JPH05311536A - 網状繊維構造物 - Google Patents

網状繊維構造物

Info

Publication number
JPH05311536A
JPH05311536A JP4136196A JP13619692A JPH05311536A JP H05311536 A JPH05311536 A JP H05311536A JP 4136196 A JP4136196 A JP 4136196A JP 13619692 A JP13619692 A JP 13619692A JP H05311536 A JPH05311536 A JP H05311536A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
fibers
strength
reticulated
yarn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4136196A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromitsu Kimura
裕光 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanebo Ltd filed Critical Kanebo Ltd
Priority to JP4136196A priority Critical patent/JPH05311536A/ja
Publication of JPH05311536A publication Critical patent/JPH05311536A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維強化複合材料の強化材として用いた場
合、母材マトリックスとの付着性に優れ、初期ひび割れ
強度が高い。補強用の繊維が本来有する機械的特性を充
分発揮することができる。 【構成】 網状織物又は網状組布を、合成樹脂で固定化
した網状繊維構造物である。前記網状繊維構造物を構成
する繊維の少なくとも一方向のものは、高強度繊維の表
面に短繊維を電気植毛した電気植毛糸からなることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維構造物に係り、更に
詳しくは、屋根、壁、床、ピットの天蓋等に使用する繊
維強化無機質成形体の補強材に好適な繊維構造物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維強化無機質成形体に使用する
補強用繊維構造体として、種々の提案がなされている。
例えば連続繊維を一方向又は二方向にある間隔で配列し
たもの、あるいは各種のチョップド繊維をランダムに配
列したもの等である。
【0003】繊維強化無機質成形体は、補強材である繊
維と母材マトリックスである無機質材料との付着強度が
充分でなければ、抜けが起きやすく補強材の強度に見合
った補強効果を得ることができない。このことは、高強
度の補強材あるいは繊維束を使用する場合に特に重要で
ある。例えば80kgf/mm2 程度の強度の低い炭素繊維を
短繊維状のモノフィラメントにして使用する場合には、
繊維の表面積が繊維の断面積に比べて大きいため、引張
応力が付加された際、繊維が破断するまで補強効果を発
揮することができるが、高強度の繊維または繊維束を使
用する場合には、繊維が抜けて補強用繊維が本来持って
いる引張特性に見合う補強効果を得ることができない。
【0004】上記問題点を解決するため、特開昭63−
11045号公報及び特開昭63−22636号公報
に、高強度連続繊維を搦織とした後、樹脂を含浸処理し
た繊維網状体が提案されている。しかしながら、この繊
維網状体はマトリックスとの付着性が充分でなく、初期
ひび割れ強度が低く、しかも、ひび割れの大きさ及び間
隔が大きいため変形量が大きく、ひいては補強材の繊維
の特性、即ち引張強度,弾性率等を充分生かすことがで
きないものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の事情
に鑑みなされたものであって、本発明の目的とするとこ
ろは、繊維強化複合材料に用いた場合に、補強材と母材
マトリックスとの付着性が優れ、初期ひび割れ強度が高
く、ひび割れの大きさ及びその間隔が小さく、補強用繊
維が本来有する機械的特性を充分に発揮しうる繊維構造
物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の網状構造物は、
網状織物又は網状組布を合成樹脂で処理し固定化した繊
