JP3102295B2 - 補強用織物およびその製造方法 - Google Patents

補強用織物およびその製造方法

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JP3102295B2
JP3102295B2 JP07077867A JP7786795A JP3102295B2 JP 3102295 B2 JP3102295 B2 JP 3102295B2 JP 07077867 A JP07077867 A JP 07077867A JP 7786795 A JP7786795 A JP 7786795A JP 3102295 B2 JP3102295 B2 JP 3102295B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複合材の補強基材として
使用される補強用織物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維織物やガラス繊維織物は、繊維
強化樹脂(FRP)を形成するときの補強基材として広
く用いられている。しかし、これらの織物に使用される
炭素繊維やガラス繊維は非常に弾性率が高いため、引張
りには著しく強いが曲げには脆いという性質がある。そ
のため、よこ糸としてシャトル織機で織製すると、その
よこ糸がシャトル内の小さな管に巻かれることや、シャ
トルの往復によって耳部で折り曲げられることなどか
ら、よこ糸が強い曲げを受けて毛羽を発生しやすいとい
う問題がある。
【0003】このようなことから、補強用織物の織製に
はレピア織機が使用されることが多い。このレピア織機
による織製では、よこ糸は挿入毎に耳部で切断され、ま
た小さい径の管に巻く必要がないため、シャトル織機の
場合のように強い曲げを受けることがない。しかしなが
ら、レピア織機による織物のよこ糸は挿入毎に切断され
るため、耳部がほつれ易いという問題がある。
【0004】一般に、ほつれ防止対策としては耳部を絡
み糸を挿入した絡み耳にすることが採用されている。し
かし、絡み糸を挿入すると、例えばたて糸が太い炭素繊
維で、よこ糸に細い補助糸を使用した織物を製織する場
合には、絡み組織によりよこ糸の両端部が屈曲し、耳部
のよこ糸切断端が1本交互に織物平面に対して上下に立
ってしまう現象が生ずる。
【0005】このように織物の耳部でよこ糸端が立った
状態になると、ハンドレイアップ成形でFRPにする
際、一旦は糸端が含浸ローラーで抑えられるとしても、
樹脂硬化の過程で再び立ってしまい、その部分が分厚く
成形される。その上に直交する方向の織物を更に積層す
ると耳部で盛り上がり、補強織物が曲がって十分な補強
効果が得られなくなるばかりでなく、その間にボイドが
入り、高性能なFRPを得ることができなくなる。
【0006】また、よこ糸を強固に拘束する目的の絡み
糸は、高い張力で供給する必要がある。しかし、このよ
うにして得られた織物は、長さ方向において絡み耳だけ
が突っ張った状態になるため、長尺の織物を長さ方向の
両端を持ちながら積層すると、織物の幅方向中央部が弛
んだ状態になっているため、まず中央部が前の積層の樹
脂と接触し、繊維配向を正確にしながら積層することが
困難になる。
【0007】また、プリプレグ加工などのように連続的
に織物を供給しながら加工していく場合は、突っ張った
耳部が先行し、織物の中央部が遅れることなってよこ糸
が大きく弓なりに曲がることとなり、繊維配向の悪いプ
リフレグになってしまう。特開昭63−288272号
公報には、補強用織物の耳部に熱可塑性ポリマーを付着
させたのち、その耳部をカッターで切断することにより
耳部切断によるほつれを防止するようにしたものが提案
されている。しかし、カッターの織物に対する切断位置
を常に同じ箇所に設定することは困難であるので、切断
箇所を或る程度の幅に確保して熱可塑性ポリマーを付着
させる必要があるため、かなりの広幅の範囲で熱可塑性
ポリマーを付着した織物になることが避けられない。
【0008】しかし、このような織物の一部に予め熱可
塑性ポリマーを含浸させた状態にすると、その領域には
