JP3298923B2 - ワイヤ放電加工機におけるワイヤ電極の廃棄装置 - Google Patents

ワイヤ放電加工機におけるワイヤ電極の廃棄装置

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JP3298923B2 JP11186192A JP11186192A JP3298923B2 JP 3298923 B2 JP3298923 B2 JP 3298923B2 JP 11186192 A JP11186192 A JP 11186192A JP 11186192 A JP11186192 A JP 11186192A JP 3298923 B2 JP3298923 B2 JP 3298923B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワイヤ放電加工機にお
けるワイヤ電極の断線時に、再度ワイヤ電極を張架する
に際して、断線によりダメージを受けた部分を適宜長さ
切断し、この不用ワイヤ片を廃棄するためのワイヤ電極
の廃棄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のワイヤ放電加工機による
ワイヤ放電加工中、ワイヤ電極と被加工物との小さい間
隙のうち、限られた範囲で放電が集中する等の異常事態
により、ワイヤ電極が断線することがある。その場合、
前記断線部(ワイヤ電極の先端部)やその近傍のワイヤ
電極の外周表面は、被加工物との放電により変形してい
ることが多い。そのため、ワイヤ電極を再度張架する作
業に先立って、隙間の小さいワイヤガイドや加工開始位
置に形成した加工開始孔等に前記先端部を通過させるこ
とが困難となる等、ワイヤ電極の再張架作業が面倒にな
る。
【0003】そこで、断線時等のワイヤ電極の変形した
先端部などの不適当な部分を所定寸法だけ切断して、ワ
イヤ電極の先端部を前記ガイド部等に通り易いように修
正する一方、切断した他方の不用ワイヤ片を廃棄するよ
うにしている。
【0004】この種の不用ワイヤ片の廃棄装置の先行技
術としては、特公平3−64255号公報に開示された
構成がある。即ち、ワイヤ電極の供給部とその下方に配
置された被加工物との間に、ワイヤ電極を挟持送給する
ための正逆回転駆動される一対のローラを配置し、開閉
装置により前記一対のローラを、その間隔が密着・離反
するように構成する一方、その上方にワイヤ電極の切断
装置が配置される。
【0005】その切断装置と前記一対のローラとの間に
配置された中空状のワイヤ電極排出管のワイヤ回収口
を、一方のローラの近傍で側方上部位置に臨ませる一
方、前記回収口に向かってエアを噴出する第1流体噴出
装置を配置している。このワイヤ電極排出管の他端に位
置する排出口との間には、当該排出口に向かってエアを
噴出するようにした第2流体噴出装置が接合されてい
る。
【0006】そして、前述のように断線したワイヤ電極
の送給上流側部位を、前記一対のローラにて挟持した状
態で、それより上方部位でワイヤ電極を切断装置により
切断し、その切断端部(不用ワイヤ片の上端部)がワイ
ヤ電極排出管の回収口下方近傍に位置するように、一対
のローラを正転させた後、停止させる。次いで前記第1
流体噴出装置を作動させると共に前記一対のローラによ
る不用ワイヤ片の挟持を解除して、前記不用ワイヤ片の
上端をワイヤ電極排出管内に移行するように誘導する。
その操作と略同時に、前記第2流体噴出装置を作動させ
て、ワイヤ電極排出管内の排出口側部位の気圧を低下さ
せる。
【0007】このように、ワイヤ電極排出管内に不用ワ
イヤ片を排出口に向かって吸引する力を作用させて、不
用ワイヤ片を廃棄箱等に向かって排出するのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記先
