JPH05306168A - 炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法 - Google Patents

炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法

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JPH05306168A
JPH05306168A JP4139958A JP13995892A JPH05306168A JP H05306168 A JPH05306168 A JP H05306168A JP 4139958 A JP4139958 A JP 4139958A JP 13995892 A JP13995892 A JP 13995892A JP H05306168 A JPH05306168 A JP H05306168A
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JP
Japan
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carbon
felt
composite material
pyc
impregnated
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JP4139958A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Sogabe
敏明 曽我部
Teruo Matsuda
照生 松田
Toshiji Hiraoka
利治 平岡
Katsuhide Nagaoka
勝秀 長岡
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Toyo Tanso Co Ltd
Original Assignee
Toyo Tanso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来の炭素繊維強化炭素複合材料が本質的に持
つ利点を損なうことなく、更にこの材料の持つ欠点であ
った熱伝導性を向上させること。 【構成】炭素質フェルトの内部空間に、熱分解炭素を深
層部まで含浸・析出せしめると共に、この際得られる炭
素繊維強化炭素複合材料のX、Y、Z方向のいずれか一
方向の熱伝導率を少なくとも300W/mK(20±1
5℃)となすように、上記フェルトの繊維の密度と配向
性とを調整し、且つ熱分解炭素の含浸・析出量を調節す
ること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高熱伝導率を有し、優れ
た耐熱衝撃性を示す炭素繊維強化炭素複合材料(以下C
FC材と略称することがある)及びその製造方法に関す
る。
【0002】このようなCFC材は、5〜30MW/m
2レベルの高い熱負荷に定常的に曝される部位、例えば
核融合プラズマ閉じ込め装置に於ける、ダイバーターや
リミター等のプラズマ対向壁、高温・高速のガス流に曝
され、高熱伝導性と耐熱衝撃と共に、更に高い材料強度
が要求される部位、例えば航空宇宙分野に於けるロケッ
トノズルや耐熱アーマー材等、X線ターゲット材の如く
電子線によって局部的に照射、加熱されるが、その熱を
放射、伝熱等によって分散し、ターゲット材の破壊を防
ぐことが必要な部位等に使用される。そして、このCF
C材にはその特性として、高い熱伝導性と耐熱衝撃性、
高温下での機械強度が要求されるものである。
【0003】
【従来の技術】CFC材は炭素の持つ耐食性、耐熱性に
加え、炭素繊維との複合化により、高強度、高靱性を持
つに至っている。またCFC材は、炭素の比重が小さい
ことから、金属に比べ軽量であることも特徴である。こ
のような特徴から、航空宇宙用、省エネルギー機器用、
原子力用諸材料等に使用が検討されている。
【0004】しかし、これ等の用途での熱負荷等の使用
条件が一層苛酷なものとなって来て、上記の諸特性、即
ち高強度、高靱性であることの他に、更に高い熱拡散
性、高熱伝導性が要求されるようになって来た。そして
更に望ましくは、伝熱方向の制御もなし得るようにし
