JPH05302031A - ポリアリ−レンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアリ−レンスルフィド樹脂組成物

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JPH05302031A
JPH05302031A JP3139534A JP13953491A JPH05302031A JP H05302031 A JPH05302031 A JP H05302031A JP 3139534 A JP3139534 A JP 3139534A JP 13953491 A JP13953491 A JP 13953491A JP H05302031 A JPH05302031 A JP H05302031A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低腐蝕性であるポリアリーレンスルフィド樹
脂を提供する。 【構成】 (A)ポリアリーレンスルフィド樹脂20重
量%〜99.9重量%、(B)繊維状充填材及び/又は
無機充填材を0重量%〜70重量%、(C)下記一般式
で示される無定形のアルミノケイ酸塩から選ばれる1種
類又は数種類のアルミノケイ酸塩0.1重量%〜10重
量%からなる樹脂組成物。 M O・Al・xSiOIIO・Al・xSiOIII ・Al・xSiO (ここで、M,MII又はMIIIは各種の金属イオ
ン,xは2以上の数)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアリーレンスルフ
ィド樹脂組成物に関する。更に詳しくは、金属腐蝕性が
著しく低減されたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアリーレンスルフィド樹脂は、卓越
した耐熱性、耐薬品性及び難燃性を有するエンジニアリ
ングプラスチックとして近年注目されており、これらの
各種の特性を生かし、自動車部品分野、電気電子部品分
野等で大きな需要の伸びをみせている。しかしながら、
ポリアリーレンスルフィド樹脂をフィルム、繊維或いは
成形体として電気・電子部品類に用いる場合、ポリアリ
ーレンスルフィド樹脂本来の成形加工性及び電気絶縁性
を発揮させるには、ポリアリーレンスルフィド樹脂の腐
蝕性を低減させることが必要である。例えば、電子部品
の被覆・封止材料としてポリアリーレンスルフィド樹脂
を用いる場合、部品類の電極・配線・リードフレーム等
が腐蝕し、トラブルの発生原因になることがしばしばあ
る。
【0003】ポリアリーレンスルフィド樹脂の腐蝕性低
減法としては、ポリアリーレンスルフィド樹脂にハイド
ロタルサイト化合物を添加する方法(特開昭60−18
6561号公報)、炭酸亜鉛,炭酸マンガン,炭酸マグ
ネシウムを添加する方法(特開平2−191655号公
報)等が知られている。しかしながら、いずれの方法に
おいても腐蝕性の低減効果が不十分である。
【0004】また、ポリアリーレンスルフィド樹脂にア
ルカリ金属の炭酸塩,珪酸塩,水酸化物を添加する方法
(米国特許第4,017,450号公報)が知られてい
る。しかし、これらの効果は充分ではなく、しかも電気
的性質に悪影響を及ぼすという問題を有している。さら
に、性能が比較的よい炭酸リチウムは高価であるという
経済的な問題及び添加による機械的強度の低下という問
題を有している。
【0005】本発明同様の目的でポリアリーレンスルフ
ィド樹脂に結晶性のアルミノケイ酸塩(総称:ゼオライ
ト)を添加することは知られている(特開昭62−16
7356号公報,特開昭62−295956号公報
等)。しかしながら、結晶性アルミノケイ酸塩を添加す
ることで若干の改良効果はあるものの、電気・電子部品
分野で用いられる電極,リードフレーム,リード線等の
被覆又は封止用途などに用いられた場合、腐食性の低減
化が不十分であり更なる改良が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を改善し、ポリアリーレンスルフィド樹脂の金属腐蝕性
を低減し、従来品より低腐蝕性であるポリアリーレンス
ルフィド樹脂を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
現状に鑑みポリアリーレンスルフィド樹脂の金属腐蝕性
の低減を行うため鋭意研究を進めた。その結果、無定形
のアルミノケイ酸塩(特に、陽イオンを特定の金属イオ
ンに交換したアルミノケイ酸塩)を添加することでポリ
アリーレンスルフィド樹脂の腐蝕性が著しく低減するこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、(A)ポリアリーレンスル
フィド樹脂20重量%〜99.9重量%、(B)繊維状
充填材及び/又は無機充填材を0重量%〜70重量%、
(C)下記一般式で示される無定形のアルミノケイ酸塩
から選ばれる1種類又は数種類のアルミノケイ酸塩0.
