JPH05306298A - コクシジウム症ワクチン - Google Patents

コクシジウム症ワクチン

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JPH05306298A
JPH05306298A JP4208405A JP20840592A JPH05306298A JP H05306298 A JPH05306298 A JP H05306298A JP 4208405 A JP4208405 A JP 4208405A JP 20840592 A JP20840592 A JP 20840592A JP H05306298 A JPH05306298 A JP H05306298A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アイメリア属寄生虫に対する免疫応答を誘導
できる下記のアミノ酸配列: 【化1】 を有する免疫原性ポリペプチドまたはその断片、該ポリ
ペプチドをコードするDNA 、該DNA またはその断片を含
む組み換えベクターおよび組み換えウイルス、該ベクタ
ーおよびウイルスを含む形質転換微生物、並びに該ポリ
ペプチドを含むコクシジウム症ワクチン。 【効果】 該ポリペプチドは精製されたポリペプチドと
して又は適当なウイルスベクター中の該ポリペプチドを
コードするDNA の形で投与され、コクシジウム症の防御
に効果的である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本出願はアイメリア属原生動物寄
生虫の新規な抗原に関する。この抗原は様々な投与経路
を通じてコクシジウム症から家禽を保護するために用い
得る。
【0002】
【従来の技術】コクシジウム症は、アイメリア属の細胞
内原生動物寄生虫によって引き起こされる家禽の病気で
ある。この病気は大規模かつ集中的な家禽の繁殖施設に
おいて伝染性である。化学療法によってこの病気をコン
トロールするための推定費用は、アメリカ合衆国だけで
も毎年1億ドル以上になる。薬剤の開発がますます高価
なものとなり、また食品動物中に薬剤が残留するのを消
費者が受け入れなくなっている今日では、従来の抗コク
シジウム症薬剤に対する耐性が形成されるために、新規
な薬剤の開発が絶えず必要とされている。
【0003】天然のコクシジウム症感染に対する防御免
疫については多くの記載がある。数週間にわたって、少
数の生存性オーシストを制御下に毎日投与すると、通常
の毒性量のチャレンジ(攻撃)感染に対する完全な免疫
が形成されることが示された[Rose et a
l.,Parasitology 73:25(197
6);Rose et al.,Parasitolo
gy 88:(1984)]。感染に対する獲得耐性が
示されたことは、コクシジウム症の化学療法への必要を
迂回して、若いニワトリに免疫を誘導するワクチン製造
が可能なことを示唆している。実際、このような考えが
アラバマ州オペリカのステルウィン社(Sterwin
Laboratories)のCoccivac(登
録商標)製剤で試されている。
【0004】コクシジウム症ワクチンを生産する目的
で、Murrayらのヨーロッパ特許出願、公開第16
7,443号では、その多くがスポロゾイトの表面に関
連する少なくとも15ポリペプチドを含むアイメリア・
テネラ(Eimeria tenella)のスポロゾ
イト又はスポロゾイト形成オーシストからの抽出物を調
製した。この抽出物をニワトリに注射すると、毒性のア
イメリア・テネラのスポロゾイト形成オーシストを経口
接種した後に盲腸障害(cecal lesions)
を軽減した。
【0005】もっと最近では、Schenkelらの米
国特許第4,650,676号が、アイメリア・テネラ
のメロゾイトに対するモノクローナル抗体の生産を開示
する。この抗体を用いて、Schenkelらは該抗体
が目的とする多数の抗原を同定した。Schenkel
らは、アイメリア・テネラのスポロゾイトをこの抗体と
ともにプレインキュベーションし、次いでこの処理済み
スポロゾイトをニワトリの盲腸に導入することによっ
て、未処理のスポロゾイト対照と比較して、盲腸障害を
ある程度軽減することができた。
【0006】組換えDNA法を用いて、Newmanら
(ヨーロッパ特許出願、公開第164176号)は、ア
イメリア・テネラからの25,000ダルトンの抗原を
コードするスポロゾイト段階からの遺伝子をクローン化
した。不活化したアイメリア・テネラのスポロゾイトで
繰り返し免疫感作したニワトリからの血清は、ヨウ素化
したスポロシスト及びスポロゾイト膜調製物からのこの
抗原を免疫沈降させた。さらに最近では、Jenkin
s,[Nucleic Acids Res.16:9
863(1988)]は、アイメリア・アセルブリナ
(Eimeriaacervulina)からの25
0,000ダルトンのメロゾイト表面タンパク質の一部
をコードするcDNAを記載する。このcDNAの発現
産物は該生物に対する抗血清によって認識された。
【0007】組換えDNA技術の進歩は、別のアプロー
チ、即ちサブユニットワクチンを可能にした。このよう
なサブユニットワクチンの例は、例えばヨーロッパ特許
出願、公開第324648、337589及び3448
08号に記載されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は以下のアミノ酸
配列(1)(SEQ ID NO:1)
【0009】
【化4】 を有する免疫原性ポリペプチドを提供し、該ポリペプチ
ドは、例えばニワトリにおけるアイメリア寄生虫に対す
る免疫応答を誘導することができる。ここに記載するア
イメリアのメロゾイト表面抗原前駆体タンパク質は配列
(1)(SEQID NO:1)に対応する配列を有し
ている。
【0010】本発明の好ましいポリペプチドは、アミノ
酸配列(1)(SEQ ID NO:1)を有するが、
N−末端でシグナルペプチド配列を欠く免疫原性ポリペ
プチドである。本発明はまた、該ポリペプチドの免疫的
性質を本質的に変更することなく、欠失、挿入、又は置
換によって該アミノ酸配列と関連するアミノ酸配列を有
する、これと機能的に均等なポリペプチドにも関する。
【0011】本発明はさらに、ヌクレオチド配列(A)
(SEQ ID NO:2)
【0012】
【化5】 を有するDNA又はヌクレオチド配列(A)(SEQ
ID NO:2)と対応するが、シグナルペプチド配列
をコードするヌクレオチド配列を欠くヌクレオチド配列
(B)のようなその一部のような、アイメリアのメロゾ
イト表面抗原前駆体タンパク質の全部又は一部をコード
するDNAを提供する。当業界で公知の方法を用いて、
ヌクレオチド配列(A)(SEQ ID NO:2)を
有するDNAの部分配列からなるDNAの始めにATG
コドンを付けることが好ましい。本発明はさらに、該D
NAを含み、かつ適合性の宿主生物中で該DNAの発現
を指示することのできる組換えベクター、及びこのよう
なベクターを含む微生物を提供する。
【0013】本発明はさらに、先に定義したポリペプチ
ドを生産する方法を提供し、該方法は、(a)ヌクレオ
チド配列(A)(SEQ ID NO:2)を有するD
NA、又はヌクレオチド配列(B)のようなその断片の
ような、該ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
を有するDNAからなる組換えベクターを含む微生物
を、そのDNA配列又は断片が発現される条件下に培養
し;そして(b)培養物から組換えポリペプチドを単離
する、ことからなる。
【0014】本発明はさらに、本発明のポリペプチド及
び生理学的に受容し得る担体からなる、コクシジウム症
に対して被験者(ヒト又は動物)を保護するためのワク
チンを提供する。好ましい被験者は鳥又は家禽(例え
ば、ニワトリ又はシチメンチョウ)である。その他の被
験者はウサギ又はヒツジなどの家畜である。 本発明は
さらに、本発明のポリペプチドをコードするDNA配列
を含み、該DNA配列を発現させることができる組換え
ウイルス、及び生理学的に受容し得る担体からなる、コ
クシジウム症に対して被験者を保護するためのワクチン
を提供する。
【0015】本発明はさらに、有効量の本発明のワクチ
ンを、コクシジウム症に感染しやすい若い家禽などの被
験者に投与することからなる、コクシジウム症に対して
被験者を保護するための方法を提供する。本発明のアイ
メリアポリペプチドは、コクシジウム症生物に対して免
疫感作され、これに対する免疫を形成した動物の血清中
の抗体を用いることによって同定されたので、重要なワ
クチン抗原である。それ故に、これらのポリペプチドが
コクシジウム症から家禽を保護するのに重要な役割を果
たすと思われる。図面の説明 本発明は図面を参照することによってより容易に理解さ
れる。
【0016】図1は、ウサギからの抗原選別抗体及びニ
ワトリ免疫血清によって認識されたアイメリア前駆体タ
ンパク質をコードする1.2kbのcDNA分子のヌク
レオチド配列を示す。図1から明らかなように、該前駆
体タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、ヌクレ
オチド68の位置にあるATGとヌクレオチド1013
の位置にある停止コドンTAAの間に含まれる(315
アミノ酸をコードする)。図1はまた、ここに示すヌク
レオチド配列から予測されるアイメリア前駆体タンパク
質のアミノ酸配列も示す。ヌクレオチド及びアミノ酸を
表すには、標準的な一文字の略号を用いてある。これら
の略号の意味については、Lehninger,Pri
nciples of Biochemistry,1
984,Worth Publishers,In
c.,New York,pp.96,798などの標
準的な生化学の教科書に記載されている。
【0017】図2は、各種アイメリアのメロゾイトタン
パク質のSDS−PAGEの結果を示す。パネルAは、
対照(a)又は抗原選別(b)抗体でプローブした全メ
ロゾイトタンパク質のイムノブロットである。パネルA
中の矢印は約23キロダルトンの分子量を有するタンパ
ク質を含むバンドの位置を示す。パネルBは、対照
(a)又は抗原選別(b)抗体で免疫沈降させた125
−表面−標識メロゾイトタンパク質のオートラジオグラ
ムである。パネルCは、メロゾイトのポリA mRNA
のin vitro翻訳によって生産された生産物の完
全混合物(c)、並びにラムダ5−7クローンを用いて
選別した抗体(b)、抗−メロゾイト血清と反応性のタ
ンパク質を生産した別のファージクローンを用いて選別
した抗体(a)、及び非−組換えファージを用いてメロ
ゾイト血清から選別した対照抗体(d)でそれぞれ免疫
沈降させた翻訳産物を示す。バンドはフルオログラフィ
ーで可視化した。キロダルトン(kDa)で表した分子
量を有する分子量マーカーの位置を図の右側に示す。
【0018】図3は、PvuII(レーン1)、Hin
cII(レーン2)、PstI(レーン3)、SphI
(レーン4)、又はSacI(レーン5)で消化したア
イメリア・テネラのスポロゾイト形成オーシストゲノム
DNAを、下記の5−7遺伝子EcoRI挿入物をプロ
ーブとして用いて行ったサザンブロット分析の結果を示
す。kbで表した大きさを有する標準DNAの位置を図
の右側に示す。
【0019】
【外1】 図5は、プラスミドpDS56/RBSIIの完全なヌ
クレオチド配列を示す。この配列中において、図4に示
す制限酵素の認識配列を示す。ここに示すアミノ酸配列
は、リボソーム結合部位RBSIIのコントロール下に
あるオープンリーディングフレームを表す。
【0020】図6は、プラスミドpDS56/RBSI
I(−1)の模式図を示す(スケールは正確ではな
い)。図7は、プラスミドpDS56/RBSII(−
1)の完全なヌクレオチド配列を示す。この配列中にお
いて、図6に示す制限酵素の認識配列を示す。ここに示
すアミノ酸配列は、リボソーム結合部位RBSII(−
1)のコントロール下にあるオープンリーディングフレ
ームを表す。
【0021】図8は、プラスミドpDS56/RBSI
I(−2)の模式図を示す(スケールは正確ではな
い)。図9は、プラスミドpDS56/RBSII(−
2)の完全なヌクレオチド配列を示す。この配列中にお
いて、図8に示す制限酵素の認識配列を示す。ここに示
すアミノ酸配列は、リボソーム結合部位RBSII(−
2)のコントロール下にあるオープンリーディングフレ
ームを表す。
【0022】
【外2】 図11、すなわち図11A、図11B及び図11Cは、
プラスミドpDMI.1の完全なヌクレオチド配列を示
す。この配列中において、図10に示す制限酵素の認識
配列を示す。ここに示すアミノ酸配列は、ネオマイシン
ホスホトランスフェラーゼ(MetからPhe)及びl
acリプレッサー(MetからGln:この遺伝子に関
しては逆方向であることに注意されたい)をコードする
オープンリーディングフレームを包含する。
【0023】図12は、プラスミドpUC8−TK−
7.5Kの模式図を示す。本図並びに図13及び15に
おいては、TKの略号はワクシニアウイルスのチミジン
キナーゼ遺伝子配列を表し、7.5Kはワクシニアウイ
ルス7.5Kプロモーターを表し、lac Zは調節配
列並びにβ−ガラクトシダーゼ遺伝子のN−末端の一部
のためのコーディング情報を含み、oriは大腸菌中で
のDNA複製に必要な領域を表し、そしてAmpRはβ
−ガラクトシダーゼ遺伝子のコード領域を表す。
【0024】図13は、組換えプラスミドpR3の模式
図を示す。図14は、組換えプラスミドpR3の完全な
ヌクレオチド配列を示す。ここに示すアミノ酸配列はワ
クシニア7.5Kプロモーターのコントロール下にある
オープンリーディングフレームを表す。図15は、プラ
スミドpR4の模式図を示す。MLはマラリアのリーダ
ー配列を表す。発明の説明 ここに引用する全ての文献はそのまま参照として本明細
書に包含される。
【0025】本明細書で使用する際、以下の語句は次の
意味を有する:“アイメリア表面抗原”とは、アイメリ
ア・テネラのメロゾイト期に存在する、SDS−PAG
Eで約23キロダルトンの見かけ分子量を有するタンパ
ク質を意味する。このタンパク質は、図1に示すcDN
A配列の遺伝子のin vivo発現産物を翻訳後プロ
セッシングすることによって生産されると思われる。
【0026】“前駆体タンパク質”とは、SDS−PA
GEで約33キロダルトンの見かけ分子量を有するタン
パク質を意味する。このタンパク質はin vivoの
タンパク質分解によってアイメリア表面抗原へとプロセ
ッシングされると考えられる。前駆体タンパク質をコー
ドするcDNA分子のヌクレオチド配列及びそれから予
測されるアミノ酸配列は図1に示してある。
【0027】“アイメリア寄生虫に対する免疫応答を誘
導することのできる、アミノ酸配列(1)を有する免疫
原性ポリペプチド”の語句は、免疫原性ポリペプチドの
配列に対応する該メロゾイト表面抗原からなる、アイメ
