JPH05308977A - 光学活性な3,5−ジヒドロキシ脂肪酸エステル誘導体の製造法 - Google Patents
光学活性な3,5−ジヒドロキシ脂肪酸エステル誘導体の製造法Info
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- JPH05308977A JPH05308977A JP11894392A JP11894392A JPH05308977A JP H05308977 A JPH05308977 A JP H05308977A JP 11894392 A JP11894392 A JP 11894392A JP 11894392 A JP11894392 A JP 11894392A JP H05308977 A JPH05308977 A JP H05308977A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 HMG−CoA還元酵素阻害剤の中間体とし
て極めて有用なsyn型の立体配置を有する光学活性3,5
−ジヒドロキシ脂肪酸エステル誘導体を効率的に製造す
る。 【構成】 一般式(1): 【化1】 [式中、R1は低級アルコキシカルボニル基、カルボキシ
ル基、シアノメチル基、保護されていてもよいヒドロキ
シメチル基、又はハロメチル基を表し、R2はH又は一
般的なアルコール保護基を表し、R3は低級アルキル基
を表す。]で示される光学活性な5−ヒドロキシ−3−
ケト脂肪酸エステル誘導体を、カンジダ属、デバリオマ
イセス属、ハンゼヌラ属及びトリゴノプシス属から成る
群から選択する微生物を用いて、3位のケト基を立体特
異的に還元することによって、一般式(2): 【化2】 [式中、R1、R2及びR3は前記と同義である。]で示さ
れるsyn型の立体配置を有する光学活性な(3R)−3,5
−ジヒドロキシ脂肪酸エステル誘導体を製造する。
て極めて有用なsyn型の立体配置を有する光学活性3,5
−ジヒドロキシ脂肪酸エステル誘導体を効率的に製造す
る。 【構成】 一般式(1): 【化1】 [式中、R1は低級アルコキシカルボニル基、カルボキシ
ル基、シアノメチル基、保護されていてもよいヒドロキ
シメチル基、又はハロメチル基を表し、R2はH又は一
般的なアルコール保護基を表し、R3は低級アルキル基
を表す。]で示される光学活性な5−ヒドロキシ−3−
ケト脂肪酸エステル誘導体を、カンジダ属、デバリオマ
イセス属、ハンゼヌラ属及びトリゴノプシス属から成る
群から選択する微生物を用いて、3位のケト基を立体特
異的に還元することによって、一般式(2): 【化2】 [式中、R1、R2及びR3は前記と同義である。]で示さ
れるsyn型の立体配置を有する光学活性な(3R)−3,5
−ジヒドロキシ脂肪酸エステル誘導体を製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微生物を用いて、光学
活性なS−又はR−5−ヒドロキシ−3−ケト脂肪酸エ
ステル誘導体を還元して、syn型の立体配置を有する光
学活性(3R)−3,5−ジヒドロキシ脂肪酸エステル誘
導体を製造する方法に関する。光学活性3,5−ジヒド
ロキシ脂肪酸エステル誘導体は、医薬品合成の中間体と
して重要である。特に、syn型の立体配置を有する(3
R,5S)−3,5,6−トリヒドロキシヘキサン酸エステ
ル誘導体、(2S,4R)−2,4−ジヒドロキシアジピン
酸エステル誘導体等の3,5−ジヒドロキシ脂肪酸エス
テル誘導体は、ヒドロキシメチルグルタリル−CoA(H
MG−CoA)還元酵素阻害剤の中間体として有用なこと
が知られている。
活性なS−又はR−5−ヒドロキシ−3−ケト脂肪酸エ
ステル誘導体を還元して、syn型の立体配置を有する光
学活性(3R)−3,5−ジヒドロキシ脂肪酸エステル誘
導体を製造する方法に関する。光学活性3,5−ジヒド
ロキシ脂肪酸エステル誘導体は、医薬品合成の中間体と
して重要である。特に、syn型の立体配置を有する(3
R,5S)−3,5,6−トリヒドロキシヘキサン酸エステ
ル誘導体、(2S,4R)−2,4−ジヒドロキシアジピン
酸エステル誘導体等の3,5−ジヒドロキシ脂肪酸エス
テル誘導体は、ヒドロキシメチルグルタリル−CoA(H
MG−CoA)還元酵素阻害剤の中間体として有用なこと
が知られている。
【0002】
【従来の技術】光学活性3,5−ジヒドロキシ脂肪酸エ
