JPH05302701A - 液体燃料及び廃棄物質の燃焼における希釈剤としての超臨界流体 - Google Patents

液体燃料及び廃棄物質の燃焼における希釈剤としての超臨界流体

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JPH05302701A
JPH05302701A JP4100222A JP10022292A JPH05302701A JP H05302701 A JPH05302701 A JP H05302701A JP 4100222 A JP4100222 A JP 4100222A JP 10022292 A JP10022292 A JP 10022292A JP H05302701 A JPH05302701 A JP H05302701A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超臨界流体を燃料或は廃棄物質についての希
釈剤として用い、次いで年少室中にスプレー噴霧する方
法及び装置を提供する。 【構成】 a)(i)燃焼させることができる少なくと
も一種の液体燃料及び(ii)液体燃料と少なくとも一
部混和し得る少なくとも一種の超臨界流体を含む液体混
合物を密閉系において形成し、b)該液体混合物を該液
体燃料の燃焼を続けることができる雰囲気中に噴霧する
ことを含む可燃性液体スプレー混合物の形成方法、並び
にa)燃焼させることができる少なくとも一種の液体燃
料を供給する手段;b)少なくとも一種の超臨界流体を
供給する手段;c)手段a)及びb)により供給する成
分の液体混合物を形成する手段:並びにd)液体混合物
を加圧下でオリフィスを通して燃焼を続けることができ
る雰囲気に噴霧する手段を組み合わせて含む少なくとも
一種の超臨界流体を含有する液体燃料をスプレー燃焼す
る装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、総括的には、燃料及び
廃棄物質の燃焼に関する。一層特には、本発明は、従来
適当に燃焼させるために有効に噴霧することができなか
った燃料を使用することを可能にし及び/又は慣用の燃
料の燃焼を容易にしかつ増進する一層好都合な噴霧液滴
寸法を慣用の燃料において供することにより、燃料及び
廃棄物質の燃焼を向上させる方法及び装置に関する。こ
れらの向上は、望ましいことに、超臨界流体を燃料及び
廃棄物質に関する希釈剤として用いることにより得られ
る。
【0002】
【従来技術】液体燃料は通常液体として燃焼せず、代っ
て燃焼を維持するためには、初め気化してガスになりか
つ酸素と混合しなければならない。よって、液体燃料
は、初めに、蒸発させるために大きい表面積を付与しか
つ空気中の酸素と緊密に混合するために、空気中に微細
な液滴として分散させなければならない。例えば、10
0ミクロンの液滴の燃焼或は蒸発時間は約10ミリ秒で
ある。対照して、10ミクロンの液滴は1ミリ秒で完全
に蒸発し、これは一層望ましいことである。燃焼蒸気か
らの輻射伝熱は、液滴をそれ以上の蒸発が起きるように
加熱するのを助成する。液体燃料を微細な液滴の形で供
するためには、燃料を噴霧することが必要である。液体
燃料は、燃料を下記の種々の通常の噴霧方法によって燃
焼域に吹きつけて噴霧するのが普通である:1)エアブ
ラストアトマイザー、この場合、多量の低圧空気が燃料
の低速ジェット或はシートを粉砕してリガメント、次い
で微細な液滴にする;2)エアレス或は加圧アトマイザ
ー、この場合、加圧された燃料が高速で小さいオリフィ
スを通過して静止空気に至って燃料の液体ジェット、中
空コアー或はシートを形成し、これは空気による専断か
ら壊れて液滴になり、通常エアブラスト噴霧に比べて大
きい液滴寸法を生じる;3)エアアシストアトマイザ
ー、この場合、噴霧が燃料加圧及び少量の高速空気の両
方により引き起こされ、上記の1)及び2)の組合わせ
と考えることができる。噴霧プロセスは、Lefebv
re、A.H.、1989、Atomization
and Liqid Sprays、Hemisphe
re Publishing Company、ニュー
ヨークにおいて検討されている。
【0003】これらの噴霧方法はすべて、良好な噴霧が
行われて良好に気化する、立ち代わって良好な燃焼を生
じるのに必要とされる微細な液滴寸法を生じるように、
十分低い粘度を保有することを要する。燃料の粘度が余
り高いと、噴霧は不良になり、良くても、所望より大き
く、表面積がずっと小さい液滴を生じる。これは不良な
及び/又は不完全な燃焼を生じる。Beer、J.
M.、及びChigier、N.A.、1972、Co
mbustion Aerodynamics、App
lied Science Publishers、L
imited、ロンドン、「Droplets and
Sprays」なる表題の6章に、最も実用的な液体燃
料スプレーは広い範囲の液滴寸法にわたる寸法分布を有
し、平均液滴寸法が約75〜約130ミクロンであり、
最大液滴寸法が好ましくは250ミクロンより小さいこ
とが記述されている。Beer及びChigierは、
最も小さい液滴が完全に気化するが、重質の燃料、すな
わち高い粘度を有する燃料から形成される大きい液滴で
は、液相分解が起き、望ましく無いことに、炭素質残
渣、しばしばセノスフェアの形の残渣を形成するに至
る。
【0004】適度の粘度、例えば室温で約30センチポ
イズの留出油燃料について、圧力約100〜150ポン
ド/平方インチ(psi)(7〜11Kg/cm2)における
スプレーノズルによる簡単な圧力噴霧は約10〜約15
0ミクロンの範囲で、中央値平均約80ミクロンの液滴
直径分布を生じる。燃料圧力を下げるにつれて、噴霧は
累進的に満足し得ないものになる。ずっと高い圧力を用
いて周囲空気に対する液体燃料の速度を速くし、それで
液滴を小さくしかつ蒸発時間を短くすることがしばしば
ある。しかし、慣用のスプレーノズルは高い粘度の燃
料、例えば6号燃料油、残油(Bunker C)及び
その他の粘稠な低品質燃料を噴霧するのに比較的効果的
で無い。6号燃料油を輸送及び送出するためには、通常
約100℃に加熱しなければならず、その温度におい
て、粘度は依然少なくとも約40センチポイズであるの
が典型的である。このような燃料の噴霧は、液体注入口
内或はそれらの回りの隣接する通路を通して高速度で噴
霧或は送出することにより行われるのがしばしばであ
り、或は少なくとも助成される。液体を専断して液滴を
形成するのに要する相対的速度の多くは、このようにし
て噴霧空気により供され、その質量流量は燃料流量に匹
敵するのが普通であり、これより単に化学量論的燃焼空
気のわずかなフラクションを構成するにすぎない。
【0005】よって、液体燃料を少なくとも2つの目
的、すなわち粘度の一層高い燃料の有効なかつ経済的使
用を助成する、その上、このような粘度の一層高い燃料
におけるばかりでなく、また適度の粘度および低粘度燃
料においても同様に燃焼を一層完全にしかつ副生物生成
を少なくするのに一層好都合な液滴寸法及び寸法分布を
得るように、改良された液体燃料の噴霧方法を有する必
要がある。実際、最も望ましいものは、燃焼液滴の表面
対容積の比をできる限り最も大きくし、それで液滴に一
層多くの熱を受けさせ、その結果として一層速く燃焼さ
せるように、総体的に狭い液滴寸法分布を有し、平均液
滴直径約10〜約50ミクロン又はそれ以下のスプレー
である。この寸法範囲の液滴により、高沸点燃料種の多
くが存在する場合でさえ、ほとんど瞬間的な蒸発が起
き、可燃性蒸気(ガス状)スプレーを実質的に形成する
ことになり、気化された燃料及び酸素は燃焼が速かに行
なわれかつ熱分解を受ける液滴がほんのわずかのフラク
ションになるように化学量論量で急速に混合される。こ
れは望ましくない炭素質粒子の形成を最少にする。炭素
質粒子は、このようなことが起きないように追加の手段
を採らない場合、炉表面に付着し及び/又は燃焼域より
環境中に逃散する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の要求は、今本発明
により実質的に満足された。一層特には、本発明は、最
も広い態様では、温度及び圧力の超臨界状態の二酸化炭
素、亜酸化窒素、メタン、エタン、プロパン、ブタン或
はこれらの混合物(これらに限られない)のような流体
を燃焼域或は室中にスプレー噴霧する液体燃料或は廃棄
物質用の粘度降下希釈剤及び噴霧剤として使用する方法
及び装置を指向する。超臨界流体を液体燃料及び/又は
廃棄物質に加えることは、粘稠過ぎて現時点では噴霧さ
せる(或は十分に噴霧させる)ことができない粘稠な石
油留分及び粘稠な廃棄物質のようなその他の液体を、今
本発明により、粘度降下及び爆発性減圧(decomp
ressive)噴霧を達成して燃料及び/又は廃棄物
質に可燃性スプレー及び向上した燃焼効率を生じさせる
ことにより、噴霧させることができる。その上、本発明
は、また、適した粘度を有する液体燃料をそれ以上の粘
度降下及び爆発性噴霧を減圧噴霧機構により達成するこ
とによって、燃料として一層良好に用いることを可能に
し、液滴寸法をなお一層減少させて液滴からの燃料の蒸
発を増進させ、かつ燃料液滴を燃焼域内に分散させるの
を増進させることにより噴霧プロセスを向上させる。予
備噴霧した混合物は、希釈剤が明らかに超臨界状態にな
りかつ蒸気として作用しないように、すなわち現温度条
件下の希釈用超臨界流体それ自体が圧力をかけるだけで
液化することができないように、希釈用流体の臨界温度
及び臨界圧力にする或はそれら以上にするのが好まし。
しかし、ガスは、超臨界領域では、典型的なガス状密度
よりもむしろ一層液体密度に似かよった密度のような液
様特性を有する。
【0007】燃焼プロセス用燃料は、燃焼して、すなわ
ち空気からのような酸素と発熱反応して熱及び/又は動
力を発生するのに用いられる物質である。主たる燃焼生
成物は二酸化炭素及び水が普通であるが、二酸化硫黄、
酸化窒素、一酸化炭素、未燃焼炭化水素、灰及び炭素質
粒子、すすのような微粒子のような他の物質が燃料の組
成及び燃焼条件に応じて形成され得る。重要な要因は酸
素対燃料の比であり、これは、燃焼の分野の当業者に知
られている通りに、燃料の完全かつ効率的な燃焼を確実
にするために、少なくとも化学量論比程に高くする必要
がある。本発明において用いるのに適している液体燃料
の例は下記を含み、これらに限定されない:有機及び炭
化水素物質、例えば重質油を含む原油から石油を分離し
て種々のフラクションにし及び分子量の大きい成分を転
化して燃焼の容易な分子量の小さい成分にする蒸留、分
解のような分離及び/反応プロセスにより製造するガソ
リン、ケロシン、ナフサ、軽油、暖房油、燃料油、残油
及びその他の石油生成物。本発明は、また石炭、頁岩
油、歴青砂、タールサンド、バイオマス、等から種々の
液化プロセスにより誘導されるグレードの低い液体燃料
及び合成燃料にも適用する。なお更に、本発明は、また
有機固形分並びに低沸点物質から懸濁固形分、乾燥固形
分可燃物、ウエットスラッジ及び有害液を有するガム状
有機物までの範囲の液体を含み得る有害廃棄物のような
廃棄物質を焼却或は燃焼することを指向する。
【0008】このような廃棄物は下記を含む:化学プラ
ント或は他の化学加工作業からの液体有機廃棄物、例え
ば有害廃棄化学物質、溶剤、液体ポリマー、ポリマー溶
液、分散体、エマルション、化学反応副生物、蒸留塔廃
棄流、例えば蒸留塔底油;石油精製作業からの廃棄石油
生成物、蒸留塔からの残渣、未精製副生物のようなも
の;製造作業からのスペント溶媒、潤滑剤のようなも
の;食品加工作業からのスペント調理油、加工油のよう
なもの;コーティング作業からの廃棄ペイント、コーテ
ィング、スペントクリーニング溶剤のようなもの;印刷
作業からのスペントインク、クリーニング溶剤のような
もの;等。よって、本発明で用いる通りの液体燃料は、
これらの物質をすべて単独で或は組み合わせて含むこと
ができるが、但し、液体燃料は、超臨界流体と組み合わ
せた際に、噴霧しかつ所望の液滴寸法を形成することが
できる形態になることを条件とする。例えば、乾燥固形
分可燃物の場合、これが、かかる物資を次いで超臨界流
体と組み合わせる際に液形態にならせるように、適した