リア寄生虫に対するB細胞及び/又はT細胞媒介性の防
御免疫応答を引き出すことのできるポリペプチドを意味
する。該免疫原性ポリペプチドは、その他のアイメリア
タンパク質自体を含まない成熟アイメリアメロゾイト表
面抗原、或いは該アイメリア表面抗原タンパク質の断片
であって、該断片はなおアイメリア寄生虫に感染した動
物の血清中に存在する抗体と特異的に結合することので
きるもの、でありうる。これらのポリペプチドは上で定
義したアイメリア表面抗原のT細胞及びB細胞エピトー
プに対応する。本発明のポリペプチドは該アイメリアメ
ロゾイト表面抗原タンパク質の機能的等価物であっても
よく、このポリペプチドは免疫原性活性を実質的に変更
しないアミノ酸置換(即ち、免疫反応性及び/又は抗原
決定基を実質的に破壊しない置換)によって、図1のア
ミノ酸配列と関連するアミノ酸配列を有する。
【0028】かかる断片の例としては、シグナルペプチ
ド配列を構成する、最初の20から約100アミノ酸残
基を欠く点以外はアミノ酸配列(1)(SEQ ID
NO:1)を有する免疫原性ポリペプチドがある。別の
例としては、SDS−PAGE上で23キロダルトンの
見かけ分子量を有する免疫原性ポリペプチドがある。好
ましい断片は以下のものである:
【0029】
【化6】 配列(1)(SEQ ID NO:1)の免疫原性ポリ
ペプチドのような本発明の断片は被験者中のコクシジウ
ム症に対して免疫応答を誘導することができる。好まし
い被験者はニワトリなどの家禽である。生物的及び免疫
的活性を実質的に変更しない、タンパク質におけるアミ
ノ酸の置換はよく知られており、例えばNeurath
et al.,”The Proteins”,Ac
ademic Press,New York(197
9)の特に14ページ、図6に記載されている。最もよ
く見られるアミノ酸置換は、Ala/Ser,Val/
Ile,Asp/Glu,Thr/Ser,Ala/G
ly,Ala/Thr,Ser/Asn,Ala/Va
l,Ser/Gly,Tyr/Phe,Ala/Pr
o,Lys/Arg,Asp/Asn,Leu/Il
e,Leu/Val,Ala/Glu,Asp/Gly
及びこの逆である。
【0030】遺伝暗号の縮重のため、アミノ酸配列
(1)(SEQ ID NO:1)をコードすることの
できる可能性のあるヌクレオチド配列(機能的等価物)
が多く存在することが理解されるであろう。また、ベク
ター中に挿入される本発明のDNA配列及び断片のヌク
レオチド配列は、このような配列又は断片を含む組換え
ベクターが適当な宿主生物中で本発明のポリペプチドの
生産を指示することができる限り、実際の構造遺伝子の
一部ではないヌクレオチドを含むことができることも理
解されるであろう。
【0031】Morinaga et al.,[Bi
otechnology 2:636(1984)]が
記載するように、該アイメリアメロゾイト表面抗原の機
能的等価物であるポリペプチドをコードするDNA配列
は、本発明の例示的cDNA(SEQ ID NO:
2)上におけるプライマー指定の部位特異的突然変異誘
起法において適当な合成オリゴヌクレオチドを用いて容
易に製造することができる。
【0032】アイメリアメロゾイト表面抗原タンパク質
の断片又は部分或いはこれをコードするDNAは、DN
Aの制限酵素及びタンパク質の分解酵素を用いて、より
大きな分子を酵素的に切断することによって製造するこ
とができる。しかしながら、本発明の断片はあらゆる形
の酵素的切断による産物に限られることなく、あらゆる
酵素的切断点に対応しない末端をもつサブ配列を含む。
このような断片は、例えばここで提供される配列データ
を用いて、化学的に合成できる。DNA断片はまた、単
離したメッセンジャーRNA(mRNA)からの不完全
な相補的DNA(cDNA)によって製造することもで
きる。タンパク質断片はまた、タンパク質断片をコード
するDNA断片を発現させることによって製造すること
もできる。もしもこのようなタンパク質断片が免疫反応
性及び/又は抗原決定基を構成するための十分な数のア
ミノ酸残基を含んでいるならば、これを本発明に用いる
ことができる。一般に、少なくとも7又は8個の残基が
必要である。以下に説明するように、このような断片を
免疫反応性にするためには、これらを免疫原性担体分子
へカップリングする必要がある。
【0033】免疫反応性はB細胞による抗体の生産(体
液性免疫)及びT細胞の活性化(細胞性免疫)の双方を
含む。本発明のポリペプチドはB細胞抗原決定基、又は
エピトープ、及びT細胞エピトープを含む。体液性免疫
はin vivo又はinvitroにおける、B細胞
による抗体生産の誘導によって証明することができる。
細胞−媒介性の免疫はT細胞活性化によって、例えば増
加したT細胞タンパク質合成によって、或いは活性化し
たT細胞によるB細胞の刺激によって証明することがで
きる。いずれのタイプの免疫アッセイも当業界で公知で
ある。
【0034】本発明のポリペプチドは組換えDNA法、
化学的合成、又はアイメリア調製物からの単離などの当
業界で公知の方法によって製造できる。本発明に従って
製造するときには、配列1(SEQ ID NO:1)
のポリペプチド、及びその断片はアイメリア寄生虫によ
って生産されるその他のタンパク質を実質的に含まな
い。
【0035】本発明のタンパク質を製造するために必要
なDNAは、(SEQ ID NO:2)及びその図面
に示すヌクレオチド配列情報を用いて、化学的に合成で
きる。このような化学的合成は、Matteucci
et al.,[J.Am.Chem.Soc.10
3:3185(1981)]のホスホルアミダイト固体
支持体法などの公知の方法を用いて実施することができ
る。
【0036】若しくは、cDNAはアイメリアのmRN
Aから製造できる。標準法を用いて、アイメリアメロゾ
イトからメッセンジャーRNAを単離することができ
る。Maniatis et al.,[Molecu
lar Cloning:ALaboratory M
anual,1982,Cold Spring Ha
rbor Laboratory,Cold Sori
ng Harbor,NY]に記載するように、これら
のmRNAサンプルを用いて2本鎖cDNAを作製でき
る。次いでこのcDNAを、適当なクローニングベクタ
ー中に挿入して、これを用いて適当な宿主生物(例えば
大腸菌)を形質転換し、cDNAライブラリーを作製す
る。
【0037】次にcDNAライブラリーを、本発明のク
ローン化遺伝子、又はその断片をプローブとして用いて
スクリーニングする。このような遺伝子又は断片はプロ
ーブとして用いるために、例えばそのうちの1種がアル
ファ位に32Pを含む4種のデオキシリボヌクレオチドの
存在下で、PolI DNAポリメラーゼを用いるニッ
クトランスレーションによって標識することができる
(Maniatisら、前出、p.109)。プローブ
はまた、アイメリア表面抗原のcDNAの既知の配列に
基づくオリゴヌクレオチド合成によって作製することも
できる。
【0038】以下の実施例ではアイメリア・テネラをm
RNA源として用いたが、各種間のDNA配列の相同性
のために、この種からのクローン化遺伝子はアイメリア
属のその他の種からの遺伝子を単離するためのプローブ
としても用いることができる。同定し、単離した後に、
本発明のアイメリアDNAを、挿入された遺伝子配列の
転写及び翻訳に必要な要素を含む適当な発現運搬体、又
はベクター中に挿入する。有用なクローニングベクター
は、さまざまな既知の細菌プラスミド、ファージDNA
のようなウイルスDNA、ファージDNA又はその他の
発現制御配列を採用するように修飾されたプラスミドの
ようなプラスミドとウイルス又はファージDNAの組み
合わせ、又は酵母プラスミドなどの染色体、非染色体、
及び合成DNA配列断片からなる。本発明で使用できる
特定のクローニングベクターは、pEV−vrfプラス
ミド[Crowl et al.,Gene 38:3
1(1985)に記載のpEV−vrf1,−2及びー
3];SV40;アデノウイルス;酵母ベクター;ラム
ダgt−WES−ラムダB;シャロン4A及び28;ラ
ムダーgt−2;pUC8,9,18及び19のような
M13由来のベクター,pBR313,322及び32
5;pAC105;pVA51;pACY177;pK
H47;pACYC184;pUB110;pMB9;
colE1;pSC101;pML21;RSF212
4;pCR1又はRP4;ファウルポックス(fowl
pox);ワクシニア又はヘルペスウイルスファミリー
の一員を含むが、これに限定されるものではない。
【0039】アイメリア遺伝子のクローニングベクター
中への挿入は、遺伝子と所望のクローニングベクターが
いずれも同じ制限酵素又は酵素類で切断されている場合
には、相補的DNA末端がこれによって形成されるの
で、容易に達成できる。もしもこれが達成できない場合
には、1本鎖DNAを消化して平滑末端を生じるか、或
いは適当なDNAポリメラーゼを用いて1本鎖末端を修
復して同じ結果を得ることによって、生じた切断末端を
修飾する必要がある。このようにして、T4 DNAリ
ガーゼなどの酵素で平滑末端のライゲーションを行う。
若しくは、DNA末端にヌクレオチド配列(リンカー)
を付けることによっていかなる所望の部位も作製でき
る。このようなリンカーは制限部位認識配列をコードす
る特定のオリゴヌクレオチド配列からなる。Morro
w,[Method in Enzymology 6
8:3(1979)]に記載するように、切断したベク
ター及びアイメリア遺伝子又は断片はホモポリマー尾部
によって修飾することもできる。
【0040】本発明で使用されるクローニングベクター
の多くは、所望の形質転換体を選択するために用いる1
又はそれ以上のマーカー活性を含んでおり、例えば、p
BR322におけるアンピシリン及びテトラサイクリン
耐性、pUC8におけるアンピシリン耐性及びβ−ガラ
クトシダーゼ活性、及びpEV−vrfプラスミドにお
けるアンピシリン耐性である。ベクターを挿入した宿主
細胞の選択は、宿主細胞がベクターに由来する活性を元
来欠いているときには非常に簡単である。
【0041】クローニングベクター中の選択した部位に
挿入したアイメリア遺伝子のヌクレオチド配列は、実際
の構造遺伝子の一部ではないヌクレオチドを含んでいる
場合のあることが理解されるべきである。若しくは、遺
伝子は完全な野生型遺伝子の一部のみを含んでいるかも
知れない。必要なことは、クローニングベクターに挿入
後の遺伝子断片が適当な宿主生物中で、アイメリア表面
抗原の少なくとも1つの免疫反応性及び/又は抗原決定
基を有するポリペプチド又はタンパク質の生産を指示で
きる、ということのみである。従って、本発明のタンパ
ク質をコードするヌクレオチド配列を有するDNAを含
む組換えベクターは、以下の方法によって作製できる: (a)該タンパク質をコードするヌクレオチド配列を有
するDNAをベクター中に挿入し; (b)微生物中で該ベクターを複製し;そして (c)微生物から組換えベクターを単離する。
【0042】適当な宿主生物の選択は、当業界で公知の
多くの要因によって影響される。これらの要因は、例え
ば、選択したベクターとの適合性、ハイブリッドプラス
ミドによってコードされるタンパク質の毒性、所望する
タンパク質の回収の容易さ、発現性質、生物安全性及び
コストを含む。これらの要因のバランスを考えねばなら
ず、さらに特定の組換えDNA分子の発現にとっては、
全ての宿主が同等に効果的なのではない、ことを理解す
べきである。
【0043】本発明で使用し得る適当な宿主微生物は、
植物、哺乳動物又は酵母細胞及び大腸菌、Bacill
us subtilis,Bacillus stea
rothermophilus及びActinomyc
esなどの細菌を含むが、これに限定されない。Cas
adaban et al.,[J.Mol.Bio
l.138:179(1980)]の記載する大腸菌M
C1061株、又はプラスミドpRK248cltsを
含む大腸菌K−12の他のいかなる株も用い得る。他の
大腸菌K−12株中で使用するためのプラスミドpRK
248cltsは、Barnhard et al.,
[Meth.of Enzymol.68:482(1
979)]に記載されており、またアメリカン・タイプ
・カルチャー・コレクションから寄託番号ATCC33
766のもとに入手可能である。大腸菌MC1061株
は例えば米国カリフォルニア州パロアルトのクロンテッ
ク社(CLONTECH Laboratories,
Inc.)から購入でき、またアメリカン・タイプ・カ
ルチャー・コレクションから寄託番号ATCC5333
8のもとに入手可能である。大腸菌M15株に用いるプ
ラスミドpDM1.1,pDS56/RBSII,−1
又はー2については以下に記載する。
【0044】組換えクローニングベクターの宿主細胞中
への移行はさまざまな方法で実施できる。選択した特定
のベクター/宿主細胞系により、かかる移行は形質転
換、形質導入、トランスフェクション又はエレクトロポ
レーションによって実施される。このような修飾した宿
主細胞を作製したら、細胞を培養し、タンパク質発現産
物を培養物から単離する。
【0045】アイメリア表面抗原の前駆体タンパク質を
生産する形質転換体クローンは、アイメリア・テネラの
グルタルアルデヒドー固定化スポロゾイト又はメロゾイ
トに対して免疫した動物からの血清でスクリーニングす
ることによって同定される。以下の実施例では、遺伝子
産物のスクリーニング及び特徴付けのためにウサギ抗−
メロゾイト血清を用いた。免疫ニワトリ血清で平行して
免疫スクリーニングを行って、メロゾイト表面抗原前駆
体をコードするcDNAを独立に単離した。
【0046】免疫的スクリーニング又は免疫沈降に用い
る抗血清の特異性は、Hall et al.,[Na
ture 311:378(1984)]の抗体選別法
の変法を用いて増加することができる。この方法におい
ては、以下にさらに詳しく記載するように、クローンに
よって生産されたアイメリアタンパク質に特異性な抗体
はフィルターに吸着される。
【0047】アイメリア抗原を生産するクローンの検出
は、文献[例えば、Kennetet al.,(編
者)、Monoclonal Antibodies
and Hybridomas:A New Dime
nsion in Biological Analy
ses,1980,Plenum Press,New
York,pp.376−384を参照のこと]に記
載された免疫沈降、酵素結合免疫アッセイ(ELIS
A)及びラジオイムノアッセイ法を含む、公知の標準的
アッセイ法を用いて実施できる。
【0048】本発明によるさまざまなアイメリア表面抗
原のポリペプチドをコードするDNAを含む組換えベク
ターは、例えば部位−特異的突然変異誘起法などの当業
界で公知の方法を用いて作製することができる。本発明
の組換えアイメリアポリペプチドを大量に生産するに
