JP2001226849A - 補強用織物 - Google Patents

補強用織物

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JP2001226849A JP2000031659A JP2000031659A JP2001226849A JP 2001226849 A JP2001226849 A JP 2001226849A JP 2000031659 A JP2000031659 A JP 2000031659A JP 2000031659 A JP2000031659 A JP 2000031659A JP 2001226849 A JP2001226849 A JP 2001226849A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】効率よく簡単に施工でき、かつコンクリート表
面の補助ならびに補強に適した安価な補強用織物を提供
する。 【解決手段】補強繊維糸からなるたて糸とよこ糸がメッ
シュ状に配列され、前記配列された補強繊維糸間にたて
糸補助糸およびよこ糸補助糸が配列されて組織されてい
ることを特徴とする補強用織物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複合材の補強基材と
して使用される補強用織物に関し、とくにハンドレイア
ップ成形によりコンクリート構造体の表面に貼り付けて
補強するに最適な補強用織物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、コンクリートの中性化によりコン
クリート表面が劣化し、高架橋のコンクリート面が剥落
する事故が生じている。
【0003】その対策として、例えばコンクリート面の
炭素繊維を含む繊維強化プラスチックを接着する補強方
法が採られている。
【0004】この方法は、補強効果も高く、耐久性にも
優れ、また補強作業も簡単であることことから広く用い
られている。
【0005】繊維強化プラスチックをコンクリート面に
接着させる工法は地震対策のための橋脚補強や、交通量
増大による床版補強で行われていたが、コンクリート面
の剥落防止については、コンクリート片が落下するの防
げばよいことから繊維強化プラスチックを構成する炭素
繊維は僅かな量で十分であることから、低目付の炭素繊
維織物が要求されている。
【0006】しかしながら、低目付の炭素繊維織物は、
糸値の高い細い炭素繊維糸で構成されているために非常
に高価な織物となり、補強工事費が高くなる問題があっ
た。
【0007】一方、炭素繊維は太い糸ほど安価であるこ
とから、太い炭素繊維糸で低目付織物を得ようとする
と、織糸間隔の大きなメッシュ織物となるためにたて糸
とよこ糸の交錯による拘束力が無く、非常にルーズな織
物で取扱い性が悪くてコンクリート面に炭素繊維糸を真
っ直ぐな状態で接着させることが出来ず、炭素繊維の有
する高強度を十分に発揮させることができないし、また
貼り付け作業に時間を要する問題がある。
【0008】メッシュ織物において、たて糸とよこ糸の
交点での拘束力を得る手段として、絡み織や、模紗織な
どが提案されているが、たて糸とよこ糸の交点において
はたて糸とよこ糸の拘束力によって保持されているが、
たて糸とよこ糸の交点間においては炭素繊維束が単独で
長く延びているだけであるからその部分は剛性がなく、
織物として変形し易いものである。
【0009】ハンドレイアップで成形するコンクリート
の補強用としては使いづらい織物であり、取扱い性の優
れた安価な織物の提供が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の上述した問題点を解決し、効率よく簡単に施工でき、
かつコンクリート表面の補修ならびに補強に適した安価
な補強用織物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、以下の構成からなる。すなわち、 (1)補強繊維糸からなるたて糸とよこ糸がメッシュ状
に配列され、前記配列された補強繊維糸間にたて糸補助
糸およびよこ糸補助糸が配列されて組織されていること
を特徴とする補強用織物。
【0012】(2)前記補強繊維糸が7〜30mmの間
隔で配列されてなることを特徴とする前記(1)記載の
補強用織物。
【0013】(3)前記補強繊維糸の太さが150〜7
000Texであることを特徴とする前記(1)または
(2)に記載の補強用織物。
【0014】(4)前記補強繊維糸の間に配列する補助
糸は、太さが20〜200Texからなることを特徴と
する前記(1)〜(3)のいずれかに記載の補強用織
物。
【0015】(5)前記補強繊維糸の間に配列する補助
