JPH05305523A - ワイヤ放電加工機におけるワイヤ電極の自動結線装置 - Google Patents

ワイヤ放電加工機におけるワイヤ電極の自動結線装置

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JPH05305523A
JPH05305523A JP11186392A JP11186392A JPH05305523A JP H05305523 A JPH05305523 A JP H05305523A JP 11186392 A JP11186392 A JP 11186392A JP 11186392 A JP11186392 A JP 11186392A JP H05305523 A JPH05305523 A JP H05305523A
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JP
Japan
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wire electrode
wire
workpiece
electric discharge
electrode
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JP11186392A
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Inventor
Kazuteru Kuriki
一輝 栗木
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】予め形成したワイヤ電極における最適な形状の
先端部に曲がり癖やダメージを与えることなく、迅速に
結線作業の失敗を検出し、迅速且つ確実に結線作業を行
うことができる自動結線装置を提供する。 【構成】ワイヤ電極の自動結線作業時に、搬送モータ2
9によって駆動する送りローラ28と第1ピンチローラ
30とでワイヤ電極8を被加工物Wに対して進退動させ
るように構成する。ワイヤ電極8と被加工物Wとの電気
的接触状態を検出するための接触検出器70を設け、該
接触検出器70からの信号に応じて、搬送モータ29に
てワイヤ電極8の移動方向を正逆転制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワイヤ放電加工機にお
ける放電加工用のワイヤ電極を、被加工物の加工開始孔
を介して自動的に張架するための、いわゆる自動結線装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のワイヤ放電加工機におけ
るワイヤ電極と被加工物との間の放電加工隙間に加工用
放電パルスを印加して被加工物に適宜断面形状の孔あけ
等の放電加工をする場合、例えば、一つの加工穴の加工
が完了した後、次の加工部を加工する前に、一旦ワイヤ
電極を強制的に切断する。また、不良事故によりワイヤ
電極が断線することもある。このように切断されたワイ
ヤ電極の先端部を、再度被加工物における加工開始孔等
に通過させて再度張架するという、結線作業が必要とな
る。
【0003】ところで、ワイヤ放電加工機による加工速
度は、通常の切削加工に比べてかなり遅い。従って、常
時作業者が加工機の側に付き添うことは非能率であるの
で、最近では、前記結線作業を人手を介しないで自動的
に行うようにしている。そして、従来の前記の自動結線
装置としては、特公平3−79130号公報に開示され
ているような構成がある。即ち、被加工物を挟んでワイ
ヤ電極の送給の上下流両側に、上下一対のワイヤガイド
が備えられ、下ワイヤガイドよりも送給下流側に、一対
のピンチローラによりワイヤ電極を挟持して排出する排
出手段が設けられている。また、被加工物の上方位置
(上ワイヤガイドより上流位置)には、ワイヤ電極に制
動力を作用させつつ送給するブレーキ手段を設け、この
両手段間で予張力を与えるワイヤ電極を前記被加工物に
挿通させるよう構成されている。なお、前記ブレーキ手
段には、ワイヤ電極の送給速度を検出する検出器が設け
られている。
【0004】そして、前記結線作業時に、ワイヤ電極の
先端部を尖頭状の形状に形成するためのワイヤ溶断手段
は、前記上ワイヤガイドとブレーキ手段との間に配置さ
れており、また、そのワイヤ電極の先端部を上ワイヤガ
イド及び被加工物に送給するための補助送給手段が、前
記溶断手段と上ワイヤガイドとの間に配置されている。