は、このようにして得た形質転換した微生物を、組換え
DNAの発現に適した条件下に、必要な栄養を含む液体
発酵培地中で生育させる。大腸菌で生産する場合のよう
に、組換えアイメリアポリペプチドは通常細菌の細胞質
中に、又は封入体中に存在する。タンパク質を遊離する
には、細菌の外側の膜を破砕する必要がある。これは、
超音波、又はフレンチプレッシャーセルやガウリンホモ
ジェナイザーなどを用いる機械的破砕法によって実施で
きる[Charm et al.,Meth.Enzy
mol.22,476−556(1971)]。
【0049】細胞破砕は化学的又は酵素的方法によって
も実施できる。2価のカチオンが細胞膜の保全に必要で
あることが多いので、EDTAやEGTAのような適当
なキレート剤で処理すると、細胞からタンパク質を漏出
させるのに十分な破砕力となるだろう。同様に、ライソ
ザイムのような酵素が同じ結果を得るために用いられて
きた。この酵素は細胞壁のペプチドグリカン骨格を加水
分解する。
【0050】浸透圧ショック法もまた用い得る。簡単に
述べると、まず細胞の水を失わせ、収縮させるような高
張液中に細胞を置くことによって実施する。次いで低張
の“ショック”溶液に置くと、細胞中に急激に水が流入
し、所望のタンパク質を排出する。いったん細胞から離
れると、アイメリアタンパク質は硫酸ナトリウム又はア
ンモニウムなどの塩による沈殿、限外濾過、又はその他
の当業者に公知の方法によって濃縮できる。さらなる精
製は、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、プレ
パラティブディスクゲル又はカーテン電気泳動、等電点
電気泳動、低温有機溶媒分画、又は向流分配を含む慣用
のタンパク質精製法によって実施できるが、これに限定
されるものではない。イムノアフィニティークロマトグ
ラフィーによって精製を行うこともできる。
【0051】生物から得たアイメリアタンパク質の特定
の精製法は当業界で公知である[Newmanら、ヨー
ロッパ特許出願公開第164176号参照]。本発明の
タンパク質、又はその断片は限定的固相合成、部分的固
相合成、断片縮合、又は古典的溶液合成などの適当な方
法によって化学的に合成することもできる。Merri
field,[J.Am.Chem.Soc.85:2
149(1963)]の記載する固相合成が好ましい。
【0052】このような合成はα−アミノ末端を保護し
たアミノ酸を用いて実施する。不安定な側鎖を有する3
官能性アミノ酸も、ペプチド合成の途中で起こる化学反
応を防ぐための適当な基で保護する。α−アミノ保護基
は、アミノ末端での次の反応を行うために選択的に除去
される。α−アミノ保護基を除去する条件では側鎖保護
基の脱保護は起こらない。
【0053】α−アミノ保護基は、ペプチドの逐次合成
の分野において有用な公知のものである。これに含まれ
るものとしては、アシル型保護基(例えば、ホルミル、
トリフルオロアセチル、アセチル)、芳香族ウレタン型
保護基(例えば、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)
及び置換ベンジルオキシカルボニル)、脂肪族ウレタン
型保護基(例えば、t−ブチルオキシカルボニル(Bo
c)、イソプロピルオキシカルボニル、シクロヘキシル
オキシカルボニル)及びアルキル型保護基(例えば、ベ
ンジル、トリフェニルメチル)がある。好ましい保護基
はBocである。Tyrのための側鎖保護基は、テトラ
ヒドロピラニル、t−ブチル、トリイル、ベンジル、C
bz、4−Br−Cbz、及び2,6−ジクロロベンジ
ルを含む。Tyrのための好ましい側鎖保護基は2,6
−ジクロロベンジルである。Aspのための側鎖保護基
は、ベンジル、2,6−ジクロロベンジル、メチル、エ
チル、及びシクロヘキシルを含む。Aspのための好ま
しい側鎖保護基はシクロヘキシルである。Thr及びS
erのための側鎖保護基は、アセチル、ベンゾイル、ト
リチル、テトラヒドロピラニル、ベンジル、2,6−ジ
クロロベンジル及びCbzを含む。Thr及びSerの
ための好ましい保護基はベンジルである。Argのため
の側鎖保護基は、ニトロ、Tos、Cbz、アダマンチ
ルオキシカルボニル又はBocを含む。Argのための
好ましい保護基はTosである。Lysの側鎖アミノ基
は、Cbz、2−ClーCbz、Tos又はBocで保
護される。Lysのための好ましい保護基は2−Cl−
Cbzである。側鎖保護基の選択は以下の基準に基づ
く:側鎖保護基はカップリングの間に完全なままであ
り、アミノ末端保護基の脱保護の過程で、又はカップリ
ング条件ではずれないものである。側鎖保護基は最終的
なペプチドの合成が完了した時点で、最終ペプチドを変
更しない反応条件を用いて除去されねばならない。
【0054】固相合成は通常、α−アミノ保護(側鎖保
護)アミノ酸を適当な固体支持体にカップリングするこ
とによって、カルボキシル末端から実施される。クロロ
メチル化又はヒドロキシメチル樹脂に固定するとエステ
ル結合が形成され、得られる目的のペプチドはC末端に
遊離のカルボキシル基を有する。若しくは、ベンズヒド
リルアミン又はp−メチルベンズヒドリルアミン樹脂を
用い、この場合にはアミド結合が形成され、得られる目
的のペプチドはC末端にカルボキシアミド基を有する。
これらの樹脂は市販されており、その製造はStewa
rt et al.,“Solid Phase Pe
ptide Synthesis”(第2版、Pier
ce Chemical Co.,Rockford,
IL.,1984)に記載されている。
【0055】側鎖をTosで保護され、α−アミノ基を
Bocで保護されたC末端アミノ酸、Argを、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’−ジイ
ソプロピルカルボジイミド及びカルボニルジイミダゾー
ルを含む各種の活性化剤を用いてベンズヒドリルアミン
にカップリングする。樹脂支持体に固定した後、0℃か
ら25℃の温度で、ジオキサン中のトリフルオロ酢酸
(TFA)又はHClを用いてα−アミノ保護基を除去
する。起こり得るS−アルキル化を抑制するためにメチ
オニン(Met)を加えた後、TFAにジメチルスルフ
ィドを加える。α−アミノ保護基を除去した後、残る保
護されたアミノ酸を求める順序で逐次カップリングし
て、所望のペプチド配列を得る。
【0056】DDC、N,N’−ジイソプロピルカルボ
ジイミド、ベンゾトリアゾールー1−イルーオキシート
リスー(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオ
ロホスフェート(BOP)及びDDC−ヒドロキシベン
ゾチアゾール(HOBt)を含む各種の活性化剤をカッ
プリング反応に用いることができる。各保護アミノ酸は
過剰に(>2.5当量)用い、通常カップリングはDM
F,CH2 Cl2 又はその混合物中で行う。カップリン
グ反応の完了の程度はKaiser et al.,
[Anal.Biochem.34:595(197
9)]の記載するニンヒドリン反応によって各段階ごと
にモニターする。不完全なカップリングが観察された場
合には、カップリング反応を繰り返す。カップリング反
応はVega250,Applied Biosyst
emsシンセサイザー又はその他の市販の機械を用いて
自動的に行うことができる。目的のペプチドをすべて組
み立てた後、ペプチドー樹脂をTFA/ジチオエタンで
脱保護し、次いで液体HFのような試薬で1−2時間、
0℃で切り出すことによって、ペプチドを樹脂から切断
し、側鎖保護基を除去する。
【0057】固体支持体上での側鎖と側鎖の環化には、
酸性アミノ酸(例えばAsp)及び塩基性アミノ酸(例
えばLys)の側鎖官能基の選択的切断を可能にするオ
ルトゴナル(orthogonal)保護方法を用いる
ことが必要である。この目的のためには、Aspの側鎖
には9−フルオレニルメチル(OFm)保護基、そして
Lysの側鎖には9−フルオレニルメトキシカルボニル
(Fmoc)保護基を用い得る。これらの場合におい
て、Boc−保護ペプチドー樹脂の側鎖保護基は、DM
F中のピペリジンで選択的に除去される。環化はDC
C,DCC/HOBt又はBOPを含む各種の活性化剤
を用いて実施される。上記したように、環化したペプチ
ドー樹脂上でHF反応を実施する。
【0058】合成タンパク質の精製とスクリーニング
は、組換え法で生産されたタンパク質について述べたの
と同じように実施できる。アイメリアタンパク質はま
た、生物からの、膜タンパク質の抽出物から回収するこ
とができる。このような方法では完全な野生型タンパク
質を生じる。K hler and Milstei
n,[Nature 256:495(1975)]の
記載する方法により、合成又は天然のアイメリアタンパ
ク質を抗原として用いて、この目的のためのモノクロー
ナル抗体を作製することができる。この方法は本発明の
23kdのアイメリア表面抗原を精製するのに用い得
る。
【0059】本発明の1又はそれ以上のポリペプチド
は、ポリペプチド及び生理学的に受容し得る担体からな
るワクチンに製剤化することができる。適当な担体は、
例えば中性pHの0.01から0.1Mリン酸緩衝液又
は生理食塩溶液を含む。コクシジウム症に対する免疫強
化は次の2つの方法のうちのいずれかによって得られ
る。まず第1は、ワクチンにアジュバント又は免疫強化
剤を添加する。第2には、本発明のタンパク質を、担体
分子への架橋複合体又は結合体として、免疫すべき被験
者に比較的大きな形態で与える。
【0060】被験者のワクチン投与に適したアジュバン
トは、アジュバント65(ピーナツオイル、マンニット
モノオレエート酸、及びアルミニウムモノステアレート
を含む);水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、
及びミョウバンなどの鉱物ゲル;ヘキサデシルアミン、
オクタデシルアミン、リソレシチン、ジメチルジオクタ
デシルアンモニウムブロミド、N,N−ジオクタデシル
ーN’,N’−ビス(2−ヒドロキシメチル)プロパン
ジアミン、メトキシヘキサデシルグリセロール、及びプ
ルロニックポリオールなどの界面活性剤;ピラン、硫酸
デキストラン、ポリIC、ポリアクリル酸、及びカルボ
ポルなどのポリアニオン;ムラミルジペプチド、ジメチ
ルグリシン、及びタフトシンなどのペプチド;及びオイ
ルエマルジョンを含むが、これに限定されるものではな
い。タンパク質はリポソーム又はその他の微小担体中に
包埋して投与してもよい。
【0061】リポソーム又はその他の微小担体中への包
埋は、ワクチン放出が長時間にわたって維持される手段
を提供する。同じ目的のためにアルザ(Alza)浸透
ポンプなどのポンプを用いることができる。本発明のポ
リペプチドの免疫原性、特に小さい断片の免疫原性は、
免疫原性のある担体分子(例えば、本発明のタンパク質
及びタンパク質断片を共有結合的に結合することのでき
る、宿主動物中で免疫応答を独自に引き出す性質を有す
る大分子)に架橋するか、又はカップリングすることに
よって強化することができる。小さいタンパク質断片は
しばしばハプテン(抗体と特異的に結合することができ
るが、抗体生産を引き出すことはできない、すなわち免
疫原性のない分子)として作用するので、担体分子との
架橋又は結合が必要とされるであろう。免疫原性のある
担体分子とのかかる断片の結合は、通常“担体効果”と
して知られる作用によって、断片に免疫原性を与える。
【0062】適当な担体分子は、例えば、タンパク質及
びポリペプチド、ポリサッカライド、リポポリサッカラ
イドなどの天然又は合成のポリマー化合物を含む。有用
な担体は、Morein et al.,[Natur
e 308:457(1984)]に記載のキルA(Q
uil A)と呼ばれるグリコシドである。キーホール
・リンペット・ヘモシアニン(keyhole lim
pet hemocyanin)、ヒト又はウシガンマ
グロブリン、ヒト、ウシ又はウサギ血清アルブミン、又
はこのようなタンパク質のメチル化又はその他の誘導体
などの哺乳動物血清タンパク質を含むタンパク質担体分
子(ただし、これに限定されない)が特に好ましい。そ
の他のタンパク質担体は当業者には明らかであろう。必
ずしも必要という訳ではないが、好ましくは、アイメリ
アタンパク質に対する抗体が引き出される宿主動物にと
って、タンパク質担体は外来のものである。
【0063】担体分子への共有カップリングは当業界で
公知の方法を用いて実施でき、その選択は用いる担体分
子の性質により決定する。免疫原性担体分子がタンパク
質である場合、本発明のタンパク質又は断片は、例えば
ジシクロヘキシルカルボジイミドのような水溶性カルボ
ジイミド、又はグルタルアルデヒドを用いてカップリン
グできる。
【0064】このようなカップリング剤はまた、格別の
担体分子を用いなくても、それ自体にタンパク質又は断
片を架橋するのに用いることができる。このようなタン
パク質又は断片凝集体への架橋も免疫原性を強化するこ
とができる。有効量の本発明のワクチンを投与すると、
例えばアイメリア・テネラ感染又はその他のアイメリア
種による感染によって引き起こされるコクシジウム症に
対して保護しうる。アイメリア・テネラ抗原に対するモ
ノクローナル抗体は、invitroでアイメリア・ア
セルブリナ(E.acervulina)及びアイメリ
ア・マクシマ(E.maxima)と交差反応する。好
ましい被験者は、ニワトリのような家禽であるが、その
他の被験者も本発明の範囲内にある。本発明に従うと、
いかなる有効量のワクチンも使用できる。有効量は以下
に述べる方法を用いて日常的実験によって決定できる。
本発明のポリペプチド及び断片の有効量は、予防接種さ
れる被験者の体重1kg当たり約5から約50μgが好
ましく、特に25−50μgが好ましい。最初の予防接
種に次いで、1から数週間後に追加免疫するのが好まし
い。複数の追加免疫を投与することができる。このよう
な追加免疫の投与量は、一般に約5から50μg/k
g、好ましくは約20−50μg/kgである。皮内、
皮下、筋肉内、経口、肛門、又は卵(胚への直接注射)
投与のような標準的投与経路を用い得る。軽度のコクシ
ジウム症感染を誘導した後、1又は数回の追加接種を行
って、免疫防御を強化することができる。
【0065】本発明のコクシジウム症抗原を家禽などの
被験者の免疫系に与えるには、該抗原をコードする遺伝
子を細菌(例えば、大腸菌又はサルモネラ)又はウイル
ス(例えば、ポックスウイルス又はヘルペスウイルス)
中にクローニングして、生ベクター系、又は適当な場合
にはその不活化形を経口、又は注射、又はその他の慣用
的経路で被験者に投与することによっても達成できる。
Carbit etal.,[Vaccines,19
87,Cold Spring Harbor Lab
oratory,pp.68−71]は大腸菌の使用に
ついて記載するが、Clements[Pathol.
