JPH05303127A - 半導体微粒子または金属微粒子分散材料の製造方法 - Google Patents

半導体微粒子または金属微粒子分散材料の製造方法

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JPH05303127A
JPH05303127A JP10706892A JP10706892A JPH05303127A JP H05303127 A JPH05303127 A JP H05303127A JP 10706892 A JP10706892 A JP 10706892A JP 10706892 A JP10706892 A JP 10706892A JP H05303127 A JPH05303127 A JP H05303127A
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metal
semiconductor
fine particle
fine
particles
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JP10706892A
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Ichiro Tanahashi
一郎 棚橋
Masaru Yoshida
勝 吉田
Tsuneo Mitsuyu
常男 三露
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 均一な粒径を有する半導体微粒子および/ま
たは金属微粒子を高い濃度で分散することが可能で、大
きな3次の非線形光学特性を有する材料を容易に製造す
る方法を提供する。 【構成】 Si(OC2 5 4 のエタノール溶液に等
モル量のCd(NO 3 2 の水溶液とSC(NH2 2
の水溶液とを混合し、酸素ガス雰囲気下でプラズマ化学
蒸着を行い、石英ガラス上に粒径3 〜3.5 nmのCdS微
粒子8wt% が分散したSiO2 ガラス薄膜が形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非線形光学効果を利用し
た光デバイスの基礎をなす半導体微粒子および/または
金属微粒子分散材料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、非線形光学材料は高速光スイッ
チ、高調波発生素子などの光デバイスとしての用途が考
えられている。特にその中核をなす半導体微粒子、金属
微粒子、または非線形光学特性を有する有機化合物を用
いた非線形光学材料については、より高性能な材料の開
発あるいはより改良された材料およびその製造方法が注
目されている。
【0003】この分野における従来の技術としては、例
えばジャ−ナル オブ ノンクリスタライン ソリッド
第122巻101ペ−ジ(J.Non-Cryst.Solids,Vol.12
2,1990)に記載されているような金属アルコキシドを用
いる、いわゆるゾル−ゲル法によるCdS含有シリカガ
ラスの作製法がある。
【0004】この方法はシリコンのアルコキシド(Si
(OC2 5 4 )を加水分解した後、メタノ−ルに溶
解させたCd(CH3 COO)2 ・2H2 Oを加えて撹
拌する。その後、水、エタノ−ル、アンモニア水の混合
溶液を加えて撹拌を続け、この溶液をシャ−レに移行し
ゲルを作製する。このゲルを硫化水素(H2 S)ガスを
含んだ雰囲気中に置き、硫化反応によってCdS含有ガ
ラスを作製するものである。
【0005】また、ジャ−ナル オブ アプライド フ
ィジックス第63巻957ペ−ジ(J. Appl. Phys., Vo
l.63, 957 1988.)に記載されているCdS微粒子分散ガ
ラス薄膜がある。
【0006】このガラス薄膜は、コ−ニング社製“70
59ガラス”(Ba含有のホウケイ酸系ガラス)とCd
Sとをタ−ゲットに用い高周波マグネトロンスパッタ法
により、“7059ガラス”中にCdSを2〜4重量%
分散させたものである。
【0007】さらに、ジャ−ナル オブ オプティカル
ソサエティ オブ アメリカ第73巻647ペ−ジ
(J. Opt. Soc. Am., Vol.73, 1983. )に記載されてい
るように、CdSx Se1-x をホウケイ酸ガラスに分散
したカットオフフィルタ−ガラスを非線形光学材料に用
いるものがある。このカットオフフィルタ−ガラスは、
CdSx Se1-x とホウケイ酸ガラス材料とを白金るつ
ぼに入れ1000℃程度の温度で溶融し作製している。
【0008】このような溶融法により、金を分散したガ
ラスが、例えばアプライド フィジックスA第47巻347
ペ−ジ(Appl. Phys. A, Vol.47, 347 1988. )に記載
されている方法などによって作製されている。
【0009】この方法は、従来のフィルタ−ガラスの作
製法と同様の溶融冷却法によるものであり、ガラスマト
リックス中に溶解した金をさらに熱処理することにより
金微粒子として析出させるものである。
【0010】また、ジャ−ナル オブ オプティカル
ソサエテ− オブ アメリカ B第7 巻790 ペ−ジ(J.