【0005】この構成において、自動結線時には、補助
送給手段と排出手段とを作動させる。このとき、排出手
段によるワイヤ電極の送給速度を補助送給手段の送給速
度よりも早くなるように制御する。そして、まず、補助
送給手段にてワイヤ電極を、上ワイヤガイド、被加工物
の加工開始孔、下ワイヤガイドを介して排出手段に送
る。次いで、ワイヤ電極の先端部が排出手段に巻き込ま
れる。このとき、ワイヤ電極の送給速度は、補助送給手
段による送給速度から排出手段による送給速度に変化す
る。この速度変化を前記検出器にて検出し、速度変化が
あれば、結線作業が完了したものと判断するようにして
いた。他方、一定時間内、例えば1秒以内に前記速度変
化が検出されない場合には、結線作業が失敗したと判断
し、補助送給手段を逆転駆動させてワイヤ電極の先端部
を結線作業開始位置まで戻し、再度前記の結線作業制御
を実行するというものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
式では、一回ごとの結線作業失敗の判断時間は、補助送
給手段によるワイヤ電極先端部の送り始めから搬出手段
にてワイヤ電極を挟持して送給速度が変化するというイ
ンターバルであって、判断に要する時間が長くなるとい
う問題がある。また、複数回の結線作業失敗により、曲
がり癖のついてしまったワイヤ電極の先端部は、ワイヤ
ガイドの挿通孔や被加工物の加工開始孔等につかえるの
が通常であり、前記のように結線失敗と判断される迄の
時間が長い分、ワイヤ電極の先端部に曲がり変形等のダ
メージを与える確率が高くなり、益々結線作業を成功さ
せる率が低くなるという問題があった。
【0007】さらに、前記ダメージを受けたワイヤ電極
の先端部のため、結線作業時に、前記ワイヤガイド等を
傷つけるという問題があった。本発明は、このような問
題を解決し、予め形成したワイヤ電極における最適な形
状の先端部に曲がり癖やダメージを与えることなく、迅
速に結線作業の失敗を検出し、迅速且つ確実に結線作業
を行うことができる自動結線装置を提供することを目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のワイヤ放電加工機におけるワイヤ電極の自
動結線装置は、ワイヤ電極の自動結線作業時に、ワイヤ
電極を被加工物に対して進退動させるように構成された
補助送給手段と、前記ワイヤ電極と被加工物との電気的
接触状態を検出するための接触検出手段と、該接触検出
手段からの信号に応じて、前記補助送給手段によるワイ
ヤ電極の移動方向を正逆転制御する制御手段とを備えた
ものである。
【0009】そして、この自動結線装置においては、前
記補助送給手段と被加工物との間に切断手段を設け、前
記接触検出手段による信号に応じて検出されるワイヤ電
極結線作業失敗回数が所定値を越えたとき、当該ワイヤ
電極の先端部を切断手段にて所定長さだけ切断するよう
に制御することが好ましい。
【0010】
【実施例】次に、本発明を具体化した実施例について図
1〜図7を参照して説明する。ワイヤ放電加工機におけ
る基台1上には、加工槽2が載置されており、該加工槽
2内には加工槽2に固定されたワークテーブル3上に載
置固定された被加工物Wが絶縁性の加工液(清水あるい
は油)5に浸漬されている。その加工液5は加工液供給
装置4から供給され、加工により汚濁した加工液5を加
工液供給装置4に回収され、フイルタ等を介して濾過し
たのち再度循環させて供給される。
【0011】また、基台1と加工槽2との間には、図1
に示すように被加工物WをXY平面上を移動させるXY
テーブル6が配置されており、図示しない駆動機構によ
り駆動制御される。コラム7の上部には、ワイヤ電極8
を巻回したワイヤボビン9が設けられており、そのコラ
ム7の上部に支持された上部アーム10には上ノズル1
1が形成されている。またコラム7の下部に支持された
下部アーム12には下ノズル13が配置されている。ワ
イヤボビン9から引き出されたワイヤ電極8は、上ノズ
ル11から被加工物Wを介して下ノズル13に略鉛直状
に張架され、図示しない電源及び通電子からワイヤ電極
8と被加工物Wとにパルス電流を通電し、鉛直状にて下
向きに通過するワイヤ電極8と被加工物Wとの微小な放
電加工隙間部(放電加工部)で放電加工が行われる。
【0012】なお、前記上ノズル11及び下ノズル13
の両方またはいずれか一方から加工液5を放電加工部に
向かって噴出させ、放電加工の金属くずの除去と放電加
工部の冷却とを実行する。前記ワイヤ電極8の直径は0.
