JPH05306401A - 粉末冶金射出成形用原料ペレット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 粉末とバインダーとの混練物を射出成形する
際、計量時間を短縮できる原料ペレットを提供する。 【構成】 粉末とバインダーとの混練物からなり、形状
が径０．３〜１mm、長さ１〜１０mmの円柱状である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、射出成形粉末冶金法を
用いて焼結部品を製造する際、射出成形機に供給するの
に用いて好適な原料ペレットに関する。

【０００２】

【従来の技術】三次元的に複雑な形状を有する製品を製
造するため、粉末とバインダーを混練して得た混練物を
射出成形し、脱バインダーした後、焼結する粉末冶金方
法が知られている。

【０００３】この方法において混練物を射出成形機に装
入して射出成形する際、従来、混練物を径２〜３mm、長
さ５〜１０mmの円柱状あるいは径２〜３mmの球状のペレ
ットにして使用していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなペレットを使用して射出成形を行なうと、射出して
から次に射出するまでの計量時間が長く、成形効率が悪
い。

【０００５】上記事情に鑑み、本発明の目的は、計量時
間を短縮できる粉末冶金射出成形用原料ペレットを提供
することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するものとして、粉末とバインダーとの混練物からな
るペレットにおいて、該ペレットの形状が径０．３〜１
mm、長さ１〜１０mmの円柱状であることを特徴とする粉
末冶金射出成形用原料ペレットである。

【０００７】

【作用】本発明のペレットは、金属、合金、セラミック
などの粉末とバインダーとの混練物からなる。そして、
このペレットの形状は、径０．３〜１mm、長さ１〜１０
mmの円柱状である必要がある。

【０００８】径が０．３mm未満のペレットは製造し難
く、一方、径が１mmより大きいと、主として溶融性が低
下するため計量時間を充分短縮できない。また、長さが
１mm未満では、形状が崩れ易く、一方１０mmより長い
と、折れ易くまた流動性も低下する。

【０００９】本発明のペレットを製造するには、例え
ば、粉末とバインダーとの混練物を径０．３〜１mmの細
孔を有するダイスを装着した加熱押出機に投入した後、
加熱して溶融状態として押し出し、次にダイスカッター
で長さ１〜１０mmに切断する。

【００１０】

【実施例】

実施例１ 平均粒径１２μｍのガスアトマイズ法で作成されたＳＵ
Ｓ３１６粉末とバインダーを重量比９３：７の割合で混
練し、２軸スクリュー加熱押出機（不二パウダル（株）
製、ペレッタブルＥＸＤＳ−６０型）に投入した。ダイ
ス部には、径０．４mmの細孔を有するステンレス製パン
チングメタルを取付けた。また、ダイス部直後に回転刃
も取付けた。

【００１１】押出は、温度７０℃、２軸スクリュー回転
数３０ｒｐｍ、回転刃回転数６０ｒｐｍで行ない、径
０．４mm、長さ５mmのペレットを製造した。

【００１２】次に、このペレットを全電動型射出成形機
（ファナック（株）製、Ｔ−５０Ｄ型）に装入して、単
重４ｇの時計バンド成形物を１００ショット連続成形し
た。この成形での計量時間は２．４秒であった。

【００１３】実施例２，３、比較例１，２、従来例 径０．２５（比較例１）、０．６（実施例２）、０．８
（実施例３）、１．２（比較例２）および２mm（従来
例）の細孔を有するステンレス製パンチングメタルを取
付けた以外は、実施例１と同様にしてペレットを製造
し、更に射出成形した。

【００１４】その結果、成形での計量時間は、２．６
（実施例２）、２．８（実施例３）、３．３（比較例
２）および３．６秒（従来例）であった。なお、比較例
１では、混練物がダイス穴に詰まってペレットを製造す
ることができなかった。

【００１５】

【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、射出成形における計量時間を大幅に短縮でき、従っ
て、射出成形工程における生産性が大きく向上する。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 粉末とバインダーとの混練物からなるペ
   レットにおいて、該ペレットの形状が径０．３〜１mm、
   長さ１〜１０mmの円柱状であることを特徴とする粉末冶
   金射出成形用原料ペレット。