溶媒等を加えることを必要とすることが理解されるのは
持ち論である。
【0009】よって、本発明の結果として、今6号燃料
油のような粘稠な燃料を比較的低い温度で粘度降下さ
せ、それで圧力及び温度の両方の超臨界条件下で、一層
良好な噴霧が行なわれ、一層小さい液滴寸法及び寸法分
布になり、一層完全かつ清浄な燃焼を生じるようにする
ことができる。これより、6号燃料油について、その粘
度をポンプ輸送可能な約1000〜2000センチポイ
ズの範囲に下げるのに、燃料はほんの約30°〜35℃
に加熱する必要があるだけである。例えば、この温度
は、エタン、二酸化炭素のような添加超臨界流体希釈剤
の丁度ほぼ臨界温度であり、この温度では、加圧してこ
のような希釈剤について加圧アトマイザーに関して通常
用いられる圧力範囲内の臨界圧力にした後に、単一相混
和物粘度は今30センチポイズより低くなる。これは有
効な噴霧を可能にし、それで効率的な燃焼を生じる。こ
れは、6号燃料油を約120℃を越える温度に加熱しな
ければならない従来の噴霧及び燃焼と対照を成す。超臨
界流体は、粘度降下に加えて、異なる噴霧機構により減
圧噴霧を生じ、従来の加圧噴霧技法を用いて生じるより
も一層爆発性噴霧を生じることができる。その上、適度
の粘度を有する燃料或は比較的低い粘度を有する燃料で
さえ、一種或はそれ以上の超臨界流体を混和する場合、
更に低い粘度を達成することができる。このような粘度
の降下した混和物を次いで減圧スプレーすると、他の方
法で得られるのに比べて更に小さい液滴寸法を生じる。
更に小さい液滴寸法(直径1ミクロンの範囲に近い液滴
寸法が可能である)を形成することは、液滴からの燃料
の気化を高めることになり、従ってまた終局的な燃焼を
増進する。本発明によりこのような小さい液滴寸法を提
供することができることは、現時点で従来の液体燃焼プ
ロセスでは知られていない、最も効率的な燃焼が炭素質
粒子の生成を最も少なくして行なわれる最も理想的かつ
望ましい予備混合された易燃性ガス混合物燃焼状態に近
付く。
【0010】よって、本発明は、最も広い態様では、 a)(i)燃焼させることができる少なくとも一種の液
体燃料、及び(ii)液体燃料と少なくとも一部混和し
得る少なくとも一種の超臨界流体を含む液体混合物を密
閉系において形成し、 b)該液体混合物を該液体燃料の燃焼を続けることがで
きる雰囲気中に吹き付けることを含む可燃性液体スプレ
ー混合物の形成方法を指向する。本発明は、別の態様で
は、 a)(i)燃焼させることができる少なくとも一種の液
体燃料及び(ii)液体燃料と少なくとも一部混和し得
る少なくとも一種の超臨界流体を含む液体混合物を密閉
系において形成し、 b)該液体混合物を減圧スプレーとして該液体燃料の燃
焼を続けることができる雰囲気中に吹き付けることを含
む可燃性液体スプレーの形成方法を指向する。発明は、
また、少なくとも一種の固体粒状燃料と液体燃料、超臨
界流体希釈剤、及び必要に応じて有機溶媒とを混合して
液体燃料における固体燃料の懸濁体を形成した後に、液
体−固体混合物を噴霧して燃焼させることで構成される
液体スプレー燃焼方法も指向する。例えば、固体燃料
は、粉末石炭を石油留分或は固体廃棄物に混入したもの
にすることができる。固体粒状燃料は、超臨界条件下で
超臨界流体と完全に或は一部混和し得るようになるのが
よい場合がある。液体燃料は連続相を形成し、よって
「液体燃料」、「液体混合物」、「液体スプレー」なる
用語は、また少なくとも一つの分散された固相を有する
連続した液相も含むものと理解されるべきである。ま
た、他の物質を加えて燃料の燃焼特性を改質してもよ
く、溶解する或は液体或はガス、例えば水、酸素、空
気、或は他の慣用の燃焼添加剤の混合物としてのいずれ
かにしてもよい。
【0011】また、本発明は、最も広い態様では、 a)燃焼させることができる少なくとも一種の液体燃料
を供給する手段; b)少なくとも一種の超臨界流体を供給する手段; c)手段a)及びb)により供給する成分の液体混合物
を形成する手段:並びに d)液体混合物を加圧下でオリフィスを通して燃焼を続
けることができる雰囲気に噴霧する手段 を組み合わせて含む少なくとも一種の超臨界流体を含有
する液体燃料をスプレー燃焼する装置も指向する。一層
好ましい実施態様では、装置は下記を含む:燃焼室を画
定する燃焼装置のような手段;少なくとも一種の加圧燃
料を供給する希釈剤の臨界圧力より高い圧力で供給する
手段、好ましくは高圧ポンプ;少なくとも一種の加圧超
臨界流体希釈剤を希釈剤の臨界圧力より高い圧力でかつ
加える際、燃料と超臨界流体希釈剤との混合物の粘度を
スプレー燃焼に適した点にさせるのに十分な量で供給す
る手段、好ましくは第2高圧ポンプ;加圧燃料と超臨界
流体希釈剤とを混合して燃料/超臨界流体希釈剤液体混
合物を生成する超臨界混合室;燃料/超臨界流体希釈剤
液体混合物を噴霧する前に加熱して超臨界流体希釈剤の
臨界温度に、臨界温度より高く或は丁度低くにする手
段;及び燃料/超臨界流体希釈剤液体混合物を混合室か
ら好ましくは大気圧で或はその近くで燃焼させる燃焼空
間に供給するスプレーノズルのような手段。
【0012】本発明は下記に開示されている超臨界流体
希釈剤を用いることに関する:1990年5月8日に発
行された米国特許4,923,720号;1988年7
月14日に出願された米国特許出願第218,910
号;1989年3月22日に出願された米国特許出願第
327,273号;1989年3月22日に出願された
米国特許出願第327,275号;1989年3月22
日に出願された米国特許出願第327,484号。これ
らにおいて、とりわけ、超臨界二酸化炭素のような超臨
界流体を高粘度の有機溶媒に運ばれる及び/又は高粘度
非水性分散体コーティング組成物において希釈剤として
利用することがこれらの組成物を希釈して液体スプレー
技術について必要とされる適用粘度にすると教示されて
いる。超臨界流体を産業において利用することの資料は
十分にあり、ニューヨーク、ウイリー−インターサイエ
ンス、1984、Grayson,M.編集、Kirk
−Othmer Encyclopedia of C
hemical Technology,第3版、Su
pplement Volume,872〜891頁、
Supercritical Fluids参照。溶解
度の増大の概念は、1800年代後期に、沃化カリウム
を超臨界エタノールに溶解し、次いで圧力を下げてエタ
ノールの超臨界圧力状況にして沈殿させた際に初めて認
識された。地質学的プロセスにおける超臨界水が岩石形
成に及ぼす作用が次の開発であり、次に石油の生成及び
以降におけるメタンの作用があった。1940年代の初
めに、石油の脱アスファルトに関係して超臨界流体抽出
を最初に実用的に使用することが提案された。超臨界メ
タンが、原油を分離する、羊毛脂からラノリンを抽出す
る及び鉱石からオゾケライトワックスを抽出するのに用
いられた。超臨界抽出の適用は、液体溶媒抽出及び蒸留
のような技術と競合する。カフェイン及びニコチンのよ
うな望まれない物質の超臨界流体抽出並びに食品エッセ
ンス及び薬剤のような成分の分離が天然物質の領域に含
まれる。化石燃料について、超臨界流体抽出の適用は高
い油回収、石炭からの液抽出及び重質石油系液の分別を
含む。
【0013】食品及び医薬用途について、超臨界二酸化
炭素が使用される最も顕著な超臨界流体である。前述し
た脱カフェイン及び脱ニコチンプロセスにおける抽出に
加えて、他のプロセスはホップからの酸、大豆フレーク
及びコーンガームからの油の抽出を含み、これらにおい
ては、二酸化炭素に加えて、エタン、プロパン及び亜酸
化窒素が用いられる。合成燃料用途において用いられる
超臨界流体抽出は溶媒石炭抽出、石炭液化、炭素質残渣
の抽出のような石炭加工、並びに石炭からメタノールを
製造し、次いでガソリンに転化する統合プロセスを含
む。これらのプロセスはノルマルパラフィン、オレフィ
ン、ハロゲン化軽質炭化水素、二酸化炭素、アンモニ
ア、二酸化硫黄、トルエン及び他の同様な芳香族、二環
式芳香族、ナフテン系炭化水素、アルコール、アルデヒ
ド、ケトン、エステル、アミンのような超臨界流体を使
用し、溶媒の臨界温度及び圧力より高い温度及び圧力で
行なわれるのが普通である。米国Def.Pub.特許
出願第700,485号、米国特許3,558,468
号、同4,192,731号、同4,251,346
号、同4,376,693号、同4,388,171
号、同4,402,821号、同4,443,321
号、同4,447,310号、同4,508,597
号、同4,675,101号は、石炭を上述した溶媒の
内の一種或はそれ以上により超臨界条件下で有意の部分
が溶媒に溶解されるまで抽出し、次いで通常ろ過により
残留固体物質を容易に取り除き、次いでろ液を蒸留によ
り分離して溶媒フラクションと液体化石燃料とにし、前
者は循環させ、後者は直接燃料として用いてもよく或は
更に精製してディーゼル及びジェット燃料を含む種々の
炭化水素生成物を生じてもよいプロセスを開示するいく
つかの例である。その分野の目的は、主に石炭から他の
有用な燃料を得ることである。
【0014】同様に、超臨界流体抽出は、石炭の液化及
び抽出において前述した同じクラスからの溶媒を用い
て、タールサンド、亜炭、オイルシェールから燃料源を
誘導するのに用いられる。米国Def.Pub.特許出
願第700,485号、米国特許4,108,760号
及び同4,341,619号は、このような手段が開示
されているいくつかの例である。石油適用は、低沸点パ
ラフィンを超臨界流体抽出プロセスにおいて用いて、常
圧及び減圧蒸留残油のような供給原料をキャットクラッ
カー及び潤滑油供給原料に転化して分解及び水素化転化
を含み得るプロセス段階により品質向上を行なうことを
含む。米国特許4,354,922号、同4,406,
778号、同4,532,992号、同4,547,2
92号は、このようなプロセスを開示するいくつかの例
である。上記に加えて、超臨界流体噴射が、石油リザー
バーから第三級油を回収するために試験された。この方
法は、比較的安価な二酸化炭素を用いるのに特に適して
いる。
【0015】噴霧技術の改良が、1986年7月7日付
けのMartynyukによるソ連特許1,242,2
50号に開示されている。同特許では、ケロシンのよう
な液体燃料をその臨界温度の0.9〜1.2に加熱し、
次いでその臨界圧力の1.0〜3.0に等しい圧力でノ
ズルを通して押し出す。この方法を物質の臨界点におい
て或はそれ以上で実施する場合、物質はもはや液体でな
く、定義によるガスであり、従って、終局的にスプレー
を形成する液体シート或はフィラメントとしてよりもむ
しろガスジェットとしてノズルから噴出する。未希釈の
液体燃料を噴霧することに付いて挙げた利点は、慣用の
アトマイザ−に比べて、スプレーの分散が2オーダーの
大きさ増大することであり、これは燃焼を一層完全にし
かつ不完全燃焼の汚染副生物を減少させることになる。
恐らく、ケロシンのような粘度の低い容易に気化される
燃料に関して有用であろうが、粘度の高い燃料に関して
用いることが有利でないことは明瞭である。例えば、6
号燃料のような流体を用いる場合、規定の臨界温度状態
を達成するのに、約500℃を越える温度に達しさせな
ければならない。重合、酸化、ニトロ化、急速分解、等
のような望まない化学反応に遭遇しないでこのレベルの
温度を達成することは、極めてありそうもない。このよ
うな反応は副生物残分、粒状物質、等のような、アトマ
イザーの性能に影響を与えかつまた不完全な燃焼により
汚染の可能性の原因になるものを発生することになる。
2号燃料でさえ、その臨界温度よりも高く加熱した場
合、これらの望ましくない反応の内のいくつかを経験す
る。
【0016】液滴形状の液体燃料の超臨界燃焼もまた、
一部、燃料スプレーを使用する燃焼装置における作業圧
力がよく用いられる燃料の臨界圧力を越えていることか
ら、研究されてきた。カドタ及びヒロヤスのEight
eenth Symposium (Internat
ional) on Combustion,TheC
ombustion Institute,1981、
275〜282頁参照。同文献には、ガス状環境に懸濁
された燃料のシングル液滴を超臨界条件下で燃焼させた
研究の結果が、液滴温度、燃焼寿命及び燃焼速度常数の