FRPのマトリックス樹脂が含浸するのが阻害されるこ
とになるため、FRPの特性を低下させてしまう問題が
ある。また、耳部切断のための余分な工程が必要であ
り、かつ耳部切断除去による材料ロスも発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、よこ
糸端部を切断端とする場合において、その切断端が織物
平面に対して直立状態になるのを防止することにより、
複合材の性能向上を図るようにした補強用織物およびそ
の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、少なくともたて糸を実質的に無撚りで、繊
度が500〜30,000デニール、サイジング剤付着
量が0.2〜2.0重量%である補強繊維糸で構成し、
よこ糸に繊度が100デニール以上で、前記たて糸の繊
度の1/3以下である糸を用いると共に、耳部切断端
形成した織物であって、該よこ糸の切断端を最外側に
位置するたて糸と交差する部分で接着剤だけで接着固定
したことを特徴とするものである。
【0011】また、本発明による他の補強用織物は、少
なくともたて糸を実質的に無撚りで、繊度が500〜3
0,000デニール、サイジング剤付着量が0.2〜
2.0重量%である補強繊維糸で構成すると共に、最外
側に位置するたて糸の外側に補助たて糸を配置し、よこ
に繊度が100デニール以上で、前記たて糸の繊度の
1/3以下である糸を用いると共に、耳部切断端
成した織物であって、該よこ糸の切断端を前記補助たて
糸と交差する部分で接着剤だけで接着固定したことを特
徴とするものである。このようによこ糸切断端を、最外
側のたて糸、またはその外側に配置した補助たて糸と交
差する部分で接着剤だけで接着固定して拘束状態にした
ので、そのよこ糸切断端が織物平面に対して立った状態
になることはなく、FRP等の複合材に対する補強効果
を低減させることはない。
【0012】また、よこ糸切断端の接着固定をたて糸ま
たは補助たて糸に対して点状または線状に限定すること
ができるので、FRP等のマトリックス樹脂の含浸を妨
げることはなく、高性能の複合材にすることができる。
また、上記補強用織物の製造方法は、少なくともたて糸
実質的に無撚りで、繊度が500〜30,000デニ
ール、サイジング剤付着量が0.2〜2.0重量%であ
補強繊維糸で構成し、よこ糸に繊度が100デニール
以上で、前記たて糸の繊度の1/3以下である糸を用い
ると共に、耳部切断端形成した織物の耳部に低融点
ポリマーからなる糸を絡み糸として挿入し、該織物の少
なくとも耳部を加熱することにより前記絡み糸を溶融さ
て、よこ糸の切断端を絡み糸の拘束から解放し、前記
よこ糸の切断端を前記織物の最外側に位置するたて糸に
融着させることを特徴とするものである。
【0013】本発明による他の製造方法は、少なくとも
たて糸を実質的に無撚りで、繊度が500〜30,00
0デニール、サイジング剤付着量が0.2〜2.0重量
%である補強繊維糸で構成すると共に、最外側に位置す
るたて糸の外側に補助たて糸を配置し、よこ糸に繊度が
100デニール以上で、前記たて糸の繊度の1/3以下
である糸を用いると共に、耳部切断端形成した織物
の耳部に低融点ポリマーからなる糸を絡み糸として挿入
し、該織物の少なくとも耳部を加熱することにより前記
絡み糸を溶融させて、よこ糸の切断端を絡み糸の拘束か
ら解放し、前記よこ糸の切断端を前記補助たて糸に融着
させることを特徴とするものである。
【0014】このように低融点ポリマーからなる糸を絡
み糸とし、それを加熱溶融させるため、よこ糸切断端と
たて糸または補助たて糸に対して点状または線状に簡単
に接着固定させることができる。以下、本発明を図に示
す実施例によって具体的に説明する。図1は、本発明の
実施例からなる補強用織物を示す。
【0015】図1において、補強用織物1は多数本のた
て糸2とよこ糸3とにより平織に織製されている。たて
糸2には炭素繊維等の高強力、高弾性率の補強繊維糸が
使用され、これに対してよこ糸3は、補強繊維糸のたて
糸2を一体化させるための補助糸として使用され、それ