Immunopathol.Res.6:137)19
87)]はサルモネラの使用について記載する。Mos
sらは、組換えポックスウイルスを用いるウイルスベク
ター系の使用についての総説を記載する。
【0066】細胞培養物又は動物中でのコクシジウム症
抗原の投与を試験するために、ある種のポックスウイル
スであるワクシニアウイルスを用いることができる。フ
ァウルポックスウイルスは本発明を実施するために用い
得る別のポックスウイルス担体である。分析的研究のた
めには、ファウルポックスウイルスよりもワクシニアウ
イルスの方が実際的であることが見いだされた。これ
は、ワクシニアウイルスがトリウイルスよりも早く増殖
し、トリ細胞に限定されない宿主領域を有するからであ
る。ウイルスの成熟及び感染力を阻害することなく、大
量の異種DNAをワクシニアウイルスゲノム中に挿入す
ることができる[Smith et al.,Gene
25:21(1983)]。ウイルス中に挿入された
複数の異種遺伝子は、感染動物中で発現し、抗原生産を
引き出すことができる。[Perkus et a
l.,Science 229:981(198
5)]。
【0067】組換えワクシニアウイルスを作成するため
に用いる方法は、ファウルポックス又はヘルペスウイル
ス系の日常的生産に容易に用いることができる。本発明
のタンパク質をコードするヌクレオチド配列を有するD
NAを含む組換えウイルスは、(a)該タンパク質をコ
ードするヌクレオチド配列を有するDNAを、ウイルス
の成熟及び感染力を阻害することなく、ウイルスゲノム
中に挿入し;(b)細胞培養において該組換えウイルス
を増幅し;そして(c)培養物から組換えウイルスを精
製する、ことによって作成することができる。
【0068】コクシジウム症に対するワクチンの担体と
して組換えウイルスを用いることは、予防接種を受けた
家禽がコクシジウム症とウイルス担体との療法に対する
免疫を発生させるので特に有利である(すなわち、この
ようなワクチンは2価である。)このようなワクチンの
有用性は、担体ウイルス中にさらに別の遺伝子を挿入す
ることによって、ますます大きくなる。例えば、ニュー
カッスル病ウイルスゲノムの一部をコクシジウム症抗原
遺伝子とともにファウルポックスウイルス中に挿入する
ことができ、これによってニューカッスル病、コクシジ
ウム症、及びファウルポックスに対する免疫が1つのワ
クチンで得られることになる。
【0069】本発明の生ベクターワクチンの投与は、当
業界で公知の多数の方法によって行うことができる。例
えば、ファウルポックスウイルスに対して家禽を予防接
種するのに通常用いられている“スティック”法を用い
ることができる。この方法はワクチンに浸した鋭利な針
で羽弁(wing web)の皮膚を刺すか、突くこと
からなる。針の先端近くには通常ミシン針のような穴が
あり、ここにワクチン1滴を保持する。若しくは、生ワ
クチンを羽弁又はその他の部位に皮下又は皮内注射す
る。
【0070】組換え生ベクターワクチンは、飲料水に加
えるか、或いは予防接種するニワトリなどの被験者にス
プレーしてもよい。また、好ましくは保護的に囲った
後、飼料に加えるか、又は卵に投与してもよい。後者の
場合、ウイルスワクチンは胚、特にニワトリの胚に直接
注射する[Sharma,Avian Dis.25:
1155(1985)]。
【0071】特に記載しない限り、以下に記載する固体
混合物中の固体、液体中の液体、及び液体中の固体のパ
ーセントはそれぞれwt/wt、vol/vol、及び
wt/volに基づく。さらに、特に記載しない限り、
以下に記載する試薬及び機器の供給源は強制的なもので
はない。当業者はその他の供給源から同様な試薬又は機
器を選択できる。
【0072】
【実施例】実施例 1 メロゾイトの精製 E.tenella のメロゾイトは、ニワトリ当たり50,000個の
上記スポロゾイト形成オーシストを感染させた5日後に
50羽の感染ニワトリ (3 週目のHubbard Cross;Avian Se
rvices,米国ニュージャージー州フレンチタウン) の盲
腸から収穫した。他の源からの同様のニワトリも使用で
きる。盲腸を取り出し、電磁攪拌機上でリン酸緩衝溶液
(PBS)を用いて15分間洗った。低速遠心分離 (50xg) に
より上皮組織片の一部を除き、2,000xg 、4 ℃で10分間
遠心して粗製メロゾイトを回収した。ペレットを溶解緩
衝液 (8.29g/l NH4Cl 、0.372g/l Na2EDTA、1.0g/l KHC
O3、pH7.6)中に再懸濁し、氷上で30分間インキュベート
した。メロゾイトを遠心により集め、PBS で1 回洗い、
分液漏斗中に1.0gのスパンナイロンファイバー (Scrub
Nylon Fiber, Fenwall Laboratories,イリノイ州ディア
フィールド) を含むカラムを通した。前のように遠心し
てメロゾイトを集め、RNA 分離のためにドライアイスで
凍らせるか、あるいはウェスタンブロット分析のために
ジエチルアミノエチルセルロース (DEAE, Whatman DE5
2, Whatman Bio Systems 社, 米国ニュージャージー州
クリフトン) でさらに精製した。
【0073】DEAEセルロースで精製する場合は、約1x10
9 メロゾイトをPBS で10-ml ベッドヴォリュームのカラ
ムに入れ、PBS で溶出した。メロゾイトは最初の100 ml
の通り抜け画分中に回収され、本質的に赤血球や他の細
胞破片を含んでいなかった。 125I- 標識表面タンパク質の免疫沈降 精製したメロゾイトの表面タンパク質はIODOGEN(登録商
標) 法 (Pierce Chemical 社) またはIODOBEADS(登録商
標) (Pierce Chemical社) の使用により125Iで標識し
た。後者の手法では、4 つのIODOBEADS を0.2Mリン酸ナ
トリウム、pH7.5で3 回洗い、1-3 mCi の125I-Na を加
えて室温で5 分間インキュベートした。200 mlのPBS, p
H7.0中の精製メロゾイト (3x108)を反応バイアルに加
え、インキュベーションを15分間続けた。インキュベー
ションの終わりにフッ化フェニルメタンスルホニル (PM
SF) を加えて最終濃度を5 mMとした。
【0074】標識したメロゾイトは12,000xgで30秒間遠
心してインキュベーション混合物から回収し、PBS, pH
7.0中の2%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS) または1%トリ
トンX-100 1 ml中で可溶化した。不溶性物質を12,000xg
で3 分間遠心して除いた。可溶化タンパク質は3,500 分
子量カットオフメンブランを使って4 ℃で3 リットルの
PBS, pH7.0に対して透析し、残存する遊離125Iを除い
た。125I- 標識タンパク質(一般的に約1.5x108cpmがタ
ンパク質に取り込まれる) は使用するまで4 ℃で貯蔵し
た。TCA 沈殿可能な放射能は一般に総放射能の95% を越
えていた。
【0075】グルタルアルデヒド固定メロゾイトに対す
るウサギ抗血清は次のように調製した:約1x109 精製メ
ロゾイトをPBS 中の1%グルタルアルデヒドに懸濁し、室
温で5分間インキュベートした。固定した寄生虫を2000x
gで5 分間遠心して回収し、PBS で3 回洗い、1 mlのPBS
に再懸濁した。ニュージーランド白ウサギの背中の皮
膚に0.5 mlの完全フロインドアジュバントで乳化した固
定寄生虫溶液合計0.5 mlを数回皮内注射した。その後不
完全フロインドアジュバント中に同一の寄生虫タンパク
質を含む追加免疫注射溶液を2 週間おきに2 回ウサギに
投与した。最後の追加免疫の2 週間後に耳静脈から血液
を採取し、凝固した血液試料を2500xgで15分間遠心分離
することにより抗体含有血清を得た。
【0076】免疫沈降用の標識タンパク質の試料 (5 m
l、5x105cpmを含む) は100 mlのIP緩衝液 (0.25% NP-4
0, 20 mM Tris-HCl, pH7.5, 0.15 M NaCl)で希釈し、5
mgのStaph-A タンパク質 (Pansorbin:登録商標, Calbio
chem社, カリフォルニア州サンジエゴ) と氷上で20分間
インキュベートして予備精製し、そして5-10 ml のウサ
ギ抗メロゾイト血清と共に4 ℃で数時間インキュベート
した。抗体複合体を5 mgのStaph-A タンパク質と氷上で
20分間インキュベートして集め、エッペンドルフ遠心機
で15秒間遠心した。ペレットをIP緩衝液で4 回洗い、抗
体試薬で免疫沈降させた標識タンパク質は、SDS ゲル試
料緩衝液 (65 mM Tris, pH6.8, 0.5% SDS,5% β- メル
カプトエタノール, 10% グリセロール, 0.1%ブロモフェ
ノールブルー) 中で100 ℃に5 分間加熱して複合体から
溶出した。SDS ポリアクリルアミドゲル電気泳動 (SDS
PAGE) は Laemmli Nature 227:680 (1970) に記載され
る通りに行った。
【0077】ウサギ抗血清により得られた結果は次のよ
うに調製した免疫ニワトリ血清を用いて確かめた:生き
ているE.tenella のスポロゾイト形成オーシストを反復
感染させて (100,000 個のオーシスト、2 週間おきに3
回与えた) ニワトリを免疫した。心臓穿刺により血液を
採取し、2500xgで5 分間遠心後に凝固細胞破片から抗体
含有血清を分離した。
【0078】抗メロゾイトウサギ血清と免疫ニワトリ血
清の両方を使って、125I- 表面標識アイメリアメロゾイ
トタンパク質およびポリ(A) 含有メロゾイトRNA のin v
itro翻訳産物を免疫沈降させる比較実験を行った。沈殿
したタンパク質はその後SDSPAGEにかけ、標準フルオロ
グラフィー手法と試薬類を用いたフルオログラフィーで
視覚化した。
【0079】これらの実験から、両血清によって双方の
源からの多くのタンパク質が沈殿することが分かった。
かくして、アイメリアタンパク質を発現する遺伝子組み
換え体をスクリーニングするためにいずれの血清も使用
できるだろう。便宜上、下記のスクリーニング法では初
めにウサギ抗メロゾイト血清を使用した。しかし、以下
で説明するcDNAライブラリーの同様のスクリーニングに
は免疫ニワトリ血清を使った。これは、ニワトリ血清だ
けが生存生物を用いたチャレンジに応答して産生された
ので、感染生物に対する免疫応答において重要と思われ
るタンパク質の同定に不可欠であった。確かに、免疫し
たニワトリだけがこのような生物に対し抵抗性を示し
た。
【0080】アイメリアタンパク質に対するウサギ抗メ
ロゾイト血清の特異性を増すために、本質的に Hall ら
Nature 311:379(1984) により記載されるように血清
に対して抗体選別を実施した。簡単に述べると、組み換
えファージクローン (下記参照) により発現された前駆
体タンパク質に特異的な抗体が次のようにしてウサギ抗
メロゾイト血清から精製された。
【0081】陽性ファージを高密度にまき、42℃で3.5
時間増殖させた。このプレートに10mM イソプロピルチ
オガラクトシド (IPTG) を飽和させたニトロセルロース
フィルターを重層して融合タンパク質の発現を誘導し、
インキュベーションを37℃で6-8 時間続けた。抗原負荷
フィルターはTBS (20 mM Tris-HCl, pH8.0, 150 mM NaC
l)で洗い、E.coli宿主細菌で予備吸着された過剰の抗メ
ロゾイト血清と共に4℃で8-10時間インキュベートし
た。フィルターをTBS で3 回洗って非特異的抗体を除い
た。
【0082】フィルター上の融合タンパク質に特異的に
結合した抗体は2.0 mlの0.1 M グリシン, pH2.6, 0.15
M NaClで溶出した (20℃で15分) 。溶出した抗体を直ち
に等量の0.1 M Tris-HCl, pH8.0 で中和した。その後、
選別した抗体 (以後“抗原選別抗体”と呼ぶ) は表面-
標識メロゾイトまたは in vitro 翻訳産物の免疫沈降
に、あるいは全メロゾイトタンパク質のウェスタンブロ
ットでプローブとして使用した。対照血清は抗原選別法
で非組み換えファージを用いて調製した。
【0083】抗原選別抗体を用いたウェスタンブロット
および免疫沈降分析の結果を図2に示す。標識タンパク
質の免疫沈降の産物は Bonner ら Eur. J. Biochem, 4
6:83(1974) により記載されるようにフルオログラフィ
ーで視覚化した。図面の右側の数字はキロダルトンで示
したサイズを有する分子量マーカータンパク質の位置を
示す。
【0084】図2のパネルAは、対照抗体(a) または抗
原選別抗体(b) で検索した全メロゾイトタンパク質のイ
ムノブロットを示す。パネルBは、対照抗体(a) または
抗原選別抗体(b) で免疫沈降させた125I- 表面- 標識メ
ロゾイトタンパク質を示す。 メロゾイトmRNAの単離および in vitro 翻訳 1x109-1x1010生物を含む凍結メロゾイトペレットを、1
mMジチオトレイトール(DTT)と300 単位のRNasin (Prome
ga Biotec, ウイスコンシン州マジソン) を含むTEL/SDS
緩衝液 (0.2M Tris-HCl, 0.1 M LiCl, 25 mM EDTA, 1%
(W/V)ドデシル硫酸ナトリウム (SDS), pH8.8) 10 ml中
に融解し、テフロン被覆組織ホモジナイザーを使って10
-12 ストロークでホモジナイズした。低温、3,000xg で
遠心して不溶性組織片を分離した。上澄み液をTEL 緩衝
液で平衡化したフェノール: クロロホルム: イソアミル
アルコール (24:24:1,v/v)で2 回抽出した。
【0085】水相を100 mg/ml のプロテイナーゼ Kで37
℃、30分間消化し、等量のフェノール: クロロホルム
(1:1)で再抽出し、2 倍容量のエタノールを用いてドラ
イアイス上で1 時間、または-20 ℃で一夜核酸を沈殿さ
せた。10,000xgで1 時間遠心後、ペレットをTE (10 mM
Tris-HCl, pH7.5, 2 mM EDTA) に再懸濁し、4 ml CsCl
クッション (5.7 M CsCl, 0.1 M EDTA) を通して150,00
0xg 、15℃で20時間遠心した。RNA ペレットは2.5 倍容
量のエタノールを用いて0.2 M 酢酸カリウムから再沈殿
させた。この全RNA は Maniatis,前掲, p.197 に記載さ
れるようにオリゴ-dT セルロースを一回通してポリ(A)
+ RNA を濃縮した。5x109 メロゾイト由来の1.9 mgの全
RNA から通常約20μg のポリ(A) + RNA が得られた。
【0086】0.1-0.5 μg のmRNAを使用して、反応混合
物20 ml 当たり10-20 mCi の35S-メチオニンを補給した
ヌクレアーゼ処理ウサギ網状赤血球溶解液 (Amersham
社, 米国イリノイ州アーリントンハイツまたは Promega
Biotec 社) 中での in vitroタンパク質合成をプログ
ラム化した。in vitro翻訳産物は免疫沈降、次にSDS PA
GEにより分析し、上記のようにフルオログラフィーで視
覚化した。結果を図2のパネルCに示す。
【0087】パネルCのレーン cはポリ(A) 含有メロゾ
イトRNA によりプログラム化された生産物の完全混合物
を示す。レーン b、a およびd はそれぞれラムダ5-7 と
称する組み換えファージクローン (下記参照、このクロ
ーンは33キロダルトンのアイメリア前駆体タンパク質を
コードする遺伝子を発現する) 、抗メロゾイト血清と反
応する他のファージクローンおよび非組み換えラムダgt
11クローンで選別した抗体により免疫沈降された翻訳産
物を示す。
【0088】見掛け分子量約33キロダルトンの主要タン
パク質が図2、パネルCのレーンaとb に見られること
に留意されたい。このタンパク質は抗原選別抗体で検索
した全メロゾイトタンパク質を含むレーン (パネルA、
レーン b) に存在しないが、このゲルには23キロダルト
ンのバンドが見られる (パネルA、レーン b、矢印)。2
3キロダルトンのタンパク質はまた、図2、パネルB、