Opt. Soc.Am.B, Vol.7, 790 1990. )に記載されている
ような金コロイドの作製法がある。
【0011】この方法は塩化白金酸の0.01% 水溶液に還
元剤を加えてコロイド状の金を作製するものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記方法の半導体微粒
子あるいは金属微粒子分散材料の製造方法では、次のよ
うな課題がある。
【0013】(1)ゾル−ゲル法の場合:ゾル−ゲル法
で作製したガラスは、1000 ℃以上の高温で焼結し
ないかぎり多孔質であり、このガラスに分散担持された
半導体微粒子の多くは多孔質内壁面に担持されているも
のと考えられる。従って、表面に現われているCdSの
割合が大きいため、表面準位(深い準位)からの発光成
分も多くなる。この表面準位からの発光成分はマイクロ
秒以上の長い寿命を有するため、この種の材料をピコ秒
ないしはサブナノ秒の応答の早いスイッチング特性を示
す光スイッチへ応用する場合に大きな妨げとなる。
【0014】(2)スパッタ法の場合:ガラスのスパッ
タ速度が極めて遅く、ガラス薄膜の作製に長時間を要
し、生産効率が低い欠点がある。特に、SiO2 ガラス
は、スパッタ速度が遅く1μmの膜を形成するのに4〜
5時間を要する。
【0015】(3)溶融法の場合:溶融冷却法では、溶
解度や融点の上で溶融できる半導体または金属の種類が
かぎられる。特にセラミックス材料への金属の溶解度が
小さいために10-6〜10-5容量%程度にしか金属の分散量
を上げることができない。
【0016】さらに、金属の場合では、セラミックス中
に分散された金属を微粒子として析出させるためには1
000℃以上の高温で熱処理しなければならない。高温
で熱処理が必要であると、それに耐えられるデバイスに
しか適用しにくく、各種デバイスへの適用が限定され
る。
【0017】(4)コロイド溶液の場合:金コロイドに
代表されるコロイドの濃度を高めることが困難であり、
10-6容量%以上の濃度にすると凝集がおこる。また、た
とえ低濃度のコロイド溶液を作製したとしても長期安定
性に欠け、時間の経過とともに次第に溶液組成が変化し
たりコロイドの粒径が大きくなる。粒径が大きくなる
と、非線形光学材料などとして用いる場合に、非線形光
学特性が大幅に低下してしまう問題がある。
【0018】本発明は、均一な粒径を有する半導体微粒
子および/または金属微粒子を高い濃度で分散すること
が可能であり、大きな3次の非線形光学特性を有する材
料を容易に製造する方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の半導体微粒子および/または金属微粒子分
散材料の製造方法は、半導体微粒子源および/または金
属微粒子源を含有した金属アルコキシド溶液を原料とし
て、プラズマ化学蒸着法により、半導体微粒子および/
または金属微粒子を分散したセラミックス薄膜を作製す
ることからなる。
【0020】前記方法においては、セラミックスがシリ
カガラス、アルミナあるいは窒化シリコンであることが
好ましい。また、前記方法においては、半導体微粒子が
金属ハロゲン化物、II−VI族化合物半導体、III −V族
半導体およびIV−VI族化合物半導体から選ばれた少なく
とも一種であることが好ましい。
【0021】また、前記方法においては、金属微粒子が
金、白金、銀、ロジウム、パラジウム、およびイリジウ
ムから選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。
更に、前記方法においては、金属アルコキシドがシリコ
ンのアルコキシドまたはアルミニウムのアルコキシドで
あることが好ましい。
【0022】
【作用】本発明の半導体微粒子および/または金属微粒
子分散材料の製造方法は、半導体微粒子源および/また
は金属微粒子源を含有した金属アルコキシド溶液を原料
として、プラズマ化学蒸着法により、半導体微粒子およ
び/または金属微粒子を分散したセラミックス薄膜を作
製するので、均一な粒径を有しかつ高い濃度で半導体微
粒子および/または金属微粒子をセラミックスに分散さ
せた材料を容易に製造することができる。
【0023】前記方法において、セラミックスがシリカ
ガラス、アルミナあるいは窒化シリコンである好ましい
態様とすることにより、これらのセラミックスは可視、
視外領域で光学的に透明性が優れているので、光デバイ
