JPH05302230A - 網状繊維構造物 - Google Patents

網状繊維構造物

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JPH05302230A
JPH05302230A JP4131646A JP13164692A JPH05302230A JP H05302230 A JPH05302230 A JP H05302230A JP 4131646 A JP4131646 A JP 4131646A JP 13164692 A JP13164692 A JP 13164692A JP H05302230 A JPH05302230 A JP H05302230A
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JP
Japan
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fiber
strength
reticulated
fibers
network
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Application number
JP4131646A
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English (en)
Inventor
Hiromitsu Kimura
裕光 木村
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Kanebo Ltd filed Critical Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維強化複合材料の強化材として用いた場
合、母材マトリックスとの付着性に優れ、初期ひび割れ
強度が高い。補強用の繊維が本来有する機械的特性が充
分に発揮する。 【構成】 網状織物又は網状組布を、合成樹脂で固定化
した網状繊維構造物である。前記網状繊維構造物を構成
する繊維の少なくとも一方向のものは、高強度繊維のか
さ高加工糸または高強度繊維とかさ高加工糸とを組み合
わせた繊維からなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維構造物に係り、更に
詳しくは、屋根、壁、床、ピットの天蓋等に使用する繊
維強化無機質成形体の補強材に好適な繊維構造物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維強化無機質成形体に使用する
補強用繊維構造体として、種々の提案がなされている。
例えば連続繊維を一方向又は二方向にある間隔で配列し
たもの、あるいは各種のチョップド繊維をランダムに配
列したもの等である。
【0003】繊維強化無機質成形体は、補強材である繊
維と母材マトリックスである無機質材料との付着強度が
充分でなければ、抜けが起きやすく補強材の強度に見合
った補強効果を得ることができない。このことは、高強
度の補強材あるいは繊維束を使用する場合に特に重要で
ある。例えば80kgf/mm2 程度の強度の低い炭素繊維を
短繊維状のモノフィラメントにして使用する場合には、
繊維の表面積が繊維の断面積に比べて大きいため、引張
応力が付加された際、繊維が破断するまで補強効果を発
揮することができるが、高強度の繊維または繊維束を使
用する場合には、繊維が抜けて補強用繊維が本来持って
いる引張特性に見合う補強効果を得ることができない。
【0004】上記問題点を解決するため、特開昭63−
11045号公報及び特開昭63−22636号公報
に、高強度連続繊維を搦織とした後、樹脂を含浸処理し
た繊維網状体が提案されている。しかしながら、この繊
維網状体はマトリックスとの付着性が充分でなく、補強
用の繊維の特性、即ち引張強度,弾性率等を充分生かす
ことができない。このため、得られる繊維強化複合材料
は、初期ひび割れ強度が低く、しかもひび割れの大きさ
及び間隔が大きいものとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の事情
に鑑みなされたものであって、本発明の目的とするとこ
ろは、繊維強化複合材料の補強材としてに用いた場合
に、母材マトリックスとの付着性が優れ、初期ひび割れ
強度が高く、ひび割れの大きさ及びその間隔が小さく、
補強用繊維が本来有する機械的特性を充分に発揮しうる
繊維構造物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の網状構造物は、
網状織物又は網状組布を合成樹脂で処理し固定化した繊
維構造物であって、前記繊維構造物を構成する繊維の少
なくとも一方向のものは、高強度繊維のかさ高加工糸あ
るいは高強度繊維とかさ高加工糸とを組み合わせた高強
度混合繊維からなるものであることを特徴とするもので
ある。
【0007】本発明に用いられる高強度繊維とは、公知
の補強用に使用されている繊維であれば特に限定される
ものではなく、例えば炭素繊維、アラミド繊維、液晶ポ
リマー繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ガラス繊
維、高強力ビニロン繊維等を挙げることが出来る。
【0008】本発明に使用されるかさ高加工糸とは、公
知の適宜な方法によって加工され、ループ状,コイル