行技術によれば、前記切断された不用ワイヤ片を挟持す
る一対のローラの間隔を開くと、不用ワイヤ片の自重に
より直ちに下方に落下する。従って、前記の落下を妨
げ、且つ切断された不用ワイヤ片の上端部が、それより
も上位置にあるワイヤ電極排出管のワイヤ回収口に吸い
込まれるように、前記第1流体噴出装置を作動させなけ
ればならず、当該第1流体噴出装置による流体噴出力は
多大となり、しかも、その流体を噴出させるタイミング
と、前記一対のローラの開くタイミングとを合わせる必
要があるので、ワイヤ電極の廃棄装置の構造が複雑化
し、かつ制御も困難となるという問題があった。
【0009】本発明は、前記の問題を解決し、構造が簡
単で且つワイヤ電極の廃棄の制御も容易なワイヤ電極の
廃棄装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明のワイヤ放電加工機における
ワイヤ電極廃棄装置は、ワイヤ電極を自動的に張架する
に際して、ワイヤ電極の供給側先端部を適宜長さ切断し
て廃棄するように構成して成るワイヤ放電加工機におい
て、ワイヤ電極を挟持送給するための下部のワイヤ挟持
手段を、ワイヤ電極の供給部とその下方の被加工物に対
するワイヤ走行経路との間に設け、ワイヤ電極の先端部
を適宜長さだけ切断する切断手段を、前記下部のワイヤ
挟持手段とその上方の前記ワイヤ電極の供給部との間に
設け、切断手段により切断された不用ワイヤ片を収容す
るための廃棄部を、前記切断手段より下方であって、前
記ワイヤ走行経路の側方に配置し、移動手段にて、前記
廃棄部への廃棄経路と前記 ワイヤ走行経路とに選択的に
臨ませるように前記下部のワイヤ挟持手段の位置を移動
させるように構成し、前記下部のワイヤ挟持手段と前記
廃棄部の間には、前記不用ワイヤ片を前記廃棄部に向か
って下向きに排出するように流体を流通させる強制排出
手段を備えたものである。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のワイヤ放電加工機におけるワイヤ電極廃棄装置におい
て、前記強制排出手段は、前記不用ワイヤ片の導入案内
部に高圧エアを供給し、前記廃棄部への排出側に高圧エ
アを排出するように構成したものである。
【0012】
【実施例】次に、本発明を具体化した実施例について図
1〜図7を参照して説明する。ワイヤ放電加工機におけ
る基台1上には、加工槽2が載置されており、該加工槽
2内には加工槽2に固定されたワークテーブル3上に載
置固定された被加工物Wが絶縁性の加工液(清水あるい
は油)5に浸漬されている。その加工液5は加工液供給
装置4から供給され、加工により汚濁した加工液5を加
工液供給装置4に回収され、フイルタ等を介して濾過し
たのち再度循環させて供給される。
【0013】また、基台1と加工槽2との間には、図1
に示すように被加工物WをXY平面上を移動させるXY
テーブル6が配置されており、図示しない駆動機構によ
り駆動制御される。
【0014】コラム7の上部には、ワイヤ電極8を巻回
したワイヤボビン9が設けられており、そのコラム7の
上部に支持された上部アーム10には上ノズル11が形
成されている。またコラム7の下部に支持された下部ア
ーム12には下ノズル13が配置されている。ワイヤボ
ビン9から引き出されたワイヤ電極8は、上ノズル11
から被加工物Wを介して下ノズル13に略鉛直状に張架
され、図示しない電源及び通電子からワイヤ電極8と被
加工物Wとにパルス電流を通電し、鉛直状にて下向きに
通過するワイヤ電極8と被加工物Wとの微小な放電加工
隙間部(放電加工部)で放電加工が行われる。
【0015】なお、前記上ノズル11及び下ノズル13
の両方またはいずれか一方から加工液5を放電加工部に
向かって噴出させ、放電加工の金属くずの除去と放電加
工部の冷却とを実行する。前記ワイヤ電極8の直径は0.
