JPH05303908A - 高屈折率導電膜、低反射導電膜、およびその製造方法 - Google Patents

高屈折率導電膜、低反射導電膜、およびその製造方法

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JPH05303908A
JPH05303908A JP15405792A JP15405792A JPH05303908A JP H05303908 A JPH05303908 A JP H05303908A JP 15405792 A JP15405792 A JP 15405792A JP 15405792 A JP15405792 A JP 15405792A JP H05303908 A JPH05303908 A JP H05303908A
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JP
Japan
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conductive film
refractive index
film
low
compound
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Withdrawn
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JP15405792A
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English (en)
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Satoshi Takemiya
聡 竹宮
Keisuke Abe
啓介 阿部
Takeshi Morimoto
剛 森本
Kazuya Hiratsuka
和也 平塚
Yasuhiro Sanada
恭宏 真田
Keiko Kubota
恵子 久保田
Takeshi Yoshizuka
武司 吉塚
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】Zr(OR)m R´n 、In化合物、Sn化合
物を含有する塗布液を塗布後、加熱かつ/または紫外線
照射により高屈折率導電膜を形成する。この上にSi化
合物含有溶液を用いて低屈折率膜を形成して低反射導電
膜を製造する。 【効果】蒸着やスパッタリング等のように大がかりな設
備を必要とせず、優れた低反射導電膜を製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブラウン管パネル等の
ガラス基体表面に塗布される高屈折率導電膜、低反射導
電膜およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】低反射膜のコーティング法は、従来より
光学的機器においてはいうまでもなく、民生用機器特に
TV、コンピューター端末の陰極線管(CRT)に関し
多くの検討がなされてきた。
【0003】従来の方法は、例えば特開昭61−118
931号記載の如くブラウン管表面に防眩効果を持たせ
るために表面に微細な凹凸を有するSiO2層を付着させた
り、フッ酸により表面をエッチングして凹凸を設ける等
の方法が採られてきた。しかし、これらの方法は、外部
光を散乱させるノングレア処理と呼ばれ、本質的に低反
射層を設ける手法でないため、反射率の低減には限界が
あり、またブラウン管などにおいては、解像度を低下さ
せる原因ともなっていた。
【0004】一方ブラウン管は高電圧で作動するため起
動時、或いは終了時に該表面に静電気が誘発される。こ
の静電気により該表面にほこりが付着しコントラスト低
下を引き起こしたり、或いは直接触れた際軽い電気ショ
ックによる不快感を生じることが多い。
【0005】従来、上述の事柄を防止するためにブラウ
ン管パネル表面に帯電防止膜を付与する試みがかなりな
されてきた。例えば特開昭63−76247号記載の通
り、ブラウン管パネル表面を加熱しCVD法により酸化
スズおよび酸化インジウム等の導電性酸化物層を設ける
方法が採用されてきた。しかしながらこの方法では装置
コストがかかることに加え、ブラウン管を高温加熱する
ためブラウン管内の蛍光体の脱落を生じたり、寸法精度
が低下する等の問題があった。
【0006】さらに近年、ブラウン管表面に発生する直
流電界や電磁波の人体への影響が懸念されている。すな
わち強い直流電界に顔をさらすと皮膚の老化が早まると
の報告や特定の電磁波を浴びることで胎児の細胞に異常
が生じるとの報告がある。この対策としてブラウン管表
面に透明導電膜を形成することが提案されている。
【0007】更に、低反射性および導電性を同時に付与
する場合、例えば2層膜構成においては、空気側に低屈
折率層、基体側に高屈折率層を配する必要がある。しか
しながら、これまでこのような性能を有し、かつ耐擦傷
性および耐久性の優れた膜、およびこのような膜を工業