1重量%〜10重量%からなる樹脂組成物である。
【0009】M O・Al・xSiOIIO・Al・xSiOIII ・Al・xSiO (ここで、M,MII又はMIIIは各種の金属イオ
ン,xは2以上の数) 以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明で用いられる成分(A)のポリアリ
ーレンスルフィド樹脂は、繰り返し単位が一般式−Ar
−S−で表される1種或いは2種以上の中から選ばれる
高分子である。ここで、具体的に−Ar−S−は、下記
の構造単位で構成されているものが挙げられる。
【0011】
【化1】 (但し、式中R,Rは、各々水素原子,アルキル
基,フェニル基,アルコキシル基,ニトロ基,ハロゲン
原子,アルキレングリコール基,ヒドロキシル基,ニト
リル基,カルボキシル基,スルホン基又はアミノ基を示
す。また、式中Xは、メチレン,エチレン,イソプロピ
ル,エーテル,ケトン又はスルホン基を示す。) しか
し、特に好ましくはポリフェニレンスルフィド樹脂であ
る。ポリフェニレンスルフィド樹脂は、一般式
【0012】
【化2】 で示される繰返単位を持った構造が70モル%以上、好
ましくは90モル%以上含まれているものであれば、他
の成分が共重合されたものであっても良い。
【0013】ポリアリーレンスルフィド樹脂は、一般に
特公昭44−2761号公報,特公昭45−3368号
公報,米国特許第3,274,165号公報,特公昭4
6−27255号公報等で代表される製造法により得ら
れる比較的分子量の小さい重合体と特公昭52−122
40号公報で代表される本質的に線状で比較的高分子量
の重合体とがあり、前者の重合体は、酸素雰囲気下或い
は過酸化物等の架橋剤の存在下で加熱することにより高
重合度化して用いることも可能である。
【0014】本発明に使用するに適したポリアリーレン
スルフィド樹脂の溶融粘度(高下式フローテスターによ
り(ダイス:直径=0.5mm,長さ=2mm)300
℃,10kg荷重での測定)は、本質的に線状で比較的
高分子量の重合体であれば50〜50000ポイズ、好
ましくは100〜30000ポイズのものが使用でき
る。また、架橋剤などの存在下で加熱することにより高
重合度化した重合体であれば加熱処理前の溶融粘度が5
0〜20000ポイズのものであり、加熱処理後の溶融
粘度が150〜50000ポイズ、好ましくは200〜
30000ポイズのものが使用できる。ここで、溶融粘
度が50ポイズ未満の場合は、機械的強度が低下し好ま
しくない。また、50000ポイズを越える場合は、成
形性に難点を生じ好ましくない。
【0015】次に、本発明で用いられるアルミノケイ酸
塩とは、無定形のアルミノケイ酸塩であり、特に、陽イ
オンを遷移金属等によりイオン交換処理した化合物であ
る。この無定形のアルミノケイ酸塩は、X線回折による
分析方法により結晶構造に起因する回折パターンが現れ
ない化合物であり、下記の一般式で表される化学組成を
有する化合物である。
【0016】M O・Al・xSiOIIO・Al・xSiOIII ・Al・xSiO (ここで、M,MII又はMIIIは各種の金属イオ
ン,xは2以上の数)ここで、xは2〜100の範囲の
ものが好適に用いられる。
【0017】本発明で用いるアルミノケイ酸塩は、まず
ケイ酸アルカリ水溶液と含アルミニウム水溶液を同時に
且つ連続的に反応させることによって、アルミノケイ酸
のアルカリ金属塩を得、これを所望の金属イオンによっ
てイオン交換処理して製造するのが能率的である。
【0018】上記のケイ酸アルカリ水溶液として、ケイ
酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム等の各
水溶液が、また、含アルミニウム水溶液としては、硫酸
アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミン酸ナトリウ
ム等の各水溶液が好適に使用される。
【0019】上記のアルミノケイ酸のアルカリ金属塩を
調製するための好ましい実施方法は、撹拌機を備えたオ
ーバーフロー型の反応槽に撹拌下で両水溶液を同時に且
つ連続的に供給して反応させる方法である。また、アル
ミノケイ酸のアルカリ金属塩を調製するための別の実施
方法として、反応スラリーを排出することなく両水溶液
を撹拌条件下の反応槽に同時に供給する回分方式の調製
方法ももちろん適用することができる。次に、得られた
アルミノケイ酸のアルカリ金属塩は、金属イオンの硫酸
塩,硝酸塩,塩化物水溶液と接触させ、洗浄することで
無定形のアルミノケイ酸塩を容易に得ることができる。
【0020】ここで、金属イオンとしてMn,Fe,C
o,Ni,Cu,Zn,Sn,Cr,Ag,Cd,Mg