05mm〜0.3mm 程度の細いものである。また、ワイヤ電
極8の搬送速度(移動速度)は、放電加工条件、被加工
物Wの板厚等により種々あるが、板厚50mm程度で100 〜
300mm/秒である。
【0016】方向変換プーリ14は前記下ノズル13の
下方に配置されており、その後方に配置された上下一対
のローラ15,16が方向変換プーリ14にて横方向に
搬送方向を変換された使用済みのワイヤ電極8を強制的
に挟持して回収箱18に排出して回収する。なお、排出
手段は、上下一対の一対のローラ15,16から構成さ
れている。この上下一対の一対のローラ15,16のう
ち少なくとも一方のローラは排出モータ17(図2参
照)にて回転駆動される。放電加工中は、後述のブレー
キ機構としてのパウダーブレーキ23と、前記一対のロ
ーラ15,16とにより、被加工物Wの箇所を通過する
ワイヤ電極8に所定の予張力を付与するための予張力付
与機構として機能するものである。
【0017】次に、ワイヤ電極8の供給部について、図
2及び図3を参照して説明する。ワイヤボビン9に回転
力を与える駆動モータ20は、放電加工時にワイヤボビ
ン9の回転する方向に対して逆方向の回転力を発生さ
せ、放電加工中のワイヤ電極8に予張力を付与し、断線
時にはワイヤ電極8を巻き戻す力を与える。回転センサ
22を備えたブレーキ機構としてのパウダーブレーキ2
3に連結されたプーリ21には、制動力が与えられる結
果、このプーリ21にてワイヤ電極8に張力が与えられ
る。
【0018】方向変換台25は、図3に示すように、フ
レーム24に枢軸26を介して上端部を揺動回動可能に
支持されている。ワイヤガイド27は前記枢軸26より
上方のフレーム24に設けられ、送りローラ28は前記
ワイヤガイド27の下方位置のフレーム24に設けられ
ている。該送りローラ28は図示しない無端ベルトなど
の伝動機構を介してステップモータよりなる搬送モータ
29により回転させられる。
【0019】第1ピンチローラ30は前記送りローラ2
8と対向して設けられ、第1ピンチローラ30は枢支軸
32回りに回動するレバー33を介して回転式の第1ソ
レノイド31における回転板に連結してあり、前記第1
ソレノイド31はコイルが励磁されるとその回転板が一
定角度回動し、枢支軸32回りに回動するレバー33を
介して第1ピンチローラ30にてワイヤ電極8を送りロ
ーラ28に挟持すると、ワイヤ電極8を下方に搬送す
る。回転式の第1ソレノイド31のコイルの励磁が停止
されると、内蔵された復帰スプリングによって回転板が
反対方向の元の位置に復帰する自己復帰機能を有する。
前記方向変換台25には前記枢軸26の近傍位置にワイ
ヤガイド34が配置されている。
【0020】前記方向変換台25に設けられる本発明の
ワイヤ切断手段35は、回転支軸36に設けたホルダ3
9の取付く一対の通電子37,38と、ホルダ39を前
記回転支軸36回りに回動させる回転式の第2ソレノイ
ド40とから構成され、回転式の第2ソレノイド40を
励磁して一対の通電子37,38がワイヤ電極8に接触
した状態で溶断電源70(図5参照)からの通電にて通
電子37,38間のワイヤ電極8が溶断される。なお、
この回転式の第2ソレノイド40も前記回転式の第1ソ
レノイド31と同様に自己復帰機能を備えている。
【0021】ワイヤ電極検出用のセンサ41は前記ワイ
ヤ溶断手段35の下方位置の方向変換台25に設けら
れ、ワイヤガイド42,43は前記センサ41の上下に
設けられている。そして、ワイヤ電極8が事故で断線し
た場合等においても、この一対のワイヤガイド42,4
3中にワイヤ電極8が位置することにより、ワイヤ電極
8がセンサ41の検出可能範囲から外れないように保持
するためのものである。
【0022】ワイヤ電極8を挟持して下方に送給するた
めのワイヤ挟持手段は、前記ワイヤガイド43の下方の
方向変換台25に設けられている。このワイヤ挟持手段
における送りローラ44と第2ピンチローラ45とは、
ワイヤ電極8の尖頭状先端部8aを形成する張力付与機
