JPH05309083A - 有底管用密封部材および密封部材付有底管 - Google Patents

有底管用密封部材および密封部材付有底管

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JPH05309083A
JPH05309083A JP3115475A JP11547591A JPH05309083A JP H05309083 A JPH05309083 A JP H05309083A JP 3115475 A JP3115475 A JP 3115475A JP 11547591 A JP11547591 A JP 11547591A JP H05309083 A JPH05309083 A JP H05309083A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有底管の内部が、陽圧となっても、容易に外
れることがなく、さらに、有底管への取り付けも容易な
有底管用密封部材およびそれを備えた有底管を提供す
る。 【構成】 本発明の密封部材は、一端に開口部を有し、
該開口部の内面に環状リブを有する有底管の該開口部に
取り付けられる弾性材料により形成された密封部材であ
って、該密封部材は、前記有底管の前記開口部の内面に
密着し、開口部を封止するための筒状部と、該筒状部の
外面に形成され、前記有底管の前記環状リブの一部と係
合する突起とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体試料の理化学的検
査、例えば血液の臨床血液、生化学検査などに用いられ
る有底管の開口端を密封するための密封部材およびそれ
を備えた有底管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、臨床検査、例えば生化学検
査、血清検査の際に種々の採血器具が用いられており、
例えば内部が減圧された採血管が使用されている。近
年、減圧採血管を用いて血液を採取した後、採血管の内
部の血液を自動的に採取し、検査する自動検査システム
が発達してきた。このため、ガラス製あるいはプラスチ
ック製の有底管の開口部を、気密性フィルムで密封し、
さらに気密性フィルムにシール部材を設けて、採血針の
後端に設けられた針先とのシールを行うものが提案され
てきており、この密封部材では、採血管の開口部をゴム
栓のように、開封した後、再密封できない。そこで、再
密封用の密封部材が要求されるようになってきた。その
ような、再密封用の密封部材としては、例えば、従来の
減圧採血管に用いられているゴム栓が使用できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、再密封に従来
の採血管に用いられているようなゴム栓を用いた場合、
有底管の内部が、何らかの原因、例えば、内部の細菌の
増殖により、陽圧となった際、ゴム栓が内部の圧力によ
り押されて、採血管より離脱することがあった。また、
従来のゴム栓では、有底管に嵌合させる際に、ゴム栓の
筒状部と有底管の開口部内面とが嵌入初期に密着し、そ
の後の嵌入において、有底管の内部の空気が圧縮され、
この圧縮による反発力により、有底管へのゴム栓の嵌合
が行えない場合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の目的
は、有底管の内部が、陽圧となっても、有底管より容易
に離脱することがなく、さらに、有底管への取り付けも
容易に行える密封部材およびそれを備えた有底管を提供
するものである。
【0005】上記目的を達成するものは、一端に開口部
を有し、該開口部の内面に環状リブを有する有底管の該
開口部に取り付けられる弾性材料により形成された密封
部材であって、該密封部材は、前記有底管の前記開口部
の内面に密着し、開口部を封止するための筒状部と、該
筒状部の外面に形成され、前記有底管の前記環状リブの
一部とのみ係合する突起とを有している有底管用密封部
材である。そして、前記突起は、複数設けられているこ
とが好ましい。
【0006】また、上記目的を達成するものは、一端に
開口部を有し、該開口部の内面に環状リブを有する有底
管と、該有底管の前記開口部に取り付けられる弾性材料
により形成された密封部材とからなり、該密封部材は、
前記有底管の前記開口部の内面に密着し、該開口部を封
止するための筒状部と、該筒状部の外面に形成され、前
記有底管の前記環状リブの一部とのみ係合する突起とを
有している密封部材付有底管である。
【0007】
【実施例】本発明の密封部材および有底管を図面に示す
実施例を用いて説明する。本発明の密封部材1は、一端
に開口部10を有し、開口部10の内面に環状リブ8を