て、強制冷却系システムとの併用によって、単に熱に耐
えられるだけではなく、一定の方向に熱を伝え、冷却用
機器との組み合わせ等によって、除熱効果を高める必要
性も生じて来た。
【0005】本発明はこのような要請に対応するもので
あり、CFC材の本来的に有する軽量、耐熱性、高強度
材の要求を満たすばかりでなく、高い伝熱性をも有する
CFC材の開発が強く要望されている。
【0006】ここに熱伝導率だけの点から言えば、銀の
それは約419W/mK(20℃)、銅のそれは394
W/mKで高い値を示すが、耐熱性の点からは、常圧で
融点が前者は約960℃、後者は約1,083℃と炭素
に比べ著しく熱的安定性に乏しい。また炭素材料として
特に熱伝導率の高いものとして、熱分解炭素(PyC)
があり、その最高値として1000W/mKの熱伝導性
が示されているが、異方比が約100以上と大きいた
め、熱伝導性の方向が極端に異なり、このため熱応力に
よって、割れ、剥離等を生じ、機械的強度が特定の方向
において極端に低く、且つ大形材料を作り難い欠点を有
している。尚、異方比とは「材料の最も熱伝導の高い軸
方向の値」を「材料の最も熱伝導の低い軸方向の値」で
割った値である。
【0007】従って、出来得れば異方比が小さく等方
的、乃至は適当な範囲に制御されている材料が望まし
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来のCFC材が本質的に持つ利点を損な
うことなく、更にこの材料の持つ欠点であった熱伝導性
を向上させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この課題は、易黒鉛化性
の炭素質フェルトの内部空間に、熱分解炭素(以下Py
Cと略記する)を深層部まで含浸・析出せしめると共
に、得られるCFC材のX、Y、Z方向のいずれか一方
向の熱伝導率(レーザーフラッシュ法で測定した)を少
なくとも300W/mK(20±15℃)となすことに
よって達せられる。
【0010】
【発明の構成並びに作用】本発明のCFC材の特徴は次
の三つの点によって特徴づけられる。
【0011】(イ)易黒鉛化性の炭素質フェルトを炭素
繊維成分として使用すること。
【0012】(ロ)上記フェルトに含浸させるべき炭素
源として、特にPyCを選択的に使用すること。
【0013】(ハ)目的物CFC材のX、Y、Z方向の
いずれか一方向の熱伝導率を少なくとも300W/mK
(20±15℃)となすこと。換言すれば上記三方向の
少なくとも一方向の熱伝導率を上記特定値となすため、
炭素質フェルトの繊維の密度と配向性を調整すること。
【0014】(ニ)更に望ましくは、上記三方向の各熱
伝導率の異方比を7以下にすることである。
【0015】従来この種CFC材として、炭素質織物を
使用し、この織物の繊維の構成、配向比率等を変化させ
ることにより、各方向の熱伝導率を変化させる手段が特
開平3−164415号に開示されている。この際の織
物に含浸させるべき炭素源として、ピッチ、メタン、プ
ロパン等の炭化水素ガス或いはフェノール樹脂、フラン
樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた後炭化すると記され
ている。
【0016】本発明者の研究によれば、この種CFC材
に於いて、炭素繊維材料として、上記特開平3−164
415号に於いて使用する炭素質織物に代えて、特に炭
素質フェルトを使用し、且つこれに含浸させるべき炭素
源として、特にPyCを選択使用する時は、CFC材の
X、Y、Zの三方向の少なくとも一方向の熱伝導率を著
しく大きくせしめることが出来ることが見出された。上
記特開平3−164415号に於いては、確かに上記三
方向の熱伝導率を調整出来ることが記載され、三次元炭
素質織物を使用する場合について、その最も大きな熱伝
導率として320W/mKが記載されている。
【0017】しかしながら、既に上記で述べた通り、或
いは後記実施例でも示す通り、織物に代えてフェルトを
使用し、且つ炭素源として特にPyCを選択使用する時
は、フェルトの繊維の配向性、PyCの含浸量、フェル
ト自体の構造を調整することにより、織物の場合に比
し、著しく高い熱伝導性をCFC材に賦与することが出
来る。
【0018】これは織物とフェルトとの構造上の差異及