スの非線形光学材料として用いる場合に発光成分の吸収
が少なく、効率の良い光デバイスを製造でき好ましい。
【0024】また、前記方法において、半導体微粒子が
金属ハロゲン化物、II−VI族化合物半導体、III −V族
半導体およびIV−VI族化合物半導体から選ばれた少なく
とも一種である好ましい態様とすることにより、これら
は非線形光学特性が優れており、また、プラズマ化学蒸
着によって容易に合成することができ好ましい。
【0025】また、前記方法において、金属微粒子が
金、白金、銀、ロジウム、パラジウム、およびイリジウ
ムから選ばれた少なくとも一種である好ましい態様とす
ることにより、これらの金属は非線形光学特性が優れて
おり、また、物理的、化学的に安定な金属であり環境に
より影響を受けて性能が経時的に変化する恐れが少なく
好ましい。
【0026】更に、前記方法において、金属アルコキシ
ドがシリコンのアルコキシドまたはアルミニウムのアル
コキシドである好ましい態様とすることにより、これら
の金属アルコキシドは、可視、視外領域で光学的に透明
性が優れセラミックスをプラズマ化学蒸着法で容易に製
造することができ好ましい。
【0027】
【実施例】本発明で半導体微粒子および金属微粒子を分
散させるマトリックスとなるセラミックスは、光学的に
透明なSiO2 、Al2 3 、およびSiNが好まし
い。
【0028】このようなマトリックスとなるセラミック
スを作製するのに用いる金属アルコキシドは、シリコン
のメトオキシドやエトオキシド等のシリコンの低級アル
コキシド類あるいはアルミニウムのメトオキシド、エト
オキシドないしはプロポキシド等のアルミニウムの低級
アルコキシドが好ましい。これらの金属アルコキシド
は、通常アルコ−ル(低級アルコ−ル、メタノ−ル、エ
タノ−ルが好ましい)等に溶解して用いられる。これら
の金属アルコキシド溶液の濃度は特に制限するものでは
ないが、通常0.1〜5mol%程度の範囲で使用する
のが一般的である。
【0029】分散する半導体微粒子は、金属ハロゲン化
物、例えば、好ましくはCuCl,CuBr,PbI2
等のI 族またはIV族の金属の金属ハロゲン化物、Cd
S,CdSe,CdTe,CdO,ZnS,ZnSe,
ZnO等のII−VI族化合物半導体、GaAs,InP等
のIII −V族半導体、PbS,PbSe等のIV−VI族化
合物半導体等が好ましい。
【0030】これらの配合割合は、得られるセラミック
ス中への半導体微粒子の目的とする分散量に応じて適宜
配合割合を調整すればよく、従って、本発明において
は、セラミックス中への半導体微粒子の分散量を例え
ば、0.1〜80重量%の範囲で容易に分散させること
ができる。
【0031】具体的には、金属アルコキシド溶液に、半
導体を構成するカチオン成分を含有する化合物とアニオ
ン成分を含有する化合物とを含有させて、プラズマ化学
蒸着により、カチオン成分とアニオン成分とを反応させ
て半導体を形成する。例えばCdS,CdSe,Zn
S,ZnSe,PbS,PbSe等の半導体を合成する
場合には、カドミウム、亜鉛、または鉛を溶解させた溶
液;カドミウム化合物として、例えばCdCl2 ,Cd
CO3 ,Cd(NO3 2 ,Cd(CH3 COO)2
Cd(HCOO)2 等、亜鉛化合物として、例えばZn
Cl2 ,Zn(CHCOO)2 等、また、鉛化合物とし
て、例えばPbCl2 ,PbCO3 ,Pb(N
3 2 ,Pb(CH3 COO)2 等を適宜の溶媒例え
ば、アルコ−ル(低級アルコ−ル、メタノ−ル、エタノ
−ルが好ましい)、アセトニトリルあるいは水などに溶
解させて調整し、マトリックスに分散させた後、イオウ
を溶解させた溶液、例えばNaSH,(NH4 2 S,
SC(NH2 2 ,SeC(NH2 2 等を前述のよう
なアルコール類や水などの適宜の溶媒に溶解させて調整
したものを添加する。
【0032】これらの溶液の濃度は特に制限するもので
はないが、通常それぞれ0.1〜3モル%濃度の溶液が
好ましく用いられる。前記カチオン成分とアニオン成分
の割合は、生成させる半導体を構成する元素の割合に応
じて使用すればよく、上述した例では通常当モルづつの
割合で用いればよい。
【0033】分散させる金属微粒子は、金、白金、銀、
ロジウム、パラジウム、またはイリジウム等の貴金属が
好ましく、金属塩の水溶液に還元剤を作用させて調製す
ることができる。