05mm〜0.3mm 程度の細いものである。また、図2の矢
印B方向に送給されるワイヤ電極8の送給速度(移動速
度)は、放電加工条件、被加工物Wの板厚等により種々
あるが、板厚50mm程度で100 〜300mm/秒である。
【0013】方向変換プーリ14は前記下ノズル13の
下方に配置されており、該方向変換プーリ14にて横方
向に搬送方向を変換された使用済みのワイヤ電極8を強
制的に挟持して回収箱18に排出して回収するための上
下一対の排出機構としてのローラ15,16が設けられ
ている。この一対のローラ15,16のうち少なくとも
一方のローラは排出モータ17(図2参照)にて回転駆
動される。放電加工中は、後述のブレーキ機構としての
パウダーブレーキ23と、前記一対のローラ15,16
とにより、被加工物Wの箇所を通過するワイヤ電極8に
所定の予張力を付与するための予張力付与機構として機
能するものである。
【0014】次に、ワイヤ電極8の自動結線装置の構成
について、図2及び図3を参照して説明する。ワイヤボ
ビン9に回転力を与える駆動モータ20は、放電加工時
にワイヤボビン9の回転する方向に対して逆方向(図2
の矢印A方向)の回転力を発生させ、放電加工中のワイ
ヤ電極8に予張力を付与し、断線時にはワイヤ電極8を
巻き戻す力を与える。回転センサ22を備えたブレーキ
機構としてのパウダーブレーキ23に連結されたプーリ
21には、制動力が与えられる結果、このプーリ21に
てワイヤ電極8に張力が与えられる。
【0015】前記プーリ21と、被加工物Wの送給上流
側に配置したワイヤガイド62との間には、ワイヤ放電
加工機に対して着脱可能に構成された本発明の切断手段
としての切断ユニットが設けられている。この切断ユニ
ットにおける方向変換台25は、図3に示すように、切
断ユニットにおけるフレーム24に枢軸26を介して上
端部を揺動回動可能に支持される。ワイヤガイド27は
前記枢軸26より上方のフレーム24に設けられてい
る。
【0016】また、本発明の補助送給手段は次のように
構成されている。送りローラ28は前記ワイヤガイド2
7の下方位置のフレーム24に設けられ、この送りロー
ラ28は図示しない無端ベルトなどの伝動機構を介して
ステップモータよりなる搬送モータ29により回転させ
られる。第1ピンチローラ30は前記送りローラ28と
対向して設けられ、第1ピンチローラ30は枢支軸32
回りに回動するレバー33を介して回転式の第1ソレノ
イド31における回転板に連結してあり、前記第1ソレ
ノイド31はコイルが励磁されるとその回転板が一定角
度回動し、枢支軸32回りに回動するレバー33を介し
て第1ピンチローラ30にてワイヤ電極8を送りローラ
28に挟持すると、ワイヤ電極8を下方に搬送する。回
転式の第1ソレノイド31のコイルの励磁が停止される
と、内蔵された復帰スプリングによって回転板が反対方
向の元の位置に復帰する自己復帰機能を有する。前記方
向変換台25には前記枢軸26の近傍位置にワイヤガイ
ド34が配置されている。
【0017】前記方向変換台25に設けられるワイヤ切
断手段35は、回転支軸36に設けたホルダ39の取付
く一対の通電子37,38と、ホルダ39を前記回転支
軸36回りに回動させる回転式の第2ソレノイド40と
から構成され、回転式の第2ソレノイド40を励磁して
一対の通電子37,38がワイヤ電極8に接触した状態
で溶断電源73(図5参照)からの通電にて通電子3
7,38間のワイヤ電極8が溶断される。なお、この回
転式の第2ソレノイド40も前記回転式の第1ソレノイ
ド31と同様に自己復帰機能を備えている。
【0018】ワイヤ電極検出用のセンサ41は前記ワイ
ヤ切断手段35の下方位置の方向変換台25に設けら
れ、ワイヤガイド42,43は前記センサ41の上下に
設けられている。そして、ワイヤ電極8が事故で断線し
た場合等においても、この一対のワイヤガイド42,4
3中にワイヤ電極8が位置することにより、ワイヤ電極
8がセンサ41の検出可能範囲から外れないように保持
するためのものである。
【0019】送りローラ44と第2ピンチローラ45と
は、ワイヤ電極8の尖頭状先端部8a(図6参照)を形
成する作業時の張力付与手段として機能し、また、不慮
の事故によるワイヤ電極8の断線時の処理手段として機
能する。送りローラ44は、前記方向変換台25に設け
られ、図示しない無端ベルト等の伝動機構を介してステ