ステル誘導体を得るために、5−ヒドロキシ−3−オキ
ソ脂肪酸エステル誘導体を還元する方法として、トリエ
チルボランを用いる方法[ケミストリー・レターズ(Che
m.Lett.)、1923−1926(1981)及びテトラ
ヘドロン・レターズ(Tetrahedron Lett.)、28、1
55(1987)]、不斉触媒を用いて接触水素還元する
方法(特開平2−289537号)及びチタンイソプロポ
キサイドを用いて還元する方法[ジャーナル・オブ・オ
ーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、56、4
050(1991)]が知られている。
ステル誘導体を得るために、5−ヒドロキシ−3−オキ
ソ脂肪酸エステル誘導体を還元する方法として、トリエ
チルボランを用いる方法[ケミストリー・レターズ(Che
m.Lett.)、1923−1926(1981)及びテトラ
ヘドロン・レターズ(Tetrahedron Lett.)、28、1
55(1987)]、不斉触媒を用いて接触水素還元する
方法(特開平2−289537号)及びチタンイソプロポ
キサイドを用いて還元する方法[ジャーナル・オブ・オ
ーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、56、4
050(1991)]が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の化学的な合成法
は、高価な試薬を必要とする、触媒の調製が煩雑であ
る、超低温あるいは高温・高圧で反応を行わなければな
らない等、いずれの方法も工業的製法としては、改善す
べき点を有している。従って、本発明の目的は、syn型
の立体配置を有する光学活性3,5−ジヒドロキシ脂肪
酸エステル誘導体を、高価な試薬を使わず、穏やかな条
件下で製造することのできる方法を提供することであ
る。
は、高価な試薬を必要とする、触媒の調製が煩雑であ
る、超低温あるいは高温・高圧で反応を行わなければな
らない等、いずれの方法も工業的製法としては、改善す
べき点を有している。従って、本発明の目的は、syn型
の立体配置を有する光学活性3,5−ジヒドロキシ脂肪
酸エステル誘導体を、高価な試薬を使わず、穏やかな条
件下で製造することのできる方法を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】光学活性なS−又はR−
5−ヒドロキシ−3−オキソ脂肪酸エステル誘導体の還
元に、ある種の微生物を用いると、穏やかな条件下に、
syn型の立体配置を有する光学活性(3R,5S)−又は
(3R,5R)−3,5−ジヒドロキシ脂肪酸エステル誘導
体を立体特異的に製造できることがわかった。
5−ヒドロキシ−3−オキソ脂肪酸エステル誘導体の還
元に、ある種の微生物を用いると、穏やかな条件下に、
syn型の立体配置を有する光学活性(3R,5S)−又は
(3R,5R)−3,5−ジヒドロキシ脂肪酸エステル誘導
体を立体特異的に製造できることがわかった。
【0005】すなわち、本発明は、一般式(1):
【化3】 [式中、R1は低級アルコキシカルボニル基、カルボキシ
ル基、シアノメチル基、保護されていてもよいヒドロキ
シメチル基、又はハロメチル基を表し、R2はH又は一
般的なアルコール保護基を表し、R3は低級アルキル基
を表す。]で示される光学活性な5−ヒドロキシ−3−
ケト脂肪酸エステル誘導体を、カンジダ(Candida)
属、デバリオマイセス(Debaryomyces)属、ハンゼヌラ
(Hansenula)属及びトリゴノプシス(Trigonopsis)属
から成る群から選択する微生物を用いて、3位のケト基
を立体特異的に還元することを特徴とする、一般式
(2):
ル基、シアノメチル基、保護されていてもよいヒドロキ
シメチル基、又はハロメチル基を表し、R2はH又は一
般的なアルコール保護基を表し、R3は低級アルキル基
を表す。]で示される光学活性な5−ヒドロキシ−3−
ケト脂肪酸エステル誘導体を、カンジダ(Candida)
属、デバリオマイセス(Debaryomyces)属、ハンゼヌラ
(Hansenula)属及びトリゴノプシス(Trigonopsis)属
から成る群から選択する微生物を用いて、3位のケト基
を立体特異的に還元することを特徴とする、一般式
(2):
【化4】 [式中、R1、R2及びR3は前記と同義である。]で示さ