構として機能し、また、不慮の事故によるワイヤ電極8
の断線時の処理手段としても機能する。
【0023】送りローラ44は方向変換台25に設けら
れ、図示しない無端ベルト等の伝動機構を介してステッ
プモータよりなる送出モータ46により回転させられ
る。
【0024】第2ピンチローラ45は枢支軸47回りに
回動するレバー48を介して前述と同様の自己復帰機能
を備えた回転式の第3ソレノイド49における回転板に
連結されており、この回転式の第3ソレノイド49はコ
イルが励磁されるとその回転板が一定角度回動し、枢支
軸47回りに回動するレバー48を介して第2ピンチロ
ーラ45がワイヤ電極8を送りローラ44に挟持するよ
うに回動すると、ワイヤ電極8を下方に送給する。さら
に、ワイヤガイド50を方向変換台25の下端部に設け
ている。
【0025】前記方向変換台25の下方には、図3の矢
印B方向にワイヤ8を導くための本発明のワイヤ走行経
路を構成する筒状のガイド体54と、後述する不用ワイ
ヤ片(図示せず)を収容するための廃棄箱53とが隣接
して配置されている。
【0026】ここで、不用ワイヤ片とは、供給側のワイ
ヤ8の先端部のうち、切断事故等によりダメージを受け
た部分を含み、前記切断手段35にて切断した送給下流
側部位をいう。
【0027】方向変換台25の下端のワイヤガイド50
のワイヤ挿通向きを、前記ワイヤ走行経路とその側方の
廃棄箱への廃棄経路とに選択的に移動させるための本発
明の移動手段は、フレーム24に設けられた第4ソレノ
イド51を主要素として構成されている。回転式の第4
ソレノイド51は方向変換台25を前記枢軸26回りに
左右に揺動回動駆動するためのもので、揺動レバー52
を介して方向変換台25に連結してある。この回転式の
第4ソレノイド51のコイルを励磁すると、その回転板
が一定角度回動し、揺動レバー52を引張る。これによ
り、方向変換台25下端のワイヤガイド50の下端開口
がワイヤ電極の廃棄箱53の上端方向に臨むように方向
変換台25が回動する(図4参照)。
【0028】反対に回転式の第4ソレノイド51のコイ
ルの励磁が停止されると、内蔵された復帰スプリングに
よって回転板が反対方向の元の位置に復帰する自己復帰
機能を有する。これにより、前記ワイヤガイド50の下
端開口が前記廃棄箱53に隣接して配置された筒状のガ
イド体54の上端開口部に臨むように、方向変換台25
の位置が復帰する(図3参照)。このガイド体54の下
端は加工時の上ガイド62方向にワイヤ電極8を案内す
るためのものである。
【0029】前記ガイド体54の側方であって廃棄箱5
3の上方には、その廃棄箱53に不用ワイヤ片を強制的
に排出するための本発明の強制排出手段73が設けられ
ている。この強制排出手段73は、前記不用ワイヤ片を
廃棄箱53に導く筒状の案内体74と、該案内体74の
外周に略同心状に取り付けられた流体噴出管75とから
構成されている。案内体74の内径部は、上端開口部側
が広く下に行くに従って通路面積が狭くなる漏斗状に形
成されている。流体噴出管75の内径部は、前記案内体
74の下端排出側の外周を囲んで同心状であって、且つ
下端に向かって先窄まり状(ノズル状)の流体噴出路7
6が形成されている。図2に示すエアタンク等の高圧エ
ア供給源77から、高圧エアを流体噴出管75の導入部
78部に供給される。そのエアは、流体噴出管75の流
体噴出路76から前記案内管74の外周を介して廃棄箱
53に向かって放出されるのである。
【0030】また、前記切断された不用ワイヤ片が送り
ローラ44と第2ピンチローラ45とで送り出される送
り終了状態では、当該不用ワイヤ片の下端部は案内体7
4の下端排出口を通過して廃棄箱53の内部に臨んでい
る。従って、前記流体噴出路76からの高圧エアの吹き
出しにより、案内体74より下方の箇所で不用ワイヤ片
の外周に、その不用ワイヤ片の軸線と略平行状の高速の
エアの流れを形成させることができるから、この高速の
エア流により、前記送りローラ44と第2ピンチローラ