的に安定して形成する方法は知られていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が
有していた前述の欠点を解消し、低温熱処理が可能な優
れた低反射導電膜とその製造方法を新規に提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の問題点を
解決すべくなされたものであり、Zr(OR)mR'n (n+m=4,m=
1〜4, n=0〜3 、R および R'=C1〜C4のアルキル基)の
モノマーあるいはその重合体のうち少なくとも1種、I
n化合物、およびSn化合物を含有する塗布液を基体上
に塗布した後、加熱かつ/または紫外線照射して高屈折
率導電膜を形成することを特徴とする高屈折率導電膜の
製造方法を提供する。
【0010】本発明はさらに、この方法により高屈折率
導電膜を形成し、その上にSi化合物を含有する溶液を
塗布した後、加熱かつ/または紫外線照射し、上記導電
膜より低屈折率を有する膜を形成することにより、少な
くとも2層からなる低反射導電膜を製造することを特徴
とする低反射導電膜の製造方法を提供する。
【0011】本発明はさらに、この方法により高屈折率
導電膜を形成し、その上に、イソシアネートシラン化合
物を含有する溶液を塗布した後、加熱することにより、
少なくとも2層からなる低反射導電膜を製造することを
特徴とする低反射導電膜の製造方法をも提供する。
【0012】一般に、薄膜の光学的性能はその膜を構造
する屈折率と膜厚で決定される。ここで一定の屈折率n
s を有する基体上に屈折率nを有する薄膜を付着し、屈
折率no の媒質中より波長λの光が入射した場合のエネ
ルギー反射率Rは光が膜中を通過する際の位相差を△と
すると △=(4πnd)/λ (d:膜厚) △=(2m+1)π、即ち位相差△が半波長の奇数倍の
時、極小値をとり、このとき R=[(n2−nons)/(n2+nons)]2 …(1) となる。
【0013】無反射条件を満たすには、(1)式におい
てR=0とおき、 n=(nons1/2 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) が必要とされる。(2)式を2層構成に拡張した場合 n21 2=n2 2 n0‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) となる。(n1 :媒質側層、n2 :基体側層)
【0014】ここで、no =1(空気)、ns =1.5
2(ガラス)を(3)式に適用した場合、n2 /n1
1.23となり、この場合2層構成膜において最も低反
射となる。勿論、n2 /n1 =1.23を満たさなくて
も2層膜の屈折率がこれに近い値をとれる場合、低反射
性が発現される。従って、基体側に設ける高屈折率層と
媒質側に設ける低屈折率層は、両者の屈折率の比ができ
るだけ1.23に近い値を選択するのが望ましい。
【0015】本発明は、基体側に設ける高屈折率層の屈
折率を1.60以上にし、その上に形成する低屈折率層
をこれより低い屈折率を有するSi化合物により構成
し、上記目的を達成するものである。なお、本発明にお
いて多層膜および単層膜の膜厚は従来から知られている
方法により光学的に定めることができる。
【0016】本発明において、高屈折率導電膜或いは低
反射導電膜を形成する基体としては、特に限定されるも
のではなく、目的に応じてソーダライムシリケートガラ
ス、アルミノシリケートガラス、ホウケイ酸塩ガラス、
リチウムアルミノシリケートガラス、石英ガラスなどの
ガラス、鋼玉等の単結晶、マグネシア、サイアロン等の
透光性セラミックス、ポリカーボネート等のプラスチッ
ク等が使用できる。
【0017】本発明において、高屈折率導電膜は、Zr(O
R)mR'n (n+m=4, m=1〜4, n=0〜3 、R および R'=C1〜C4
のアルキル基)のモノマーあるいはその重合体のうち少
なくとも1種、In化合物、およびSn化合物を含有す
る塗布液(以下導電膜用溶液ともいう)を基体上に塗布
し、加熱かつ/または紫外線照射することにより形成す
る。
【0018】In化合物としては、オクチル酸インジウ
ム、ナフテン酸インジウム等の有機酸塩、塩化インジウ
ム等の無機酸塩、トリブトキシインジウム、トリエトキ
シインジウム等のアルコキシド、アセチルアセトン等の
β−ジケトンやメチルアセチルアセトネート等のケトエ
ステルなどが配位した錯体や、有機In化合物等が挙げ
られる。
【0019】同様にSn化合物としては、オクチル酸
錫、ナフテン酸錫等の有機酸塩、塩化インジウム等の無
機酸塩、テトラブトキシ錫、テトラエトキシ錫等のアル
コキシド、アセチルアセトン等のβ−ジケトンやメチル
アセチルアセトネート等のケトエステルなどが配位した
錯体や、有機Sn化合物等が挙げられる。
【0020】In化合物とSn化合物の比は、Sn/(Sn+
In) =0.01以上0.20以下(重量比)が好まし
い。SnがInに対して少なすぎると、SnがIn位置
に置換固溶する量が不足し、電気導電性が発現しない。
また、Sn量が(Sn+In)量に対して多すぎると、
SnのInに対する固溶限界を超え、SnOx の形で偏
