JPH05304782A - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置

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JPH05304782A
JPH05304782A JP4106294A JP10629492A JPH05304782A JP H05304782 A JPH05304782 A JP H05304782A JP 4106294 A JP4106294 A JP 4106294A JP 10629492 A JP10629492 A JP 10629492A JP H05304782 A JPH05304782 A JP H05304782A
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self
extinguishing
auxiliary
turn
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JP4106294A
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Hiromichi Tai
裕通 田井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、インバ―タやチョッパ装置
等の電力変換装置を自己消弧形スイッチング素子を用い
て構成する場合に、自己消弧形スイッチング素子のスイ
ッチング損失を低減することにある。 【構成】 電力変換装置を構成するスイッチング素子と
して自己消弧形スイッチング素子(T1,T2)を使用
して成る電力変換装置において、前記自己消弧形スイッ
チング素子(T1,T2)に該自己消弧形スイッチング
素子より高速スイッチング可能な自己消弧形補助スイッ
チング素子(S1,S2)を並列接続し、該自己消弧形
補助スイッチング素子(S1,S2)を、前記自己消弧
形スイッチング素子(T1,T2)の少くともタ―ンオ
フ期間でオンさせることを特徴とした電力変換装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、GTO等の半導体スイ
ッチング素子を用いた電力変換装置に係り、特に電力変
換装置を構成する自己消弧スイッチング素子のスイッチ
ング損失の低減を図った電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インバ―タ装置等の半導体電力変換装置
に自己消弧形スイッチング素子を適用することで、従来
に比べて、電源側及び負荷側高調波の抑制、電源力率の
改善、装置の小形化などの利点が得られる。これまで
は、高電圧、大電流に耐えられる自己消弧形スイッチン
グ素子が得られなかったが、最近、GTOに代表される
ような高電圧、大電流用途に適した自己消弧形スイッチ
ング素子が製造できるようになったため、大電力分野へ
の自己消弧形スイッチング素子の応用が活発となってき
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、こうした大電
力に適用出来るスイッチング素子は、導通時に流し得る
電流値を大ならしめるため、又、非導通時に遮断できる
電圧値を大ならしめるために、概ねスイッチング速度が
低くなっている。スイッチング素子の損失は、導通時の
オン損失、オン状態からオフに転じる際のタ―ンオフ損
失、オフ状態からオンに転じる際のタ―ンオン損失の和
となる。
【0004】図6は、自己消弧形スイッチング素子を使
用した従来のインバ―タの一相分の構成図を示してい
る。T1,T2は自己消弧形スイッチング素子からなる
主スイッチング素子(以下単にスイッチング素子と記
す)で、このスイッチング素子T1,T2には、それぞ
れフライホイ―ルダイオ―ドFD1,FD2が逆並列に
接続されている。又、スイッチング素子T1,T2の直
列接続点が交流出力端子となる。一端が直流電源Eの正
極に他端がスイッチング素子T1のアノ―ドに接続され