ぞれ織物の両耳部でたて糸方向に平行に切り揃えられた
切断端3eを形成している。このよこ糸3の両側の切断
端3eは、それぞれ多数のたて糸群のうち最外側に位置
するたて糸2sに対し、低融点ポリマーを接着剤5とし
て点状または線状に接着固定されている。
【0016】補強用織物1の織構造は特に限定されず、
従来から使用されているものがいずれも使用可能であ
る。例えば、上記例示の平織のほか、綾織、朱子織、ノ
ンクリンプ組織などを使用することができる。図2は、
本発明の他の実施例からなる補強用織物を示すものであ
る。この実施例の補強用織物1は、図1の実施例におい
て、両最外側に位置するたて糸2sの外側に、さらに複
数本の補助たて糸4を挿入したものである。補助たて糸
4は、よこ糸3の切断端3eと交錯することにより耳組
織を形成している。このように複数本挿入した補助たて
糸4のうち、少なくとも最外側に位置する補助たて糸4
が、よこ糸3の切断端3eとの交点で低融点ポリマーを
接着剤5として点状または線状に接着されている。
【0017】補助たて糸4はよこ糸3の切断端3eを拘
束するための補助手段として配置したものであるので、
その使用繊維としては必ずしもたて糸2と同じ補強繊維
糸を使用する必要はない。同じであってもよいが、太さ
は細くてよい。また、補助たて糸4による織構造は特に
限定されず、地組織と同一であってもよく、異なってい
てもよい。ただし、よこ糸切断端3eを拘束することを
目的とするものであるので、望ましく交錯点の多い平織
組織にすることが好ましい。
【0018】上述した実施例において、よこ糸切断端と
たて糸または補助たて糸との接着固定に使用する低融点
ポリマーの耳部の単位長さ当たりの付着量としては、
0.02〜0.2g/mにするとよい。0.02g/m
よりも少なくては、十分な接着効果を得ることが難しく
なり、また0.2g/mよりも多くなると、FRPにし
た場合のマトリックス樹脂の補強繊維糸への含浸性が低
下するようになる。
【0019】少なくともたて糸に使用する補強繊維糸は
実質的によりを無撚りで、繊度が500〜30,000
デニール、サイジング付着量が0.2〜2.0重量%
である。また、図2の例のように耳部に補助たて糸を使
用する場合は、その織幅および繊度と密度の関係として
は、補助たて糸の織幅を2〜20mm、補助たて糸/補強
繊維糸のたて糸との繊度比を1/3〜1/40、また補
助たて糸の繊度×密度を1,000〜12,000デニール
・本/cm にするのがよい。
【0020】本発明において、少なくともたて糸に使用
する補強繊維糸には、高強度・高弾性率の繊維を使用す
る。例えば、炭素繊維、ガラス繊維、芳香族ポリアミド
繊維などである。なかでも、フィラメントが多数本集束
した炭素繊維が好ましい。この炭素繊維としては、単繊
維径が5〜8ミクロン、フィラメント数が5,000〜
50,000本のマルチフィラメント糸で、引張強度が
200〜700kg/mm2 、引張弾性率が20〜70×1
3 kg/mm2 の範囲のものがよい少量の繊維量で高い補
強効果が得られるので好ましい。
【0021】よこ糸に使用する補助糸は、本質的にFR
Pの機械的特性を担うものではなく、たて糸の補強繊維
糸の形態保持を行うものであるので、繊度が100〜1
200デニールであって、たて糸よりも細い糸を使用す
ることが好ましい。特に、繊度の上限としては、たて糸
として使用する補強繊維糸の太さの1/3以下であるこ
とが好ましい。補強繊維糸糸の太さの1/3よりも太く
すると、よこ糸の剛性が大きくなって、交錯点において
たて糸のクリンプが大きくなるため、補強繊維糸が有す
る高強度・高弾性率の効果が低減することになる。
【0022】このよこ糸に補助糸として使用する繊維と
しては、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリビニ
ルアルコール繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊
維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維など特に限