測定と共に報告されている。これらの結果は、最終液滴
温度がほぼその臨界温度であり、燃焼寿命が燃料の圧力
減小とよく相関し、圧力減小0.3〜1.0の範囲にお
いて、燃焼寿命は、圧力を上げることにより、急激に減
少し、更に圧力を上げるにつれて、燃焼寿命のわずかな
減少を生じた。Allenは、1958年12月30日
に発行された米国特許2,866,693号において、
このような超臨界圧力燃焼を開示している。同米国特許
では、プロパン或はブタン或はこれらの混合物のような
低沸点パラフィンを混合したディーゼル燃料を、混合物
の臨界圧力を少なくともエンジンの圧縮圧力に上げるの
に十分な量でブレンドする。
【0017】Allenは、700psi(49kg/c
m2)の圧縮圧力条件において、約4〜28容積%のパラ
フィンをディーゼル燃料に加えるのが有効であることを
見出した。Allenに従えば、見出されたものは、噴
射時にエンジン内に存在する圧力及び温度を含まない純
ディーゼル燃料の狭い相エンベロープを、燃料が2相で
(同時に液相及び気相の両方で)存在する相エンベロー
プの境界を増大させ、それで通常点火前にディーゼルエ
ンジンのシリンダー内に存在する圧力及び温度を含むよ
うに、膨張させた燃料混合物であった。かつプロパン、
ブタン或はこれらの混合物を含有する燃料は、2相混和
物に形成された場合、燃焼前に早期にサイクルにおいて
実質的に気化されて、燃料と空気との優れた混合が実現
される結果が得られる。Allenの教示から、仮定は
液−気2相混合物をディーゼルエンジンのシリンダー内
の超臨界条件下で燃焼室に噴霧(噴射)することにより
気化を増進させることであると思われる。それは、燃料
系の臨界圧力より十分に低い大気圧において或はその近
くで作動する慣用のバーナー及び炉と異なるのは持ち論
である。
【0018】上で検討した使用に加えて、低沸点パラフ
ィンをディーゼル燃料用希釈剤として利用し、燃焼を高
圧で行う−他の例は当業者によく知られている。例え
ば、1943年8月24日に発行された米国特許2,3
27,835号は、ガソリンをプロパンに加えてプロパ
ンの蒸気圧より実質的に低い蒸気圧で作動すると称され
る混合物を形成する液化ガス分配系用の燃料を開示し、
かつかかる混合物を農村、等において調理、加熱用に燃
焼し、冷凍するための送達系で用いることを開示してい
る。別の例では、Jorden、等は、1961年11
月21日に発行された米国特許3,009,789号に
おいて、プロパン及びペンタンを入れてバランスした揮
発度を生じて実質的に一定のベーパーロック傾向レーテ
ィングを保ちながら、蒸気損失を最少にするガソリン燃
料組成物を開示している。「ガソリン」がリード蒸気圧
及び揮発度を調節しかつ制御するために軽質炭化水素を
含む種々の炭化水素のブレンドにし、かつかかる成分の
濃度を季節的に調整することはよく知られている。これ
らの例に開示されている改良は、この特性が主に噴霧特
性に関するよりもむしろ、バーナー、内燃機関に存在す
る温度及び圧力の標準条件に関することから、これらの
燃料の揮発度特性に影響を与える希釈剤に関する。
【0019】Marek、等は、1980年2月26日
に発行された米国特許4,189,914号において、
燃料及び空気のようなキャリヤー流体を燃料の臨界圧力
より高い圧力で供給する一対の高圧ポンプを含むガスタ
ービン、等用の燃料噴射装置を開示している。共に燃料
の臨界圧力より高い圧力であるが、どうも周囲温度であ
るようなキャリヤー流体及び燃料を混合室に供給し、そ
こで混合物を形成し、次いで燃焼室に導入する。燃料及
びキャリヤー流体を燃料の超臨界圧力より高い圧力で使
用すると燃焼室において燃料−キャリヤー流体混合物と
燃焼用空気との急速な混合を促進し、それで汚染物の形
成を減少させかつ一層清浄な燃焼を促進することが教示
されている。同米国特許に開示されている例示は、「J
et A」燃料とキャリヤーとしての空気とを、共にプ
リカーサー燃料の記述される臨界圧力18気圧を越える
が、恐らく単にあるわずかな増加分だけ越えるにすぎな
い圧力で混合することを挙げている。また、恐らく、燃
料及び空気は共に燃料の臨界温度より著しく低い温度で
あり、かつまたどうも燃料も空気も空気の臨界圧力の3
7.2気圧で、それ近く或はそれより高くないようであ
るが、キャリヤー空気はその臨界温度の−140.7℃
より高い。このような条件下で、熱力学的原理は、その
ようにして形成された燃料−キャリヤー流体混合物が液
体燃料とガス状空気との通常望ましくない気−液2相混
合物からなることを予測し、これはMarek、等の
「単一相が形成される」という教示と反対である。熱力
学に基づけば、彼の系について単一相混合物を達成する
ためには、圧力か或は温度のいずれか、もしくはこれら
の組合わせを、混合物の状態を変えて形成された混合物
の臨界点を含む混合物の2相エンベロープの外側になる
ようにし、或は混合物のバブル点カーブのそれより低く
なるようにしなければならない。従って、理論上、1)
周囲温度において主に「Jet A」燃料からなる混合
物の望ましい単一相状態を達成するには、2つの存在物
の臨界点を接続する「二成分臨界カーブ」がいずれかの
存在物よりも高い圧力の軌跡を有することから、キャリ
ヤー空気の臨界圧力よりずっと高い圧力を要すると思わ
れ、或は2)圧力が「Jet A」燃料の臨界圧力に近
ければ、温度を約−100℃にしなければならない。こ
れらの極端な状態においてさえ、これらの条件の各々は
述べる分野にとって興味のない折衷であると思われる。
【0020】超臨界条件下での燃焼の別の例は1982
年7月6日に発行された米国特許4,338,199号
及び1985年9月24日に発行された米国特許4,5
43,190号に開示されている。これらの米国特許で
は、下記を含む種々の有機物質に水及び酸素、或は酸素
を含む流体を混和する:燃料、有毒物、廃棄物、例えば
石炭、もみの樹皮、木材、バガス、生下水、牛の廃棄
物、もみ殻、製紙工場スラッジ、下水スラッジ、エタノ
ール、炭素、ヘキサン、ベンゼン、燃料油、Aldri
n、DDT、Lindane、Malathion、p
−アミノ安息香酸、Heptachlor、ニトロサミ
ン、交換紙廃棄物、埋め立てごみ、海水、硫黄含有燃
料、ハロゲン含有有機物、等。よく断熱された反応装置
において、混合物の温度及び圧力を上げて水についての
超臨界条件である少なくとも377℃の酸化温度、少な
くとも220気圧の圧力にし、単一流体相として反応さ
せる。反応装置は断熱されたステンレススチールチュー
ブのようなフロースルーオキシダイザーとして或は流動
床として特徴付けられる。受ける反応は有機物質を酸化
させ、流出物流は発生される熱を吸収し、それにより粉
末生成及び/又はプロセス熱を供給するのに用いるため
の有用なエネルギーを得る。このプロセスは廃棄物或は
有毒物質を破壊し、汚れた燃料を燃やし、海水脱塩し、
有用なエネルギーを回収するのに有用であると言われて
いる。挙げたすべての場合において、酸化は水の存在に
おいてかつ水についてのこのような臨界レベルに伴う過
度に高い温度及び圧力のレベルにおいて或はそれらを越
えて行なわれ、これはそのようにしてプロセスを実施す
るのに著しいエネルギーを消費する。しかし、例示する
通りに、これが好ましいプロセスになる場合がいくつか
ある。
【0021】前述したプロセスと異なり、危険な廃棄物
を含む固体及び液体廃棄物焼却は、かかる廃棄物を燃焼
室で、例えば液体廃棄物についてバーナー、アトマイザ
ーのような慣用の燃焼装置を使用して、大気圧において
或はその近くで燃焼するプロセスである。プロセスの性
質により、含有される危険物質を完全に破壊するのに、
一層高い温度を必要とするのが普通である。このような
焼却炉は下記のタイプを含む:液体噴射、固定炉床、傾
斜付きロータリー、流動床、マルチプル炉床、パルス炉
床、ロータリー炉床、往復炉床、赤外。液体噴射系が支
配的である。液体噴射では、廃棄液、通常有機物を含ん
だ廃棄物を、単独で或は適合し得るならば噴射する前に
他の廃棄物とブレンドして、燃焼室に供給する。多量の
水性廃棄物を燃焼する場合、高速ガス或は液体補足バー
ナーを燃焼室に、通常室の側部に配置して用いるのが普
通である。粘稠な廃棄流体に関し、かかる流体を噴霧し
て燃焼させることに伴う前述した困難のすべてが支配す
る。加えて、廃棄物を燃焼する際に、個々に温度、滞留
時間、フローパターンのような他のデザインパラメータ
を考えることが重要である。慣用の流体の場合のよう
に、液滴を小さくする及び液滴分布を狭くする噴霧の改
良は噴霧費を減少させるのを助成し、同時に一層効率的
な燃焼により危険な化学物質を完全に破壊するのを増進
する。固体の産業廃棄物の焼却は、固定或はマルチプル
炉床及びロータリータイプにおいて行うのが普通であ
る。これらのタイプでは、固体廃棄物或はスラッジを燃
焼域に導入し、通常焼域空気或はフルーガスと向流に移
動させる。始動させるために或は酸化され難い廃棄物を
続けるために、補助液体或はガス燃料をバーナーに供給
するのが普通である。これらの固体廃棄物を液体焼却炉
の室の中に液体噴射及び噴霧することにより燃焼させる
のに適した流体に安価に一部或は完全に溶解させること
ができるならば、費用及び汚染を低減し得ることにな
る。
【0022】これらの固体及び液体廃棄物並びにそれら
の燃焼生成物中の成分の性質により、耐食性の建造材料
が要求され、補助設備がしばしば必要になり、これらの
焼却炉にそのように設置されるのが普通である。このよ
うな設備はアフターバーナー、汚染制御スクラバー、ベ
ンチュリースクラバー、灌液ファイバー床、湿式電気集
塵機、等を含み、建造しかつ作動させるのに費用がかか
る。この分野は、噴霧の向上から利点を得、特にかかる
廃棄物中に存在し得る固体成分の可溶化の増大から利点
を得る。微粉砕石炭はボイラー及び炉用燃料として広く
用いられている。また、ディーゼル、ガスタービンタイ
プのようなエンジンが、微粉砕石炭を使用するためにデ
ザインされかつ試験されてきたが、まだ商業化を達成し
ていない。燃料消費が増大した結果として、石炭の埋蔵
が多量に存在し、特に油の供給が減少し、油の値段が上
昇しかつ引き続き上昇することが予想されることから、
このような石炭の利用に関心が持たれてきた。石炭を使
用することに伴う問題は、送出し、取り扱うのに及び破
砕設備に費用が斯かることである。微粉砕石炭の水或は
石油ベースのキャリヤーにおける液体スラリーを輸送、
貯蔵及び配布するために用いることは有用である。石炭
−水スラリーを微粉砕し、調製し、処理して所望の液
体、貯蔵及び焼域特性を達成するためのかかる設備は進
歩しており、最も直接の適用は油及びガスボイラー及び
炉を石炭スラリー燃料に転化することである。石炭−水
混合燃料を燃焼することに伴う2つの主要な問題は、水
を蒸発させるのにエネルギーを必要とすることにより発
火が遅いこと、及び燃焼プロセスの間に小さい石炭粒子
が凝集して大きい粒子になることである。このプロセス
では、石炭を微粉砕して平均直径約40〜50ミクロン
の粒子にするのが普通であるが、10〜20ミクロン程
に小さい粒子も報告された。水でスラリー化して石炭約
60〜70%の所望の混合物にした後に、38℃におけ
る粘度は約630センチポイズになり、これは良好に噴
霧させるためには比較的高い。
【0023】石炭−油スラリーは、燃やす燃料油の量を
減少させるのに有用である。これらの石炭−油混合物
(COM)は慣用の炉及びバーナーにおいて、少し改良
するだけで使用することができる。多くの場合、関心の
ある混合物は微粉砕石炭及び6号燃料油である。石炭約
40〜50%の混合物が最も関心があり、この場合、微
粉砕して直径3mmより小さくした石炭を約90℃で燃
料油と共に湿式粉砕して平均粒子直径約75ミクロンに
するものであり、50℃における粘度は約8000セン
チポイズであり、燃料油単独ではこの温度で500セン
チポイズを越える粘度を有するのが典型的である。ほと
んどのプロセスでは、COMを80℃で貯蔵するために
ポンプ輸送し、ヒーターに通して温度を約110℃に上
げ、次いでスチーム或は空気ブラストアトマイザーを使
用して噴霧させる。この場合、スチーム或は圧縮空気が
噴霧のエネルギーを供給する。スチーム或は空気圧力は
約20〜200ポンド/平方インチ(psig)(1.
