JPH05305143A - 医療用カテーテル - Google Patents

医療用カテーテル

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JPH05305143A
JPH05305143A JP3202610A JP20261091A JPH05305143A JP H05305143 A JPH05305143 A JP H05305143A JP 3202610 A JP3202610 A JP 3202610A JP 20261091 A JP20261091 A JP 20261091A JP H05305143 A JPH05305143 A JP H05305143A
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JP
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catheter
tip
tube
length
rear end
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JP3202610A
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English (en)
Inventor
Yasunobu Izumi
康伸 泉
Yuzuru Nishijima
譲 西島
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリアミド系樹脂からなり先端柔軟部
(2)、中間硬度部(3)及び後端高硬度部(4)とが
一体的に形成されたチューブであって、その内径は外径
の65〜80%、先端柔軟及び中間硬度部の長さはそれ
ぞれ全長の0.2〜50%、0.8〜50%の範囲にあ
り、柔軟部及び高硬度部の弾性率がそれぞれ10〜20
kg/mm、40〜110kg/mmで、チューブ
の後端部から先端部まで全長にわたるトルク伝達力が8
〜30gの範囲である医療用カテーテルである。 【効果】 チューブ先端に柔軟部を設けたことにより血
管等の内壁を損傷することがなく、また、チューブの内
径、先端柔軟部と本体高硬度部の長さや弾性率、カテー
テル全長にわたるトルク伝達力を、それぞれ適切な値に
設定したことにより、薬液の注入特性や操作性、安全性
に優れたカテーテルが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、血管などの生体管腔内
に挿入し、体液採取、薬液注入等をするための医療用カ
テーテルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】体内の診断及び治療用として、消化管、
血管、尿管、尿道等へ挿入し、体液採取、薬液注入ある
いは処置を行うカテーテル技術が近年盛んになって来て
いる。特に血管に対しては、血管造影用として、放射線
による診断技術の発達とカテーテルを組み合わせた、い
わゆるインターベンショナルージオロジーの技術が大巾
に向上し、複雑な体の深部血管まで選択的にカテーテル
を挿入することが可能となってきた。
【0003】このような手技に用いられるカテーテルに
は、次のような機能が要求される。まず第1に、選択的
な挿入を行うため、押したり、引いたり、回転させるた
め、適度な腰、すなわちトルクコントロール性が必要で
ある。第2に、体内へ挿入するため、できる限り浸襲を
低減し、かつ十分な薬液の注入速度を確保するため、カ
テーテルはその外径はできる限り細くし、かつ大きな内
腔を持つことが必要である。更に、体の管腔壁や血管壁
を傷つけないように、先端部が柔軟性を有すことなどで
ある。
【0004】このような要求特性を満足させるため、従
来より種々の工夫がなされて来ている。例えば、トルク
コントロール性を向上させるためには、ステンレススチ
ール等の編組物をカテーテル壁に埋込む方法が一般的に