定されるものではないが、なかでもガラス繊維、芳香族
ポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維は熱収縮率
が小さく、寸法安定性がよいので好ましい。
【0023】さらに、よこ糸切断端のたて糸または補助
たて糸に対する接着剤としては、熱融着性の低融点ポリ
マーの使用が好ましい。この低融点ポリマーとしては、
ナイロン、共重合ナイロン、ポリエステル、塩化ビニリ
デン、塩化ビニル、ポリポリウレタンなどの熱可塑性樹
脂を使用することができる。なかでも共重合ナイロン、
例えば、ナイロン6、66および610の共重合ナイロ
ン、ナイロン6、12、66および610の共重合ナイ
ロンは好ましい。
【0024】本発明による補強用織物の製造方法として
は、次のようにすれば簡単に行うことができる。まず、
図3に示すように、補強繊維糸からなるたて糸2と補助
糸としてのよこ糸3とから一体化された地組織を構成
し、さらにこの地組織の両最外側に位置するたて糸2
s,2sの外側に突出するよこ糸3の切断端3eに、低
融点ポリマーからなる糸6,7が絡み糸として織り込ま
れた一方向性の織物構造の原反1’を製作する。
【0025】上記のように耳部にからみ糸6,7を設け
た原反1’は、織製時に補強繊維糸のたて糸2群が一本
交互に上下の開口運動がなされても、よこ打ち込みされ
たよこ糸3の切断端3eが低融点熱可塑性ポリマー糸
6、7の絡み組織でしっかりと保持されるため、よこ糸
3が織物の中央方向に引き込まれることがなく、正常な
繊維配向の織物に製織される。
【0026】しかし、この原反1’の状態でも、図3に
示すように、よこ糸3の切断端3eは織物面に対して1
本交互に上下に立った状態になる。この現象は、図4に
示す絡み組成構造図から分かるように、絡み糸6および
7に矢印a方向に張力が加わると絡み糸6および7が真
っ直ぐになろうとするため、よこ糸切断端3eが、それ
ぞれ絡み糸(上糸)6からは紙面の裏側へ曲げる力を受
け、絡み糸(下糸)7からは紙面の表側に曲げる力を受
けることによって、よこ糸端3eは矢印bまたはcの方
向に回転して、表側と裏側とに交互に立った状態にな
る。
【0027】この傾向は、よこ糸3の剛性が小さいほ
ど、また絡み糸6,7の剛性が大きく絡み糸の締め付け
が強いほど大きくなる。上記のように織製された原反
1’は、織機上で巻き取りローラーに巻き取られるまで
の間に、耳部をヒーターにより絡み糸6,7の低融点ポ
リマーの溶融温度以上に加熱処理され、その絡み糸6,
7を溶融させる。この加熱処理によって、よこ糸切断端
3eは絡み糸6、7の拘束から解放されて、図1のよう
に真っ直ぐな状態になった補強用織物1が得られる。
【0028】上記製造方法において、絡み組織を形成す
る2本の絡み糸のうち、低融点ポリマーの糸は何れか一
方だけにし、他方を他の繊維糸にするようにしてもよ
い。また、本発明の製造方法において、少なくとも原反
のたて糸は補強繊維糸から構成されるが、よこ糸も共に
補強繊維糸から構成した二方向性の補強用織物であって
もよい。
【0029】図5は、たて糸2とよこ糸3を共に補強繊
維糸から構成した二方向性の原反10を示す。この原反
10では、よこ糸3が補強繊維糸から構成されているた
め剛性が高く、図3の一方向性の原反1’では生じた絡
み糸6,7の締め付けによるよこ糸切断端3eの屈曲は
僅かであり、ほとんど立った状態になることはない。
【0030】しかし、絡み糸6,7の供給は地組織のた
て糸2とは組織構造が異なるため別供給させる必要があ
り、また、絡み糸6,7はよこ糸3を強固に把持させる
目的から高い張力を掛けて製織するのが普通である。そ
の結果として、耳が突っ張った原反織物になり、織物ロ
ールから解舒させながら連続的にプリプレグ加工すると
耳が先行し、織物の中央部が遅れることによりよこ糸が
大きく弧形する問題が生じたりする。
【0031】しかし、本発明の製造法による補強用織物
であれば、製織後に絡み糸の低融点ポリマーからなる糸
6,7を溶融させて、織物の長さ方向の突っ張りを解放
