JPH05306774A - エンジン - Google Patents

エンジン

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JPH05306774A
JPH05306774A JP14014192A JP14014192A JPH05306774A JP H05306774 A JPH05306774 A JP H05306774A JP 14014192 A JP14014192 A JP 14014192A JP 14014192 A JP14014192 A JP 14014192A JP H05306774 A JPH05306774 A JP H05306774A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
cylinder
segment
inclined surface
slap
Prior art date
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Pending
Application number
JP14014192A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Kaneko
裕章 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP14014192A priority Critical patent/JPH05306774A/ja
Publication of JPH05306774A publication Critical patent/JPH05306774A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ピストンクリアランスを充分に確保して焼付
きを防止し、且つピスト上、下死点近傍でのピストンス
ラップを的確に低減する。 【構成】 シリンダ3の内部に往復移動可能に挿入され
るピストン10のスカート部10bに凹部13を設け、
この凹部13の底にピストン往復移動方向に対して谷形
に傾いた傾斜面13a,13bを形成し、この傾斜面1
3a,13bの箇所にそれぞれセグメント14,15を
装着し、ピストン上、下死点で運動方向が急激に変化す
る場合に、セグメント14,15に作用する慣性力と傾
斜面13a,13bでスラスト力を生じ、このスラスト
力によりピストン10をシリンダ3の一方に押付けてピ
ストンスラップを低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、4サイクル等のレシプ
ロ型エンジンに関し、詳しくは、ピストンがシリンダの
壁面を叩くピストンスラップを低減する手段に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、レシプロ型エンジンは、シリン
ダに挿入されて直線的に往復運動するピストンが、コン
ロッドを介してクランク軸に連結され、ピストンの往復
運動をクランク軸の回転動力に変換して出力するように
構成されている。ここでピストンとシリンダの間には、
所定のピストンクリアランスが設けられ、高い燃焼温度
によるピストンとシリンダの熱膨張差を吸収して、ピス
トンの焼付きを防止している。またピストン上、下死点
ではピストンの運動方向が急激に変わり、このときピス
トン、コンロッド、クランク軸の力学的特性、燃焼圧等
により、ピストンが傾いて振動する。そこでこのような
ピストンのクリアランスや振動により、ピストンがシリ
ンダの壁面を叩くピストンスラップを生じることが知ら
れている。このことから、このピストンスラップを低減
してその騒音を減じ、耐久性を増大することが望まれて
いる。
【0003】従来、上記ピストンスラップの低減に関し
ては、例えば特公昭57−49723号公報の先行技術
がある。ここでピストンの下死点近傍でポンプ作動して
潤滑油をシリンダ内に注入し、比較的厚い油膜を形成
し、この油膜の存在によりピストンがその運動方向を変
える際の傾きを規制してピストンスラップを低減するこ
とが示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先行技
術のものにあっては、潤滑油の油膜を用いてピストンの
傾き、振動を規制する方法であるから、潤滑油の使用量
が多くなり、ピストンの上死点側には適応できない。ま
た油膜の厚さ等には限界があるので、ピストンクリアラ
ンスが多くなると、効果が低下する等の問題がある。
【0005】本発明は、この点に鑑みてなされたもの
で、ピストンクリアランスを充分に確保して焼付きを防
止し、且つピストン上、下死点近傍でのピストンスラッ
プを的確に低減することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、シリンダの内部に往復移動可能に挿入さ
れるピストンのスカート部に少なくとも1つの凹部を設
け、この凹部の底にピストン往復移動方向に対して傾い
た傾斜面を形成し、この傾斜面の箇所にセグメントを傾
斜面とシリンダとの間に挟み込むように装着するもので
ある。
【0007】
【作用】上記構成に基づき、エンジン運転時のピストン
上、下死点においてピストンの運動方向が急激に変化す
ると、セグメントに作用する慣性力が最大となって凹部
の傾斜面とシリンダの間に挟み込まれ、このとき傾斜面
で慣性力の水平方向分力によるスラスト力を生じ、この
スラスト力で強制的にピストンをシリンダの一方へ押付