行なわれている。この方法では、ワイヤーにより補強す
ることで、カテーテルの腰を向上させることができ、更
には造影剤等を急速注入する際の圧力上昇に起因するカ
テーテルの破裂防止には有効であるが、カテーテルの肉
厚が必然的に厚くなり、このためカテーテルの外径が必
要以上に大きくなる欠点があった。
【0005】一般に体内へ挿入するカテーテルは、体内
の管腔壁の損傷を防ぐために、カテーテル先端部を十分
にソフト化することが不可欠である。特に血管内では血
管壁が脆くなっているケースが多く、このような場合、
カテーテルの先端が硬ければ容易に血管壁の損傷を引き
おこす恐れがあった。
【0006】一方、先端部の柔軟性を保持するための一
般的な方法としては柔軟な樹脂によって成形した先端チ
ップを適当な方法によって接合する方法がとられてい
る。しかしながら、このような方法では先端チップが脱
落する危険性があり、確実に接着しようとすればどうし
ても作製コストの上昇を避けることができない。それで
もなお、一部の工程不良により、先端チップが脱落する
という問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の医療
用カテーテルのこのような問題点を解決するため、種々
の検討の結果なされたもので、その目的とするところ
は、カテーテルチューブの先端柔軟部と本体部とを接合
手段なしに液化し、かつ編組物等の補強手段を用いるこ
となしに本体の硬度をアップさせることにより、優れた
トルクコントロール性、薬液注入性および先端柔軟性を
付与し、安全性および低浸襲性、操作性に優れた医療用
カテーテルを提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、ポリアミ
ド系樹脂からなり、先端柔軟部、後端高硬度部、および
両者に挟まれた中間硬度部が一体的に形成された、外形
1.30〜2.67mmのチューブであって、該チュー
ブの内径は外径の65〜80%、先端柔軟部および中間
硬度部の長さはそれぞれ全長の0.2〜50%、0.8
〜50%の範囲にあり、先端柔軟部、中間硬度部および
後端高硬度部の弾性率がそれぞれ10〜20kg/mm
、15〜80kg/mm、40〜110kg/mm
で、チューブの後端部から先端部まで全長にわたるト
ルク伝達力が8〜30gの範囲であることを特徴とする
医療用カテーテルである。
【0009】図1は、本発明の一実施例となる医療用カ
テーテルの全体構成を示す模式図である。カテーテル
(1)は、先端の柔軟部(2)、中間硬度部(3)およ
び後端の高硬度部(4)が一体に形成されており、後端
部にはシリンジ等を接続するためのコネクター(5)が
設けられている。
【0010】実際に医療用カテーテルとして使用する場
合には、図1に示した医療用カテーテルの先端に対し
て、例えばピッグテール、ジャドキンスレットあるいは
ジャドキンスライトのように造影部位に適応した形状に
なるように曲げ加工を行う。曲げ加工の方法としては、
通常あらかじめ目的の形状に賦形したワイヤーをカテー
テルの先端部に内挿し、そのまま煮沸水などにより短時
間加熱した後、冷却し、賦形ワイヤーを抜去する方法が
とられるが、必ずしも本方法によらず異なる方法によっ
ても何らかまわない。
【0011】本発明において用いられるチューブの材料
としては、ポリアミド系樹脂が好適に用いられ、このよ
うなものとしては、例えばナイロン6、ナイロン6・
6、ナイロン11、ナイロン12、あるいはポリアミド
系樹脂の共重合体であるポリエーテルポリアミドなどが
あげられ、更に複数のポリアミド系樹脂の混合樹脂も何
らさしつかえない。
【0012】カテーテル(1)の外径はできる限り細い
方が良いが、細すぎると内腔が狭くなり、その結果、十
分な薬液、例えば造影剤等の注入量あるいは注入速度が
得られない問題が生ずる。従って、適当なカテーテルの
サイズとしては(4〜8フレンチ(外径)1.30〜
2.67mm)の範囲が望ましい。