【0034】前記金属塩としては特に制限するものでは
ないが、例えば、HAuCl4 ,HPtCl4 ,AgN
3 ,RhCl3 ,PdCl2 ,IrCl3 等があげら
れる。また、還元剤も特に限定するものではないが、例
えば、水素、クエン酸、ヒドラジンなどが好ましいもの
の一例である。
【0035】これら金属微粒子のセラミックス中への分
散量についても、前記半導体微粒子と同様に、目的とす
る分散量に応じて適宜配合割合を調整することにより、
例えば、0.1〜80重量%の範囲で容易に分散させる
ことができる。
【0036】これらの原料溶液をプラズマ化学蒸着法
(CVD法)により反応させることによって、容易に半
導体微粒子および/または金属微粒子が分散したセラミ
ックス薄膜とすることができる。
【0037】プラズマ化学蒸着法は、上記原料溶液を加
熱してガス状にして、低温プラズマ中に導入することに
より、これら原料が活性化され、気相または基板表面で
化学反応し、所望の薄膜が形成される。用いる原料、装
置、その他の要因によって条件は異なるが、一般的には
動作圧力は10-2〜8Torr、入力パワーは1〜50
W程度の範囲である。
【0038】以下本発明の具体的実施例について説明す
る。 実施例1 通常のプラズマ化学蒸着(CVD)装置を用い、厚さ
0.2 mm の石英ガラス上に以下の方法によりCdS微
粒子を分散したSiO2 ガラス薄膜を作製した。
【0039】半導体微粒子源となる成分を含有した溶液
とマトリックスとなる金属アルコキシドとの混合溶液
は、1モルのSi(OC2 5 4 を50mlのエタノ
ールに溶解させたエタノール溶液に等モル量(それぞれ
0.03モル)のCd(NO32 とSC(NH2 2
をそれぞれ50mlの水に溶解させた水溶液とを混合し
て調製した。
【0040】CVDの条件は、酸素ガス雰囲気下で圧力
1 Torr 、入力パワ−30W、基板温度300 ℃で行
った。膜厚は2.0μmであり、製膜速度は1μm/hで
あった。得られたCdS分散SiO2 ガラス薄膜中のC
dSの粒径は3 〜3.5 nm、CdSの分散量は8 wt% であ
った。また、CdSの分散量はSi(OC2 5 4
対するCd(NO3 2 とSC(NH2 2 の配合割合
を調整することにより、具体的には、Cd(NO3 2
とSC(NH2 2 とのエタノール溶液濃度を調整する
ことにより0 〜80 wt%の範囲において容易に制御でき
た。
【0041】本実施例の薄膜の吸収スペクトルから求め
たバンドギャップはバルクCdSのバンドギャップと比
べ0.80 eV ブルーシフトしており、また、発光スペクト
ルにおける発光ピ−クもバルクCdSに比べ0.78 eV 高
エネルギ−側にシフトしており、量子サイズ効果が確認
できた。さらに、前方入射型縮退4光波混合法による3
次の非線形光学感受率は6 ×10-7 esuであった。
【0042】同様な方法により、ZnSやPbS微粒子
分散SiO2 ガラス薄膜を作製し、それぞれの薄膜にお
いて量子サイズ効果を確認した。 実施例2 通常のプラズマ化学蒸着(CVD)装置を用い、厚さ
0.2 mm の石英ガラス上に以下の方法によりCuCl
微粒子を分散したSiO2 ガラス薄膜を作製した。
【0043】半導体微粒子源となる成分を含有した溶液
とマトリックスとなる金属アルコキシドとの混合溶液
は、1モルのSi(OC2 5 4 を50mlのエタノ
ールに溶解させたエタノール溶液に0.07モルのCu
Clを50mlのアセトニトリルに溶解させた溶液とを
混合して調製した。
【0044】CVDの条件は、酸素ガス雰囲気下で圧力
1 Torr 、入力パワ−30W、基板温度300℃で行っ
た。膜厚は2.0μmであり、製膜速度は1μm/hであ
った。得られたCuCl分散SiO2 ガラス薄膜中のC
uClの粒径は1.9 〜3.1 nm、CuClの分散量は12 w
t%であった。また、CuClの分散量は前述の実施例と
同様にCuCl溶液の濃度を調整することにより、0 〜
70 wt%の範囲において容易に制御できた。
【0045】本実施例の薄膜の吸収スペクトルから求め
たバンドギャップはバルクCuClのバンドギャップと
比べ0.96 eV ブルーシフトしており、また、発光スペク
トルにおける発光ピ−クもバルクCdSに比べ0.92 eV
高エネルギ−側にシフトしており、量子サイズ効果が確
認できた。さらに、前方入射型縮退4光波混合法による