れるsyn型の立体配置を有する光学活性な(3R)−3,5
−ジヒドロキシ脂肪酸エステル誘導体の製造法に関す
る。
れるsyn型の立体配置を有する光学活性な(3R)−3,5
−ジヒドロキシ脂肪酸エステル誘導体の製造法に関す
る。
【0006】化合物(1)および(2)は、R1がシアノメ
チル基の場合は(5R)−ヒドロキシ体であり、R1がそ
の他の基の場合は(5S)−ヒドロキシ体となる。
チル基の場合は(5R)−ヒドロキシ体であり、R1がそ
の他の基の場合は(5S)−ヒドロキシ体となる。
【0007】前述式(1)及び(2)において、R1で表さ
れる低級アルコキシカルボニル基としては、メトキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボ
ニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボ
ニル基、イソブトキシカルボニル基、t−ブトキシカル
ボニル基等、好ましくはエトキシカルボニル基、イソプ
ロポキシカルボニル基が挙げられる。R1で表されるヒ
ドロキシメチル基の保護基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチ
ル基等の低級アルキル基、ベンジル基等のアラルキル
基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、t−ブチ
ルジフェニルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、
トリメチルシリル基等のシリル基、トシル基、メシル基
等のスルホニル基が挙げられる。R1で表されるハロメ
チル基としては、クロロメチル基、ブロムメチル基、ヨ
ードメチル基等が挙げられる。R3で表される低級アル
キル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、t−ブチル、イソブチル等、好ましくはt
−ブチル基が挙げられる。
れる低級アルコキシカルボニル基としては、メトキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボ
ニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボ
ニル基、イソブトキシカルボニル基、t−ブトキシカル
ボニル基等、好ましくはエトキシカルボニル基、イソプ
ロポキシカルボニル基が挙げられる。R1で表されるヒ
ドロキシメチル基の保護基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチ
ル基等の低級アルキル基、ベンジル基等のアラルキル
基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、t−ブチ
ルジフェニルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、
トリメチルシリル基等のシリル基、トシル基、メシル基
等のスルホニル基が挙げられる。R1で表されるハロメ
チル基としては、クロロメチル基、ブロムメチル基、ヨ
ードメチル基等が挙げられる。R3で表される低級アル
キル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、t−ブチル、イソブチル等、好ましくはt
−ブチル基が挙げられる。
【0008】本発明の方法において3R−ヒドロキシ体
を生成する微生物は、カンジダ属、デバリオマイセス
属、ハンゼヌラ属及びトリゴノプシス属の微生物であ
る。
を生成する微生物は、カンジダ属、デバリオマイセス
属、ハンゼヌラ属及びトリゴノプシス属の微生物であ
る。
【0009】本発明の原料である5−ヒドロキシ−3−
ケト脂肪酸エステル誘導体(1)は、その構造に応じて種
々の方法を利用して合成できる。例えば一般式(1)にお
いて、R1がイソプロポキシカルボニル基、R2がH、R
3がt−ブチル基である2−ヒドロキシ−4−オキソアジ
ピン酸1−イソプロピル6−t−ブチルの場合、リンゴ
酸をアセトニド化した後、2炭素増炭反応に付し、エス
テル化することによって合成できる。
ケト脂肪酸エステル誘導体(1)は、その構造に応じて種
々の方法を利用して合成できる。例えば一般式(1)にお
いて、R1がイソプロポキシカルボニル基、R2がH、R
3がt−ブチル基である2−ヒドロキシ−4−オキソアジ
