A
Authority: JP
Inventors: Sachiko Tajima; 佐知子太島; Ryoichi Hirayama; 良一平山; Hisato Itaya; 寿人板屋
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1992-05-08
Filing date: 1992-05-08
Publication date: 1993-11-22

Abstract

(57)【要約】【効果】次の成分（Ａ）、（Ｂ）及び（Ｃ）を含有
し、pHが２．０〜４．５であることを特徴とする染毛剤
組成物。（Ａ）酸性染料０．０１〜５重量％、（Ｂ）１，３−ブタンジオール０．１〜５０重量％、（Ｃ）下記の３群のうちの２以上の群から選ばれる２種以上の化合物０．００１〜３重量％、１群：ガルバナム、シス−３−ヘキセノール、シス−３
−ヘキセニルアセテート、シス−３−ヘキセニルサリ
シレート２群：ｔｅｒｔ−ブチルシクロヘキシルアセテート、
エチル２−シクロヘキシルプロピオネート、エチル
トリシクロデカン−２−カルボキシレート３群：パールライド、テンタローム、ペンタライド、ム
スクケトン、アンバーコア【効果】この染毛剤組成物は優れた染毛効果を有し、
不快な臭いがなく、かつ経時安定性も良好である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は染毛剤組成物に関し、更
に詳細には不快臭がなく、かつ安定性の良好な染毛剤組
成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】酸性染料を配合した染毛剤は、他の染毛
剤に比べて毛髪損傷性が少ないことから家庭で、また美
容院で広く使用されている。この染毛剤は酸性染料によ
る染色性を向上させるため１，３−ブタンジオールに代
表される有機溶剤を配合し、かつ系のpHを低く維持して
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
酸性染料配合の染毛剤は、経時的に系が不安定となり、
香料が劣化したり、溶剤等の配合物に変質が生じたり
し、これらの原因に基づき、不快な臭いが生じるという
問題があった。従って、本発明の目的は染毛効果が高
く、安定性が良好で、かつ不快臭の生じない染毛剤組成
物を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】かかる実状において本発
明者らは染毛剤組成物における酸性染料と１，３−ブタ
ンジオールとの相互作用について種々検討した結果、分
岐アルコール誘導体、シクロアルカンカルボン酸誘導体
及びムスク、アンバー香を有する香料から選ばれる２種
以上を組み合せて配合すれば、不快な臭いが消失し、か
つ経時安定性も向上することを見出し、本発明を完成す
るに至った。

【０００５】すなわち、本発明は次の成分（Ａ）、
（Ｂ）及び（Ｃ）：（Ａ）酸性染料０．０１〜５重量％、（Ｂ）１，３−ブタンジオール０．１〜５０重量％、（Ｃ）下記の３群のうちの２以上の群から選ばれる２種以上の化合物０．００１〜３重量％、１群：ガルバナム、シス−３−ヘキセノール、シス−３
−ヘキセニルアセテート、シス−３−ヘキセニルサリ
シレート２群：ｔｅｒｔ−ブチルシクロヘキシルアセテート、
エチル２−シクロヘキシルプロピオネート、エチル
トリシクロデカン−２−カルボキシレート３群：パールライド、テンタローム、ペンタライド、ム
スクケトン、アンバーコアを含有し、pHが２．０〜４．５であることを特徴とする
染毛剤組成物を提供するものである。