びこのフェルトの構造を充分に生かし得る炭素源、即ち
PyCを特に選定して使用することに基づくものであ
る。
【0019】本発明者の研究によれば、フェルトは織物
ではないので、フェルトを構成する各繊維は、織物を構
成する繊維よりも自由度が大きく、しかもフェルトは織
物ほど強固にその繊維が結合しているものではないた
め、炭素源を含浸せしめる際に、その炭素源が繊維の方
向に沿って、繊維上に、ある方向性をもって形成され易
いものと考えられる。そして、このある方向性をもって
炭素源が含浸、形成される傾向は、本発明者の研究によ
れば、使用する炭素源の種類により異なり、特にPyC
が他の炭素源よりも大きいことが見出されている。
【0020】このために、本発明の如くフェルトという
特定の繊維基材に、PyCという特定の炭素源を含浸せ
しめることにより、フェルトの配向性やPyCの含浸量
を調整すれば、所望する一定方向の熱伝導率を著しく大
きくし得るものと考えられる。
【0021】本発明に於いて使用されるフェルトとは、
単繊維が絡み合って構成される不織物状物体ということ
が出来、繊維を織って形成される織物とは明確に区別さ
れる。このフェルトを構成する炭素繊維としては、ピッ
チ系炭素繊維が使用され、就中メソフェーズ系ピッチが
好ましい。その他の炭素繊維、例えばポリアクリロニト
リル(PAN)系のものでは、特に目的物CFC材の熱
伝導性が著しくは大きくならないので、あまり望ましい
ものではない。
【0022】本発明に於いては、このようなフェルトに
於ける配向性や構造、炭素源の含浸量を調節して、少な
くとも三次元方向の一方向の熱伝導率を300W/m
K、好ましくは350W/mK(20±15℃)以上と
する。既に述べた通り、フェルトとPyCとを併用する
ため、更に望ましくはフェルトを構成する炭素繊維とし
てピッチ系の炭素繊維を使用するため、三次元方向の少
なくとも一方向に於ける熱伝導率を、この種CFC材で
は考えられなかった300W/mK以上とすることが出
来るものである。
【0023】本発明に於いて、このフェルトにマトリッ
クスとして含浸させる炭素源としては、PyCを使用す
ることを必須とする。PyCとしては従来から熱分解炭
素として知られているものが使用され、その含浸手段自
体及び炭化、黒鉛化も従来方法が採用される。
【0024】更に詳しく以下に説明する。
【0025】本発明に係る炭素質フェルトを基材として
PyCをマトリックスとするCFC材の構成について説
明する。
【0026】本発明に係るCFC材は通気性を有する炭
素質フェルト内部に、PyCを含浸、浸透せしめたもの
である。この様に先ず本発明のCFC材に於いては、炭
素質フェルト内部にPyCを浸透析出せしめることによ
り、炭素質フェルトとPyCとの強い接着性を得ると共
に、PyCの持つ優れた耐熱衝撃性により亀裂、剥離、
割れ等が防止出来る。
【0027】本発明に用いる炭素質フェルトの嵩密度は
0.03〜0.3g/cm3である事が望ましい。0.
03g/cm3に達しないとPyC含浸に要する時間が
長くなり、又、炭素繊維の含有率が少なすぎて強化複合
材料としての所期の目的が達成出来ない。0.3g/c
3より大きくなると炭素質フェルトの特徴である等方
的な性質が損なわれる。但し、0.03以下は析出速度
は非常に遅い。
【0028】この炭素質フェルトを好ましくは高純度化
処理し、続いて炭素質フェルト内部に緻密でしかも高純
度のPyCを、嵩密度が1.4g/cm3以上、好まし
くは1.4〜2.0g/cm3となる様に浸透せしめ
る。そしてこの際のPyCは特に緻密で且つ高純度であ
ることが好ましい。ここで高純度とは全灰分量が10p
pm以下である事を意味する。この際純度が上記範囲を
はずれるとPyC自体の不純物により装置内を汚染する
傾向が生じる。
【0029】尚、1.4g/cm3に達しない場合は強
度が若干弱くなる傾向があり、またその他耐熱性衝撃性
の特性に欠かせない熱伝導率が低すぎて、プラズマに直
面した際割れ、クラック等が起こる危険性がある。
【0030】しかし、PyC自体の理論密度は約2.2
6g/cm3であり、しかも炭素繊維を有するため、原
理上この数値以上には大きくは出来ず、製品中には僅か
な細孔空間等も存在するので、現実には2.05〜2.