折が生じ、電気導電性が低下する。
【0021】ITO(インジウム−錫酸化物)に対する
Zrの量としては、酸化物換算でZrO2/(ZrO2+ITO) =
0.01以上0.20以下(重量比)が好ましい。Zr
量が極端に少ないと望まれる屈折率、強度が発現せず逆
にZr量が多すぎると膜の電気伝導性の低下を引き起こ
す。
【0022】これらのZr化合物、In化合物およびS
n化合物は適当な溶解性を有するべンゼン、トルエン、
キシレン、イソプロパノール、ブタノール等に溶解して
用いる。さらに基板への濡れ性および塗布液の粘度を調
整するためエタノール、メタノール、エチルセロソル
ブ、酢酸イソブチル等の有機溶媒を添加することも可能
である。
【0023】また、かかる導電膜用溶液に、さらに、T
i化合物やAl化合物を混合し、屈折率を調整すること
も可能である。
【0024】更に、膜の強度を向上させるため、上記導
電膜用溶液に、Si(OR)mR'n (n+m=4,m= 1〜4, n=0〜3 、
R および R'=C1〜C4のアルキル基)で示される化合物
(例えば、シリコンエトキシド、シリコンメトキシド、
シリコンイソプロポキシド、シリコンブトキシド等)或
いは部分加水分解物を添加するのが好ましい。Si(OR)
mR'nの添加量については、所望の膜強度、屈折率、電気
導電性を考慮し、適宜決定すればよい。
【0025】導電膜用溶液においては、酸化物換算の総
固形分量としては、溶媒に対して0.1〜30wt%含ま
れていることが好ましい。
【0026】かかる導電膜用溶液の基体への塗布法は、
スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ロールコー
ター法、メニスカスコーター法等、種々考えらるが、特
にスピンコート法は量産性、再現性に優れ、好ましく採
用可能である。かかる方法によって100Å〜1μm程
度の厚さの膜が形成可能である。
【0027】また、本発明において低屈折率膜を構成す
るSi化合物としては、Si(OR)mR'n(n+m=4, m=1〜4, n=
0〜3 、R および R'=C1〜C4のアルキル基)で示される
化合物或いは部分加水分解物を用いることが好ましい。
また、イソシアネート結合を有するイソシアネートシラ
ン化合物を用いることも好ましい。ケイフッ化水素酸、
ホウ酸を含む水溶液に二酸化ケイ素粉末を飽和させてな
る溶液中から析出させてなるSi化合物も使用可能であ
る。Si(OR)mR'nで示される化合物或いは部分加水分解物
およびイソシアネートシラン化合物の高屈折率導電膜上
への塗布法としては、前述した方法と同様に種々の方法
が好ましく採用可能である。
【0028】さらに、低屈折率性を発現させるために、
SiO2よりも低屈折率であるMgF2の微粒子を上記溶液中に
分散させておくこともできる。本発明の低反射導電膜の
製造方法は、3層以上の低反射膜の製造にも応用でき
る。
【0029】本発明において、所望の低反射率を得るに
は、多層膜間の屈折率と合わせて膜厚も重要な要素であ
る。反射防止性能を有する多層の低反射膜の構成として
は、反射したい波長をλとして、基体側より高屈折率層
−低屈折率層を光学厚みλ/2−λ/4で形成した2層
の低反射膜、基体側より中屈折率層−高屈折率層−低屈
折率層を光学厚みλ/4−λ/2−λ/4で形成した3
層の低反射膜、基体より低屈折率層−中屈折率層−高屈
折率層−低屈折率素を光学厚みλ/4−λ/4−λ/2
−λ/4で形成した4層の低反射膜等が典型例として知
られている。
【0030】
【作用】本発明の高屈折率導電膜においては、In化合
物およびSn化合物によりITO(インジウム−錫酸化
物)を形成し、導電性を発現させる。また、これらの化
合物にSi化合物を添加し膜強度の向上を図ることが好
ましい。
【0031】しかしながら、Si化合物を導入した場
合、SiO2が成膜時に形成され、屈折率の低下を招く。本
発明では導電膜の強度を保ちながら高屈折率を発現させ
るため、Zr化合物を導入した。導電膜の高屈折率に
は、Ti化合物も望ましいが、Ti化合物による高屈折
率導電膜の場合、上層にSi化合物を塗布、高温で焼成
した場合、上層のSiの拡散が生じ導電性の低下が生じ
る場合がある。本発明ではその作用は必ずしも明らかで
ないが、Zr化合物を用いるため、Siの拡散を抑制
し、2層による低反射導電膜を形成した場合、導電性の
低下が生じない。
【0032】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0033】[実施例1]2−エチルヘキサン酸インジ
ウムとテトラエトキシ錫をSn/(Sn+In)が0.1(重量
比)となるようにヘキサンに溶解した。次にこの液をエ
タノールで酸化物換算で3wt%となるように希釈した。
(A液)
【0034】Zr(OC4H9)4のエタノール溶液(ZrO2換算固
形分18wt%)にアセチルアセトンをZrに対して2mo
l 比添加し1時間110℃で還流を行った後、塩酸酸性
水溶液(pH 3.0)をZrに対して2mol 比添加し1時間
撹拌した。更に酸化物換算で3wt%となるようにエタノ
