JPH0530581Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、乗用機体に牽引される湛水田土中播
種機に関し、乗用機体のPTO軸から横方向に並
設した複数個の種子タンクの繰出ロールを駆動す
るようにした湛水田土中播種機の駆動軸連結装置
に係るものである。

〔従来技術〕

この種、従来の乗用機体により牽引されるよう
にした湛水田土中播種機は、その繰出ロール軸を
例えば実開昭59−163329号公報に記載されている
ように、乗用機体に装備されたPTO軸に一対の
傘歯車を介して連結されたスプロケツト軸からチ
エンにより駆動されるようになつているので、そ
れらの伝動機構全体を簡単に着脱することができ
ず、この湛水田土中播種機は、回転方向等が異な
るPTO軸を有する型式の異なる乗用機体には装
着できず、適応範囲が非常に狭いという問題点が
あつた。

また、種子タンクを横方向に複数個並設した従
来の湛水田土中播種機では、互いに対向する種子
タンクの繰出ロール軸を、両軸の突出部に同時に
嵌合する軸継手により連結されているので、この
軸継手の着脱にあたつては種子タンクの一方を取
り外さねばならず、その取り外しおよび取付け芯
合わせが非常に面倒であるという問題点があつ
た。

〔考案の目的〕

本考案は上述した従来の実情に鑑み、その欠点
を解消すべく創案されたものであつて、駆動歯車
ケースを、軸継手を介して隣接する種子タンクの
繰出ロール軸間に簡単に着脱できる適応範囲の広
い湛水田土中播種機の駆動軸連結装置を提供する
ことを目的とするものである。

〔考案の構成〕

上記目的を達成する本考案による湛水田土中播
種機の駆動軸連結装置は、乗用機体の後方に複数
個の種子タンクが連結フレームに横方向に等間隔
で並設された湛水田土中播種機を連結し、この互
いに隣接する種子タンク間に乗用機体のPTO軸
に連結したフレキシブルシヤフトにより駆動され
る駆動歯車ケースを着脱自在に設け、この駆動歯
車ケースの左右に突出させた２本の駆動軸と、こ
れらの駆動軸に対向する種子タンクの２本の繰出
ロール軸との間を軸継手で連結し、前記軸継手
は、駆動軸に嵌合固定される嵌合固定部と、この
嵌合固定部の背面に突出し、前記繰出ロール軸の
外径に嵌挿するように一面が開放された断面がコ
字形で、対向する二面に取付孔が開口されている
ピン取付部で構成し、前記繰出ロール軸の端部に
前記ピン取付部を該繰出ロール軸を横切る方向に
移動させて嵌挿し、前記繰出ロール軸とピン取付
部とに取付ピンを貫通して連結するようにして構
成されている。

〔実施例〕

以下、本考案を一実施例として示す図面につい
て説明する。

第４図に示すように、湛水田土中播種機１は乗
用機体２の後方に連結した昇降装置３の後方に連
結されており、この湛水田土中播種機１は、第５
〜６図に示すように種子タンク４が横方向に三個
並設され、この各種子タンク４はその前方が横方
向に配設された連結フレーム５に固定され、この
各種子タンク４の下方には田面を滑走するフロー
ト６がそれぞれに設けられ、前記連結フレーム５
の中央部に基端が固着された連結フレーム７は前
方に向つて突出され、この突出端には連結プレー
ト８が固着されている。

前記各種子タンク４には繰出ロール軸９がそれ
ぞれに回転自在に設けられており、この各繰出ロ
ール軸９の種子タンク４内左右には種子タンク４
内の種子を繰り出す繰出ロール（図外）がそれぞ
れに設けられ、この繰出ロールの下方には繰出口
１０がそれぞれに設けられ、この各繰出口１０の
下方にはフロート６に固定される案内口１１がそ
れぞれに設けられ、この案内口１１の下方は田面
に臨ませてあり、また機体の進行に伴いフロート
６の下面に突出した前方から案内口１１下方に至
る作溝板４０により田面に所定深さの播種溝が形
成され、この播種溝内に繰出ロールにより繰り出
された種子が播種され、種子が播種された後の播
種溝はフロート６の後方に設けた泥寄せ板４１に
より閉塞されるようになつており、１個の種子タ
ンク４により二条が同時に播種できるようになつ
ている。

乗用機体２は、前方に図示しないエンジンが搭
載されており、このエンジンの後下方にはエンジ
ンにより駆動される前部ミツシヨンケース１３が
配設され、この前部ミツシヨンケース１３の両側
方には、前部ミツシヨンケース１３内の伝動機構
により駆動される左右の前輪１４，１４が配設さ
れ、この前輪１４，１４は操縦ハンドル１５の操
作により操向できるようになつている。前記前部
ミツシヨンケース１３から後方に延びる左右一対
の揺動ケース１６，１６の後方には、前部ミツシ
ヨンケース１３内の伝動機構により駆動される左
右の後輪１７，１７が配設されでいる。