10g/cm3程度が上限となる。この程度までPyC
を浸透、析出させるには非常に析出効率も低下し、反応
時間も長くなり経済的にも不利となる。
【0031】これ等を総合勘案して複合材の嵩密度は
1.4以上、2.0付近に止めることが熱拡散、強度、
プラズマからの熱負荷耐性の点で総合的に好ましい範囲
である。
【0032】本発明のCFC材の最大の特徴は、このフ
ェルトにPyCを含浸させるものであるが、実質的には
フェルトを構成している炭素繊維に均一にPyCが析出
しているものである。そしてこの際、フェルトの繊維の
密度と配向性(即ち炭素繊維の配向性)を調整して、少
なくとも三方向の一方向の密度が0.03〜0.3g/
cm3及び配向性が三次元のX方向、Y方向、Z方向
(X+Y+Z=100とする)の比で、一方向の最大値
が70、最小値が5であり、且つ熱分解炭素の析出量が
60〜85体積%となるように調整し、且つPyCの含
浸量を60〜85体積%とすることにより、上記一方向
の熱伝導率が著しく向上し、300W/mK(20±1
5℃)、好ましくは350W/mK以上とすることが出
来る。
【0033】そしてこの際、更に他の残りの二方向につ
いても出来るだけ上記一方向の配向性と近づけることに
より、異方比を7以下、好ましくは4以下とすることが
出来る。
【0034】本発明に於いてPyCを浸透せしめる方法
自体は、例えば「炭素材料入門」(炭素材料学会、昭和
47年11月発行)等の文献に記されている通り、従来
公知の方法で良い。その一般的実施態様を記すと、炭素
発生材料例えば炭素数1〜8、特に炭素数3の炭化水素
ガスもしくは炭化水素化合物を熱分解させ、基材上にP
yCを析出浸透させたものである。これに対して濃度調
節用として炭化水素濃度(通常希釈ガスとしてH2ガス
を用いる)は3〜30%好ましくは5〜15%とし、全
圧を100Torr、好ましくは50Torr以下の条
件で操作することが望ましい。
【0035】含浸方法としては、従来の等温法、温度勾
配法、圧力勾配法等があり、更に最近の方法としては時
間の短縮化及び緻密化を目的としたパルス法が使用出来
る。
【0036】本発明に於いて、上記PyCを浸透させる
条件及び含浸方法は何等重要ではなく、上記所定の要件
を有するPyCが炭素質フェルト内深層部に浸透析出さ
れる限り、各種の形成方法がいずれも使用出来るが、そ
の一つの態様を例示すると下記の通りである。
【0037】PyC含浸処理に於いて温度は1300℃
以下、圧力は100Torr以下、好ましくは50To
rr以下である事が好ましい。1300℃より高くなる
とPyCが基材表面に析出しやすくなり、表面近傍のP
yC膜で閉気孔を形成し、もはや含浸出来なくなる傾向
がある。又100Torrより大きい場合、ガス拡散が
悪くなり、充分に基材フェルトの内部にまで原料ガスが
到達しにくくなり、やはり表面に閉気孔を生成してしま
う傾向がある。
【0038】本発明に於いて使用される炭素質フェルト
としては特に高純度化したものが好ましい。この際の高
純度化とは不純物の含有量が少ないことを意味し、通常
全灰分量が10ppm以下が好ましい。
【0039】この際の高純度化方法は、フェルトを減
圧、高温下にてハロゲン含有ガスに接触せしめ、不純物
として含まれる金属類を、より蒸気圧の高いハロゲン化
物に変えて除去する手段(例えば特願昭61−2241
31号)を例示出来るが、これに限定されるものではな
い。又この際使用されるハロゲン含有ガスとしては塩素
又はフッ素並びにそれ等の化合物のガス等ハロゲン含有
ガスを例示出来、具体的には2フッ化エタン、フッ素ガ
ス等が挙げられる。
【0040】この炭素質フェルトの高純度化は出来るだ
け内部まで高純度化することが好ましく、この為PyC
処理を施す前に予め行うのが効果的である。即ち、フェ
ルト内部まで高純度化を進める為には、ハロゲン化合物
が内部まで進入し、且つハロゲン化され気化した不純物
がフェルト外部にまで排除されなければ効果は少ない。
この為には工程の順序としては、通気性を有する炭素質
フェルトを予め高純度化した後にPyC処理を施す事が
良い。
【0041】本発明のC/C複合材を製造する方法とし
ては基本的には炭素質フェルトを高純度化し、次いで該
フェルト内部にPyCを浸透せしめる。その後、好まし
くは2500℃以上、特に好ましくは2800℃以上の
高温で黒鉛化する。PyCは特に易黒鉛化性の材料であ
るため熱処理による熱伝導率の向上性は非常に顕著であ
る。
【0042】本発明に於いては各工程を共に減圧又は高
真空下で高周波加熱手段を用いて行う方法が好ましく、
例えば特開平1−264964号に記載された方法で行
うことが出来る。
【0043】
【実施例】以下実施例によって具体的に説明する。
【0044】
【実施例1】フェルトのX、Y、Z方向の繊維の配向比
が、各々40:40:20のPAN系フェルト(東邦レ
ーヨン株式会社製、「パイロメックス」嵩密度0.1
5)、及びレーヨン系フェルト(東洋炭素株式会社製、
嵩密度0.15)2種類を用意する。尚、パイロメック
スについてはN2ガス気流中で1,000℃で焼成し、
更に結晶性を良くするために2,000℃処理を行っ