ールで希釈した。(B液) A液:B液=10:1wt比となるように混合した。
(C液)
【0035】Si(OC2H5)4のエタノール溶液( SiO2 換算
固形分28.9wt%)にSi(OC2H5)4に対して塩酸で pH
2.0 に調整した水溶液を9mol 比添加し、2時間撹拌
し、酸化物換算で3wt%となるようにエタノールで希釈
した。(D液)
【0036】C液をガラス板に750rpm の回転速度で
10秒間塗布し、その後、365nmを主波長とする紫
外線を30分間照射し、高屈折率導電膜を得た。この膜
上にD液を1500rpm の回転速度で5秒間塗布し、そ
の後450℃で10分間加熱して、ガラス基板側から数
えて第2層としてSi化合物膜を得た。
【0037】[実施例2]A液:B液:D液=10:
1:0.5wt比となるように混合した。(E液) 実施例1におけるC液をE液に変更した以外は実施例1
と同様に行った。
【0038】[実施例3]実施例2における紫外線の照
射を380℃で30分間の加熱に変更した以外は実施例
2と同様に行った。
【0039】[実施例4]実施例3におけるE液の組成
をA液:B液:D液=10:0.5:0.75wt比と
なるように変更した以外は実施例3と同様に行った。
【0040】[実施例5]テトライソシアネートシラン
を酢酸メチルに溶解、希釈し酸化物換算固形分で3wt%
に調整した。(F液) 実施例4における基体側第2層塗布後の450℃で10
分間の加熱処理を10分間室温静置に変更した以外は実
施例4と同様に行った。
【0041】[実施例6]実施例4におけるA液の出発
原料をジブチルインジウムエチルヘキサネートとオクチ
ル酸錫とした以外は実施例4と同様に行った。
【0042】[実施例7]硝酸インジウム10gをアセ
チルアセトン10gに溶解した。テトラエトキシ錫3g
をアセチルアセトンに溶解した。次にこれらの液をSn/
(Sn+In) が0.1(重量比)となるように混合し、さら
にこれらの液を酸化物換算で3wt%となるようにエタノ
ールで希釈した。(G液) 実施例4におけるA液をG液に変更した以外は実施例4
と同様に行った。
【0043】[実施例8]塩化インジウム2gをエタノ
ール10gに溶解した後、塩化インジウムと等モルのア
セチルアセトンを添加して、120℃で1時間還流を行
った。テトラエトキシ錫3gをエタノールに溶解した
後、錫と等モルのアセチルアセトンを添加し、120℃
で1時間還流を行った。次にこれらの液をSn/(Sn+In)
が0.1(重量比)となるように混合し、さらにこの液
を酸化物換算で3wt%となるようにエタノールで希釈し
た。(H液) 実施例7におけるG液をH液に変更した以外は、実施例
7と同様に行った。
【0044】[実施例9]実施例8におけるE液の組成
をH液:B液:D液=10:1.5:1.5wt比とな
るように変更した以外は、実施例8と同様に行った。
【0045】[比較例1]実施例7におけるG液組成を
Sn/(Sn+In) =0.3(重量比)となるように変更した
以外は、実施例7と同様に行った。
【0046】[比較例2]実施例9におけるE液の組成
をH液:B液:D液=10:3:1.5wt比となるよ
うに変更した以外は実施例9と同様に行った。
【0047】[比較例3]実施例9におけるE液の組成
をH液:B液:D液=10:0.1:1.5wt比とな
るように変更した以外は実施例9と同様に行った。
【0048】[比較例4]実施例9に示されるH液組成
をSn/(Sn+In) =0.005(重量比)となるように変
更した以外は、実施例9と同様に行った。実施例および
比較例で得られた膜につき次の評価方法で評価した結果
を表1に示す。
【0049】1)導電性評価:ハイレスタおよびローレ
スタ抵抗測定器(三菱油化製)により相対湿度30%以
下の雰囲気中で膜表面の表面抵抗値を測定した。
【0050】2)耐擦傷性:1kg荷重下において、消し
ゴム(LION製50−50)で膜表面を200回往復
後その表面の傷の付きを目視で判断した。評価基準は以
下の通りとした。 ○:傷が全くつかない △:傷が多少つく ×:多くの傷がつくか膜剥離
【0051】3)視感反射率(2層成膜時):GAMM
A分光反射スペクトル測定器により膜の400〜700
nmでの視感反射率を測定した。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明の高屈折率導電層においては、一
般に知られているSbドープSnO2よりも導電性に優れる
SnドープIn2O3 を導電性物質として用いるため、帯電
防止機能のみならず電磁波遮蔽機能も付与した低反射膜
を得ることができる。
【0054】本発明では高屈折率導電層を形成するにあ
たり、有機溶媒への溶解性に優れるIn化合物とSn化
合物をおよびZr化合物を用い基板に塗布後、焼成する
ことにより製膜するため、蒸着やスパッタ等のように大
がかりな設備を必要とせず、工業的にも安定な製品を得
ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】高屈折率導電膜、低反射導電膜、および