【0013】一方、カテーテルの内径は上述の通り十分
な広さが必要である。しかしながら、内腔を広くしすぎ
るとカテーテルの肉厚が薄くなり、カテーテルのトルク
伝達力の不足やキンクを生じ易くなる恐れがある。更に
は薬液の高速注入時、特に血管造影を行う際、カテーテ
ルの内腔には数10kg/cm以上の圧力がかかるた
め、カテーテルが破裂する危険性がある。従って、カテ
ーテルの内径は外径と適度なバランスが必要であり、外
径に対して65〜80%の範囲とするのが望ましい。
【0014】カテーテルの全長としては、小児から大人
まで使用するため、50〜120cmの範囲のものを各
種用意するのが望ましい。そして、カテーテル(1)の
チューブはその硬度が、先端柔軟部(2)、後端の高硬
度部(4)およびその両者に挟まれた中間硬度部(3)
の3段階に構成されている。
【0015】カテーテルの先端柔軟部(2)の長さは、
カテーテル全長の0.2〜50%で、より好ましくは
0.2〜20%の範囲が適当である。0.2%より短か
ければ柔軟性を付与した効果、すなわち血管等の内壁の
損傷防止に効果が少ない。一方、50%より長くする
と、カテーテルの後端部から先端部までカテーテル全休
のトルク伝達性が低下し、その結果、使用時の操作性が
悪くなる。
【0016】中間硬度部(3)の長さは、カテーテル全
長の0.8〜50%で、より好ましくは、2〜40%の
範囲が適当である。中間硬度部の長さが0.8%より短
かければ、本発明による効果が得られず、50%より長
くすると先端柔軟部の場合と同様に、カテーテル全体の
トルク伝達性が低下し、操作性が悪化する。
【0017】カテーテルチューブの硬度を3段階に変化
させる方法としては、次のような方法が可能である。
【0018】第1の方法としては、先ずカテーテル後端
部の硬度を増加させ、次いで、先端部に柔軟性を付与す
るものである。後端部の硬度を上げるには、例えば特開
平2−147070号公報)において開示されているよ
うな処理、すなわちカテーテルチューブを部分的に、水
の沸点とカテーテルチューブの素材である樹脂の沸点と
の間の温度で加熱処理を行って、硬度を上げることが可
能である。
【0019】この時、先端柔軟部(2)および中間硬度
部(3)に相当する部位は加熱されないような何らかの
手段、すなわち、例として水冷又は空冷することによ
り、80℃以下の低温領域に保持され、チューブの不必
要な硬度の上昇を防ぐことができる。
【0020】次に、カテーテルチューブの先端部に柔軟
に付与する方法について説明する。例として、可塑剤溶
液への浸漬処理法を用いる。用いる可塑剤としては、ポ
リアミド系樹脂に使用できるものであれば良く、例え
ば、N−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−メチルベ
ンゼンスルホンアミド、モノオクチルジフェニルホスフ
ェート、p−トルエンスルホンアミドなどが好適である
が、特にこれらに限定されない。
【0021】これらの可塑剤をポリアミド系樹脂の溶剤
に溶解した溶液とし、この溶液にカテーテル(1)の柔
軟性を付与する所定部位、即ち図1の柔軟部(2)に相
当する部位を浸漬し、接触せしめて、樹脂中に可塑剤を
拡散、侵入させる。溶剤としては、可塑剤を溶解し、か
つポリアミド系樹脂の溶剤であれば酸、アルカリ、有機
溶剤いずれを用いてもかまわないが、操作性、安全性の
面では有機酸であるギ酸、ピクリン酸などが好適な例と
してあげられる。この際の接触条件、すなわち温度、可
塑剤濃度、時間等については、樹脂や可塑剤の種類、目
標とする柔軟性により適宜に選択される。
【0022】この結果、カテーテルの後端、高硬度部
(4)および先端柔軟部(2)が得られ、かつその両方
に挟まれた中間硬度部(3)が形成される。
【0023】第2の方法としては、第1の方法のような
カテーテル後端の硬度を上げるための熱処理等の特別な
処理は必要としない。すなわち、あらかじめチューブを