維構造物において、前記繊維構造物を構成する少なくと
も一方向の繊維が、高強度繊維の表面に短繊維を電気植
毛した電気植毛糸からなるもの、あるいは電気植毛糸と
高強度繊維とを組み合わせた繊維からなるものであるこ
とを特徴とするものである。
【0007】本発明の網状繊維構造物は、織物又は組布
であって、それを構成する繊維としては、電気植毛糸を
そのまま用いてもよいが、電気植毛糸と高強度繊維とを
組み合わせた繊維であってもよい。両者を組み合わせる
方法としては、合撚する方法あるいは引き揃える方法等
を挙げることができる。電気植毛糸と組み合わせる高強
度繊維としては、該電気植毛糸の芯糸に用いたのと同じ
種類の繊維であっても異なる種類の繊維であってもよ
い。尚、本発明において組布(ソフ)とは、織物と違っ
て織機を用いず一方向に引き揃えた糸群とそれとは異な
る方向に引き揃えた糸群とを重ね合わせて接着剤で固定
した布状の不織布のことである。
【0008】本発明に用いられる高強度繊維とは、公知
の補強用に使用されている繊維であれば特に限定される
ものではなく、例えば炭素繊維、アラミド繊維、液晶ポ
リマー繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ガラス繊
維、高強力ビニロン繊維等を挙げることができる。
【0009】本発明に使用される電気植毛糸とは、正又
は負に帯電し且つ表面に接着剤を塗布した上記高強度繊
維からなる芯糸(被植毛糸)に、反対の電極に帯電した
短繊維を、静電力によって吸着植毛して芯糸の周囲に短
繊維を放射状に植えたものである。上記芯糸は、モノフ
ィラメントでもマルチフィラメントであってもよく、ま
た繊維を引き揃えたものでも合撚したものであってもよ
い。また、植毛する短繊維は高強度繊維が好ましく、芯
糸と同じ種類の繊維であっても異なる種類の繊維であっ
てもよい。
【0010】図2は、本発明に係る電気植毛糸の一実施
態様の断面形状を説明する断面図である。電気植毛する
短繊維2の長さは、好ましくは1〜20mm、更に好ま
しくは2〜10mmであり、その太さは芯糸1にしっか
りと植毛固定化されるものであれば特に限定されるもの
ではない。また芯糸の表面に塗布する接着剤としては、
例えば酢酸ビニル、酢ビ・アクリル共重合物、酢ビ・塩
ビ共重合物、ポリアクリル酸エステル、アクリル・塩ビ
共重合物、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0011】本発明において網状織物としては、例えば
2軸搦織物、3軸織物、3次元織物等を挙げることがで
き、中でも搦織物が好適である。また網状組布として
は、例えば2軸、3軸、4軸の積層布を挙げることがで
きる。網状織物又は組布の目開きは適宜設定すればよい
が、通常は2mm以上、好ましくは5〜20mmの範囲
が実用的である。
【0012】本発明の繊維構造物を構成する繊維の交点
を固定化するための樹脂としては、例えばエポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の溶剤
使用の熱硬化性樹脂が好ましく、その他、成形体として
の強度は弱くなるがコストの点で有利である、酢酸ビニ
ル・エチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸エ
ステル、塩化ビニル等の水分散系の熱可塑性樹脂を用い
てもよい。
【0013】本発明の網状繊維構造物を製造する方法と
しては、例えば、まず高強度繊維の周囲に短繊維を電気
植毛し、得られた電気植毛糸または該電気植毛糸と高強
度繊維とを組み合わせた繊維を一方向、好ましくは二方
向以上に使用して網状織物あるいは網状組布となし、こ
れに樹脂の溶液又は分散液を付着せしめた後、乾燥ある
いは熱処理して、繊維の交点を固定化する方法、あるい
は高強度繊繊維を少なくとも一方向に使用して予め網状
織物又は網状組布を作成したのち、得られた織物又は組
布に対し短繊維を電気植毛し、これに樹脂の溶液又は分
散液を付着せしめた後、乾燥あるいは熱処理して、繊維
の交点を固定化する方法等を挙げることができる。
【0014】
【作用】本発明の網状繊維構造物を形成する電気植毛し
た高強度繊維には、その表面に多数の短繊維が放射状に
植毛されているので、この短繊維が形成する凹凸形状が
母材マトリックスとの結合を強固にするため、本発明の
網状繊維構造物を用いた繊維強化複合材料は、補強用の
高強度繊維と母材マトリックスとの付着力が極めて良好
となる。
【0015】
【実施例】
実施例1 芯糸として3000デニールのアラミド繊維(商品名:
テクノーラ、帝人〔株〕製)を使用し、接着剤として酢