その製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブラウン管パネル等の
ガラス基体表面に塗布される高屈折率導電膜、低反射導
電膜およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】低反射膜のコーティング法は、従来より
光学的機器においてはいうまでもなく、民生用機器特に
TV、コンピューター端末の陰極線管(CRT)に関し
多くの検討がなされてきた。
【0003】従来の方法は、例えば特開昭61−118
931号記載の如くブラウン管表面に防眩効果を持たせ
るために表面に微細な凹凸を有するSiO2層を付着させた
り、フッ酸により表面をエッチングして凹凸を設ける等
の方法が採られてきた。しかし、これらの方法は、外部
光を散乱させるノングレア処理と呼ばれ、本質的に低反
射層を設ける手法でないため、反射率の低減には限界が
あり、またブラウン管などにおいては、解像度を低下さ
せる原因ともなっていた。
【0004】一方ブラウン管は高電圧で作動するため起
動時、或いは終了時に該表面に静電気が誘発される。こ
の静電気により該表面にほこりが付着しコントラスト低
下を引き起こしたり、或いは直接触れた際軽い電気ショ
ックによる不快感を生じることが多い。
【0005】従来、上述の事柄を防止するためにブラウ
ン管パネル表面に帯電防止膜を付与する試みがかなりな
されてきた。例えば特開昭63−76247号記載の通
り、ブラウン管パネル表面を加熱しCVD法により酸化
スズおよび酸化インジウム等の導電性酸化物層を設ける
方法が採用されてきた。しかしながらこの方法では装置
コストがかかることに加え、ブラウン管を高温加熱する
ためブラウン管内の蛍光体の脱落を生じたり、寸法精度
が低下する等の問題があった。
【0006】さらに近年、ブラウン管表面に発生する直
流電界や電磁波の人体への影響が懸念されている。すな
わち強い直流電界に顔をさらすと皮膚の老化が早まると
の報告や特定の電磁波を浴びることで胎児の細胞に異常
が生じるとの報告がある。この対策としてブラウン管表
面に透明導電膜を形成することが提案されている。
【0007】更に、低反射性および導電性を同時に付与
する場合、例えば2層膜構成においては、空気側に低屈
折率層、基体側に高屈折率層を配する必要がある。しか
しながら、これまでこのような性能を有し、かつ耐擦傷
性および耐久性の優れた膜、およびこのような膜を工業
的に安定して形成する方法は知られていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が
有していた前述の欠点を解消し、低温熱処理が可能な優
れた低反射導電膜とその製造方法を新規に提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の問題点を
解決すべくなされたものであり、Zr(OR)mR'n (n+m=4,m=
1〜4, n=0〜3 、R および R'=C1〜C4のアルキル基)の
モノマーあるいはその重合体のうち少なくとも1種、I
n化合物、およびSn化合物を含有する塗布液を基体上
に塗布した後、加熱かつ/または紫外線照射して高屈折
率導電膜を形成することを特徴とする高屈折率導電膜の
製造方法を提供する。
【0010】本発明はさらに、この方法により高屈折率
導電膜を形成し、その上にSi化合物を含有する溶液を
塗布した後、加熱かつ/または紫外線照射し、上記導電
膜より低屈折率を有する膜を形成することにより、少な
くとも2層からなる低反射導電膜を製造することを特徴
とする低反射導電膜の製造方法を提供する。
【0011】本発明はさらに、この方法により高屈折率
導電膜を形成し、その上に、イソシアネートシラン化合
物を含有する溶液を塗布した後、加熱することにより、
少なくとも2層からなる低反射導電膜を製造することを
特徴とする低反射導電膜の製造方法をも提供する。
【0012】一般に、薄膜の光学的性能はその膜を構造
する屈折率と膜厚で決定される。ここで一定の屈折率n
s を有する基体上に屈折率nを有する薄膜を付着し、屈
折率no の媒質中より波長λの光が入射した場合のエネ
ルギー反射率Rは光が膜中を通過する際の位相差を△と
すると △=(4πnd)/λ (d:膜厚) △=(2m+1)π、即ち位相差△が半波長の奇数倍の
時、極小値をとり、このとき R=[(n2−nons)/(n2+nons)]2 …(1) となる。
【0013】無反射条件を満たすには、(1)式におい
てR=0とおき、 n=(nons1/2 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) が必要とされる。(2)式を2層構成に拡張した場合 n21 2=n2 2 n0‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) となる。(n1 :媒質側層、n2 :基体側層)
【0014】ここで、no =1(空気)、ns =1.5
2(ガラス)を(3)式に適用した場合、n2 /n1
1.23となり、この場合2層構成膜において最も低反
射となる。勿論、n2 /n1 =1.23を満たさなくて