4〜14kg/cm2G)の範囲にするのがよく、例えば約4
0psig(2.8kg/cm2G)の空気を約85psig
(6.0kg/cm2G)で供給するCOMと組み合わせて噴
霧すると、バーナーチップ圧力約30psig(2.1
kg/cm2G)になる。この低い圧力では、噴霧不良を経験
するのが普通である。この種の高粘度の固−液2相流体
を用いた経験は下記を示した:1)流体が摩擦によりノ
ズルの早い摩耗を引き起こす、2)ノズルは石炭−スラ
リー中の固体粒子及びファイバーにより閉塞され得る、
3)流体がノズル或はオリフィスを通って流れるにつれ
て、石炭粉末の分離、沈降及びケーキングが起こり得
る。しかし、COMはストレート燃料油とほぼ同じ程よ
く燃焼するが要求される。これらの作用を最小にするた
めに、デザイン変更が行なわれるが、費用が増大する。
かかる技法は、本発明の方法により可能になる通りに、
粘度を降下させ、スプレー液滴寸法を小さくし、それで
噴霧を向上させることから利点を得る。
【0024】前述した従来技術では、超臨界流体は抽出
剤として用いられ、粘度降下用希釈剤として用いられて
いない。上記のすべてにおいて、液体燃料は直接か或は
通常抽出された油から超臨界流体を分離するそれ以上の
処理加工の後のいずれかで製造され、該液体は次いで燃
焼プロセスにおいて燃料として用いられ、それゆえ認め
得る量の超臨界流体を含有しないのがよい。このような
燃焼プロセスでは、燃料は比較的高い粘度でよく、本発
明の適用は、噴霧される及び吹き付けられる燃料−超臨
界流体混合物が直径の一層小さい液滴を生じて炭素質固
体粒子の生成を最少にするのと同時に燃焼を増進するよ
うに、粘度を更に降下させるのに有利である。
【0025】同様に、燃料及び燃料中に認め得る量で溶
解しない空気のようなキャリヤー流体を周囲温度の或は
その近くの混合室においてキャリヤー流体の臨界圧力で
供給して混和しかつそういうものとして燃焼室に供給す
る米国特許4,189,914号のMarek、等によ
る従来技術に完全に対照して、本発明は超臨界流体希釈
剤を使用して稀釈用流体の臨界圧力及び臨界温度より高
い燃料との混和物を形成することを指向するものであ
り、かかる混和物は、通常の場合、燃焼させる燃料の臨
界圧力より高く、燃料への認め得る程の溶解度を有す
る。この流体はキャリヤーとしてもしくは空気ブラスト
における空気或はスチームアシスティド噴霧におけるス
チームのような噴霧を助成する流体として用いられてお
らず、むしろ典型的には初めに精製して一層高いグレー
ドにしなければならない異例の燃料或は不良な噴霧性能
を示す慣用の燃料に関するの使用を可能にする粘度降下
用希釈剤として用いられており、両方の場合において、
燃焼室で有効な噴霧が行なわれる。かかる燃料及びこれ
らの超臨界流体希釈剤から形成される混和物は、Mar
ek、等のプロセスと対照して、本発明の実施におい
て、希釈剤の臨界圧力及び温度レベルにまで上昇させた
場合、単一相混合物を形成するのが典型的であり、それ
ゆえ燃焼室の中に有効に噴霧し、そこで効率的的な燃焼
が行なわれるという本発明の目的を達成する。その上、
従来技術は、本発明と対照して、添加流体を、粘度を降
下させるために特に及び/又は液体燃料を可溶化するた
めの希釈剤として用いる、もしくはその成分を噴霧を向
上させ、それにより大気に近い圧力下で一層完全かつ清
浄な燃焼をもたらすために用いることを開示していな
い。
【0026】発明の詳細な説明 本発明の方法及び装置を用いることにより、液体燃料、
他の燃料及び廃棄物質を粘度降下用希釈剤の超臨界条件
下で一層良好に噴霧及び吹き付けて、燃料を気化させて
燃料と空気、よって酸素と混合させるのに一層都合の良
いスプレー特性を得て、好ましくは大気圧或はその近く
の圧力における燃焼を向上させることができる。超臨界
流体が本発明に関連することにより、それの現象を簡単
に検討することは、適切であると考えられる。超臨界流
体現象は十分に情報が提供されており、フロリダ、Boca
Raton在 CRC Press,Inc. 出版のCRC Handlook of Chem
istry and Physics,67版1986〜1987のF−6
2〜F64頁を参照。臨界点を越える高い圧力では、生
成する超臨界流体、或は「濃密ガス」は流体の密度に近
い密度を達成する。これらの性質は流体の組成、温度及
び圧力に依存する。本明細書中で用いる通りの「臨界
点」とは、物質の液状及びガス状状態が互いに合体して
同一になり、所定の物質について臨界温度及び臨界圧力
の組合せを表わす「転移点」である。本明細書中で用い
る通りの「臨界温度」とは、それを越えると、ガスは圧
力を増大することにより液化させることができない温度
と定義される。本明細書中で用いる通りの「臨界圧力」
とは、臨界温度で丁度2相の外観を引き起こすのに十分
な圧力と定義される。超臨界流体の圧縮性は臨界温度よ
り直ぐ上で大きく、圧力の小さな変化が超臨界流体の密
度の大きな変化に至る。一層高い圧力における超臨界流
体の「液体様」挙動は、「臨界以下の(subcritical) 」
化合物に比べて極めて高い可溶化容量を生じ、拡散係数
は一層大きくなり、粘度は低くなり、表面張力は零に近
くなり、液体に比べて有用な温度範囲が広がる。
【0027】近超臨界液及び蒸気もまた超臨界流体と同
様の溶解度特性及び高い圧縮性のような他の関連のある
性質を示す。溶質はたとえ低い温度で固体であっても、
超臨界温度では液体になり得る。加えて、流体「改質
剤」はしばしば超臨界流体特性を、比較的低い濃度にお
いてさえ有意に変え、いくつかの溶質について溶解度を
大きく増大し得ることが立証された。これらの変形は本
発明の関係において用いる通りの超臨界流体の概念の中
に入るものと考えられる。よって、本明細書中で用いる
通りの「超臨界流体」なる語句は、その化合物の臨界温
度及び圧力(臨界点)における、それより高い或はそれ
よりわずかに低い化合物を意味する。スプレー混合物が
減圧スプレー(以降で検討する)を生じる程に圧縮可能
な超臨界流体希釈剤の臨界温度及び/又は圧力より低い
スプレー条件は本発明の範囲内であると考えられる。超
臨界流体としての使用効果を有することが知られており
かつ200℃より低い臨界温度を有する化合物の例は下
記を含む:二酸化炭素、亜酸化窒素、二酸化硫黄、アン
モニア、メチルアミン、キセノン、クリプトン、メタ
ン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタ
ン、ブテン、ペンタン、ジメチルエーテル、メチルエチ
ルエーテル、ジエチルエーテル、ホルムアルデヒド、ク
ロロトリフルオロメタン、モノフルオロメタン、塩化メ
チル、シクロペンタン。
【0028】前述した通りに、超臨界流体は、ラッカ
ー、エナメル、ワニスのような有機ポリマーコーティン
グをスプレー塗布する際の有効な粘度降下剤になること
が分かった。図1は、超臨界二酸化炭素を可燃性であり
かつ燃料として用いることができ或は危険な廃棄物質に
なり得る2つの粘稠な有機ポリマー組成物に溶解させて
用いる(本発明に含まれる系の代表)ことにより達成さ
れる粘度降下を示す。図1は、スプレー混合物に溶解さ
れる超臨界二酸化炭素の重量%を増大させるにつれて、
スプレー温度50℃で生じる粘度降下を示す。上のカー
ブは室温における粘度10,300センチポイズを有す
る極めて粘稠な組成物についてである。それを50℃に
加熱すると、粘度は2000センチポイズに下がる。溶
解超臨界二酸化炭素を28重量%に増大させると、粘度
は40センチポイズより低い噴霧可能なレベルに下が
る。下のカーブは室温における粘度940センチポイズ
を有する粘性の低い組成物についてである。それを50
℃に加熱すると、粘度は300センチポイズに下がる。
溶解超臨界二酸化炭素を28重量%に増大させると、粘
度は30センチポイズより低い噴霧可能なレベルに下が
る。両方の組成物を圧力約1600psig(110kg
/cm2G)で吹き付けて燃焼に適した微粒化された液滴の
スプレーを生じた。更に粘度の低い組成物を用いること
により、約1センチポイズ或はそれ以下に下がった極め
て低いスプレーが得られ、極めて微粒化されたスプレー
を生じる。
【0029】超臨界流体は、超臨界流体と液体燃料或は
廃棄物質との混和物により形成されるスプレー混合物の
合計重量を基準にして約10〜約60重量%の範囲の量
で存在するのが好ましい。超臨界流体は、約20〜約6
0重量%の範囲の量で存在するのが最も好ましい。使用
量は、選定するスプレー温度及び圧力に依存し、並びに
溶解度、粘度のような液体燃料或は廃棄物質の特定の性
質、及び有るとすれば、存在する分散された固体物質の
量に依存する。溶解超臨界流体は、容易に噴霧すること
ができるように十分低い粘度を保有する液体スプレー混
合物を形成するような量で存在すべきである。これは、
スプレー混合物がスプレー温度で約300センチポイズ
より低い粘度を有することを要するのが普通である。粘
度は約300センチポイズより低いのが好ましい。粘度
は約50センチポイズより低いのが一層好ましい。スプ
レー混合物の粘度は、最も微細な噴霧を達成するため
に、スプレー温度で約25センチポイズより低いのが最
も好ましい。
【0030】米国特許出願番号第327,273号及び
第327,275号において開示されたように、溶解し
た超臨界流体は粘稠組成物の粘度をスプレーに適当な水
準にに単に下げるだけでなく、それ以上の挙動をとるこ
とが見出された。超臨界流体はまた、加圧されたエアレ
ス・スプレーの形状、巾及びその他の噴霧特性を修正及
び変更することが見出された。超臨界流体は新たなエア
レス・スプレー噴霧化機構により爆発性の、圧縮状態を
一挙に開放する減圧噴霧化を生みだすことができること
が見出された。これはエアレス・スプレープロセスを大
幅に改善するので、液体燃料及び廃棄物質の高品位噴霧
化を得ることが出来、廃棄物質の有効な燃焼を促進す
る。
【0031】エアレス・スプレー或いは圧力スプレー技
術は、スプレーオリフィスを通して高速で燃料、廃棄物
質或いは他の物質を推進するのにそのオリフィスを通し
ての高い圧力降下を利用する。従来からの噴霧化機構は
よく知られておりそしてドムブロスキ等による「Chemic
al Engineering Science」18:203(1963年)
に論議されそして例示されている。液体物質は、液体フ
ィルム或いはジェットとしてオリフィスから噴出し、こ
れは周囲雰囲気に比べてその高い速度により誘起される
剪断作用が原因となって不安定となる。液体フィルム或
いはジェット中に波が成長し、不安定となりそして液体
フィラメントに分裂し、結局液体フィラメントも同じく
不安定となりそして液滴に分断する。噴霧化は、液体を
互いに保持しようとする凝集力及び表面張力がそれをば
らばらに分断する剪断力及び流体慣性力に打ち負けるた
めに起こる。ここで使用するものとしての用語「液体フ
ィルム噴霧」及び「液体フィルムスプレー」とは、この
従来からの機構により噴霧が起こるスプレー或いはスプ
レーパターンを言及するものである。しかし、気体フィ
ルム噴霧化において、凝集力及び表面張力は完全には克
服されずそしてそれらは特に粘稠物質に対してはスプレ
ーに潜在的に強い影響を与える可能性がある。従来から
のエアレス・スプレー或いは圧力スプレー技術は、スプ
レー粘度が比較的低い値を超えて増大するにつれ、一層
粗い液滴及び不均一性の高いスプレーファンを生成する
ことが知られている。これは一般に、そうしたスプレー
技術の有用性を非常に低い粘度を有する液体燃料、廃棄
物質及び他の種物質のみをスプレーすることに制限す
る。粘度が高くなるとスプレーオリフィス内で発生する
粘度損失が増加し、これは噴霧化に供しうるエネルギー