45から離れた不用ワイヤ片を廃棄箱53に向かって放
出させる作用を促進させることができる。従って、不用
ワイヤ片が多少湾曲していても、案内体74の箇所に支
えることなく、スムースに廃棄箱53に廃棄することが
できる。換言すると、不用ワイヤ片が自由落下しようと
する作用に前記エア流が加勢することにより、不用ワイ
ヤ片の廃棄の作用・効果を高めるのである。
【0031】ワイヤ放電加工機の制御装置としての中央
処理装置(CPU)55は、図5に示すように、ワイヤ
放電加工機全体の制御プログラム及び後述するワイヤ電
極8の切断廃棄のための制御プログラムを予め記憶させ
た読み出し専用メモリ(ROM)56と、各種データを
一時的に記憶させる随時読み書き可能メモリ(RAM)
57と、図示しないインターフェイスとを備え、CPU
55に前記切断手段35における溶断電源70(図5参
照)と通電子37,38との間のスイッチ58、前記ワ
イヤ電極検出用のセンサ41及び回転センサ22を接続
すると共に、駆動回路(入出力ドライバー回路)59を
介して回収モータ17、駆動モータ20、パウダーブレ
ーキ23、搬送モータ29、送出モータ46、回転式ソ
レノイド31,40,49、51、溶断電源70及び後
述する電磁開閉弁79に対する駆動回路80が接続され
ている。
【0032】次に、このように構成されたワイヤ放電加
工機において、ワイヤ電極8が不意に断線した場合の、
ダメージを受けたワイヤ電極8の切断除去と、その不用
ワイヤ片を廃棄箱53に排出する制御について、図6に
示すサブルーチンフローチャートに従って説明する。
【0033】事故等でワイヤ電極8が断線されたと判断
すると、放電加工を一旦中断する。処理のスタートに続
き、ステップS1で、駆動モータ20を逆回転駆動して
ワイヤ電極8を図3の矢印A方向に巻き上げる。次い
で、センサ41がオフか否かを判別する(S2)。セン
サ41がオフであると(S2,yes )、ワイヤ電極8の
先端部8aが当該センサ41の箇所よりも上位置(送給
上流側)に位置するので駆動モータ20を停止する(S
3)。次に、ダメージを受けたワイヤ電極8の先端部8
aを廃棄すべく、第4ソレノイド51を励磁して作動さ
せて(S4)、方向変換台25の下端側のワイヤガイド
50が廃棄箱53への強制排出手段73の上方に臨むよ
うに傾ける(図4の状態を参照)。これにより、ワイヤ
電極8の案内経路は廃棄経路の方向に切り換えられる。
【0034】次にステップS5で、第1ソレノイド31
をオンにし、搬送モータ29を正回転させる。これによ
り、ワイヤ電極8のダメージを受けた先端部8aはワイ
ヤ切断手段35よりも下位置に来て、強制排出手段73
より上方に位置できる。次いで、一定時間後、前記第1
ソレノイド31をオフにし、搬送モータ29を停止して
(S6)、ワイヤ電極8の移動を一旦停止する。
【0035】次いで、パウダーブレーキ23をオンし、
第3ソレノイド49をオンにし、送出モータ46を正回
転させ(S7)、その直後に第2ソレノイド40をオン
し、電磁開閉弁79を開放し、略同時に溶断電源70を
オンする(S8)。パウダーブレーキ23をオンにすれ
ば、ワイヤ電極8の送給上流側が保持され、第3ソレノ
イド49をオンにすれば、送りローラ44と第2ピンチ
ローラ45とでワイヤ電極8を挟持できる。そして、送
出モータ46を正回転させることで送りローラ44が正
方向に回転するので、ワイヤ電極8に、その送給下流側
に向かうように張力が付与されることになる。このとき
の張力は、ワイヤ電極8の直径の如何に拘らず、500
g重とする。また、第2ソレノイド40をオンすること
により、通電子37,38がワイヤ電極8の溶断箇所近
傍に押圧される。そして溶断電源70がオンすることに
より、前記一対の通電子37,38間のワイヤ電極8に
溶断電流が流れて、溶断される。このときの最適な溶断
電流値は、種々の実施例によれば、ワイヤ電極8の径
(0.1,0.15,0.20,0.25,0.30)mmに対して、それぞれ(1.