た。
【0045】一方、メソフェーズピッチ系フェルト(繊
維の平均直径約6.5μm、嵩密度0.15)を、ニー
ドルパンチ法により、X、Y、Z方向の繊維の配向比を
表1に示す値となるように調整した。
【0046】次いで、上記の各フェルト内に、嵩密度が
表1に示す所定の値となるようにPyCを含浸した。こ
の含浸の条件としては、温度1100℃、全圧20To
rr、C38ガス6l/min.、H2ガス70l/m
in.であった。
【0047】含浸後、2800℃で黒鉛化を行った。得
られた製品の曲げ強さと、X、Y、Z方向の熱伝導率を
測定した。この結果を表1に併記する。但し、曲げ強さ
は3点曲げ、熱伝導率はレーザーフラッシュ法により測
定した。
【0048】
【表1】
【0049】
【比較例1】異方性の極端な例として、PAN系の嵩密
度0.80g/cm3 2D織物積層品に、嵩密度が
1.77g/cm3までPyC含浸を行った。
【0050】
【比較例2】メソフェーズピッチ系3D積層織物(嵩密
度0.75g/cm3、繊維の体積含有率(Vf)が
0.4、X、Y、Zの配向比が各々40:40:20の
もの)を用い、実施例1と同様の条件でPyC含浸、並
びに黒鉛化処理を行った。PyC含浸の際、嵩密度は最
高1.60g/cm3までしか含浸出来なかった。これ
は織物(フェルトではなく)を使用したためであり、織
物の繊維束と繊維束との間が大きい(約0.1〜3m
m)ために、PyCが隙間を全て充填出来ないためと推
考される。この結果を表2に示す。
【0051】
【比較例3】実施例1で使用したメソフェーズピッチ系
フェルトに、レゾールタイプのフェノール樹脂(住友デ
ュレズ株式会社製、「PR−50273」)を含浸飽和
量まで含浸(4回)した。このときの嵩密度は1.55
g/cm3であった。これを実施例1と同様に黒鉛化し
た。この結果を表2に併記する。
【0052】
【比較例4】比較例3に於いて、フェノール樹脂に代
え、ピッチを用い、その他は比較例3と同様に処理し
た。この結果を表2に併記する。
【0053】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長岡 勝秀 香川県三豊郡大野原町大字中姫2181−2 東洋炭素株式会社大野原工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素質フェルト内部に、熱分解炭素が含浸
    されて成り、且つ複合体のX、Y、Z方向(縦、横、高
    さ方向)のいずれか一方向の熱伝導率が少なくとも30
    0W/mK(20±15℃)である炭素繊維強化炭素複
    合材料。
  2. 【請求項2】X、Y、Z方向の各熱伝導率の異方比が7
    以下である、請求項1に記載の複合材料。
  3. 【請求項3】熱分解炭素含浸前の炭素質フェルトの嵩密
    度が、0.03〜0.3g/cm3であり、且つ複合材
    料の嵩密度が1.6g/cm3以上である、請求項1ま
    たは2に記載の複合材料。
  4. 【請求項4】炭素質フェルトの内部空間に、熱分解炭素
    を深層部まで含浸・析出せしめると共に、この際得られ
    る炭素繊維強化炭素複合材料のX、Y、Z方向のいずれ
    か一方向の熱伝導率を少なくとも300W/mK(20
    ±15℃)となすように、上記フェルトの繊維の密度と
    配向性とを調整し、且つ熱分解炭素の含浸・析出量を調
    節することを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維強
    化炭素複合材料の製造方法。
  5. 【請求項5】上記フェルトの繊維の密度が0.03〜
    0.3g/cm3及び配向性が三次元のX方向、Y方
    向、Z方向(X+Y+Z=100とする)の比で、一方
    向の最大値が70、最小値が5であり、且つ熱分解炭素
    の析出量が60〜85体積%である、請求項4に記載の
    製造方法。
JP4139958A 1992-04-30 1992-04-30 炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法 Pending JPH05306168A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6674334B1 (en) 1999-12-02 2004-01-06 Seiko Epson Corporation Oscillator having surface acoustic wave resonator and oscillation circuit
JP2009152641A (ja) * 2009-04-02 2009-07-09 Toyo Tanso Kk 炭素繊維強化炭素複合材料
WO2011118757A1 (ja) 2010-03-26 2011-09-29 東洋炭素株式会社 C/cコンポジット材及びその製造方法

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