を低減し、その結果剪断強さが減少し、膨張しつつある
液体フィルム或いはジェット中での自然な不安定性の発
現を妨げる。これは噴霧化を遅らせるので、大きな液滴
が形成されそしてスプレーは不均一となる。
【0032】図5〜図7は、本発明に従わず、超臨界流
体希釈剤を使用せずに生成した従来からの液体フィルム
・スプレーパターンを例示する実際の噴霧化液体スプレ
ーの写真である。液体フィルムは、図5、6及び7にお
いて、噴霧化が起こる前ではスプレーノズルの前方に暗
色の拡がりとして見ることが出来そしてスプレーはその
後白色に変わる。これらスプレーは、液体フィルムスプ
レーに固有の直線的に散開する形状と比較的よく画定さ
れた縁辺とを有しそして特に図5及び7においては不均
一な分布を示す。図5及び7においては、表面張力が物
質をスプレーの縁部に優先的に集合せしめている。図7
においては、スプレーの縁部は、物質の噴霧化の乏しい
別個のジェットとして主体部分から分離されている。
【0033】液体燃料、廃棄物質及び他の種物質が超臨
界流体と共に噴霧されるとき、高濃度の溶解超臨界流体
は従来のスプレー組成物とは著しく異なった性状を有す
る液体混合物スプレーを生成する。即ち、スプレー混合
物は、従来のスプレー組成物が非圧縮性液体であるのに
対して、高度に圧縮性となる、即ち圧力の変化に伴って
密度が著しく変化する。理論に縛られるのを欲しない
が、爆発性の、圧縮状態を一挙に開放される減圧噴霧化
は、溶解した超臨界流体が圧縮性スプレー混合物がノズ
ルを離れそして急激にして大きな圧力降下を受けるに際
して急激に過度に過飽和状態となることにより生成され
うるものと考えられる。これは、溶解超臨界流体のガス
化のための非常に大きな駆動力を生みだし、この駆動力
が、液体フィルム型式のスプレーにおいて噴霧化に対抗
しそして通常液体流れを互いに結合しようとする凝集
力、表面張力及び粘性力に打ち勝つ。噴霧化が従来から
のスプレーにおける場合のようにスプレーオリフィスか
ら離間してではなく、丁度スプレーオリフィス出口地点
において起こることから、異なった噴霧機構が明らかに
存在している。噴霧化は、液体フィルム或いはジェット
の周囲空気との剪断作用からの分断によるものではな
く、高濃度の超臨界流体自体により生みだされる圧縮性
スプレー溶液の膨張力によるものと考えられる。従っ
て、ノズルから出現する液体フィルムは見えない。更
に、スプレーはもはや凝集力や表面張力に縛られないの
で、スプレーは、通常のエアレス・スプレーより中心線
からはるかに広い角度でノズルを離れそしてエアブラス
ト・スプレー技術により生成されるものと非常に近似し
た一様なスプレーを発生する。これは、従来のエアレス
・スプレーを代表する鋭尖な直線的に散開するスプレー
ではなく、丸びを帯びた放物線状のスプレーを生成す
る。このスプレーはまた代表的に、同じスプレーチップ
により生成される従来からのエアレス・スプレーよりも
はるかに大きな巾を有する。ここで使用するものとし
て、用語「減圧噴霧化」或いは「減圧スプレー」とは、
これら特性並びに後に論議する追加特性を備えるスプレ
ー或いはスプレーパターンを言及するものである。レー
ザー光散乱測定及び比較スプレー試験は、減圧噴霧化が
一般的なエアレス・スプレー或いは圧力スプレーにより
生成される粗い液滴ではなく、エアブラスト・スプレー
と同寸範囲にある細かい液滴を生成しうることを示して
いる。この微細な粒寸は、溶解した超臨界流体がスプレ
ーオリフィスから短距離の範囲内で液滴からきわめて急
速に拡散するに充分の表面積を提供する。
【0034】与えられた液体燃料、廃棄物質或いは他の
種物質並びに一定の温度及び圧力に対して、減圧スプレ
ーパターンは、スプレー混合物における超臨界流体濃度
が遷移濃度を超えるときに固有に得られる。超臨界流体
を伴わない場合には、非圧縮性スプレー溶液において凝
集、表面張力及び粘度の結合力が噴霧化に非常に乏しい
代表的な液体フィルムスプレーを生成する。遷移領域未
満の超臨界流体濃度において(液体フィルムスプレーか
ら減圧スプレーまで)、結合力は超臨界流体の膨張力を
超えるので、液体フィルムスプレーパターンは持続され
るが、濃度が零から増大するにつれ、スプレーパターン
は幾分一様となり、スプレーは幾分幅広となり、目視し
うる液体フィルムはオリフィスの方に後退しそしてスプ
レー混合物は一層圧縮性となる。遷移領域においての中
間遷移濃度においては、爆発力は結合力に等しく、従っ
ていずれもスプレーパターンを制御しない。目視しうる
液体フィルムは、消散しそして噴霧化がスプレーオリフ
ィスにおいて起こるようになる。驚くべきことに、濃度
が増大しそして遷移領域を進んでいくにつれ(液体フィ
ルムから減圧スプレーへと)、直線的に散開する液体フ
ィルムスプレーパターンは最初狭い遷移スプレーに収縮
しそして後高度に圧縮性のスプレー混合物の爆発性減圧
噴霧化によりはるかに広巾の、放物線状の減圧スプレー
パターンへと膨張する。この遷移は、スプレーの形状に
おける変化のみならず、大幅に改善された噴霧化におい
て見ることができる。液滴の寸法ははるかに小さくな
り、これは凝集力が超臨界流体により創出される膨張力
により完全に打ち負けたことを示す。遷移濃度を超えそ
して遷移領域の外側の超臨界流体濃度において、スプレ
ーパターンは、充分に減圧性となり、はるかに広くそし
て中心線からはるかに大きな角度でスプレーオリフィス
から噴出される。超臨界流体濃度が高くなる程、液滴寸
法は小さくなり、スプレー巾は増大しそしてスプレー溶
液は一層高度に圧縮性となり、これはスプレー速度に影
響を与える。超臨界流体の膨張力の一つの顕著な現われ
は、減圧スプレーが代表的に同じスプレーチップにより
生成される通常のエアレス・スプレーよりはるかに大き
な巾を有していることである。スプレーは通常のエアレ
ス・スプレーよりはるかに大きな角度でスプレーチップ
を離れるけれども、スプレー巾は、スプレーチップのス
プレー巾定格を変更することにより狭巾から非常に大き
な巾までの範囲でスプレー巾を与えるように変更可能で
ある。また別の顕著な現われは、減圧スプレーが、一般
に集中性でありそしてよく画定された縁辺を有する代表
的な液体フィルムエアレス・スプレーとは対照的に、拡
散しつつありそしてフェザー状の、テーパ状の拘束され
ない縁辺を有するエアブラストスプレーと同じ特性の多
くを有していることである。この広巾の、拡散したフェ
ザー状のスプレーは、これら特性がスプレー中への燃焼
空気の混合を増進し、それにより酸素と揮化燃料の混合
を増進し、所望されざる燃焼副生成物を少なくして一層
効率的な燃焼をもたらすから有益である。
【0035】図2、図3及び図4は、本発明に従って溶
解超臨界二酸化炭素により生成される減圧スプレーパタ
ーンを例示する実際の噴霧化液体スプレーの写真であ
る。噴霧化は、目視しうる液体フィルムが存在しないこ
とによりまたスプレーの特性的な放物線状の形状を生成
するスプレーのオリフィスを離れる中心線から角度が大
きいことによりわかるように、まさにオリフィスにおい
て起こっている。スプレーは、拡散し、内部において比
較的一様でありそしてすべての方向においてフェザー状
のテーパの付いた拘束されない縁辺を有している。図2
及び図3は2種の異なった組成物により生成された広巾
の減圧スプレーを示しそして図4はもっと狭い減圧スプ
レーを示す。
【0036】或る液体燃料或いは廃棄物質に対して、一
定の超臨界流体濃度において、液体フィルムスプレーか
ら減圧スプレーへの遷移は、スプレー温度を上昇するこ
とによりそして/或いはスプレー圧力を減少することに
より多くは得られる。温度の上昇はスプレーがスプレー
オリフィスから噴出するに際して超臨界流体のガス化の
ための駆動力を増大するが、それはまた溶解度を減ず
る。従って、最適温度が通常存在する。圧力を減少する
ことは圧縮性スプレー混合物の密度を下げ、結局その凝
集性を低減するが、これもまた溶解度を減ずる。従っ
て、最適圧力が通常存在する。一般に、減圧スプレーを
得るのに必要な超臨界流体の濃度、スプレー温度及びス
プレー圧力は、スプレーされる液体燃料、廃棄物質或い
は他の物質の性状に依存しそして実験的に決定される。
【0037】二酸化炭素のような溶解超臨界流体を使用
する液体燃料スプレーのまた別のユニークな特徴は、超
臨界流体がスプレー滴から急速に蒸発しそしてスプレー
中に拡がることである。これが燃焼効率に対して有害で
ないことは、石油をベースとする油、シェール誘導油及
び石炭誘導油の燃焼において噴霧化補助気体として空気
の代わりに気体状二酸化炭素を使用した燃焼実験により
既に証明されている。シディッキ(Siddiqui)等による
「Emission of the Oxides of Sulfur andNitrogen in
Synthetic Oil Spray Flames(合成油スプレー火炎にお
ける硫黄及び窒素の酸化物の放出)」57〜63頁(1
984年)(Tech. Econ.Synfuels Coal Energy Sym
p., ASME編集)に示されるように、燃料ガスの組成に有
意な変更は起こらず、従って二酸化炭素気体をスプレー
中に噴入することからの悪影響は存在しなかった。火炎
温度分布並びに火炎中のCO、NO及び二酸化硫黄の分
布に或る種の僅かの変化は存在したけれども、燃料ガス
の組成は実用上同じであった。
【0038】本発明の実施において、一般に1ミクロン
乃至それを超える平均直径を有する液体スプレー滴が生
成される。代表的に、液体スプレー滴は約300ミクロ
ン未満の平均直径を有する。好ましくは、液体スプレー
滴は約100ミクロン未満の平均直径を有する。最も好
ましくは、液体スプレー滴は約50ミクロン未満の平均
直径を有する。急速にして効率的な燃焼を行うには小さ
なスプレー滴が所望される。
【0039】超臨界に酸化炭素を使用するスプレー混合
物により生成されるスプレー滴の寸法について、可燃性
であり、燃料として使用しうるし或いは危険な廃棄物質
でもありそして本発明において好適な系の代表的タイプ
のものである4種の粘稠性有機ポリマー組成物を使用し
て例示することができる。平均スプレー滴寸法はマルバ
ーン(Malvern )2600粒寸測定器を使用してレーザ
光散乱技術により測定した。
【0040】第1の組成物は室温で670センチポイズ
の初期粘度を有した。これを次の幾つかのスプレー条件
においてスプレーした:25重量%及び30重量%の溶
解超臨界二酸化炭素濃度、40℃及び60℃のスプレー
温度、84kg/cm2(1200psig)及び112kg/cm
2(1600psig)のスプレー圧力。更に、0.23m
m(0.009インチ)のスプレーオリフィス寸法を使
用した。測定した平均スプレー滴寸法を表1に呈示す
る。
【0041】
【表1】
【0042】平均スプレー滴寸法は、これらスプレー温
度及び圧力に比較的影響を受けないが、超臨界二酸化炭
素の濃度が高くなると著しく低減した。30%超臨界二
酸化炭素を使用しての充分に減圧されたスプレーは、約
31ミクロンの細かい平均スプレー滴寸法を生成し、こ
れは効率的な燃焼に非常に望ましいものであった。
【0043】第2の組成物は室温で1800センチポイ
ズの粘度を有した。これを55℃の温度及び109kg/c
m2(1550psig)の圧力でスプレーし、溶解超臨界二
酸化炭素の重量%を零から漸次増大した。0.1mm
(0.004インチ)、0.23mm(0.009イン
チ)及び0.33mm(0.013インチ)のスプレー
オリフィス寸法を使用した。測定した平均スプレー滴寸
法(ミクロン単位)を表2に呈示する。
【0044】
【表2】
【0045】零から10%までの二酸化炭素濃度では、