有する有底管7の開口部10に取り付けられる弾性材料
により形成された密封部材1であって、密封部材1は、
有底管7の開口部10の内面に密着し、開口部10を封
止するための筒状部2と、筒状部2の外面に形成され、
有底管7の環状リブ8と部分的に係合する突起3とを有
している。
【0008】図1は、本発明の密封部材の一実施例の部
分破断断面図であり、図2は、本発明に使用される有底
管の一例の断面図であり、図3は、密封部材を取り付け
た状態の有底管の断面図である。そこで、第1図ないし
第3図を用いて、本発明の密封部材および有底管を具体
的に説明する。
【0009】本発明の密封部材付有底管は、有底管7
と、この有底管7の開口部10を密封する密封部材1と
からなっている。有底管7は、一端に開口部10を有
し、他端が閉塞した筒状体であり、閉塞端を除く部分
は、略円筒状となっている。また、図2および図3に示
すように、開口部10の内面には、始端および終端がな
く連続した環状リブ8が形成されている。さらに、図2
に示すものでは、有底管7の開口端に、有底管7の軸方
向に直行して、外方に突出する環状のフランジ9が設け
られている。そして、環状リブ8の大きさとしては、有
底管7の軸方向の長さが、0.1〜3.0mm程度が好
ましく、より好ましくは、0.5〜1.5mmである。
さらに、リブ8の高さとしては、0.01〜0.15m
m程度が好ましく、より好ましくは、0.03〜0.1
mmである。有底管7の材質としては、ガラス、合成樹
脂、例えば、アクリルニトリル系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレンテレフタレート、PMMA(ポリメチ
ルメタアクリレート)、ポリエルテル樹脂、スチレン樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン樹脂等により形成され、透明であることが好ましい。
また、ポリ塩化ビニルで有底管7を形成した場合は、塩
化ビニル中に含まれる安定剤が、採取された液体試料中
に溶出するのを防止するために、有底管7の内面に溶出
防止剤をコーティングすることが好ましい。
【0010】そして、密封部材1は、有底管7の開口部
10を密着し、この開口部10を密封するための筒状部
2を有している。このため、筒状部2は、有底管7の開
口部10の内径と同程度の外径を有している。さらに、
この筒状部2の外周面には、外周面の全体に延びること
なく、断続的に形成された複数の突起3が形成されてい
る。このリブ3は、図3に示すように、有底管7の環状
リブ8と係合し、有底管7の内部が陽圧となった際の反
発力に対抗し、密封部材1が、有底管7より離脱するこ
とを防止する。
【0011】そして、突起3は、筒状部2外周面の全体
に延びることなく、形成されており、突起3は、有底管
7の環状リブ8の全体とではなく、部分的に係合してい
る。また、突起3は、1つでもよいが、好ましくは、図
1に示すように、ほぼ等間隔離間して複数設けることで
ある。このように、突起3を、筒状部2の外周面の全体
に延びることなく、形成することにより、有底管に嵌合
させる際に、密封部材1の筒状部2と有底管7の開口部
10との嵌入初期状態において、突起3が有底管7の開
口部の内面に接触し、密封部材1の筒状部2と有底管7
の開口部10の内面との完全密着を抑制し、突起3の付
近に、空気の流路を形成するので、有底管の内部の空気
が圧縮されることがなく、有底管7に密封部材を容易に
取り付けることができる。突起3の数としては、2〜8
が好ましく、より好ましくは、4〜6個である。また、
突起3の大きさとしては、密封部材1の軸方向の長さ
が、0.1〜2.0mm程度が好ましく、より好ましく
は、0.5〜1.0mmである。さらに、突起3の高さ
としては、0.05〜1.0mm程度が好ましく、より
好ましくは、0.1〜0.3mmである。
【0012】密封部材1の材質としては、弾性材料であ
れば、いずれでもよく、例えば、ポリエチレンエラスト
マー、ポリプロピレンエラストマーなどのポリオレフィ
ンエラストマー、天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプ
レンゴム、シリコーンゴム等のゴム材質、またはスチレ
ン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合体
などが好適に使用できる。
【0013】そして、本発明の密封部材1は、例えば、
減圧採血管で採血された血液の再封止用の密封部材とし
て用いられ、特に減圧採血管がゴム栓のかわりにガスバ
リヤー性フィルムとシール性ゴムとを用いた再封止でき
ないフィルムシールタイプ採血管の再封止用密封部材と