るリアクトルLA1及び一端が直流電源Eの負極に他端
がスイッチング素子T2のカソ―ドに接続されるリアク
トルLA2は、スイッチング素子T1,T2がタ―ンオ
ンする時のdi/dtを抑制するために設けられたアノ
―ドリアクトルである。又、スイッチング素子T1のス
ナバ回路はスイッチング素子T1に並列接続されるスナ
バダイオ―ドDS1とスナバコンデンサCS1からなる
直列回路と、スナバダイオ―ドDS1に並列接続されて
いるスナバ抵抗SR1で構成されている。更に、スイッ
チング素子T2のスナバ回路はスイッチング素子T2に
並列接続されるスナバダイオ―ドDS2とスナバコンデ
ンサCS2からなる直列回路と、スナバダイオ―ドDS
2に並列接続されているスナバ抵抗SR2で構成されて
いる。
【0005】図7は、図6のインバ―タにおいて、スイ
ッチング素子T1がタ―ンオン状態からタ―ンオフ状態
に転じる際に発生するタ―ンオフ損失の発生を説明する
ための波形図である。
【0006】時点Aにおいて、スイッチング素子T1の
ゲ―ト信号がオンゲ―ト信号からオフゲ―ト信号に転じ
ている。時点Bでスイッチング素子T1の蓄積時間が終
ると、図7(b)のスイッチング素子T1の電流が急速
に下降し、同時にスイッチング素子T1の電圧が立上が
って行く。時点Cでスイッチング素子T1の電流が零に
なる。図7(d)はこの時に発生するスイッチング素子
T1のタ―ンオフ損失である。 図8は、図6のインバ
―タにおいて、スイッチング素子T1がタ―ンオフ状態
からタ―ンオン状態に転じる際に発生するタ―ンオン損
失を説明するための波形図である。
【0007】時点Aにおいて、スイッチング素子T1の
ゲ―ト信号がオフゲ―ト信号からオンゲ―ト信号に転じ
ている。スイッチング素子T1の特性から、オフ動作よ
り、オン動作の方が速いためタ―ンオン損失は図8
(d)に示すようになる。
【0008】一方、スイッチング損失は、スイッチング
速度の増大と共に著しく増加する。そのため、大電力に
適用できるスイッチング素子の場合、スイッチング損失
が甚だ大きくなる。これを避けるためには、電力変換装
置のスイッチング周波数を下げる必要があり、これによ
って、自己消弧形スイッチング素子を適用したにも拘ら
ず、電力変換装置の入出力電圧、電流の高調波の増加、
力率の悪化等の問題が生じる。
【0009】本発明の目的は、前述の点に鑑みなされた
ものでスイッチング損失を低減し、電力変換装置のスイ
ッチング周波数を上げ、電力変換装置の入出力電圧、電
流の高調波の低減、力率の向上を期待出来る電力変換装
置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、電力変換装置を構成する
スイッチング素子として自己消弧形スイッチング素子を
使用して成る電力変換装置において、前記自己消弧形ス
イッチング素子に該自己消弧形スイッチング素子より高
速スイッチング可能な自己消弧形補助スイッチング素子
を並列接続し、該自己消弧形補助スイッチング素子を、
前記自己消弧形スイッチング素子の少くともタ―ンオフ
期間でオンさせることを特徴としたものである。
【0011】更に、請求項2に記載の発明は、電力変換
装置を構成するスイッチング素子として自己消弧形スイ
ッチング素子を使用して成る電力変換装置において、前
記自己消弧形スイッチング素子に該自己消弧形スイッチ
ング素子より高速スイッチング可能で且つ遮断能力が該
自己消弧形スイッチング素子より上回るわる自己消弧形
補助スイッチング素子を並列接続し、該自己消弧形補助
スイッチング素子を、前記自己消弧形スイッチング素子
の少くともタ―ンオフ期間でオンさせることを特徴とし
たものである。
【0012】更に又、請求項3に記載の発明は、電力変
換装置を構成するスイッチングバルブを自己消弧形スイ
ッチング素子を複数個直列接続して構成した電力変換装
置において、前記複数個の自己消弧形スイッチング素子
にそれぞれ該自己消弧形スイッチング素子より高速スイ
ッチング可能な自己消弧形補助スイッチング素子を並列
接続し、該複数個の自己消弧形補助スイッチング素子