成形する際に、用いる樹脂としてカテーテル後端の高硬
度部(4)に応じた材料を使用する。そして、中間硬度
部(3)および先端柔軟部(2)は、第1の方法と同様
に可塑剤に溶液への浸漬処理法を応用し、中間硬度部と
先端柔軟部とで可塑剤溶液への浸漬条件を変えることに
より、段階的に柔軟性を付与して形成せしめる。
【0024】すなわち例として、可塑剤溶液への浸漬時
間を変え、中間部は短時間で、先端部に対しては長時間
浸漬することが最も容易に実施できる方法である。この
他に例えば、浸漬液の可塑剤濃度を変えたり、あるいは
溶液の温度を変えるなどにより、同様な効果を得ること
が可能である。
【0025】第3の方法は、第2の方法の延長であり、
カテーテル後端の硬度を上げるための熱処理等は不要
で、中間硬度部及び先端柔軟部は可塑剤溶液への浸漬に
より、柔軟性を付与せしめるものである。しかしなが
ら、中間硬度部については、この領域全体が長さ方向で
均一な硬度を有するものではなく、カテーテル後端の高
硬度部側より先端柔軟部に向って高硬度から低硬度にほ
ぼ連続的に変化させるものである。
【0026】このような構成のカテーテルを得るために
は、中間硬度部を形成するための可塑剤溶液への浸漬法
として、例えば、カテーテルチューブの中間部及び先端
部を可塑剤溶液に浸漬し、中間硬度部の領域では除々に
引き上げ、先端柔軟部領域に達したら、更にそのまま一
定時間浸漬を続けるものである。
【0027】また、中間硬度部領域においてステップ状
に硬度を変えることも本発明に含まれるものであり、可
塑剤溶液に浸漬したカテーテルチューブをステップ状
(間歇的)に引き上げることにより容易に実現すること
が出来る。
【0028】カテーテルの硬さについては種々の測定方
法や特性値があるが、本発明の目的である医療用カテー
テルの特性を表わす値としては、その硬さの目安として
カテーテルチーブの引張り弾性率及びねじれ強度の評価
をするのが適当である。
【0029】まず、引張り弾性率については、一般的な
方法を用いて引張試験機による測定を行う。引張り弾性
率Eは、E=Pl/AΔl(P:荷重、l:サンプル
長、Δl:伸び、A:断面積)により得られる。本方法
によって測定した引張り弾性率の値は、カテーテル後端
の高硬度部(4)では50〜90kg/mm、中間硬
度部(3)では15〜80kg/mmの範囲が、また
先端柔軟部(2)では5〜20kg/mmの範囲に調
整するのが好適である。
【0030】一方、カテーテルの後端部、中間部及び先
端部分を組み合わせたカテーテル全体としての硬度は、
例えば血管内の複雑な部分や特に分岐部などへ挿入する
場合の操作性の良否に関係するものであるが、部分的な
硬度を測定する引張り弾性率の測定では、カテーテルの
特性を把握することは出来ない。そこで、本発明者らは
新たに測定法を考案し測定を行った。
【0031】この測定法は、図2に示したように、先端
部の曲げ加工をしていないカテーテルの後端部を適度に
回転させ、先端部に伝わる力の測定を行うものである。
具体的には、手元のコネクター(5)部を回転させ、そ
の時に先端部に伝達された回転力(トルク)を測定機
(6)にて測定する。この時の回転角度は適当で良い
が、操作性及び測定精度の面から180〜360°の範
囲で測定を行うのが好ましく、従って、本発明の測定に
おいては180°の角度で行った。
【0032】この結果、本測定法によるトルク伝達力の
値としては、カテーテルの操作性との関連で判断する
と、5〜30gの範囲が適切であり、更には10〜20
gが好適である。
【0033】
【実施例】
実施例1 ナイロン11を使用して押出成形を行い、外径1.60
mm、内径0.70mm、長さ120cmのチューブを
得た。更にこのチューブ、即ちカテーテル後端部の硬度
をアップさせるために、カテーテル後端側85cmの長
さを熱風乾燥機内で140℃3時間加熱処理を行った。
この時、カテーテル先端部35cmは冷水にて10℃に
冷却した。次いで、カテーテル先端部の柔軟性の付与を