糸が1〜3本であり、前記補強繊維糸と補助糸とが平織
組織で一体化されていることを特徴とする前記(1)〜
(4)のいずれかに記載の補強用織物。
【0016】(6)織物の目付が70〜500g/m2
であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか
に記載の補強用織物。
【0017】(7)前記補強繊維糸が炭素繊維、ポリア
ラミド繊維、ガラス繊維から選ばれた繊維であることを
特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の補強
織物。
【0018】(8)前記補助糸がガラスヤーンであるこ
とを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の
補強織物。
【0019】(9)前記補助糸に低融点熱可塑性ポリマ
ーが付着して、補助糸と交錯するたて糸および/または
よこ糸の交点で接着されていることを特徴とする前記
(1)〜(8)のいずれかに記載の補強用織物。
【0020】(10)前記補助糸はガラスヤーンに低融
点ポリマー糸が被覆された状態で溶融されて、ガラスヤ
ーンの周りに付着してなるものであることを特徴とする
前記(1)〜(8)のいずれかに記載の補強用織物。
【0021】(11)前記(1)〜(10)のいずれか
に記載の補強用織物を用いることを特徴とするコンクリ
ート構造体の補強方法。
【0022】(12)前記(1)〜(10)のいずれか
に記載の補強用織物を用いてコンクリート構造体の表面
を補修・補強することを特徴とするコンクリート構造体
の補修・補強方法。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明は、前記したように、補強
繊維糸からなるたて糸とよこ糸がメッシュ状に配列さ
れ、前記配列された補強繊維糸間にたて糸補助糸および
よこ糸補助糸が配列されて組織されていることを特徴と
するものである。
【0024】好ましくは、前記補強繊維糸の太さが15
0〜7000Texであること、前記補強繊維糸が7〜
30mmの間隔で配列していること、前記補強繊維糸の
間に配列する補助糸は、太さが20〜200Texの糸
であること、前記補強繊維糸の間に配列する補助糸が1
〜3本であること、織物の目付が70〜500g/m 2
であることである。
【0025】また、前記補助糸に低融点熱可塑性ポリマ
ーが付着して、補助糸と交錯するたて糸、またはよこ
糸、あるいはたて糸およびよこ糸の交点で接着されても
よい。
【0026】本発明の補強用織物はコンクリート構造体
を補強に用いて好適なものである。
【0027】以下、本発明の補強用織物について図面を
参照しながら詳述する。
【0028】図1は、本発明の実施態様に係る補強用織
物を示している。
【0029】図1において、1a、1b・・は補強繊維
糸のたて糸、3a、3b・・は補強繊維糸のよこ糸でそ
れぞれ大きな間隔で配列されている。
【0030】2a、2b・・はたて糸補助糸、4a、4
b・・はよこ糸補助糸であって大きなピッチで配列した
前記補強繊維糸1、または3の補強繊維糸間に配置され
ている。
【0031】すなわち、たて糸については補強繊維糸1
a、補助糸2a,2bそして補強繊維糸1b、補助糸2
c、2dの順に配列し、よこ糸については補強繊維糸3
a、補助糸4a、4b、補強繊維糸3b、補助糸4c、
4dの順に配列しており、その糸配列で平織の組織で一
体化をなしている。
【0032】図2は、補強繊維糸間の補助糸の配列本数
を違えた場合の実施態様を示すもので、たて糸の補助糸
が補強繊維糸間に3本配置され、よこ糸補助糸が2本配
置されて平織の組織で一体化されたものである。
【0033】図3は、たて糸補助糸が補強繊維糸間に2
本配置され、よこ糸補助糸が1本配置されて平織で組織
された別の実施態様を示したものである。
【0034】本発明の補強織物を構成する補強繊維糸と
してはコンクリート表面の剥落を防ぐものであるから、
高強度で破断伸度の高い炭素繊維、またはポリアラミド
繊維、ガラス繊維を用いることにより少量で高い補強効
果が得られる。
【0035】中でも、炭素繊維は高強度、高弾性率を有
し、また耐アルカリ性にも優れていることから好まし
い。
【0036】炭素繊維は、引張強度が3GPa以上で破
断伸度が1.5%以上とすることにより、少ない使用量
で高い補強効果が得られる。
【0037】そのような特性の炭素繊維を用いることに
より、コンクリート面の剥落防止においては補強織物1
枚当たりの炭素繊維量は50〜450g/m2 程度で十
分な補強効果を発揮させることができる。
【0038】また、炭素繊維糸は繊度が大きい程安価で
あることから、できる限り太い繊度であることが好まし
く、150〜7000Texの太い繊度であることが好