3次の非線形光学感受率は9 ×10-7 esuであった。 実施例3 通常のプラズマ化学蒸着(CVD)装置を用い、厚さ
0.2 mm の石英ガラス上に以下の方法によりCdS微
粒子を分散したAl2 3 ガラス薄膜を作製した。
【0046】半導体微粒子源となる成分を含有した溶液
とマトリックスとなる金属アルコキシドとのエタノール
混合溶液は、1モルのAl(OC4 9 3 を50ml
のエタノールに溶解させたエタノール溶液と、等モル量
(それぞれ0.06モル)のCd(NO3 2 とSC
(NH2 2 をそれぞれ50mlの水に溶解させた水溶
液とを混合して調製した。
【0047】CVDの条件は、酸素ガス雰囲気下で圧力
1 Torr 、入力パワ−30W、基板温度300℃で行っ
た。膜厚は2.0μmであり、製膜速度は0.9μm/h
であった。
【0048】得られたCdS分散Al2 3 ガラス薄膜
中のCdSの粒径は3 〜3.5 nm、CdSの分散量は7.8
wt% であった。また、先の実施例と同様にCdSの分散
量は0 〜80 wt%の範囲において容易に制御できた。
【0049】本実施例の薄膜の吸収スペクトルから求め
たバンドギャップはバルクCdSのバンドギャップと比
べ0.68 eV ブルーシフトしており、また、発光スペクト
ルにおける発光ピ−クもバルクCdSに比べ0.66 eV 高
エネルギ−側にシフトしており、量子サイズ効果が確認
できた。さらに、前方入射型縮退4光波混合法による3
次の非線形光学感受率は5 ×10-7 esuであった。
【0050】同様な方法により、ZnSやPbS微粒子
分散Al2 3 ガラス薄膜を作製し、それぞれの薄膜に
おいて量子サイズ効果を確認した。 実施例4 通常のプラズマ化学蒸着(CVD)装置を用い、厚さ
0.2 mm の石英ガラス上に以下の方法によりCdS微
粒子を分散したSiNガラス薄膜を作製した。
【0051】半導体微粒子源となる成分を含有した水溶
液とマトリックスとなる金属アルコキシドのエタノール
溶液との混合溶液は、1モルのSi(OC2 5 4
50mlのエタノールに溶解させたエタノール溶液にそ
れぞれ等モル量(それぞれ0.02モル)のCd(NO
3 2 とSC(NH2 2 をそれぞれ水50mlに溶解
させた水溶液とを混合して調製した。
【0052】CVDの条件は、窒素ガス雰囲気下で圧力
1 Torr 、入力パワ−30W、基板温度300℃で行っ
た。膜厚は2.0μmであり、製膜速度は0.85μm
/hであった。得られたCdS分散SiNガラス薄膜中の
CdSの粒径は3 〜3.3 nm、CdSの分散量は7 wt% で
あった。
【0053】また、CdSの分散量は前述の実施例と同
様に0 〜80 wt%の範囲において容易に制御できた。本実
施例の薄膜の吸収スペクトルから求めたバンドギャップ
はバルクCdSのバンドギャップと比べ0.67 eV ブルー
シフトしており、また、発光スペクトルにおける発光ピ
−クもバルクCdSに比べ0.65 eV 高エネルギ−側にシ
フトしており、量子サイズ効果が確認できた。さらに、
前方入射型縮退4光波混合法による3次の非線形光学感
受率は6 ×10-7 esuであった。
【0054】同様な方法によりZnSやPbS微粒子分
散SiNガラス薄膜を作製し、それぞれの薄膜において
量子サイズ効果を確認した。 実施例5 通常のプラズマ化学蒸着(CVD)装置を用い、厚さ
0.2 mm の石英ガラス上に以下の方法によりPt微粒
子を分散したSiO2 ガラス薄膜を作製した。
【0055】白金微粒子源となる白金コロイドの調製
は、1000mlの塩化白金酸水溶液(1g−Pt/
l)を沸騰後、50mlのクエン酸ナトリウム水溶液
(1wt%)添加し沸騰させ調製した。金属イオンの金
属への還元にはクエン酸ナトリウム以外に水素、ヒドラ
ジン、水素化ホウ素ナトリウム等を用いることができ
た。このようにして作製した白金微粒子半導体微粒子と
なる成分を含有した溶液とマトリックスとなる金属アル
コキシドのエタノール溶液即ち1モルのSi(OC2
5 4 をエタノール50mlに溶解したエタノール溶液
を混合して調製した。
【0056】CVDの条件は、窒素ガス雰囲気下で圧力
1 Torr 、入力パワ−30W、基板温度300℃で行っ
た。膜厚は2.0μmであり、製膜速度は0.85μm
/hであった。
【0057】得られたPt分散SiO2 ガラス薄膜中の
Ptの粒径は2 〜3.4 nm、Ptの分散量は10 wt%であっ