測定可能なスプレー滴寸法を有するスプレーは生じなか
った。スプレーはペンシル寸法のジェットであった。1
3〜20%二酸化炭素においては、比較的狭い、直線的
に散開した液体フィルムスプレーが形成され、これは比
較的粗い噴霧を生成した。約25%二酸化炭素におい
て、スプレーは、液体フィルムスプレーと減圧スプレー
との間の遷移状態にあった。約27%二酸化炭素を超え
ると、幅広い、放物線状の、拡散性減圧スプレーが生
じ、これは、効率的な燃焼に所望される非常に小さな平
均液滴寸法を生成した。35%二酸化炭素濃度におい
て、スプレー混合物はスプレーがこれら条件に対して溶
解度限を超える二酸化炭素を含んでいたため2相状態に
あった。過剰の二酸化炭素は、液体相から二酸化炭素相
へと揮発性成分を抽出し、これは液体相の粘度を増加す
る可能性がある。これが、2つの小さい方のオリフィス
において二酸化炭素濃度が30%から35%への増大す
るに際して起こった液滴寸法の見掛け上の増大を説明す
る根拠となりうる。
【0046】第3の組成物は、細分された固体炭素粒子
の分散体を含みそして室温(23℃)において約885
センチポイズの粘度を有した。これを0.23mm
(0.009インチ)寸法のオリフィスを使用してスプ
レーした。87.5〜108.5kg/cm2(1250〜1
550psig)の圧力範囲にわたって、液滴寸法はスプレ
ー圧力の影響をあまり受けなかった。測定した平均液滴
寸法を15及び29重量%の溶解超臨界二酸化炭素濃度
並びに40〜55℃のスプレー濃度に対して表3に呈示
する。
【0047】
【表3】
【0048】平均粒寸は二酸化炭素濃度の増加に伴って
そしてスプレー温度が高くなる程減少し、その両方が液
体フィルムスプレーを減圧スプレーに変化せしめた。減
圧スプレーは、効率的燃焼に所望される非常に細かい液
滴を生成した。
【0049】第4の組成物は、室温において350セン
チポイズの初期粘度を有した。これを0.23mm
(0.009インチ)寸法のオリフィスを使用して60
℃のスプレー温度及び112kg/cm2(1600psig)の
圧力においてスプレーした。スプレー混合物は43重量
%溶解超臨界二酸化炭素を含有しそして1〜5センチポ
イズのスプレー粘度を有する単相溶液であった。この減
圧スプレーは、このスプレーが基板上に物質を付着する
ことが出来なかったことから明らかなように、10ミク
ロン未満の平均液滴寸法を有する極めて小さな液滴を生
成した。
【0050】超臨界二酸化炭素、亜酸化窒素、メタン、
エタン及びプロパンが、その低い超臨界温度と低価格に
より本発明の実施において好ましい超臨界流体である。
しかし、上述した超臨界流体及びその混合物のいずれも
が液体燃料と共に稀釈剤として使用するに適用可能であ
ると考えられるべきである。超臨界二酸化炭素の混和性
は、低級脂肪族炭化水素のそれに実質上類似しており、
従ってその結果として超臨界二酸化炭素を例えばメタ
ン、エタン及びプロパンのような炭化水素希釈材に均等
と見なすことができる。その混和性効果に加えて、超臨
界二酸化炭素は、非引火性でありその完全燃焼或いは揮
発性成分の大気への損失防止のための別の装置の使用に
対する配慮をせずに済むから、希釈剤としての炭化水素
化合物と置換することにより環境上の有益さを有する。
【0051】超臨界流体の多くの化合物との混和性特性
により、エアレス・スプレー技術によりスプレーされう
る単相液体混合物を形成することができる。その一例
は、燃料油とメタノール或いはエタノールのようなアル
コ−ルとの不混和性混合物への液体二酸化炭素の超臨界
条件での添加であり、この場合圧力がその後二酸化炭素
の超臨界圧力まで上昇されるとき、完全混和が起こり、
その結果単一相が生成する。
【0052】こうした現象はまた、粒状物を含む廃棄物
及び他の種物質の焼却を考慮するとき有益である。一例
として、最も経済的な処分方法である液体噴射式焼却炉
へのスプレーが実用的でないか或いは不可能ですらあ
る、有機溶剤中に溶解された高分子量ポリマーを含む非
常に粘稠性の混合物である危険な廃棄物の処分の必要性
を考えよう。この場合、その粘度を良好な噴霧化を起こ
しうる状態まで減ずるために追加溶剤の添加はコストを
増加しそして処分されるべき危険な有機溶剤の量を増大
する。もっと安価なそして環境問題性の少ない他の種溶
剤を使用することはポリマーの粒子上への沈殿をかなり
もたらす危険があり、2相系をもたらし、これはスプレ
ー不可能な泥状物となる可能性が高い。例えば超臨界条
件の下で溶剤として二酸化炭素或いは亜酸化窒素の使用
は、粘度を減ずるのみならず、もっと重要なことには多
くのポリマー系に対して噴霧化のために単一相混合物を
提供することができ、それに際して焼却炉の燃焼室への
小さな直径の液滴噴霧が実現され、その場合溶剤及び二
酸化炭素の蒸発は例えば10〜20ミクロン未満の酸化
されるべき小さなポリマー粒子を残し、それによりそう
した燃焼条件の利益のすべてを実現する。
【0053】超臨界二酸化炭素が意義あるまた別の例
は、石炭のような炭素質物質と共に使用する場合であ
る。この場合、二酸化炭素が希釈剤として添加されると
き、石炭の大部分は超臨界二酸化炭素中に溶解し、固体
−液体2相混合物をもたらす。その場合、この混合物
は、固体相において、出発粉状化石炭粒子に比較しては
るかに減少せる密度の、多孔性の増大したそして恐らく
は数においても減少した一層小さな固体粒子を含有す
る。そのすべてが流動性の増加と燃焼性の改善を提供す
ることになる。噴霧化に際して、そうした状況は一層小
さな液滴の形成を可能ならしめ、一層良好な揮発化と空
気との混合をもたらし、それにより必要としてもごく僅
かの改修を伴うだけで従来からの燃焼設備において改善
された燃焼を得ることができる。
【0054】超臨界二酸化炭素は、それが有機物質の燃
焼により形成されるから、燃焼プロセスで使用するに特
に望ましい稀釈剤である。つまり、必要な二酸化炭素を
燃焼ガスから回収しそしてそれを粘稠な燃料或いは廃棄
物質に対する稀釈剤として再循環しそして従来型式の液
体燃料の噴霧化を増進せしめることが可能である。その
際、二酸化炭素を燃焼プロセスに別個の供給物質として
供給する必要はない。二酸化炭素は、吸着、圧力変化式
吸着(PSA)、パラメトリックポンピング、吸収、可
逆的な化学的錯化のような化学業界で実施されている気
体流れからの二酸化炭素の回収のための既知方法のいず
れによってでも燃焼ガスから分離回収されうる。二酸化
炭素の使用と回収は、燃焼が大気中ではなく、酸素と再
循環二酸化炭素の雰囲気中でなされる燃焼プロセスにお
いて特に適当でありそして実用的である。燃焼を持続す
るのに空気を供給する替わりに、純酸素をそれに代わっ
て供給し、それにより空気供給システムにおける高濃度
の窒素の混在を排除する。従って、燃焼室からの流出物
は主に二酸化炭素、水蒸気及び残留酸素からなり、そこ
から二酸化炭素を容易に回収することができる。こうし
たプロセスは既に工業的規模で試験されておりそして実
施可能であることが判明している。ウオルスキー等によ
る「大規模及び中規模固定式燃焼器からの二酸化炭素の
回収」論文番号90−139.3(Air & Waste Manage
ment Associationの第83年会)を参照されたい。
【0055】スプレープロセスを実施する方法について
ここで説明を加えると、超臨界流体並びに液体燃料及び
廃棄物質の液体スプレー混合物は、それをスプレーオリ
フィスを通して燃焼帯域内に圧力下で送給することによ
りスプレーされる。燃焼帯域において、液体スプレー混
合物は酸素或いは空気と混合されそして加熱されて細か
く噴霧化された燃料或いは廃棄物質の燃焼をもたらす。
【0056】ここで使用するものとしての「オリフィ
ス」とは、バーナー、インジェクター或いは他の型式の
スプレー装置のスプレーチップ或いはスプレーノズルに
おけるような、壁乃至ハウジングにおけるような穴或い
は開口である。液体混合スプレー混合物は、液体スプレ
ー混合物は、バーナースプレーチップ乃至ノズル内部の
ような高圧領域から一般に大気圧乃至その近傍の圧力に
ある燃焼帯域のような低圧領域内へとオリフィスを通し
て流出する。オリフィスはまた、タンクやボンベのよう
な加圧容器の壁における穴或いは開口でありうる。オリ
フィスはまた、混合物を流して放出するチューブ、パイ
プ或いは導管の開端ともなしうる。チューブ、パイプ或
いは導管の開端は開通面積を減ずるために絞ってもよい
し或いは部分的に閉塞してもよい。
【0057】高圧下での液体燃料のエアレス及びエアア
システィッド・エアレス・スプレーのためのバーナー組
立体において使用されるスプレーオリフィス、スプレー
チップ並びにスプレーノズルは、液体燃料及び廃棄物質
を超臨界流体と共にスプレーするのに適当である。スプ
レーチップ、ノズル、並びにバーナー組立体は使用され
るスプレー圧力を安全に内包するよう製作されねばなら
ない。スプレーオリフィスからの出口は好ましくは、一
般にスプレーオリフィスを中心線から大きなな角度で噴
出する、超臨界流体により発生せしめられる広巾の爆発
性減圧スプレーにより衝突される恐れのある障害物がす
ぐ近傍に存在しないよう構成される。
【0058】オリフィスを構成する材料は本発明の実施
において重要事ではなく、その材料が使用される高スプ
レー圧に対して必要な強度を具備し、流体流れからの摩
耗に耐えるに十分の耐摩耗性を有し、接触状態に持ちき
たされる燃料及び廃棄物質に不活性であり、そして燃焼
帯域内で発生する高燃焼温度への暴露により劣化しない
ものでありさえすればよい。炭化硼素、炭化チタン、セ
ラミック、ステンレス鋼及び真鍮のようなエアレス・ス
プレーチップの構成に使用される材料の任意のものが適
し、炭化タングステンが一般に好ましい。
【0059】本発明を実施するのに適当なオリフィス寸
法は一般に、約0.10〜1.3mm(0.004〜
0.050インチ)直径範囲をとる。オリフィスは時と
して円形でないから、ここで云う直径とは円形でない場
合には等価直径を云う。その適正な選択は、特定の燃焼
用途に対して燃焼帯域に所望流量の液体燃料或いは廃棄
物質を供給するオリフィス寸法により決定される。代表
的に、オリフィスを通しての流量はオリフィスの公称断
面積と共に直線的に増加する。一般に、低い粘度におい
ては、小さなオリフィスが所望されそして粘度が高くな
るとより大きなオリフィスが所望される。オリフィスが
小さい方がより細かい噴霧を与えるが、反面噴出量が低
くなる。大きなオリフィス程一層高い噴出量を与える
が、噴霧化が乏しくなる。本発明の実施においては、よ
り細かい噴霧が好ましい。従って、約0.10〜0.6
4mm(0.004〜0.025インチ)範囲の小さめ
のオリフィス寸法が好ましい。約0.18〜0.38m
m(0.007〜0.015インチ)直径のオリフィス
寸法が最も好ましい。しかし、分散した固体粒状物を含
むスプレー混合物に対しては、粒状物がかなりの寸法を
有するなら閉塞を防止するためにスプレーオリフィス寸
法を大きくする方が望ましい。非常に高い燃焼速度を達
成するために、燃焼帯域の異なった位置においての多数
のオリフィスの使用が、単一の非常に大きなオリフィス
寸法を使用するよりも通常好ましい。
【0060】超臨界二酸化炭素を含むスプレー混合物に
より生成するスプレー流量を燃料或いは廃棄物質であり
うる粘稠有機ポリマー組成物を使用して例示することが
できる。組成物は室温において670センチポイズの粘
度を有する。液体スプレー混合物は30重量%溶解超臨
界二酸化炭素を含有しそして50℃の温度及び105kg
/cm2(1500psi)の圧力でスプレーした。スプレ
ー粘度は7〜10センチポイズであった。或る範囲のス
プレーオリフィス寸法に対して代表的なスプレー流量を