ビ・アクリル共重合樹脂を用い、この芯糸に15デニー
ルのビニロン繊維を3mmの長さにカットした短繊維を
電気植毛した。次に得られた電気植毛糸を経糸及び緯糸
に用い、且つ経糸には240デニールのビニロン繊維を
絡ませて、織り密度が2.5本/25mmの搦織物を得
た。
【0016】この搦織物を、酢酸ビニル・エチレン共重
合体(商品名;モルパック、菊水化学工業社製)の60
%溶液に浸漬し絞液したのち、120℃で乾燥して本発
明の網状繊維構造物を製造した。
【0017】得られた網状繊維構造物をセメントモルタ
ルに埋設し、繊維強化セメント(以下「FRC」と略記
する)を製造した。網状繊維構造物はFRCの下端より
2mmの位置に配した。このFRCは、セメントとして
普通ポルトランドセメントを、細骨材として川砂を使用
し、水/セメントの重量比は2:5、セメント/砂の重
量比は1:2で、高性能減水剤をセメントの1.0重量
%使用し、更に20℃の水中で28日間養生して製造し
た。これの寸法は、たて100mm,よこ250mm,
厚さ20mmであった。
【0018】得られたFRCを、網状繊維構造体が下に
くるようにして、スパン長200mm,載荷速度2mm
/分で3点曲げ試験を行い、初期ひび割れ強度を求め
た。結果は、表1に示す通りであった。
【0019】実施例2 芯糸として1000デニールのビニロン繊維を使用し、
接着剤として酢ビ・アクリル共重合樹脂を用い、この芯
糸に15デニールのビニロン繊維を3mmの長さにカッ
トした短繊維を電気植毛した。得られた電気植毛糸と3
000デニールのアラミド繊維(商品名:テクノーラ、
帝人〔株〕製)とを引き揃えて高強度混合繊維を得た。
次にこの高強度混合繊維を経糸及び緯糸に用い、且つ経
糸には240デニールのビニロン繊維を絡ませて、織り
密度が2.5本/25mmの搦織物を得た。
【0020】次いで実施例1と同様にして網状繊維構造
物となし、更にFRCを製造した。このものについて、
実施例1と同様の3点曲げ試験を行い、初期ひび割れ強
度を求めた。結果は、表1に示す通りであった。
【0021】比較例1 実施例1において使用した電気植毛糸に代えて、電気植
毛を施していないアラミド繊維を用いた以外は実施例1
と同様にして搦織物を製造し、次いで実施例1と同様に
して網状繊維構造物となし、更にFRCを製造した。こ
のものについて、実施例1と同様の3点曲げ試験を行
い、初期ひび割れ強度を求めた。結果は、表1に示す通
りであった。また、ひび割れの大きさ及びその間隔は実
施例1よりも大きかった。
【0022】
【表1】
【0023】実施例3 実施例2で用いた高強度混合繊維に代えて、実施例2で
用いた電気植毛糸とアラミド繊維とを90回/mで合撚
した高強度繊維を使用した以外は実施例2と同様にして
搦織物を製造し、次いで実施例1と同様にして網状繊維
構造物となし、更にFRCを製造した。このものについ
て、実施例1と同様の3点曲げ試験を行い、初期ひび割
れ強度を求めた。結果は、表2に示す通りであった。
【0024】比較例2 実施例3において使用した電気植毛糸に代えて、電気植
毛を施していない1000デニールのビニロン繊維を用
い、実施例3で用いたアラミド繊維と合撚して高強度混
合繊維を得た以外は実施例3と同様にして搦織物を製造
し、次いで実施例1と同様にして網状繊維構造物とな
し、更にFRCを製造した。このものについて、実施例
1と同様の3点曲げ試験を行い、初期ひび割れ強度を求
めた。結果は、表2に示す通りであった。また、ひび割
れの大きさ及びその間隔は実施例3よりも大きかった。
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明の網状繊維構造物は、電気植毛し
た繊維から構成されているため、繊維強化複合材料に用
いた場合、母材マトリックスとの付着力に優れており、
このため構成繊維の本来有する機械的強度が充分に発揮
され、機械的物性の極めて優れた繊維強化複合材料を得
ることができる。従って、本発明の網状繊維構造物を用
いた複合材料は、従来品に比べ初期ひび割れ強度が向上
し、ひび割れの大きさ及びその間隔も小さいものとな
る。
【0027】また、本発明の網状繊維構造物は、上述の
如き特徴を有するため、土壌中に埋設した場合、土との
摩擦抵抗が大きいため、土質改良用の所謂ジオテキスタ
イルとしても好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の網状繊維構造物の一実施例を示す平面
説明図。
【図2】本発明に係る電気植毛糸の一実施態様の断面形
状を説明する断面図。
【符号の説明】
1 芯糸 2 短繊維(ビニロン繊維) 3 ビニロン繊維