を、前記自己消弧形スイッチング素子の少くともタ―ン
オフ期間でオンさせることを特徴としたものである。
【0013】
【作用】請求項1に係る発明においては、例えば、己消
弧形スイッチング素子がタ―ンオフするタイミングで
は、自己消弧形補助スイッチング素子をオンさせると、
己消弧形スイッチング素子がオフすればその電流は自己
消弧形補助スイッチング素子に転流する。己消弧形スイ
ッチング素子が確実にオフしたと思われる時点におい
て、自己消弧形補助スイッチング素子をオフさせること
で、タ―ンオフそのものは自己消弧形補助スイッチング
素子が分担することになる。自己消弧形補助スイッチン
グ素子は十分高速であると仮定しているので、自己消弧
形補助スイッチング素子のタ―ンオフ損失は十分小さ
く、よって電力変換装置のタ―ンオフ損失を小さくする
ことができる。
【0014】更に、請求項2に係る発明においては、自
己消弧形補助スイッチング素子の遮断電流が己消弧形ス
イッチング素子より上回るわるものを使用するため自己
消弧形スイッチング素子が負担する電流以上の電流を遮
断できる。
【0015】更に又、請求項3に係る発明においては、
複数個の自己消弧形スイッチング素子を直列接続してス
イッチングバルブを構成しているためタ―ンオフ損失を
小さくすることができることに加えて、高電圧回路にも
適用できるものである。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図6と同一部に
同一記号を付して示す図1を参照して説明する。
【0017】図1は、図6のインバ―タに本発明を適用
した構成図で、スイッチング素子T1に自己消弧形スイ
ッチング素子から成る補助スイッチング素子S1を並列
に接続し、スイッチング素子T2に自己消弧形スイッチ
ング素子から成る補助スイッチング素子S2を並列に接
続したものである。ここで、補助スイッチング素子S
1,S2としては、主スイッチング素子T1,T2に比
べて十分高速度動作で、主スイッチング素子T1,T2
と同じ耐圧があり、ごく短時間ならば主スイッチング素
子T1,T2と同程度の電流を流せるものを使用する。
【0018】又、補助スイッチング素子S1,S2の導
通時の電圧降下であるオン電圧は、主スイッチング素子
T1,T2に比べて大きいものとする。高速スイッチン
グ素子ではスイッチング特性を向上させるとオン電圧は
高くなる傾向があり、そのために大電流を通電する際の
損失の増大という問題を引き起こす。しかしながら、本
発明では、こうしたスイッチング速度の改善によるオン
電圧特性の悪化という問題は、問題とならないばかり
か、後述するように、むしろ好都合に作用するものであ
る。
【0019】前述のように構成されたインバ―タにおい
て、補助スイッチング素子S1,S2の制御は以下のよ
うに行う。例えばスイッチング素子T1がオフするタイ
ミングでは、スイッチング素子T1のゲ―ト信号がオフ
ゲ―トになると同時に補助スイッチング素子S1をオン
させる。補助スイッチング素子S1の電流を適当な手段
で監視し、電流が流れ始めた時点で補助スイッチング素
子S1をオフさせる。或いは、補助スイッチング素子S
1の電流を監視することなく、スイッチング素子T1の
蓄積時間が終わり電圧上昇が始ったと考えられるほど十
分長い時間だけ、補助スイッチング素子S1をオンさせ
ておくようにしてもよい。むしろこのほうが、コスト増
大の要因となる電流監視手段の必要がなく、制御回路も
簡素化されるので信頼性の点でも望ましい。スイッチン
グ素子T1のタ―ンオン時にも同様に、スイッチング素
子T1のゲ―ト信号がオンゲ―トになると同時に、補助
スイッチング素子S1をオンさせる。既に述べた通り、
補助スイッチング素子S1のオン電圧はスイッチング素
子T1のオン電圧よりも大きいので、スイッチング素子
T1のタ―ンオン過程が終われば補助スイッチング素子
S1に流れていた電流はスイッチング素子T1に転流す
る。転流が終わったと思われる時点で補助スイッチング
素子S1をオフさせる。補助スイッチング素子S2の制
御もまた、同様にスイッチング素子T2のゲ―ト信号を