行った。その処理方法は、ブチルベンゼンスルホンアミ
ド10重量%及びギ酸90重量%の溶液に、カテーテル
先端部の5cmの長さを室温下で3分浸漬した。その後
十分に水洗し乾燥した。
【0034】得られたカテーテルの物理特性は、引張り
弾性率としてカテーテル後端部が80kg/mm、中
間硬度部が40kg/mm、先端の柔軟部が14kg
/mmであり、カテーテル全長にわたるトルク伝達力
は、手元の回転角180°で16gであった。
【0035】更に、このカテーテルの先端をジャドキン
スレフトの形状に加工を行った。加工方法は、必要な形
状に予め形づくったステンレスワイヤーをカテーテルの
先端内腔に挿入し、100℃の水に3分浸漬した後、氷
水にて冷却して行った。このカテーテルを用いて左冠動
脈の造影を行い、操作性、造影性いずれも良好であっ
た。
【0036】実施例2 ナイロン12を使用し、外径2.0mm、内径1.4m
m、長さ110cmのチューブを押出成形した。カテー
テル後端部の硬度をアップするための処理は特に行わな
かった。N−メチルベンゼンスルホンアミド20重量%
およびピクリン酸80重量%の溶液に、先端側30cm
長さを40℃2分の浸漬を行い、次いで更に先端側10
cm長さを3分浸漬し柔軟化処理を行った。その後アル
カリにて中和した後、十分に水洗し乾燥した。
【0037】このようにして得られたカテーテルの物理
特性は、引張り弾性率がカテーテル後端部で90kg/
mm、中間硬度部で50kg/mm、先端部で17
kg/mmであった。また、カテーテル全長にわたる
トルク伝達力は180°の手元回転角で18gであっ
た。
【0038】カテーテルの先端形状はジャドギンスライ
トとし、実施例1と同様にして加工を行った。このカテ
ーテルを用いて右冠動脈の造影を行ったところ、操作
性、造影性、いずれも良好であった。
【0039】実施例3 ナイロン11及びポリエーテルポリアミドの混合樹脂を
用いて、外径1.5mm、内径1.2mm、長さ60c
mのチューブを押出成形した。カテーテル後端部の硬度
を上げるため、140℃3時間の加熱処理を行った。こ
の時カテーテル先端側11cmの部分は、実施例1と同
様にして10℃の冷水で冷却しながら加熱処理を行っ
た。次いで、カテーテル先端部に柔軟性を付与するた
め、p−トルエンスルホンアミド40重量%及びギ酸6
0重量%の溶液に室温下3分の浸漬を行った。この時の
浸漬長は先端部5mmであった。
【0040】得られたカテーテルの物理特性は、引張り
弾性率がカテーテル後端部で54kg/mm、中間硬
度部で20kg/mm、先端柔軟部で6kg/mm
であり、カテーテル全長にわたるトルク伝達力は手元の
回転角180°で12gであった。
【0041】このカテーテルの先端をピッグテイルの形
状に加工し、左心室内の造影を行ったところ、操作性、
造影性いずれも良好であった。
【0042】実施例4 ナイロン11を使用し、外径1.6mm、内径0.75
mm、長さ110cmのチューブを押出成形した。カテ
ーテル後端部の硬度を上げるための処理は特に行われな
かった。次いで40℃のN−ブチルベンゼンスルホンア
ミド30重量%及びギ酸の70重量%の溶液に、先端側
42cmの長さを浸漬し、毎分20cmの早さでカテー
テルチューブを引き上げ、先端部2cmを残した状態で
停止させ、そのまま更に3分の浸漬処理を行った。その
後アルカリにて十分に水洗し乾燥した。
【0043】得られたカテーテルの物理特性は引張り弾
性率がカテーテル後端部で85kg/mm、中間硬度
部の中心では45kg/mm、中間硬度部の中心より
10cm手元側では70kg/mm、同様に10cm
先端側では20kg/mmであり、先端部では13k
g/mmであった。カテーテル全長にわたるトルク伝
達力は、180°の手元回転角で14gであった。
【0044】カテーテルの先端形状はジャドキンスレフ
トとし、加工法は実施例1と同様に行った。このカテー
テルを用いて、左冠動脈の造影を行ったところ操作性、