も2層膜の屈折率がこれに近い値をとれる場合、低反射
性が発現される。従って、基体側に設ける高屈折率層と
媒質側に設ける低屈折率層は、両者の屈折率の比ができ
るだけ1.23に近い値を選択するのが望ましい。
【0015】本発明は、基体側に設ける高屈折率層の屈
折率を1.60以上にし、その上に形成する低屈折率層
をこれより低い屈折率を有するSi化合物により構成
し、上記目的を達成するものである。なお、本発明にお
いて多層膜および単層膜の膜厚は従来から知られている
方法により光学的に定めることができる。
【0016】本発明において、高屈折率導電膜或いは低
反射導電膜を形成する基体としては、特に限定されるも
のではなく、目的に応じてソーダライムシリケートガラ
ス、アルミノシリケートガラス、ホウケイ酸塩ガラス、
リチウムアルミノシリケートガラス、石英ガラスなどの
ガラス、鋼玉等の単結晶、マグネシア、サイアロン等の
透光性セラミックス、ポリカーボネート等のプラスチッ
ク等が使用できる。
【0017】本発明において、高屈折率導電膜は、Zr(O
R)mR'n (n+m=4, m=1〜4, n=0〜3 、R および R'=C1〜C4
のアルキル基)のモノマーあるいはその重合体のうち少
なくとも1種、In化合物、およびSn化合物を含有す
る塗布液(以下導電膜用溶液ともいう)を基体上に塗布
し、加熱かつ/または紫外線照射することにより形成す
る。
【0018】In化合物としては、オクチル酸インジウ
ム、ナフテン酸インジウム等の有機酸塩、塩化インジウ
ム等の無機酸塩、トリブトキシインジウム、トリエトキ
シインジウム等のアルコキシド、アセチルアセトン等の
β−ジケトンやメチルアセチルアセトネート等のケトエ
ステルなどが配位した錯体や、有機In化合物等が挙げ
られる。
【0019】同様にSn化合物としては、オクチル酸
錫、ナフテン酸錫等の有機酸塩、塩化インジウム等の無
機酸塩、テトラブトキシ錫、テトラエトキシ錫等のアル
コキシド、アセチルアセトン等のβ−ジケトンやメチル
アセチルアセトネート等のケトエステルなどが配位した
錯体や、有機Sn化合物等が挙げられる。
【0020】In化合物とSn化合物の比は、Sn/(Sn+
In) =0.01以上0.20以下(重量比)が好まし
い。SnがInに対して少なすぎると、SnがIn位置
に置換固溶する量が不足し、電気導電性が発現しない。
また、Sn量が(Sn+In)量に対して多すぎると、
SnのInに対する固溶限界を超え、SnOx の形で偏
折が生じ、電気導電性が低下する。
【0021】ITO(インジウム−錫酸化物)に対する
Zrの量としては、酸化物換算でZrO2/(ZrO2+ITO) =
0.01以上0.20以下(重量比)が好ましい。Zr
量が極端に少ないと望まれる屈折率、強度が発現せず逆
にZr量が多すぎると膜の電気伝導性の低下を引き起こ
す。
【0022】これらのZr化合物、In化合物およびS
n化合物は適当な溶解性を有するべンゼン、トルエン、
キシレン、イソプロパノール、ブタノール等に溶解して
用いる。さらに基板への濡れ性および塗布液の粘度を調
整するためエタノール、メタノール、エチルセロソル
ブ、酢酸イソブチル等の有機溶媒を添加することも可能
である。
【0023】また、かかる導電膜用溶液に、さらに、T
i化合物やAl化合物を混合し、屈折率を調整すること
も可能である。
【0024】更に、膜の強度を向上させるため、上記導
電膜用溶液に、Si(OR)mR'n (n+m=4,m= 1〜4, n=0〜3 、
R および R'=C1〜C4のアルキル基)で示される化合物
(例えば、シリコンエトキシド、シリコンメトキシド、
シリコンイソプロポキシド、シリコンブトキシド等)或
いは部分加水分解物を添加するのが好ましい。Si(OR)
mR'nの添加量については、所望の膜強度、屈折率、電気
導電性を考慮し、適宜決定すればよい。
【0025】導電膜用溶液においては、酸化物換算の総
固形分量としては、溶媒に対して0.1〜30wt%含ま
れていることが好ましい。
【0026】かかる導電膜用溶液の基体への塗布法は、
スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ロールコー
ター法、メニスカスコーター法等、種々考えらるが、特
にスピンコート法は量産性、再現性に優れ、好ましく採
用可能である。かかる方法によって100Å〜1μm程
度の厚さの膜が形成可能である。
【0027】また、本発明において低屈折率膜を構成す
るSi化合物としては、Si(OR)mR'n(n+m=4, m=1〜4, n=
0〜3 、R および R'=C1〜C4のアルキル基)で示される
化合物或いは部分加水分解物を用いることが好ましい。
また、イソシアネート結合を有するイソシアネートシラ
ン化合物を用いることも好ましい。ケイフッ化水素酸、
ホウ酸を含む水溶液に二酸化ケイ素粉末を飽和させてな
る溶液中から析出させてなるSi化合物も使用可能であ
る。Si(OR)mR'nで示される化合物或いは部分加水分解物
およびイソシアネートシラン化合物の高屈折率導電膜上
への塗布法としては、前述した方法と同様に種々の方法