基にして行えば良い。
【0020】このように、補助スイッチング素子S1を
スイッチング素子T1のタ―ンオン、タ―ンオフ時にオ
ンさせると、スイッチング素子T1のタ―ンオン、タ―
ンオフ時の転流責務は大幅に軽減され、実質的には転流
責務を補助スイッチング素子S1が背負うことになる。
そのため、従来ならばスイッチング素子T1のタ―ンオ
フ時の電圧の立上がりを抑えることでタ―ンオフ損失を
低減するために、スナバコンデンサCS1としてかなり
大きな値のものを用いていたが、本発明においては単に
dv/dtを抑えることができればよいのだから、スナ
バコンデンサCS1の値を小さくすることができる。ス
ナバコンデンサCS1は主回路部品の中でも大形なもの
でなので、スナバコンデンサCS1の値を小さくできれ
ば電力変換装置全体の小形化が期待できる。
【0021】又、スナバコンデンサCS1の値が小さく
なればスナバコンデンサCS1に蓄えられるスナバエネ
ルギも小さくなる。スナバエネルギはスナバ抵抗SR1
で消費させるにせよ、電源側に回生するにせよ、小さい
程電力変換装置の効率が向上する。このように、スナバ
コンデンサCS1の値を低減させたことによる装置の小
形化、スナバエネルギ損失の低減による装置効率の向上
などの効果も本発明では期待できる。以上のことを、主
スイッチング素子T1がタ―ンオフする場合について、
図2に示した波形図を参照しながら更に詳細に説明す
る。
【0022】図2の波形図は、スイッチング素子T1が
タ―ンオフする時点の前後について、数値シミュレ―シ
ョンを行った結果得られたものである。図2(d)がス
イッチング素子T1のゲ―ト信号であり、時点Aでオン
からオフに転じている。同時に時点Aで、図2(e)の
補助スイッチング素子S1のゲ―ト信号がオフからオン
に転じている。補助スイッチング素子S1のオン時間は
非常に短いので、時点Aで図2(c)の補助スイッチン
グ素子S1の電流が立上がる。ただし、前述のとおり補
助スイッチング素子S1はスイッチング素子T1に比べ
てオン電圧が大きいとしているので、補助スイッチング
素子S1の電流は、この時点ではスイッチング素子T1
の電流に比べて非常に小さい。
【0023】時点Bでスイッチング素子T1の蓄積時間
が終わり、図2(b)のスイッチング素子T1の電流が
急速に下降し、同時に、図2(c)の補助スイッチング
素子S1の電流が急速に立上がる。この時点からは、ス
イッチング素子T1に代って補助スイッチング素子S1
が電流を流すことになる。補助スイッチング素子S1の
オン電圧は大きいので、時点Bでスイッチング素子T1
の電圧がわずに持上がっているのが、図2(a)のスイ
ッチング素子T1の電圧からわかる。時点(c)で、図
2(e)の補助スイッチング素子S1のゲ―ト信号をオ
ンからオフに転じる。
【0024】図2(c)の補助スイッチング素子S1の
電流が急速に遮断される。時点Cからスナバコンデンサ
CS1の充電が始まり、図2(a)のスイッチング素子
T1の電圧が立上がる。
【0025】ここで、前述の図6の従来のインバ―タに
おいてスイッチング素子T1のタ―ンオフ時のシミュレ
―ションを行って得られた各電圧、電流、電力損失の波
形を示す図7と、図7の電圧、電流、電力損失波形とス
ケ―ルを合わせて示している図2とを比較すれば、本発
明によってスイッチング素子T1のタ―ンオフ損失は大
幅に低減されていることがわかる。
【0026】このように、スイッチング素子T1のタ―
ンオフ時には補助スイッチング素子S1がオン状態であ
るために、スイッチング素子T1の電圧は補助スイッチ
ング素子S1によって抑えられたままであり、スイッチ
ング素子T1のタ―ンオフ損失はほとんど無視できるほ
ど小さくなる。一方、補助スイッチング素子S1に関し
てはタ―ンオフ損失の発生は避けられないが、タ―ンオ
フ時間を小さくした高速のスイッチング素子を用いるこ
とで補助スイッチング素子S1のタ―ンオフ損失は低減
することができる。また、以上の説明でわかる通り、本
発明において主回路の電流遮断は、もっぱら補助スイッ