表4に呈示する(二酸化炭素を含まない)。
【0061】
【表4】
【0062】これら流量は、約30センチポイズの中間
粘度を有する留出物燃料を使用する従来型式のバーナー
ノズルに対する30〜600g/分の設計容量範囲内に
十分入る。
【0063】液体スプレー混合物の乱流、撹拌流或いは
渦巻き流を促進する装置及び流れ設計もまた本発明の実
施において使用されうる。こうした技術の例としては、
プレオリフィス、ディフューザ、乱流板、絞り、分流器
/合流器、流れ衝突体、スクリーン、邪魔板、ベーン及
び圧力噴霧器及びエアレス・スプレープロセスにおいて
一般に使用されている他の装置を挙げることができる
が、但しこれらに限定されるものではない。
【0064】オリフィスを通して流すに先立って液体ス
プレー混合物をろ過することは、オリフィスを閉塞する
かもしれない大きな粒状物を除去するために所望され
る。これは従来型式の高圧フィルターを使用して為しう
る。フィルター内の流れ通路はスプレーオリフィス寸法
より小さくすべきである。
【0065】本発明の実施において使用されるスプレー
圧力は、液体燃料或いは廃棄物質の性質、使用されてい
る超臨界流体及び液体スプレー混合物の粘度の関数であ
る。最小スプレー圧力は、超臨界流体の臨界圧力か或い
はその僅か下の圧力である。一般に、圧力は350kg/c
m2(5000psi)未満である。好ましくは、スプレ
ー圧力は、超臨界流体の臨界圧力を超え且つ210kg/c
m2(3000psi)未満である。超臨界流体が超臨界
二酸化炭素であるなら、好ましいスプレー圧力は、75
〜210kg/cm2(1070〜3000psi)未満であ
る。最も好ましいスプレー圧力は、84〜175kg/cm2
(1200〜2500psi)の範囲である。
【0066】一般に、液体燃料或いは廃棄物質中への超
臨界流体の溶解度は、圧力が高くなると増加するが、但
し過度に高い圧力はスプレーの乏しい分散をもたらす恐
れがある。スプレー圧力は通常、所望のスプレー特性を
与えるよう調整されそしてスプレーオリフィス寸法は所
望のスプレー流量を与えるように調整される。
【0067】本発明の実施において使用されるスプレー
温度は、液体燃料或いは廃棄物質の性質、使用されてい
る超臨界流体及び液体スプレー混合物における超臨界流
体の濃度の関数である。最小スプレー温度は、超臨界流
体の臨界温度か或いはその僅か下の温度である。最大ス
プレー温度は、液体燃料或いは廃棄物質の臨界温度未満
である。スプレー混合物を超臨界流体の臨界温度を超え
て加熱することは、一層爆発性の噴霧化を生成するのに
所望されるが、過度に高い温度は液体燃料或いは廃棄物
質中への超臨界流体の溶解度を著しく減じる恐れがあ
る。
【0068】超臨界流体が超臨界に酸化炭素であるな
ら、最小スプレー温度は約25℃である。最大温度は液
体燃料或いは廃棄物質の臨界温度未満である。好ましい
スプレー温度は35〜90℃の範囲である。最も好まし
い温度範囲は40〜75℃である。
【0069】本発明において液体燃料或いは廃棄物質を
スプレーする燃焼帯域の環境は、特別に臨界的なもので
はない。燃焼帯域は、燃焼技術の当業者に知られるよう
に、液体燃料或いは廃棄物質の適正な燃焼を与えるに適
正流量の酸素を供給されねばならない。しかし、そこで
の圧力は、液体スプレー混合物の超臨界流体成分を超臨
界状態に維持するのに必要とされる圧力より格段に小さ
くなければならない。好ましくは、燃焼帯域内の圧力
は、それが超臨界流体による激しい噴霧化を促進するよ
うスプレー圧力に比較して低い14kg/cm2(200ps
i)未満である。最も好ましくは、燃焼帯域内の圧力
は、1)最大限の激しい撹拌が得られ、2)燃焼帯域設
備を昇圧に耐えるように建造する必要がなくそして3)
燃焼空気をコスト及びエネルギー消費を増大することに
なる圧縮及び加圧する必要がないように、大気圧或いは
その近傍圧力である。一般に、空気が燃焼を支持するの
に使用されるが、酸素もまた酸素富化空気或いは純酸素
の形で供給されうる。幾つかの用途に対しては、酸素が
好ましいで。
【0070】本発明は、液体スプレーの形成を助成し、
その形状を修正し、燃焼帯域におけるスプレーの分散を
助成しそして/或いはスプレーの燃焼を補助するために
圧縮された気体を使用することができる。大気圧或いは
その近傍での燃焼のために、補助気体は代表的に0.3
5〜5.6kg/cm2(5〜80psi)の範囲の圧力にお
ける圧縮空気でありうるが、圧縮酸素富化空気、酸素或
いはメタンのような気体状燃料ともなしうる。補助気体
は、単数乃至複数の高速気体ジェットとして液体スプレ
ー中に差し向けることができる。補助気体は加熱されう
る。補助空気或いは酸素の流量は、当業者に知られるよ
うに、適正な燃焼のための適正な酸素対燃料比率を与え
るように全体的な空気或いは酸素流量とバランスされね
ばならない。
【0071】ここで図8を参照すると、燃焼帯域或いは
燃焼室内に超臨界条件の稀釈剤の下でスプレーされるス
プレー混合物を形成するように液体燃料或いは廃棄物質
を超臨界状態稀釈剤とともに加圧し、調量し、比率配分
し、加熱しそして混合することのできる装置が示されて
いる。ここでの論議は特に液体燃料を対象としてなされ
るが、決してこれら物質に限定されるものではない。燃
料、溶剤、水のような添加剤及び超臨界流体稀釈剤の任
意の混合物が本発明の具体例の一つとしてのこの方法及
び装置を使用して調製することができる。先に好ましい
ものとして挙げた二酸化炭素、亜酸化窒素、メタン、プ
ロパン及びブタンのような超臨界状態に移行することの
できる任意の稀釈剤がここでの対象となるが、本発明は
これらに限定されるものではない。同じく、論議はエア
レス或いは加圧アトマイザー(噴霧装置)を特に対象と
して言及するが、本発明はこの型式のものに限定される
ものではない。超臨界条件の下で燃料−稀釈剤混合物を
供給される、高圧スチームアトマイザー、エア・アシス
ティッド・エアレスアトマイザー並びに低圧エア・アト
マイジングバーナーのような任意のアトマイジングバー
ナーもまた使用することができる。
【0072】詳しく説明すると、装置系は、高圧燃料ポ
ンプ10及び高圧稀釈剤ポンプ12を含んでいる。燃料
ポンプ10は、タンクのような任意の適当な源(図示な
し)から適当な温度及び粘度条件における液体として液
体燃料を受け取り、そして燃料を所望のスプレー圧力に
給送しそして加圧する。稀釈剤ポンプ12は、超臨界流
体稀釈剤を、好ましくはその蒸気圧において供給される
液体として加圧ボンベ或いはタンクのような任意の適当
な供給源から受け取り、そして稀釈剤を所望のスプレー
圧力に給送しそして加圧する。稀釈剤ポンプ12はま
た、使用される稀釈剤の性質に応じて気体圧縮器或いは
気体ブースターポンプともなしうる。燃料ポンプ10及
び稀釈剤ポンプ12は、一つ以上のポンピングステージ
を収蔵するものとなしうるし或いは供給源に配置される
ブースターポンプとその下流での混合ユニットにおいて
配置される加圧ポンプとのように一つ以上のポンプの組
合せとして構成することもできる。
【0073】燃料ポンプ10からの燃料と稀釈剤ポンプ
12からの稀釈剤とは、混合/加熱室24に流れ、ここ
でそれらは混合されそして所望のスプレー温度にまで加
熱される。加熱は、高圧電気ヒータのような任意の適当
な手段によりまた燃焼から回収される熱を利用する熱交
換器によりなしうる。燃料ポンプ10から受け取られる
燃料の量は、燃料流量計14により計量されそして制御
弁16により制御される。同じく、稀釈剤ポンプ12か
ら受け取られる稀釈剤流体の量は、稀釈剤流量計18に
より計量されそして制御弁20により制御される。稀釈
剤対燃料の比率は電子式比率制御器22により制御され
る。この比率制御器22は、流量計14及び18から電
子信号入力を受け取りそして制御弁16及び20に電子
信号出力を送る。
【0074】混合/加熱室24からの燃料及び超臨界流
体稀釈剤の液体スプレー混合物は、適当な高圧エアレス
・アトマイジング・バーナーノズル26におけるオリフ
ィスを通して従来型式の燃焼室28でありうる燃焼帯域
に噴出され、ここでスプレーした燃料の燃焼が起こる。
バーナーノズル26からの放出に際して、超臨界流体は
噴霧化しそして燃焼室28内の燃焼帯域全体を通して燃
料を分散せしめる。
【0075】操作において、この例ではNo. 6燃料油は
適当な源から約30℃の温度において供給されこれは約
2000センチポイズの粘度において燃料を燃料ポンプ
10に提供する。ポンプにおいて圧力が約105kg/cm2
(1500psi)のスプレー圧力まで増大されそして
燃料は流量計14により測定されそして制御弁16によ
り維持された流量でもって混合/加熱室24に流れる。
制御弁16は、制御器22において初期化された予備設
定値に基づいてそこからの電子信号により適正に位置決
めされている。
【0076】この例では天然ガスからのエタンである稀
釈剤流体は、適当な源からその蒸気圧においてそして2
5℃の周囲圧力において稀釈剤ポンプ12に供給され
る。ここで、圧力が約105kg/cm2(1500psi)
のスプレー圧力まで増大されそしてエタンは制御弁20
により維持されるエタン流量でもって混合/加熱室24
に流入する。制御弁20は、燃料油及び超臨界エタンか
らなるスプレー混合物中に約30重量%エタンを与える
よう設定された電子式比率制御器22からの電子信号に
より位置決めされている。エタン流量は流量計18によ
り測定される。
【0077】2種の流体は、混合/加熱室24における
静的混合器のような適当な混合装置(図示なし)により
完全に混合され、そして約50℃のスプレー温度まで適
当な加熱装置(図示なし)による加熱の下で混合が行わ
れる結果として単相を形成する。
【0078】この例では、説明を簡単にするために、混
合/加熱室24内の圧力は、ポンプ10及び12の流体
吐出圧力にほぼ等しいと仮定されている、即ち燃料及び
稀釈剤が両ポンプからバーナーノズル26まで流れるに
際して圧力降下はほとんど起こらず、ノズル26から混
合物は燃焼室28内部の燃焼帯域に細かく分散された液
滴のスプレーとして噴出されそして燃焼される。
【0079】図8は単一の噴霧用ノズル26を示してい
るが、燃料−超臨界流体稀釈剤液体混合物を燃焼室28
内に噴射するのに複数のノズルを使用することもできる
ことも理解されよう。
【0080】図8に呈示した装置及び方法の具体例にお
いて、随意的なライン組込み式の静的混合器手段乃至他
の型式の混合手段、随意的なフィルター、並びにライン
組込み式の加熱器を混合/加熱室24をノズルに連通す
る導管内に設置することができる。
【0081】本発明のまた別の具体例において、追加的
な流体及び添加剤を適当な供給源、ポンプ、調量手段及
び制御手段を使用して混合室24に添加することができ
る。そうした流体を例示すると、溶剤、触媒及び促進剤
のような燃焼添加剤、空気或いは酸素(高引火点物質を
扱う場合のように早期の燃焼が危険を呈しない条件の下
で)そして所望なら水を挙げることができる。
【0082】装置は好ましくは、更に、ポンプからの吐
出口におけるような高圧部の過剰圧力発生を防止するた
めに圧力逃し弁や自動破裂ディスクのような適当な安全
装置をも具備する。加熱管路はまた、温度を所望のスプ
レー温度より下げる危険のある所望されざる熱損失を防
止するために断熱することが好ましい。
【0083】好ましい具体例において、燃焼生成物は、
燃焼エネルギーの有用な変換を達成する装置に適用され
る。しかし、本発明は、燃料の周囲気体中へのほぼ瞬間
的な蒸発と混合を必要とする或いは所望する任意の装置
に応用しうることが理解されよう。
【0084】本発明の方法及び装置の個々の要素は、市