レーン bに示すように125I- 標識メロゾイトタンパク質
からも抗原選別抗体により免疫沈降された。これらの観
察は、33キロダルトンの前駆体タンパク質が成熟メロゾ
イト内でタンパク質加水分解切断により23キロダルトン
の表面抗原にプロセッシングされうることを示唆してい
る。メロゾイトcDNA発現ライブラリーの作製 Gubler et al., Gene 25:263 (1983) に記載されるよう
に、オリゴ(dT)プライマーから伸長させるための逆転写
酵素 (BRL,米国メリーランド州ガイサースバーグ) と相
補鎖を合成するためのRNase H (BRL) およびE. coli DN
A ポリメラーゼI (New England Biolabs, 米国マサチュ
ーセッツ州ベバーリー) を使って、6 μg のメロゾイト
ポリ(A) + RNA から二本鎖cDNAを合成した。二本鎖cDNA
はその後T4 DNAポリメラーゼ (BRL)で平滑末端となし、
製造者のプロトコールに従ってEco RIメチラーゼ (New
England Biolabs)で処理した後にEco RIリンカー (GGAA
TTCC、Collaborative Research社, 米国マサチューセッ
ツ州ベッドフォード) を加えた。
【0089】Eco RIで消化後、Huynh ら (以下参照) に
より記載されるように、Biogel A-50MでcDNAを分画化し
て約300 bpより小さいcDNAと過剰のリンカー分子を除い
た。次いでcDNAをエタノール沈殿させた。ライブラリー
は D. Glover (ed.), DNA Cloning Vol.1: A Practical
Approach, 1985, IRL Press, Washington, D.C., USA,
p.49-78中にHuynh らにより記載されるようにλgt11
(Stratagene Cloning Systems, カリフォルニア州サン
ジエゴ) に作製した。EcoRI cDNA断片はEcoRI 消化・脱
リン酸化したλgt11アーム (Stratagene Cloning Syste
ms) に連結し、得られたDNA を製造者のプロトコールに
従ってGigapack (登録商標) キット (Stratagene Cloni
ng Systems) によりファージにパッケージングした。
【0090】得られたライブラリーはY1088 宿主細胞に
プレートして増幅した。組み換え体のパーセントは、イ
ソプロピルチオガラクトシド (IPTG, Sigma Chemical
社) を含むX-gal プレート (Maniatis, 前掲, p.24) 上
の青色プラーク対無色プラークの比から約90% であると
見積もった。cDNAライブラリーの免疫学的スクリーニング λgt11メロゾイトcDNA発現ライブラリーは、150 mmプレ
ート当たり約10,000プラークの密度でY1090 細胞にプレ
ートした。かかる6 つのプレートを42℃で3.5時間イン
キュベートし、予め10 mM IPTGに浸漬したニトロセルロ
ースフィルターを重ねてβ- ガラクトシダーゼ融合タン
パク質の発現を誘導し、さらに4-5 時間ないし37℃で一
夜インキュベートした。フィルターをプレートから取り
除き、TBS (20 mM Tris-HCl, pH8.0, 0.15 M NaCl)でバ
ッチごとに数回洗った。TBS 中の20% ウシ胎児血清 (FC
S)と室温で1 時間インキュベートして、非特異的タンパ
ク質結合部位をブロックした。
【0091】フィルターはその後、20% ウシ血清を含む
TBS で1:100 に希釈した、Y1090 細胞で予備吸着された
ウサギ抗メロゾイト血清と1 時間インキュベートした。
非特異的抗体はTBS (TBSの1 つは0.1% NP-40を含んでい
た)で連続的に洗浄して除いた。フィルターはウシ血清
を含むTBS で1:1000に希釈した、ヤギ抗ウサギペルオキ
シダーゼ複合体 (BioRad, リッチモンド, CA) と室温で
1 時間インキュベートした。4-クロロ-1- ナフトール
(BioRad) を製造者の指示通りに用いて発色反応を起こ
させた。
【0092】免疫ニワトリからの血清もスクリーニング
に使用した。この血清をY1090 細胞で予備吸着し、ウサ
ギ血清と同じ希釈率で使用した。第二抗体としてウサギ
抗ニワトリ抗体を使用し、検出抗体としてヤギ抗ウサギ
西洋ワサビペルオキシダーゼ複合体を使用した。二次ス
クリーニングでも同一の試薬を使って単一のプラークを
単離した。
【0093】ラムダ5-7 と称する1 つのクローンはウサ
ギ血清からの抗体と強く反応するタンパク質を産生し
た。第二の単離物、1-5 は免疫ニワトリ血清を用いたス
クリーニングにより同定され、5-7 クローンと同じサイ
ズのcDNA挿入物を含むことが分かった。DNA 配列解析に
より、これらのファージクローンは同じメロゾイト抗原
をコードすることが明らかになった。E. coli でのラムダ5-7 cDNAの発現 ラムダ5-7 からの1.2 kb挿入物をEcoRI 消化とアガロー
スゲル電気泳動 Maniatis et al.,前掲, p.157-170 に
より単離した。EcoRI 末端をdATPとdTTPの存在下でKlen
owポリメラーゼにより修復し、両末端にBamHI リンカー
(GGGATCCC) を連結した。この修飾断片は3 つの発現ベ
クター pDS56/RBSII、pDS56/RBSII,-1および pDS56/RBS
II,-2 のそれぞれのBamHI 部位に挿入した。これらの3
つの発現ベクターについては以下で説明する。挿入物を
両方の可能な方向で含むプラスミドは、Mandelら J. M
ol. Biol. 53:159 (1970) により記載されるように、適
合性プラスミドpDMI.1を保有する E. coli M15株にトラ
ンスフォームした。プラスミド pDS56/RBSIIとpDMI.1を
もつ E. coli M15株は欧州特許出願公開第316695号に開
示されている。プラスミドの構築 一般に、プラスミド pDS56/RBSII、-1および-2は、調節
可能なプロモーター/オペレーター要素 N25OPSN25OP29
とリボソーム結合部位 RBSII、RBSII(-1) およびRBSII
(-2) をそれぞれ含んでいる。これらのリボソーム結合
部位は E. coliファージT5 欧州特許出願公開第207459
号 のプロモーターPG25のリボソーム結合部位から誘導
され、DNA 合成により得られた。
【0094】高い発現効率のため、上記プラスミドは、
プロモーター/オペレーター要素がオペレーターへの l
acリプレッサーの結合により抑制されるときだけ E. co
li細胞中に維持される。lac リプレッサーはlacI遺伝子
によりコードされる。N25OPSN25OP29 は十分な数のリプ
レッサー分子が細胞に存在するときだけ抑制することが
できる。従って、リプレッサー遺伝子の発現増加に関与
する変異型プロモーターを含むlacIq 対立遺伝子が使用
された。このlacIq 対立遺伝子は以下で説明するように
プラスミド pDMI.1 に存在する。
【0095】pDMI.1プラスミドは、lacI遺伝子のほか
に、細菌にカナマイシン耐性を付与して選択マーカーと
して使用されるネオマイシンホスホトランスフェラーゼ
遺伝子をもっている。pDMI.1は pDS56/RBSII、-1および
-2プラスミドと適合する。発現ベクター pDS56/RBSII、
-1および-2でトランスフォームされる E. coli細胞は、
発現ベクターを細胞内に安定して保持させるために、pD
MI.1を含まねばならない。この系の誘導は培地へのIPTG
の添加により達成される。プラスミド pDS56/RBSII XbaIとXhoIの制限酵素切断部位間に存在し、複製領域と
β- ラクタマーゼ遺伝子 (細胞にアンピシリン耐性を付
与する) を含む pDS56/RBSIIの部分 (図4および5)
は、もともとプラスミド pBR322 に由来するものであっ
た Bolivar et al., Gene 2:95-113 (1977); Sutcliff
e, Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 43:77-90
(1979) 。しかしながら、β- ラクタマーゼ遺伝子は制
限酵素 HincII と PstI の切断部位を除くことにより修
飾される。DNA 配列のこれらの変更はβ- ラクタマーゼ
のアミノ酸配列に何の影響も及ぼさない。このプラスミ
ドの残りの部分は調節可能なプロモーター/オペレータ
ー要素 N25OPSN25OP29と、これに続くリボソーム結合部
位 RBSII (EcoRI/BamHI 断片の部分である) と、制限酵
素 SalI 、PstIおよびHindIII の切断部位と、E. coli
ファージラムダのターミネーター to Schwarz et al.,
Nature 272:410-414 (1978) と、クロラムフェニコー
ルアセチルトランスフェラーゼのプロモーター不含遺伝
子 Marcoli etal., FEBS Letters, 110:11-14 (1980)
と、E. coli rrnBオペロンのターミネーター T1 Bros
ius et al., J. Mol. Biol. 148:107-127 (1981) を保
有している。プラスミド pDS56/RBSII(-1) プラスミド pDS56/RBSII(-1) (図6および7) はプラス
ミド pDS56/RBSIIに類似しているが、リボソーム結合部
位RBSII(-1) を含んでいる。プラスミド pDS56/RBSII(-2) プラスミド pDS56/RBSII(-2) (図8および9) はプラス
ミド pDS56/RBSIIに類似しているが、リボソーム結合部
位RBSII(-2) を含んでいる。
【0096】これらの3 種のプラスミドの差異は、それ
らがATG 出発コドンの後の1 個のヌクレオチドにより相
違し、3 つの可能なリーディングフレームからのタンパ
ク質発現をもたらすという点である。プラスミド pDMI.1 プラスミド pDMI.1(図10および11) は、E. coli 細胞に
対しカナマイシン耐性を付与するトランスポゾン Tn5由
来のネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子 Be
ck et al., Gene 19:327-336 (1982) と、lac リプレッ
サーをコードするプロモーター変異 Iq Calos, Nature
274:762-765 (1978) をもつlacI遺伝子Farabough, Nat
ure 274:765-769 (1978) を保有する。さらに、プラス
ミド pDMI.1 は複製および娘細胞への安定した伝達に必
要とされるあらゆる情報を含むプラスミド pACYC184 C
hang and Cohen, J. Bacteriol. 134:1141-1156 (1978)
の領域を含んでいる。
【0097】上記プラスミドのほかに、E. coli 発現ベ
クターはどれも本実験に使用しうることを理解すべきで
ある。細菌形質転換体はLB培地 Maniatis et al.,前
掲, p.68 にて37℃で増殖させ、培地に1 mM IPTG を添
加してタンパク質の発現を誘導した。1 時間のインキュ
ベーション後、1-ml試料を採取し、試料中の細胞を遠心
により集めた。細胞ペレットは Crowlら (前掲) により
記載されるように処理し、細胞溶解液をSDS PAGEにかけ
た。電気泳動後、ゲル中のタンパク質はクーマシーブリ
リアントブルーで染色するか、上記のウサギ抗メロゾイ
ト血清を用いたウェスタンブロット分析Towbin et al.,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 76:4350 (1979); Burnet
ti, Anal. Biochem. 112:195 (1981) のためにニトロセ
ルロース膜に移行させた。
【0098】この分析により、1.2 kb cDNA 分子は3 つ
すべてのリーディングフレームにおいて一方の向きで、
SDS-PAGEで測定したとき約33キロダルトンの見掛け分子
量で泳動しかつウサギ抗メロゾイト血清からの抗体と反
応するタンパク質をコードすることが明らかになった。DNA 配列解析 一般に、1 mlの飽和一晩培養物からのプラスミドDNA の
小規模単離は、Birnboimらの方法 Nucleic Acids Rese
arch 7:1513 (1979) を使って実施した。この方法は細
菌コロニーからの少量の分析用DNA の単離を可能にす
る。より大量のプラスミドDNA は、塩化セシウム勾配遠
心を用いた標準プロトコール Maniatis et al.,前掲,
p.93 により1 リットルの培養物から調製した。
【0099】ラムダ5-7 からの1.2 kb EcoRI cDNA 挿入
物のDNA 配列は次のように決定した。挿入物を EcoRIで
消化し、ゲル電気泳動で精製し、Crowl ら Gene 38:31
(1985) により記載される EcoRI消化 pEV-vrfプラスミ
ドに連結した。このプラスミドは pEV/5-7と名づけ、下
記ハイブリダイゼーション分析用の1.2 kb cDNA 挿入物
の増幅のために、または Zagursky らの方法 Gene Ana
l. Tech. 2:89 (1983)による予備DNA 配列分析において
使用した。
【0100】完全なDNA 配列を決定するために、BIO-RA
D(登録商標) M13 クローニングキットとSEQUENASE(登録
商標) シークエンシングキットを使って、pEV/5-7 から
の1.2 kb cDNA 挿入物を M13 mp19 一本鎖ファージベク
ターにさらにサブクローニングした。SEQUENASE キット
(United States Biochemical 社, 米国オハイオ州クリ
ーブランド) で推薦されるプロトコールに従って、Sang
erらのジデオキシ・チェイン・ターミネーション法 Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA 74:5463 (1977) により配列
を決定した。
【0101】5'および3'非翻訳領域を含むpEV/5-7 から
の1.2 kb cDNA の完全なヌクレオチド配列は図1に示し
てある。cDNA配列は図1に示すように315 アミノ酸残基
をコードする68位のATG から1013位のTGA 停止コドンま
で延びるオープンリーディングフレームを予言する。こ
のタンパク質の理論サイズ33,375ダルトンは、抗原選別
試薬を用いたメロゾイトmRNAの in vitro 翻訳からの免
疫沈降産物 (図2,パネルC,レーンa)と、さらに上
記 E. coli発現ベクター中のcDNAから発現されたタンパ
ク質と相関している。
【0102】ラムダ5-7 cDNA挿入物 (図1) によりコー
ドされるタンパク質の推定アミノ酸配列の解析によれ
ば、予言に使用したアルゴリズムに応じて、最初の20個
すなわち75-95 アミノ末端アミノ酸残基が全体的に疎水
性を有し、シグナルペプチド機能の可能性を示唆してい
る。従って、シグナルペプチド配列は最初の約100 個ま
でのアミノ末端アミノ酸残基から成るだろう。これは、
メロゾイトmRNAの in vitro 翻訳産物の免疫沈降により
精製されたポリペプチドが、その前駆体では約35kDaの
分子量を示し、その成熟体では約23 kDaの分子量を示す
という事実によるものである。上で述べたように、前駆
体のサイズはこのタンパク質の理論サイズとよく一致す
る。しかしながら、成熟体は前駆体分子の内部またはN-
末端断片を表すかもしれない。正確なアミノ末端は既知
方法で確かめることができる。
【0103】所定のアミノ酸配列を有するポリペプチド
の多数の領域において、エピトープは J.P. Hoppおよび
K.R. Woods による親水性基準 Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 78:3824-3828 (1981) と P.Y. Chouおよび G.