状,ジグザグ状等のクリンプを形成した繊維である。単
独で使用する場合は前述の様な高強度繊維をかさ高加工
した繊維を用いる必要があるが、高強度繊維と組み合わ
せて使用する場合には、高強度繊維のかさ高加工したも
のを用いることが好ましいが、そうでなくてもよい。か
さ高加工の方法としては、空気の噴射によって繊維を乱
し、単繊維にランダム状にループ状のクリンプを形成さ
せる空気噴射法のほか、例えば押込法、擦過法、賦形法
等の方法を挙げることができるが、本発明においては、
大きなループ状のクリンプが得られる点で空気噴射法に
よるのが好適である。。
【0009】図2は、空気噴射法によって得られた、本
発明に係るかさ高加工糸の一実施態様を示す平面図であ
り、図3はその断面形状を示す断面図である。ループ状
のクリンプ2の長さは、好ましくは1〜10mm、より
好ましくは2〜5mmであり、オーバーフィード量は好
ましくは10〜300%、より好ましくは50〜100
%である。
【0010】本発明の網状繊維構造物は、織物又は組布
を基本構造とするものであって、それを構成する繊維と
して一方向または二方向以上に、高強度繊維のかさ高加
工糸を用いるか、あるいは高強度繊維と前記かさ高加工
糸とを組み合わせた高強度混合繊維を用いたものであ
る。両者を組み合わせる方法としては、単に引き揃える
方法あるいは合撚する方法等がある。尚、本発明におい
て組布(ソフ)とは、織物と違って織機を用いず、一方
向に引き揃えた糸群とそれとは異なる方向に引き揃えた
糸群とを重ね合わせて接着剤で固定した布状の不織布の
ことである。
【0011】本発明において網状織物としては、例えば
2軸搦織物、3軸織物、3次元織物等を挙げることがで
き、また網状組布としては、例えば2軸、3軸、4軸の
積層布を挙げることができる。網状織物又は組布の目開
きは適宜設定すればよいが、通常は2mm以上、好まし
くは5〜20mmの範囲が実用的である。
【0012】本発明の繊維構造物を構成する繊維の交点
を固定化するための樹脂としては、例えばエポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の溶剤
使用の熱硬化性樹脂が好ましく、その他、成形体として
の強度は弱くなるがコストの点で有利である、酢酸ビニ
ル・エチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸エ
ステル、塩化ビニル等の水分散系の熱可塑性樹脂を用い
てもよい。
【0013】本発明の網状繊維構造物は、例えば次の様
にして製造することができる。即ち、まず高強度繊維を
空気噴射法等によってかさ高加工糸となす。次に、得ら
れたかさ高加工糸又はかさ高加工糸と高強度繊維とを組
み合わせた繊維を少なくとも一方向、必要に応じ二方向
以上に使用して、網状織物あるいは網状組布となし、こ
れに樹脂の溶液又は分散液を付着せしめた後、乾燥ある
いは熱処理して、繊維の交点を固定化すればよい。
【0014】
【作用】本発明の網状繊維構造物を形成する高強度混合
繊維の表面には、かさ高加工糸の有するたくさんのクリ
ンプが形成されており、このクリンプが母材マトリック
スと強固に結合するため、本発明の網状繊維構造物を補
強繊維に用いた繊維強化複合材料は、補強用の繊維と母
材マトリックスとの付着力が極めて良好となる。
【0015】
【実施例】
実施例1 240デニールのビニロン繊維を芯にして、同じ240
デニールのビニロン繊維2本をオーバーフィード量70
%でかさ高加工してループ長さが2〜3mmのかさ高加
工糸を得た。得られたかさ高加工糸を2本づつ引き揃え
た繊維を経糸及び緯糸に使用し、更に240デニールの
ビニロン繊維を経糸に絡ませて、織り密度が2.5本/
25mmの図1に示す様な搦織物を得た。
【0016】この搦織物を、酢酸ビニル・エチレン共重
合体(商品名;モルパック、菊水化学工業社製)の60
%溶液に浸漬し絞液したのち、120℃で乾燥して網状
繊維構造物を製造した。
【0017】得られた網状繊維構造物をセメントモルタ
ルに埋設し、たて100mm,よこ250mm,厚さ2
0mmの大きさの繊維強化セメント(以下「FRC」と
略記する)を製造した。網状繊維構造物はFRCの下端
より2mmの位置に配した。このFRCは、セメントとし
て普通ポルトランドセメントを、細骨材として川砂を使
用し、水/セメントの重量比は2:5、セメント/砂の
重量比は1:2で、高性能減水剤をセメントの1.0重
量%使用し、更に20℃の水中で28日間養生して製造
した。
【0018】得られたFRCを、網状繊維構造体が下に
くるようにして、スパン長200mm,載荷速度2mm
/分で3点曲げ試験を行い、初期ひび割れ強度を求め
た。結果は、表1に示す通りであった。
【0019】比較例1 実施例1において使用したかさ高加工糸に代えて、24
0デニールの通常のビニロン繊維3本を引き揃えた糸を
2束づつまとめた繊維を経糸及び緯糸に用いた以外は実
施例1と同様にして搦織物を製造した。次いで実施例1
と同様にして網状繊維構造物となし、更にFRCを製造
した。このものについて、実施例1と同様にして3点曲
げ試験を行い、初期ひび割れ強度を求めた。結果は、表
1に示す通りであった。また、ひび割れの大きさ及びそ
の間隔は実施例1よりも大きいものであった。
【0020】
【表1】
【0021】実施例2 実施例1で得たビニロン繊維のかさ高加工糸と3000