販入手しうる標準的な機器から、それら物品が所望の結
果を実現しうるかぎり選択されうることもまた理解すべ
きである。
【0085】図9は、本発明を実施するまた別のスプレ
ー装置の概略図であり、これはより好ましい具体例であ
る。この装置は特に、圧縮性の稀釈剤流体を非圧縮性の
液体燃料或いは廃棄物質と一緒に調量するのに特に適合
する。詳しくは、圧縮性超臨界粒体稀釈剤の質量流量が
質量流量計により連続的にそして瞬時的に測定されそし
て信号処理器(プロセッサ)に送られる。信号処理器は
所望の比率における燃料或いは廃棄物質を連続的にそし
て瞬時に計量する調量ポンプを制御する。稀釈剤は、要
求に応じて、好ましくは液体として、図面に全体を10
4として示す稀釈剤剤供給系統から供給される。この供
給系統は、周囲温度における液化圧縮ガスボンベ、冷凍
された液化圧縮ガスボンベ或いはタンク或いはパイプラ
インでありうる。この供給系統は好ましくは、キャビテ
ーションを抑制するために、稀釈剤をスプレー装置への
分配のためにその周囲蒸気圧を超える圧力において供給
するためハスケル社(Haskel Inc. )モデルAGD−1
5のような空気駆動プライマポンプ或いはブースターポ
ンプ(図示なし)を含んでいる。稀釈剤は供給系統10
4からスプレー装置に配置されるハスケル社(Haskel I
nc. )モデルDSF−35のような空気駆動一次ポンプ
112へと給送される。一次ポンプ112は稀釈剤をス
プレー圧力を超える約14〜21kg/cm2(200〜30
0psi)に加圧する。プライマポンプ及び一次ポンプ
112は、所望のポンプ圧に対して必要とされる適正な
空気圧を与えるよう設定された圧力調整器(図示なし)
を通して要求に応じ圧縮空気を供給する空気モータ(図
示なし)により駆動される。ポンプ112は、キャビテ
ーションを回避するために冷凍を必要とすることなく圧
力下の液化気体をポンプ給送するように設計されてい
る。加圧された稀釈剤はその後、スコット(Scott )高
圧調整器モデル51−08−CSのような圧力調整器1
20を使用して所望のスプレー圧力に設定されている定
常流出圧力に調整される。圧力調整器120は、スプレ
ー中に起こる下流圧力における僅かの減少に応答して稀
釈剤を流すことを可能ならしめる。スプレーしていない
ときには、ポンプ112における吐出圧力は圧力調整器
入口及びポンプストールにおける圧力に等しい。マイク
ロモーション社のモデルD6のようなコリオリ型質量流
量計140は稀釈剤の真の質量流量を測定する。稀釈剤
は、逆止弁152を通して液体燃料或いは廃棄物質との
混合地点まで流れる。
【0086】液体燃料或いは廃棄物質(以下、ここでは
燃料と称する)は、図面に100として全体を示される
燃料供給系統から要求に応じて供給される。燃料供給系
統100はタンクとなしえそしてプライマポンプ或いは
ブースターポンプ(比較的低い粘度の燃料に対して所望
される)更には必要ならば分配される粘稠な燃料を予熱
するための設備を含むことができる。燃料は、調量用ギ
ヤポンプ(例えばゼニス社のモデルHMB−5740)
のような精密調量ポンプ110により稀釈剤の測定され
た質量流量に対応する適正な流量においてスプレー圧力
まで計量されそして加圧される。質量流量計140は、
稀釈剤質量流量を測定しそしてその電子式トランシュジ
ューサ(図示してないが、マイクロモーション社の電子
モジュールのようなもの)からの信号を調量ポンプ11
0の作動速度を制御する調量ポンプ電子式比率制御器
(例:ゼニス調量/制御システムモデルQM1726
E)に送る。調量ポンプ110により発生する燃料流量
は、ギヤ式流量計(例:AWカンパニー(AW Company)
社のモデルZHM−02)のような精密流量計により測
定されて、送り出される流量を検知しそして調量ポンプ
制御器122にフィードバック制御を提供する。このフ
ィードバック制御を使用することにより、滑り、摩耗或
いは固形物による詰りが原因となって生じるような調量
ポンプ110におけるポンピング効率の低下が自動的に
修正されそして所望の流量が粘度或いはポンプ圧力の変
化とは無関係に得られる。燃料はその粘度を下げるため
に随意的に高圧ヒータ132(例:ビンクス・エレクト
リック・ヒータモデル42−6401)において予熱さ
れた後、逆止弁150を通して稀釈剤との混合地点まで
流れる。混合地点から、混合された燃料及び稀釈剤は、
ケニックス(Kenics)ミキサのような静的混合器123
を経由してビンクス・エレクトリック・ヒータモデル4
2−6401のような高圧ヒータ124に流れる。この
ヒータは、スプレー混合物を所望のスプレー温度まで加
熱しそして稀釈剤を超臨界粒体としての稀釈剤に変換す
る。所望濃度の超臨界粒体稀釈剤を含みそして所望のス
プレー温度及び圧力にあるスプレー混合物は、噴霧用バ
ーナーノズル126によりスプレーされる。スプレー混
合物は、細かく分散した液滴からなるスプレーとして燃
焼室128内の燃焼帯域に噴射されそして燃焼される。
好ましくは、スプレー装置系は、スプレーをオン−オフ
に切り替えるためにバーナーノズル直前に弁(図示な
し)を備える。
【0087】操作において、例えば二酸化炭素稀釈剤は
二酸化炭素供給系統104から供給される。二酸化炭素
供給系統104は、周囲温度及び58kg/cm2(830ps
ig)の蒸気圧における液化圧縮ガスボンベでもよいし或
いは約−15℃の温度及び21kg/cm2(300psig)の
蒸気圧にある冷凍されたボンベ乃至タンクでもよい。二
酸化炭素は供給系統に配置されたブースターポンプによ
り70kg/cm2(1000psigの圧力に加圧されそして一
次ポンプ112により126kg/cm2(1800psig)に
加圧される。二酸化炭素圧力は、圧力調整器120によ
り105kg/cm2(1500psig)の所望のスプレー圧力
まで減圧されそして質量流量がスプレー中質量流量計1
40により測定される。粘稠な燃料は燃料供給系統10
0から調量ポンプ110に供給され、調量ポンプ110
は30重量%の一定二酸化炭素濃度を与えるべく測定し
た二酸化炭素質量流量に応答しての適正な流量で燃料を
送給する。燃料は、その流量を流量計130により測定
しそして確認した後、その粘度を減じるべくヒータ13
2において約40℃に予熱されそして逆止弁150及び
152間の混合地点において二酸化炭素と混合される。
燃料と二酸化炭素との混合物は、静的混合器123にお
いて混合され、ヒータ124において50℃のスプレー
温度まで加熱されそしてバーナーノズル126によるス
プレーされて燃焼室128において細かい液滴からなる
減圧爆発性のスプレーを形成し、燃焼室において燃焼さ
れる。
【0088】本発明の好ましい形態について記載した
が、本発明の範囲内でここに例示したものとは異なった
方法及び装置を採用しうることは当業者には明かであろ
う。
【図面の簡単な説明】
【図1】2種の粘稠な有機ポリマー混合物に溶解した超
臨界二酸化炭素の当該混合物の粘度への影響を示すグラ
フである。
【図2】本発明に従って溶解超臨界二酸化炭素により生
成した減圧スプレーパターンを示す実際の噴霧液体スプ
レー例の写真である。
【図3】本発明に従って溶解超臨界二酸化炭素により生
成した減圧スプレーパターンを示す実際の噴霧液体スプ
レー例の写真である。
【図4】本発明に従って溶解超臨界二酸化炭素により生
成した減圧スプレーパターンを示す実際の噴霧液体スプ
レー例の写真である。
【図5】本発明に従わない、超臨界流体なしに生成され
た従来型式の液体フィルムスプレーパターンを示す実際
の噴霧液体スプレー例の写真である。
【図6】本発明に従わない、超臨界流体なしに生成され
た従来型式の液体フィルムスプレーパターンを示す実際
の噴霧液体スプレー例の写真である。
【図7】本発明に従わない、超臨界流体なしに生成され
た従来型式の液体フィルムスプレーパターンを示す実際
の噴霧液体スプレー例の写真である。
【図8】超臨界流体及び燃料の混合物を噴霧化及び燃焼
のために調製するプロセスの基本要素を示す概略図であ
る。
【図9】本発明のまた別のスプレー装置を例示する概略
図である。
【符号の説明】
10 燃料ポンプ 12 稀釈剤ポンプ 14 燃料流量計 16 制御弁 18 稀釈剤流量計 20 制御弁 22 比率制御器 24 混合/加熱室 26 バーナーノズル 28 燃焼室 100 燃料供給系統 104 稀釈剤剤供給系統 110 精密調量ポンプ 112 一次ポンプ 120 圧力調整器 122 比率制御器 123 混合器 124 ヒータ 126 バーナーノズル 128 燃焼室 130 流量計 132 ヒータ 140 質量流量計 150、152 逆止弁

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)(i)燃焼させることができる少な
    くとも一種の液体燃料及び(ii)液体燃料と少なくと
    も一部混和し得る少なくとも一種の超臨界流体を含む液
    体混合物を密閉系において形成し、b)該液体混合物を
    該液体燃料の燃焼を続けることができる雰囲気中に噴霧
    することを含む可燃性液体スプレー混合物の形成方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも一種の超臨界流体を十分な量
    で加えて液体混合物の粘度をスプレー燃焼に適した点に
    させる請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 液体混合物中の超臨界流体の量が液体混
    合物の全重量を基準にして10〜60重量%の範囲であ
    る請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 液体混合物を噴霧して平均直径1〜30
    0ミクロンを有する液滴を形成する請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 液体燃料が石油製品である請求項1の方
    法。
  6. 【請求項6】 液体燃料が固体粒状可燃性物質を含有す
    る請求項1の方法。
  7. 【請求項7】 液体燃料が液状有機廃棄物質である請求
    項1の方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも一種の超臨界流体を二酸化炭
    素、亜酸化窒素、二酸化硫黄、アンモニア、メチルアミ
    ン、キセノン、クリプトン、メタン、エタン、エチレ
    ン、プロパン、プロピレン、ブタン、ブテン、ペンタ
    ン、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチ
    ルエーテル、ホルムアルデヒド、クロロトリフルオロメ
    タン、モノフルオロメタン、塩化メチル、シクロペンタ
    ン及びこれらの混合物からなる群より選ぶ請求項1の方
    法。
  9. 【請求項9】 液体混合物を減圧スプレーとして噴霧す
    る請求項1の方法。
  10. 【請求項10】 a)燃焼させることができる少なくと
    も一種の液体燃料を供給する手段;b)少なくとも一種
    の超臨界流体を供給する手段;c)手段a)及びb)に
    より供給する成分の液体混合物を形成する手段:並びに
    d)液体混合物を加圧下でオリフィスを通して燃焼を続
    けることができる雰囲気に噴霧する手段を組み合わせて
    含む少なくとも一種の超臨界流体を含有する液体燃料を
    スプレー燃焼する装置。
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