5,2.0,4.0,5.0,7.0)Aである。これにより、ワイヤ電
極8の先端部は曲がりのない尖頭状の形状に形成できる
のである。
【0036】ダメージを受けたワイヤ電極8の部分は、
送りローラ44と第2ピンチローラ45とで挟持され、
且つ送出モータ46は正転駆動されているので、溶断さ
れると同時に強制排出手段73における案内体74の上
端入口内に送り込まれる。この時、略同時に駆動回路8
0をオンさせて、前記高圧エア供給源77と導入部78
とをつなぐ配管途中の電磁開閉弁79を開き、流体噴出
路76に高圧エアを送る。そうすると、送りローラ44
と第2ピンチローラ45との挟持から開放された不用片
は、エアの吹き出しにより、当該不用ワイヤ片の自由落
下の勢いが加勢される。従って、たとえ先端部に曲がり
癖のついた不用ワイヤ片がワイヤガイド50や案内体7
4等の内径部につかえていても、この不用ワイヤ片を廃
棄箱53に円滑に放出することができる。また、前記加
工液で不用ワイヤ片が濡れることにより、ワイヤガイド
50や案内体74等の内径部に付着しているときも、前
記の吹き飛ばし作用によりスムースに廃棄箱53に放出
できるのである。
【0037】次いで、ステップS9で、センサ41のオ
フを検出すると、前記の不用ワイヤ片の廃棄作業が完了
したことを判別できる。ステップS9でyes と判断する
と、パウダーブレーキ23、第2ソレノイド40及び第
3ソレノイド49をオフにし、送出モータ46を停止
し、略同時に溶断電源70をオフする(S10)。次い
で所定時間後に電磁開閉弁79を閉じる(S11)。こ
れにより、溶断及び廃棄作業を完了し、次いで、第4ソ
レノイド51をオフにして(S12)、方向変換台25
の向き、ひいてはワイヤ電極8の案内経路を、被加工物
Wに対するワイヤ走行経路側のガイド体54方向に戻す
のである。
【0038】このようにしてワイヤ電極8が不意に断線
した場合に、そのワイヤ電極供給側の断線部分を一定長
さだけ切断して廃棄回収する制御を、一つのセンサ41
とその制御手段(CPU55等)により簡単に実行する
ことができるのである。従って、ワイヤ放電加工機にお
いて、ワイヤ電極が不意に断線した場合にも、その断線
事故による不良部分だけを確実に廃棄できて、次のワイ
ヤ電極8を再度張架することを確実に実行できると言う
効果を奏するのである。
【0039】なお、回転式ソレノイド31,40,49
を直動式の電磁ソレノイドに代えても良いことは言うま
でもなく、また、切断手段は他の形式のものであっても
良い。さらに、本発明の不用ワイヤ片の廃棄処理は、自
動結線作業の失敗によりワイヤ電極8先端部に曲がり癖
などダメージを受けた場合、そのダメージ部を除去する
処理にも適用できることは言うまでもない。
【0040】
【発明の作用・効果】前述のように、請求項1に記載の
発明では、ワイヤ放電加工機におけるワイヤ電極の供給
部とその下方の被加工物に対するワイヤ走行経路との間
に設けられ、ワイヤ電極を挟持送給するためのワイヤ挟
持手段にて、ワイヤ電極の断線事故等による不良部分は
挟持される。そして、その挟持状態で前記不良部分が切
断手段にて切断分離されて不用ワイヤ片となる。
【0041】一方、移動手段により、不用ワイヤ片を廃
棄経路方向に移動させると、前記ワイヤ走行経路の側方
に配置された廃棄部上の強制排出手段の上方に、前記不
用ワイヤ片が位置するように前記挟持手段の位置が切り
換えられ、前記挟持手段を作動させることで不用ワイヤ
片を強制排出手段の方向に放出する。
【0042】そのとき、強制排出手段にて付与された流
体は、廃棄部方向に下向きに放出されるので、この流体
力により前記不用ワイヤ片を前記廃棄部に向かって放出
する作用が加勢されるのである。
【0043】このように、本発明では、不用ワイヤ片が
その重力の作用で落下する側に強制排出手段と廃棄部と
を配置しており、しかも、強制排出手段にて付与する流
体力も不用ワイヤ片の落下を促進する方向に作用するの
であるから、重力に逆らうことなく、不用ワイヤ片を至
極簡単に廃棄除去できる。従って、そのための廃棄装置
の構造も簡単となり、且つ付与すべき流体力(流体量)
も小さくて済むから、ワイヤ電極の廃棄装置の製造コス