けてピストンスラップを低減するようになる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図3においてディーゼルエンジンの概略について
説明すると、符号1はシリンダブロック、2はシリンダ
ヘッドであり、シリンダブロック1にシリンダ3が形成
され、シリンダ3の内部にピストン10が往復移動可能
に挿入されている。またシリンダブロック1の内部には
クランク軸4が回転自在に設置され、このクランク軸4
がコンロッド5、ピストンピン6を介してピストン10
に連結され、シリンダ3の上方にバルブ7等が配置され
ている。ピストン10はヘッド部10aに所定の形状の
燃焼室11が形成され、ヘッド部10aの近くの周面に
ピストンリング12が取付けられて、気密を保つと共に
オイルが燃焼室11に入るのを防止している。ここでシ
リンダ3とピストン10との間には所定のピストンクリ
アランスが設けられ、高い燃焼温度による熱膨張差を吸
収することが可能になっている。
【0009】図1と図2において、上記エンジンのピス
トンスラップ防止手段について説明する。先ずピストン
10のスカート部10bの一部に凹部13が形成され、
この凹部13の内部に2つのセグメント14,15が設
置されている。凹部13は、ピストン軸方向に沿った細
長い長方形に形成され、底の上下に山形に傾斜する2つ
の傾斜面13a,13bが形成され、これらの2つの傾
斜面13a,13bは略等しい傾斜角度で相互に逆方向
に傾いている。上方のセグメント14は上方の傾斜面1
3aと同一に傾斜する底面14aを有して、凹部13よ
り少し突出する大きさに形成され、下方のセグメント1
5は下方の傾斜面13bと同一に傾斜する底面15aを
有して、同様に凹部13より少し突出する大きさに形成
されている。
【0010】そして上方のセグメント14は凹部13の
内部のヘッド側半分の領域に、他方のセグメント15は
反対側の半分の領域にそれぞれ上下動可能に挿入され
る。これによりピストン10の上昇中または下降中で
は、2つのセグメント14,15がピストン10と一緒
に移動する。またピストン上、下死点でピストン10の
運動方向が急激に変化するときに、2つのセグメント1
4,15に作用する慣性力が最大となり、上死点近傍で
は上方のセグメント14を傾斜面13aとシリンダ3と
の間に挟み込み、下死点近傍では下方のセグメント15
を傾斜面13bとシリンダ3との間に挟み込むように構
成される。
【0011】ここで、両セグメント14,15の合計重
量をW、クランク軸4の半径をr、角速度をω、重力加
速度をgとすると、両セグメント14,15に作用する
慣性力F1 は、 F1 =W・r・ω2 /g となる。そこで例えばピストン上死点で傾斜面13aに
セグメント14が楔状に挟み込んだ場合では、速度が零
であって摩擦係数を無視することができ、傾斜角度をα
とすると、傾斜面13aに垂直方向のスラスト力F2
近似的に以下のようになる。 2F2 ・sinα/2=F1 従って、スラスト力F2 は、 F2 =W・r・ω2 /2g・sinα/2 になる。ピストン下死点でも同様のスラスト力F2 が作
用することは、勿論である。このことから、エンジンの
仕様、セグメントの形状や重量に応じて、ピストン上、
下死点で所定のスラスト力を生じることが分かる。
【0012】次に、この実施例の作用について説明す
る。先ずエンジン運転時には、吸気行程でバルブ7が開
きピストン10が下降してシリンダ3内に空気が吸入さ
れ、圧縮行程でピストン10が上昇することでシリンダ
3の空気が高圧縮され、上死点付近で燃料噴射されるこ
とで燃焼する。そして膨張行程では、再び燃焼圧力によ
りピストン10が下降し、排気行程でピストン10が上
昇するように往復運動するのであり、この運動がコンロ
ッド5によりクランク軸4の回転運動に変換される。
【0013】上述のエンジン運転時において、ピストン
10が上昇または下降行程の中間位置においては、ピス
トンの加速度は小さく2つのセグメント14,15に作
用する慣性力は小さいか最小であるから、2つのセグメ
ント14,15は傾斜面13a,13bに沿って後退位
置し、ピストン10と共に移動して何等作用しない。そ
してピストン上死点近傍では、ピストン10の運動方向
が上昇から下降に急激に変化することで、2つのセグメ
ント14,15に作用する上方向への慣性力が最大とな
って作用し、上方のセグメント14が凹部13の傾斜面
13aとシリンダ3との間に楔状に挟み込まれる。この
とき傾斜面13aとセグメント14の底面14aにより
慣性力F1 の水平方向の分力でスラスト力F2 を生じ、
このスラスト力F2 で強制的にピストン10のピストン
スラップ運動を防止する。そこでピストンクリアランス
が実質的にゼロになって、ピストン10の傾きや振動が
抑制される。
【0014】またピストン下死点近傍においても、ピス
トンに作用する加速度は最大となるから、2つのセグメ
ント14,15に下方の慣性力が最大に作用して、今度
は下方のセグメント15が傾斜面13bとシリンダ3と
の間に挟み込まれ、同様のスラスト力F2 を生じる。そ
してこのスラスト力F2 により同様にピストン10の姿
勢を支え、ピストン10の傾きや振動が抑制されるので
あり、こうしてピストン上、下死点において共にピスト
ンスラップが低減される。
【0015】尚、例えば260ccクラスのエンジンで
のピストンスラップ低減効果を、上述の式に基づいて具
体的に説明する。即ち、W=20g、r=6cm、ω=
3600・2π/60、α=10度、g=9.8m/s
ecとすると、F2=57.5kgになる。従って、か
なり大きいスラスト力F2 が得られ、ピストン10を充