ピン酸1−イソプロピル6−t−ブチルの場合、リンゴ
酸をアセトニド化した後、2炭素増炭反応に付し、エス
テル化することによって合成できる。
【化5】
【0010】本発明方法において、使用する微生物は、
液体培地に菌株を培養して得られた培養物、培養液から
分離した菌体、あるいは菌体もしくは培養物を処理して
得られる乾燥菌体、又は固定化菌体等のいずれの形態の
ものも用いることができる。操作は回分式、半回分式、
または連続式のいずれでも行うことができる。
液体培地に菌株を培養して得られた培養物、培養液から
分離した菌体、あるいは菌体もしくは培養物を処理して
得られる乾燥菌体、又は固定化菌体等のいずれの形態の
ものも用いることができる。操作は回分式、半回分式、
または連続式のいずれでも行うことができる。
【0011】本発明の方法の好ましい一態様を次に説明
する。まず、pH3〜8の液体培地10mlに斜面培地よ
り種菌を接種し、10〜50℃で1〜5日間好気的に振
とう培養した後、遠心分離により菌体を得る。次いで、
この菌体に、グルコース4%濃度の緩衝液(pH3〜8)
5mlを加え、10〜50℃で1時間前培養した後、5−
ヒドロキシ−3−ケト脂肪酸エステル誘導体(1)1〜1
00g/lを添加し、10〜50℃で数時間ないし5日間
振とうする。反応終了後、生成した反応溶液中の3,5
−ジヒドロキシ脂肪酸エステル誘導体(2)を、有機溶媒
による抽出等の操作により回収する。
する。まず、pH3〜8の液体培地10mlに斜面培地よ
り種菌を接種し、10〜50℃で1〜5日間好気的に振
とう培養した後、遠心分離により菌体を得る。次いで、
この菌体に、グルコース4%濃度の緩衝液(pH3〜8)
5mlを加え、10〜50℃で1時間前培養した後、5−
ヒドロキシ−3−ケト脂肪酸エステル誘導体(1)1〜1
00g/lを添加し、10〜50℃で数時間ないし5日間
振とうする。反応終了後、生成した反応溶液中の3,5
−ジヒドロキシ脂肪酸エステル誘導体(2)を、有機溶媒
による抽出等の操作により回収する。
【0012】前記培地は、炭素源として、グルコース、
シュークロース等の糖質、エタノール、グリセロール等
のアルコール類、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸
及びそのエステル類、菜種油、大豆油等の油類、窒素源
として、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、ペプト
ン、カザミノ酸、コーンスティープリカー、ふすま、酵
母エキス等、無機塩類として、硫酸マグネシウム、塩化
ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸1水素カリウム、
リン酸2水素カリウム等、他の栄養源として、麦芽エキ
ス、肉エキス等を含有し得る。
シュークロース等の糖質、エタノール、グリセロール等
のアルコール類、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸
及びそのエステル類、菜種油、大豆油等の油類、窒素源
として、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、ペプト
ン、カザミノ酸、コーンスティープリカー、ふすま、酵
母エキス等、無機塩類として、硫酸マグネシウム、塩化
ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸1水素カリウム、
リン酸2水素カリウム等、他の栄養源として、麦芽エキ
ス、肉エキス等を含有し得る。
【0013】微生物による5−ヒドロキシ−3−ケト脂
肪酸エステル誘導体(1)の還元の結果、菌体内の還元体
補酵素が減少し、やがて反応は停止する。反応を続ける
ためには還元体補酵素を再生することが望ましい。その
ためには、通常、上記の炭素源を添加すればよい。
肪酸エステル誘導体(1)の還元の結果、菌体内の還元体
補酵素が減少し、やがて反応は停止する。反応を続ける
ためには還元体補酵素を再生することが望ましい。その
ためには、通常、上記の炭素源を添加すればよい。
【0014】以下に実施例を挙げ、本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
【0015】
実施例1〜4 グルコース(40g)、酵母エキス(3g)、KH2PO4(0.