そして、この乗用機体２の後方に設けられた昇
降装置３は、乗用機体２に基端が枢支連結される
アツパリンク１８と左右一対のロアリンク１９，
１９との後端に、上下方向の連結杆２０が枢支連
結されるとにより平行リンク機構が構成されるよ
うになつており、この連結杆２０の下方には後方
に延び末端に連結プレート２１を有する連結フレ
ーム２２が固着され、さらにアツパリンク１８は
図示しない油圧伸縮機構に連結されている。前記
連結プレート２１に、連結フレーム７側の連結プ
レート８をボルト・ナツトにより連結することに
より、湛水田土中播種機１は昇降装置３を介して
乗用機体２に連結されるようになつている。前部
ミツシヨンケース１３から乗用機体２の後端に向
けて延長された動力取出用のPTO軸２３は、二
個のユニバーサル継手２４を介して連結プレート
２１位置にまで延長されている。

そして、湛水田土中播種機１の互いに隣接する
種子タンク４，４間には、乗用機体２側のPTO
軸２３に連結プレート２１上の取付け位置３９で
連結されたフレキシブルシヤフト２５の末端によ
り駆動される駆動歯車ケース２６が着脱自在に設
けられており、この駆動歯車ケース２６内には前
記フレキシブルシヤフト２５により駆動される小
径の平歯車と、これに噛合する大径の平歯車と、
この平歯車と一体に回転する駆動軸２７とが設け
られ、この駆動軸２７はその左右両側が駆動歯車
ケース２６の外壁よりも外側に突出されており、
この左右に突出させた駆動軸２７とこの駆動軸に
対向する種子タンク４外壁よりも外側に突出する
左右の繰出ロール軸９との間は、駆動歯車ケース
の駆動軸２７に嵌合固定される嵌合固定部２８
と、種子タンク４側の繰出ロール軸９外径に嵌挿
する一面が解放されたピン取付部２９とよりなる
軸継手３０により連結されており、そして繰出ロ
ール軸９に設けた貫通孔３１とピン取付部２９に
設けた両側の取付孔３２，３２とに取付ピン３３
が着脱自在に嵌挿されるようになつている。

第２図および第３図に示すように、軸継手３０
の嵌合固定部２８には駆動軸２７の平坦嵌合部に
嵌合する小判型の嵌合孔３４が設けられており、
またピン取付部２９は、三面が連続する断面コ字
状に形成され一面が解放されており、互いに対向
する二面には取付孔３２が設けられている。

第１図に示すように、駆動歯車ケース２６の外
壁にはＵ字状に形成された取付金具３５が設けら
れており、また、一方の連結フレーム５にはＵ字
状に形成されたヒツチ３６が固着されており、こ
の取付金具３５は取付ピン３７によりヒツチ３６
側に着脱自在となつている。

したがつて、第６図に示すように、種子タンク
４間のＡ位置に駆動歯車ケース２６を配設固定す
る際には、駆動歯車ケース２６を、その軸継手は
両駆動軸２７に嵌合固定部２８を嵌合しピン取付
部２９の解放面を下方に向けた状態で下げなが
ら、取付金具３５をヒツチ３６内に嵌挿し、また
ピン取付部２９を繰出ロール９の外径に嵌挿する
ことによつて装着することができ、装着後に各取
付ピン３３および嵌挿固定すればよい。なお、符
号１２は危険防止のためのカバーで着脱自在とな
つている。

そして、種子タンク４間のＢ位置には、突出す
る駆動軸２７を含む駆動歯車ケース２６の幅員に
相当する長さの連結軸３８を配設固定するように
なつており、この連結軸３８を装着する際には、
両端に嵌合固定部２８を嵌合しピン取付部２９の
解放面を下方に向けた状態で下げながら、両側の
ピン取付部２９を各繰出ロール９の外径に嵌挿す
ることによつて装着することができ、装着後に各
取付ピン３３を嵌挿固定すればよい。