分シリンダ側に押付けてピストンスラップを低減するこ
とができる。
【0016】なお、セグメントと凹部との大きさを適切
に設定することにより、ピストンクリアランスが実質的
にゼロから所定のクリアランスを保持する態様に適宜組
み合わせることができる。即ち、図4では2つのセグメ
ント14,15と凹部13との大きさを適切に定めてセ
グメントクリアランスS.C.を所定量に設定して、ピ
ストンクリアランスP.C.を実質的にゼロに近くし、
或いは図5のように、慣性力が作用する時点でセグメン
トクリアランスS.C.をゼロとして、ピストンクリア
ランスP.C.を所定量に定め得る。
【0017】図6と図7において、本発明の他の実施例
について説明する。この実施例ではピストン10のスカ
ート部10bに凹部として、2つの溝20,21がリン
グ状に設けられ、これらの溝20,21の底にそれぞれ
傾斜面20a,20bが形成される。また2つのセグメ
ント22,23は溝形状に対応した円弧状であり、傾斜
面20a,20bと同一に傾斜した底面22a,23a
を有し、各溝20,21の対向した位置に移動可能に挿
入される。そしてノックピン24により各セグメント2
2,23の円周方向のズレが防止されている。尚、図3
と同一の部分は同一の符号を付して説明を省略する。
【0018】そこでこの実施例では、エンジン運転時に
おいてピストン上死点では、上方のセグメント22での
み慣性力を生じて、そのセグメント22のスラスト力F
2 によりピストン10をシリンダ3の一方へ強制的に押
付けてピストンスラップが低減される。またピストン下
死点では、下方のセグメント23でのみ慣性力を生じ
て、そのセグメント23のスラスト力F2 により同様に
ピストンスラップが低減される。
【0019】ここで、セグメントは一体同質材である必
要はなく、金属と非鉄との組み合わせで、ピストンを押
し付けるとき、緩衝作用を持たせてもよい。即ち、図8
に示すように、セグメントのシリンダ及びピストン側に
接する層14b,14cを金属製とし、この両者の間は
ゴム又は樹脂等の緩衝作用を持つ非鉄材の中間層14d
とすることもできる。
【0020】以上、本発明の実施例について説明した
が、種々のエンジンにも適応することができるのは勿論
である。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エンジンにおいてピストンに2つのセグメントが装着さ
れ、ピストン上、下死点で運動方向が急激に変化する際
の慣性力を利用してピストンをシリンダの一方に押付け
るように構成されるので、ピストンクリアランスを確保
して、ピストンの傾きや振動、それに伴うピストンスラ
ップ、騒音等を効果的に低減することができる。セグメ
ントに作用する慣性力と傾斜面を用いて水平方向分力の
スラスト力を生じ、このスラスト力でピストンを押付け
るものであるから、充分に大きい押付け作用を行うこと
ができ、実用性が高い。ピストンの上死点と下死点で共
に振動等が抑制されるので、ピストンスラップ低減の効
果が大きい。
【0022】図1と図2の実施例では、ピストンの一部
に凹部やセグメントが装着されるので、ピストンの耐久
性等の点で有利になり、ガタ等も少ない。図6と図7の
実施例では、凹部が溝形状であるから、その加工やセグ
メントの取付けが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジンの実施例を示す要部の縦
断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】ディーゼルエンジンの概略を示す断面図であ
る。
【図4】セグメントクリアランスとピストンクリアラン
スとの関係を示す図である。
【図5】セグメントクリアランスとピストンクリアラン
スとの関係を示す図である。
【図6】本発明の他の実施例の縦断面図である。
【図7】図4のB−B断面図である。
【図8】セグメントの他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
3 シリンダ 10 ピストン 10b スカート部 13 凹部 13a,13b 傾斜面 14,15 セグメント

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダの内部に往復移動可能に挿入さ
    れるピストンのスカート部に少なくとも1つの凹部を設
    け、この凹部の底にピストン往復移動方向に対して傾い
    た傾斜面を形成し、この傾斜面の箇所にセグメントを傾
    斜面とシリンダとの間に挟み込むように装着することを
    特徴とするエンジン。
  2. 【請求項2】 上記凹部は長方形に形成されて、その底
    に2つの傾斜面が谷形に形成され、各傾斜面の箇所にそ
    れぞれ同一に傾斜する底面を有する所定の重量のセグメ
    ントが移動可能に挿入されることを特徴とする請求項1
    記載のエンジン。
  3. 【請求項3】 上記凹部は2つのリング状の溝であり、
    これらの溝の底にそれぞれ傾斜面が形成され、溝の内部
    に傾斜面と同一に傾斜する底面を有する円弧状のセグメ
    ントが、ノックピンで円周方向のズレを規制して移動可
    能に挿入されることを特徴とする請求項1記載のエンジ
    ン。
JP14014192A 1992-04-30 1992-04-30 エンジン Pending JPH05306774A (ja)

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