ト及び運転コストも低減できるという顕著な効果を奏す
るのである。
【0044】そして、請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載のワイヤ放電加工機におけるワイヤ電極廃棄装
置において、前記強制排出手段は、前記不用ワイヤ片の
導入案内部に高圧エアを供給し、前記廃棄部への排出側
に高圧エアを排出するように構成したものであるから、
前記排出側への高圧エアの吹き出しにより、案内部より
下方の箇所で不用ワイヤ片の外周に、その不用ワイヤ片
の軸線と略平行状の高速のエアの流れを形成させること
ができ、この高速のエア流により、前記下部のワイヤ挟
持手段から離れた不用ワイヤ片を廃棄箱に向かって放出
させる作用を促進させることができる。従って、不用ワ
イヤ片が多少湾曲していても、案内部の箇所につかえる
ことなく、スムースに廃棄箱に廃棄することができる。
換言すると、不用ワイヤ片が自由落下しようとする作用
に前記高圧エア流が加勢することにより、不用ワイヤ片
の廃棄の作用・効果を高めることができるという効果を
奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイヤ放電加工機の概略側面図である。
【図2】ワイヤ電極切断廃棄部の側断面図である。
【図3】放電加工時のワイヤ電極切断廃棄部の側断面図
である。
【図4】方向変換台の位置を変更させた状態の説明図で
ある。
【図5】制御装置を示すブロック図である。
【図6】制御のサブルーチンフローチャートである。
【符号の説明】
8 ワイヤ電極 20 駆動モータ 21 プーリ 23 パウダーブレーキ 25 方向変換台 28,44 送りローラ 29 搬送モータ 30,45 ピンチローラ 31,40,49,51 ソレノイド 37,38 通電子 41 センサ 46 送出モータ 50 ワイヤガイド 52 揺動レバー 53 廃棄箱 54 ガイド体 55 中央処理装置(CPU) 56 読み出し専用メモリ(ROM) 57 随時読み書き可能メモリ(RAM) 59,80 駆動回路 70 溶断電源 73 強制排出手段 74 案内体 75 流体噴出管 76 流体噴出路 77 高圧エア供給源 79 電磁開閉弁

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤ電極を自動的に張架するに際し
    て、ワイヤ電極の供給側先端部を適宜長さ切断して廃棄
    するように構成して成るワイヤ放電加工機において、ワイヤ電極を挟持送給するための下部のワイヤ挟持手段
    を、ワイヤ電極の供給部とその下方の被加工物に対する
    ワイヤ走行経路との間に設け、 ワイヤ電極の先端部を適宜長さだけ切断する切断手段
    を、前記下部のワイヤ挟持手段とその上方の前記ワイヤ
    電極の供給部との間に設け、 切断手段により切断された不用ワイヤ片を収容するため
    の廃棄部を、前記切断手段より下方であって、前記ワイ
    ヤ走行経路の側方に配置し、 移動手段にて、前記廃棄部への廃棄経路と前記ワイヤ走
    行経路とに選択的に臨ませるように前記下部のワイヤ挟
    持手段の位置を移動させるように構成し、 前記下部のワイヤ挟持手段と前記廃棄部の間には、前記
    不用ワイヤ片を前記廃棄部に向かって下向きに排出する
    ように流体を流通させる強制排出手段を備えたこと 特徴
    とするワイヤ放電加工機におけるワイヤ電極の廃棄装
    置。
  2. 【請求項2】 前記強制排出手段は、前記不用ワイヤ片
    の導入案内部に高圧エアを供給し、前記廃棄部への排出
    側に高圧エアを排出するように構成したことを特徴とす
    る請求項1に記載のワイヤ放電加工機におけるワイヤ電
    極の廃棄装置。
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CN104245201A (zh) * 2012-01-27 2014-12-24 三菱电机株式会社 线电极放电加工机以及线电极去除装置

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