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 網状織物又は網状組布を合成樹脂で処理
    し固定化した繊維構造物において、前記繊維構造物を構
    成する少なくとも一方向の繊維が、高強度繊維の表面に
    短繊維を電気植毛した電気植毛糸からなるものであるこ
    とを特徴とする網状繊維構造物。
  2. 【請求項2】 網状織物又は網状組布を合成樹脂で処理
    し固定化した繊維構造物において、前記繊維構造物を構
    成する少なくとも一方向の繊維が、高強度繊維と電気植
    毛糸とを組み合わせた繊維からなるものであることを特
    徴とする網状繊維構造物。
JP4136196A 1992-04-28 1992-04-27 網状繊維構造物 Pending JPH05311536A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4136196A JPH05311536A (ja) 1992-04-28 1992-04-27 網状繊維構造物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4136196A JPH05311536A (ja) 1992-04-28 1992-04-27 網状繊維構造物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05311536A true JPH05311536A (ja) 1993-11-22

Family

ID=15169591

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4136196A Pending JPH05311536A (ja) 1992-04-28 1992-04-27 網状繊維構造物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05311536A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0990626A1 (de) * 1998-09-28 2000-04-05 Vitrulan Textilglas GmbH Kunststoffbeschichtetes Glas-Gittergewebe und Verfahren zu seiner Herstellung
JP2003027349A (ja) * 2001-07-16 2003-01-29 Sakai Composite Kk 補強用繊維織物
KR101224387B1 (ko) * 2012-05-29 2013-01-21 한국통산주식회사 방오 성능을 향상시키는 3d 플로킹 타입 어망의 제조방법 및 이 방법에 의해 제조된 어망

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0990626A1 (de) * 1998-09-28 2000-04-05 Vitrulan Textilglas GmbH Kunststoffbeschichtetes Glas-Gittergewebe und Verfahren zu seiner Herstellung
JP2003027349A (ja) * 2001-07-16 2003-01-29 Sakai Composite Kk 補強用繊維織物
KR101224387B1 (ko) * 2012-05-29 2013-01-21 한국통산주식회사 방오 성능을 향상시키는 3d 플로킹 타입 어망의 제조방법 및 이 방법에 의해 제조된 어망

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1210683A (en) Non-woven reinforcement for composite
US3903879A (en) Fibre reinforcing composites
EP0417612A2 (en) Filament-reinforced resinous structural rod
JP4262461B2 (ja) 補強用不織基布および補強方法
US3599679A (en) Inextensible filamentary structure and fabrics woven therefrom
JP2001073241A (ja) 複合強化原糸又は紐と、これを用いた編成物及び複合材料並びにその製法と構造体
JPH05311536A (ja) 網状繊維構造物
WO1994011590A1 (en) Fiber-reinforced plastic rod and method of manufacturing the same
GB2104996A (en) Hose
JP2001226849A (ja) 補強用織物
US5180633A (en) Composite textile material capable of being employed for resin reinforcement
JP3214648B2 (ja) 補強用メッシュ織物プリプレグ、メッシュ状繊維強化プラスチックおよび繊維強化セメント系材料
JPH05302230A (ja) 網状繊維構造物
JPH10317247A (ja) 補強用扁平糸織物
JPS6312785A (ja) 棒材
JPH0474494B2 (ja)
JPS6366362A (ja) 補強用基布
GB2266322A (en) Thermoplastic composite material
JPH1143839A (ja) 一方向性補強織物および補修または補強方法
JPH0138904B2 (ja)
JP2009228160A (ja) 補修補強用からみ織物および複合材料
KR101730935B1 (ko) 구조물 보강용 고기능 섬유시트
JP2004115995A (ja) 複合強化原糸を用いた編成物
JPH08390Y2 (ja) 無機質材料の補強用メッシュ織物
JPH03180561A (ja) セメントモルタル補強用炭素繊維網状体及びモルタル成形体