して有用である。また、液体試料としては、血液に限ら
ず培養物などにも使用できる。
【0014】
【発明の効果】本発明の密封部材は、一端に開口部を有
し、該開口部の内面に環状リブを有する有底管の該開口
部に取り付けられる弾性材料により形成された密封部材
であって、該密封部材は、前記有底管の前記開口部の内
面に密着し、開口部を封止するための筒状部と、該筒状
部の外面に形成され、前記有底管の前記環状リブの一部
とのみ係合する突起とを有しているので、この突起と環
状リブとの係合により、有底管の内部が陽圧となった際
の反発力に対抗し、有底管より密封部材が離脱すること
を防止し、さらに、密封部材を有底管に嵌合させる際
に、密封部材の筒状部と有底管の開口部との嵌入初期状
態において、突起が有底管の開口部の内面に接触し、密
封部材の筒状部と有底管の開口部の内面との完全密着を
抑制し、突起の付近に、空気の流路を形成するので、有
底管の内部の空気が圧縮されることがなく、有底管に密
封部材を容易に取り付けることができる。
【0015】また、本発明の密封部材付有底管は、一端
に開口部を有し、該開口部の内面に環状リブを有する有
底管と、該有底管の前記開口部に取り付けられる弾性材
料により形成された密封部材とからなり、該密封部材
は、前記有底管の前記開口部の内面に密着し、該開口部
を封止するための筒状部と、該筒状部の外面に形成さ
れ、前記有底管の前記環状リブの一部とのみ係合する突
起とを有しているので、この突起と環状リブとの係合に
より、有底管の内部が陽圧となった際の反発力に対抗
し、有底管より密封部材が離脱することを防止し、さら
に、密封部材を有底管に嵌合させる際に、密封部材の筒
状部と有底管の開口部との嵌入初期状態において、突起
が有底管の開口部の内面に接触し、密封部材の筒状部と
有底管の開口部の内面との完全密着を抑制し、突起の付
近に、空気の流路を形成するので、有底管の内部の空気
が圧縮されることがなく、有底管に密封部材を容易に取
り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の密封部材の一実施例を示す部
分破断断面図である。
【図2】図2は、本発明に使用される有底管の一例の断
面図である。
【図2】図3は、本発明の密封部材付有底管の一実施例
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 密封部材 2 筒状部 3 突起 4 把持部 7 有底管 8 環状リブ 9 フランジ 10 開口部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の密封部材の一実施例を示す部
分破断断面図である。
【図2】図2は、本発明に使用される有底管の一例の断
面図である。
【図】図3は、本発明の密封部材付有底管の一実施例
を示す断面図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に開口部を有し、該開口部の内面に
    環状リブを有する有底管の該開口部に取り付けられる弾
    性材料により形成された密封部材であって、該密封部材
    は、前記有底管の前記開口部の内面に密着し、開口部を
    封止するための筒状部と、該筒状部の外面に形成され、
    前記有底管の前記環状リブの一部とのみ係合する突起と
    を有していることを特徴とする有底管用密封部材。
  2. 【請求項2】 前記突起は、複数設けられている請求項
    1に記載の有底管用密封部材。
  3. 【請求項3】 一端に開口部を有し、該開口部の内面に
    環状リブを有する有底管と、該有底管の前記開口部に取
    り付けられる弾性材料により形成された密封部材とから
    なり、該密封部材は、前記有底管の前記開口部の内面に
    密着し、該開口部を封止するための筒状部と、該筒状部
    の外面に形成され、前記有底管の前記環状リブの一部と
    のみ係合する突起とを有していることを特徴とする密封
    部材付有底管。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000230904A (ja) * 1999-02-08 2000-08-22 Terumo Corp 成分測定用チップ
WO2014136676A1 (ja) * 2013-03-03 2014-09-12 Kakuda Shinichiro 押し栓構造を備えたストッパー付きチューブ
JP2016130673A (ja) * 2015-01-14 2016-07-21 オリンパス株式会社 顕微鏡観察用試料保持容器

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