が好ましく採用可能である。
【0028】さらに、低屈折率性を発現させるために、
SiO2よりも低屈折率であるMgF2の微粒子を上記溶液中に
分散させておくこともできる。本発明の低反射導電膜の
製造方法は、3層以上の低反射膜の製造にも応用でき
る。
【0029】本発明において、所望の低反射率を得るに
は、多層膜間の屈折率と合わせて膜厚も重要な要素であ
る。反射防止性能を有する多層の低反射膜の構成として
は、反射したい波長をλとして、基体側より高屈折率層
−低屈折率層を光学厚みλ/2−λ/4で形成した2層
の低反射膜、基体側より中屈折率層−高屈折率層−低屈
折率層を光学厚みλ/4−λ/2−λ/4で形成した3
層の低反射膜、基体より低屈折率層−中屈折率層−高屈
折率層−低屈折率素を光学厚みλ/4−λ/4−λ/2
−λ/4で形成した4層の低反射膜等が典型例として知
られている。
【0030】
【作用】本発明の高屈折率導電膜においては、In化合
物およびSn化合物によりITO(インジウム−錫酸化
物)を形成し、導電性を発現させる。また、これらの化
合物にSi化合物を添加し膜強度の向上を図ることが好
ましい。
【0031】しかしながら、Si化合物を導入した場
合、SiO2が成膜時に形成され、屈折率の低下を招く。本
発明では導電膜の強度を保ちながら高屈折率を発現させ
るため、Zr化合物を導入した。導電膜の高屈折率に
は、Ti化合物も望ましいが、Ti化合物による高屈折
率導電膜の場合、上層にSi化合物を塗布、高温で焼成
した場合、上層のSiの拡散が生じ導電性の低下が生じ
る場合がある。本発明ではその作用は必ずしも明らかで
ないが、Zr化合物を用いるため、Siの拡散を抑制
し、2層による低反射導電膜を形成した場合、導電性の
低下が生じない。
【0032】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0033】[実施例1]2−エチルヘキサン酸インジ
ウムとテトラエトキシ錫をSn/(Sn+In)が0.1(重量
比)となるようにヘキサンに溶解した。次にこの液をエ
タノールで酸化物換算で3wt%となるように希釈した。
(A液)
【0034】Zr(OC4H9)4のエタノール溶液(ZrO2換算固
形分18wt%)にアセチルアセトンをZrに対して2mo
l 比添加し1時間110℃で還流を行った後、塩酸酸性
水溶液(pH 3.0)をZrに対して2mol 比添加し1時間
撹拌した。更に酸化物換算で3wt%となるようにエタノ
ールで希釈した。(B液) A液:B液=10:1wt比となるように混合した。
(C液)
【0035】Si(OC2H5)4のエタノール溶液( SiO2 換算
固形分28.9wt%)にSi(OC2H5)4に対して塩酸で pH
2.0 に調整した水溶液を9mol 比添加し、2時間撹拌
し、酸化物換算で3wt%となるようにエタノールで希釈
した。(D液)
【0036】C液をガラス板に750rpm の回転速度で
10秒間塗布し、その後、365nmを主波長とする紫
外線を30分間照射し、高屈折率導電膜を得た。この膜
上にD液を1500rpm の回転速度で5秒間塗布し、そ
の後450℃で10分間加熱して、ガラス基板側から数
えて第2層としてSi化合物膜を得た。
【0037】[実施例2]A液:B液:D液=10:
1:0.5wt比となるように混合した。(E液) 実施例1におけるC液をE液に変更した以外は実施例1
と同様に行った。
【0038】[実施例3]実施例2における紫外線の照
射を380℃で30分間の加熱に変更した以外は実施例
2と同様に行った。
【0039】[実施例4]実施例3におけるE液の組成
をA液:B液:D液=10:0.5:0.75wt比と
なるように変更した以外は実施例3と同様に行った。
【0040】[実施例5]テトライソシアネートシラン
を酢酸メチルに溶解、希釈し酸化物換算固形分で3wt%
に調整した。(F液) 実施例4における基体側第2層塗布後の450℃で10
分間の加熱処理を10分間室温静置に変更した以外は実
施例4と同様に行った。
【0041】[実施例6]実施例4におけるA液の出発
原料をジブチルインジウムエチルヘキサネートとオクチ
ル酸錫とした以外は実施例4と同様に行った。
【0042】[実施例7]硝酸インジウム10gをアセ
チルアセトン10gに溶解した。テトラエトキシ錫3g
をアセチルアセトンに溶解した。次にこれらの液をSn/
(Sn+In) が0.1(重量比)となるように混合し、さら
にこれらの液を酸化物換算で3wt%となるようにエタノ
ールで希釈した。(G液) 実施例4におけるA液をG液に変更した以外は実施例4
と同様に行った。
【0043】[実施例8]塩化インジウム2gをエタノ
ール10gに溶解した後、塩化インジウムと等モルのア
セチルアセトンを添加して、120℃で1時間還流を行
った。テトラエトキシ錫3gをエタノールに溶解した
後、錫と等モルのアセチルアセトンを添加し、120℃
で1時間還流を行った。次にこれらの液をSn/(Sn+In)
が0.1(重量比)となるように混合し、さらにこの液
を酸化物換算で3wt%となるようにエタノールで希釈し
た。(H液) 実施例7におけるG液をH液に変更した以外は、実施例