チング素子S1によっている。そのため補助スイッチン
グ素子S1に主スイッチング素子T1よりも可制御電流
が大きな素子を用いるならば、主スイッチング素子T1
の可制御電流を上回る電流を遮断することが可能とな
る。このように本発明によって主スイッチング素子T1
の制御能力を上回る電流を出力することも可能となる。
【0027】次に、スイッチング素子T1がタ―ンオン
する場合について、図3に示した波形図を参照しなから
詳細に説明する。図3の波形図は、スイッチング素子T
1がタ―ンオンする時点の前後について、数値シミュレ
―ションを行った結果得られたものである。図3(d)
がスイッチング素子T1のゲ―ト信号であり、時点Aで
オフからオンに転じている。同時に時点Aで、図3
(e)の補助スイッチング素子S1のゲ―ト信号がオフ
からオンに転じる。補助スイッチング素子S1のタ―ン
オン時間は非常に短いので、時点Aで図3(c)の補助
スイッチング素子S1の電流が立上がる。タ―ンオンの
場合はタ―ンオフと異り、蓄積時間はないのでスイッチ
ング素子T1もまた時点Aから電流が立上がる。よっ
て、時点Aの後で補助スイッチング素子S1に流れてい
た電流が、しばらくするうちにスイッチング素子T1に
転流する。
【0028】時点Bで、図3(e)の補助スイッチング
素子S1のゲ―ト信号がオンからオフに転じるが、すで
に補助スイッチング素子S1の電流はスイッチング素子
T1に転流しているので、なんらの変化も起きない。
【0029】ここで、前述の図6の従来のインバ―タに
おいてスイッチング素子T1のタ―ンオン時のシミュレ
―ションを行って得られた各電圧、電流、電力損失の波
形を示す図8と、図8の電圧、電流、電力損失波形とス
ケ―ルを合わせて示している図3とを比較すれば、本発
明によってスイッチング素子T1のタ―ンオン損失は大
幅に低減されていることがわかる。
【0030】このように、スイッチング素子T1のタ―
ンオン時には、すでに補助スイッチング素子S1がオン
状態であり、スイッチング素子T1の電圧は補助スイッ
チング素子S1によって抑えられているために、スイッ
チング素子T1のタ―ンオン損失はほとんど無視できる
程小さくなる。一方、補助スイッチング素子S1に関し
てはタ―ンオン損失の発生は避けられないが、十分に高
速なスイッチング素子を用いることにより補助スイッチ
ング素子S1のタ―ンオン損失は低減させることができ
る。
【0031】図1と、同一部に同一記号を付して示す図
4は本発明の他の実施例を示す構成図で、スイッチング
バルブの耐圧を上げるために一つのスイッチングバルブ
を複数個のスイッチング素子を直列接続して構成した例
を示している。即ち、直列接続されたスイッチング素子
T1とT2で一つのスイッチングバルブを、直列接続さ
れたスイッチング素子T3とT4で一つのスイッチング
バルブを構成した例を示したものである。又、FD1〜
FD4はフライホイ―ルダイオ―ド、CS1〜CS4は
スナバコンデンサ、DS1〜DS4はスナバダイオ―
ド、SR1〜SR4はスナバ抵抗である。
【0032】このように、一つのスイッチングバルブを
複数個のスイッチング素子で構成する場合には、スイッ
チング素子の特性のバラツキによりオフ時の電圧分担に
アンバランスが生じる問題があるが、本発明はスイッチ
ング損失の低減と、更に、このような、直列接続された
スイッチング素子のオフ時の電圧分担のバランスもま
た、本発明によって改善できる。以下、このオフ電圧バ
ランスの改善がどのように行われるのかを説明する。
【0033】大電力用の自己消弧形スイッチング素子で
はタ―ンオフ時間のほとんどは、ゲ―ト信号をオフゲ―
トにしてから実際に電流が遮断され始めるのに要する蓄
積時間によって占められている。この蓄積時間は素子に
よってバラツキがあり、そのために、直列接続されたお
のおのの素子に同じゲ―ト信号を供給しても、スイッチ
ング素子の電圧の立上がり時点がばらついてしまう。こ
の結果、速くオフが始まったスイッチング素子ほど多く
の電圧を分担するので、結果としてスイッチング素子の
電圧分担がはなはだ異ってしまう。このようにスイッチ