D. Fasmanによる二次構造基準Advances in Enzymology
47:45-148 (1987) の組み合わせに基づいて指定するこ
とができる。
【0104】次の領域は抗体のための有望なエピトープ
を含む:
【0105】
【化7】 さらに、T細胞エピトープは Berzofskyの両親媒性基準
Good et al., Science 235:1059-1062 (1987) による
理論的根拠に基づいて誘導することができる。T細胞エ
ピトープは抗原からプロセッシングされ H.M. Grey an
d R. Chestnut,Immunol. Today 6:101-106 (1985) 、
細胞内に輸送され Schwartz A.L., Ann. Rev. Immun.
8:195-229 (1990) 、そしてT細胞レセプター複合体に
より認識される。クラスIペプチド相互作用との類似性
のために、アルゴリズムの一部は主にクラスII抗原部位
を同定するためにデザインされたが、それらはまた細胞
障害性Tリンパ球のためのペプチド標的の同定に有用で
あると思われる Feller and de la Cruz, Nature 349:
720-721 (1991) 。
【0106】さらに、潜在的グリコシル化部位が20位の
アミノ酸アスパラギン (D20)に存在する。炭水化物基は
コンホメーション安定性、プロテアーゼ抵抗性、電荷、
水結合能といった重要な物理的性質を付与することが知
られている。しかしながら、D20 はリーダー配列の一
部であり、それ故成熟タンパク質には含まれないことに
留意すべきである。生物学的認識における炭水化物基の
重要な役割については、J.C. Paulson, TIBS 14:272-27
6 (1989)を参照されたい。ハイブリダイゼーション分析 DNA はトリプシンと胆汁で処理し、PBS で洗った後のス
ポロゾイト形成オーシストから次のようにして単離し
た:寄生虫物質 (約1x109 オーシスト) を20 ml の0.5 M
EDTA, pH8.0, 0.5% サルコシル (Sigma,米国ミズーリ
州セントルイス) に懸濁し、0.1 mg/ml のプロテイナー
ゼ K (Boehringer-Mannheim, FRG) を用いて50℃で2 時
間、RNase (10 mg/ml)を用いて37℃で1 時間、再度プロ
テイナーゼ Kを用いて50℃で1 時間消化した。20 mM Tr
is-HCl, pH7.5, 1 mM EDTA (TE) を飽和させたフェノー
ルで2 回、フェノール/クロロホルム (1:1)で1 回抽出
してタンパク質を除いた。水相をTEに対して十分に透析
し、エタノール沈殿により濃縮した。1x106 オーシスト
当たり得られたDNA の収量は一般に0.4 mgであった。
【0107】種々の制限エンドヌクレアーゼを製造者の
プロトコール通りに使用して寄生虫DNA を消化し、生成
したDNA 断片は泳動用緩衝液 (4.7 g NaH2PO4,4.36 g T
ris塩基, 0.372 g Na2EDTA/リットル, pH7.6)で0.8%ア
ガロースに対して40V で2.5時間電気泳動を行い、分離
した。ゲルを0.25 M HClで30分間処理し、0.4 M NaOH中
でZeta-Probeメンブラン (BIO-RAD 登録商標) に一夜移
行させた。フィルターを2xSSC (pH6.8) で中和し、真空
下に80℃で1 時間焼いた。
【0108】フィルターは7% SDS, 1% BSA (Boehringe
r, 画分 V), 0.5 M NaHPO4, pH7.2中65℃で3 時間プレ
ハイブリダイズさせた。上記のpEV/5-7 プラスミドをEc
oRI で消化後5-7 遺伝子EcoRI 挿入物をゲル単離し、32
P-標識デオキシヌクレオチドの存在下にKlenow断片を使
ってランダムプライミングにより標識した。標識挿入物
はスピン- カラム (BIO-RAD 登録商標) を使って組み込
まれなかったヌクレオチドから分離し、変性し、ハイブ
リダイゼーション溶液に加えた。65℃で12時間インキュ
ベーション後、フィルターを2xSSC/0.1% SDSで3 回、0.
1xSSC/0.1% SDSで1 回65℃にて洗った。プローブにハイ
ブリダイズするゲノムDNA 断片はオートラジオグラフィ
ーで検出した。ここではpEV/5-7 プラスミドを使用した
が、メロゾイト5-7 遺伝子の1.2 kb cDNA 挿入物を含む
均等なベクターはどれも適切な方法で使用できることが
理解されよう。
【0109】この分析の結果は図3に示してあり、そこ
にはPvuII (1) 、HincII (2)、PstI(3)、SphI (4)また
はSacI (5)による消化の結果が見られる。6.5 および3.
6 kbのゲノムDNA 断片がPvuII とSacIでの消化後に、そ
れぞれレーン 1と 5に検出された。cDNAクローンにはこ
れらの酵素の切断部位はないので、アイメリア遺伝子の
最大サイズは3.6 kbであると概算される。
【0110】3 つの断片がPstIでの消化後に検出された
(レーン 3) 。2 つのPstI部位はcDNA配列から予想さ
れ、これは306 bpの内部断片 (サザンブロットで検出す
るには小さすぎる) と2 つのジョイント断片をもたらす
だろう。第三の大きいPstI断片の出現は内部PstI部位間
にあるイントロンの存在により最もよく説明される。Sp
hI (レーン 4) もcDNAを2 度切断するが、これにより生
じた断片のパターンは明確な情報を何も提供しない。cD
NA配列から予想される604 bPの小さい内部SphI断片はこ
のゲルでは検出されなかった。
【0111】EcoRI でのゲノムDNA の消化はサイズがcD
NA断片に一致する1.2 kbのゲノム断片を生成した。Hinc
IIとEcoRI での二重消化は0.9 kbの断片をもたらした
(示してない) 。メロゾイトから単離したポリ(A) 含有
mRNA のノザンブロット分析 Alwine et al., Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA 74:5350 (1977) では、ラムダ5-7
遺伝子の1.2 kb cDNA 断片が約1.3 kbの鎖長の単一のm
RNA種にハイブリダイズした。サイズの相関性から、5-7
クローンは、上記の1-5 単離物から測定された5'伸長
部分と一緒になって、cDNAの全長配列 (末端5'ヌクレオ
チドの除外がありうる) を表すことが明らかである。実施例 2 E.tenella のメロゾイト抗原5-7 でニワトリを免疫する
ためのより効果的な方法を開発するために、上記の1.2
kb cDNA をワクシニアウイルスにクローニングした。こ
の方法で得られた組み換えワクシニアウイルスはニワト
リに接種するためのサブユニットコクシジウム症ワクチ
ンとして使用した。ベクターの構築 作製された組み換えワクシニアウイルス (rVV)の全形態
は、Macketら Proc.Natl. Acad. Sci. USA 79:7415 (1
982) により記載されるようなウイルスチミジンキナー
ゼ (TK) 遺伝子座への相同組み換えに基づいていた。TK
遺伝子座はワクシニアウイルス (VV) HindIII J 断片
Hruby et al., J. Virol. 43:403 (1982) にマッピング
されており、この断片の一部はすでに配列決定がなされ
ているWeir et al., J. Virol. 46:530 (1983) 。
【0112】組み換え用ベクター pUC8-TK-7.5K の構築
は基本的には欧州特許出願公開第344808号に記載されて
いる。簡単に述べると、このベクターはVV7.5Kプロモー
ターにより破壊されたワクシニアウイルスTK遺伝子を保
有するpUC8プラスミド主鎖から成っている Venkatesan
et al., Cell 25:805 (1981) 。転写方向でプロモータ
ーの下流に多重クローニング部位が構築されて、発現す
べき遺伝子の導入が可能である。図12は pUC8-TK-7.5K
プラスミドの模式図である。
【0113】本発明者らの構築物を作製するために、メ
ロゾイト5-7 遺伝子をコードするEcoRI 断片を、図12に
示した基本ベクターに含まれるポリリンカーのEcoRI 部
位にクローニングした。正しい方向でこの断片を含む構
築物を増幅し、以下に記載するように修飾してメロゾイ
ト5-7 遺伝子の天然開始コドンの97ヌクレオチド上流に
あるin-frame開始コドンを欠失させた。このために、プ
ラスミドを制限酵素 SmaI とBglII で消化した。4 種類
のデオキシリボヌクレオチドの存在下でBglII部位をKle
now酵素により平滑にした後、プラスミドを連結し、期
待された欠失をもつ構築物 pR3 (図13) を増幅し、ワク
シニアウイルスへの組み換えに使用した。図14はこの組
み換え用プラスミドの完全配列を示す。
【0114】さらにメロゾイト5-7 遺伝子は DraI-Hind
III マラリア抗原リーダーを含む組み換え用ベクターに
も導入した。欧州特許出願公開第344808号に記載される
このベクターはベクター pUC8-TK-7.5K を土台とするも
のであるが、さらに7.5Kプロモーターの下流に190 kDa
マラリア抗原リーダーを含んでいる。このリーダー配列
に隣接して多重クローニング部位が構築されて、発現す
べき遺伝子の導入が可能である。VV7.5Kプロモーターに
より誘導された転写物は、N-末端に190 kDa マラリア抗
原リーダーを保有するタンパク質に翻訳されるだろう。
リーダー配列の潜在的切断部位での in vivoプロセッシ
ングは成熟タンパク質へ導く。図15はメロゾイト5-7 遺
伝子を担うこの構築物 pR4の模式図である。組み換えワクシニアウイルスの構築 8 cm2 培養皿にまき、33℃に順応させ、80-90%の集密度
へ増殖させたCV1 細胞に、0.1 プラーク形成単位 (pfu)
/ 細胞のワクシニアウイルス温度感受性変異体ts N7 D
rillien, R. and Spehner, D. Virology 131:385-393
(1983) を感染させた。CO2 インキュベーター内で33℃
の許容温度で2 時間後 Kieny et al.,Nature 312:163
(1984) 、Weirら Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:121
0-1214(1982) により記載されるように細胞を0.25 ml
のリン酸カルシウムDNA 沈殿物でトランスフェクトし
た。リン酸カルシウム-DNA沈殿混合物は 0.8% NaCl、0.