ましい。さらには、350〜1800Texの繊度であ
ることが好ましい。繊度が7000Tex以上の更に太
い炭素繊維にすることで更に低コストが可能となるが、
そのような太い炭素繊維で低目付織物にしようとすると
炭素繊維糸の配列ピッチが非常に大きくなり、織物とし
ての剛性が小さくなるために取扱い性が悪い織物とな
る。大きなピッチの炭素繊維間に補助糸を沢山配列して
組織させ、織物の剛性を高める手段も考えられるが、補
助糸を沢山使用すると材料費がアップするし、織物の生
産性がダウンすることから織物価格がアップする問題が
ある。
【0039】また、余りに太い炭素繊維糸を用いると、
その炭素繊維糸の箇所の厚みが大きくなり、コンクリー
ト面に貼り付け表面を平滑にさせようとすると沢山の樹
脂が必要となり施工費用もアップする問題がある。
【0040】炭素繊維糸は無よりの糸束断面が扁平な糸
を用い、よりが入らないように織物にすることで炭素繊
維同士の交錯部での厚みが低減し、より平滑に成形する
ことができるので好ましい。 例えば、扁平状として
は、フィラメント数が6,000本の炭素繊維糸では糸
幅が3〜6mm、また12,000フィラメント数では
4〜10mm程度である。
【0041】次に、前記炭素繊維糸などの補強繊維糸は
7〜30mmの間隔でメッシュ状に配列させることが好
ましい。
【0042】太い炭素繊維糸などの補強繊維糸をメッシ
ュ状に配列することは、コンクリート面に貼り付ける
際、まずコンクリート面に樹脂を塗布し、その上に補強
用織物を貼り付けるが、補強用織物はメッシュ状である
からコンクリートと補強用織物に空気を抱き込むことな
く貼り付けることが出来、また、下塗り樹脂の塗布ムラ
があっても炭素繊維糸間の大きな隙間から樹脂が抜け、
その抜けた樹脂が塗布の少ない箇所へ容易に移動するの
で、補強用織物を貼り付けた後でも樹脂を均一に分散さ
せることができるものである。
【0043】メッシュの間隔は、用いる炭素繊維糸(補
強繊維糸)の太さと補強に必要な炭素繊維の必要量によ
り決まるものであるが、上記目的から7〜30mmが好
適である。炭素繊維糸のメッシュ間隔を小さくすること
は、炭素繊維の使用量が同じな場合には糸値の高い細い
炭素繊維糸を使用しなければならず、高い織物になって
しまう。
【0044】一方、メッシュ間隔を大きくすると、織物
の剛性が低下して取扱い性の悪い織物となり、炭素繊維
糸の間隔は10〜30mmであることがより好ましいも
のである。
【0045】さらに、炭素繊維糸はメッシュ状で配列さ
れているので、太い炭素繊維糸であっても炭素繊維には
殆どクリンプを有することがなく織物とするので、炭素
繊維の有する高強度が十分に発揮される。
【0046】また、太い炭素繊維糸がメッシュ状に配列
するので、繊維部と空隙部の厚み差を出来るだけ小さく
する方法として、よりのない炭素繊維糸によりが入るよ
うなことなく織物とすれば、炭素繊維が扁平状に拡がり
易くて薄い織物となるので好ましい方法である。
【0047】また、炭素繊維糸の糸束断面が扁平状をな
した糸を使用し、その扁平状の糸によりが入らないよう
に織物にすることで炭素繊維同士の交錯部で厚みが低減
し、より平滑に成形することができる。例えば、扁平状
としては、フィラメント数が6,000本の炭素繊維糸
では糸幅が3〜6mm、また12,000フィラメント
数では4〜10mm程度である。
【0048】補助糸については、織物としての剛性を高
めることが目的であるから大きな繊度の糸で沢山の本数
を用いれば高い効果を発揮するが、補助糸の使用量が増
大してコストアップとなるのが問題である。
【0049】補助糸としては、繊度が20〜200Te
xの糸で、補強繊維糸間に配列する糸本数は、補強繊維
糸の間隔によるが1〜5本程度が好ましい。さらに好ま
しくは、繊度が50〜100Texで、補強繊維糸間に
配列する糸本数は1〜3本で十分に織物の剛性を確保さ
せることができ好ましいものである。
【0050】特に、補助糸の補強繊維糸間に配列する本
数が、多くなると補強繊維糸のたて糸とよこ糸でなすメ
ッシュ状の空隙部面積が小さくなり、前述した施工時に
易樹脂移動性の効果が得られなくなる。
【0051】また、補助糸は、糸自身に高い剛性を有し
ている方が好ましく、中でも引っ張り弾性率が7.5G
Paと高いガラスヤーンが好ましい。
【0052】ガラス繊維は、コンクリートの有するアル
カリ性で劣化されやすいが、ガラス繊維糸自体の補強効
果は期待するものでなく、施工時に織物の形態保持が得
られれば良いものであるから問題とはならない。
【0053】補強繊維糸間に配列する補助糸の位置は、
補強繊維糸間の隙間にほぼ均等に配列することが好まし
いが、特に限定されるものではない。
【0054】前記配列された補強繊維糸と補助糸のたて