従つて、連結フレーム５のＢ位置にもヒツチ３
６を固定しておくことにより、駆動歯車ケース２
６を左右が逆となるように反転してＢ位置に、ま
た連結軸３８はＡ位置に装着固定することができ
るため、乗用機体２側のPTO軸２３の回転方向
が異なる場合でも、その回転方向により駆動歯車
ケース２６をフレキシブルシヤフト２５の取付部
３９位置を中心として左寄りのＡ位置、または右
寄りのＢ位置とを選択して簡単に装着できる適応
範囲の広い湛水田土中播種機を具現することがで
きる。また、駆動歯車ケース２６の取付位置を変
更する際にも、その軸継手３０は一面が解放され
るピン取付部２９に構成してあるため、駆動歯車
ケース２６および種子タンク３０に対し別個に着
脱操作することなく、駆動歯車ケース２６と一体
的に着脱することができ、従来のような軸継手の
着脱にあたつては種子タンクの一方を取り外さね
ばならず、その取り外しおよび取付け芯合わせが
非常に面倒であるという問題点を解消することが
できる。

〔考案の効果〕

本考案にかかる湛水田土中播種機の駆動軸連結
装置は、乗用機体の後方に複数個の種子タンクが
連結フレームに横方向に等間隔で並設された湛水
田土中播種機を連結し、この互いに隣接する種子
タンク間に乗用機体のPTO軸に連結したフレキ
シブルシヤフトにより駆動される駆動歯車ケース
を着脱自在に設け、この駆動歯車ケースの左右に
突出させた２本の駆動軸と、これらの駆動軸に対
向する種子タンクの２本の繰出ロール軸との間を
軸継手で連結し、前記軸継手は、駆動軸に嵌合固
定される嵌合固定部と、この嵌合固定部の背面に
突出し、前記繰出ロール軸の外径に嵌挿するよう
に一面が開放された断面がコ字形で、対向する二
面に取付孔が開口されているピン取付部で構成
し、前記繰出ロール軸の端部に前記ピン取付部を
該繰出ロール軸を横切る方向に移動させて嵌挿
し、前記繰出ロール軸とピン取付部とに取付ピン
を貫通して連結するようにして構成されている。

従つて、乗用機体側のPTO軸の回転方向が異
なる場合でも、その回転方向により駆動歯車ケー
スを左右が逆となるように反転してフレキシブル
シヤフトの取付け位置を中心として左寄り位置、
または右寄り位置とを選択して簡単に装着できる
適応範囲の広い湛水田土中播種機を具現すること
ができ、しかも、駆動歯車ケースの取付位置を変
更する際にも、その軸継手は一面が解放されるピ
ン取付部に構成してあるため、駆動歯車ケースお
よび種子タンクに対し別個に着脱操作することな
く、駆動歯車ケースと一体的に着脱することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は要部の拡大平面図、第２図は軸継手の斜
視図、第３図は軸継手の縦断面図、第４図は湛水
田土中播種機の全体側面図、第５図は湛水田土中
播種機の全体平面図、第６図は種子タンクの後面
図である。 １……湛水田土中播種機、２……乗用機体、４
……種子タンク、９……繰出ロール軸、２３……
PTO軸、２５……フレキシブルシヤフト、２６
……駆動歯車ケース、２７……駆動軸、２８……
嵌合固定部、２９……一面解放式ピン取付部、３
０……軸継手、３３……取付ピン、３８……連結
軸、３９……取付け位置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 乗用機体２の後方に複数個の種子タンク４が
   連結フレーム５に横方向に並設された湛水田土
   中播種機１を連結し、この互いに隣接する種子
   タンク４間に乗用機体２のPTO軸２３に連結
   したフレキシブルシヤフト２５により駆動され
   る駆動歯車ケース２６を着脱自在に設け、この
   駆動歯車ケース２６の左右に突出させた２本の
   駆動軸２７と、これらの駆動軸２７に対向する
   種子タンク４の２本の繰出ロール軸９との間を
   軸継手３０で連結し、前記軸継手３０は、駆動
   軸２７に嵌合固定される嵌合固定部２８と、こ
   の嵌合固定部２８の背面に突出し、前記繰出ロ
   ール軸９の外径に嵌挿するように一面が開放さ
   れた断面がコ字形で、対向する二面に取付孔が
   開口されているピン取付部２９で構成し、前記
   繰出ロール軸９の端部に前記ピン取付部２９を
   該繰出ロール軸９を横切る方向に移動させて嵌
   挿し、前記繰出ロール軸９とピン取付部２９と
   に取付ピン３３を貫通して連結するように構成
   してなる湛水田土中播種機の駆動軸連結装置。 ２ ３個の種子タンク４が等間隔に連結フレーム
   ５に支持されており、隣接するタンクの側面の
   同位置に繰出ロール軸９が突出し、前記駆動歯
   車ケース２６を、左右が逆となるように反転し
   て右側寄り、または左側寄りに位置を変更して
   固定するように構成してなる実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の湛水田土中播種機の駆動軸
   連結装置。