7g)、(NH4)2HPO4(1.3g)、MgSO4・7H2O
(0.8g)、ZnSO4・7H2O(0.06g)、FeSO4・
7H2O(0.09g)、CuSO4・7H2O(0.005g)、
MnSO4(0.01g)、NaCl(0.1g)及び水(1L)から
なる液体培地(pH=6.8)を試験管に10mlずつ分注
し、オートクレーブにて121℃で20分間、加熱殺菌
した。各培地に、斜面培地から表1に記載した各種の菌
株をそれぞれ接種し、30℃で1〜2日間、好気的に振
とう培養した。培養後、遠心分離により集菌し、0.1
Mリン酸緩衝液(pH=7.0)で洗浄した後、グルコース
4%を含む0.1Mリン酸緩衝液(pH=7.0)5mlを加
え、30℃で1時間培養した。次いで、2(S)−ヒドロ
キシ−4−ケトアジピン酸1−イソプロピル6−t−ブ
チル0.5%を加え、30℃で24時間振とうした。
7g)、(NH4)2HPO4(1.3g)、MgSO4・7H2O
(0.8g)、ZnSO4・7H2O(0.06g)、FeSO4・
7H2O(0.09g)、CuSO4・7H2O(0.005g)、
MnSO4(0.01g)、NaCl(0.1g)及び水(1L)から
なる液体培地(pH=6.8)を試験管に10mlずつ分注
し、オートクレーブにて121℃で20分間、加熱殺菌
した。各培地に、斜面培地から表1に記載した各種の菌
株をそれぞれ接種し、30℃で1〜2日間、好気的に振
とう培養した。培養後、遠心分離により集菌し、0.1
Mリン酸緩衝液(pH=7.0)で洗浄した後、グルコース
4%を含む0.1Mリン酸緩衝液(pH=7.0)5mlを加
え、30℃で1時間培養した。次いで、2(S)−ヒドロ
キシ−4−ケトアジピン酸1−イソプロピル6−t−ブ
チル0.5%を加え、30℃で24時間振とうした。
【0016】反応後、遠心分離により菌体を除去し、高
圧液体クロマトグラフィー[ファインパック(Finepak)
C1815、溶離液アセトニトリル/水=1/1、流速1ml
/分、検出波長210nm]にて各反応溶液の2,4−ジヒ
ドロキシアジピン酸1−イソプロピル6−t−ブチルの
生成量を測定した。反応溶液からヘキサンにより抽出し
た2,4−ジヒドロキシアジピン酸1−イソプロピル6
−t−ブチルの光学純度を、高圧液体クロマトグラフィ
ー[キラルセル(Chiralcel)OD、溶離液ヘキサン/イ
ソプロパノール=20/1、流速2ml/分、検出波長2
10nm]にて測定し、異性体過剰率[%d.e.: {(4Rヒド
ロキシ体%−4Sヒドロキシ体%)/(4Rヒドロキシ体
%+4Sヒドロキシ体%)}×100%]を求めた。その
結果は表1に示す通りであった。
圧液体クロマトグラフィー[ファインパック(Finepak)
C1815、溶離液アセトニトリル/水=1/1、流速1ml
/分、検出波長210nm]にて各反応溶液の2,4−ジヒ
ドロキシアジピン酸1−イソプロピル6−t−ブチルの
生成量を測定した。反応溶液からヘキサンにより抽出し
た2,4−ジヒドロキシアジピン酸1−イソプロピル6
−t−ブチルの光学純度を、高圧液体クロマトグラフィ
ー[キラルセル(Chiralcel)OD、溶離液ヘキサン/イ
ソプロパノール=20/1、流速2ml/分、検出波長2
10nm]にて測定し、異性体過剰率[%d.e.: {(4Rヒド
ロキシ体%−4Sヒドロキシ体%)/(4Rヒドロキシ体
%+4Sヒドロキシ体%)}×100%]を求めた。その
結果は表1に示す通りであった。
【表1】 実施例 菌株 収率 異性体過剰率 番号 (%) (%d.e.) 1 カンジダ・ギリエルモンディ 98 84 (Candida guilliermondii) IFO 0454 2 デバリオマイセス スピーシーズ 88 92 (Debaryomyces sp.G list et Guiel) IFO 0064 3 ハンゼヌラ・サツルヌス 100 80 (Hansenula saturnus) IFO 0809 4 トリゴノプシス・バリアビリス 94 16 (Trigonopsis variabilis) IFO 0671
【0017】実施例5 実施例1〜4と同様の手順に従って、ハンゼヌラ・サツ
ルヌスIFO 0809を用い、2(S)−ヒドロキシ−
4−ケトアジピン酸1−エチル6−t−ブチルを2,4−
ジヒドロキシアジピン酸1−エチル6−t−ブチルに変
換した。 収率=87% 異性体過剰率[{(4Rヒドロキシ体%−4Sヒドロキシ
体%)/(4Rヒドロキシ体%+4Sヒドロキシ体%)}×
100%]=74%d.e.