造影性いずれも良好であった。
【0045】比較例1 ナイロン6を使用して外径2.3mm、内径1.61m
m、長さ110cmのチューブを押出成形した。カテー
テル後端部の硬度をアップするための処理は特に行わな
かった。カテーテル先端側10cmの長さでN−ブチル
ベンゼンアルホンアミド5重量%及びギ酸95重量%の
溶剤に室温下2分の浸漬を行ったり、次いで先端部3c
m長さを更に2分浸漬した。その後十分に水洗し乾燥を
行った。
【0046】得られたカテーテルの物理特性は、引張り
弾性率としてカテーテル後端部が35kg/mm、中
間硬度部が14kg/mmで、先端柔軟部が6kg/
mmであり、カテーテル全長にわたるトルク伝達力
は、手元の回転角180°で2.6gであった。
【0047】このカテーテルの先端をジャドキンスレフ
トの形状に加工し、左冠動脈の造影を行ったところ、カ
テーテル本体が柔軟すぎるため、冠動脈への挿入が難し
く、十分な造影ができなかった。
【0048】比較例2 ナイロン11を使用して外径2.67mm、内径1.7
3mm、長さ110cmのチューブを押出成形した。カ
テーテル後端部の硬度を上げるために、140℃4時間
の加熱処理を行った。この時、カテーテル先端部41c
mの部分は実施例1と同様に10℃の冷水で冷却しなが
ら加熱処理を行った。次いでカテーテル先端部の柔軟性
付与のためp−トリエンスルホンアミド20重量%及び
ギ酸80重量%の溶液に室温下3分の浸漬を行った。こ
の時の浸漬長は先端部2cmであった。
【0049】得られたカテーテルの物理特性は、引張り
弾性率がカテーテル後端部で120kg/mm、中間
硬度部で85kg/mm、先端柔軟部で25kg/m
であり、カテーテル全長にわたるトルク伝達力は、
手元の回転角180゜で34gであった。
【0050】このカテーテルの先端をピッグテイルの形
状に加工し、左心室内の造影を行ったところ、カテーテ
ルのトルクコントロール性は十分であったが、カテーテ
ルが硬すぎ血管への挿入が困難であった。
【0051】
【発明の効果】本発明の方法に従うと、先端柔軟部を設
けたことにより血管等の内壁を損傷する恐れがなく、ま
だ先端柔軟部と本体高硬度部とが一体的に融合されてい
て、それぞれに適切な弾性率を持たせて後端部から先端
部まで全長にわたるトルク伝達力を適切な範囲にコント
ロールしたことにより、優れた操作性、造影性を付与す
ることが可能となり、従って、血管造影用カテーテルな
どの医療用カテーテルとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例となる医療用カテーテルの全
体構成を表す図である。
【図2】カテーテルの後端部から先端部まで全長にわた
るトルク伝達力を測定する方法を示す模式図である。
【符号の説明】
1 カテーテル 2 柔軟部 3 中間硬度部 4 高硬度部 6 測定機

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド系樹脂からなり、先端柔軟
    部、後端高硬度部、および両者に挟まれた中間硬度部が
    一体的に形成された、外径1.30〜2.67mmのチ
    ューブであって、該チューブの内径は外径の65〜80
    %、先端柔軟部および中間硬度部の長さはそれぞれ全長
    の0.2〜50%、0.8〜50%の範囲にあり、先端
    柔軟部、中間硬度部および後端高硬度部の弾性率がそれ
    ぞれ10〜20kg/mm、15〜80kg/m
    、40〜110kg/mmで、チューブの後端部
    から先端部まで全長にわたるトルク伝達力が8〜30g
    の範囲であることを特徴とする医療用カテーテル。 【0001】
JP3202610A 1991-05-13 1991-05-13 医療用カテーテル Pending JPH05305143A (ja)

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