デニールのアラミド繊維(商品名:テクノーラ、帝人
〔株〕製)とを90回/mで合撚して高強度混合繊維を
得た。次に、この高強度混合繊維を経糸及び緯糸に使用
した以外は実施例1と同様にして搦織物を得た。次いで
実施例1と同様にして網状繊維構造物となし、更にFR
Cを製造した。このものについて、実施例1と同様にし
て3点曲げ試験を行い、初期ひび割れ強度を求めた。結
果は、表2に示す通りであった。
【0022】比較例2 実施例2において用いたかさ高加工糸に代えて、かさ高
加工していない240デニールのビニロン繊維を3本引
き揃えた繊維使用した以外は実施例2と同様にして高強
度混合繊維を得た。次に、この高強度混合繊維を経糸及
び緯糸に使用する以外は実施例1と同様にして搦織物を
得た。次いで実施例1と同様にして網状繊維構造物とな
し、更にFRCを製造した。このものについて、実施例
1と同様にして3点曲げ試験を行い、初期ひび割れ強度
を求めた。結果は、表2に示す通りであった。また、ひ
び割れの大きさ及びその間隔は実施例2よりも大きいも
のであった。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明の網状繊維構造物はかさ高加工糸
を使用しているため、これを繊維強化複合材料の強化材
とした場合、母材マトリックスとの付着力が優れてい
る。このため、構成繊維の本来有する機械的強度が充分
発揮され、機械的物性に極めて優れた繊維強化複合材料
を得ることができる。従って、本発明の網状繊維構造物
を用いた複合材料は、従来品に比べ初期ひび割れ強度が
向上し、ひび割れの大きさ及びその間隔が小さいものと
なる。
【0025】また、本発明の網状繊維構造物は、上述の
如き特徴を有するため、土との摩擦抵抗が大きく、土質
改良用の所謂ジオテキスタイルとしても好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の網状繊維構造物の一実施例を説明する
平面図。
【図2】本発明に係るかさ高加工糸の一実施態様の外観
を説明する拡大平面図。
【図3】図2に示したかさ高加工糸の断面を説明する拡
大断面図。
【符号の説明】
1 かさ高加工糸 2 ループ状クリンプ 3 芯糸 4 ビニロン繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04C 5/07 8504−2E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 網状織物又は網状組布を合成樹脂で処理
    し固定化した繊維構造物であって、前記繊維構造物を構
    成する繊維は、高強度繊維のかさ高加工糸からなるもの
    であることを特徴とする網状繊維構造物。
  2. 【請求項2】 網状織物又は網状組布を合成樹脂で処理
    し固定化した繊維構造物であって、前記繊維構造物を構
    成する繊維の少なくとも一方向のものは、高強度繊維と
    かさ高加工糸とを組み合わせた高強度混合繊維からなる
    ものであることを特徴とする網状繊維構造物。
JP4131646A 1992-04-24 1992-04-24 網状繊維構造物 Pending JPH05302230A (ja)

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JP4131646A JPH05302230A (ja) 1992-04-24 1992-04-24 網状繊維構造物

Applications Claiming Priority (1)

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JP4131646A JPH05302230A (ja) 1992-04-24 1992-04-24 網状繊維構造物

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ID=15062926

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JP (1) JPH05302230A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999028541A1 (en) * 1997-12-03 1999-06-10 Ppg Industries Ohio, Inc. Novel fiber glass based geosynthetic material
CN109594169A (zh) * 2017-09-30 2019-04-09 无锡市振基土工材料有限公司 一种高强度土工布及其制备方法
JP2020500804A (ja) * 2016-09-28 2020-01-16 ノボノボン ザートケルエン ムケド レースベニュタールシャシャーグ 自己凝固性ペースト状材料の強度を増大させる補強要素

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WO1999028541A1 (en) * 1997-12-03 1999-06-10 Ppg Industries Ohio, Inc. Novel fiber glass based geosynthetic material
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