ング素子のオフ電圧分担の不平衡の大きな原因のひとつ
は、この蓄積時間のバラツキにある。
【0034】従来は、蓄積時間のバラツキ具合を予め測
定し、それに合わせてゲ―ト駆動回路のタイミングを調
整して各スイッチング素子の電圧の立上がりタイミング
を合わせるようになっている。本発明の場合には、タ―
ンオフは十分高速な補助スイッチング素子の動作によっ
ているため、蓄積時間そのものが十分小さく、よってタ
―ンオフタイミングのバラツキも小さい。これによっ
て、ゲ―ト駆動回路の調整によらずとも、オフ電圧のバ
ラツキは小さく抑えることができる。以上述べた本発明
の他の実施例の動作を、図5に示した波形図を参照しな
がら詳細に説明する。図5の波形は、スイッチング素子
T1,T2がタ―ンオフする時点の前後について、数値
シミュレ―ションを行った結果得られたものである。
【0035】図5(d)がスイッチング素子T1,T2
のゲ―ト信号であり、時点Aでオンからオフに転じてい
る。同時に時点Aで、図5(e)の補助スイッチング素
子S1,S2のゲ―ト信号がオフからオンに転じてい
る。補助スイッチング素子S1,S2のオン時間は非常
に短いので、時点Aで図5(c)の補助スイッチング素
子S1の電流、図5(c)の補助スイッチング素子S2
の電流が共に立上がる。ただし、補助スイッチング素子
S1,S2はスイッチング素子T1,T2に比べてオン
電圧が大きいので、補助スイッチング素子S1の電流、
補助スイッチング素子S2の電流共に、この時点ではス
イッチング素子T1,T2の電流に比べて非常に小さ
い。
【0036】時点Bでスイッチング素子T2の蓄積時間
が終わり、図5(b)のスイッチング素子T2の電流が
急速に下降し、同時に図5(c)の補助スイッチング素
子S2の電流が急速に立上がる。この時点からは、スイ
ッチング素子T2に代わって補助スイッチング素子S2
が電流を流すことになる。補助スイッチング素子S2の
オン電圧は大きいので、時点Bでスイッチング素子T2
の電圧は僅かに持上っているのが図5(a)からわか
る。
【0037】時点Cでスイッチング素子T1の蓄積時間
が終わり、図5(b)のスイッチング素子T1の電流が
急速に下降し、同時に、図5(c)の補助スイッチング
素子S1の電流が急速に立上がる。この時点からは、ス
イッチング素子T1に代って補助スイッチング素子S1
が電流を流すことになる。補助スイッチング素子S1の
オン電圧は大きいので、時点Cでスイッチング素子T1
の電圧が僅かに持上がっているのが図5(a)からわか
る。
【0038】時点Dで、図5(e)の補助スイッチング
素子S1,S2のゲ―ト信号をオンからオフに転じる。
図5(c)の補助スイッチング素子S1の電流、図5
(c)の補助スイッチング素子S2の電流が共に急速に
遮断される。時点Dからスナバコンデンサの充電が始ま
り、図5(a)のスイッチング素子T1,T2の電圧が
立上がる。このように、電流を切るのは補助スイッチン
グ素子S1,S2が行い、その蓄積時間は非常に短いの
で各スナバコンデンサCS1,CS2の充電はほぼ同時
に始まり、従って、オフ電圧の分担は、各スイッチング
素子の蓄積時間のバラツキに関係無くバランスする。
【0039】尚、前述の実施例では、主スイッチング素
子としてGTOを、補助スイッチング素子としてIGB
Tを例にあげているが、これに限らず自己消弧形素子で
あればどの素子を使用しても本発明は実施出来るもので
ある。更に、前述説明は、電力変換装置としてインバ―
タを例に上げて説明しているが、本発明はインバ―タに
限らず他の電力変換装置にも適用できるものである。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、主スイッチング素子に対して並列に設けた
補助スイッチング素子を、主スイッチング素子のスイッ
チング時にのみオンさせることで、主スイッチング素子
のスイッチング損失を大幅に低減させ、装置の大容量化
やスイッチング周波数を上げることによる入出力波形の
高品質化が可能となる。更に、請求項2に係る発明によ