038% KCl、0.0134 M Na2HPO4.2H2O 、0.1%グルコース;p
H7.0および125 mM CaCl2、200 ngのワクシニア野生型DN
A (WR 株) および100 ngの相応の組み換えプラスミド p
R3または pR4から成っていた。室温で1 時間後追加の培
地をプレートに加え、続いて5%CO2 インキュベーターに
て39.5℃で2 時間インキュベートした。この温度では t
s N7ウイルスは複製することができず、少なくとも ts
7 遺伝子座で組み換えられたウイルスが選択される。
【0115】39.5℃で2 日間インキュベーション後細胞
をかき取って回収し、この懸濁体を超音波処理でさらに
破壊した。次いで、このホモジネートを使って、30μg/
mlのブロモデオキシウリジン (BUdR) の存在下にヒトTK
- 143 細胞で滴定することによりTK陰性 (TK- ) ウイル
スを得た。プラークを選択し、ウイルスは30μg/mlのBU
dRの存在下にヒトTK- 143 細胞で2 回以上さらにプラー
ク精製した。その後BUdRの不在下にCV1 細胞でウイルス
ストックを調製した。組み換えワクシニアウイルスR3.2
およびR4.1はそれぞれ、ウイルスDNA をHindIII で消化
し、rVV DNA パターンを同じ制限酵素で消化した野生型
(WR) ワクシニアDNA のパターンと比較することによ
り、TK遺伝子に挿入された1.2 kb cDNA メロゾイト遺伝
子の存在を調べた。組み換えが起こっている場合は、1%
アガロースゲルでの電気泳動後にHindIII J DNA 断片の
シフトが見られるはずである。実際にこれが観察され
た。シフトは挿入物のサイズから推定された計算値と相
関していた。発現試験 組み換えウイルスによるメロゾイト5-7 抗原の発現を試
験するために、CV1 細胞にrVV R3.2またはrVV R4.1を感
染させ、48時間後に回収した。細胞を遠心した後、ペレ
ットは還元剤としてのβ- メルカプトエタノールの存在
下にLaemmli 試料緩衝液 Nature 227:680 (1970) 中で
可溶化した。5 分間沸騰後、試料を12.5% SDS-PAGEスラ
ブゲルに載せた。電気泳動分離後、タンパク質は Trans
blotトランスファーセル (BIO RAD Laboratories) を使
って80V の定電圧でブロット緩衝液: 25 mM Tris-HCl,
0.19 Mグリシン; pH8.3 および20%(v/v)メタノール中で
ニトロセルロース膜 (Trans-Blot, BIO RAD)に4 ℃で2
時間ブロットした Towbinet al., Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 76:4350-4354 (1979) 。
【0116】免疫検定のために、ニトロセルロースをTB
S (20 mM Tris-HCl, 150 mM NaCl,pH8 に調整) 中の5%
脱脂粉乳で45分間予備処理し、20%(v/v)ウシ胎児血清を
含むTBS 緩衝液中のウサギ抗 E.tenellaメロゾイト血清
の1:50希釈物と共に室温で2時間または一夜インキュベ
ートした。その後ニトロセルロースを0.1% NP40 含有TB
S で10分間3 回洗い、次に5%脱脂粉乳およびTBS で1:10
00に希釈したアフィニティー精製ヤギ抗ウサギIgG(H+L)
ペルオキシダーゼ複合体 (BIO RAD)と共に室温で2 時間
インキュベートした (H+L はIgG のH 鎖とL 鎖を表す)
。上記のようにブロットを3 回洗った。ペルオキシダ
ーゼ複合体の結合はニトロセルロースを6%メタノール/H
2O中の0.018% 4- クロロ-1- ナフトールおよび0.02%(v/
v)H2O2中で反応させて検出した。反応はブロットをH2O
で十分に洗うことにより停止させた。
【0117】ウサギ抗 E.tenellaメロゾイト血清は、ウ
ェスタンブロット (Towbin et al.,前掲) においてrVV
R3.2感染CV1 細胞と反応し、それぞれ33 kDaと23 kDaの
2 本の別個のバンドを示すことが分かった。BIO-RAD 予
備染色SDS-PAGE分子量標準 (低範囲) を基準として使用
した。野生型WRワクシニアウイルスに感染したCV1 細胞
はウサギ抗 E.tenellaメロゾイト血清と反応しなかっ
た。33 kDaタンパク質のサイズは図2、パネルC、レー
ン bに示されるような前駆体タンパク質の理論的予測値
と相関している。より小さい23 kDaのタンパク質は上記
前駆体タンパク質のプロセッシング型であり得、これも
メロゾイトの表面に見られた (図2、パネルAおよび
B、レーン bを参照) 。同じ結果がrVV R4.1感染CV1 細
胞の場合にも観察された。
【0118】さらに、ウェスタンブロット分析により、
スポロゾイト形成オーシストに感染したニワトリからの
免疫血清は、ワクシニアウイルス組み換え体 R3.2 およ
び R4.1 を感染させたCV1 細胞により発現されたメロゾ
イト5-7 タンパク質 (33 kDaと23 kDa) を認識すること
が見いだされた。ウイルスの生産 WR株のウイルスは殆ど全ての細胞型で増殖でき Drilli
en et al., J. Virology 28:843 (1978) 、その増殖は
プラークの形成により直接見ることができる。大抵の場
合、本発明者らはウイルスの大ストックを用意するため
にCV1 細胞を使用した。
【0119】感染のために、175 cm2 培養フラスコで増
殖している80-90%集密的CV1 細胞から培地を除き、ウイ
ルスを含むPBS 溶液 (0.1 pfu/ml, 0.01 ml/cm2)中で細
胞を室温 (20℃) で1 時間インキュベートした。その後
新鮮な培地を加え (0.2 ml/cm2) 、約80% の細胞が溶解
するまでフラスコを37℃で2-3 日間インキュベートし
た。得られたストック液はウイルス精製前にもとの培養
フラスコ中の細胞および培地と共に-30 ℃で直接貯蔵し
た。
【0120】宿主細胞特異的成分を含まないウイルス調
製物を得るために、次の精製工程を使用した。-30 ℃で
貯蔵しておいた感染細胞培養物を融解し、フラスコの表
面から残存する細胞をかき取って除いた。細胞とウイル
スを遠心 (ソルボル遠心機 GSAローター、5000rpm, 10
℃で1 時間) により培地から分離した。ウイルス粒子を
含む細胞のペレットをPBS (10-20x ペレットの容量) に
再懸濁し、上記のように遠心した。その後このペレット
は10倍容量のRSB 緩衝液 (10 mM Tris-HCl, pH8.0 に調
整, 10 mM KCl, 1 mM MgCl2)に再懸濁した。
【0121】残存する完全細胞を溶解し、細胞膜からウ
イルスを遊離させるために、上記懸濁体を超音波処理
(ソニファイアー例えば4 mmプローブを備えた Labsonic
1510を使って室温、60ワットで10秒、2 回) に付し
た。混合物をソルボルGSA ローターを使って3000 rpm、
10℃で3 分間遠心した。こうして細胞核と大きな細胞破
片を含まないウイルス懸濁体を得た。上澄みを慎重に取
り除き、ペレットをRSB 緩衝液に再懸濁し、上記のよう
に超音波処理と遠心を行った。
【0122】2 回目の上澄みを1 回目のものと合わせ、
10 ml の35% ショ糖クッション (10mM Tris-HCl, pH8.0
中) に重層し、ベックマンSW27ローターを使って14000
rpm 、10℃で90分間遠心した。上澄みをデカントし、
ウイルス粒子のペレットを10ml の10 mM Tris-HCl, pH
8.0 に再懸濁し、超音波処理して混合物をホモジナイズ
し (上記のように室温で10秒、2 回) 、更なる精製のた
めに段階的勾配にかけた。
【0123】段階的勾配は次の濃度: 20% 、25% 、30%
、35% および40% の10 mM Tris-HCl, pH8.0 中のショ
糖の5 mlアリコートから成っていた。この勾配をベック
マンSW27ローターを使って14000 rpm 、10℃で35分間遠
心した。ウイルス粒子を含む数本のバンドが30-40%ショ
糖領域に見られた。この勾配領域を取り出し、PBS で希
釈し、ウイルス粒子を沈殿させた (ベックマンSW27ロー
ター、14000 rpm 、10℃で90分) 。ほぼウイルス粒子の
みを含むペレットをPBS に再懸濁して、ウイルス濃度を
平均して0.5-1x1010pfu/mlとした。このウイルス原液
(ストック) は直接またはPBS で希釈して使用した。
【0124】ウイルス濃度とウイルス原液の純度を測定
するために、2つの方法を用いた。ウイルス粒子の絶対
濃度は、分光光度計を使って波長260 nmでの原液の光学
密度(OD/260 nm)を測定することにより簡便に得られ
た。この場合1 OD/260は約1.2x1010粒子/ mlに等しい
Joklik, Virology 18:9 (1962) 。ウイルスの濃度は、
60個のウイルス粒子から1 個だけが細胞に感染すると仮
定して、細胞上のウイルスを滴定する (プラーク検定)
ことにより得られた。
【0125】培養細胞上のウイルス濃度を滴定するする
ために、ニワトリ胚線維芽 (CEF)細胞を8 cm2 培養プレ
ート (Falcon3001) 上の細胞培養培地で増殖させた。細
胞が80-90%の集密度に達したら培地を除き、PBS 中の希
釈ウイルス液0.2 mlと置換し、室温に1 時間放置した。
ウイルス原液は10倍段階で希釈した。1%アガロースを含
む半個体細胞培養培地 2 ml を各プレートに添加し、そ
の後プレートをCO2 インキュベーター内に37℃で16-24
時間置いた。続いて0.2%ニュートラルレッドを含む半個
体細胞培養培地 2 ml を重層して生存細胞を染色し、プ
レートをさらに16-24 時間インキュベートした。その後
無色のプラークを顕微鏡で数えた。実施例 3 ニワトリの免疫感作 メロゾイト5-7 遺伝子を保有するワクシニアウイルスベ
クターrVV-R3.2が、E.tenella 病原株のスポロゾイト形
成オーシストによるチャレンジからニワトリを防御でき
るかどうか調べるために、次のワクチン接種を実施し
た。
【0126】スイスの Belp にある孵化場 E.Wuethrich
から供給されたレイヤー種WARRENの若い雄ニワトリを、
床に金網が敷いてあるケージで、主としてトウモロコ
シ、コムギおよびダイズから成る市販のブロイラー型飼
料を用いて飼育した。17日目にニワトリに100 μl のPB
S 中の3x108pfuの組み換えワクシニアウイルス R3.2 を
接種した。50μl は羽板に皮下注射し、残りの50μl は
胸に筋肉内注射した。1週間おきにこの方法を2 回繰り
返した。しかし、1 つの処理群の場合は、野外条件下で
の感染性コクシジウムへのニワトリの自然暴露に似せる
ために、E.tenella の毒性株 (例えばT7-776/21 株) の
5000スポロゾイト形成オーシストの経口接種で最後のウ
イルス注射を置き換えた。最後の免疫感作の1 週間後、
分析のために全部のニワトリから採血し、さらに1 週間
後 (45日目)E.tenella (例えばT7-776/21 株) の50000
スポロゾイト形成オーシストでチャレンジした。7 日の
寄生虫の発生周期を終わらせ、52日目にニワトリから採
血し、犠牲にした後で検死した。感染盲腸を切除し、寄
生虫発生による障害を評定し、全組織をホモジナイズし
てそのオーシスト含有量を測定した。さらに、ニワトリ
の成果 (1 日の体重増加および飼料変換) を記録した。防御実験 表 1のデータによれば、組み換えワクシニアウイルス R
3.2 の接種が重度のコクシジウムチャレンジを相当に防
御することが明らかである。障害の評点は感染対照と比
べて18% 減り、盲腸のオーシスト含有量は35% 減少し
た。経済的に最も重要なパラメーターであるニワトリの
成果は1 日の体重増加が62% 、飼料変換が56% 改善され
た。しかしながら、最後のウイルス注射を温和なコクシ
ジウム感染で置き換えた場合は、コクシジウム症に対す
るニワトリの防御がほぼ完全であった。これらのニワト
リの成果は非感染対照に等しく、障害の評点と盲腸のオ
ーシスト含有量も低かった。E.tenella を1 回接種した
だけでは決してこのような高度な防御は付与されないこ
とが証明されているので、ウイルスに基づいたワクチン
の接種がニワトリの免疫系を強く感作し、それによりそ
の後の温和なコクシジウム感染が追加免疫効果を示し、
コクシジウム症に対してかかる有効な免疫防御をもたら
すと断定された。ニワトリの体液の状態 ニワトリの体液の状態は次の方法を使って間接的ELISA
およびウェスタンブロットにより分析した。
【0127】
【表1】 ウェスタンブロット分析は上記のように行ったが、ニワ
トリ血清試料の前にインキュベーション工程を追加し
た。この工程は全てのワクシニア特異的タンパク質をお
おい隠すための、ブロットしたニトロセルロースと超免
疫ウサギ抗ワクシニア血清とのインキュベーション (室
温で2 時間、1:50希釈物) から成っていた。
【0128】間接的ELISA の場合は、in vitro一次ニワ
トリ腎細胞培養物から回収したE.tenella の第三世代メ
ロゾイトを使用した。マイクロタイタープレートに100
mlの炭酸ナトリウム- 重炭酸塩緩衝液 (pH9.6)に溶解し
たウェル当たり3000のメロゾイトを被覆し、4 ℃で一晩
インキュベートした。プレートを脱イオン水で3 回洗
い、200 mlのブロッキング緩衝液 (HCl でpH6.5 に調整
した0.1M Na2HPO4, 1% BSA, 0.5 g/l ナトリウムエチル
メルクリチオサリシレート) を満たした。ブロッキング
を4 ℃で一晩続けた。動物につき2 つの血清試料を試験
した。第一の試料は最後の免疫感作の1 週間後に採取
し、第二の試料は動物を犠牲にする直前に採取した。3%
粉乳を含むPBS で、1:50倍希釈から開始して2 倍段階で
試料を希釈した。37℃で4 時間インキュベーションを行
った (100 ml) 。プレートを上記のように洗い、続いて
ウェル当たり100 mlのペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ニワ
トリ (H+L)複合体 (3%粉乳を含むPBS で1:2000に希釈)
を加えた。37℃で2 時間インキュベーションを行った。
抗体- 抗原複合体は100 mlのTMB-基質を加えて視覚化し
た。TMB-基質は1 部のTMB (0.24 g のテトラメチルベン
ジジンを5 mlアセトンに溶解し、メタノールで50 ml に
したもの) と20部の基質 (0.2 M クエン酸, pH4.0, 275
ml/l のH2O2 30%) から成っていた。
【0129】この反応を0.5 M H2SO4 で停止させ、その
後プレートをELISA リーダー (Titertek Multiskan MCC
/340, Flow Laboratories)を使って450 nmで読み取っ
た。低用量のスポロゾイト形成オーシストで免疫した対
照動物 (平均力価 > 1:1600)と比べて、ニワトリに組み
換えウイルスR3.2およびR4.1を接種した後では、コクシ
ジウムメロゾイトに対して弱い体液抗体応答 (平均力価
1:100) が観察されただけだった。このことは接種ニワ
トリのポジティブな防御および成果データ (表 1と上記
の結果) が細胞媒介エフェクター機構により生じうるこ
とを示唆している。
【0130】メロゾイト5-7 抗原に対する特異的抗体の
存在を確かめるために、ELISA で最高の抗体価を示した
血液試料を、抗原源としてrVV 3.2 を感染させたCV1 細
胞を用いて、ウェスタンブロットで試験した。全ての血
清は33 kDaと23 kDaの2 種類のタンパク質を認識し、こ
のことは上首尾で免疫感作が起こったことを示すもので
ある。
【0131】本発明の多くの修飾および変更が、当分野
で習熟した者には明らかなように、その精神および範囲
から逸脱することなく可能である。ここに記載した特定
の実施態様は単に例として提示され、本発明は特許請求
の範囲によってのみ制限されるものである。 配列一覧表 (1) 一般情報: (i) 出願人: (A) 名称: エフ. ホフマン- ラ ロッシュ エージー
(F. HOFFMANN-LA ROCHE AG) (B) 通り: Grenzacherstrasse 124 (C) 都市: Basle (D) 州: BS (E) 国: スイス (F) 郵便番号 (ZIP): CH-4002 (G) 電話: 061-688 24 03 (H) テレファックス: 061-688 13 95 (I) テレックス: 962292/965542 hlrchh (ii) 発明の名称: コクシジウム症ワクチン (iii) 配列の数: 15 (iv) コンピュータ読み取り形態: (A) 媒体型: フロッピーディスク (B) コンピュータ: IBM PC互換機 (C) 操作システム: PC-DOS/MS-DOS (D) ソフトウェア: パテントイン リリーズ#1.0, バー
ジョン#1.25(EPO) (v) 最新出願データ: 出願番号: (vi) 先行出願データ: (A) 出願番号: 米国特許出願番号 07/729,099 (B) 出願日: 1991年7 月12日 (2) SEQ ID NO:1 の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 315 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (D) 形態: 未知 (ii) 分子型: タンパク質 (iii) 仮説: なし (vi) 起源: (A) 生物: アイメリア・テネラ (Eimeria tenella) (D) 発生段階: メロゾイト (xi) 配列記載: SEQ ID NO:1:
【0132】
【化8】 (2) SEQ ID NO:2 の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 948 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖: 一本 (D) 形態: 線状 (ii) 分子型: cDNA (iii) 仮説: なし (iv) アンチ- センス: なし (vi) 起源: (A) 生物: アイメリア・テネラ (xi) 配列記載: SEQ ID NO:2:
【0133】
【化9】 (2) SEQ ID NO:3 の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 8 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (D) 形態: 線状 (ii) 分子型: ペプチド (iii) 仮説: あり (v) 断片型: 内部 (vi) 起源: (A) 生物: アイメリア・テネラ (xi) 配列記載: SEQ ID NO:3:
【0134】
【化10】 (2) SEQ ID NO:4 の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 29アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (D) 形態: 線状 (ii) 分子型: ペプチド (iii) 仮説: あり (v) 断片型: 内部 (vi) 起源: (A) 生物: アイメリア・テネラ (xi) 配列記載: SEQ ID NO:4:
【0135】
【化11】 (2) SEQ ID NO:5 の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 3 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (D) 形態: 線状 (ii) 分子型: ペプチド (iii) 仮説: あり (v) 断片型: 内部 (vi) 起源: (A) 生物: アイメリア・テネラ (xi) 配列記載: SEQ ID NO:5:
【0136】
【化12】 (2) SEQ ID NO:6 の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 6 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (D) 形態: 線状 (ii) 分子型: ペプチド (iii) 仮説: あり (v) 断片型: 内部 (vi) 起源: (A) 生物: アイメリア・テネラ (xi) 配列記載: SEQ ID NO:6:
【0137】
【化13】 (2) SEQ ID NO:7 の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 8 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (D) 形態: 線状 (ii) 分子型: ペプチド (iii) 仮説: あり (v) 断片型: 内部 (vi) 起源: (A) 生物: アイメリア・テネラ (xi) 配列記載: SEQ ID NO:7:
【0138】
【化14】 (2) SEQ ID NO:8 の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 5 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (D) 形態: 線状 (ii) 分子型: ペプチド (iii) 仮説: あり (v) 断片型: 内部 (vi) 起源: (A) 生物: アイメリア・テネラ (xi) 配列記載: SEQ ID NO:8:
【0139】
【化15】 (2) SEQ ID NO:9 の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 6 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (D) 形態: 線状 (ii) 分子型: ペプチド (iii) 仮説: あり (v) 断片型: 内部 (vi) 起源: (A) 生物: アイメリア・テネラ (xi) 配列記載: SEQ ID NO:9:
【0140】
【化16】 (2) SEQ ID NO:10の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 30アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (D) 形態: 線状 (ii) 分子型: ペプチド (iii) 仮説: あり (v) 断片型: 内部 (vi) 起源: (A) 生物: アイメリア・テネラ (xi) 配列記載: SEQ ID NO:10:
【0141】
【化17】 (2) SEQ ID NO:11の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 5 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (D) 形態: 線状 (ii) 分子型: ペプチド (iii) 仮説: あり (v) 断片型: 内部 (vi) 起源: (A) 生物: アイメリア・テネラ (xi) 配列記載: SEQ ID NO:11:
【0142】
【化18】 (2) SEQ ID NO:12の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 5 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (D) 形態: 線状 (ii) 分子型: ペプチド (iii) 仮説: あり (v) 断片型: 内部 (vi) 起源: (A) 生物: アイメリア・テネラ (xi) 配列記載: SEQ ID NO:12:
【0143】
【化19】 (2) SEQ ID NO:13の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 5 アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (D) 形態: 線状 (ii) 分子型: ペプチド (iii) 仮説: あり (v) 断片型: 内部 (vi) 起源: (A) 生物: アイメリア・テネラ (xi) 配列記載: SEQ ID NO:13:
【0144】
【化20】 (2) SEQ ID NO:14の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 14アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (D) 形態: 線状 (ii) 分子型: ペプチド (iii) 仮説: あり (v) 断片型: 内部 (vi) 起源: (A) 生物: アイメリア・テネラ (xi) 配列記載: SEQ ID NO:14:
【0145】
【化21】 (2) SEQ ID NO:15の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 18アミノ酸 (B) 型: アミノ酸 (D) 形態: 線状 (ii) 分子型: ペプチド (iii) 仮説: あり (v) 断片型: C-末端 (vi) 起源: (A) 生物: アイメリア・テネラ (xi) 配列記載: SEQ ID NO:15:
【0146】
【化22】
【図面の簡単な説明】
【図1a】アイメリア前駆体タンパク質をコードする1.
2 kb cDNA 分子のヌクレオチド配列および該ヌクレオチ
ド配列から推定されるアイメリア前駆体タンパク質のア
ミノ酸配列を示す図。
【図1b】アイメリア前駆体タンパク質をコードする1.
2 kb cDNA 分子のヌクレオチド配列および該ヌクレオチ
ド配列から推定されるアイメリア前駆体タンパク質のア
ミノ酸配列を示す図。
【図1c】アイメリア前駆体タンパク質をコードする1.
2 kb cDNA 分子のヌクレオチド配列および該ヌクレオチ
ド配列から推定されるアイメリア前駆体タンパク質のア
ミノ酸配列を示す図。
【図2】アイメリアメロゾイトタンパク質のSDS PAGE分
析の結果を示す図。(電気泳動を示す写真である。)
【図3】アイメリア・テネラのスポロゾイト形成オーシ
ストゲノムDNA のサザンブロット分析の結果を示す図。
(電気泳動を示す写真である。)
【図4】プラスミド pDS56/RBSIIの模式図。
【図5a】プラスミド pDS56/RBSIIの完全なヌクレオチ
ド配列を示す図。
【図5b】プラスミド pDS56/RBSIIの完全なヌクレオチ
ド配列を示す図。
【図5c】プラスミド pDS56/RBSIIの完全なヌクレオチ
ド配列を示す図。
【図6】プラスミド pDS56/RBSII(-1)の模式図。
【図7a】プラスミド pDS56/RBSII(-1)の完全なヌクレ
オチド配列を示す図。
【図7b】プラスミド pDS56/RBSII(-1)の完全なヌクレ
オチド配列を示す図。
【図7c】プラスミド pDS56/RBSII(-1)の完全なヌクレ
オチド配列を示す図。
【図8】プラスミド pDS56/RBSII(-2)の模式図。
【図9a】プラスミド pDS56/RBSII(-1)の完全なヌクレ
オチド配列を示す図。
【図9b】プラスミド pDS56/RBSII(-1)の完全なヌクレ
オチド配列を示す図。
【図9c】プラスミド pDS56/RBSII(-1)の完全なヌクレ
オチド配列を示す図。
【図10】プラスミド pDMI.1 の模式図。
【図11a】プラスミド pDMI.1 の完全なヌクレオチド
配列を示す図。
【図11b】プラスミド pDMI.1 の完全なヌクレオチド
配列を示す図。
【図11c】プラスミド pDMI.1 の完全なヌクレオチド
配列を示す図。
【図12】プラスミド pUC8-TK-7.5K の模式図。
【図13】組み換えプラスミド pR3の模式図。
【図14a】組み換えプラスミド pR3の完全なヌクレオ
チド配列を示す図。
【図14b】組み換えプラスミド pR3の完全なヌクレオ
チド配列を示す図。
【図14c】組み換えプラスミド pR3の完全なヌクレオ
チド配列を示す図。
【図14d】組み換えプラスミド pR3の完全なヌクレオ
チド配列を示す図。
【図14e】組み換えプラスミド pR3の完全なヌクレオ
チド配列を示す図。
【図14f】組み換えプラスミド pR3の完全なヌクレオ
チド配列を示す図。
【図14g】組み換えプラスミド pR3の完全なヌクレオ
チド配列を示す図。
【図14h】組み換えプラスミド pR3の完全なヌクレオ
チド配列を示す図。
【図14i】組み換えプラスミド pR3の完全なヌクレオ
チド配列を示す図。
【図15】プラスミド pR4の模式図。
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 5/10 7/01 15/30 C12P 21/02 C 8214−4B //(C12P 21/02 C12R 1:91) 7236−4B C12N 7/00 (72)発明者 ルイス パサモンテ スイス国 CH−4632 トリンバッハ, バーゼルシュトラーセ 197

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次のアミノ酸配列: 【化1】 を有する免疫原性ポリペプチドまたはアイメリア属 (Ei
    meria)寄生虫に対する免疫応答を誘導できるその断片で
    あって、アイメリア属寄生虫により産生される他のタン
    パク質を実質的に含まない該免疫原性ポリペプチドおよ
    びその断片。
  2. 【請求項2】 前記ポリペプチドのシグナルペプチド配
    列を欠く請求項1の免疫原性ポリペプチドの断片であ
    る、免疫原性ポリペプチド。
  3. 【請求項3】 請求項1の免疫原性ポリペプチドの断片
    であり、SDS-PAGEで測定して23キロダルトンの見掛け分
    子量を有する、免疫原性ポリペプチド。
  4. 【請求項4】 T細胞性免疫応答を誘導できる、請求項
    1記載の免疫原性ポリペプチド。
  5. 【請求項5】 次のアミノ酸配列: 【化2】 よりなるペプチドの群から選ばれるペプチドである、請
    求項1記載の免疫原性ポリペプチド。
  6. 【請求項6】 アイメリア属寄生虫に対する免疫応答を
    誘導できる、(SEQ IDNO.1) の配列またはその部分配列
    を有する免疫原性ポリペプチドをコードする単離された
    DNA 分子。
  7. 【請求項7】 アイメリア属寄生虫に対する免疫応答を
    誘導できる免疫原性ポリペプチドをコードする、次のヌ
    クレオチド配列: 【化3】 の全部または一部を有する単離されたDNA 分子もしくは
    その機能的均等物。
  8. 【請求項8】 適合性の宿主生物内で請求項6のDNA 分
    子を発現させることができる該DNA を含む組み換えベク
    ター。
  9. 【請求項9】 コクシジウム症に対して対象物を免疫す
    るための、請求項1−3のいずれか1項に記載の免疫原
    性ポリペプチド。
  10. 【請求項10】 請求項1−3のいずれか1項に記載の
    ポリペプチドを生産する方法であって: (a) 該ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有
    するDNA を含む組み換えベクターを保有する形質転換微
    生物を、該DNA が発現される条件下で培養し;そして (b) 培養物から該ポリペプチドまたは断片を単離する;
    ことから成る方法。
  11. 【請求項11】 請求項1−3のいずれか1項に記載の
    ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するDN
    A を含む組み換えベクターを作製する方法であって: (a) 該ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有
    するDNA をベクターに挿入し; (b) 微生物内で該ベクターを複製し; そして (c) 該微生物から組み換えベクターを単離する;ことか
    ら成る方法。
  12. 【請求項12】 請求項1−3のいずれか1項に記載の
    ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するDN
    A を含む組み換えウイルスを作製する方法であって: (a) 該ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有
    するDNA を、ウイルスの成熟化および感染力を抑制する
    ことなく、ウイルスのゲノムに挿入し; (b) 細胞培養物中で該組み換えウイルスを増幅し; そし
    て (c) 培地から組み換えウイルスを精製する;ことから成
    る方法。
  13. 【請求項13】 請求項1−3のいずれか1項に記載の
    ポリペプチドを生産できる形質転換微生物を作製する方
    法であって: (a) 該ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有
    するDNA を含む組み換えベクターで微生物を形質転換
    し; そして (b) 発酵培地で該形質転換微生物を生育させる;ことか
    ら成る方法。
  14. 【請求項14】 請求項1−3のいずれか1項に記載の
    ポリペプチドおよび生理学的に許容される担体またはア
    ジュバントを含む、コクシジウム症に対して対象物を防
    御するためのワクチン。
  15. 【請求項15】 請求項1−3のいずれか1項に記載の
    ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するDN
    A を含み、適合性の宿主生物内で該DNA を発現させるこ
    とができる組み換えウイルス、および生理学的に許容さ
    れる担体またはアジュバントを含む、コクシジウム症に
    対して対象物を防御するためのワクチン。
  16. 【請求項16】 コクシジウム症に対して対象物を防御
    できるワクチンを製造するための、請求項1−3のいず
    れか1項に記載のポリペプチドの使用。
  17. 【請求項17】 請求項10に記載の方法により生産さ
    れた、請求項1−3のいずれか1項に記載のポリペプチ
    ド。
  18. 【請求項18】 請求項11に記載の方法により作製さ
    れた、請求項1−3のいずれか1項に記載のポリペプチ
    ドをコードするヌクレオチド配列を有するDNAを含む組
    み換えベクター。
  19. 【請求項19】 請求項12に記載の方法により作製さ
    れた、請求項1−3のいずれか1項に記載のポリペプチ
    ドをコードするヌクレオチド配列を有するDNAを含む組
    み換えウイルス。
  20. 【請求項20】 請求項13に記載の方法により作製さ
    れた、請求項1−3のいずれか1項に記載のポリペプチ
    ドをコードするヌクレオチド配列を有するDNAを含む組
    み換えベクターを保有する形質転換微生物。
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