【０００６】本発明の染毛剤組成物の（Ａ）成分である
酸性染料としては、ニトロ染料、アゾ染料、ニトロソ染
料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、キノリ
ン染料、アントラキノン染料、インジゴ染料等が挙げら
れ、具体的には、赤色２号、赤色３号、赤色１０２号、
赤色１０４号、赤色１０５号、赤色１０６号、黄色４
号、黄色５号、緑色３号、青色１号、青色２号、赤色２
０１号、赤色２２７号、赤色２２０号、赤色２３０号、
赤色２３１号、赤色２３２号、橙色２０５号、橙色２０
７号、黄色２０２号、黄色２０３号、緑色２０１号、緑
色２０４号、緑色２０５号、青色２０２号、青色２０３
号、青色２０５号、かっ色２０１号、赤色４０１号、赤
色５０２号、赤色５０３号、赤色５０４号、赤色５０６
号、橙色４０２号、黄色４０２号、黄色４０３号、黄色
４０６号、黄色４０７号、緑色４０１号、緑色４０２
号、紫色４０１号、黒色４０１号等が用いられる。この
うち、染毛力の観点より好ましい酸性染料は、黄色４
号、緑色２０４号、赤色２号、赤色１０２号、緑色３
号、青色１号、青色２０５号、黄色４０３号、赤色１０
６号、赤色２０１号、橙色２０５号、黒色４０１号、緑
色２０１号又は紫色４０１号であり、就中黒色４０１
号、紫色４０１号、橙色２０５号、黄色４０３号又は赤
色１０６号が特に好ましい。なお、これらの酸性染料は
１種又は２種以上を混合して用いることができる。

【０００７】上記酸性染料の配合量は、組成物中０．０
１〜５重量％（以下、単に％で示す）であるが、ヘアリ
ンスのように直接素手で毛髪に塗布して一定時間放置後
洗い流す操作を何回かくり返すことにより白髪を目立た
なくする目的で使用する場合には０．０１〜０．２％程
度、特に０．０２〜０．１％程度が好ましい。また、手
袋やコーム等の道具を使用して毛髪に塗布し、一定時間
放置又は加温することにより染毛する場合には、０．２
〜５％配合するのが好ましい。

【０００８】（Ｂ）成分である１，３−ブタンジオール
の配合量は、０．１〜５０％、特に１〜３５％が好まし
い。０．１％未満では充分な染毛効果が得られず、５０
％を超えて配合しても、効果の向上は認められない。

【０００９】本発明の（Ｃ）成分のうち、１群はガルバ
ナム、シス−３−ヘキセノール、シス−３−ヘキセニル
アセテート、及びシス−３−ヘキセニルサリシレート
から選ばれる分岐アルコール誘導体であり；２群はｔｅ
ｒｔ−ブチルシクロヘキシルアセテート、エチル２
−シクロヘキシルプロピオネート、及びエチルトリシ
クロデカン−２−カルボキシレートから選ばれるシクロ
アルカンカルボン酸誘導体であり；３群はパールライド
〔１，３，４，６，７，８−ヘキサハイドロ−４，６，
６，７，８，８−ヘキサメチルシクロペンタ−γ−２−
ベンゾピラン〕、テンタローム〔７−アセチル−１，
１，３，４，４，６−ヘキサメチルテトラヒドロナフタ
レン〕、ペンタライド〔シクロペンタデカノライド〕、
ムスクケトン〔２，６−ジニトロ−３，５−ジメチル
−４−アセチル−ｔｅｒｔ−ブチルベンゼン〕、及びア
ンバーコア〔１−〔２−ｔｅｒｔ−ブチル−シクロヘキ
シルオキシ〕−２−ブタノール〕から選ばれるムスク、
アンバー香を有する香料である。本発明における（Ｃ）
成分は、前記の３群のうちの２以上の群から２種以上の
化合物を選択して配合される。すなわち、２種の化合物
を配合する場合には、１群と２群、２群と３群、又は１
群と３群からそれぞれ１種ずつを選択して配合すればよ
い。また、３種以上の化合物を配合してもよい。好まし
い組み合せは、１群、２群及び３群からそれぞれ１種以
上を選択して配合することであり、その例としては例え
ばシス−３−ヘキセノール、ｔｅｒｔ−ブチルシクロ
ヘキシルアセテート及びペンタライドの組み合せ等が挙
げられる。

【００１０】（Ｃ）成分の本発明染毛剤組成物への配合
量は、１〜３群の合計量で０．００１〜３％であり、好
ましくは０．２〜１％である。０．００１％未満では安
定化効果及び不快臭消失効果が充分でなく、３％を超え
ると（Ｃ）成分に起因する香りが強くなり、実使用に適
さなくなる。