れば、請求項1に係る発明の効果に加え、主スイッチン
グ素子に流れている電流を上回る電流を遮断できる効果
がある。。更に又、請求項3に係る発明によれば、請求
項1に係る発明の効果に加え、回路電圧を高電圧化でき
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電力変換装置の一相分の一実施例を示
す構成図。
【図2】[図1]の電力変換装置を構成するスイッチン
グ素子のタ―ンオフ損失の発生を説明するための波形
図。
【図3】[図1]の電力変換装置を構成するスイッチン
グ素子のタ―ンオン損失の発生を説明するための波形
図。
【図4】本発明の電力変換装置の一相分の他の実施例を
示す構成図。
【図5】[図4]の電力変換装置を構成するスイッチン
グ素子のタ―ンオフ時の動作を説明するための波形図。
の動作を説明するための波形図。
【図6】従来の電力変換装置の一相分の一例を示す構成
図。
【図7】[図6]の電力変換装置を構成するスイッチン
グ素子のタ―ンオフ損失の発生を説明するための波形
図。
【図8】[図6]の電力変換装置を構成するスイッチン
グ素子のタ―ンオン損失の発生を説明するための波形
図。
【符号の説明】
E ……直流電源 T1〜T4 ……主スイッチング素子 LA1,LA2 ……アノ―ドリアクトル FD1〜FD4 ……フライホイ―ルダイオ―ド CS1〜CS4 ……スナバコンデンサ DS1〜DS2 ……スナバダイオ―ド SR1〜SR4 ……スナバ抵抗 S1〜S4 ……補助スイッチング素子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力変換装置を構成するスイッチン
    グ素子として自己消弧形スイッチング素子を使用して成
    る電力変換装置において、前記自己消弧形スイッチング
    素子に該自己消弧形スイッチング素子より高速スイッチ
    ング可能な自己消弧形補助スイッチング素子を並列接続
    し、該自己消弧形補助スイッチング素子を、前記自己消
    弧形スイッチング素子の少くともタ―ンオフ期間でオン
    させることを特徴とした電力変換装置。
  2. 【請求項2】 電力変換装置を構成するスイッチン
    グ素子として自己消弧形スイッチング素子を使用して成
    る電力変換装置において、前記自己消弧形スイッチング
    素子に該自己消弧形スイッチング素子より高速スイッチ
    ング可能で且つ遮断能力が該自己消弧形スイッチング素
    子より上回るわる自己消弧形補助スイッチング素子を並
    列接続し、該自己消弧形補助スイッチング素子を、前記
    自己消弧形スイッチング素子の少くともタ―ンオフ期間
    でオンさせることを特徴とした電力変換装置。
  3. 【請求項3】 電力変換装置を構成するスイッチン
    グバルブを自己消弧形スイッチング素子を複数個直列接
    続して構成した電力変換装置において、前記複数個の自
    己消弧形スイッチング素子にそれぞれ該自己消弧形スイ
    ッチング素子より高速スイッチング可能な自己消弧形補
    助スイッチング素子を並列接続し、該複数個の自己消弧
    形補助スイッチング素子を、前記自己消弧形スイッチン
    グ素子の少くともタ―ンオフ期間でオンさせることを特
    徴とした電力変換装置。
JP4106294A 1992-04-24 1992-04-24 電力変換装置 Pending JPH05304782A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008079475A (ja) * 2006-09-25 2008-04-03 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置
JP2011125114A (ja) * 2009-12-09 2011-06-23 Toyo Electric Mfg Co Ltd 補助電源装置

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