糸とよこ糸は平織で組織されていることが好ましい。本
発明の織物は織糸間隔が大きいが、平織組織とすること
によってたて糸とよこ糸の交錯部において高い拘束力を
発揮するので、織物として形態安定性が増し、取扱い性
の優れた織物となるものである。
【0055】前記たて糸および/またはよこ糸の補助糸
には熱可塑性ポリマーが付着し、補助糸と直交して交錯
する炭素繊維(補強繊維糸)のたて糸、またはよこ糸、
またはたて糸およびよこ糸との交点で、あるいは補助糸
との交点で接着されている。
【0056】その様に接着させることにより、織物とし
ての剛性が付与され、また、織物の取扱い時に炭素繊維
糸が曲がったり、目ずれを起こすことがなく、炭素繊維
糸を真っ直ぐに配向させた状態で成形加工させることが
でき、高い補強効果を発揮することが可能である。
【0057】補助糸に熱可塑性ポリマーを付着させる方
法としては、補助糸を芯糸にして低融点の熱可塑性繊維
糸を被覆糸を用い、織物にした後、ヒータで前記熱可塑
性繊維の融点以上に加熱することにより、織糸の交点を
簡単に接着させることが出来好ましい方法である。
【0058】前記被覆方法としては、5〜35Texの
低融点ナイロン糸を15〜200Texのガラスヤーン
の周りに、100〜500T/mのより数でシングル、
またはダブルの巻回被覆させることにより得られる。
【0059】また、溶融状態にした熱可塑性ポリマーを
補助糸の周りに連続的付着させたコーテング糸を製作
し、その糸を織物した後に加熱して交点を接着させるこ
とも可能である。
【0060】この時、熱可塑性ポリマーは補助糸に対し
て、5〜40重量%付着させことが好ましい。
【0061】本発明の補強織物は、コンクリート表面に
生じたひび割れが進展し、コンクリート片が落下するの
を防ぐことができるものであるから沢山の炭素繊維を使
用する必要がなく、炭素繊維の目付で50〜450g/
2 もあれば十分であり、そして補助糸の重量を含め
て、補強織物の目付としては70〜500g/m2 が好
ましいものである。さらには、70〜250g/m2
好ましいものである。
【0062】本発明はコンクリート構造体の表面に樹脂
を塗布し、その上から本発明の補強用織物を貼り付ける
と同時に補強繊維に樹脂含浸させて補強する補修・補強
方法についても含まれる。
【0063】また、本発明の補強織物は、補強繊維をメ
ッシュ状に配列しているので、モルタルやコンクリート
内に埋め込んでモルタルやコンクリートの補強用として
用いることもできる。また、同織物に樹脂を含浸し、繊
維強化樹脂(FRP)として用いることもできる。
【0064】
【実施例】実施例1 補強繊維糸としてフィラメント数が12,000本(繊
度:800Tex)、引張強度が5GPa、破断伸度
2.1%の無よりの炭素繊維高強度糸を用い、補助糸と
しては67.5Texのガラス繊維糸に低融点ナイロン
5.6TexをS方向に200T/mのより数でシング
ル巻回の被覆した糸を用いた。
【0065】たて糸の炭素繊維糸は、密度が1.25本
/cmの筬の筬羽間1つ置きに通し、実際の配列密度
0.625本/cm(炭素繊維糸の間隔が16mm、織
物における炭素繊維の目付が100g/m2 )に配列
し、前記たて糸の補助糸は炭素繊維糸を通した同じ筬羽
間に炭素繊維糸の両端側に位置するようそれぞれ1ずつ
通して補助糸の密度が1.25本/cmとした。
【0066】そして、図1に示す織物構造である平組織
で、よこ糸密度を1.875本/cmとして炭素繊維糸
1に対して補助糸2の関係でよこ糸を切り替えながら製
織し、織機の巻き取り手前に設けた遠赤外線ヒータで加
熱して低融点ナイロンを溶融させ、たて糸とよこ糸の交
点を接着させた。
【0067】炭素繊維糸の密度が粗いにも係わらず、よ
こ糸の炭素繊維糸はたて糸炭素繊維糸の間に配列した補
助糸とも交錯させているので蛇行すること無くほぼ真っ
直ぐに配向し、補助糸との交錯部で熱可塑性ポリマーに
より接着されているので織物として剛性有した取扱い性
の良好な織物が得られた。
【0068】比較例1 実施例と同じ炭素繊維糸を用い(補助糸なし)、たて糸
密度0.625本/cm、よこ糸密度0.625本/c
mでメッシュ織物を製織した。
【0069】たて糸とよこ糸の交点の接着方法は、たて
糸およびよこの炭素繊維糸に低融点ナイロン糸を引き揃
えて供給し、織物にした後ヒータで溶融して交点の接着
を試みた。
【0070】たて糸の炭素繊維の密度が粗いために、た
て糸が開口した際に既に打ち込まれたよこ糸を屈曲さ
せ、織上がった織物のよこ糸が大きく蛇行した織物とな
った。
【0071】また、よこ糸の炭素繊維糸が蛇行したため
にたて糸とよこ糸の交点の接着が不完全な織物となって
不安定な織物で、ハンドレイアップ成形する際に取扱い