ップモータよりなる送出モータ46により回転させられ
る。
【0020】第2ピンチローラ45は枢支軸47の回り
に回動するレバー48を介して前述と同様の自己復帰機
能を備えた回転式の第3ソレノイド49における回転板
に連結されており、この回転式の第3ソレノイド49は
コイルが励磁されるとその回転板が一定角度回動し、枢
支軸47回りに回動するレバー48を介して第2ピンチ
ローラ45がワイヤ電極8を送りローラ44に挟持する
ように回動すると、ワイヤ電極8を下方に搬送する。
【0021】さらに、ワイヤガイド50を方向変換台2
5の下端部に設けている。回転式の第4ソレノイド51
は方向変換台25を前記枢軸26回りに左右に揺動回動
駆動するためのもので、揺動レバー52を介して方向変
換台25に連結されている。この回転式の第4ソレノイ
ド51のコイルを励磁すると、その回転板が一定角度回
動し、揺動レバー52を引張る。これにより、方向変換
台25下端のワイヤガイド50の下端開口がワイヤ電極
の廃棄箱53の上端方向に臨むように方向変換台25が
回動する(図4参照)。
【0022】反対に回転式の第4ソレノイド51のコイ
ルの励磁が停止されると、内蔵された復帰スプリングに
よって回転板が反対方向の元の位置に復帰する自己復帰
機能を有している。これにより、前記ワイヤガイド50
の下端開口が前記廃棄箱53に隣接して配置された筒状
のガイド体54の上端開口部に臨むように、方向変換台
25の位置が復帰する(図3参照)。このガイド体54
の下端は加工時の上ガイド62方向にワイヤ電極8を案
内するためのものである。
【0023】接触検出器70は、図2に示すように、ワ
イヤ電極8と被加工物Wとの電気的通電状態により、ワ
イヤ電極8と被加工物Wとが接触しているか否かを検出
できるようした検出器であり、一方の接触子71をワイ
ヤ電極8に摺接させ、他方の接触子72を被加工物Wに
接触させている。前記接触子71は放電加工時にワイヤ
電極8に加工用の電位を与える電極の役割も兼ねてい
る。
【0024】ワイヤ放電加工機の制御装置としての中央
処理装置(CPU)55は、図5に示すように、ワイヤ
放電加工機全体の制御プログラムや前記ワイヤ電極8の
自動結線作業のための制御プログラム等を予め記憶させ
た読み出し専用メモリ(ROM)56と、以下に述べる
自動結線の作業失敗回数の設定値、所定のワイヤ電極の
先端部形成のための溶断条件、例えば、ワイヤ電極径と
溶断電流値との対応表、排出用のローラ15,16によ
りワイヤ電極8に付与する張力の値、設定時間値、加工
プログラム等の各種データを記憶する随時読み書き可能
メモリ(RAM)57と、図示しないインターフェイス
とから構成されている。CPU55には、前記ワイヤ電
極検出用のセンサ41、回転センサ22及び前記接触検
出器70を接続すると共に、駆動回路59を介して排出
モータ17、駆動モータ20、パウダーブレーキ23、
搬送モータ29、送出モータ46、回転式ソレノイド3
1,40,49、51、及び溶断電源73が接続されて
いる。
【0025】次に、このように構成されたワイヤ放電加
工機における自動結線作業の制御について、図8に示す
サブルーチンフローチャートに従って以下に説明する。
ここでは、予め、前記ワイヤ切断手段35の箇所でワイ
ヤ電極8の先端部が所定の尖頭状に形成される作業を終
了した後の工程について述べる。所定の自動結線作業開
始の信号を受けて、ステップS1で後述の結線作業失敗
の検出回数n、つまりRAM57の結線失敗レジスタの
値nを0にリセットする。次いで、ステップS2で、第
1ソレノイド31をオンし、搬送モータ29を正回転さ
せ、これによりワイヤ電極8は第1ピンチローラ30と
送りローラ28とにより挟持されて図2の矢印B方向に
送られる。また、排出モータ17も正回転させる。搬送
モータ29によるワイヤ送り速度を例えば40mm/秒程度
とし、排出モータ17によるワイヤ送り速度80mm/秒よ
りも低くなるように予め設定されている。
【0026】また、排出モータ17とローラ15,16
によるワイヤ電極8に与える駆動力は、搬送モータ29
と第1ピンチローラ30と送りローラ28とによる駆動
力に比べて大きく設定されており、ワイヤ電極8がロー
ラ15,16の箇所に取り込まれると、ワイヤ電極8が
排出モータ17によるワイヤ送り速度で送給される。次
に、ステップS3にて前記接触検出器70の検出信号を