7と同様に行った。
【0044】[実施例9]実施例8におけるE液の組成
をH液:B液:D液=10:1.5:1.5wt比とな
るように変更した以外は、実施例8と同様に行った。
【0045】[比較例1]実施例7におけるG液組成を
Sn/(Sn+In) =0.3(重量比)となるように変更した
以外は、実施例7と同様に行った。
【0046】[比較例2]実施例9におけるE液の組成
をH液:B液:D液=10:3:1.5wt比となるよ
うに変更した以外は実施例9と同様に行った。
【0047】[比較例3]実施例9におけるE液の組成
をH液:B液:D液=10:0.1:1.5wt比とな
るように変更した以外は実施例9と同様に行った。
【0048】[比較例4]実施例9に示されるH液組成
をSn/(Sn+In) =0.005(重量比)となるように変
更した以外は、実施例9と同様に行った。実施例および
比較例で得られた膜につき次の評価方法で評価した結果
を表1に示す。
【0049】1)導電性評価:ハイレスタおよびローレ
スタ抵抗測定器(三菱油化製)により相対湿度30%以
下の雰囲気中で膜表面の表面抵抗値を測定した。
【0050】2)耐擦傷性:1kg荷重下において、消し
ゴム(LION製50−50)で膜表面を200回往復
後その表面の傷の付きを目視で判断した。評価基準は以
下の通りとした。 ○:傷が全くつかない △:傷が多少つく ×:多くの傷がつくか膜剥離
【0051】3)視感反射率(2層成膜時):GAMM
A分光反射スペクトル測定器により膜の400〜700
nmでの視感反射率を測定した。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明の高屈折率導電層においては、一
般に知られているSbドープSnO2よりも導電性に優れる
SnドープIn2O3 を導電性物質として用いるため、帯電
防止機能のみならず電磁波遮蔽機能も付与した低反射膜
を得ることができる。
【0054】本発明では高屈折率導電層を形成するにあ
たり、有機溶媒への溶解性に優れるIn化合物とSn化
合物をおよびZr化合物を用い基板に塗布後、焼成する
ことにより製膜するため、蒸着やスパッタ等のように大
がかりな設備を必要とせず、工業的にも安定な製品を得
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平塚 和也 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 真田 恭宏 千葉県市原市五井海岸10番地 旭硝子株式 会社千葉工場内 (72)発明者 久保田 恵子 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 吉塚 武司 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Zr(OR)mR'n (n+m=4, m=1〜4, n=0〜3 、R
    および R'=C1〜C4のアルキル基)のモノマーあるいはそ
    の重合体のうち少なくとも1種、In化合物、およびS
    n化合物を含有する塗布液を基体上に塗布した後、加熱
    かつ/または紫外線照射して高屈折率導電膜を形成する
    ことを特徴とする高屈折率導電膜の製造方法。
  2. 【請求項2】前記塗布液はさらに、Si(OR)mR'n (n+m=4,
    m=1〜4, n=0〜3 、R および R'=C1〜C4のアルキル基)
    のモノマーあるいはその重合体のうち、少なくとも1種
    を含むことを特徴とする請求項1の高屈折率導電膜の製
    造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2の製造方法により高屈折
    率導電膜を形成し、その上にSi化合物を含有する溶液
    を塗布した後、加熱かつ/または紫外線照射し、上記導
    電膜より低屈折率を有する膜を形成することにより、少
    なくとも2層からなる低反射導電膜を製造することを特
    徴とする低反射導電膜の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1または2の製造方法により高屈折
    率導電膜を形成し、その上に、イソシアネートシラン化
    合物を含有する溶液を塗布した後、加熱することによ
    り、少なくとも2層からなる低反射導電膜を製造するこ
    とを特徴とする低反射導電膜の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1または2の製造方法により製造さ
    れた高屈折率導電膜。
  6. 【請求項6】請求項3または4の製造方法により製造さ
    れた低反射導電膜。
  7. 【請求項7】請求項5の高屈折率導電膜、または請求項
    6の低反射導電膜を表面に有するガラス物品。
  8. 【請求項8】請求項6の低反射導電膜を表面に有する陰
    極線管。
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