た。このようにして作製したPt微粒子分散SiO2
ラスの吸収スペクトルには525 nmに表面プラズマ吸収に
基づくピ−クが見られた。さらに、前方入射型縮退4光
波混合法による3次の非線形光学感受率は4 ×10-7 esu
であった。
【0058】上記工程において白金の替わりに、金ある
いは白金と金との合金を用いてもそれぞれの金属微粒子
を分散したSiO2 ガラスを作製することができた。ま
た、それぞれの3次の非線形光学感受率は10-8〜10-7 e
suの範囲にあった。 実施例6 実施例1に示した薄膜を用いて光双安定素子を作製し
た。
【0059】この素子に波長380 nmのレ−ザ光をスポッ
ト径5μmで入射し、入射光の強度と出射光の強度の関
係を室温(25℃)にて測定したところ双安定特性を示
した。
【0060】
【発明の効果】本発明の半導体微粒子および/または金
属微粒子分散材料の製造方法は、均一な粒径を有する半
導体微粒子および/または金属微粒子を高濃度に分散し
たセラミックス薄膜の容易な製造方法を提供できる。本
発明方法により、高速光スイッチとして使用できる光双
安定素子等の作製に有用な大きな3次の非線形光学特性
を有する材料を容易に製造することができる。
【0061】本発明方法において、セラミックスがシリ
カガラス、アルミナあるいは窒化シリコンである好まし
い態様とすることにより、光デバイスの非線形光学材料
として用いる場合に発光成分の吸収が少なく、効率の良
い光デバイスを製造でき好ましい。
【0062】また、本発明方法において、半導体微粒子
が金属ハロゲン化物、II−VI族化合物半導体、III −V
族半導体およびIV−VI族化合物半導体から選ばれた少な
くとも一種である好ましい態様とすることにより、これ
らは非線形光学特性が優れており、また、プラズマ化学
蒸着によって容易に合成することができる。
【0063】また、本発明方法において、金属微粒子が
金、白金、銀、ロジウム、パラジウム、およびイリジウ
ムから選ばれた少なくとも一種である好ましい態様とす
ることにより、非線形光学特性が優れており、また、性
能が経時的に変化する恐れが少なくい半導体微粒子およ
び/または金属微粒子分散材料の製造方法を提供でき
る。
【0064】更に、本発明方法において、金属アルコキ
シドがシリコンのアルコキシドまたはアルミニウムのア
ルコキシドである好ましい態様とすることにより、可
視、視外領域で光学的に透明性が優れセラミックス成分
を有する半導体微粒子および/または金属微粒子分散材
料をプラズマ化学蒸着法で容易に製造することができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体微粒子源および/または金属微粒
    子源を含有した金属アルコキシド溶液を原料として、プ
    ラズマ化学蒸着法により、半導体微粒子および/または
    金属微粒子を分散したセラミックス薄膜を作製する半導
    体微粒子および/または金属微粒子分散材料の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 セラミックスがシリカガラス、アルミナ
    あるいは窒化シリコンである請求項1記載の半導体微粒
    子および/または金属微粒子分散材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 半導体微粒子が金属ハロゲン化物、II−
    VI族化合物半導体、III −V族半導体およびIV−VI族化
    合物半導体から選ばれた少なくとも一種である請求項1
    記載の半導体微粒子および/または金属微粒子分散材料
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属微粒子が金、白金、銀、ロジウム、
    パラジウム、およびイリジウムから選ばれた少なくとも
    一種である請求項1記載の半導体微粒子および/または
    金属微粒子分散材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 金属アルコキシドがシリコンのアルコキ
    シドまたはアルミニウムのアルコキシドである請求項1
    記載の半導体微粒子および/または金属微粒子分散材料
    の製造方法。
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