受け、一定時間(Δt3)以上被加工物Wと接触状態で
あるか否かを判別する。ここで、図9(a)に示すよう
に挿通作業が成功した時には、ワイヤ電極8の先端部や
側部が被加工物Wにおける加工開始孔hの側面に若干接
触する微小時間Δt1、Δt2の間、接触検出器70の
電圧値Vが乱れるが、やがて正常値Voに戻る(図9
(b)参照)。しかし、図7に示すように、ワイヤ電極
8の先端部8aが曲がっているため、被加工物Wにおけ
る加工開始孔wの側面に支えたり(図10(a)参
照)、先端部が被加工物Wの上面(ワイヤ電極送給上流
側面)に衝突したりすると、図10(b)に示すよう
に、正常値Voより極端に低い電圧値の時間Δt3が長
く続く。従って、前記挿通作業に失敗したと判断できる
時間Δt3を実験により決定し、その時間を予め随時読
み書き可能メモリ(RAM)57に記憶させておくので
ある。一般にその時間Δt3は1秒以内である。前記ス
テップS2での挿通作業が成功したときは(S3,n
o)、ワイヤ送り速度が所定時間内に変化したか否か
を、回転センサ22の検出値にて判別する(S4)。
【0027】なお、回転センサ22は、図11に示すよ
うな構成であり、パウダーブレーキ23に回転軸に連結
した回転板75に、その円周方向に沿って一定間隔
(P)で直径(D)の透かし孔76が穿設されており、
この回転板75の表裏両面を挟んで透かし孔76に対向
するように、ホトインターラプタ77が配設されてい
る。そして、前記ワイヤ送り速度に比例して回転する回
転板75の透かし孔76により、図12に示すように、
ホトインターラプタ77での受光部での光の透過時間間
隔(T1)または遮断時間間隔(T2)を適宜測定時間
txだけ測定し、前記ワイヤ送り速度を演算するように
構成されている。ところで、自動結線作業に際して、結
線作業が一回失敗するごとに搬送モータ29にてワイヤ
電極8を正転と逆転とを交互に繰り返すので、逆転時か
ら正転時に回転板75は一旦停止する。そのときの測定
開始時点で、回転板75における透かし孔76の中途箇
所(縁でない)、または、隣接する透かし孔76,76
の間の板部中途箇所がホトインターラプタ77での受光
部と対面しているとすると、送給開始の第1番目の前記
透過時間間隔(T1)または遮断時間間隔(T2)に狂
いが生じ、ひいてはワイヤ送り速度が変化しているとの
誤測定が発生する。そこで、前記測定時間txは、前記
狂いが発生しないだけの長さとする。
【0028】前記ステップS4にて、所定時間内にワイ
ヤ送り速度に変化がないと判断されたときには(S4,
no)、挿通作業に失敗し、自動では回復不可能でるあと
判断し、ブザー等を鳴らし、第1ソレノイド31をオフ
すると共に、搬送モータ29及び排出モータ17を停止
させる(S5)。一方、所定時間内にワイヤ送り速度に
変化が生じたと判断されたときには(S4,yes )、第
1ソレノイド31をオフにし、且つ搬送モータ29及び
排出モータ17を停止させて(S6)、自動結線作業が
完了する。
【0029】なお、本実施例では、ワイヤ送り速度が60
mm/秒程度になったとき、ワイヤ送り速度に変化が生じ
たと判断する。前記第1ソレノイド31をオフにすると
第1ピンチローラ30と送りローラ28とによるワイヤ
8の挟持が解除される。前記ステップS3で、一定時間
Δt3以上、ワイヤ電極8と被加工物Wとの接触状態が
続いている(ワイヤ電極の挿通(結線)作業失敗)と判
断すると(S3,yes )、前記レジスタの検出回数nを
1だけインクリメントする(S7)。次いで、前記検出
回数nが所定値N以上であるか否かを判別する(S
8)。この判別により、ワイヤ電極の挿通(結線)作業
失敗の回数nが所定値(回数)Nであると、ワイヤ電極
8の先端部8aが繰り返し失敗により曲がり癖等のダメ
ージを受けていることになる。従って、ステップS8で
yes と判断されると、第1ソレノイド31をオフにし、
搬送モータ29及び排出モータ17を停止させ(S
9)、次いで、後述のように再度先端部8aの形成作業
の処理を実行した(S10)後、前記ステップS1に戻
る。
【0030】前記ステップS8で、ワイヤ電極の挿通
(結線)作業失敗の回数nが所定値(回数)Nより少な
いと判断されるとき(S8,no)、一定時間搬送モータ
29を逆回転させて、ワイヤ電極8の先端部8aが被加
工物Wの加工開始孔hの上方(ワイヤガイド62よりも
下方)位置に来るように、ワイヤ電極8を矢印A方向に