ルヌスIFO 0809を用い、2(S)−ヒドロキシ−
4−ケトアジピン酸1−エチル6−t−ブチルを2,4−
ジヒドロキシアジピン酸1−エチル6−t−ブチルに変
換した。 収率=87% 異性体過剰率[{(4Rヒドロキシ体%−4Sヒドロキシ
体%)/(4Rヒドロキシ体%+4Sヒドロキシ体%)}×
100%]=74%d.e.
【0018】実施例6 実施例1〜4と同様の手順に従って、ハンゼヌラ・サツ
ルヌスIFO 0809を用い、6−ベンゾイロキシ−
5(S)−ヒドロキシ−3−ケトヘキサン酸t−ブチルを
6−ベンゾイロキシ−3,5−ジヒドロキシ−ヘキサン
酸t−ブチルに変換した。 収率=15% 異性体過剰率[{(3Rヒドロキシ体%−3Sヒドロキシ
体%)/(3Rヒドロキシ体%+3Sヒドロキシ体%)}×
100%]=60%d.e.
ルヌスIFO 0809を用い、6−ベンゾイロキシ−
5(S)−ヒドロキシ−3−ケトヘキサン酸t−ブチルを
6−ベンゾイロキシ−3,5−ジヒドロキシ−ヘキサン
酸t−ブチルに変換した。 収率=15% 異性体過剰率[{(3Rヒドロキシ体%−3Sヒドロキシ
体%)/(3Rヒドロキシ体%+3Sヒドロキシ体%)}×
100%]=60%d.e.
【0019】
【発明の効果】本発明の方法により、HMG−CoA還
元酵素阻害剤の中間体として極めて有用なsyn型の立体
配置を有する光学活性3,5−ジヒドロキシ脂肪酸エス
テル誘導体を効率的に製造することができる。
元酵素阻害剤の中間体として極めて有用なsyn型の立体
配置を有する光学活性3,5−ジヒドロキシ脂肪酸エス
テル誘導体を効率的に製造することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 7/62 C12R 1:78)
Claims (6)
- 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 [式中、R1は低級アルコキシカルボニル基、カルボキシ
ル基、シアノメチル基、保護されていてもよいヒドロキ
シメチル基、又はハロメチル基を表し、R2はH又は一
般的なアルコール保護基を表し、R3は低級アルキル基
を表す。]で示される光学活性な5−ヒドロキシ−3−
ケト脂肪酸エステル誘導体を、カンジダ属、デバリオマ
イセス属、ハンゼヌラ属及びトリゴノプシス属から成る
群から選択する微生物を用いて、3位のケト基を立体特
異的に還元することを特徴とする、一般式(2): 【化2】 [式中、R1、R2及びR3は前記と同義である。]で示さ
れるsyn型の立体配置を有する光学活性な(3R)−3,5
−ジヒドロキシ脂肪酸エステル誘導体の製造法。 - 【請求項2】 R1が、低級アルキル基、アラルキル
基、アシル基又はシリル基で保護されたヒドロキシメチ
ル基である請求項1記載の製造法。 - 【請求項3】 R1が、ベンゾイル基で保護されたヒド
ロキシメチル基である請求項1又は2記載の製造法。 - 【請求項4】 R1が低級アルコキシカルボニル基であ
る請求項1記載の製造法。 - 【請求項5】 R1がイソプロポキシカルボニル基であ
る請求項1又は4記載の製造法。 - 【請求項6】 R3がt−ブチル基である請求項1〜5の
いずれかに記載の製造法。
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