【００１１】本発明染毛剤組成物のpH（１０％水溶液と
して測定）は２．０〜４．５であり、より好ましくは
２．５〜４．５、特に好ましくは２．５〜４．０であ
る。pHが４．５を超えると染毛剤を毛髪に塗布した後の
放置時間が長くなるため好ましくなく、pHが２．０未満
であると酸成分による手肌への刺激が問題となる。

【００１２】また、本発明染毛剤組成物は、本組成物の
１０％水溶液の緩衝能が０．０１〜０．２グラム当量／
ｌを示すようにすると、塗布後の放置時間が短縮され
る。ここで、本発明における緩衝能とは、２５℃におけ
る染毛剤組成物の１０％水溶液のpHを初期の値から１上
昇させるのに要する塩基の濃度を尺度として次式により
求められる値である。

【００１３】

【数１】

【００１４】当該緩衝能が０．０１グラム当量／ｌ未満
であると短い放置時間で充分な染毛効果が得られず、
０．２グラム当量／ｌを超えても、染毛効果の目立った
向上は見られず、緩衝能を付与するpH緩衝剤やその他の
配合成分が溶解しにくくなる等の理由から好ましくな
い。なお、好ましい緩衝能は０．０１〜０．０５グラム
当量／ｌである。

【００１５】このような緩衝能は、染毛剤組成物にpH緩
衝剤、界面活性剤、キレート剤、染料、防腐剤等を添加
することによって付与することができる。このうち、pH
緩衝剤としては、pH２．０〜４．５の範囲で緩衝作用を
有する有機酸又は無機酸及び／又はその塩を用いること
ができる。有機酸としては、例えばクエン酸、グリコー
ル酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、
レブリン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マレイン酸、フ
マル酸、マンデル酸等を挙げることができ、無機酸とし
ては、例えばリン酸、硫酸、硝酸等を挙げることができ
る。また、これらの酸の塩としては、例えばナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミ
ン塩などのアルカノールアミン塩等を挙げることができ
る。緩衝能を与える化合物の配合量は特に規定されるも
のではなく、緩衝能を与える化合物の種類によって異な
る。例えば、主に緩衝能を与える化合物として、クエン
酸ナトリウム塩を用いた場合は、約２〜２．５％以上の
濃度で配合される。

【００１６】また、本発明の染毛剤組成物には、本発明
の効果を損なわない範囲で各種界面活性剤、カチオン性
重合体、油性成分、ヒドロキシエチルセルロースやキサ
ンタンガム等の増粘剤、シリコーン誘導体、香料、防腐
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、殺菌剤等を配合しても
よい。ここで界面活性剤としてはオレフィンスルホン
酸、アルカンスルホン酸、脂肪酸アルキルエーテルカル
ボン酸、Ｎ−アシルアミノ酸等のアニオン界面活性剤；
アミドベタイン、カルボベタイン、ヒドロキシスルホベ
タイン等の両性界面活性剤；モノもしくはジアルキル第
４級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤；ポリオキ
シアルキレンアルキルエーテル等の非イオン界面活性剤
のいずれも用いることができる。また、カチオン性重合
体としてはカチオン化セルロース、カチオン化澱粉、カ
チオン化グァガム、ジアリル４級アンモニウム塩重合
物、ジアリル４級アンモニウム塩／アクリルアミド共重
合物、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリル４
級アンモニウム共重合物等が挙げられる。また、油性成
分としては脂肪酸エステル類、直鎖又は分岐鎖のアルキ
ルグリセリルエーテル、分岐の高級アルコール等が挙げ
られる。

【００１７】本発明染毛剤組成物は上記成分を混合して
常法により製造でき、その使用方法は大別して２種存す
る。ヘアリンスと同様の使用方法の場合には、本発明染
毛剤組成物を、道具を用いず素手で取り、毛髪に塗布し
た後、３００秒以下の時間放置した後、すすげばよい。
約５〜１０回の使用で、白髪が目立たなくなる等の染毛
効果が得られる。染毛効果の観点から、放置時間は３０
秒〜３００秒が好ましい。一方、通常の染毛剤としての
使用方法の場合には、手袋やコーム等の道具を使用し
て、染毛剤組成物を毛髪に塗布し、１０〜３０分加温又
は室温放置することにより行われる。