逆送給し(S11)、次いで当該搬送モータ29を正回
転させて(S12)、前記ステップS3に戻す。
【0031】このように、本発明の自動結線作業の失敗
の判断は、ワイヤ電極8と被加工物Wとの電気的接触状
態の判別と、その時間長さで行われるので、結線失敗判
断迄の時間を短くすることができ、結線失敗から次の失
敗迄にくりだされるワイヤ電極8の長さを短くでき、結
線失敗によるワイヤ電極8の曲がり癖などダメージを受
けることが少なくなる。
【0032】次に、前記自動結線作業が失敗であると判
断した後、再度ワイヤ電極8に所定の先端部の形状を形
成するための制御を、図13に示すサブルーチンフロー
チャートに従って説明する。まず、ステップS20で、
駆動モータ20を逆回転駆動してワイヤ電極8を図3の
矢印A方向に巻き上げる。次いで、センサ41がオフか
否かを判別する(S21)。センサ41がオフであると
(S21,yes )、ワイヤ電極8の先端部8aが当該セ
ンサ41の箇所よりも上位置(送給上流側)に位置する
ので駆動モータ20を停止する(S22)。次に、ダメ
ージを受けたワイヤ電極8の先端部8aを廃棄すべく、
第4ソレノイド51を作動させて(S23)、方向変換
台25の下端側のワイヤガイド50が廃棄箱53の上方
に臨むように傾ける(図4の状態を参照)。これによ
り、ワイヤ電極8の案内経路は廃棄箱53方向に切り換
えられる。
【0033】次にステップS24で、第1ソレノイド3
1をオンにし、搬送モータ29を正転させるべくオンと
する。これにより、ワイヤ電極8のダメージを受けた先
端部8aはワイヤ切断手段35よりも下位置に来て、廃
棄箱53の上方に位置できる。次いで、一定時間後、前
記第1ソレノイド31をオフにし、搬送モータ29を停
止し(S25)、ワイヤ電極8の移動を一旦停止する。
【0034】次いで、ステップS26にて、パウダーブ
レーキ23をオンし、第3ソレノイド49をオンにし、
送出モータ46を正回転させ、その直後に第2ソレノイ
ド40をオンし、略同時に溶断電源73をオンする。パ
ウダーブレーキ23をオンにすれば、ワイヤ電極8の送
給上流側が保持され、第3ソレノイド49をオンにすれ
ば、送りローラ44と第2ピンチローラ45とでワイヤ
電極8を挟持できる。そして、送出モータ46を正回転
させることで送りローラ44が正方向に回転するので、
ワイヤ電極8に、その送給下流側に向かうように張力が
付与されることになる。このときの張力は、ワイヤ電極
8の直径の如何に拘らず、500g重とする。また、第
2ソレノイド40をオンすることにより、通電子37,
38がワイヤ電極8の溶断箇所近傍に押圧される。そし
て溶断電源73がオンすることにより、前記一対の通電
子37,38間のワイヤ電極8に溶断電流が流れて、溶
断される。このときの最適な溶断電流値は、種々の実施
例によれば、ワイヤ電極8の径(0.1,0.15,0.20,0.25,
0.30)mmに対して、それぞれ(1.5,2.0,4.0,5.0,7.0)A
である。これにより、図6に示すように、ワイヤ電極8
の先端部8aは曲がりのない尖頭状の形状に形成できる
のである。
【0035】ダメージを受けたワイヤ電極8の部分は、
送りローラ44と第2ピンチローラ45とで挟持され、
且つ送出モータ46は正転駆動されているので、溶断さ
れると同時に廃棄箱53に放出される。次いで、ステッ
プS27で、センサ41のオフを検出すると(S27,
yes )、前記の溶断作業が完了したことを判別できる。
ステップS27でyes と判断すると、パウダーブレーキ
23、第2ソレノイド40及び第3ソレノイド49をオ
フにし、送出モータ46をオフにし、略同時に溶断電源
70をオフする(S28)。これにより、溶断作業を完
了し、次いで、第4ソレノイド51をオフにして(S2
9)、方向変換台25の向き、ひいてはワイヤ電極8の
案内経路を、被加工物W側に戻すのである。
【0036】なお、前記ワイヤ送給手段によるワイヤ電
極を被加工物から離れる方向に移動させる回数が所定値
を越えたとき、当該ワイヤ電極の先端部を所定長さだけ
切断するように制御しても良い。
【0037】
【発明の作用・効果】以上詳述してように本発明のワイ
ヤ放電加工機におけるワイヤ電極の自動結線装置は、ワ
イヤ電極の自動結線作業時に、ワイヤ電極を被加工物に
対して進退動させるように構成された補助送給手段と、
前記ワイヤ電極と被加工物との電気的接触状態を検出す