難い結果であった。
【0072】
【発明の効果】本発明は、太い補強繊維糸をメッシュ状
に配列し、その補強繊維糸間に細い補助糸を配列させて
組織させ、好ましくはそれぞれの交点を接着させて一体
化させた織物であるから、炭素繊維糸自身はメッシュ状
の構成をなしていても形態安定性を有し、取扱い性に優
れ、また施工時における補強繊維糸を真っ直ぐに配向し
た状態で成形することが出来高い補強効果を発揮する。
【0073】さらに、補強繊維糸として炭素繊維を用い
た場合、安価である太い炭素繊維糸をメッシュ状に配列
させているので炭素繊維糸使用量が少なく、しかも炭素
繊維糸を直線的に配向させているので非常に安価で、高
い補強効果を発揮する補強織物の提供が可能である。
【0074】また、織物に空隙部設けたので、樹脂を下
塗りしたコンクリート面に貼り付ける際、下塗り樹脂が
空隙部から織物表面に簡単に移動し、コンクリート面と
織物面に樹脂過多や過小な部分を作ることなく均一に貼
り付けることができ、特にコンクリート体の垂直面や下
向き面などに貼り付けてもずり落ちたりすることがなく
効率に施工が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補強織物の実施例を示す正面図であ
る。
【図2】本発明の補強織物の他の実施例を示す正面図で
ある。
【図3】本発明の補強織物のさらに他の実施例を示す正
面図である。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c、1d:たて糸の炭素繊維糸 2,2a、2b、2c、2d:たて糸の補助糸 3,3a、3b、3c、3d:よこ糸の炭素繊維糸 4,4a、4b、4c、4d:よこ糸の補助糸

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】補強繊維糸からなるたて糸とよこ糸がメッ
    シュ状に配列され、前記配列された補強繊維糸間にたて
    糸補助糸およびよこ糸補助糸が配列されて組織されてい
    ることを特徴とする補強用織物。
  2. 【請求項2】前記補強繊維糸が7〜30mmの間隔で配
    列されてなることを特徴とする請求項1記載の補強用織
    物。
  3. 【請求項3】前記補強繊維糸の太さが150〜7000
    Texであることを特徴とする請求項1または2に記載
    の補強用織物。
  4. 【請求項4】前記補強繊維糸の間に配列する補助糸は、
    太さが20〜200Texからなることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の補強用織物。
  5. 【請求項5】前記補強繊維糸の間に配列する補助糸が1
    〜3本であり、前記補強繊維糸と補助糸とが平織組織で
    一体化されていることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の補強用織物。
  6. 【請求項6】織物の目付が70〜500g/m2 である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の補強
    用織物。
  7. 【請求項7】前記補強繊維糸が炭素繊維、ポリアラミド
    繊維、ガラス繊維から選ばれた繊維であることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれかに記載の補強織物。
  8. 【請求項8】前記補助糸がガラスヤーンであることを特
    徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の補強織物。
  9. 【請求項9】前記補助糸に低融点熱可塑性ポリマーが付
    着して、補助糸と交錯するたて糸および/またはよこ糸
    の交点で接着されていることを特徴とする請求項1〜8
    のいずれかに記載の補強用織物。
  10. 【請求項10】前記補助糸はガラスヤーンに低融点ポリ
    マー糸が被覆された状態で溶融されて、ガラスヤーンの
    周りに付着してなるものであることを特徴とする請求項
    1〜8のいずれかに記載の補強用織物。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載の補強
    用織物を用いることを特徴とするコンクリート構造体の
    補強方法。
  12. 【請求項12】請求項1〜10のいずれかに記載の補強
    用織物を用いてコンクリート構造体の表面を補修・補強
    することを特徴とするコンクリート構造体の補修・補強
    方法。
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