させるので、上記問題点を発生することはない。
【0032】
【実施例】引張強度4,800MPa 、引張弾性率230
GPa 、破断伸度2.1%、フィラメント直径7μm、フ
ィラメント数12,000本、繊度7,200デニール
の扁平な炭素繊維をたて糸として1,875本の密度で
配列し、ガラス繊維(フィラメント直径7μm、フィラ
メント数が400本、繊度が405デニール)をよこ糸
として使用することにより、図3に示す平織の地組織
で、その地組織の両耳部に、低融点ナイロン糸(共重合
ナイロン)300デニールを2本組みにした絡み糸を設
けた原反を織製した。この織製は、たて糸の開口時に常
に一方向からレピア棒の先端でよこ糸端を把持して挿入
し、筬打ち時にそのよこ糸をカッターで切断するレピア
織機によって行った。
【0033】次いで、上記原反を巻取りロールに巻き取
る手前で、ヒーターにより耳部の絡み糸を溶融させ、こ
の絡み糸に隣接するたて糸とよこ糸切断端とを接着させ
ることにより、補強用織物にした。このようにして得ら
れた補強用織物は、上記のように絡み糸を溶融させる前
のよこ糸切断端は、剛性が小さい細いガラス繊維である
ため、2本の絡み糸の張力によって1本交互に織物面の
上下に立った状態になっていたが、絡み糸を溶融させた
後は屈曲が解放されて真っ直ぐな状態になった。しか
も、織物両端のたて糸とよこ糸切断端は低融点ナイロン
糸の溶融樹脂で接着されることにより、たて糸がほつれ
ることはなかった。
【0034】さらに、この補強用織物に室温硬化型エポ
キシ樹脂をハンドレイアップで含浸させることによりF
RP硬化板を製作した。このFRP硬化板は、よこ糸切
断端の屈曲による織物耳部の盛り上がりが全くなかっ
た。
【0035】
【発明の効果】上述したように、本発明の補強用織物
は、よこ糸切断端を最外側のたて糸、またはその外側に
配置した補助たて糸と交差する部分で点状または線状に
接着固定して拘束状態にしたので、そのよこ糸切断端が
織物平面に立った状態になることはなく、FRP等の複
合材の補強効果を低減させることはない。
【0036】また、よこ糸切断端の接着固定がたて糸ま
たは補助たて糸に対して点状または線状になるので、F
RP等のマトリックス樹脂の含浸が妨げられることがな
く、高性能の複合材を得ることができる。また、本発明
による補強用織物の製造方法は、低融点ポリマーからな
る糸を絡み糸とし、それを加熱溶融させることによりよ
こ糸切断端とたて糸または補助たて糸との接着を行うた
め、よこ糸切断端とたて糸または補助たて糸に点状また
は線状に簡単に接着固定させ、上記性能の補強用織物を
効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例からなる補強用織物の斜視図で
ある。
【図2】本発明の他の実施例からなる補強用織物の斜視
図である。
【図3】本発明の製造方法に使用する原反織物を示す斜
視図である。
【図4】図3の原反織物の要部を示す説明図である。
【図5】本発明の製造方法に使用する他の実施例からな
る原反織物の平面図である。
【符号の説明】
1 補強用織物 2 たて糸 3 よこ糸 4 補助たて糸 5 接着剤(低融点ポリマー) 6 絡み糸(上糸) 7 絡み糸(下糸) 1’,10 原反織物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D06C 7/00 D06C 7/00 A 25/00 25/00 A (56)参考文献 特開 昭61−188992(JP,A) 特開 昭59−26546(JP,A) 特開 昭60−209044(JP,A) 特開 平7−279003(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 1/00 - 27/18 D06C 25/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともたて糸を実質的に無撚りで、
    繊度が500〜30,000デニール、サイジング剤付
    着量が0.2〜2.0重量%である補強繊維糸で構成