るための接触検出手段と、該接触検出手段からの信号に
応じて、前記補助送給手段によるワイヤ電極の移動方向
を正逆に制御する制御手段とを備えたものであり、前記
接触検出手段によれば、ワイヤ電極と被加工物との電気
的接触状態で、ワイヤ電極の被加工物に対する挿通状
態、ひいては結線の良否を判断でき、その良否、特に結
線失敗時であることの判断を極めて短時間で行えるか
ら、結線作業失敗により、ワイヤ電極の先端部にダメー
ジを与えることを少なくできる。その結果、結線作業成
功に導く確率が格段に向上するという効果を奏する。
【0038】また、この自動結線装置において、前記補
助送給手段と被加工物との間に切断手段を設け、前記接
触検出手段による信号に応じて検出されるワイヤ電極結
線作業失敗回数が所定値を越えたとき、当該ワイヤ電極
の先端部を切断手段にて所定長さだけ切断するように制
御すれば、人手を介することなく、自動結線に適したワ
イヤ電極の先端部形状を形成でき、自動結線作業を迅速
且つ確実に行えるという顕著な効果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイヤ放電加工機の概略側面図である。
【図2】ワイヤ電極溶断回収部の側断面図である。
【図3】放電加工及び自動結線作業時のワイヤ電極溶断
回収部の側断面図である。
【図4】方向変換台の位置を変更させた状態の説明図で
ある。
【図5】制御装置を示す機能ブロック図である。
【図6】自動結線に最適なワイヤ電極の先端部形状を示
す図である。
【図7】曲がり癖のついたワイヤ電極の先端部形状を示
す図である。
【図8】自動結線作業の制御のサブルーチンフローチャ
ートである。
【図9】(a)は結線作業良好状態を示す図であり、
(b)はその時の接触検出器の信号状態を示す図であ
る。
【図10】(a)は結線作業不良状態を示す図であり、
(b)はその時の接触検出器の信号状態を示す図であ
る。
【図11】回転センサの要部斜視図である。
【図12】回転センサによる出力信号を示す図である。
【図13】ワイヤ電極の先端部形成作業の制御のサブル
ーチンフローチャートである。
【符号の説明】
W 被加工物 8 ワイヤ電極 15,16 ローラ 17 排出モータ 20 駆動モータ 22 回転センサ 29 搬送モータ 31,40,49,51 ソレノイド 35 ワイヤ切断手段 41 センサ 46 送出モータ 55 中央処理装置(CPU) 56 読み出し専用メモリ(ROM) 57 随時読み書き可能メモリ(RAM) 70 接触検出器 71,72 接触子 73 溶断電源

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤ電極の自動結線作業時に、ワイヤ
    電極を被加工物に対して進退動させるように構成された
    補助送給手段と、 前記ワイヤ電極と被加工物との電気的接触状態を検出す
    るための接触検出手段と、 該接触検出手段からの信号に応じて、前記補助送給手段
    によるワイヤ電極の移動方向を正逆転制御する制御手段
    とを備えたことを特徴とするワイヤ放電加工機における
    ワイヤ電極の自動結線装置。
  2. 【請求項2】 前記補助送給手段と被加工物との間に切
    断手段を設け、前記接触検出手段による信号に応じて検
    出されるワイヤ電極結線作業失敗回数が所定値を越えた
    とき、当該ワイヤ電極の先端部を所定長さだけ切断する
    ように制御することを特徴とする請求項1に記載のワイ
    ヤ放電加工機におけるワイヤ電極の自動結線装置。
JP11186392A 1992-04-30 1992-04-30 ワイヤ放電加工機におけるワイヤ電極の自動結線装置 Pending JPH05305523A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6787727B2 (en) 2001-01-16 2004-09-07 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Automatic wire electrode feeder for wire electric discharge machining devices

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