【００１８】

【発明の効果】本発明染毛剤組成物は優れた染毛効果を
有し、不快な臭いがなく、かつ経時安定性も良好であ
る。

【００１９】

【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。

【００２０】実施例１下記組成の染毛剤組成物（pH３．５）を調製した。

【００２１】

【表１】（組成）（重量％）（１）酸性染料黒色４０１号０．０１５紫色４０１号０．０３０橙色２０５号０．０２０（２）１，３−ブタンジオール２５（３）ベンジルアルコール５（４）乳酸７（５）ポリエーテル変性シリコーン（ＫＦ３５２Ａ，信越化学製）０．５（６）キサンタンガム１（７）水酸化ナトリウム適量（８）着香用組成物^*1 １（９）精製水バランス合計１００

【００２２】*1：着香用組成物としては、下記のいずれ
かの組成物を用いた。

【００２３】

【表２】着香用組成物１（本発明）：（組成）（重量部）シス−３−ヘキセノール（act.１０％）（１群）２５シス−３−ヘキセニルサリシレート（１群）２５エチルトリシクロデカン−２−カルボキシレート（２群）２５アンバーコア（３群）７５ペンタライド（３群）２５０ラベンダーオイル２５エディオン^*2 ３００ジャスミンアブソリュート５０ミューゲベース２００ジエチルフタレート２５合計１０００

【００２４】

【表３】着香用組成物２（比較）：（組成）（重量部）レモンオイル５２５ライムオイル１５０ジャスミンアブソリュート１５エディオン^*2 ７５グレープフルーツオイル１５オレンジバレンシア１５０ベルガモットオイル４５ジエチルフタレート２５合計１０００

【００２５】*2：フィルメニヒ社製

【００２６】得られた染毛剤をヘアリンスと同様の使用
方法により使用したところ、数回の使用で白髪が目立た
なくなり、染色性が良好であった。また、これらの染毛
剤を４０℃、８０％ＲＨの恒温室に１ケ月間保存したと
ころ、着香用組成物１を配合した本発明染毛剤は変化を
認めなかったが、着香用組成物２を配合した比較染毛剤
は酸臭が発生し、実使用には適さなかった。

【００２７】実施例２下記組成の染毛剤組成物（pH４．０）を調製した。

【００２８】

【表４】（組成）（重量％）（１）酸性染料黒色４０１号０．００６紫色４０１号０．００３橙色２０５号０．０３５赤色１０６号０．００４（２）１，３−ブタンジオール２０（３）シス−３−ヘキセニルサリシレート（１群）０．００３（４）ｔｅｒｔ−ブチルシクロヘキシルアセテート（２群）０．００２（５）ムスクケトン（３群）０．０２（６）ペンタライド（３群）０．０１（７）Ｎ−メチルピロリドン１０（８）キサンタンガム１（９）水酸化ナトリウム適量（10）精製水バランス合計１００

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】次の成分（Ａ）、（Ｂ）及び（Ｃ）：（Ａ）酸性染料０．０１〜５重量％、（Ｂ）１，３−ブタンジオール０．１〜５０重量％、（Ｃ）下記の３群のうちの２以上の群から選ばれる２種以上の化合物０．００１〜３重量％、１群：ガルバナム、シス−３−ヘキセノール、シス−３
−ヘキセニルアセテート、シス−３−ヘキセニルサリ
シレート２群：ｔｅｒｔ−ブチルシクロヘキシルアセテート、
エチル２−シクロヘキシルプロピオネート、エチル
トリシクロデカン−２−カルボキシレート３群：パールライド、テンタローム、ペンタライド、ム
スクケトン、アンバーコアを含有し、pHが２．０〜４．５であることを特徴とする
染毛剤組成物。