    し、よこ糸に繊度が100デニール以上で、前記たて糸
    の繊度の1/3以下である糸を用いると共に、耳部
    断端形成した織物であって、該よこ糸の切断端を最外
    側に位置するたて糸と交差する部分で接着剤だけで接着
    固定した補強用織物。
  2. 【請求項2】 少なくともたて糸を実質的に無撚りで、
    繊度が500〜30,000デニール、サイジング剤付
    着量が0.2〜2.0重量%である補強繊維糸で構成す
    ると共に、最外側に位置するたて糸の外側に補助たて糸
    を配置し、よこ糸に繊度が100デニール以上で、前記
    たて糸の繊度の1/3以下である糸を用いると共に、
    切断端形成した織物であって、該よこ糸の切断端
    を前記補助たて糸と交差する部分で接着剤だけで接着固
    定した補強用織物。
  3. 【請求項3】 前記接着剤が低融点ポリマーである請求
    項1または2に記載の補強用織物。
  4. 【請求項4】 前記たて糸を構成する補強繊維糸が、炭
    素繊維、ガラス繊維及び芳香族ポリアミド繊維から選ば
    れた繊維からなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    補強用織物。
  5. 【請求項5】 前記よこ糸が、ガラス繊維、芳香族ポリ
    アミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル
    繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維及びポリプロ
    ピレン繊維から選ばれた繊維からなる請求項2〜4のい
    ずれか1項に記載の補強用織物。
  6. 【請求項6】 前記補助たて糸の織幅が2〜20mm、前
    記補助たて糸/前記補強繊維糸のたて糸の繊度比が1/
    3〜1/40、前記補助たて糸の繊度×密度が1,000
    〜12,000テ゛ニール・本/cmである請求項2〜5のいず
    れか1項に記載の補強用織物。
  7. 【請求項7】 前記耳部の単位長さ当たりの前記低融点
    ポリマーの付着量が、0.02〜0.2g/mである請
    求項3〜6のいずれか1項に記載の補強用織物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の補
    強用織物を用い、ハンドレイアップにより繊維強化樹脂
    成形体を製作する繊維強化樹脂成形体の製造方法
  9. 【請求項9】 少なくともたて糸を実質的に無撚りで、
    繊度が500〜30,000デニール、サイジング剤付
    着量が0.2〜2.0重量%である補強繊維糸で構成
    し、よこ糸に繊度が100デニール以上で、前記たて糸
    の繊度の1/3以下である糸を用いると共に、耳部
    断端形成した織物の耳部に低融点ポリマーからなる糸
    を絡み糸として挿入し、該織物の少なくとも耳部を加熱
    することにより前記絡み糸を溶融させて、よこ糸の切断
    端を絡み糸の拘束から解放し、前記よこ糸の切断端を前
    記織物の最外側に位置するたて糸に融着させる補強用織
    物の製造方法。
  10. 【請求項10】 少なくともたて糸を実質的に無撚り
    で、繊度が500〜30,000デニール、サイジング
    剤付着量が0.2〜2.0重量%である補強繊維糸で構
    成すると共に、最外側に位置するたて糸の外側に補助た
    て糸を配置し、よこ糸に繊度が100デニール以上で、
    前記たて糸の繊度の1/3以下である糸を用いると共
    に、耳部切断端形成した織物の耳部に低融点ポリマ
    ーからなる糸を絡み糸として挿入し、該織物の少なくと
    も耳部を加熱することにより前記絡み糸を溶融させて、
    よこ糸の切断端を絡み糸の拘束から解放し、前記よこ糸
    の切断端を前記補助たて糸に融着させる補強用織物の製
    造方法。
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