が好ましく用いられる。
【0021】本発明で用いられるアルミノケイ酸塩の添
加量は、ポリアリーレンスルフィド樹脂とアルミノケイ
酸塩と繊維状充填材及び/又は無機充填材の総量に対し
て0.1重量%〜10重量%の範囲であり、好ましくは
0.5重量%〜8重量%の範囲である。ここで、添加量
が0.1重量%未満の場合は、腐蝕性の低減効果が乏し
く、また、10重量%を越える場合は、成形後の力学強
度が低下するため好ましくない。
【0022】本発明に用いられる繊維状充填材は、ガラ
ス繊維,炭素繊維,グラファイト化繊維,ウィスカー,
金属繊維,無機系繊維,有機系繊維,鉱石系繊維等が使
用可能である。
【0023】これらの繊維状充填剤は、以下のものが例
示される。
【0024】ガラス繊維としては、通常のガラス繊維の
他にニッケル,銅等金属コートしたガラスファイバー、
シランファイバー、アルミノケイ酸塩ガラスファイバ
ー、中空ガラスファイバー、ノンホローガラスファイバ
ー等が挙げられる。
【0025】炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル
を原料とするPAN系、ピッチを原料とするピッチ系繊
維が挙げられる。
【0026】無機系繊維としては、ロックウール,ジル
コニア,アルミナシリカ,チタン酸バリウム、炭化ケイ
素,アルミナ,シリカ,高炉スラグ等の各種繊維が挙げ
られる。
【0027】鉱石系繊維としては、アスベスト,ワラス
テナイト,マグネシウムオキシサルフェート等が挙げら
れる。
【0028】有機系繊維としては、全芳香族ポリアミド
繊維,フェノール樹脂繊維,全芳香族ポリエステル繊維
等が挙げられる。
【0029】ウィスカーとしては、窒化ケイ素ウィスカ
ー,塩基性硫酸マグネシウムウィスカー,チタン酸バリ
ウムウィスカー,チタン酸カリウムウィスカー,炭化ケ
イ素ウィスカー,ボロンウィスカー等が挙げられる。
【0030】次に、本発明で用いられる無機充填材と
は、板状,粉粒状の無機物である。例えば、硫酸カルシ
ウム,硫酸バリウム,炭酸リチウム,炭酸カルシウム,
炭酸マグネシウム,炭酸亜鉛,タルク,マイカ,クレ
イ,シリカ,アルミナ,カオリン,ジルコニア,石膏,
ケイ酸カルシウム,ケイ酸マグネシウム,ケイ酸アルミ
ニウム,リン酸カルシウム,リン酸マグネシウム,リン
酸亜鉛,アパタイト,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化銅,
酸化鉄,酸化スズ,酸化マグネシウム,カーボンブラッ
ク,黒鉛,ガラスパウダー,ガラスバルーン,石英,石
英ガラス,ハイドロタルサイト等の充填材を挙げること
ができる。
【0031】繊維状充填材及び/又は無機充填材添加量
は、ポリアリーレンスルフィド樹脂とアルミノケイ酸塩
と繊維状充填材及び/又は無機充填材の総量に対して0
重量%〜70重量%の範囲であり、好ましくは20重量
%〜50重量%の範囲である。ここで、繊維状充填材及
び/又は無機充填材の配合比は、特に限定はない。但
し、繊維状充填材及び/又は無機充填材の添加量が70
重量%を越える場合は、成形に難点を生じるため好まし
くない。
【0032】また、本発明に用いられる繊維状充填材及
び/又は無機充填材は、ポリアリーレンスルフィド樹脂
との接着性を高めるため、一般に用いられる公知の表面
処理剤、収束剤を併用することが可能であり、また好ま
しい。例を示せば、エポキシ系化合物、イソシアネート
系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物等の官
能性化合物である。これらの化合物は、充填材に予め表
面処理または収束処理を施して用いるか、または材料調
整の際に同時に添加しても良い。
【0033】更に、本発明の組成物に対して、本発明の
目的を損なわない範囲で酸化防止剤、熱安定剤、紫外線
吸収剤、滑剤、離型剤、染料,顔料などの着色剤、難燃
剤、難燃助剤及び帯電防止剤などの通常の添加剤を1種
又は2種以上添加することもできる。
【0034】また、必要に応じてポリエチレン、ポリブ
タジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリス
チレン、ポリブテン、ポリαーメチルスチレン、ポリ酢
酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、
ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ナ
イロン6,ナイロン66,ナイロン610,ナイロン1
2,ナイロン11,ナイロン46等のポリアミド、ポリ
エチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレー
ト,ポリアリレート,液晶ポリマー等のポリエステル、
ポリウレタン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポ
リフェニレンオキシド、ポリスルフォン、ポリエーテル
スルフォン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミ
ドイミド、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、フッ素樹
脂などの単独重合体、ランダム又はブロック、グラフト
共重合体の1種以上を混合して使用することもできる。
【0035】本発明の樹脂組成物は、上述した成分を溶
融混練することによって得られる。例えば、上述した成
分を予め混合した後バンバリーミキサー、ロール混練
機、一軸混練機、二軸混練機等を用いて溶融混練し、ペ
レット化することができる。
【0036】溶融混練の温度は、一般に330℃〜42
0℃の温度で行うことができる。得られたペレットは、
通常の押出成形、射出成形、圧縮成形等の手段を用いて
任意の形状に成形可能である。
【0037】
【実施例】次に、実施例及び比較例を示して本発明を更
に具体的に説明するが、本発明は、これらに限定される
ものではない。尚、以下の実施例で用いたポリアリーレ
ンスルフィド樹脂組成物の腐食性試験は、以下の方法に
より行った。
【0038】○腐食性試験 (I)ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物のペレット
10gを図1に示すような秤量瓶に入れ、その中にハン
ダメッキが施されたリ−ドフレ−ムを入れて200℃,
48時間オ−ブン中で加熱した。次に、シャーレを温度
85℃,湿度85%の高温・恒湿槽に入れ10時間処理
を行った。その後、シャーレを室温に冷却し、ハンダメ
ッキが施されたリ−ドフレ−ムの腐食度の判定を目視に
て行った。
【0039】判定 ◎;変色なし ○;わずかに灰色に変色 △;灰色に変色 ×;黒色に変色 (II)PPSペレット10gを図1に示すような秤量
瓶に入れ、その中に銀板(0.2mm(厚み)×25m
m×25mm)を入れて150℃,500時間オ−ブン
中で加熱した。その後、シャーレを室温に冷却し銀板の
腐食度の判定を目視にて行った。
【0040】判定 ◎;変色なし ○;わずかに灰色に変色 △;灰色に変色 ×;黒色に変色 参考例1 本発明に用いたポリフェニレンスルフィド樹脂は、以下
のように合成した。15l容量のオ−トクレ−ブに硫化
ナトリウムNaS・2.9HO 1.8モル、N−
メチル−2ピロリドン(以下NMPと略す)4.5kg
を入れ、窒素気流下撹拌して200℃まで昇温し、主に
水からなる留出液636gを留去した。系を170℃ま
で冷却した後、p−ジクロルベンゼン1.8モルをNM
P1.5kgとともに添加し、窒素気流下に系を封入、
昇温して250℃にて3時間重合を行った。重合終了
後、系を冷却し、内容物を水中に投入、ポリマ−を沈澱
させた後、沈澱したポリマ−をグラスロ−トで捕集し、
約10lの温水で洗浄、濾過を繰り返し、一晩加熱真空
乾燥し、ポリマ−を単離した。得られたポリマ−は1.
85kg、収率95%であり、溶融粘度(300℃にて
直径0.5mm、長さ2mmのダイズを用い、荷重10
kgで高化式フロ−テスタ−で測定した値)は250ポ
イズであった。次に、得られたポリマ−を空気中250
℃に設定したオ−ブンに入れ、そのまま3時間硬化さ
せ、溶融粘度1400ポイズのポリフェニレンスルフィ
ド樹脂を得た。以下、PPSと略記する。
【0041】参考例2 <アルミノケイ酸塩の調製>あらかじめ、40℃に保持
した硫酸アルミニウム水溶液(Al=7.8重量
%,HSO=22.5重量%)とケイ酸ナトリウム
水溶液(SiO=13.0重量%,NaO=5.4
重量%)とをオーバーフロータイプの反応槽に、それぞ
れ4cc/minの速度で供給し、撹拌下で反応させ
た。このときの該反応液スラリーのpHは6.5であっ
た。
【0042】反応が完了したスラリー状生成物は濾過
し、洗浄液中に硫酸イオンが検出されなくなるまで水洗
し、洗浄ケーキを得た。この洗浄ケーキは無定形のアル
ミノケイ酸塩であり、原子吸光光度法で求めた化学組成
はウェットベースで(NaO=3.1重量%,Al
=5.0重量%,SiO=29.9重量%)であ
った。この無定形のアルミノケイ酸塩を100℃で乾燥
した。以下、Na−Gと略記する。
【0043】参考例3 <アルミノケイ酸塩のイオン交換>参考例2で得られた
無定形のアルミノケイ酸塩を硫酸銅,硫酸亜鉛,硫酸ニ
ッケルの各水溶液でイオン交換し、濾過後、硫酸イオン
が検出されなくなるまで水洗し、100℃で乾燥した。
以下、各々Cu−G,Zn−G,Ni−Gと略記する。
ここで、Cu−GのX線回折パターンを図2に示す。
【0044】実施例1〜4 参考例1のPPSとガラス繊維(セントラルガラスファ
イバー(株)製,チョプドストランド)及び参考例3で
調製したイオン交換したアルミノケイ酸塩を表1に示す
組成で混合し、二軸押出機(池貝鉄工(株)製,PCM
−45)を用い、330℃の温度で押出し造粒を行っ
た。
【0045】次に、ペレットを120℃で2時間除湿乾
燥した後、腐蝕性の試験(I),(II)を行った。結
果を表1に示す。
【0046】実施例5〜6 参考例1のPPS,ガラス繊維(セントラルガラスファ
イバー(株)製,チョプドストランド)及び参考例2で
調製したアルミノケイ酸塩を表1に示す組成で混合し、
二軸押出機(池貝鉄工(株)製,PCM−45)を用
い、330℃の温度で押出し造粒を行った。
【0047】次に、ペレットを120℃で2時間除湿乾
燥した後、腐蝕性の試験(I),(II)を行った。結
果を表1に示す。
【0048】比較例1 参考例1のPPSとガラス繊維(セントラルガラスファ
イバー(株)製,チョプドストランド)を表1に示す組
成で混合し、二軸押出機(池貝鉄工(株)製,PCM−
45)を用い、330℃の温度で押出し造粒を行った。
【0049】次に、ペレットを120℃で2時間除湿乾
燥した後、腐蝕性の試験(I),(II)を行った。結
果を表1に示す。
【0050】比較例2 参考例1のPPS,ガラス繊維(セントラルガラスファ
イバー(株)製,チョプドストランド),モルデナイト
型ゼオライト(クニミネ工業社製,SiO/Al
=10(モル比))を表1に示す組成で混合し、二軸
押出機(池貝鉄工(株)製,PCM−45)を用い、3
30℃の温度で押出し造粒を行った。
【0051】次に、ペレットを120℃で2時間除湿乾
燥した後、腐蝕性の試験(I),(II)を行った。結
果を表1に示す。
【0052】比較例3 参考例1のPPS,ガラス繊維(セントラルガラスファ
イバー(株)製,チョプドストランド),炭酸リチウム
(和光純薬工業(株)製)を表1に示す組成で混合し、
二軸押出機(池貝鉄工(株)製,PCM−45)を用
い、330℃の温度で押出し造粒を行った。
【0053】次に、ペレットを120℃で2時間除湿乾
燥した後、腐蝕性の試験(I),(II)を行った。結
果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアリ−レンスルフ
ィド樹脂に無定形のアルミノケイ酸塩を配合することに
より腐蝕性が著しく低減したポリアリ−レンスルフィド
樹脂組成物を得ることができる。
【0056】これにより、電気・電子部品など金属腐蝕
性が問題となる分野でも広く利用でき、工業的価値は高
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜6,比較例1〜3の樹脂を加熱処理
したことに対する金属の腐蝕性を調べる試験の概略図で
ある。
【図2】参考例3で調製した無定形アルミノケイ酸銅塩
のX線回折パターンである。 装置;理学電機製,ガイガーフレックス2013型,管
球1.5kW 測定条件;光源:Cu−Kα線 電圧:40kV 電流:25mA
【符号の説明】
1;オ−ブン 2;秤量瓶 3;シャ−レ 4;ハンダメッキを施したリ−ドフレ−ム又は銀板 5;試料(樹脂ペレット)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂20
    重量%〜99.9重量%、(B)繊維状充填材及び/又
    は無機充填材を0重量%〜70重量%、(C)下記一般
    式で示される無定形のアルミノケイ酸塩から選ばれる1
    種類又は数種類のアルミノケイ酸塩0.1重量%〜10
    重量%からなる樹脂組成物。 M O・Al・xSiOIIO・Al・xSiOIII ・Al・xSiO (ここで、M,MII又はMIIIは各種の金属イオ
    ン,xは2以上の数)
  2. 【請求項2】無定形のアルミノケイ酸塩のM,MII
    又はMIIIが、Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Z
    n,Sn,Cr,Ag,Cd,Mgから選ばれる金属イ
    オンである特許請求の範囲請求項1に記載の樹脂組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016132710A (ja) * 2015-01-19 2016-07-25 東ソー株式会社 ポリアリーレンスルフィド系組成物

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